JPH05209355A - 複合不織布及びその製造方法 - Google Patents
複合不織布及びその製造方法Info
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- JPH05209355A JPH05209355A JP3201278A JP20127891A JPH05209355A JP H05209355 A JPH05209355 A JP H05209355A JP 3201278 A JP3201278 A JP 3201278A JP 20127891 A JP20127891 A JP 20127891A JP H05209355 A JPH05209355 A JP H05209355A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 嵩高で且つ冷温感に優れた複合不織布を提供
する。 【構成】 この複合不織布は、第一スパンボンド不織布
層1と第二スパンボンド不織布層2とが積層されて成
る。スパンボンド不織布層1及び2は、各々目付が5〜1
00g/m2であり、構成繊維である長繊維の繊度は1.5〜
3デニールである。第一スパンボンド不織布層1には、
構成繊維である長繊維の自己融着による第一融着区域3
が、間隔を置いて配置されている。また、第一スパンボ
ンド不織布層1の構成繊維である長繊維と、第二スパン
ボンド不織布層2の構成繊維である長繊維とが融着して
いる第二融着区域4が、間隔を置いて配置されている。
この第一融着区域3と第二融着区域4以外の融着区域は
存在しない。第二スパンボンド不織布層2の見掛け密度
は、第一スパンボンド不織布層1の見掛け密度と比較し
て、低くなっているのが好ましい。
する。 【構成】 この複合不織布は、第一スパンボンド不織布
層1と第二スパンボンド不織布層2とが積層されて成
る。スパンボンド不織布層1及び2は、各々目付が5〜1
00g/m2であり、構成繊維である長繊維の繊度は1.5〜
3デニールである。第一スパンボンド不織布層1には、
構成繊維である長繊維の自己融着による第一融着区域3
が、間隔を置いて配置されている。また、第一スパンボ
ンド不織布層1の構成繊維である長繊維と、第二スパン
ボンド不織布層2の構成繊維である長繊維とが融着して
いる第二融着区域4が、間隔を置いて配置されている。
この第一融着区域3と第二融着区域4以外の融着区域は
存在しない。第二スパンボンド不織布層2の見掛け密度
は、第一スパンボンド不織布層1の見掛け密度と比較し
て、低くなっているのが好ましい。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、嵩高で且つ冷温感に優
れた複合不織布及びその製造方法に関し、特に使い捨て
おむつや生理用ナプキン等の衛生材料の表面材、手術用
着衣、掛け布、ハップ材基布等の素材として好適に使用
しうる複合不織布及びその製造方法に関するものであ
る。
れた複合不織布及びその製造方法に関し、特に使い捨て
おむつや生理用ナプキン等の衛生材料の表面材、手術用
着衣、掛け布、ハップ材基布等の素材として好適に使用
しうる複合不織布及びその製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】長繊維を構成繊維とするスパンボンド不
織布は、短繊維を構成繊維とする短繊維不織布に比べ
て、高強度で且つ比較的安価であるため、種々の用途に
使用されている。しかし、短繊維不織布に比べて、嵩高
さや冷温感の点で劣っている。ここで、冷温感とは、不
織布を手で触れたときの温かさの感覚を言い、体温を速
やかに吸収する場合は冷たく感じ、冷温感に劣ると言
い、逆に体温を吸収しにくい場合は温かく感じ、冷温感
に優れると言う。
織布は、短繊維を構成繊維とする短繊維不織布に比べ
て、高強度で且つ比較的安価であるため、種々の用途に
使用されている。しかし、短繊維不織布に比べて、嵩高
さや冷温感の点で劣っている。ここで、冷温感とは、不
織布を手で触れたときの温かさの感覚を言い、体温を速
やかに吸収する場合は冷たく感じ、冷温感に劣ると言
い、逆に体温を吸収しにくい場合は温かく感じ、冷温感
に優れると言う。
【0003】不織布の嵩高さや冷温感は、構成繊維間に
存在する空気量によって決定されることは、従来より良
く知られている。従って、スパンボンド不織布が嵩高さ
や冷温感に劣っている理由は、構成繊維である長繊維間
に存在する空気量が、短繊維不織布の場合に比べて少な
いからである。このため、長繊維間に存在する空気量を
増大させるため、以下の如き方法が従来より行なわれて
いる。即ち、長繊維として捲縮繊維を使用し、長繊維が
密に配置されないようにして、長繊維間に存在する空気
量を増大させる方法、或いは異形断面の長繊維を使用
し、長繊維間が密着しないように配置して、長繊維間に
存在する空気量を増大させる方法が用いられている。
存在する空気量によって決定されることは、従来より良
く知られている。従って、スパンボンド不織布が嵩高さ
や冷温感に劣っている理由は、構成繊維である長繊維間
に存在する空気量が、短繊維不織布の場合に比べて少な
いからである。このため、長繊維間に存在する空気量を
増大させるため、以下の如き方法が従来より行なわれて
いる。即ち、長繊維として捲縮繊維を使用し、長繊維が
密に配置されないようにして、長繊維間に存在する空気
量を増大させる方法、或いは異形断面の長繊維を使用
し、長繊維間が密着しないように配置して、長繊維間に
存在する空気量を増大させる方法が用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は、前記二
つの方法とは異なる方法で構成繊維間に存在する空気量
を増大させることを試みた。即ち、前記二つの方法は、
構成繊維である長繊維自体を工夫することにより、構成
繊維間に存在する空気量を増大させる方法であるが、本
発明者等は不織布の層構造を工夫することにより、構成
繊維間に存在する空気量を増大させようとした。そし
て、種々検討の結果、不織布をある特殊な積層構造とす
ることによって、構成繊維間に存在する空気量を増大さ
せることに成功し、本発明に至ったのである。
つの方法とは異なる方法で構成繊維間に存在する空気量
を増大させることを試みた。即ち、前記二つの方法は、
構成繊維である長繊維自体を工夫することにより、構成
繊維間に存在する空気量を増大させる方法であるが、本
発明者等は不織布の層構造を工夫することにより、構成
繊維間に存在する空気量を増大させようとした。そし
て、種々検討の結果、不織布をある特殊な積層構造とす
ることによって、構成繊維間に存在する空気量を増大さ
せることに成功し、本発明に至ったのである。
【0005】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、繊度1.
5〜3デニールの長繊維が集積されてなる目付5〜100g/
m2の、第一スパンボンド不織布層と第二スパンボンド
不織布層とが積層されてなる複合不織布であって、該複
合不織布には、下記二種の融着区域のみが間隔を置いて
配置されていることを特徴とする複合不織布及びその製
造方法に関するものである。 記 (1)第一スパンボンド不織布層を構成する長繊維相互間
の自己融着による、第一融着区域。 (2)第一スパンボンド不織布層を構成する長繊維と、第
二スパンボンド不織布層を構成する長繊維との融着によ
る第二融着区域。
5〜3デニールの長繊維が集積されてなる目付5〜100g/
m2の、第一スパンボンド不織布層と第二スパンボンド
不織布層とが積層されてなる複合不織布であって、該複
合不織布には、下記二種の融着区域のみが間隔を置いて
配置されていることを特徴とする複合不織布及びその製
造方法に関するものである。 記 (1)第一スパンボンド不織布層を構成する長繊維相互間
の自己融着による、第一融着区域。 (2)第一スパンボンド不織布層を構成する長繊維と、第
二スパンボンド不織布層を構成する長繊維との融着によ
る第二融着区域。
【0006】本発明に係る複合不織布は、第一スパンボ
ンド不織布層1と第二スパンボンド不織布層2とよりな
る。第一スパンボンド不織布層1は、繊度1.5〜3デニー
ルの長繊維が集積されてなるものである。長繊維の繊度
が3デニールを超えると、第一スパンボンド不織布層1
の柔軟性が低下し、得られる複合不織布を衛生材料の表
面材等の用途に使用しにくくなるので、好ましくない。
また、長繊維の繊度を1.5デニール未満にすると、第一
スパンボンド不織布層1を高速度で製造しにくくなるた
め、好ましくない。また、第一スパンボンド不織布層1
の目付は、5〜100g/m2である。第一スパンボンド不
織布層1の目付が100g/m2を超えると、第一スパンボ
ンド不織布層1の柔軟性が低下し、得られる複合不織布
を衛生材料の表面材等の用途に使用しにくくなるので、
好ましくない。また、第一スパンボンド不織布層1の目
付を5g/m2未満とすると、薄すぎて取り扱いにくくな
るため、好ましくない。
ンド不織布層1と第二スパンボンド不織布層2とよりな
る。第一スパンボンド不織布層1は、繊度1.5〜3デニー
ルの長繊維が集積されてなるものである。長繊維の繊度
が3デニールを超えると、第一スパンボンド不織布層1
の柔軟性が低下し、得られる複合不織布を衛生材料の表
面材等の用途に使用しにくくなるので、好ましくない。
また、長繊維の繊度を1.5デニール未満にすると、第一
スパンボンド不織布層1を高速度で製造しにくくなるた
め、好ましくない。また、第一スパンボンド不織布層1
の目付は、5〜100g/m2である。第一スパンボンド不
織布層1の目付が100g/m2を超えると、第一スパンボ
ンド不織布層1の柔軟性が低下し、得られる複合不織布
を衛生材料の表面材等の用途に使用しにくくなるので、
好ましくない。また、第一スパンボンド不織布層1の目
付を5g/m2未満とすると、薄すぎて取り扱いにくくな
るため、好ましくない。
【0007】この第一スパンボンド不織布層1には、第
一融着区域3が間隔を置いて配置されている。この第一
融着区域3は、第一スパンボンド不織布層1を構成する
長繊維相互間の自己融着によって形成されている。即
ち、長繊維を溶融固着することにより、長繊維相互間の
接触点で融着させるのである。この第一融着区域3は、
一定の間隔を置いて配置されている。例えば、第一融着
区域3を点融着区域とし、これを散点状に配置させた
り、或いは第一融着区域3を線融着区域とし、格子状に
配置させればよい。
一融着区域3が間隔を置いて配置されている。この第一
融着区域3は、第一スパンボンド不織布層1を構成する
長繊維相互間の自己融着によって形成されている。即
ち、長繊維を溶融固着することにより、長繊維相互間の
接触点で融着させるのである。この第一融着区域3は、
一定の間隔を置いて配置されている。例えば、第一融着
区域3を点融着区域とし、これを散点状に配置させた
り、或いは第一融着区域3を線融着区域とし、格子状に
配置させればよい。
【0008】第二スパンボンド不織布層2も、繊度1.5
〜3デニールの長繊維が集積されてなるものである。繊
度を1.5〜3デニールとしたのは、第一スパンボンド不織
布層1の場合と同様である。第二スパンボンド不織布層
2の目付も、5〜100g/m2である。目付を5〜100g/
m2としたのも、第一スパンボンド不織布層1の場合と
同様である。この第二スパンボンド不織布層2と第一ス
パンボンド不織布層1とは、積層されている。そして、
第一スパンボンド不織布層1を構成する長繊維と、第二
スパンボンド不織布層2を構成する長繊維とが相互に溶
融固着することによって、融着された第二融着区域4が
間隔を置いて配置されている。この第二融着区域4にお
いては、第一スパンボンド不織布層1を構成する長繊維
と第二スパンボンド不織布層2を構成する長繊維とが融
着されているが、その必然の結果として、第一スパンボ
ンド不織布層1を構成する長繊維相互間及び第二スパン
ボンド不織布層2を構成する長繊維相互間も自己融着さ
れているものである。第二融着区域4も、散点状に或い
は格子状等の状態で、間隔を置いて配置されている。
〜3デニールの長繊維が集積されてなるものである。繊
度を1.5〜3デニールとしたのは、第一スパンボンド不織
布層1の場合と同様である。第二スパンボンド不織布層
2の目付も、5〜100g/m2である。目付を5〜100g/
m2としたのも、第一スパンボンド不織布層1の場合と
同様である。この第二スパンボンド不織布層2と第一ス
パンボンド不織布層1とは、積層されている。そして、
第一スパンボンド不織布層1を構成する長繊維と、第二
スパンボンド不織布層2を構成する長繊維とが相互に溶
融固着することによって、融着された第二融着区域4が
間隔を置いて配置されている。この第二融着区域4にお
いては、第一スパンボンド不織布層1を構成する長繊維
と第二スパンボンド不織布層2を構成する長繊維とが融
着されているが、その必然の結果として、第一スパンボ
ンド不織布層1を構成する長繊維相互間及び第二スパン
ボンド不織布層2を構成する長繊維相互間も自己融着さ
れているものである。第二融着区域4も、散点状に或い
は格子状等の状態で、間隔を置いて配置されている。
【0009】本発明に係る複合不織布には、前記した第
一融着区域3と第二融着区域4以外の融着区域は、設け
られていない。更に融着区域を設けると、複合不織布の
柔軟性が低下する恐れがあり、或いは衛生材料の表面材
として使用した場合に尿等の透過性が低下する恐れがあ
り、好ましくない。また、本発明においては、第二スパ
ンボンド不織布層2の見掛け密度が、第一スパンボンド
不織布層1の見掛け密度よりも低い方が好ましい。この
理由は、以下のとおりである。即ち、本発明に係る複合
不織布を衛生材料の表面材として使用する場合、尿等の
透過性を良好にするため、融着区域の少ない第二スパン
ボンド不織布層2を肌に接する側とする。従って、第二
スパンボンド不織布層2の肌当たりを良好にするのが好
ましく、このために第二スパンボンド不織布層2の見掛
け密度を低くするのである。見かけ密度が低いというこ
とは、嵩高であるということであり、肌当たりが良好に
なるのである。第一スパンボンド不織布層1と第二スパ
ンボンド不織布層2の見掛け密度を比較するには、両層
を同倍率の電子顕微鏡写真じ観察すればよい。なお、具
体的には、第一スパンボンド不織布層1の見掛け密度は
0.15〜0.4g/cm3程度であり、第二スパンボンド不織布
層2の見掛け密度は0.1〜0.2g/cm3程度である。
一融着区域3と第二融着区域4以外の融着区域は、設け
られていない。更に融着区域を設けると、複合不織布の
柔軟性が低下する恐れがあり、或いは衛生材料の表面材
として使用した場合に尿等の透過性が低下する恐れがあ
り、好ましくない。また、本発明においては、第二スパ
ンボンド不織布層2の見掛け密度が、第一スパンボンド
不織布層1の見掛け密度よりも低い方が好ましい。この
理由は、以下のとおりである。即ち、本発明に係る複合
不織布を衛生材料の表面材として使用する場合、尿等の
透過性を良好にするため、融着区域の少ない第二スパン
ボンド不織布層2を肌に接する側とする。従って、第二
スパンボンド不織布層2の肌当たりを良好にするのが好
ましく、このために第二スパンボンド不織布層2の見掛
け密度を低くするのである。見かけ密度が低いというこ
とは、嵩高であるということであり、肌当たりが良好に
なるのである。第一スパンボンド不織布層1と第二スパ
ンボンド不織布層2の見掛け密度を比較するには、両層
を同倍率の電子顕微鏡写真じ観察すればよい。なお、具
体的には、第一スパンボンド不織布層1の見掛け密度は
0.15〜0.4g/cm3程度であり、第二スパンボンド不織布
層2の見掛け密度は0.1〜0.2g/cm3程度である。
【0010】第一スパンボンド不織布層1や第二スパン
ボンド不織布層2を構成する長繊維としては、従来公知
の長繊維を使用することができ、例えばポリオレフィン
系長繊維,ポリエステル系長繊維,ポリアミド系長繊維
等を使用することができる。また、この長繊維の形態と
しては、通常の直線状のものであってもよいし、また捲
縮性長繊維や異形断面の長繊維であってもよい。
ボンド不織布層2を構成する長繊維としては、従来公知
の長繊維を使用することができ、例えばポリオレフィン
系長繊維,ポリエステル系長繊維,ポリアミド系長繊維
等を使用することができる。また、この長繊維の形態と
しては、通常の直線状のものであってもよいし、また捲
縮性長繊維や異形断面の長繊維であってもよい。
【0011】本発明に係る複合不織布は、具体的には以
下の方法によって製造することができる。即ち、まず従
来公知の溶融紡糸法で長繊維を紡糸して延伸し、それを
シート状に集積して不織ウェブを形成する。そして、多
数の凸部を持つ加熱されたエンボスロールと平滑ロール
との間に、或いは多数の凸部を持つ加熱された一対のエ
ンボスロール間に、不織ウェブを導入する。この結果、
エンボスロールの凸部によって、不織ウェブを構成して
いる長繊維が溶融し、相互に固着して、第一融着区域3
を持つ第一スパンボンド不織布層1を得る。次いで、こ
の第一スパンボンド不織布層1上に、従来公知の溶融紡
糸法で紡糸及び延伸して得られた長繊維をシート状に集
積して、第一スパンボンド不織布層1と不織ウェブとが
積層された複合シートを得る。その後、この複合シート
を、多数の凸部を持つ加熱されたエンボスロールと平滑
ロールとの間に、或いは多数の凸部を持つ加熱された一
対のエンボスロール間に導入する。この結果、第一スパ
ンボンド不織布層1を構成する長繊維と不織ウェブを構
成する長繊維とが溶融して相互に固着し、第二融着区域
4が形成されて、複合不織布が得られるのである。従っ
て、この複合不織布は、第一融着区域3と第二融着区域
4とを持ち、その他の融着区域を持たないものである。
なお、エンボスロールには多数の凸部が間隔を置いて配
設されており、この凸部での加熱及び加圧によって、各
融着区域3,4が形成される。従って、各融着区域3,
4は、各々間隔を置いて不織布中に配置されるのであ
る。
下の方法によって製造することができる。即ち、まず従
来公知の溶融紡糸法で長繊維を紡糸して延伸し、それを
シート状に集積して不織ウェブを形成する。そして、多
数の凸部を持つ加熱されたエンボスロールと平滑ロール
との間に、或いは多数の凸部を持つ加熱された一対のエ
ンボスロール間に、不織ウェブを導入する。この結果、
エンボスロールの凸部によって、不織ウェブを構成して
いる長繊維が溶融し、相互に固着して、第一融着区域3
を持つ第一スパンボンド不織布層1を得る。次いで、こ
の第一スパンボンド不織布層1上に、従来公知の溶融紡
糸法で紡糸及び延伸して得られた長繊維をシート状に集
積して、第一スパンボンド不織布層1と不織ウェブとが
積層された複合シートを得る。その後、この複合シート
を、多数の凸部を持つ加熱されたエンボスロールと平滑
ロールとの間に、或いは多数の凸部を持つ加熱された一
対のエンボスロール間に導入する。この結果、第一スパ
ンボンド不織布層1を構成する長繊維と不織ウェブを構
成する長繊維とが溶融して相互に固着し、第二融着区域
4が形成されて、複合不織布が得られるのである。従っ
て、この複合不織布は、第一融着区域3と第二融着区域
4とを持ち、その他の融着区域を持たないものである。
なお、エンボスロールには多数の凸部が間隔を置いて配
設されており、この凸部での加熱及び加圧によって、各
融着区域3,4が形成される。従って、各融着区域3,
4は、各々間隔を置いて不織布中に配置されるのであ
る。
【0012】
実施例1 メルトフローレート40,Q値2.9のポリプロピレン樹脂
を温度230℃に加熱して溶融し、従来公知の溶融紡糸法
で長繊維を得た。この後直ちに、この長繊維を延伸し
て、繊度2デニールの長繊維にし、捕集コンベア上に集
積して不織ウェブを得た。この不織ウェブを、多数の点
状の凸部を持つ加熱エンボスロールと平滑ロールとの間
に導入して、散点状の第一融着区域を設け、第一スパン
ボンド不織布層を得た。この第一スパンボンド不織布層
は、目付が11g/m2であり、第一融着区域の総面積
は、不織布面積に対して5%であった。また、加熱エン
ボスロールに設けられている点状の凸部の先端は丸形で
直径が0.6mmであり、エンボスロールの温度は130℃であ
った。更に、エンボスロールと平滑ロール間の線圧は、
80kg/cmであった。
を温度230℃に加熱して溶融し、従来公知の溶融紡糸法
で長繊維を得た。この後直ちに、この長繊維を延伸し
て、繊度2デニールの長繊維にし、捕集コンベア上に集
積して不織ウェブを得た。この不織ウェブを、多数の点
状の凸部を持つ加熱エンボスロールと平滑ロールとの間
に導入して、散点状の第一融着区域を設け、第一スパン
ボンド不織布層を得た。この第一スパンボンド不織布層
は、目付が11g/m2であり、第一融着区域の総面積
は、不織布面積に対して5%であった。また、加熱エン
ボスロールに設けられている点状の凸部の先端は丸形で
直径が0.6mmであり、エンボスロールの温度は130℃であ
った。更に、エンボスロールと平滑ロール間の線圧は、
80kg/cmであった。
【0013】この第一スパンボンド不織布層上に、前記
したのと同様の方法で得られた長繊維を集積して、第一
スパンボンド不織布層と不織ウェブとが積層した複合シ
ートを得た。なお、複合シート中の不織ウェブの目付は
11g/m2であった。そして、この複合シートを、多数
の線状の凸部を持つ加熱エンボスロールと平滑ロールと
の間に導入し、第二融着区域を設け、複合不織布を得
た。第二融着区域の総面積は、複合不織布面積に対して
0.8%であった。また、加熱エンボスロールに設けられ
ている線状の凸部は、凸部間隔10mmの格子模様状であ
り、エンボスロールの温度は130℃であった。更に、エ
ンボスロールと平滑ロール間の線圧は、50kg/cmであっ
た。
したのと同様の方法で得られた長繊維を集積して、第一
スパンボンド不織布層と不織ウェブとが積層した複合シ
ートを得た。なお、複合シート中の不織ウェブの目付は
11g/m2であった。そして、この複合シートを、多数
の線状の凸部を持つ加熱エンボスロールと平滑ロールと
の間に導入し、第二融着区域を設け、複合不織布を得
た。第二融着区域の総面積は、複合不織布面積に対して
0.8%であった。また、加熱エンボスロールに設けられ
ている線状の凸部は、凸部間隔10mmの格子模様状であ
り、エンボスロールの温度は130℃であった。更に、エ
ンボスロールと平滑ロール間の線圧は、50kg/cmであっ
た。
【0014】実施例2 実施例1中の第二融着区域を設ける条件で第一融着区域
を設け、実施例1中の第一融着区域を設ける条件で第二
融着区域を設ける以外は、実施例1と同様の方法で複合
不織布を得た。
を設け、実施例1中の第一融着区域を設ける条件で第二
融着区域を設ける以外は、実施例1と同様の方法で複合
不織布を得た。
【0015】比較例 実施例1において第一スパンボンド不織布層を得たのと
同様にして、スパンボンド不織布を得た。このスパンボ
ンド不織布は、目付が22g/m2である以外は、第一ス
パンボンド不織布層と同様のものである。
同様にして、スパンボンド不織布を得た。このスパンボ
ンド不織布は、目付が22g/m2である以外は、第一ス
パンボンド不織布層と同様のものである。
【0016】実施例に係る複合不織布、及び比較例に係
るスパンボンド不織布の厚み,見掛け密度,熱伝導率,
柔らかさを測定し、その結果を表1に示した。
るスパンボンド不織布の厚み,見掛け密度,熱伝導率,
柔らかさを測定し、その結果を表1に示した。
【表1】 なお、表1中の厚み等の測定方法は、以下のとおりであ
る。 (1)厚み:カトーテック株式会社製圧縮試験機KES-FB3を
用いて、測定面積2cm2で不織布に0.5g/cm2の荷重を
与え、そのときの厚さを測定した。 (2)見掛け密度:(1)で測定したときの厚みをDmmとし、
この厚みの不織布の目付をMg/m2としたとき、M/
(D×1000)で算出されるものである。なお、単位は、
g/cm3である。 (3)熱伝導率:カトーテック株式会社製試験機KES-F7を
用いて測定した。熱伝導率は、W・D/A・ΔTで算出
されるものである。ここで、Wは熱流損失であり、Dは
不織布の厚みであり、Aは熱板面積であり、ΔTは不織
布の温度差を示すものである。なお、熱伝導率の単位
は、W/cm・℃である。 (4)柔らかさ:モニター20人による触感テストで柔らか
さを判定した。テストの方法は、実施例1及び比較例に
係る不織布、実施例2及び比較例に係る不織布を手指で
把持してもらい、いずれが柔らかいかを判定し、柔らか
いと判定された不織布に1点/人づつ加点していった。
る。 (1)厚み:カトーテック株式会社製圧縮試験機KES-FB3を
用いて、測定面積2cm2で不織布に0.5g/cm2の荷重を
与え、そのときの厚さを測定した。 (2)見掛け密度:(1)で測定したときの厚みをDmmとし、
この厚みの不織布の目付をMg/m2としたとき、M/
(D×1000)で算出されるものである。なお、単位は、
g/cm3である。 (3)熱伝導率:カトーテック株式会社製試験機KES-F7を
用いて測定した。熱伝導率は、W・D/A・ΔTで算出
されるものである。ここで、Wは熱流損失であり、Dは
不織布の厚みであり、Aは熱板面積であり、ΔTは不織
布の温度差を示すものである。なお、熱伝導率の単位
は、W/cm・℃である。 (4)柔らかさ:モニター20人による触感テストで柔らか
さを判定した。テストの方法は、実施例1及び比較例に
係る不織布、実施例2及び比較例に係る不織布を手指で
把持してもらい、いずれが柔らかいかを判定し、柔らか
いと判定された不織布に1点/人づつ加点していった。
【0017】以上の結果より明らかなとおり、実施例に
係る複合不織布は、比較例に係るスパンボンド不織布に
比べて、同目付でありながら、厚みが厚く且つ見掛け密
度が低く、更に柔らかさに優れている。従って、非常に
嵩高さに富み、柔らかいものである。また、実施例に係
る複合不織布は熱伝導率が小さく、手で触れたときに体
温が吸収されにくく、冷温感に優れるものである。
係る複合不織布は、比較例に係るスパンボンド不織布に
比べて、同目付でありながら、厚みが厚く且つ見掛け密
度が低く、更に柔らかさに優れている。従って、非常に
嵩高さに富み、柔らかいものである。また、実施例に係
る複合不織布は熱伝導率が小さく、手で触れたときに体
温が吸収されにくく、冷温感に優れるものである。
【0018】
【作用及び発明の効果】以上説明したように、本発明に
係る複合不織布は、第一スパンボンド不織布層と第二ス
パンボンド不織布層とが積層されてなり、間隔を置いて
配置された第二融着区域によって両不織布層が接合され
ている。そして、第一スパンボンド不織布層には間隔を
置いて第一融着区域が配置されている。従って、第一ス
パンボンド不織布層と第二スパンボンド不織布層との
間、即ち第一スパンボンド不織布層の構成繊維と第二ス
パンボンド不織布層の構成繊維との間に、多くの空気が
含有され、このため複合不織布は嵩高さに優れ且つ冷温
感にも優れたものである。依って、本発明に係る複合不
織布は、身体の肌に直接接触する、衛生材料等の表面材
の素材として特に好適に使用しうるものである。
係る複合不織布は、第一スパンボンド不織布層と第二ス
パンボンド不織布層とが積層されてなり、間隔を置いて
配置された第二融着区域によって両不織布層が接合され
ている。そして、第一スパンボンド不織布層には間隔を
置いて第一融着区域が配置されている。従って、第一ス
パンボンド不織布層と第二スパンボンド不織布層との
間、即ち第一スパンボンド不織布層の構成繊維と第二ス
パンボンド不織布層の構成繊維との間に、多くの空気が
含有され、このため複合不織布は嵩高さに優れ且つ冷温
感にも優れたものである。依って、本発明に係る複合不
織布は、身体の肌に直接接触する、衛生材料等の表面材
の素材として特に好適に使用しうるものである。
【図1】本発明の一例に係る複合不織布の模式的横断面
図を示したものである。
図を示したものである。
1 第一スパンボンド不織布層 2 第二スパンボンド不織布層 3 第一融着区域 4 第二融着区域
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D04H 3/03 A 7199−3B
Claims (3)
- 【請求項1】 繊度1.5〜3デニールの長繊維が集積され
てなる目付5〜100g/m2の、第一スパンボンド不織布
層と第二スパンボンド不織布層とが積層されてなる複合
不織布であって、該複合不織布には、下記二種の融着区
域のみが間隔を置いて配置されていることを特徴とする
複合不織布。 記 (1)第一スパンボンド不織布層を構成する長繊維相互間
の自己融着による、第一融着区域。 (2)第一スパンボンド不織布層を構成する長繊維と、第
二スパンボンド不織布層を構成する長繊維との融着によ
る第二融着区域。 - 【請求項2】 第二スパンボンド不織布層の見掛け密度
が、第一スパンボンド不織布層の見掛け密度よりも低い
ことを特徴とする請求項1記載の複合不織布。 - 【請求項3】 繊度1.5〜3デニールの長繊維が集積され
てなり、該長繊維相互間の自己融着による第一融着区域
が間隔を置いて配置されてなる第一スパンボンド不織布
層上に、繊度1.5〜3デニールの長繊維を集積して複合シ
ートを形成し、該複合シートに、間隔を置いて加熱及び
加圧を施すことにより、第一スパンボンド不織布層を構
成する長繊維と第一スパンボンド不織布層上に集積され
た長繊維とを融着して第二融着区域を設けることを特徴
とする複合不織布の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3201278A JPH05209355A (ja) | 1991-07-15 | 1991-07-15 | 複合不織布及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3201278A JPH05209355A (ja) | 1991-07-15 | 1991-07-15 | 複合不織布及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05209355A true JPH05209355A (ja) | 1993-08-20 |
Family
ID=16438319
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3201278A Pending JPH05209355A (ja) | 1991-07-15 | 1991-07-15 | 複合不織布及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05209355A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6986825B1 (en) | 1998-08-10 | 2006-01-17 | Hunt Technology Limited | Methods of thermal lamination |
JP2010216055A (ja) * | 2009-03-19 | 2010-09-30 | Oji Nepia Co Ltd | 積層不織布の製造方法 |
-
1991
- 1991-07-15 JP JP3201278A patent/JPH05209355A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6986825B1 (en) | 1998-08-10 | 2006-01-17 | Hunt Technology Limited | Methods of thermal lamination |
JP2010216055A (ja) * | 2009-03-19 | 2010-09-30 | Oji Nepia Co Ltd | 積層不織布の製造方法 |
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