JPH05208139A - オレフィンの複分解反応用触媒、その調整方法、およびそれを用いた複分解反応 - Google Patents

オレフィンの複分解反応用触媒、その調整方法、およびそれを用いた複分解反応

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JPH05208139A
JPH05208139A JP4222305A JP22230592A JPH05208139A JP H05208139 A JPH05208139 A JP H05208139A JP 4222305 A JP4222305 A JP 4222305A JP 22230592 A JP22230592 A JP 22230592A JP H05208139 A JPH05208139 A JP H05208139A
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Jukka Hietala
ジュッカ・ヒータラ
Pekka Knuuttila
ペッカ・クヌウティラ
Markku Leskelae
マルック・レスケレ
Reijo Sillanpaeae
レイジョ・シランペー
Ari Lehtonen
アリ・レエトネン
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Neste Oyj
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    • C07C6/02Metathesis reactions at an unsaturated carbon-to-carbon bond
    • C07C6/04Metathesis reactions at an unsaturated carbon-to-carbon bond at a carbon-to-carbon double bond
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
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    • B01JCHEMICAL OR PHYSICAL PROCESSES, e.g. CATALYSIS OR COLLOID CHEMISTRY; THEIR RELEVANT APPARATUS
    • B01J23/00Catalysts comprising metals or metal oxides or hydroxides, not provided for in group B01J21/00
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    • B01J23/30Tungsten
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
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    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 有機タングステン化合物からなるトータルに
新規な複分解反応用の触媒及びその調整方法を提供する
ことを目的とする。 【構成】 本発明の触媒は、後処理されたタングステン
錯体を含む点に特徴を有し、それはジオールリガンドと
炭化水素リガンドを含み、該炭化水素リガンドは低級ア
ルキル基で置換されたベンゼンである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はオレフィンの複分解反応
に使用される触媒ならびにその調整方法に関する。更に
詳しくは、本発明はオレフィンを異なる分子量のオレフ
ィンに転化するための複分解反応に関するものである。
【0002】
【従来の技術】オレフィンの複分解、あるいは他の言葉
で言うなら不均化は一つあるいはそれ以上のオレフィン
を異なった分子量を有するオレフィンに転化する反応に
関するものである。オレフィンはそれ自身同志でより高
分子量のオレフィンとより低分子量のオレフィンに不均
化する。この場合その反応は自己不均化反応と呼ばれ
る。2種の異なったオレフィンは複分解反応によって他
のオレフィン種に転化されうる。
【0003】機能するためには、オレフィンの複分解反
応は触媒システムを必要とし、それは遷移金属化合物、
またしばしば助触媒、及び時にはプロモーターとして働
く化合物も含む。触媒システムとしては、タングステン
あるいはモリブデンをベースとしたものが特に効果的で
ある。そのような触媒は一般的には無機担体上にタング
ステンあるいはモリブデンの酸化物を含むものであり、
担体はシリカあるいはアルミナである。そのような触媒
に異なったプロモーターのような物質を添加することは
知られている。それ故、例えばヨーロッパ特許公報第1
52112号明細書にはチタン酸化物あるいは他のチタ
ン含有物質がプロモーターとして触媒の表面に添加され
ている。米国特許第4559320号明細書には、タン
グステン触媒の利用が知られており、その中には酸化マ
ンガンが付加的に混合されている。ヨーロッパ特許公報
第50013号明細書には触媒組成物としてシリカ担体
上にモリブデン酸化物あるいはタングステン酸化物を含
むものが知られている。米国特許第3956178号明
細書には3種の構成の複分解触媒が知られており、その
触媒はタングステン化合物、有機リガンド、及び有機金
属化合物から調整されている。この特許には、タングス
テン化合物はタングステンオキシクロライドで、そして
その有機リガンドはニトリルあるいはエステル基を有し
ている。リガンドの例としては、フタロジニトリル、ア
ジポニトリル、エチルフタレート等である。
【0004】米国特許第4550216号明細書によれ
ば、複分解触媒が知られており、それはタングステン、
ハロゲン、およびフェノキシ基の間の化合物を含んでお
り、その化合物は置換されうる。
【0005】本発明は有機タングステン化合物からなる
トータルに新規な複分解触媒を含むものである。
【0006】本発明の触媒は主に、後処理されたタング
ステン錯体を含む点に特徴を有し、それはジオールリガ
ンドと炭化水素リガンドを含み、該リガンドは低級アル
キル基で置換されたベンゼンである。
【0007】本発明の触媒の調整方法は以下の点に特徴
がある。 a)無機タングステン塩とジオールの間で錯体が形成さ
れ、 b)得られた錯体は、ベンジルアニオンあるいは低級ア
ルキル基で置換されたベンジルアニオンと反応しジオー
ルリガンド、ベンジルリガンドあるいは低級アルキル基
で置換されたベンジルリガンドを含むタングステン錯体
を得るよう反応され、そして、 c)得られたタングステン錯体は担体に含浸され焼成さ
れる。
【0008】オレフィンの転化のための本発明における
複分解プロセスは、ここにおいてはタングステン化合物
を含む触媒はオレフィンを異なった分子量のオレフィン
に転化するのだが、そのプロセスは該異成分からなる触
媒が後処理されたタングステン錯体を含有し、それがジ
オールリガンド、ベンジルリガンドあるいは低級アルキ
ル基で置換されたベンジルリガンドを含むものであるこ
とを特徴とする。
【0009】本発明の好ましい実施態様はサブクレーム
の特徴を有する。
【0010】タングステン錯体はその中にリガンドとし
てのジオールあるいは低級アルキル基で置換されたベン
ゼン、例えばメシチレンが使用されており、該タングス
テン錯体は異成分からなる触媒に転換され、それは従来
の触媒よりもオレフィンの複分解においてより高い活性
を呈し、その中でタングステン酸アンモニウムがプレカ
ーサーとして作用する。更に、金属の量が少なくまた極
性有機溶媒に対する溶解性が良いため、触媒の調整はよ
り容易である。
【0011】本発明で合成されたプレカーサーの構造は
新規なタイプであるという事実は、スペクトルと放出さ
れたHClの量の決定に基づいている。それ故、本発明
の触媒は複分解反応に使用され、そこではC= C結合は
分解しそしてそのような部位が再び結合する。例えば、
プロペンはエチレンと2-ブテンから製造されうる。
【0012】本発明の触媒はタングステン錯体から調整
され、そこではジオール、低級アルキル基で置換された
ベンゼンがリガンドとして使用される。
【0013】第一段階は、無機タングステン塩とジオー
ルとが式1に従って錯体を形成する: (1) WCl6 +2diolH2 →WCl2(diol2)+4HCl 式中diolH2 =ジオール化合物で、好ましくはピナコー
ルあるいはトランス-1.2−シクロ−ヘキサンジオールで
ある。
【0014】その後、得られたタングステン酸化物は低
級アルキル基で置換されたベンゼンのブロマイド、この
例においてはメシチレンブロマイドで、そして金属マグ
ネシウムとが以下の式2に従って触媒前駆体を得るため
に反応する: (2) WCl2(diol)2+2ArCH2Br+2Mg→W(ArCH2)2(diol)2+MgBr2+MgCl2 式中ArCH2 はメシチレンリガンドである。
【0015】本発明は以下の実施態様の例によって詳述
されるが、本発明はそれに限定されるものではない。
【0016】
【実施例】合成は窒素雰囲気下、シュレンク(Schlenc
k)のテクニックを使用して行なわれた。溶媒は、テト
ラヒドロフランを除きカルシウムハイドライドで乾燥さ
れ蒸留され、テトラヒドロフランは蒸留前にナトリウム
ベンゾフェノンで乾燥された。ジオールは使用前に昇華
された。
【0017】反応中に放出される塩化水素は、反応溶液
を窒素でバブリングし、その溶液を滴定された0.10Mの
NaOH溶液に通すことによって決定された。
【0018】生成物のタングステンの含量と塩素の含量
の決定のために、それらは濃硝酸によって分解された。
塩素は電位差計的に硝化され、タングステンは酸化物と
して重量測定的に決定される。触媒に対しては、タング
ステンはXFRによって決定される。
【0019】赤外スペクトルはヌジョール法で測定され
(JASCO 社製 IR-810 )、NMRスペクトルは四塩化炭
素あるいは重クロロフォルム中で測定された(JEOL社製
JNMPMX60,JEOL社製 GSX-400)。
【0020】触媒は石英ガラス管の中のマイクロ反応器
中で試験され、精製されたプロピレン(モレキュラーシ
ーブスと銅触媒)がそこを通った。触媒を通されたガス
の流れのサンプルは自動的に1時間のインターバルで採
取され、ガスクロマトグラム(クロムパッキン溶融シリ
カカラム)で測定された。
【0021】実施例1〜3 タングステンヘキサクロライドのトランス-1,2- シクロ
ヘキサンジオールとの反応 ・実施例1 実量比1:1でのタングステンヘキサクロライドとトラ
ンス-1,2- シクロヘキサンジオールの反応 WCl6 +chd H2 →WCl4(chd)+2HCl タングステンヘキサクロライド1.635g(4.12mmol)がシ
ュレンク管中で、四塩化炭素15.0ml中に溶解された。ト
ランス-1,2- シクロヘキサンジオール0.4214g(3.63mmo
l)がその溶液に添加された。溶液はマグネットミキサ
ーで攪拌され、1時間還流された。その後、酸の形成は
観測されなかった。液相は減圧下、濃縮された。生成物
は黒色固形物質で、それは1,2-ジメトキシエタンおよび
メタノールに溶解した。IRスペクトルを元に生成物中
に有機部分は無かった。試験はヘキサンを溶媒として繰
り返され、それによって生成物は上記で得られたものと
同様であった。
【0022】・実施例2 実量比1:2でのタングステンヘキサクロライドとトラ
ンス-1,2- シクロヘキサンジオールの反応 WCl6 +2chd H2 →WCl2(chd)2 +4HCl タングステンヘキサクロライド1.276g(3.22mmol)およ
びトランス-1,2-シクロヘキサンジオール0.7475g(6.44
mmol)が四塩化炭素15.0ml中に溶解された。溶液は攪拌
され、1時間半還流された。その後、酸の形成は観測さ
れなかった。液相は減圧下、濃縮され、赤褐色物質が得
られ、それはトルエン、クロロホルム、1,2-ジメトキシ
エタンおよびメタノールに良く溶解したが、四塩化炭素
にはよく溶解せず、またヘキサンには全く溶解しなかっ
た。化合物はIRおよび1 HNMRスペクトル([表
1]参照)が測定され、それらを元に該化合物はタング
ステンに結合したシクロヘキサンジオラート基を含んで
いる。
【0023】調整されたタングステンのシクロヘキサン
化合物69.6mgが0.5ml の濃硝酸で分解され、9.5ml の水
が混合物に添加された。放出された塩化物イオンは、甘
汞および銀電極を使用し、電位差計的に滴定された。そ
の測定によって、化合物は13.7%の塩素を含有してい
た。
【0024】タングステンの測定の為に、調整された該
化合物102.2mg が濃硝酸15.0mlと水15.0ml中に混合され
た。混合物は30分間焼かれ、その後、濾過によって薄い
黄色のWO3 が分離された。酸化タングステンは2時間
850 ℃の温度で維持され乾燥された。酸化物は秤量さ
れ、その重量から得られたタングステンの量は42.4%で
あった。もし、タングステンヘキサクロライドの4つの
塩素リガンドが2つの二重シクロヘキサンジオラートリ
ガンドで置換されたと仮定すれば、それゆえ得られたW
Cl(chd)2は、塩素14.7%、タングステン38.1%を含ん
でいる。
【0025】・実施例3 冷却下でのタングステンヘキサクロライドとトランス-
1,2- シクロヘキサンジオールの反応 タングステンヘキサクロライド1.899g(4.79mmol)が1,
2-ジメトキシエタンに溶解され、そしてトランス-1,2-
シクロヘキサンジオールがその溶液に添加された。溶液
は−15℃の温度に維持され、マグネットミキサーで攪拌
された。5時間攪拌した後、酸の放出は観測されなかっ
た。溶液は減圧下で濃縮された。生成物は暗褐色のオイ
ル状の物質で、サンプリングに際し青色に変化した。暗
青色の色はタングステンの還元による可能性がある。
【0026】実施例4と5 タングステンヘキサクロライドとピナコールの反応 ・実施例4 実量比1:1でのタングステンヘキサクロライドとピナ
コールの反応 WCl6 +pin H2 →WCl4(pin)+2HCl タングステンヘキサクロライド0.807g(2.04mmol)は四
塩化炭素15.0mlに溶解された。その溶液にピナコール0.
2405g (2.04mmol)が添加され、2時間還流され、その
後酸は放出されなかった。緑色の溶液は減圧下、濃縮さ
れた。生成物は緑色の固体物質で、空気と接触するとす
ぐに青色に変化した。分解はとても早く、IRおよび1
H NMRスペクトルはその為に測定は行うことができ
なかった。緑および青の色は還元されたタングステン化
合物に関する。
【0027】・実施例5 実量比1:2でのタングステンヘキサクロライドとピナ
コールの反応 2WCl6 +4pin H2 →[WCl(pin)22 +4HCl+Cl2 1.600g(4.04mmol)のタングステンヘキサクロライドが
25.0mlの四塩化炭素に溶解され、ピナコール0.9645g
(8.16mmol)がその溶液に添加された。この段階では全
てのピナコールは溶解しなかった。反応混合物はマグネ
ットミキサーで混同され、4時間還流された。その後に
は酸の形成は認められなかった。反応が進められた時、
薄い緑色の溶液は暗青色に変化した。液相の濃縮の後
に、得られた生成物は強い青色の粉末状の物質であっ
た。IRスペクトルが測定された([表1]参照)
【0028】調整された化合物105.9mg は濃硝酸0.5ml
と混合して分解された。その後、混合物には水9.5mlが
添加され、塩素の含有量が測定された。得られた含有量
は7.6%であった(約7.7 %)。
【0029】
【表1】 タングステンのアルコキソ化合物の特徴的なIR吸収及び1 HNMRスペクトル ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 化合物 IRスペクトルの 1 HNMRスペクトル 吸収ピーク(cm-1) (δ/ppm) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ WCl2(chd)2 1040 C−O 1.2 1000 3.6 900-600 W−O 3.7 WOCl2(chd)2 1040 C−O 1000 W=O 900-600 W−O [WCl(pin2)]2 1140 C−O 960-620 W−O WOCl2(pin) 1140 C−O 980 W=O 960-600 W−O W(chd)2(mes)2 1.2;1.8 2.2;2.4 3.8 6.9 W(mes)2(pin)2 1160 C−O 2.3;2.4 960-900 6.9 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ chd =シクロヘキサンジオラートリガンド mes =メシチレンリガンド pin =ピナコラートリガンド
【0030】・実施例6 ジメシチレンジピナコラートタングステンの調整 タングステンヘキサクロライド0.613g(1.55mmol)がト
ルエン10.0mlに溶解された。トルエン15.0molに溶解さ
れたテトラブチル硝酸アンモニウム0.994g(3.10mmol)
とピナコール3.10mmolが該溶液に添加された。溶液は混
合され、6時間還流された。反応が進むに従い、容器内
に2つの液相が形成され、その内の下側はオレンジ色
で、上部は黄色の溶媒であった。オレンジの溶媒はテト
ラヒドロフラン3.1mmol(0.47ml)に溶解され、マグネシ
ウム3.1mmol(0.08g)と臭化メシチレン3.1mmol(0.47ml)
がその溶液に添加された。溶液は65℃で4時間混合され
た。溶液はデカンテーションで未反応のマグネシウムと
形成した塩と分離された。溶媒は減圧下で溜去され濃縮
された。
【0031】1 HNMRスペクトルおよびIRスペクト
ルが黄褐色のオイル状生成物から測定された([表
1])。その反応で形成した化合物はタングステンに結
合したメシチレンリガンドとピナコラートリガンドを含
んでいる。 WCl6 +2pin H2 →WCl2(pin)2 +4HCl WCl2(pin)2 +2Mg+2mes Br→W(mes)2(pin)2+MgCl2 +MgBr2
【0032】触媒の調整と試験 触媒は各々の前駆体(ある触媒に於いてはジオールはピ
ナコールであり、他ではトランス-1,2- シクロヘキサン
ジオールである)を別個にTHFからシリカ(ピーキュ
ーコーポレイション、CS-1231 )に含浸し、窒素と60
0℃で焼成することによって調整された。
【0033】触媒は400 ℃で触媒ベッドを通ってプロペ
ンを通すことによって試験された。WHSV4h-1転化
が、約50%になる両方の触媒に関して観測された(WH
SV=毎時重量空間速度、それは時間当りの触媒の量を
通過し流れる供給量(g) 1g)。タングステンを同じ量
で含む(2 %)参照の触媒WO3 /SiO2 では転化は
明確に50%を下回っていた。[表2]、[表3]及び
[表4]、[表5]、[表6]参照。
【0034】・実施例7 サンプルはジメシチレンジピナコラートタングステンで
あった。
【0035】13C- NMRと1 H- NMRは400 MHz
の装置で測定された。スペクトルは仮想の構造に合わさ
れた。
【0036】サンプルはTHFに溶解され、それによっ
てこの溶液から含浸された触媒が調整され、その触媒は
サンプル0.1294g とシリカ0.4450g 含まれていた。焼成
は窒素還流下で行われた(約10l/h ,600℃,1時
間)。焼成の間、反応管内に緑及び褐色のオイルが凝集
するのが観測された。[表2]、[表3]に示すよう
に、プロペンでの反応が為された。
【0037】
【表2】
【表3】
【0038】未使用の触媒のタングステン含有量は2.1
%で反応後は2.5 %であった。
【0039】・実施例8 サンプルはジメシチレンビス(シクロヘキサンジオラー
ト)タングステンであった。
【0040】サンプル0.29g とシリカ0.94g が含浸され
た。触媒0.5425g が反応器中に詰められ、窒素下で焼成
が為された。(約10l/h ,600℃,1時間)。焼成の
間、緑がかった褐色のオイルが観測された。[表4]に
示すように、プロペンでの反応が為された。
【0041】
【表4】
【0042】未使用の触媒のタングステン含有量は1.4
%で反応後は1.9 %であった。
【0043】参照の実施例9,10 2種の参照の触媒が調整され試験された。その一つはタ
ングステンオキサイドクロライドWOCl4 に基づくも
ので、それは非極性の溶媒に溶解するタングステンの錯
体であり、他方は水溶性の塩の( NH4)2 WO4 に基づ
くもので、それは複分解触媒の中で最も一般的な反応体
である。
【0044】・実施例9 低タングステン含有量のWOCl4 からの参照の触媒 タングステンオキシクロライド0.18g が、ジクロロメタ
ン中、シリカ1.28g に段階的に添加され同様に混合され
た(0.6 〜1.6mm ,310m2/g ,ピーキューコーポレイシ
ョン社製)。それらは約3時間室温で吸収するようにお
かれ、その後に減圧で濃縮される。タングステンの含有
量は2.3 %と測定された。
【0045】触媒0.5302g が反応器中に装填され空気中
で600 ℃で焼成され、窒素でフラッシュされた。プロペ
ンの複分解反応が1.0 〜6.0l/hの流量で試験された。そ
の後のタングステンの含有量は2.2 %であった。結果を
[表5]、[表6]に示す。
【0046】
【表5】
【表6】
【0047】・実施例10 通常のタングステン含有量の( NH4)2 WO4 からの参
照の触媒 タングステンアンモニウム35.30gの3.9 %水溶液がシリ
カ(0.6 〜1.6mm ,310m2/g ,ピーキューコーポレイシ
ョン社製)19.96gに段階的に添加され、同様に混合され
た。それらは約1時間、80℃で吸収するようにおかれ、
その後に17時間115 ℃で濃縮された。
【0048】同様の溶液16.7g が再び含浸され、それは
80℃で吸収され、23時間115 ℃で乾燥された。金属の含
有量は5.8 %と測定された。
【0049】触媒0.3782g が反応器中に装填され空気中
で600 ℃で焼成され、窒素でフラッシュされた。プロペ
ンの複分解反応が0.1 〜4.1l/hの流量で試験された。そ
の後のタングステンの含有量は6.3 %であった。結果を
[表7]に示す
【0050】
【表7】
【0051】試験結果は[表2]〜[表7]に示されて
いる。生成物の分配において、エテンとブテンの間の比
率は、測定前にいくらかのエテンは消失してしまうの
で、理論(重量%の比は約1:2)によって要求される
モル比1:1ではない。転化および活性度は観測された
ブテンから計算された。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 マルック・レスケレ フィンランド国 02130、エスポー、コイ ブシュイェ 25 アイ (72)発明者 レイジョ・シランペー フィンランド国 20780、カアリナ、アウ スクルタンティンカツ 9 (72)発明者 アリ・レエトネン フィンランド国 20380、ツルク、フラン チンカツ 5 エー 29

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 オレフィンの複分解反応に使用される触
    媒であって、それは後処理されたタングステン錯体から
    なり、該タングステン錯体はジオールリガンド及び炭化
    水素リガンドを含み、該炭化水素リガンドは低級アルキ
    ル基で置換されたベンゼンであることを特徴とする触
    媒。
  2. 【請求項2】 請求項1による触媒であって、該置換ベ
    ンゼンがメシチレンであることを特徴とする触媒。
  3. 【請求項3】 請求項1あるいは2による触媒であっ
    て、該触媒の前駆体の構造がW( ArCH2)2(diol)
    2で、ここでArCH2 はメシチレンであり、diolは1,2
    -シクロヘキサンジオールあるいはピナコールであるこ
    とを特徴とする触媒。
  4. 【請求項4】 請求項1から3のいずれかによる触媒で
    あって、該触媒前駆体がシリカに含浸されそして焼成さ
    れることを特徴とする触媒。
  5. 【請求項5】 オレフィンの複分解反応に使用される異
    成分からなる触媒の調整方法であって、 a)無機タングステン塩とジオールの間で錯体が形成さ
    れ、 b)得られた錯体が、ベンジルアニオンあるいは低級ア
    ルキル基で置換されたベンジルアニオンと反応しジオー
    ルリガンド、ベンジルリガンドあるいは低級アルキル基
    で置換されたベンジルリガンドを含むタングステン錯体
    を得るよう反応され、そして c)得られたタングステン錯体は担体に含浸され焼成さ
    れることを特徴とする調整方法。
  6. 【請求項6】 請求項5による方法で、該無機タングス
    テン塩がタングステンハロゲナイドであり、好ましくは
    タングステンクロライドWCl6 であることを特徴とす
    る方法。
  7. 【請求項7】 請求項5あるいは6による方法で、該ジ
    オールがピナコールあるいは1,2-シクロヘキサンジオー
    ルであることを特徴とする方法。
  8. 【請求項8】 請求項5から7のいずれかによる方法で
    あって、該担体がシリカであることを特徴とする方法。
  9. 【請求項9】 請求項5から8のいずれかによる方法で
    あって、該タングステン塩と該ジオールの錯体が低級ア
    ルキル基で置換されたベンゼンのハロゲン化物、好まし
    くは臭化物と、マグネシウム金属で処理されることを特
    徴とする方法。
  10. 【請求項10】 請求項5から9のいずれかによる方法
    であって、含浸が不活性溶媒から担体、好ましくはシリ
    カ中へと為されることを特徴とする方法。
  11. 【請求項11】 請求項5から10のいずれかによる方
    法であって、該焼成が不活性ガス中、好ましくは窒素中
    で、400 〜800 ℃の温度で為されることを特徴とする方
    法。
  12. 【請求項12】 オレフィンの転化の為の複分解プロセ
    スであって、ここでタングステン化合物を含有する触媒
    が、オレフィンを異なった分子量を有するオレフィンに
    転化するプロセスであって、該異成分からなる触媒が後
    処理されたタングステン錯体からなり、該タングステン
    錯体はジオールリガンド、チカンベンジルリガンドおよ
    び低級アルキル基で置換されたベンジルリガンドを含む
    ことを特徴とする複分解プロセス。
  13. 【請求項13】 請求項12による複分解プロセスであ
    って、オレフィンがプロピレンを製造するためにひとつ
    あるいはそれ以上のオレフィンを含んでなることを特徴
    とするプロセス。
JP4222305A 1991-07-30 1992-07-30 オレフィンの複分解反応用触媒、その調整方法、およびそれを用いた複分解反応 Pending JPH05208139A (ja)

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