JPH05205549A - 回転可能な高電流接続装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 供給される電流を対抗フランジの周面に均一
に分配することができ、これにより素線の不均一な加熱
が排除され、さらに従来のものより高い電流を伝達する
ことができる、回転可能な高電流接続装置を提供する。 【構成】 電気を導く内側管２と外側管３とから成り、
該管の中空室４，５が冷却媒体を案内するために使用さ
れ、さらに前記管の、定置の給電管と接続された端部が
それぞれ１つの金属製のフランジ８，９と接続されてお
り、該フランジからフレキシブルな素線１２，１２′…
１３，１３′…が定置の給電管における相応するそれぞ
れ１つの金属製の対抗フランジ１４，１５へ案内されて
おり、前記対抗フランジが、種々の直径を有する互いに
同軸的に配置された給電管１９，２０，２２，２３を備
えており、これらの給電管が最小長さＬを下回らないよ
うになっている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、閉じられた室内の運動
可能な組込みユニットへ電気を供給するための回転可能
な高電流接続装置であって、電気を導く内側管と外側管
とが、半径方向で互いに間隔を置いて同軸的に配置され
ており、これらの管の中空室が、冷却媒体を案内するた
めに使用されており、さらにこれらの管が、定置の給電
管と接続された端部でそれぞれ１つの金属製のフランジ
と接続されており、該フランジから、フレキシブルな電
流ブリッジが、定置の給電管における相応するそれぞれ
１つの金属製の対抗フランジへ案内されている形式のも
のに関する。

【０００２】

【従来の技術】前述の形式の高電流接続装置は、例え
ば、室の制限壁の内側及び外側の構成部材の間で制限さ
れた回転及び旋回運動が実施される場合に、閉じられた
室内に大きな運転電流を導入するために必要である。こ
のような必要性は、例えば、るつぼが加熱装置と一緒に
１つの構成ユニットを形成されている際に、るつぼを傾
倒することによって溶融物を鋳込む溶融及び鋳造装置の
ような、電流を特に中間周波数で給電される装置におい
て存在する。

【０００３】この場合、高電流接続装置が同時に冷却媒
体の供給及び排出のためにも使用されることが特に重要
であり、この冷却媒体によって炉部分、例えば誘導コイ
ルは過熱前に保護される。

【０００４】例えば真空炉のような閉じられた室の制限
壁の両側面で圧力差を有する装置の場合には、高電流接
続装置のシール性においてさらに特別な要求が課せられ
る。しかし、前述の形式の高電流接続装置は、溶融及び
鋳造装置における使用に限定されない。

【０００５】前述の形式の高電流接続装置は、数年来、
公然と使用されてきた。公知の高電流接続装置は４つの
金属製のリングフランジから成っており、該リングフラ
ンジは、互いに内外に対を成して同心的に配置されてい
て、かつＵ字状に曲げられた素線によって、内側及び外
側のそれぞれのリングフランジが同じ電位に位置するよ
うに互いに結合されている。

【０００６】互いに異なる極性を有する背面と背面とを
合わせて位置されるリングフランジは、スペースリング
によって互いに電気的に絶縁されており、しかし機械的
な１つの構成ユニットを形成しており、この場合内側の
リングフランジは外側のリングフランジに対して制限さ
れた旋回運動を実施することができる。前記構成部材に
おいて、素線の端部は、例えば締付けねじによってフラ
ンジに固定されている。一方の極性の素線群は、他方の
極性の素線群に対してほぼ鏡像対称的に延びており、こ
の場合対称面は、フランジの間の絶縁するスペースリン
グのほぼ内側に位置している。素線の相応するループ長
さによって、旋回角が十分に大きいように配慮されてい
る。内側の回転可能なリングフランジは、種々の直径を
有していて、かつ同軸的な管の外周面上に取付けられて
おり、該管は、電流及び冷却媒体を、閉じられた室の制
限壁によって該室の運動可能な組込みユニットに伝達す
る。

【０００７】外側の定置の対抗フランジへの電流の供給
は、ドイツ連邦共和国特許第３２１９７２１号明細書に
より、同時に冷却媒体導管として構成されている２つの
接線方向に配置された管状の電流導線によって行われ
る。

【０００８】しかし、前述の公知の構成は、高い電流の
伝達に問題があるという欠点を有している。対抗フラン
ジへの電流の導入は、半径方向で外側に位置する個所に
おいてのみ行われる。電流はできるだけ短い距離で流れ
るようにされているので、リング状の対抗フランジへの
分配は行われない。その代わり、電流は導線の近くに存
在する素線を介して対抗フランジに流れる。このことに
よって素線は種々に熱負荷され、それ故、この素線は、
種々の直径で構成される。

【０００９】

【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、供給
される電流を対抗フランジの周面に均一に分配すること
ができ、このことによって素線の不均一な加熱が排除さ
れ、さらに従来のものより高い電流を伝達することがで
きる、高電流接続装置を提供することである。

【００１０】

【課題を解決するための手段】前述の課題を解決するた
めに講じた本発明の手段は、対抗フランジが、種々の直
径を有する互いに同軸的に配置された給電管から成る同
軸的な給電装置を備えており、これらの給電管が、最小
の直径を有する給電管の２倍の直径より大きい最小長さ
を下回らないようになっていることにある。

【００１１】

【発明の効果】本発明によって、同軸的な電流供給が、
周面で分配される均一な電流密度による要求を満たし、
この電流密度が正に、高い電流における使用も可能にす
る。

【００１２】

【実施例】高電流接続装置は、電気を導く円筒状の内側
管２と外側管３とを有しており、該外側管は短い長さを
有しかつ内側管２に対して同心的に配置されている。外
側管３は、従来技術であってそれ故詳しく図示しない回
転貫通によって真空室１の壁内に保持される。内側管２
には冷却媒体を導くための中空室４が設けられており；
内側管２と外側管３との間にはリング状の中空室５が形
成され、この中空室は同様に冷却媒体の案内のために使
用される。内側の中空室４はねじスリーブ６を介して、
図示しないフレキシブルな冷却媒体導管と接続されてい
る。外側の中空室５は、側方のねじスリーブ７を介して
同様に、フレキシブルな冷却水導管と接続されている。

【００１３】外側管３の端面は、金属製のフランジ８と
不動に結合されており、このフランジは、半径方向内側
に位置する突出部を介して中空室５内に突入して、かつ
このような形式で運転時に中空室５内に存在する冷却媒
体と直接接触する。フランジ８は詳しくは図示しない半
径方向溝を備えており、この半径方向溝内には、内側管
２に対してシールするために図示しないシール部材が配
置されている。両方の管が一緒に運動する剛性的な機構
を構成するので、内側管と外側管との間の回転運動は行
われない。

【００１４】内側管２には、端面側に同様にフランジ９
が回転不能に配置されている。ねじスリーブ６はフラン
ジ９の中央にねじ固定されている。

【００１５】フランジ８と９との間には、絶縁材から成
るスペースリング１０が設けられている。内側管２は、
その長さの一部分にわたって絶縁被覆１１を有してお
り、この絶縁被覆はスペースリング１０まで突出してお
り、従ってフランジ８と内側管２との間で所定の電位差
が維持される。フランジ８，９及びスペースリング１０
も互いに相対運動不能であり、従って剛性的な構成グル
ープを構成する。

【００１６】フランジ８及び９のそれぞれの半径方向外
側に位置する範囲には、軸方向で整合された複数の孔が
等距離で分配されて設けられており、該孔内に、電流ブ
リッジとしてのＵ字状の素線１２，１２′，…；１３，
１３′…のそれぞれの一方端部がはんだ付けされてい
る。

【００１７】素線１２，１２′，…；１３，１３′…の
他方端部がそれぞれ、対抗フランジ１４，１５内にはん
だ付けされており、このために、対抗フランジは、フラ
ンジ８，９における前記孔と同数の軸方向で整合された
孔を備えている。対抗フランジ１４，１５は、フランジ
８，９の半径方向外側のポジションに配置されており、
しかしこのフランジとは接触しない。対抗フランジ１４
と１５との間に絶縁材から成るスペースリング１６が設
けられており、該スペースリングと対抗フランジ１４，
１５とが、剛性的な構成グループを構成するためにねじ
結合されている。

【００１８】対抗フランジ１４，１５はその半径方向外
側に位置する端部でそれぞれ、円板状のリング１７，１
８と結合されており、この場合リング１７は、その半径
方向でリング１８を越えている。

【００１９】両方のリング１７；１８には、軸方向でそ
れぞれ２つの円筒状の肉薄の給電管１９，２０；２２，
２３が接続されており、これらの給電管は、互いに同心
的にかつそれぞれ１つの中間室と接触せずに配置されて
いる。給電管２２は、同様に円筒状の電気的な絶縁体２
１を備えており、従って外側の給電管対１９／２０と内
側の給電管対２２／２３との互いに異なる極性が互いに
分離されている。

【００２０】既に述べた装置全体は、軸線Ａ−Ａに関し
て回転対称的に構成されている。

【００２１】両方の給電管対１９／２０及び２２／２３
は、その自由端部において、それぞれ半径方向に配置さ
れた導体レール２４，２５と接触しており、この場合両
方の導体レール２４，２５の間に絶縁体２６が設けられ
ており、この絶縁体の内側に位置する端部はさらに絶縁
体２１と接続されている。両方の導体レール２４，２５
を介して電気的な出力が供給され、この出力は給電管１
９，２０，２２，２３の周面で分配され、このことによ
って電気的な出力は、対抗フランジ１４，１５及びフレ
キシブルな素線１２，１２′，…；１３，１３′…を介
して内側管２及び外側管３に同軸的に伝達されることが
できる。

【００２２】前述の高圧電流接続装置の相対的な回転運
動は、両方のフランジ対８／９及び１４／１５の間で行
われ、この場合、定置に組み込まれた給電管１９，２
０，２２，２３に対する回転可能な部材２，３，８，９
の可能な回転角度は、フレキシブルな素線１２，１
２′，…；１３，１３′…の延び長さによって制限され
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による同軸的な給電部を有する回転可能
な高電流接続装置の一方端部の縦断面図である。

【符号の説明】

１ 真空室、 ２ 内側管、 ３ 外側管、 ４，５
中空室、 ６，７ ねじスリーブ、 ８，９ フラン
ジ、 １０ スペースリング、 １１ 絶縁被覆、 １
２，１２′…１３，１３′… 素線、 １４，１５ 対
抗フランジ、 １６ スペースリング、 １７，１８
リング、 １９，２０ 給電管、 ２１絶縁体、 ２
２，２３ 給電管、 ２４，２５ 導体レール、 ２６
絶縁体

Claims (8)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 閉じられた室内の運動可能な組込みユニ
   ットへ電気を供給するための回転可能な高電流接続装置
   であって、電気を導く内側管（２）と外側管（３）と
   が、半径方向で互いに間隔を置いて同軸的に配置されて
   おり、これらの管の中空室（４，５）が、冷却媒体を案
   内するために使用されており、さらにこれらの管が、定
   置の給電管と接続された端部でそれぞれ１つの金属製の
   フランジ（８，９）と接続されており、該フランジか
   ら、フレキシブルな電流ブリッジ（１２，１２′…１
   ３，１３′…）が、定置の給電管における相応するそれ
   ぞれ１つの金属製の対抗フランジ（１４，１５）へ案内
   されている形式のものにおいて、前記対抗フランジ（１
   ４，１５）が、種々の直径を有する互いに同軸的に配置
   された給電管（１９，２０，２２，２３）から成る同軸
   的な給電装置を備えており、これらの給電管（１９，２
   ０，２２，２３）が、最小の直径（Ｄ）を有する給電管
   （２３）の２倍の直径より大きい最小長さ（Ｌ）を下回
   らないようになっていることを特徴とする回転可能な高
   電流接続装置。
2. 【請求項２】 対抗フランジ（１４，１５）がフランジ
   （８，９）に対して同心的に、かつフランジ（８，９）
   の半径方向で外側に配置されている請求項１記載の回転
   可能な高電流接続装置。
3. 【請求項３】 素線（１２，１２′…１３，１３′…）
   が、フランジ（８，９）及び対抗フランジ（１４，１
   ５）の周面に均一に分配されて配置されている請求項１
   又は２記載の回転可能な高電流接続装置。
4. 【請求項４】 全ての素線（１２，１２′…１３，１
   ３′…）が、同じ長さ及び同じ横断面を有している請求
   項３記載の回転可能な高電流接続装置。
5. 【請求項５】 それぞれの対抗フランジ（１４，１５）
   が、給電管（１９，２０，２２，２３）から成る少なく
   とも１つの同軸的な給電装置を備えている請求項１から
   ４までのいずれか１記載の回転可能な高電流接続装置。
6. 【請求項６】 給電管（１９，２０，２２，２３）が円
   形の横断面を有している請求項５記載の回転可能な高電
   流接続装置。
7. 【請求項７】 給電管（１９，２０，２２，２３）から
   成る同軸的な給電装置が、導体レール（２４，２５）と
   接続されている請求項１から６までのいずれか１記載の
   回転可能な高電流接続装置。
8. 【請求項８】 それぞれの極性のために少なくとも１つ
   の導体レール（２４，２５）が取り付けられている請求
   項７記載の回転可能な高電流接続装置。