JPS5913277Y2 - 布類の風合い出し処理装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はタオル並びにそれに類似した離縁製品、すなわ
ち表面にパイルまたは毛羽が有る布類の新規な風合い出
し処理装置に関する。

タオル等の布は、染色と洗滌工程を経たのち、乾燥して
仕上がるのであるが、一般に乾燥工程はシワを伸ばして
仕上げるために、加熱シリンダーに接触させて行われて
いた。

加熱シリンダーは何本も用いられる。

しかしタオル等の布は前工程の段階から一貫して表示の
パイルが扁平に押しつぶされて来ており、更に加熱シリ
ンダーに押し付けられ乍ら乾燥するので、パイルの特性
が全く生かされない品質の劣る製品となっていた。

そのため近年は、加熱シリンダ一群から出た布の表面に
、毛を植えたローラを押し当てて回転させ乍ら、走行布
の扁平になったパイルを起こすべく試みられたが、これ
ではローラの毛にパイルの糸が引っかけられて切れたり
、更に切れた糸がローラに巻き付いてトラブルを生じた
り、また毛で掻かれたパイルは、起きかたがまちまちで
、製品価値を損うなどの欠点があった。

本考案は上記従来の欠点に鑑みなされたもので、以下図
面に従って説明する。

第１図は本考案を施した乾燥機の略示図で１はタオルな
どの被処理布、２は加熱シリンダー、３は加熱シリンダ
ーのための略示した機台、４はガイドローラ、５はエヤ
ーノズルである。

６は乾燥機であって、要部だけ示したのであるが、７は
機構、８は搬送機構として使用されるショートループコ
ンベヤーである。

ショートループコンベヤー８は、機幅方向の左右にチェ
ノ９がスプロケット１０の間に掛かり、左右のチェノの
間にはローラ１１が渡して設けられている。

そして、図面矢印方向に走行するよう駆動され、連続し
て被処理布１を搬送する間にこれへ熱風を吹き付けて乾
燥処理する。

第２図は本考案の部分を拡大した断面図で、被処理布１
は基布イの部分のパイル口の部分で構成されている。

前工程でパイル口の部分は、進行方向とは逆向きに倒れ
る如く扁平にされている。

エヤーノズル５は、乾燥機６内に被処理布１を導入する
在入口部の直前部分にして、両面導入される被処理布１
の両面側に相対向して一対に設けられ、噴出口１２を開
口する。

第２図に示す噴出口はノズル５からパイルの面に向がっ
て突出し、がっ被処理布１の進行方向すなわち基布イに
対して傾倒したパイル口の先端から基部に向がう方向に
傾斜させている。

このため、走行布のパイル面が噴出口がらの気流に当た
った瞬間、風圧で基布イに対して起きるのである。

被処理布が両面パイルの場合には両エヤーノズルがこの
ようなパイル起こしの作用を果し、被処理布が片面パイ
ルであれば被処理布のパイルとは反対側のエヤーノズル
がら噴出する気流はパイル側からの気流に対抗して被処
理布を所定位置に保持する働きをする。

第３図は本考案のエヤーノズルの他の例を示し、噴出口
１２′がノズル５′内にかん没したものであるが、効果
は同じである。

エヤーノズルには、図示しないブロワ−に連結して、空
気を供給する。

本考案のエヤーノズルの気流噴出口がら出る気流の方向
と被処理布の面との角度は略２０°乃至７０゜の間で効
果が有るが、ことに３０°乃至６０°の間でむらがなく
均一にパイルが起きて効果が良かった。

また、綿タオルの処理工程において加熱シリンダーで予
備的な乾燥をしたのちショートループコンベヤーをもつ
乾燥機で十分に乾燥する際、乾燥機の前で本考案のエヤ
ーノズルを設置して気流によるパイル起こし作用を施し
たタオル３２ダースぶんの積載厚みが、従来の装置で処
理した同品種のタオル３４ダースぶんの積載厚みに相当
したため、本考案によればふっくらと、かさ高の製品が
得られることが立証された。

気流の風速は毎秒３０ｍを超えると実用上ふっくらした
製品を得る効果があるが、軽い被処理布ではバタツキを
防ぐため風速を毎秒２０メ一トル程度にすることもある
。

本考案を実施するに当たり重要なのは、被処理布の最終
乾燥ではタテに張力を与えたり、回転体に密着押圧した
すせず、リラックスさせて搬送させる点にあり、その目
的のために、公知の乾燥機では、ショーＩ・ループコン
ベヤー又はネットコンベヤーをもつ乾燥機に被処理布を
たるませて供給搬送するが、吸引式ドラム乾燥機に被処
理布をたるませて供給搬送して処理するものである。

以上詳細に説明したように本考案は、ショートループコ
ンベヤーもしくはネットコンベヤーもしくは吸引式ドラ
ムの上に布をリラックスさせて搬送する間に、布に熱風
を作用させて乾燥する乾燥機において、該乾燥機の在入
口部の走行布の両面にエヤーノズルを対向配置し、該エ
ヤーノズルがら噴出する気流が傾倒したパイル等の立毛
部に対し、この立毛部の先端から基部に向かう方向に吹
き付けるべく噴出口を傾斜させたので、この噴出口から
噴出する気流によって基布に対して傾倒したパイル等の
立毛部が乾燥機の在入口部近傍で起立され、この状態で
乾燥機により乾燥されるのである。

従って、乾燥機内である程度乾燥され、傾倒した状態の
くせがついているパイル等の立毛部を起立させる場合に
比べ、パイル等の立毛部の起立が容易かつ確実に行なえ
、また従来の様な糸切れや機械の故障などを起こすこと
なく、パイルを均一に起こし、ふっくらとしてかさ高い
風合いの良好な製品が得られるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例の略本断面図、第２図は同要部
拡大断面図、第３図はエヤーノズルの他の例を示す部分
断面図である。 １・・・・・・被処理布、５・・・・・・エヤーノズル
、６・・・・・・乾燥機、８・・・・・・ショートルー
プコンベヤー、１２・・・・・・噴出口、イ・・・・・
・基布、口・・・・・・パイル。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. １．基布に対してパイルまたは毛羽よりなる立毛部が傾
   倒した布を処理する布類の風合い出し処理装置であり、
   搬送機構により布をリラックスさせて搬送する間に布に
   熱風を作用させて乾燥させる乾燥機と、この乾燥機内へ
   布を導く在入口部近傍において導入される布の両面側に
   対向設置され布に対し気流を噴出する一対のエヤーノズ
   ルとを有し、該エヤーノズルの噴出口が乾燥機内に導入
   される布において傾倒した立毛部の先端から基部に向か
   う方向に傾斜して設けられていることを特徴とする布類
   の風合い出し処理装置。 ２、立毛部の先端から基部に向がう方向に傾斜して設け
   られた前記噴出口の傾斜角度が乾燥機内に導入される布
   の基布に対して３０°ないし６０°であることを特徴と
   する実用新案登録請求の範囲第１項記載の布類の風合い
   出し処理装置。 ３、エヤーノズルの噴出口から噴出される気流の風速が
   毎秒３０ｍ以上であることを特徴とする実用新案登録請
   求の範囲第１項または第２項記載の布類の風合い出し処
   理装置。