JPH05203773A - ステ−ジ装置の調整方法、およびステ−ジ装置 - Google Patents

ステ−ジ装置の調整方法、およびステ−ジ装置

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JPH05203773A
JPH05203773A JP19357491A JP19357491A JPH05203773A JP H05203773 A JPH05203773 A JP H05203773A JP 19357491 A JP19357491 A JP 19357491A JP 19357491 A JP19357491 A JP 19357491A JP H05203773 A JPH05203773 A JP H05203773A
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JP19357491A
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Hideaki Sakamoto
英昭 坂本
Yutaka Hayashi
豊 林
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Nikon Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 投影露光装置のX−Yステ−ジ装置等、基盤
の案内面に倣ってステ−ジが走行するステ−ジ装置の走
行精度を向上させる。ステ−ジ走行軌跡の振れ量およス
テ−ジ姿勢の傾き角度を修正する。これにより、案内面
の機械精度をあまり高めなくても、高い走行精度が得ら
れ、高い走行精度を維持するためのステ−ジ装置の温度
管理も容易になる。 【構成】 基盤の局所的な温度を任意に調整できる調節
手段を設け、基盤内に起伏のある温度分布を形成する。
調節手段の熱入出力を変更して基盤に局所的な熱歪を発
生し、案内面の機械的な誤差を熱的に相殺する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、投影露光装置のX−Y
ステ−ジ、精密工作機械の加工テ−ブル、精密計測器の
測定テ−ブル等、基盤に設けた案内面に倣ってステ−ジ
が走行する高精度なステ−ジ装置、およびこのようなス
テ−ジ装置の調整方法に関し、機械的なステ−ジ走行誤
差を熱的に修正する技術を提案する。
【0002】
【従来の技術】投影露光装置のX−Yステ−ジ、精密工
作機械のX−Y加工テ−ブル、精密計測器の測定テ−ブ
ル等、基盤に設けた水平、垂直、または斜めの案内面に
倣ってステ−ジが直線的または円弧状に走行し、該走行
の経路上でステ−ジが精密に位置決めされるステ−ジ装
置に対して、近年、ステ−ジの走行精度を高める要求が
次第に増している。該要求は、超LSIにおける線幅ル
−ルの微細化、精密部品の必要な機械加工精度レベルの
向上、レ−ザ−装置、電子線装置、X線装置における近
年の光学的な技術水準の向上等に対応した要求である。
【0003】ステ−ジの走行精度は、基盤に対するステ
−ジ走行軌跡の鉛直方向および平行方向の振れ量、ステ
−ジ姿勢の平行面内および走行経路を含む鉛直面内での
傾き角度の各成分を含み、基盤に設けた案内面の機械的
な仕上がり精度(直線性および表面粗さ)に強く依存
し、往復または繰返しでステ−ジを走行させると、毎回
の走行について再現性がある。一方、案内面の油膜厚
さ、ベアリング精度、ステ−ジ駆動系の振動、ステ−ジ
荷重、駆動条件(加速度)等もステ−ジの走行精度に影
響するが、これらの要因に関しては技術的な解決が逐次
なされており、案内面の機械精度に比較すると影響は小
さい。このような高精度なステ−ジ装置の案内面は、高
精度な加工機と精密な計測器を用いて、熟練作業者によ
る加工と計測を繰返して仕上げられる。
【0004】しかし、著しく高い機械精度(直線性)の
案内面が要求される場合、案内面が長い場合、基盤に多
数の部品が組込まれて相互に熱的または力学的な干渉を
行う場合には、ステ−ジ装置に実装された状態の案内面
を加工段階で正確に再現して案内面の機械精度(直線
性)を計測することが不可能であるから、計測するため
の道具立てや準備が大がかりになる一方で、精密な計測
器を用いて計測した加工段階の計測値に対して、組立て
完了したステ−ジ装置で実際にステ−ジを走行させて計
測した走行誤差が十分には対応しなくなるという問題が
ある。
【0005】このとき、加工段階における基盤素材のチ
ャッキング、案内面を含む基盤全体の加工ひずみや熱処
理の履歴、応力状態の経時変化等の影響に加え、基盤に
取付けられる部品の熱的、力学的な影響も無視できな
い。従って、案内面の仕上げ加工の最終段階では、基盤
をステ−ジ装置に仮実装して基盤の熱的、力学的な条件
を実際に再現してステ−ジを試験走行させ、ステ−ジの
走行誤差を計測して、該誤差から必要な追加の加工量を
逆算し、案内面を取り外して修正加工した後に再度、ス
テ−ジ装置に仮実装して走行誤差を確認するという、非
効率的な手順を踏むのが一般的である。
【0006】また、ステ−ジ装置の環境温度の絶対値が
変化すると構成部品の熱膨張差による基盤の熱歪が、ま
た、ステ−ジ駆動機構の発熱等により基盤内に起伏のあ
る温度分布が形成されると基盤の局所的な熱歪が発生
し、基盤の変形に伴う応力が案内面に作用して案内面に
たわみが発生し、ステ−ジの走行誤差が拡大する場合が
ある。従って、案内面の直線性を一定に維持してステ−
ジの走行精度を高く保つために、装置全体は一定温度の
空調下に置かれ、さらに、装置内の各発熱源近傍には局
所的な冷却装置が配置されて、装置内(基盤内)を平坦
かつ一定温度の温度分布に維持するようにしている。
【0007】このようなステ−ジ装置の例として投影露
光装置のX−Yステ−ジを掲げることができる。設計線
幅1μm 程度の半導体素子の回路パタ−ンを転写する投
影露光装置においては、試料(ウェハ等)面における回
路パタ−ン投影像とウェハ上の投影領域とは±0.1μ
m 程度の精度で位置決めされる必要がある。一方、該露
光装置は精密な干渉計を備え、干渉計を用いて走行誤差
を直接、簡単かつ高精度に計測でき(図1参照)、例え
ば、1個の超LSIパタ−ンを1枚のウェハ上の100
個の投影領域に次々に転写する場合に、100個の投影
領域の各々で光学的な位置合わせを行わず、大部分の投
影領域では干渉計の指示に従ってX−Yステ−ジが機械
的な位置合わせを行うだけの方法が採られることもあ
る。
【0008】この方法では、予め定めた数箇所の投影領
域についてパタ−ンの投影像を光学的に位置合わせして
干渉計の表示値を座標値として記憶し、該数箇所の座標
値に基いて100個すべての投影領域の座標値を演算
し、干渉計の表示をこれらの座標値に一致させるように
X−Yステ−ジを駆動して、ウェハ上で投影像に対して
各投影領域を機械的に順送りしている。
【0009】ここで、機械的に順送りされるだけの投影
領域では、X−Yステ−ジの走行誤差が位置合わせ精度
に直接に影響する。投影露光装置におけるX−Yステ−
ジの走行誤差としては、フォ−カス誤差を生じる鉛直
(z)方向の振れやステ−ジ姿勢の走行経路を含む鉛直
面内での傾きよりも、パタ−ンの重ね合わせ誤差を直接
に生じる平行(x、y)方向の振れやステ−ジ姿勢の水
平面内での傾きが重要である。
【0010】すなわち、回路パタ−ンの投影像に対して
ウェハを±0.1μm の精度で位置決めするためのステ
−ジ装置の案内面に必要な仕上げ精度は、ステ−ジを試
験走行させて計測した平行方向の振れ量(ステ−ジ平面
上における送り方向と直角な方向のずれ)が±0.1μ
m 以下、また、ステ−ジ姿勢の平行面内での傾き角度に
ついては、投影領域の送り方向の両端のずれが±0.1
μm 以下となる範囲でのみ許容される。
【0011】従って、投影露光装置は、厳密な空調管理
下で終日一定の温度(約±0.1度程度)に保たれた室
内に設置され、X−Yステ−ジの駆動部分、露光光源等
の発熱源には局所的な温度調節手段が設けられ、ステ−
ジ装置内(特に基盤)を平坦かつ所定温度の温度分布に
維持している。これにより、構成部品の熱膨張差や基盤
の局所的な熱歪によるステ−ジの走行誤差の拡大を予防
している。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】このような精密なステ
−ジ装置においては、案内面の機械精度を加工段階で現
在の限界水準にまで高めたとしても、組立て完了したス
テ−ジ装置でステ−ジを試験走行させてみると、前述の
ように、実際に計測された走行誤差は要求される範囲を
逸脱している場合がある。従って、ステ−ジ装置の案内
面は、少なくとも1回、通常は3〜5回の仮実装−試験
走行−再加工のサイクルを繰返して仕上加工されること
となり、ステ−ジ装置の製作における時間短縮とコスト
削減を妨げるとともに、さらなる走行精度の向上を困難
にしていた。
【0013】また、空調立ち上げ後に基盤の温度分布が
均一になってステ−ジの走行精度が再現されるまでに長
時間を要するから、ステ−ジ装置の稼働率の改善が困難
である。また、ステ−ジ装置内の発熱源と局所的な冷却
手段の能力のバランスの維持も容易ではなく、該バラン
スが崩れるとステ−ジの走行誤差が直ちに拡大する結果
となる。
【0014】一方、製造段階では要求される走行精度を
満たしていたステ−ジ装置が、設置環境の温度と湿度の
調節不良、突発事故による部品変形等によって、要求さ
れる走行精度を満たさなくなる場合がある。このような
場合、現場サ−ビスとして部品交換や修正加工が行われ
るが、計測機器や加工機械の不備な設置場所では、満足
な仮実装−試験走行−再加工のサイクルの実行は不可能
であり、復旧に多大な時間と労力を必要としていた。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、加工段階で案
内面の平面度と平坦度を過度に高めなくても、組立て完
了したステ−ジ装置でステ−ジを試験走行させながら、
容易に走行誤差を望む範囲内に追込むことができ、空調
立ち上げ後にはステ−ジの走行精度がより短時間で的確
に再現され、周囲温度が変化したり内部の熱バランスが
崩れた場合にも走行精度が維持され、環境温度計測機器
や加工機械の不備な設置場所における現場サ−ビスとし
ての走行誤差の追込みも容易なステ−ジ装置、およびス
テ−ジ装置の調整方法を提供することを目的としてい
る。
【0016】請求項1のステ−ジ装置の調整方法は、基
盤に設けた案内面に倣ってステ−ジが走行するステ−ジ
装置の走行精度を調整する方法において、基盤の局所的
な温度を調整する調節手段を設け、調節手段の熱入出力
により、案内面の機械誤差が減少する起伏のある温度分
布を基盤内に形成する方法である。
【0017】請求項2のステ−ジ装置の調整方法は、請
求項1の調整方法において、ステ−ジの走行誤差を計測
する計測手段を設け、案内面の機械誤差をステ−ジの走
行誤差として計測し、ステ−ジの走行誤差を直接に相殺
するように前記温度分布を定める方法である。
【0018】請求項3のステ−ジ装置の調整方法は、請
求項1、2いずれかの調整方法において、調節手段の熱
入出力を異ならせた状態のステ−ジの走行誤差を計測し
て特定の熱入出力条件を選択し、調節手段に該条件を維
持させて、熱的な定常状態における基盤の熱歪により走
行誤差を相殺する方法である。
【0019】請求項4のステ−ジ装置は、基盤に設けた
案内面に倣ってステ−ジが走行するステ−ジ装置におい
て、基盤の局所的な温度を調整する調節手段と、基盤の
局所的な温度を計測する検出手段と、基盤の温度分布を
蓄積可能な記憶手段と、該手段に蓄積された温度分布に
従って検出手段の出力に基いて調節手段を制御する制御
手段とを設けたものである。
【0020】請求項5のステ−ジ装置は、基盤に設けた
案内面に倣ってステ−ジが走行するステ−ジ装置におい
て、基盤の局所的な温度を調整する調節手段と、ステ−
ジの走行誤差を計測する計測手段と、該手段の出力に基
いて調節手段の出力を変化させる処理手段とを備えるも
ので、熱的な過渡状態における基盤の熱歪により走行誤
差を相殺する。
【0021】
【作用】従来のステ−ジ装置においては、案内面の追加
的な機械加工によって走行精度を段階的に追込んでいた
が、本発明のステ−ジ装置においては、基盤を局所的に
加熱または冷却して、基盤に局所的な熱歪を発生して、
案内面の機械誤差を減少させる。換言すれば、従来のス
テ−ジ装置は、基盤に流入する熱量が基盤全体に拡散さ
れ、また、局所的な冷却手段により相殺されて温度分布
が平坦かつ所定温度となった状態において、初めてステ
−ジの走行精度が再現されたのに対し、本願発明のステ
−ジ装置は、基盤に局所的に熱を流入または流出させ
て、ステ−ジの走行精度が極大(走行誤差が極小)とな
るような、起伏のある基盤の温度分布に積極的に誘導す
る。
【0022】本発明のステ−ジ装置においては、基盤に
直接に形成された、または基盤に取付けられた案内面に
倣ってステ−ジが走行する。ステ−ジの走行精度は、基
盤に対するステ−ジ走行軌跡の鉛直方向、および平行方
向の振れ量、ステ−ジ姿勢の平行面内、および走行経路
を含む鉛直面内での傾き角度の各成分を含み、案内面の
機械精度(特に直線性)に大きく依存し、往復または繰
返しの走行に関して毎回の再現性がある。
【0023】請求項1の調整方法における調節手段は、
発熱および冷却の作用素子と、該素子における発熱また
は冷却量を設定する設定手段とからなる。加熱用の作用
素子としては電熱線、ランプ、誘導加熱コイル等、冷却
用の調節手段としてはヒ−トパイプ、冷媒経路等が採用
され、基盤との熱交換は熱伝導や輻射のような直接的な
ものでも、流体を介した間接的なものでもよい。また
は、加熱および冷却可能なペルチェ素子等を用いてもよ
い。設定手段は、作用素子に応じて選択された電源、冷
媒ポンプ等であって、作用素子の発熱量、吸熱量、また
は基盤の作用素子の位置における局所的な温度を作用素
子の能力の範囲内で調整する。
【0024】調節手段は、基盤内に適当な温度分布を形
成できるように、ステ−ジ装置に複数を取付けるのが好
ましいが、走行誤差が大きい場所や走行誤差に影響が大
きい場所を選択するなら基盤に1個だけ直接に設けるだ
けでもよい。調節手段は、基盤全体と周囲環境の熱収支
を中立的にして結露や放熱を妨げ、基盤の熱的な定常状
態を早く達成するために、加熱用と冷却用を1セットに
して設けても良い。調節手段の熱入出力は、基盤に局所
的に熱を流入流出させて該部分を任意の温度に誘導する
ことができ、これにより、基盤内には起伏のある一定の
温度分布が形成され、基盤に熱歪が発生して案内面に応
力を及ぼし、機械誤差(走行誤差)を変化させる。
【0025】請求項2の調整方法においては、計測手段
が計測したステ−ジの走行誤差を用いて案内面の機械誤
差を判別する。ステ−ジの走行誤差は主に案内面の機械
誤差に依存しており、後述の実施例(図1)のように2
台の干渉計を用いて走行誤差を計測すれば、通常の計測
器で案内面の機械精度を計測する以上の精度と感度が達
成され、走行誤差の計測と演算が容易で、しかも、最終
的にはステ−ジの走行誤差を相殺するのが目的であるか
ら、案内面の機械精度(直線性)により間接的に走行誤
差を補正するのではなくて、ステ−ジの走行誤差を直接
的に相殺する簡単かつ能率的なシステム構成となる。
【0026】請求項3のステ−ジ装置の調整方法におい
ては、熱的な定常状態における基盤の熱歪により案内面
の機械誤差(ステ−ジの走行誤差)を相殺する。調節手
段の設定値(温度、電流、冷媒流量等)を変化させ、基
盤が熱的な定常状態になるのを待ってステ−ジの走行誤
差を実際に計測する。このような操作を繰返してステ−
ジの走行誤差が極小となるような特定の設定値を1つ選
択する。該設定値を調節手段に維持させることにより、
平坦かつ一定温度の温度分布、または、平坦かつ一定温
度の温度分布を達成しようとする状態の基盤(従来のス
テ−ジ装置)における案内面の機械誤差が減少され、ス
テ−ジの走行精度が向上する。
【0027】請求項4のステ−ジ装置においては、制御
手段が検出手段の出力に基いて調節手段を制御し、記憶
手段に蓄えた特定の温度分布に従って基盤の温度分布を
誘導する。記憶手段に蓄えた温度分布は、例えば、基盤
の二次元的または三次元的な温度分布を、検出手段にお
ける特定温度として表現したもので、検出手段における
温度が該特定温度と一致するまで、制御手段が調節手段
のそれぞれの熱入出力を変化させる。このようにして、
基盤の温度分布は、基盤周囲の温度環境とは無関係に、
一定の起伏のある分布に従って誘導される。
【0028】記憶手段に蓄えた特定の温度分布とは、案
内面の機械誤差(あるいはステ−ジの走行誤差)が極小
となる温度分布であって、複数の調節手段の熱入出力
(温度、電流、冷媒流量等)を変化させた後、基盤が熱
的な定常状態になるのを待って干渉計等でステ−ジの走
行誤差を実際に計測し、このような操作を繰返して走行
誤差が最小となった温度分布を選択して定めることがで
きる。
【0029】温度分布の選択は自動的に行わせてもよ
い。複数回の試験走行における温度分布と走行誤差の組
合せを記憶し、走行誤差が極小となる温度分布を選択す
る判別回路と、現在の走行誤差の発生状態を判別して好
ましい試験用の温度分布の組を仮定できる試験回路との
組合せによって好ましい温度分布を選択できる。刻々の
ステ−ジ走行誤差を計測する計測手段を設け、稼働中の
ステ−ジ装置の走行誤差を監視し、該誤差が許容範囲を
越えた際に、このような試験走行を自発的に開始して、
ステ−ジ装置の熱的な外乱を相殺して、走行誤差を極小
に維持するシステムを構成してもよい。
【0030】請求項5のステ−ジ装置においては、ステ
−ジの走行誤差を調節手段によりリアルタイムに相殺す
る。計測手段は、刻々のステ−ジ走行誤差を計測し、該
計測値からは基盤を歪めるべき方向が判別される。制御
手段は、必要な基盤の熱歪を達成できる調節手段を選択
し、該手段の熱入出力を変化させる。該変化により基盤
に発生する基盤の熱歪は、走行誤差を直ちに縮小させ
る。
【0031】調節手段は、基盤に局所的に熱を流入流出
させて、基盤内に起伏のある温度分布を形成し、局所的
な熱歪を発生して案内面に応力を及ぼし、ステ−ジの走
行誤差を変化させる。このときの温度分布は熱拡散によ
り次第に裾を広げる過渡的な分布だから、時間経過に伴
って熱歪の範囲および大きさが拡大して走行誤差もさら
に変化する。制御手段は、計測手段により計測された刻
々変化するステ−ジ走行誤差を相殺する方向にそれぞれ
の調節手段の設定値をリアルタイムに変化させる。
【0032】ここで、調節手段の設定値の変更から実際
にステ−ジ走行誤差が変化するまの遅れ時間によって調
節手段近傍の温度が振動し始めると、ステ−ジの走行誤
差を十分に相殺できなくなるから、制御手段では、積分
手法等を用いて調節手段の設定値を余り急激に変化させ
ないようにしてもよい。また、この遅れ時間を短縮する
ために、加熱、冷却に反応して寸法を急速に変化する調
節手段(サ−マル・アクチュエ−タ)を基盤に固定し
て、該手段の寸法変化により基盤を強制的にたわませて
走行誤差を相殺するようにしてもよい。
【0033】ここで、調節手段から基盤に伝導する熱
は、時間経過に伴って基盤自身に局所的な熱歪をさらに
発生して、ステ−ジの走行精度の安定性を損なわせるか
ら、調節手段と基盤の間にセラミック板等の断熱材(但
し応力の伝達は妨げない)を挿入してもよい。また、調
節手段として、加熱(伸張)用と冷却(縮小)用を兼用
し、または組合せることもできる。このとき、加熱と冷
却は速やかに切換えできるのが望ましい。
【0034】
【実施例】本発明の実施例を図面を参照して説明する。
【0035】図1は、実施例のステ−ジ装置の模式図で
ある。図中、(a) は正面図、(b) は平面図である。ここ
では、半導体製造用の投影露光装置のX−Yステ−ジ装
置からXステ−ジ部分のみが取り出されて模式的に示さ
れ、基盤に貼付した電熱ヒ−タの電流値を変えてステ−
ジの走行誤差を相殺している。
【0036】図1(a)、(b) において、基盤1には、水平
な案内面3cと、V字形に組み合わされた斜めの案内面
3a、3bが形成されている。案内面3a、3b、3c
に案内されて基盤1上を走行するステ−ジ2は、案内面
3a、3b、3c上に設けられたニ−ドルベアリング4
a、4b、4cにより支承される。ステ−ジ2は、斜め
の案内面3a、3bにより水平方向に拘束されており、
案内面3a、3bの機械精度(直線性および表面粗さ)
により、ステ−ジ走行軌跡の水平方向の振れ量およびス
テ−ジの刻々の傾き角度が決定される。
【0037】ステ−ジ装置外部に設置された干渉計7
a、7bは、ステ−ジ2に固定されたミラ−2a上のそ
れぞれの点に垂直に入射する測長用のレ−ザビ−ムを射
出し、基盤1上におけるステ−ジ2の位置座標値を刻々
出力する。干渉計7a、7bの測長値の差からは、ステ
−ジ2の刻々の傾き角度を演算できる。
【0038】基盤1の案内面3a側の側面には、電源6
a〜6cによりそれぞれの電流設定値を変更できる3個
の電熱ヒ−タ5a〜5cが取付けられる。電源6a〜6
cを調整することにより、基盤1の電熱ヒ−タ5a、5
b、5c位置の温度を所望の値とすることができ、基盤
1が熱的な定常状態になると、基盤1内に所望の温度分
布を形成することができる。
【0039】このように構成されたステ−ジ装置におい
て、ステ−ジ2を試験走行させて干渉計7a、7bの測
長値からステ−ジ2の刻々の傾き角度を演算し、案内面
のたわみ量を求め、該たわみ量を相殺できると思われる
温度分布を仮定して、該温度位分布に基いて電源6a〜
6cの出力を定める。これにより、基盤1の電熱ヒ−タ
5a〜5cが基盤1をそれぞれ局所的に加熱し、基盤1
が熱的な定常状態に至ると、基盤1には安定した熱歪が
発生して、案内面3a、3bに応力を及ぼしてたわみ量
が相殺される。相殺量が不足したり、過剰な場合は電源
6a〜6cの出力を再度調整し直す。
【0040】図2は、別の実施例のステ−ジ装置の模式
図である。ここには、図1のステ−ジ装置と同様なXス
テ−ジ部分が平面図で示され、図1のステ−ジ装置に共
通する部材には同一な符号を付して説明を省略する。
【0041】図2において、基盤1の案内面3a側の側
面には、5個の電熱ヒ−タ5a〜5eと組合せて、5個
の温度計8a〜8eが取付けられる。電源6は、電熱ヒ
−タ5a〜5eの電流設定値を処理回路10の出力に応
じてそれぞれ定める。処理回路10は、記憶回路11に
蓄えられた温度計8a〜8eの目標温度、すなわち基盤
の温度分布に従って、温度計8a〜8eの出力に応じて
電源6を制御する。
【0042】このように構成されたステ−ジ装置におい
て、ステ−ジ2を試験走行させて干渉計7a、7bの測
長値からステ−ジ2の刻々の傾き角度を演算し、案内面
のたわみ量を求め、該たわみ量を相殺できると思われる
温度分布を仮定して記憶回路11に蓄える。制御手段1
0は、該温度位分布に基いて電源6の出力を定め、これ
により、基盤1の電熱ヒ−タ5a〜5eが基盤1をそれ
ぞれ局所的に加熱し、基盤1が熱的な定常状態に至る
と、基盤1には安定した熱歪が発生し、案内面3a、3
bに応力を及ぼしてたわみ量を相殺する。相殺量が不足
したり、過剰な場合は、再度ステ−ジ2を試験走行させ
て記憶回路11の温度分布を仮定し直す。
【0043】図3は、さらに別の実施例のステ−ジ装置
の模式図である。ここには、図1のステ−ジ装置と同様
なXステ−ジ部分が平面図で示され、図1のステ−ジ装
置に共通する部材には同一な符号を付して説明を省略す
る。
【0044】図3において、基盤1の案内面3a側の側
面には、5個の電熱ヒ−タ5a〜5eが取付けられる。
電源6a〜6eは、電熱ヒ−タ5a〜5eの電流設定値
を制御回路13からの出力に応じて定める。演算回路1
2は、干渉計7a、7bの測定値からステ−ジ2の傾斜
角度を演算する。制御回路13は、電源6a〜6eを制
御してステ−ジ2の傾斜角度を相殺する方向に基盤1に
熱歪を与える。
【0045】このように構成されたステ−ジ装置におい
て、ステ−ジ2の走行に伴う刻々のステ−ジの傾斜角度
が演算され、傾斜角度は即座に電熱ヒ−タ5a〜5eの
電流に反映されて基盤1の熱歪量が変化して、傾斜角度
が相殺される。
【0046】以上の実施例においては、ステ−ジ2の走
行軌跡に平行な方向の振れ量およびステ−ジ2の刻々の
傾き角度について走行誤差を相殺したが、ステ−ジ2の
走行軌跡を含む鉛直方向の振れ量およびステ−ジ2の刻
々の傾き角度についても、同様な走行誤差を相殺するシ
ステムを構成できる。また、ステ−ジの走行精度を計測
する手段として2台の干渉計を用いたが、マイケルソン
干渉計を応用したようなシステムや、コリメ−タを採用
することもできる。また、一方向のステ−ジ装置だけで
なく、X−Yステ−ジのような二次元ステ−ジ装置、X
−Y−Zステ−ジのような三次元ステ−ジ装置にも応用
できる。
【0047】
【発明の効果】本発明のステ−ジ装置、およびステ−ジ
装置調整方法においては、基盤の局所的な温度の変更に
よって発生する熱歪を用いて走行誤差を直接的に相殺
し、連続的に走行精度を追込むから、仮実装−試験走行
−再加工のサイクルを無益に繰返すことなく、また、切
り屑はおろか、わずかなゴミすら発生することなく、組
立て完了したステ−ジ装置で、ステ−ジを試験走行させ
て、あるいは実際に稼働走行させながらでも、容易に走
行誤差を望む範囲内に追込むことができる。
【0048】また、ステ−ジ装置が完全な定常状態にま
で到達しなくても走行精度が再現されるから、空調立ち
上げ後等にステ−ジの走行精度がより短時間で的確に再
現され、周囲温度が変化したり内部の熱バランスが崩れ
た場合にも走行精度が維持され、環境温度計測機器や加
工機械の不備な設置場所における現場サ−ビスとしての
走行誤差の追込みも容易なである。また、加工段階で案
内面の平面度と平坦度を過度に高めなくても、従来以上
の走行精度が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例のステ−ジ装置の模式図である。
【図2】別の実施例のステ−ジ装置の模式図である。
【図3】さらに別の実施例のステ−ジ装置の模式図であ
る。
【符号の説明】
1 基盤 2 ステ−ジ 3a 案内面 3b 案内面 3c 案内面 5a ヒ−タ 5b ヒ−タ 5c ヒ−タ 6a 電源 6b 電源 6c 電源 7a 干渉計 7b 干渉計
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 21/68 K 8418−4M

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基盤に設けた案内面に倣ってステ−ジが
    走行するステ−ジ装置の走行精度を調整する方法におい
    て、基盤の局所的な温度を調整する調節手段を設け、調
    節手段の熱入出力により、案内面の機械誤差が減少する
    起伏のある温度分布を基盤内に形成することを特徴とす
    るステ−ジ装置の調整方法。
  2. 【請求項2】 請求項1の調整方法において、ステ−ジ
    の走行誤差を計測する計測手段を設け、案内面の機械誤
    差をステ−ジの走行誤差として計測し、ステ−ジの走行
    誤差を直接に相殺するように前記温度分布を定めること
    を特徴とするステ−ジ装置の調整方法。
  3. 【請求項3】 請求項1、2いずれかの調整方法におい
    て、調節手段の熱入出力を異ならせた状態のステ−ジの
    走行誤差を計測して特定の熱入出力条件を選択し、調節
    手段に該条件を維持させて、熱的な定常状態における基
    盤の熱歪により走行誤差を相殺することを特徴とするス
    テ−ジ装置の調整方法。
  4. 【請求項4】 基盤に設けた案内面に倣ってステ−ジが
    走行するステ−ジ装置において、基盤の局所的な温度を
    調整する調節手段と、基盤の局所的な温度を計測する検
    出手段と、基盤の温度分布を蓄積可能な記憶手段と、記
    憶手段に蓄積された温度分布に従って検出手段の出力に
    基いて調節手段を制御する制御手段とを設けたことを特
    徴とするステ−ジ装置。
  5. 【請求項5】 基盤に設けた案内面に倣ってステ−ジが
    走行するステ−ジ装置において、基盤の局所的な温度を
    調整する調節手段と、ステ−ジの走行誤差を計測する計
    測手段と、計測手段の出力に基いて調節手段の出力を変
    化させる処理手段とを備え、熱的な過渡状態における基
    盤の熱歪により走行誤差を相殺することを特徴とするス
    テ−ジ装置。
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