JPH052030Y2

JPH052030Y2 -

Info

Publication number: JPH052030Y2
Application number: JP18374486U
Authority: JP
Priority date: 1986-12-01
Filing date: 1986-12-01
Publication date: 1993-01-19
Anticipated expiration: 2001-12-01
Also published as: JPS6389720U

Description

【考案の詳細な説明】（産業上の利用分野）この考案は、紙筒を利用して育苗した鉢体苗を
移植機の苗分離装置に供給する苗引出し供給装置
に係り、特に根絡み防止等のため紙筒の下面に下
紙を敷設して育苗した鉢体苗の苗引出し供給装置
に関する。

（従来の技術）従来から、紙又は紙のような薄膜からつくられ
た筒体の多数を集合貼着して形成した紙筒集合鉢
体を用いて作物を育苗し、鉢体苗をそのまま植付
ける紙筒による作物の育苗・移植が広く利用され
ている。

この育苗・移植にはペーパーポツトとして公知
の各種紙筒集合鉢体が用いられ、その育苗手段も
各種各様で、例えば根が下に向つて発育伸長する
直根性の植物を育苗する場合には、紙筒鉢体の底
から根が苗床中に侵入するとか、紙筒鉢体の底面
で隣接鉢体間で根が互に絡み合うとかの現象が生
じ、育苗後の苗とりに際し、根切りを必要とし、
また個々の鉢体苗への分離を困難にする不都合を
生ずるきらいがある。このため、育苗に当り、根
の伸長を妨げる適当な材質の下紙を苗床上に敷設
するとか、或はまた根の伸長を抑制する薬剤を含
ませた下紙を育苗箱或は苗床下に敷設するとかの
手段が講じられていた。

（考案が解決しようとする問題点）上記下紙を用いる育苗にあつては、育苗完了後
の鉢体苗を移植機の苗台に搬入する際、下紙を残
し鉢体苗のみを取り上げる必要があるが、下紙が
邪魔になり苗取りが円滑に行ない得ない不都合が
起こりがちで、これの解決策が望まれている。

（問題点を解決するための手段）この考案者は上記事情に鑑み、下紙を用いる育
苗・移植の利用性を高めるべき、鋭意研究した結
果、移植機の苗引出し部分の構造に簡単な改良を
施すことにより上記不都合を解決できたものであ
り、下紙を使用して育苗した紙筒鉢体苗を移植機
の苗分離装置に供給するための装置を、移植機の
機台上に載置した下紙を敷設しこの上に紙筒鉢体
苗を置く苗皿と前記苗皿底面の下紙を引出すため
に苗皿の前方下方に配した下紙引出し装置と前記
下紙引出し装置の下紙引出し線速度に等しい線速
度で回転する苗受けコンベヤの組合せで構成した
ことにより、苗取りに当り鉢体苗のみのとり上げ
を必要とし、下紙を鉢体苗の引出しの媒体として
合理的に苗を引出し、移植機の苗分離部に供給可
能としたものである。

（実施例）以下この考案を図面に示す実施例により作用と
共に説明する。図面はこの考案の一実施例を示し
これに限定するものではない。図において１は苗
受けコンベヤで図示しない移植機の後方に配置す
る。２は苗受けコンベヤ１のプーリ３と歯車４を
同軸固定する回転軸である。５は前記苗受けコン
ベヤ１の後方に設ける機台で、この機台５の上に
紙筒苗Ｐを収容する苗皿６を載置し、位置固定す
る。７は育苗時に紙筒鉢体の下面に敷設した下紙
で紙筒苗Ｐは、育苗完了後下紙と共に取り上げ苗
皿６に移されたものである。鉢は下紙引出し装置
で駆動ロール９とこれに圧接回転する従動ロール
１０から構成し、前記苗受けコンベヤ１と機台５
の間に在つて、苗皿６の前方でかつ下方位置とな
る。駆動ロール９と従動ロール１０は共に紙筒苗
Ｐを載せる下紙７を挟持して引出すに充分な引張
力を下紙７に付与するに必要な程度の弾性と摩擦
力を有する弾性体からできている。

１１は回転軸で前記駆動ロール９と歯車１２を
同軸固定する。１３は従同ロール１０を回転自在
とする軸である。１４はフリーローラで軸１５に
回転自在として遊嵌し下紙７を下紙引出し装置８
に案内する。１６は歯車で前記歯車４又は１２に
噛み合う（図では歯車１２と噛み合う）１７は歯
車１６の回転軸であり、例えば移植機の接地輪か
らチエーン、スプロケツトの組合せ等による伝導
機構によつて回転力を付与される。

上記において、歯車４と歯車１２は互に噛み合
つて設けてあり、歯車１２と歯車１６が噛み合う
から、歯車１６が矢印Ａに回転すると歯車１２は
矢印Ｂに、また歯車４は矢印Ｃに夫々回転する。
このことにより、フリーローラ１４によつて駆動
ローラ９と従動ローラ１０の圧接面に案内された
下紙７は矢印Ｄ方向に引出され、一方、苗受けコ
ンベヤ１が矢印Ｅ方向に移動し、この結果、下紙
７の引出しにより進行する紙筒苗群Ｐの方向と苗
受けコンベヤ１の上部進行方向が同じとなる。こ
のとき、歯車４と１２の歯数を等しくかつ、プー
リ３と駆動ロール９の径を等しくすると、下紙７
の引出し線速度と苗受けコンベヤ１の移動線速度
が同じとなり、両者の方向も同じであることと相
俟つて苗皿６からの紙筒苗Ｐの送出しと苗受けコ
ンベヤ１の紙筒苗Ｐの受け取りが全く支障なく行
なわれる。なお、苗受けコンベヤ１と下紙７の線
速度を等しくするには上記に限らず、歯車４，１
２及び１６の組合せ、プーリ３、駆動ロール９の
径等を適宜選定して行うこともでき、更に苗受け
コンベヤ１と駆動ロール９の駆動源を別個とし、
適宜変速機構等によつて調速してもよく、要は、
下紙７の引出し線速度と苗受けコンベヤ１の線速
度を等しくすればよい。第３図は、下紙７を用い
て育苗する一例で、苗皿６の底面に下紙７を敷設
しこの上に紙筒鉢体１８を展開載置し、土を詰
め、種を播き、覆土を施して後十分に灌水し所定
期間育苗すると、発芽成育して鉢体苗Ｐとなるの
でこれを苗皿６と一緒に移植機の機台５に載置す
る。また、育苗に当り苗皿６を用いないことも可
能でこの場合には下紙７を適当な苗床又は露地上
に敷設し、この上に前記と同要領で鉢体苗Ｐを育
成し育成後下紙７と一緒に鉢体苗Ｐをとり上げて
苗皿６に移し、これを機台５に載置するよう取扱
つてもよい。このような育苗を行う場合、機台５
に載置した紙筒苗群Ｐを載せた下紙を下紙引出し
装置８で引出すに当り、下紙７の先端を予め駆動
ロール９と従動ロール１０の圧接部に喰いこませ
るに必要な長さの下紙７を苗皿６の一側に残して
おくことが望ましい。

この考案は上記の如くで、下紙７の引出しによ
つて苗皿６に収納する紙筒苗群Ｐは一定の速さで
引出されて同じ速度で移動する苗受けコンベヤ１
に受け継がれて図示しない苗分離部に供給され、
個々の鉢体苗に分離されて地面に落下し植付けら
れる。

（効果）この考案によるときは、従来のように育苗後に
おいて下紙を処理する必要がないので、苗の取り
上げが簡便となり、苗皿から紙筒苗を苗受けコン
ベヤに移すに当つても簡単な構造を採用したので
作業が容易で、下紙を用いる紙筒による育苗移植
に応用してきわめて有益である。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の全体を説明する図面、第２
図は第１図の正面図、第３図は下紙を用いて育苗
する一例を説明する図面である。１……苗受けコンベヤ、５……機台、６……苗
皿、７……下紙、８……下紙引出し装置、９……
駆動ロール、１０……従動ロール。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

下紙を使用して育苗した紙筒鉢体苗を移植機の
苗分離装置に供給するための装置が、下紙を敷設
しこの上に紙筒鉢体苗を置く移植機の機台上に載
置した苗皿と前記苗皿底面の該下紙を引出すため
に苗皿の前方下方に配した下紙引出し装置と前記
下紙引出し装置の下紙引出し線速度に等しい線速
度で回転する苗受けコンベヤとからなることを特
徴とする紙筒苗の引出し供給装置。