JPH05205970A - 積層コンデンサ内部電極用ペースト - Google Patents
積層コンデンサ内部電極用ペーストInfo
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- JPH05205970A JPH05205970A JP4038685A JP3868592A JPH05205970A JP H05205970 A JPH05205970 A JP H05205970A JP 4038685 A JP4038685 A JP 4038685A JP 3868592 A JP3868592 A JP 3868592A JP H05205970 A JPH05205970 A JP H05205970A
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- palladium
- paste
- powder
- particle size
- inner electrode
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- Fixed Capacitors And Capacitor Manufacturing Machines (AREA)
- Powder Metallurgy (AREA)
- Ceramic Capacitors (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 酸化雰囲気中で400℃から820℃までの
温度範囲で酸化膨張が起こらない積層セラミックコンデ
ンサ内部電極用ペーストを提供することを目的とする。 【構成】 パラジウムを主成分とする積層セラミックコ
ンデンサ内部電極用ペーストにおいて、上記パラジウム
として、粒度分布測定装置で測定した体積分率基準の中
心値粒径が、0.1μm以上、0.25μm未満で、標
準偏差σが中心値粒径の100%以下であり、かつ電子
顕微鏡等で観察すると単分散で粒子形状が球状であるパ
ラジウム粉末を用いたことを特徴とする。
温度範囲で酸化膨張が起こらない積層セラミックコンデ
ンサ内部電極用ペーストを提供することを目的とする。 【構成】 パラジウムを主成分とする積層セラミックコ
ンデンサ内部電極用ペーストにおいて、上記パラジウム
として、粒度分布測定装置で測定した体積分率基準の中
心値粒径が、0.1μm以上、0.25μm未満で、標
準偏差σが中心値粒径の100%以下であり、かつ電子
顕微鏡等で観察すると単分散で粒子形状が球状であるパ
ラジウム粉末を用いたことを特徴とする。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は積層セラミックコンデン
サ等の内部電極用ペースト、特にパラジウムを主成分と
する積層コンデンサ内部電極用パラジウムペーストに関
する。
サ等の内部電極用ペースト、特にパラジウムを主成分と
する積層コンデンサ内部電極用パラジウムペーストに関
する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子機器の小型化が進むに従って
電子部品の小型化の要望も増大している。代表的な電子
部品の1つであるコンデンサにおいても例外ではなく、
より小型かつ軽量で、しかも大容量化が可能な積層セラ
ミックコンデンサが広く採用されてきた。
電子部品の小型化の要望も増大している。代表的な電子
部品の1つであるコンデンサにおいても例外ではなく、
より小型かつ軽量で、しかも大容量化が可能な積層セラ
ミックコンデンサが広く採用されてきた。
【0003】上記のような積層コンデンサを製造する場
合の一般的な製法としては、例えばチタン酸バリウムや
チタン酸鉛もしくは鉛を含む複合ペロブスカイト化合物
に代表される誘電体よりなる厚さ10〜50μmのグリ
ーンシート上に、パラジウムを主成分とした導電性金属
粉を含有するペーストをスクリーン印刷し、その印刷し
たグリーンシートを複数枚重ねることによって誘電体層
と電極層とを交互に重ねた積層物を作り、それを所定の
大きさに切断してから、空気中で820℃〜1400℃
の温度範囲で誘電体と電極層を同時焼成する。
合の一般的な製法としては、例えばチタン酸バリウムや
チタン酸鉛もしくは鉛を含む複合ペロブスカイト化合物
に代表される誘電体よりなる厚さ10〜50μmのグリ
ーンシート上に、パラジウムを主成分とした導電性金属
粉を含有するペーストをスクリーン印刷し、その印刷し
たグリーンシートを複数枚重ねることによって誘電体層
と電極層とを交互に重ねた積層物を作り、それを所定の
大きさに切断してから、空気中で820℃〜1400℃
の温度範囲で誘電体と電極層を同時焼成する。
【0004】ところが、上記のように同時焼成する際
に、パラジウムは400℃〜820℃の温度範囲におい
て熱力学的に安定な相である酸化パラジウムに一度相変
化するため酸化膨張し、その後820℃以上で再びパラ
ジウムに戻る。従って、焼成中に誘電体層と電極層間に
大きな応力が加わり、電極層が持ち上がったり、誘電体
層にクラックが入ったりする欠陥を生ずる。この欠陥を
通常デラミネーションと呼ぶ。このデラミネーションに
は誘電体層の材料特性、あるいは金属ペースト中のパラ
ジウム粉の特性、もしくはバインダー成分などの材料変
数が大きく作用している。その中でもパラジウムが一度
酸化することによる線膨張は15%にも及ぶためデラミ
ネーション発生の一番大きな要因の1つである。
に、パラジウムは400℃〜820℃の温度範囲におい
て熱力学的に安定な相である酸化パラジウムに一度相変
化するため酸化膨張し、その後820℃以上で再びパラ
ジウムに戻る。従って、焼成中に誘電体層と電極層間に
大きな応力が加わり、電極層が持ち上がったり、誘電体
層にクラックが入ったりする欠陥を生ずる。この欠陥を
通常デラミネーションと呼ぶ。このデラミネーションに
は誘電体層の材料特性、あるいは金属ペースト中のパラ
ジウム粉の特性、もしくはバインダー成分などの材料変
数が大きく作用している。その中でもパラジウムが一度
酸化することによる線膨張は15%にも及ぶためデラミ
ネーション発生の一番大きな要因の1つである。
【0005】このパラジウムの酸化膨張を防ぐために従
来以下のような改善法が提案されていた。例えば、パラ
ジウム粉を一度酸素雰囲気中で熱処理を施すことによ
り、パラジウム粉を予め一部酸化させておき、このパラ
ジウム粉末を使用したペーストを用いることにより酸化
膨張を抑制する。しかし、一般にペーストに使用するパ
ラジウム粉末は粒径が1μm以下のため、非常に活性で
あり、熱処理によって酸化と同時に焼結を起こしてしま
い、パラジウム粉が凝集し、ペースト作製時に分散せ
ず、印刷性のよいペーストが出来ない欠点があった。
来以下のような改善法が提案されていた。例えば、パラ
ジウム粉を一度酸素雰囲気中で熱処理を施すことによ
り、パラジウム粉を予め一部酸化させておき、このパラ
ジウム粉末を使用したペーストを用いることにより酸化
膨張を抑制する。しかし、一般にペーストに使用するパ
ラジウム粉末は粒径が1μm以下のため、非常に活性で
あり、熱処理によって酸化と同時に焼結を起こしてしま
い、パラジウム粉が凝集し、ペースト作製時に分散せ
ず、印刷性のよいペーストが出来ない欠点があった。
【0006】そこで、上記欠点を補うため熱処理後ボー
ルミル等によって凝集体をほぐしてから使用する方法も
提案されていた。しかし、工程が増えるためコストが高
くなる。さらにボールミルの機械的衝撃力によりパラジ
ウム表面を被覆している酸化パラジウム層が剥がれ、非
常に微細な酸化パラジウム粉が生成され、比表面積が大
きくなりペースト作製時に余分な有機バインダが必要と
なるため、ペースト中の無機成分比率が下がり、ペース
ト特性が劣化する等の問題があった。
ルミル等によって凝集体をほぐしてから使用する方法も
提案されていた。しかし、工程が増えるためコストが高
くなる。さらにボールミルの機械的衝撃力によりパラジ
ウム表面を被覆している酸化パラジウム層が剥がれ、非
常に微細な酸化パラジウム粉が生成され、比表面積が大
きくなりペースト作製時に余分な有機バインダが必要と
なるため、ペースト中の無機成分比率が下がり、ペース
ト特性が劣化する等の問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記従来の問
題点に鑑みて提案されたもので、酸化雰囲気中で400
℃から900℃までの温度範囲で酸化膨張が起こらない
積層コンデンサ内部電極用ペーストを提供することを目
的とする。
題点に鑑みて提案されたもので、酸化雰囲気中で400
℃から900℃までの温度範囲で酸化膨張が起こらない
積層コンデンサ内部電極用ペーストを提供することを目
的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明による積層コンデンサ内部電極用ペースト
は、以下の構成としたものである。即ち、パラジウムを
主成分とする積層コンデンサ内部電極用ペーストにおい
て、上記パラジウムとして、粒度分布測定装置で測定し
た体積分率基準の中心値粒径(mean diameter)が、0.
1μm以上、0.25μm未満で、標準偏差σが中心値
粒径の100%以下であり、かつ電子顕微鏡等で観察す
ると単分散で粒子形状が球状であるパラジウム粉末を用
いたことを特徴とする。
めに本発明による積層コンデンサ内部電極用ペースト
は、以下の構成としたものである。即ち、パラジウムを
主成分とする積層コンデンサ内部電極用ペーストにおい
て、上記パラジウムとして、粒度分布測定装置で測定し
た体積分率基準の中心値粒径(mean diameter)が、0.
1μm以上、0.25μm未満で、標準偏差σが中心値
粒径の100%以下であり、かつ電子顕微鏡等で観察す
ると単分散で粒子形状が球状であるパラジウム粉末を用
いたことを特徴とする。
【0009】
【作用】上記のようなパラジウム粉末を用いることによ
って、400℃から820℃までの温度範囲で酸化膨張
が起こらない積層セラミックコンデンサ内部電極用パラ
ジウムペーストを実現することが可能となる。即ち、パ
ラジウムの酸化反応は、一般に以下のように表すことが
できる。 Pd(固体)+1/2O2 (気体)=PdO(固体) ・・・・・(1) 上記の反応の自由エネルギー(ΔG)は、空気中(0.
21気圧)においては約820℃以下ではΔG<0、8
20℃以上であればΔG>0となっている。従って、パ
ラジウムは空気中で820℃以下では酸化パラジウムが
安定相であり、820℃以上では再びパラジウムが安定
相になる。
って、400℃から820℃までの温度範囲で酸化膨張
が起こらない積層セラミックコンデンサ内部電極用パラ
ジウムペーストを実現することが可能となる。即ち、パ
ラジウムの酸化反応は、一般に以下のように表すことが
できる。 Pd(固体)+1/2O2 (気体)=PdO(固体) ・・・・・(1) 上記の反応の自由エネルギー(ΔG)は、空気中(0.
21気圧)においては約820℃以下ではΔG<0、8
20℃以上であればΔG>0となっている。従って、パ
ラジウムは空気中で820℃以下では酸化パラジウムが
安定相であり、820℃以上では再びパラジウムが安定
相になる。
【0010】パラジウム粉においては、酸化速度はパラ
ジウムの形状、粒径に大きく依存するが、一般に細かく
て比表面積が大きい粒子ほど、酸化速度が速くなる傾向
がある。このため、パラジウムペーストに一般に使用さ
れている0.5μm程度の粒径のパラジウム粉末は必然
的に焼成途中で酸化し、ほぼ100%が酸化パラジウム
になり、その後100%がパラジウムに還元されること
が分かる。熱分析、X線解析によると、従来のパラジウ
ムペーストは上記説明と完全に一致した結果を得てい
る。このためパラジウムペーストは300〜820℃の
間で膨張する。
ジウムの形状、粒径に大きく依存するが、一般に細かく
て比表面積が大きい粒子ほど、酸化速度が速くなる傾向
がある。このため、パラジウムペーストに一般に使用さ
れている0.5μm程度の粒径のパラジウム粉末は必然
的に焼成途中で酸化し、ほぼ100%が酸化パラジウム
になり、その後100%がパラジウムに還元されること
が分かる。熱分析、X線解析によると、従来のパラジウ
ムペーストは上記説明と完全に一致した結果を得てい
る。このためパラジウムペーストは300〜820℃の
間で膨張する。
【0011】しかし、この温度範囲においてもわずかな
がら焼結による収縮がおこるため、実際に観察されるパ
ラジウムペーストの膨張は理論酸化線膨張率15%より
も小さい。従って全線膨張量L(T)と酸化率X(T)
と焼結による収縮量1(T)の関係を理論的に考察する
と、下記(2)式で表すことができる。 L(T)=15×X(T)−l(T)(%) ・・・・・(2) ここでL(T)、X(T)、l(T)は温度Tの関数で
あるとを示す。上記の関係式において全線膨張量L
(T)を減らすためにはl(T)を大きくし、X(T)
を小さくすればよい。
がら焼結による収縮がおこるため、実際に観察されるパ
ラジウムペーストの膨張は理論酸化線膨張率15%より
も小さい。従って全線膨張量L(T)と酸化率X(T)
と焼結による収縮量1(T)の関係を理論的に考察する
と、下記(2)式で表すことができる。 L(T)=15×X(T)−l(T)(%) ・・・・・(2) ここでL(T)、X(T)、l(T)は温度Tの関数で
あるとを示す。上記の関係式において全線膨張量L
(T)を減らすためにはl(T)を大きくし、X(T)
を小さくすればよい。
【0012】本発明においては粒径が小さく、かつ表面
積が小さくほぼ球状に近い単分散のパラジウム粉を用い
ることにより、全線膨張率をほぼ3%以下にすることが
できた。その理由は、以下のように説明できる。粒径を
小さくすると、表面エネルギーが大きくなりl(T)項
が大きくなる。一方、酸化率X(T)は比表面積に比例
するから、粒径が同じなら相対的に表面積が小さい球状
粉は、酸化率X(T)は小さい。このため、粒径が小さ
い球状粉は全線膨張量L(T)を小さくできる。さらに
単分散状態の粉末は、ペースト塗膜中のパラジウム粉の
充填率を上昇させるため、酸化率X(T)を下げ、収縮
率l(T)を大きくし、全線膨張L(T)をさらに減少
させる効果がある。
積が小さくほぼ球状に近い単分散のパラジウム粉を用い
ることにより、全線膨張率をほぼ3%以下にすることが
できた。その理由は、以下のように説明できる。粒径を
小さくすると、表面エネルギーが大きくなりl(T)項
が大きくなる。一方、酸化率X(T)は比表面積に比例
するから、粒径が同じなら相対的に表面積が小さい球状
粉は、酸化率X(T)は小さい。このため、粒径が小さ
い球状粉は全線膨張量L(T)を小さくできる。さらに
単分散状態の粉末は、ペースト塗膜中のパラジウム粉の
充填率を上昇させるため、酸化率X(T)を下げ、収縮
率l(T)を大きくし、全線膨張L(T)をさらに減少
させる効果がある。
【0013】ここで体積分率基準の中心値粒径およびそ
の標準偏差の測定法について簡単に説明する。従来1μ
m以下の粒度分布測定はきわめて困難であったが、近年
電子測定機器の発展により測定可能になった。本発明の
ペーストに用いられるパラジウム粉はCOULTER社
モデルN4を用いて粒度分布を測定している。この装置
は粒子のブラウン運動とレーザ散乱光のマルチタウ・オ
ートコリレーション分光分析法の原理により、0.00
3μmから3μmの粒子径と粒度分布が短時間で精度よ
く測定できる。
の標準偏差の測定法について簡単に説明する。従来1μ
m以下の粒度分布測定はきわめて困難であったが、近年
電子測定機器の発展により測定可能になった。本発明の
ペーストに用いられるパラジウム粉はCOULTER社
モデルN4を用いて粒度分布を測定している。この装置
は粒子のブラウン運動とレーザ散乱光のマルチタウ・オ
ートコリレーション分光分析法の原理により、0.00
3μmから3μmの粒子径と粒度分布が短時間で精度よ
く測定できる。
【0014】本発明において、前述のように体積分率基
準の中心値粒径が0.1μm以上、0.25μm未満
で、かつ単分散で粒子形状が球状のパラジウム粉を用い
るようにしたのは、以下の理由による。即ち、例えば単
分散で粒子形状が球状であっても、体積分率基準の中心
値粒径が0.25μm以上のパラジウム粉においては3
%以上の膨張が認められるため不適である。一方、中心
値粒径が0.1μm未満の場合には、単分散で球状であ
っても、パラジウム粉の比表面積が大きいため、混練に
必要な有機ビヒクル量が多くなりすぎてしまいペースト
の粘度特性、印刷特性を劣化させてしまう。また中心値
粒径が0.25μm未満かつ0.1μm以上であっても
単分散で粒子形状が球状でない場合は、印刷塗膜のパラ
ジウム充填率が下がり、酸化が起こりやすく3%以上の
酸化膨張が観察されるからである。
準の中心値粒径が0.1μm以上、0.25μm未満
で、かつ単分散で粒子形状が球状のパラジウム粉を用い
るようにしたのは、以下の理由による。即ち、例えば単
分散で粒子形状が球状であっても、体積分率基準の中心
値粒径が0.25μm以上のパラジウム粉においては3
%以上の膨張が認められるため不適である。一方、中心
値粒径が0.1μm未満の場合には、単分散で球状であ
っても、パラジウム粉の比表面積が大きいため、混練に
必要な有機ビヒクル量が多くなりすぎてしまいペースト
の粘度特性、印刷特性を劣化させてしまう。また中心値
粒径が0.25μm未満かつ0.1μm以上であっても
単分散で粒子形状が球状でない場合は、印刷塗膜のパラ
ジウム充填率が下がり、酸化が起こりやすく3%以上の
酸化膨張が観察されるからである。
【0015】さらに前記のようにパラジウム粉の標準偏
差σが中心値粒径の100%以下になるようにしたのは
以下の理由による。すなわち例えば0.25μmくらい
の粒子で標準偏差が100%以上になると、0.5μm
以上の粒子が体積分率で40%くらい含まれてしまう。
そのため収縮の効果が減少し、酸化の寄与による膨張が
大きくなるためである。
差σが中心値粒径の100%以下になるようにしたのは
以下の理由による。すなわち例えば0.25μmくらい
の粒子で標準偏差が100%以上になると、0.5μm
以上の粒子が体積分率で40%くらい含まれてしまう。
そのため収縮の効果が減少し、酸化の寄与による膨張が
大きくなるためである。
【0016】本発明によるペーストを製造するに当たっ
ては、まずパラジウム粉末と有機バインダを所定の比で
秤量したのち三本ロールミル、アトライタ等で混合す
る。上記の有機バインダとしては樹脂成分と溶剤とから
なるものを用いる。その樹脂成分及び溶剤は本発明にお
いては特に限定はなく、従来使用されているものを使用
できる。例えば、樹脂としてはエチルセルロース、ニト
ロセルロース等のセルロース系樹脂や、ブチルメタアク
リレート、メチルメタアクリレート等のアクリル系樹脂
等を使うことができる。また溶剤としては、例えばアル
コール類、ケトン類、ナフサ類、等を挙げることがで
き、例えばテルピネオール、メチルエチルケトン、ミネ
ラルスプリッツ等を使うことができる。さらに必要に応
じて従来から使用されている粘度調整剤、ゲル化防止剤
等を加えてもよい。
ては、まずパラジウム粉末と有機バインダを所定の比で
秤量したのち三本ロールミル、アトライタ等で混合す
る。上記の有機バインダとしては樹脂成分と溶剤とから
なるものを用いる。その樹脂成分及び溶剤は本発明にお
いては特に限定はなく、従来使用されているものを使用
できる。例えば、樹脂としてはエチルセルロース、ニト
ロセルロース等のセルロース系樹脂や、ブチルメタアク
リレート、メチルメタアクリレート等のアクリル系樹脂
等を使うことができる。また溶剤としては、例えばアル
コール類、ケトン類、ナフサ類、等を挙げることがで
き、例えばテルピネオール、メチルエチルケトン、ミネ
ラルスプリッツ等を使うことができる。さらに必要に応
じて従来から使用されている粘度調整剤、ゲル化防止剤
等を加えてもよい。
【0017】有機バインダとパラジウム粉の混合比は、
有機バインダとパラジウム粉の和を100wt%として
パラジウムを約20wt%から80wt%の範囲であれ
ばよい。しかし、印刷性、塗膜の強度等を考慮すると3
0%から70%の範囲が望ましい。
有機バインダとパラジウム粉の和を100wt%として
パラジウムを約20wt%から80wt%の範囲であれ
ばよい。しかし、印刷性、塗膜の強度等を考慮すると3
0%から70%の範囲が望ましい。
【0018】
(a)ペーストの作製 本発明の実施例として前記の要件を満たす性状を有する
3種類のパラジウム粉を用いて下記表1の試料番号 (1)
〜(3) のペーストを作製した。その作製方法は以下の通
りである。まず、ターピネオールが86wt%、エチル
セルロースが14wt%含まれる有機バインダ32%
と、前記の本発明の要件を満たす単分散球状Pd球状粉
(住友金属鉱山株式会社製)50gを三本ロールで30
分間混練した。さらに粘度調整溶媒としてミネラルスプ
リッツ16gを加え、引続き10分間混練しペーストを
作製した。
3種類のパラジウム粉を用いて下記表1の試料番号 (1)
〜(3) のペーストを作製した。その作製方法は以下の通
りである。まず、ターピネオールが86wt%、エチル
セルロースが14wt%含まれる有機バインダ32%
と、前記の本発明の要件を満たす単分散球状Pd球状粉
(住友金属鉱山株式会社製)50gを三本ロールで30
分間混練した。さらに粘度調整溶媒としてミネラルスプ
リッツ16gを加え、引続き10分間混練しペーストを
作製した。
【0019】また比較例として本発明の前記の要件を満
たさない性状を有する4種類のパラジウム粉を用いて上
記と同様な方法により表1の試料番号(11)〜(14)のペー
ストを作製した。なお、パラジウム粉の特性は以下の方
法によって測定した。すなわち粒子形状ならびに分散状
態は電子顕微鏡によって観察し、体積分率基準の中心値
粒径とその標準偏差は、粒度分布測定装置(COLTE
R社N4型)を用いて測定を行った。これらの結果を下
記表1にまとめて示す。
たさない性状を有する4種類のパラジウム粉を用いて上
記と同様な方法により表1の試料番号(11)〜(14)のペー
ストを作製した。なお、パラジウム粉の特性は以下の方
法によって測定した。すなわち粒子形状ならびに分散状
態は電子顕微鏡によって観察し、体積分率基準の中心値
粒径とその標準偏差は、粒度分布測定装置(COLTE
R社N4型)を用いて測定を行った。これらの結果を下
記表1にまとめて示す。
【0020】(b)ペーストの酸化膨張評価 上記7種類のペーストを時計皿に入れ、真空乾燥器を用
い120℃、12時間乾燥させて乾燥体を得た。さらに
その乾燥体を、瑪瑙乳鉢にて粉砕後、42メッシュの篩
で分級しペースト粉末を得た。この粉末を金型を用い2
000Kg/cm2 の圧力で8mm×3mm×3mmの
大きさに成型して酸化膨張測定試料とし、熱膨張計を用
いて膨張収縮挙動を測定した。測定条件は、昇温速度1
0℃/min、測定温度範囲は室温から1000℃、空
気流量100cc/minである。線膨張率Lを下記
(3)式の定義に従って算出し、表1中に記載した。 L(%)=100×Lmax /L25 ・・・・・(3) ここで、Lmax は測定中の最大試料長さ、L25は25℃
での試料の長さである。
い120℃、12時間乾燥させて乾燥体を得た。さらに
その乾燥体を、瑪瑙乳鉢にて粉砕後、42メッシュの篩
で分級しペースト粉末を得た。この粉末を金型を用い2
000Kg/cm2 の圧力で8mm×3mm×3mmの
大きさに成型して酸化膨張測定試料とし、熱膨張計を用
いて膨張収縮挙動を測定した。測定条件は、昇温速度1
0℃/min、測定温度範囲は室温から1000℃、空
気流量100cc/minである。線膨張率Lを下記
(3)式の定義に従って算出し、表1中に記載した。 L(%)=100×Lmax /L25 ・・・・・(3) ここで、Lmax は測定中の最大試料長さ、L25は25℃
での試料の長さである。
【0021】
【0022】上記の表1からも分かるように本発明の実
施例による試料番号 (1)〜 (3)のペーストは殆ど膨張が
観察されなかった。一方、単分散で粒子形状が球状でも
粒径が大きいパラジウム粉末を用いた比較例の試料番号
(11)および(12)のペーストは、いずれも3%以上の膨張
率を示している。また中心値粒径0.25μm未満で単
分散で粒子形状が球状であっても標準偏差が中心値粒径
の300%もある試料番号(13)は、膨張率が4%を示し
ている。また粒子形状が球状であっても凝集している試
料番号(14)も6%の膨張が認められた。
施例による試料番号 (1)〜 (3)のペーストは殆ど膨張が
観察されなかった。一方、単分散で粒子形状が球状でも
粒径が大きいパラジウム粉末を用いた比較例の試料番号
(11)および(12)のペーストは、いずれも3%以上の膨張
率を示している。また中心値粒径0.25μm未満で単
分散で粒子形状が球状であっても標準偏差が中心値粒径
の300%もある試料番号(13)は、膨張率が4%を示し
ている。また粒子形状が球状であっても凝集している試
料番号(14)も6%の膨張が認められた。
【0023】
【発明の効果】以上説明したように、本発明による積層
コンデンサ内部電極用パラジウムペーストによれば、焼
成中にパラジウムの酸化膨張が殆ど認められない優れた
特性を有し、所期の目的をよく達成できる効果がある。
コンデンサ内部電極用パラジウムペーストによれば、焼
成中にパラジウムの酸化膨張が殆ど認められない優れた
特性を有し、所期の目的をよく達成できる効果がある。
Claims (1)
- 【請求項1】 パラジウムを主成分とする積層コンデン
サ内部電極用ペーストにおいて、上記パラジウムとし
て、粒度分布測定装置で測定した体積分率基準の中心値
粒径が、0.1μm以上、0.25μm未満で、標準偏
差σが中心値粒径の100%以下であり、かつ単分散で
粒子形状が球状であるパラジウム粉末を用いたことを特
徴とする積層コンデンサ内部電極用ペースト。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4038685A JPH05205970A (ja) | 1992-01-29 | 1992-01-29 | 積層コンデンサ内部電極用ペースト |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4038685A JPH05205970A (ja) | 1992-01-29 | 1992-01-29 | 積層コンデンサ内部電極用ペースト |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05205970A true JPH05205970A (ja) | 1993-08-13 |
Family
ID=12532152
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4038685A Withdrawn JPH05205970A (ja) | 1992-01-29 | 1992-01-29 | 積層コンデンサ内部電極用ペースト |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05205970A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6487774B1 (en) | 1998-01-22 | 2002-12-03 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | Method of forming an electronic component using ink |
US7131174B2 (en) * | 2002-03-07 | 2006-11-07 | Tdk Corporation | Ceramic electronic device and method of production of same |
-
1992
- 1992-01-29 JP JP4038685A patent/JPH05205970A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6487774B1 (en) | 1998-01-22 | 2002-12-03 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | Method of forming an electronic component using ink |
US6979416B2 (en) | 1998-01-22 | 2005-12-27 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | Method of forming an electronic component using ink |
US7131174B2 (en) * | 2002-03-07 | 2006-11-07 | Tdk Corporation | Ceramic electronic device and method of production of same |
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