JPH0520911Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本考案は歯車等の回転体を回転軸に簡単に取付
けられるようにしたテープレコーダの回転体取付
装置に関する。

(ロ) 従来の技術 テープレコーダにおいてはモータの回転力をリ
ール軸等に伝達するため、歯車あるいはプーリ等
の多くの回転体が設けられている。斯る回転体は
例えば実公昭51−26087号公報に記載されている
ように、シヤーシ上に設けた回転軸にモータによ
つて回転される駆動歯車を取付け、前記回転軸の
上部に形成した切込み部にＥ形リングあるいはス
リツト入りワツシヤー等を嵌合し、前記回転体が
回転軸より抜けることがないようにしている。

(ハ) 考案が解決しようとする問題点 前述の如く回転体が回転軸より抜けるのを防止
するためにＥ形リングあるいはスリツト入りワツ
シヤー等を用いていたが、Ｅ形リングあるいはス
リツト入りワツシヤー等は小さいため手でもつて
前記回転軸に嵌合することは困難であり、又これ
らＥ形リングあるいはスリツト入りワツシヤーを
嵌合するとその分厚さが増加し、機器全体も厚く
なり特に薄型を要求されるヘツドフオンテープレ
コーダには不適当である。

本考案は斯る欠点を除去したテープレコーダの
回転体取付装置に関する。

(ニ) 問題点を解決するための手段 本考案のテープレコーダの回転体取付装置は上
部に切込み部を有し基板に取付けられた回転軸
と、該回転軸に回転自在に取付けられた回転体
と、先端に形成された弾性挟持部が前記回転軸の
切込み部に嵌合される切換レバーと、該切換レバ
ーにて回動される回動基板とにより構成される。

(ホ) 作用 本考案のテープレコーダの回転体取付装置は上
述の如き構成をなしており、切換レバーによつて
回転体が回転軸より抜けるのを防止すると共に、
切換レバーは前記回転軸を中心として回動されテ
ープの走行方向の切換えを行う。

(ヘ) 実施例 本考案のテープレコーダの回転体取付装置の実
施例を図面に従つて説明する。

１，２は夫々リール歯車３，４が取付けられた
左右のリール軸、５は前記リール軸１，２と同一
の基板６上に取付けられた回転軸で、上部に切込
み部７を有する。８は前記回転軸５に回動自在に
設けられた回動基板で、該回動基板８上の軸９に
第１巻取り歯車１０が軸支され、さらに軸１１に
は前記第１巻取り歯車１０に噛合うように第２巻
取り歯車１２が設けられている。１３は前記回転
軸５に挿入された駆動歯車で、モータ（図示せ
ず）にベルトにて連動され該駆動歯車１３に噛合
う前記第１巻取り歯車１０を回転させる。１４は
切換レバーで、先端部を切込み二又状にし、且つ
円弧状に切削し弾性挟持部１５を形成すると共に
後端部にＵ字状切込み１６を設けており、前記弾
性挟持部１５は回転軸５の切込み部７に弾性的に
嵌合され駆動歯車１３の抜け止め兼回転中心部と
なす一方、Ｕ字状切込み１６に軸９を嵌合してい
る。１７は前記切換レバー１４の傾斜する肩部１
８，１９に当接する接触片２０を有するスライド
基板で、左右及び前後方向に摺動される。

本考案のテープレコーダの回転体取付装置は上
述の如き構成をなすので、駆動歯車１３は前記切
換レバー１４にて抜け止めされている。

そして停止状態では第１図に示すように切換レ
バー１４は中立の位置にあり、第１及び第２巻取
り歯車１０，１２は各リール歯車４，３に噛合う
ことがない。斯る状態でスライド基板１７を矢印
Ａ方向に押込むとスライド基板１７の接触片２０
が切換レバー１４の右側の肩部１９に接触し、該
切換レバー１４を回転軸５を中心として反時計方
向に回動させる。すると切換レバー１４に軸９で
もつて係合されている回動基板８も回転軸５を中
心として反時計方向に回動されるので、第１巻取
り歯車１０は第２図に示すように右側のリール歯
車４に噛合う。従つてモータの回転力は駆動歯車
１３より第１巻取り歯車１０を経てリール歯車４
に伝達され、該リール歯車４を回転する。一方こ
のときスライド基板１７は矢印Ｂ方向に摺動され
ているので、右側のピンチローラがテープを介し
キヤプスタンに圧着され該テープを定速走行し前
記リール歯車４にて回転されるリール軸２に嵌合
されるリールハブに巻取られる。テープが終端ま
で走行されると、自動反転装置（図示せず）が動
作されスライド基板１７を矢印Ｃ方向に摺動し切
換レバー１４を時計方向に回動させる。すると今
度は回動基板８が時計方向に回動され第２巻取り
歯車１２を左側のリール歯車３に噛合せ、該リー
ル歯車３を回転させる。一方スライド基板１７が
矢印Ｃ方向に摺動されることにより、それまで圧
着していた右側のピンチローラがキヤプスタンよ
り離間し、それに代つて左側のピンチローラがキ
ヤプスタンに圧着しテープを定速走行させる。定
速走行されたテープは前記リール歯車３によつて
回転されるリール軸１に嵌合されるリールハブに
巻取られる。

(ト) 考案の効果 本考案の回転体取付装置は、切換操作によつて
回動変位せしめられると共に駆動歯車の回転をリ
ール軸に伝達するべく設けられている巻取り歯車
の動作位置への変位動作を行なう切換レバーの先
端部に弾性挟持部を形成し、該弾性挟持部を前記
駆動歯車の回転軸に嵌合せしめることによつて該
切換レバーを前記回転軸に回動可能取付けただけ
でなく、該切換レバーを前記駆動歯車の抜止め手
段として利用するようにしたことを特徴とするも
のである。従つて、従来のような抜止め用のＥリ
ングを必要とせず、回転体の取付け作業が簡単に
なると共に軸方向の長さを短かくすることが出
来、本考案はヘツドフオンテープレコーダのよう
な小型化特に薄型化が要求されるテープレコーダ
に実施した場合に非常に大きな効果を奏するもの
である。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図及び第３図は本考案のテープレ
コーダの回転体取付装置の各状態を示す平面図、
第４図は本考案のテープレコーダの回転体取付装
置の一部断面図、第５図は本考案に用いられた切
換レバーの平面図である。 主な図番の説明、１，２……リール軸、３，４
……リール歯車、５……回転軸、７……切込み
部、１３……駆動歯車、１４……切換レバー、１
５……弾性挟持部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 基板に取付けられていると共に上方部に切込み
   部が形成されている回転軸と、該回転軸に回転可
   能に取付けられていると共に電動機によつて回転
   駆動される駆動歯車と、前記回転軸に回動可能に
   取付けられていると共にリール軸の駆動動作時動
   作位置に回動変位せしめられる回動基板と、該回
   動基板に設けられている軸によつて回転可能に取
   付けられていると共に該回動基板が動作位置にあ
   るとき前記駆動歯車の回転をリール軸に伝達する
   巻取り歯車と、切換操作によつて回動変位せしめ
   られると共に前記回動基板を動作位置に回動変位
   せしめる切換レバーとより成り、前記切換レバー
   の先端部に弾性挟持部を形成すると共に該弾性挟
   持部を前記回転軸の切込み部に嵌合せしめること
   によつて該切換レバーを前記回転軸に回動可能に
   取付け、以つて該切換レバーを前記駆動歯車の抜
   止め手段として利用するようにしたことを特徴と
   するテープレコーダの回転体取付装置。