JPH05203354A - 熱風布帛乾燥装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は常に均一に波うたせて製品を均一な仕
上がりにすることができる布帛乾燥装置を提供すること
を目的としている。 【構成】メッシュ状の無端ベルトを張設した布帛搬送コ
ンベアが、搬送路を中間に設けた状態で上下に配設さ
れ、この搬送路の上下に前記布帛搬送コンベア越しに熱
風を噴射供給する熱風噴射手段が配置されていて、オー
バーフィードされて連続的に搬送路へ送られてくる布帛
を、この熱風噴射手段から噴射供給された熱風で搬送路
内で波打状にし、布帛搬送コンベアで一方から他方へ搬
送供給する間に布帛を乾燥するようにした布帛乾燥装置
であって、上端に設けられた揺動軸を中心にして揺動自
在なガイド板が、布帛を斜め下方から受けて前記搬送路
へ誘導するように前記搬送路入口の近傍に配置されてい
て、このガイド板を前記揺動軸を中心にして所定ピッチ
で揺動させる揺動手段がガイド板に配設されている構成
とした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、たとえば、染色・整理
・仕上げ機械等に組み込まれて使用される布帛を連続し
て乾燥処理する布帛乾燥装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、捺染、染色、水洗等の工程後、布
帛を連続して乾燥処理するのに、主として、シリンダー
乾燥機，ローラードライヤー等のホットフルー乾燥機が
用いられている。しかし、シリンダー乾燥機，ローラー
ドライヤー等のホットフルー乾燥機では、乾燥時に布帛
にテンションがかかるため、長さ方向に布帛が伸張さ
れ、乾燥機から出てきた製品は偏平となり、風合いも悪
いものとなってしまう。そこで、これらの乾燥機を使用
する場合は、後工程で巾出しテンターによりオーバーフ
ィードをかけて巾方向へ広げて偏平，風合いの改善を図
るようにしているが、レーヨンやニット製品等は、その
改善が全くみられず、これらの乾燥機を用いることがで
きない。

【０００３】そこで、この問題を解決するために、図６
にみるようなネット搬送型の布帛乾燥装置がある。すな
わち、この布帛乾燥装置は、メッシュ状無端ベルト１０
１が張設された布帛搬送コンベア１０２を上下に配置
し、布帛１０３を上下の布帛搬送コンベア１０２の間に
形成される搬送路１０４内を搬送するとともに、無端ベ
ルト１０１越しに搬送路１０４を挟んで送風ダクト１０
５を千鳥状に配置し、搬送路１０４を搬送されてくる布
帛１０３に上下からこの送風ダクト１０５の吹き出し口
１０６から熱風を噴射して、布帛１０３をその熱風の噴
射圧によって図にみるように波打たせて乾燥と同時に
“揉み”効果を与え、上記問題を解消するようにしてい
る。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
なネット搬送型の布帛乾燥装置では、搬送路入口の手前
にガイド板を設け、このガイド板によって前工程から送
られてきた布帛を搬送路へ誘導するようにしているが、
布帛が濡れた状態であるので、いくら平滑なガイド板を
用いても滑りが悪く布帛の幅方向で搬送路の布帛搬送コ
ンベア上へ均等に落下しないことが多い。

【０００５】したがって、搬送路へ入っても布帛の波打
ちが不安定になり、部分的に“揉み”の状態が異なり製
品にむらができる虞があった。本発明は上記問題点に鑑
み提案されたもので、常に均一に波うたせて製品を均一
な仕上がりにすることができる布帛乾燥装置を提供する
ことを目的としている。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る布帛乾燥装置は、メッシュ状の無端ベ
ルトを張設した布帛搬送コンベアが、搬送路を中間に設
けた状態で上下に配設され、この搬送路の上下に前記布
帛搬送コンベア越しに熱風を噴射供給する熱風噴射手段
が配置されていて、オーバーフィードされて連続的に搬
送路へ送られてくる布帛を、この熱風噴射手段から噴射
供給された熱風で搬送路内で波打状にし、布帛搬送コン
ベアで一方から他方へ搬送供給する間に布帛を乾燥する
ようにした布帛乾燥装置であって、上端に設けられた揺
動軸を中心にして揺動自在なガイド板が、布帛を斜め下
方から受けて前記搬送路へ誘導するように前記搬送路入
口の近傍に配置されていて、このガイド板を前記揺動軸
を中心にして所定ピッチで揺動させる揺動手段がガイド
板に配設されている構成とした。

【０００７】上記構成において、ガイド板は、出来るだ
け平滑なものが好ましく、その材質としては、ステンレ
ス鋼やアルミニウム等が挙げられる。また、ガイド板の
揺動回数は、特に限定されないが、１２００〜２４００
回／分程度が好ましく、１８００回／分程度が特に好ま
しい。しかも、その振幅は、出来るだけ小さい方が好ま
しい。

【０００８】

【作用】上記構成によれば、搬送路入口付近まで送られ
てきた布帛は、ガイド板でガイドされて搬送路に送り込
まれるのであるが、布帛は、湿潤状態であるため、ガイ
ド板に当たると通常、ガイド板表面に一部が付着して上
手く滑り落ちない。そこで、ガイド板が一定間隔で揺動
することによってこの付着しようとした布帛を叩くよう
にはらい、細かい綺麗な波状にして搬送路へ誘導するよ
うになっている。

【０００９】そして、搬送路へ入った布帛は、上下から
布帛搬送コンベア越しに熱風噴射手段からの熱風を受け
て波打が助長されながら、揉まれつつ乾燥されることに
なる。

【００１０】

【実施例】以下本発明に係る布帛乾燥装置の一実施例を
図面に基づいて説明する。図１は、本発明の１実施例で
ある染色・整理・仕上げ機械に組み込まれて使用される
布帛の布帛乾燥装置の概略構成を示している。この乾燥
装置１は、板状断熱材で箱状に形成され、内部に乾燥室
３が形成されたケーシング２、４台の布帛搬送コンベア
（以下、「コンベア」とのみ記す）４を備えている。

【００１１】４台のコンベア４は、それぞれケーシング
２の前後に設けられた複数のガイドローラ４１にネット
状無端ベルト４２を張設することで、上下１列に配設さ
れ、各コンベア４の間に布帛の搬送路９となる空間がそ
れぞれ形成されている。各搬送路９の入口には、ガイド
板１２がそれぞれ配置されている。ガイド板１２は、図
２および図３にみるように、その上端部で揺動軸１２ａ
によって揺動自在に支持されていて、下端部裏面で揺動
手段１４と連結されている。

【００１２】揺動手段１４は、モータ等の駆動装置（図
示せず）によって回転するクランク軸１４ａと、このク
ランク軸１４ａのクランクアーム１４ｂに一端が枢支さ
れた２本のクランクロッド１４ｃとを備えていて、クラ
ックロッド１４ｃの他端をガイド板１２の下端部に設け
た枢軸１２ｂに固定し、クランク軸１４ａの回転によっ
てクランクロッド１４ｃをガイド板１２方向へ出入させ
てガイド１２を揺動軸１２ａを中心にして一定間隔で揺
動させるようになっている。

【００１３】また、各搬送路９の上下には、コンベア４
の無端ベルト４２越しにそれぞれ多数の送風ダクト５，
５，５・・・を等間隔で平行に並べた送風ダクト群５
ａ，５ｂ，５ｃ，５ｄ，５ｅ，５ｆが設けられている。
各送風ダクト５は、図４に示すように、主ダクト（チャ
ンバー）６から分岐していて、図５に示すように、スリ
ットノズル５１が各搬送路９に対面する側に乾燥される
布帛の幅かそれ以上の幅で形成されている。

【００１４】主ダクト６には、図４に示すように、送風
手段としての循環ファン６１および加熱手段としてのラ
インガスバーナー６２が設けられている。図１中１１は
スクレーダンサー装置、１５は送風ダクト群５ｅを搬送
路９前後方向へ揺動させる揺動手段、図４中７は回転ダ
ンパーである。また、通常、この乾燥装置１の前方に
は、図示していないが、水洗装置や染料などの薬液浸漬
装置等が配設され、後方には図外のキャリヤに布帛８を
折り畳んで収納する折り畳み収納装置（図示せず）が配
設されている。

【００１５】したがって、水洗装置や薬液浸漬装置等の
前工程で処理されてこの乾燥装置１まで連続的に送られ
てきた濡れた状態の布帛８は、まずガイド板１２に受け
られてガイド板１２の揺動により規則正しく弾かれて波
打状に振動した状態で一番上段の搬送路９へ送り込まれ
る。搬送路９に送り込まれた布帛８は、乾燥室３を通っ
てケーシング２の他側で折り返され、再びガイド板１２
によって弾かれて規則正しい波となって揉まれつつ２段
目の搬送路９、３段目の搬送路９へと連続的に送られて
充分に乾燥され、ソフトで風合いに優れた製品となる。

【００１６】なお、本発明にかかる熱風乾燥装置は、上
記の実施例に限定されない。たとえば、上記実施例では
処理布帛を折り返して乾燥室内を三段に通過させるよう
にしてあるが、これを一段で通過させたり、二段または
四段以上に折り返して通過させるようにしてもよい。

【００１７】

【発明の効果】本発明に係る布帛乾燥装置は以上に説明
したように、搬送路入口の近傍にガイド板を設けこのガ
イド板によって搬送路へ布帛を誘導するようにするとと
もに、ガイド板を揺動軸を中心に揺動させて、ガイド板
に付着しようとする布帛を弾くようにしたので、布帛が
その幅方向で波の状態が不均一になることなく、搬送路
に誘導され、幅方向で均一な波を形成しながら乾燥され
る。

【００１８】したがって、布帛に均一な揉み効果を充分
に与えることができ、ソフトな風合いの製品を均一に仕
上げることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明にかかる布帛乾燥装置の１実施例の概略
構成を示す側断面図である。

【図２】そのガイド板部分の断面図である。

【図３】そのガイド板部分を裏面側からみた斜視図であ
る。

【図４】図１のＡ−Ａ線断面図である。

【図５】送風ダクトの位置関係をあらわす説明図であ
る。

【図６】従来のネット搬送型の布帛乾燥装置の熱風の状
態を示す説明図である。

【符号の説明】

１ 乾燥装置 ４ 布帛搬送コンベア ５ 送風ダクト（熱風噴射手段） ８ 布帛 ９ 搬送路 １２ ガイド板 １２ａ 揺動軸 １４ 揺動手段

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藪田 正和 和歌山市松江東３丁目２−50 (72)発明者 二ノ丸 博久 和歌山市榎原38−24

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】メッシュ状の無端ベルトを張設した布帛搬
   送コンベアが、搬送路を中間に設けた状態で上下に配設
   され、この搬送路の上下に前記布帛搬送コンベア越しに
   熱風を噴射供給する熱風噴射手段が配置されていて、オ
   ーバーフィードされて連続的に搬送路へ送られてくる布
   帛を、この熱風噴射手段から噴射供給された熱風で搬送
   路内で波打状にし、布帛搬送コンベアで一方から他方へ
   搬送供給する間に布帛を乾燥するようにした布帛乾燥装
   置であって、上端に設けられた揺動軸を中心にして揺動
   自在なガイド板が、布帛を斜め下方から受けて前記搬送
   路へ誘導するように前記搬送路入口の近傍に配置されて
   いて、このガイド板を前記揺動軸を中心にして所定ピッ
   チで揺動させる揺動手段がガイド板に配設されているこ
   とを特徴とする布帛乾燥装置。