JPH0520906A - 車両用灯具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 一つのランプ部の光束が隣接する他のランプ
部の灯室内に漏光することがなく、各ランプ部を明確に
区画点灯させる。 【構成】 前面を開口したボディ５を複数の灯室に区画
し、該各灯室にバルブ１２，１４を設けると共に、開口
面を前面レンズ４によって覆う。灯室を区画する区画壁
１６，１７は、前面レンズ４に向かって延びる一対の離
間した壁構造であり、一方の区画壁１７の端縁を前面レ
ンズ４の内面に対向近接し、他方の区画壁１６の端縁を
前面レンズ４の内面に形成した凹条１８に遊嵌した漏光
防止構造を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、複数の灯室内にそれぞ
れバルブを配置して独立点灯させる構造になる自動車用
コンビネーションランプの改良に係り、特に隣接する他
の区画のランプ部への漏光がない車両用灯具に関するも
のである。

【０００２】

【従来の技術】従来より自動車のフォグランプとターン
シグナルランプ等を一体又は一体的に構成した所謂コン
ビネーションランプにおいては、図７に示すように、フ
ォグランプ部５１とターンシグナルランプ部５２に区画
するそれぞれの灯室を構成するために、ボディ５０に区
画壁５３を突設し、該区画壁５３の端部を前面レンズ５
４の内面に当接又は近接した構造をもっており、また、
図８に示すように、ボディ５０の一側に突設したスタッ
ドピン５５を嵌合するスタッドファスナー５６を車体５
７側の取付部に予め嵌着する構造になっている。また更
に、図９に示すように、ボディ５０の前面には、車体５
７に対するボディ５０の固着部を被覆し、該部の取付螺
子５８を被覆するカバーリム５９を嵌合して車体外面の
意匠性が向上するように構成している。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、前記従来の構
成では、図７に示す区画壁５３の場合、例えばターンシ
グナルランプ部５２を点灯すると、該ターンシグナルラ
ンプ部５２からの光束ψ１が前面レンズ５４と区画壁５
３の間隙Ｇから漏光したり、前面レンズ５４の板厚内の
臨界反射光束ψ２によってフォッグランプ部５１がター
ンシグナルランプ部５２と一緒に輝光するという欠点を
有していた。

【０００４】本発明は、上記問題に鑑みて創案されたも
のであり、フォグランプとターンシグナルランプ等を一
体又は一体的に構成した所謂コンビネーションランプに
おいて、一つのランプ部を点灯した場合、その光束が隣
接する他のランプ部に漏光することがなく、各ランプ部
が明確に区画点灯することができる車両用灯具を提供す
ることを目的とするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る車両用灯具は、前面を開口したボディ
を区画壁によって区画して複数の灯室を構成し、該各灯
室にバルブを設けると共に、開口面を前面レンズによっ
て覆った自動車用コンビネーションランプにおいて、灯
室を区画する区画壁を、それぞれ前面レンズに向かって
延びる一対の離間した区画壁によって構成すると共に、
少なくとも一方の区画壁の端縁を前面レンズの内面に形
成した凹条に遊嵌した漏光防止構造を構成するという手
段を講じたものである。

【０００６】

【作用】上記構成によれば、一のランプ部の灯室に配設
したバルブを点灯すると隣接したランプ部の灯室との間
に構成した一対の区画壁のうち、点灯側の区画壁端縁に
よって光束が遮断され、前面レンズに対する入射角が比
較的大きくなるように規制される。従って、光束は該前
面レンズを透過して前方に照射される。このとき前面レ
ンズの内面によって反射され、区画壁の端縁と前面レン
ズの間隙を経て隣接した区画壁方向に進入する光束が生
ずるが、該反射光束は、区画壁の端縁が前面レンズの凹
条と遊嵌した構造になるため、該光束の進路を完全に遮
断するようになり、光束が隣接する灯室に進入すること
がなく、各ランプ部が明確に点灯する。

【０００７】

【実施例】以下、本発明に係る車両用灯具の実施例を図
面に従って説明する。図面において、１は車体２の被取
付面凹部３に埋め込み固設するフォグランプとターンラ
ンプを一体又は一体的に組み込んでなる所謂コンビネー
ションランプの灯体であり、該灯体１のボディ５は、前
面レンズ４によってその前面を覆った構造になり、該ボ
ディ５の外側端部上下にスタッドピン６，６が横方向に
向かって突設してあり、一方内側端部にはフランジ２６
を一体的に突設した取付フランジ部７を構成している。
また上記ボディ５は、中央部に形成した区画構造８によ
ってフォグランプ部９とターンシグナルランプ部１０が
形成され、フォグランプ部９の灯室にはボディ５に対し
て取付姿勢調節手段（図示せず）を介してリフレクタ１
１を固設すると共に、該リフレクタ１１の光軸上にフィ
ラメントが位置するようにバルブ１２を固設してある。
ターンシグナルランプ部１０は、ボディ５の後壁内面に
反射鏡面を形成してなるリフレクタ１３と、該リフレク
タ１３の底部に固設したバルブソケットを介してバルブ
１４を取り付けると共に、該バルブ１４はリフレクタ１
３の底部段差構造に嵌着した機能色に着色してなる鐘状
のインナーレンズ１５によって覆われており、該インナ
ーレンズ１５の透過によって照射光束を機能色に点灯さ
せる構造になっている。尚、３７はフォグランプ部９の
灯室においてバルブ１２の前方光軸上に構成したシェー
ドであり、該バルブ１２からの直接光束を遮断する構造
になるものである。

【０００８】前記ボディ５の区画構造は、フォグランプ
部９とターンシグナルランプ部１０の隣接側灯室の壁面
を区画壁１６，１７として前面レンズ４方向に延出する
と共に、フォグランプ部９側の区画壁１６の端縁を、前
面レンズ４の内面に形成した凹条１８に遊嵌した構造に
なり、ターンシグナルランプ部１０の区画壁１７の端縁
を該前面レンズ４の内面と離間Ｇして位置するように構
成する（図３参照）。また、ターンシグナルランプ部１
０のバルブ１４にはインナーレンズ１５を被設する構造
になっており、その内面に形成したフレネルステップ又
はプリズムステップ等の拡散ステップ１９により上記バ
ルブ１４から区画壁１７側へ放射される直射光束を遮断
し、フォッグランプ部９側への漏光を防止する作用を呈
する。

【０００９】また、前記スタッドピン６は、車体２の被
取付面凹部３の側壁に穿設した円孔２０に嵌着してなる
スタッドファスナー２１のピン挿入孔２２に圧挿して取
り付けられる。このスタッドファスナー２１は、ゴム又
は軟質合成樹脂等によって成形してあり、挿入筒部２３
の一端に鍔２４を形成し、一方内端の外径を膨出すると
共に、軸心に穿設したピン挿入孔２２の鍔２４側口端
を、該ピン挿入孔２２の内径Φ１より大径Φ２（＞Φ
１）になるピン挿入大径口２５を段差構成したものであ
る（図５参照）。

【００１０】このようなスタッドピン案内構造によれ
ば、スタッドファスナー２１のピン挿入孔２２に段差構
造を構成して鍔２４側の口径Φ２が大径になっているた
め、ボディ５に突設したスタッドピン６先端の狙いをつ
けやすくなり、組み付け作業が簡単になる。

【００１１】取付フランジ部７には、ボディ５の一側に
突設したフランジ２６に対して２個の取付孔２８，２８
が穿設してあり、該取付孔２８，２８に挿通したボルト
・ナット２７を介して灯体１を車体２に締結固着する構
造になってる。また、上記フランジ２６には、下側前端
部分に鉛直方向に開設した掛止孔２９を穿設すると共
に、上側前端部分に前後方向に挿通する矩形の係止孔３
０を穿設する。３１は、灯体１と被取付凹部３の間隙Ｗ
を埋め、上記取付フランジ部７を隠蔽するためのカバー
リム本体であり、前記灯体１の前面レンズ４と略同一側
面及び断面形状を呈すると共に、背面に合成樹脂により
成形したホルダ３２を嵌着し、小螺子３３によって締結
一体化してある。そして、該ホルダ３２の下端には、上
記掛止孔２９に対して嵌入する掛止突起３４を突設する
と共に、上端に係止板発条３５を一体成形してなり、該
係止板発条３５の端部に構成した係止突起３６を上記係
止孔３０の孔縁と係合するワンタッチ着脱機構を構成し
たものである（図４及び図６参照）。また、前記取付フ
ランジ部７の後部には、灯体１の取付角度を調整するた
めのエイミング角度調整機構３８が構成してあり、前記
カバーリム本体３１を取り外すことにより間隙Ｗ内に位
置する調整螺子３９を回動し、車体２に対する灯体１の
取付姿勢を調節することができるように構成してある。

【００１２】従って、前記取付フランジ部７のカバーリ
ム本体３１の構造によれば、係止板発条３５が一体に成
形してあるため該部の部品点数を削減することができる
と共に、この係止板発条３５により、カバーリム本体３
１を弾性的に係着する構造になるため、バルブ１２，１
４の交換時等に簡単に組み付け又は取り外し作業を行う
ことができる。

【００１３】上記構成になる車両用灯具は、前面レンズ
４の内面に形成した凹条１８に、隣接するランプ部の灯
室を区画している一方の区画壁１６の端縁を遊嵌すると
共に、該区画壁１６と並列して前面レンズ４の内面に端
縁を近接対向した今一つの区画壁１７を構成しているた
め、バルブ１４を点灯したときターンシグナルランプ部
１０側の光束が該区画壁１７によって遮断され、前面レ
ンズ４に対する入射角θ１は比較的大きい範囲で規制さ
れる。従って、光束のほとんどは該前面レンズ４を透過
して前方に照射される。そして、該区画壁１７の端縁と
前面レンズ４の間隙を経て隣接した区画壁１６側に進入
する光束は、該区画壁１６の端縁が前面レンズ４の凹条
１８に遊嵌した構造になるため、該光束の進路を完全に
遮断するようになる。従って、ターンシグナルランプ部
１０の光束が隣接する灯室に進入漏光することがなくな
り、バルブ１４の点灯により、フォグランプ部９が疑似
点灯することを阻止することができる。

【００１４】

【発明の効果】本発明に係る車両用灯具は、以上のよう
に構成したから、一つのランプ部の光束が隣接する他の
ランプ部の灯室内に漏光することがなく、各ランプ部が
明確に区画点灯することができ、本発明の実施により得
られる効果は極めて大きい。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る車両用灯具の一実施例を示すコン
ビネーションランプの正面図である。

【図２】図１におけるＩＩ−ＩＩ線断面図である。

【図３】図２における矢視ＩＩＩ部拡大断面図である。

【図４】図１における左側面図である。

【図５】図２における矢視Ｖ部拡大断面図である。

【図６】カバーリムの着脱作用を示す説明図である。

【図７】従来の区画壁の構造を示すコンビネーションラ
ンプの要部断面図である。

【図８】従来のスタッドファスナーの構造を示す断面図
である。

【図９】従来のカバーリムの構造を示すコンビネーショ
ンランプの側断面図である。

【符号の説明】

１ 灯体 ４ 前面レンズ ５ ボディ ６ スタッドピン ７ 取付フランジ部 ８ 区画構造 ９ フォグランプ部 １０ ターンシグナルランプ部 １２，１４ バルブ １５ インナーレンズ １６，１７ 区画壁 １８ 凹条 ２１ スタッドファスナー ２２ ピン挿入孔 ２５ ピン挿入大径口 ２６ フランジ ２９ 掛止孔 ３０ 係止孔 ３１ カバーリム本体 ３２ ホルダ ３４ 掛止突起 ３５ 係止板発条 ３６ 係止突起

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【手続補正書】

【提出日】平成３年１０月２２日

【手続補正１】

【補正対象書類名】図面

【補正対象項目名】全図

【補正方法】変更

【補正内容】

【図１】

【図３】

【図２】

【図４】

【図５】

【図６】

【図８】

【図９】

【図７】

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 【請求項１】 前面を開口したボディを区画壁によって
   区画して複数の灯室を構成し、該各灯室にバルブを設け
   ると共に、開口面を前面レンズによって覆った自動車用
   コンビネーションランプにおいて、 前記灯室を区画する区画壁を、それぞれ前面レンズに向
   かって延びる一対の離間した区画壁によって構成すると
   共に、少なくとも一方の区画壁の端縁を前面レンズの内
   面に形成した凹条に遊嵌し、バルブから放射された光束
   を該区画壁と凹条とによって構成した漏光防止構造によ
   って遮光することを特徴とする車両用灯具。