JPH05209833A - Al−Si電極中のシリコンの定量分析方法 - Google Patents

Al−Si電極中のシリコンの定量分析方法

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JPH05209833A
JPH05209833A JP1445492A JP1445492A JPH05209833A JP H05209833 A JPH05209833 A JP H05209833A JP 1445492 A JP1445492 A JP 1445492A JP 1445492 A JP1445492 A JP 1445492A JP H05209833 A JPH05209833 A JP H05209833A
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JP
Japan
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silicon
electrode
sample
solution
strontium
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JP1445492A
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Hideo Hara
秀夫 原
Tsutae Suzuki
傅 鈴木
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Meidensha Corp
Meidensha Electric Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Meidensha Corp
Meidensha Electric Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 Al−Si電極の配合組成と特性の関係を定
量的に把握するため、上記Al−Si電極中のシリコン
を高感度に定量するICP法を提供することを目的とす
る。 【構成】 Al−Si電極から採取した試料に希塩酸を
加えて所定温度で加熱分解した後、冷却し、この分解液
に精製水と標準物質としてのストロンチウムを加え、精
製水で一定量とし、これを試料溶液として高周波誘導結
合型プラズマ発光法を用いてシリコンの発光強度を測定
し、内部標準法によってシリコンを定量するようにした
シリコンの定量分析方法を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高周波誘導結合型プラズ
マ発光法(以下、ICP法という)によるAl−Si電
極中のシリコンの定量分析方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般にSIサイリスタ(Static Inducti
on Thyristor,静電誘導形サイリスタ)は静電誘導形パ
ワートランジスタのドレイン層に導電形の異なるエミッ
タ層が付加された高耐圧,大電力の高速デバイスであっ
て、電極材料としてAl−Si合金を原材料として、こ
の原材料を蒸着手段によって成膜して電極としている。
【0003】しかしながらシリコンはアルミニウムに比
べて蒸着膜中に入り難いという特性を有しているため、
最適な成膜条件を確立するためには、Al−Si電極を
構成する蒸着膜の成分を定量分析する技術が要求され
る。そして該蒸着膜の組成と特性の関係を明確に且つ定
量的に把握して、品質管理及び工程管理を向上させる必
要があるため、Al−Si電極中の微量シリコンの分析
方法の確立が不可欠である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような問
題点に着目して創案されたものであって、上記のAl−
Si電極中のシリコンを高感度に定量するICP法を提
供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の目的を達
成するために、Al−Si電極試料を採取し、この試料
に希塩酸を加えて所定温度で加熱分解した後、冷却し、
この分解液に標準物質としてのストロンチウムを加え、
精製水で一定量とし、これを試料溶液として高周波誘導
結合型プラズマ発光法を用いてシリコンの発光強度を測
定し、内部標準法によってシリコンを定量することをそ
の解決手段としている。
【0006】
【作用】かかる定量分析方法によれば、Al−Si電極
試料を希塩酸を用いて加熱分解した際に試料溶液中に他
の共存物質の残査がなく、シリコンをほぼ完全に分解す
ることができる。
【0007】そして試料溶液をICP法を用いてシリコ
ンの発光強度を測定し、ストロンチウムを標準物質とし
て内部標準法で定量した際に、分解試薬としての塩酸が
負の影響を示すが、検量線作成用溶液中に一定量の塩酸
を添加することにより、塩酸の存在による影響を抑える
ことができる。
【0008】更に合成溶液を測定した時の変動係数、回
収率がともに実用上充分に満足できる分析精度が得ら
れ、その結果Al−Si電極中のシリコンが高感度に定
量され、これにより微量のシリコンの分析方法が確立さ
れて、Al−Si蒸着電極の組成と特性の関係を明確に
することができる。
【0009】
【実施例】以下、本発明にかかるAl−Si電極中のシ
リコンの定量分析方法の具体的な実施例を説明する。
【0010】先ず図1のフローチャートに基づいて、本
実施例の基本的な操作手順を説明する。先ずステップ10
1で試料となるAl−Si電極を採取し、ステップ102で
コニカルビーカー内で希塩酸HCl(1+1)を加えて
所定温度で加熱分解する。次にステップ103でこの分解
液を冷却した後、ステップ104で分解液に精製水を加え
てメスフラスコに移し、ステップ105で標準物質として
ストロンチウム1.0mgを加え、精製水で50mlの
一定量とする。これをステップ106でICP法によるシ
リコンの定量分析方法における試料溶液とする。
【0011】以下、本発明に係るICP法によるAl−
Si電極中のシリコンの定量分析方法の詳細を実施例に
基づいて説明する。
【0012】〔1〕 分析方法の操作手順 〔1−1 試料の分解および試料溶液調製方法〕Al−
Si蒸着膜電極を試料として、分解試薬として希塩酸を
用いて加熱分解に供したところ、容易に分解できた。そ
こで試料の分解は希塩酸分解法を採用した。即ち、10
0mlのコニカルビーカーに試料を採取し、HCl(1
+1)を20ml加えて加熱分解し、放冷後に精製水で
全量を50mlのメスフラスコに移し入れ、この溶液に
標準物質としてストロンチウム1.0mgを加え、精製
水を加えて50mlの一定量とし、これをICP法によ
るシリコンの定量分析方法における試料溶液とする。
【0013】尚、上記精製水はイオン交換水を2回蒸留
して作製した。
【0014】〔2〕 分析装置、測定条件および試薬 〔2−1 分析装置〕ICP発光分光装置は島津製作所
製ICPS−1000−2型を用いた。
【0015】〔2−2 測定条件〕測定条件を表1に示
す。
【0016】
【表1】
【0017】〔2−3 試薬〕実験に使用した試薬のリ
ストを表2に示す。
【0018】
【表2】
【0019】〔2−4 測定方法〕ピークサーチ内部標
準法とした。
【0020】〔3〕 実験および結果 〔3−1 分析線の選定〕シリコンの分析に最も適した
波長を選定するため、Al−Si電極を構成する各元素
の単独溶液及び内部標準物質としてのストロンチウムを
用いて分析線の選定を定性的に行った。その結果を図2
〜図10に示す。
【0021】尚、溶液中の各元素の濃度はAlが80.
0ppm又は40.0ppm、Srが20.0ppm、
Siが4.0ppmである。そしてシリコンの発光強度
の高い9本の波長を選び、分析線の選定を行った。
【0022】図2は波長251.612nmの発光スペ
クトル、図3は波長212.415nmの発光スペクト
ル、図4は波長288.160の発光スペクトル、図5
は波長250.690nmの発光スペクトル、図6は波
長252.852nmの発光スペクトル、図7は波長2
51.433nmの発光スペクトル、図8は波長25
2.412nmの発光スペクトル、図9は波長221.
669nmの発光スペクトル、図10は波長251.9
21nmの発光スペクトルであり、何れの波長もSi単
独の波長は存在しなかった。このため、Al,Sr及び
イオン交換水中のSiの定性分析を行った。その結果を
図11,図12,図13に示す。
【0023】図11はアルミニウム80.0ppm溶液
を用いた波長が251.612nm,212.415n
m及び288.160nmのシリコンの発光スペクトル
であり、図12はストロンチウム20.0ppm溶液を
用いた上記と同一波長のシリコンの発光スペクトル、図
13はイオン交換水を用いた上記と同一波長のシリコン
の発光スペクトルである。
【0024】この定性分析の結果、アルミニウム,スト
ロンチウム及びイオン交換水中に不純物として微量のシ
リコンが含まれていることが判明した。以上の結果から
分析線として、シリコンの発光強度が最も高い波長25
1.612nmを採用した。
【0025】〔3−2 内部標準物質とその波長の選
定〕内部標準物質としてストロンチウムを採用し、この
ストロンチウムの分析線を選定するため、ストロンチウ
ムの代表的な波長3本(407.771nm、421.
552nm、216.596nm) の発光スペクトルを
測定して定性的に行った。その結果を図14〜図16に
示す。
【0026】何れの波長もストロンチウムの発光線のみ
で共存物質は全てベースライン上にあり、ストロンチウ
ムに対する妨害は観察されなかった。以上の結果から何
れの波長も採用可能であるが、ここでは発光強度の最も
高い波長407.771nmを採用した。
【0027】〔3−3 検量線の精度〕前記試料溶液中
のシリコンの濃度は約3ppmである。このためシリコ
ン濃度0〜4.0ppmの範囲で検量線の精度を確かめ
た。その結果を図17に示す。この図から、検量線はほ
ぼ原点を通り、相関係数は0.99999、標準偏差は
0.0043ppmと非常に良い精度を示していること
がわかる。
【0028】〔3−4 試薬の影響〕シリコン濃度3p
pm溶液に分解試薬である塩酸を段階的に加えてその影
響を定量的に調べた。その結果を図18に示す。影響の
有無の判定は、Siの回収率(測定値×100/仕込み
値)の±2%として図中に許容範囲として破線で表示し
た。
【0029】その結果、塩酸の添加量に比例してSiの
回収率が低下するという負の影響を示した。このことは
塩酸の存在により、試料溶液の粘度が上昇し、試料吸い
込み量が低下して見掛けの発光強度が低くなったためで
ある。
【0030】従って検量線作成用溶液中に一定量の塩酸
を添加して、塩酸の存在による影響を抑えることにし
た。
【0031】〔3−5 共存元素の影響〕シリコン濃度
3ppm溶液にアルミニウム及び内部標準物質のストロ
ンチウムを各々段階的に加えてそれらの共存元素の影響
を定量的に調べた。その結果を図19〜図20に示す。
これらの影響の有無の判定はシリコンの回収率の±2%
以内とし、図中に許容範囲として破線で表示した。
【0032】その結果、各元素ともに破線で示した許容
範囲内にあり、影響のないことが判明した。
【0033】〔3−6 内部標準物質ストロンチウムに
対する試薬の影響〕ストロンチウム濃度20ppm溶液
に分解試薬である塩酸を段階的に加えてその影響を定量
的に調べた。その結果を図21に示す。影響の有無の判
定は、Srの回収率(測定値×100/仕込み値)の±
2%として図中に許容範囲として破線で表示した。その
結果、塩酸は添加量に比例してSrの回収率が低下する
という負の影響を示した。これは塩酸の存在により、試
料溶液の粘度が上昇して試料吸い込み量が低下し、見掛
けの発光強度が低くなったためである。
【0034】従って検量線作成用溶液中に一定量の塩酸
を加えて塩酸の存在による影響を抑えることにした。
【0035】〔3−7 内部標準物質ストロンチウムに
対する共存元素の影響〕ストロンチウム濃度20ppm
溶液にアルミニウム及びシリコンを各々段階的に加えて
それぞれの元素のストロンチウムに対する影響を定量的
に調べた。その結果を図22〜図23に示す。各元素と
も破線で示した許容範囲にあり、ストロンチウムに対す
る影響はなかった。
【0036】〔3−8 合成溶液による分析精度の検
証〕上記検討した条件での分析精度を検証するため、合
成溶液を5個調整して実施した。表3に合成溶液の組成
を、表4に測定結果をそれぞれ示す。
【0037】
【表3】
【0038】
【表4】
【0039】表4から、シリコンの測定値平均は3.0
0ppm,回収率は100.0%、変動係数(CV)は
0.55%と実用上十分満足出来る精度が得られた。
【0040】検量線作成用溶液の組成を表5に示したよ
うに調整した。即ち、100mlのメスフラスコに希塩
酸40ml、ストロンチウム2.0mgを加え、アルミ
ニウム2〜8mgとシリコン0.1〜0.4mgを段階
的に加えて精製水で100mlの一定量とした。
【0041】
【表5】
【0042】〔4〕 考察 以上の結果から、本実施例に係るICP法によるAl−
Si電極中のシリコンの分析方法を検討することによ
り、次の知見が得られた。
【0043】(4−1) 試料の分解方法 Al−Si電極は希塩酸を加えて一定の時間加熱するこ
とにより、容易にシリコンを分解することが可能となっ
た。
【0044】(4−2) 分析線 シリコンの発光強度及び感度の高い分析線251.61
2nmの共存元素の妨害を調べた結果、妨害ピークは見
られなかった。
【0045】 (4−3) 分解試薬及び共存元素の影響と抑制 分解試薬である希塩酸は負の干渉を示した。これは希塩
酸の存在により試料溶液中の粘度が上昇して試料の吸込
量が低下したことによるものと考えられるので、この影
響を抑えるため検量線作成用溶液中に一定量の塩酸を添
加し、更にストロンチウム内部標準法を用いて測定する
ことにより、上記の影響を抑えることが可能となった。
又、共存元素は何れも影響がなかった。
【0046】(4−4) 分析精度 合成溶液を5個測定した時の回収率は100.0%、変
動係数は0.55%といずれも実用上十分満足できる精
度であった。
【0047】
【発明の効果】本発明に係るICP法によるAl−Si
電極中のシリコンの分析方法によれば、試料を希塩酸を
用いて加熱分解することにより、試料溶液中に他の共存
物質の残査がなく、シリコンをほぼ完全に分解すること
ができる。
【0048】そして試料溶液をICP法を用いてシリコ
ンの発光強度を測定し、内部標準法で定量した際に、分
解試薬としての塩酸は負の影響を示すが、検量線作成用
溶液中に一定量の分解試薬を添加することにより、塩酸
の存在による影響を抑えることが可能となった。又、試
料溶液をICP法によって測定した時の変動係数、回収
率がともに実用上充分に満足できる分析精度が得られ、
その結果Al−Si電極中の微量のシリコンの分析方法
が確立されて、Al−Si電極の組成と特性の関係を明
確にするとともに、品質管理及び工程管理を向上させる
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるAl−Si電極中のシリコンの
定量分析方法の基本的な操作手順を示すフローチャー
ト。
【図2】波長251.612nmにおける各種元素の発
光スペクトルを示すグラフ。
【図3】波長212.415nmにおける各種元素の発
光スペクトルを示すグラフ。
【図4】波長288.160nmにおける各種元素の発
光スペクトルを示すグラフ。
【図5】波長250.690nmにおける各種元素の発
光スペクトルを示すグラフ。
【図6】波長252.852nmにおける各種元素の発
光スペクトルを示すグラフ。
【図7】波長251.433nmにおける各種元素の発
光スペクトルを示すグラフ。
【図8】波長252.412nmにおける各種元素の発
光スペクトルを示すグラフ。
【図9】波長221.669nmにおける各種元素の発
光スペクトルを示すグラフ。
【図10】波長251.921nmにおける各種元素の
発光スペクトルを示すグラフ。
【図11】Al中のSiの発光スペクトルを示すグラ
フ。
【図12】Sr中のSiの発光スペクトルを示すグラ
フ。
【図13】イオン交換水中のSiの発光スペクトルを示
すグラフ。
【図14】分解後の試料中の各元素と内部標準物質とし
てのストロンチウムの波長407.771nmにおける
共存物質のプロファイルを示すグラフ。
【図15】分解後の試料中の各元素と内部標準物質とし
てのストロンチウムの波長421.552nmにおける
共存物質のプロファイルを示すグラフ。
【図16】分解後の試料中の各元素と内部標準物質とし
てのストロンチウムの波長216.596nmにおける
共存物質のプロファイルを示すグラフ。
【図17】シリコンの検量線を示すグラフ。
【図18】分解試薬としての塩酸の影響を示すグラフ。
【図19】Alの影響によるシリコンの回収率の許容範
囲を定量的に示すグラフ。
【図20】Srの影響によるシリコンの回収率の許容範
囲を定量的に示すグラフ。
【図21】塩酸の影響によるストロンチウムの回収率の
許容範囲を定量的に示すグラフ。
【図22】Siの影響によるストロンチウムの回収率の
許容範囲を定量的に示すグラフ。
【図23】Alの影響によるストロンチウムの回収率の
許容範囲を定量的に示すグラフ。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Al−Si電極試料を採取し、この試料
    に希塩酸を加えて所定温度で加熱分解した後、冷却し、
    この分解液に標準物質としてのストロンチウムを加え、
    精製水で一定量とし、これを試料溶液として高周波誘導
    結合型プラズマ発光法を用いてシリコンの発光強度を測
    定し、内部標準法によってシリコンを定量することを特
    徴とするAl−Si電極中のシリコンの定量分析方法。
JP1445492A 1992-01-30 1992-01-30 Al−Si電極中のシリコンの定量分析方法 Pending JPH05209833A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9484572B2 (en) 2010-02-18 2016-11-01 Murata Manufacturing Co., Ltd. Electrode active material for all solid state secondary battery and all solid state secondary battery
CN108362685A (zh) * 2018-01-23 2018-08-03 中国航发北京航空材料研究院 一种测定高纯铝中硅元素的分析方法

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US9484572B2 (en) 2010-02-18 2016-11-01 Murata Manufacturing Co., Ltd. Electrode active material for all solid state secondary battery and all solid state secondary battery
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