JPH05203064A - 軸封装置 - Google Patents

軸封装置

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JPH05203064A
JPH05203064A JP4011050A JP1105092A JPH05203064A JP H05203064 A JPH05203064 A JP H05203064A JP 4011050 A JP4011050 A JP 4011050A JP 1105092 A JP1105092 A JP 1105092A JP H05203064 A JPH05203064 A JP H05203064A
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shaft
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、水力機械における回転軸の軸封装
置に係り、回転軸の軸振れや水圧による変形によって下
側シールリングと上側シールリングとの各シール面に傾
きを生じても、下側シールリングの外端部と上側シール
リングの外端部とが当らないようにランナ側の圧力水を
外部へ漏洩しないように軸封機能を保持し信頼性や安全
性の向上を図るものである。 【構成】 本発明は、回転軸1にフランジ2を設け、こ
のフランジ2に下側シールリング20を水平に設け、上
記回転軸1の外側にカバー9を備えたハウジング8を上
記フランジ2を囲むように設け、上記カバー9及び上記
回転軸1との間にシールケース10を嵌装し、このシー
ルケース10に上側シールリング23を上記下側シール
リング20へ当接して軸封するように設けられた軸封装
置において、この上側シールリング23の平面シール部
23aの外側に傾斜シール部23bを円弧状の曲面23
dで滑らかに連なるように形成したものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば、水車やポンプ
水車等の水力機械における回転軸(主軸ともいう)の軸
封装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、水車やポンプ水車等の水力機械
における回転軸(主軸ともいう)の軸封装置は、主軸に
直結されたランナ側の圧力水を外部へ漏洩しないように
上下一対のシールリングで軸封されている。
【0003】従来、この種の水力機械における回転軸の
軸封装置は、図11乃至図13に示されるように構成さ
れている(特開昭64−80773号)。
【0004】即ち、図11乃至図13図において、水車
やポンプ水車等の水力機械における回転軸1の一部に
は、フランジ2が設けられており、このフランジ2の上
面には、取付台板3が設けられている。又、この取付台
板3には、下側シールリング4が保持部材5と各取付ボ
ルト6によって固定されており、上記回転軸1の外側の
静止部材7には、ハウジング8が上記フランジ2を囲む
ように設けられている。さらに、上記ハウジング8の上
部には、輪板状のカバー9が取り外しできるようにして
設けられており、このカバー9及び上記回転軸1との間
には、シールケース10が各シール部材11を介して嵌
装されている。さらに又、上記シールケース10の下部
には、取付台板12が設けられており、この取付台板1
2には、上側シールリング13が保持部材14と各取付
ボルト15によって固定されている。又、上記カバー9
及び上記シールケース10との間には、コイルばね16
が上側シールリング13を下側シールリング4へ付勢し
ながら当接して軸封するように介装されている。
【0005】従って、上述した水力機械における回転軸
の軸封装置では、上記回転軸1が回転すると、これにに
直結されたランナ側の圧力水を外部へ漏洩しないように
上記下側シールリング4及び上側シールリング13で軸
封している。
【0006】特に、上記下側シールリング4及び上側シ
ールリング13は、例えば、セラミックスや焼成カーボ
ン等の超硬質材料が使用されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た水力機械における回転軸の軸封装置では、上記下側シ
ールリング4及び上側シールリング13は、セラミック
スや焼成カーボン等の超硬質材料が使用されている関係
上、これらの超硬質材料は炭化珪素(Sic)に代表さ
れるように非常に硬質であるけれども割れや欠け易い性
質があり、図12に示されるように、上記回転軸(主
軸)1の軸振れや水圧による変形によって、僅かでも上
記下側シールリング4と上側シールリング13との各シ
ール面4a、13aに傾きが生じると、図13(A)
(B)に示されるように、上記下側シールリング4の外
端部と上側シールリング13の外端部とが当るようにな
り、この各外端部同士が割れや欠け易くなり、ランナ側
の圧力水を外部へ漏洩して軸封機能を損ない、信頼性や
安全性に問題がある。
【0008】特に、上述した水力機械における回転軸の
軸封装置では、上記回転軸1が停止状態から定格運転に
至る過渡状態のとき、上記下側シールリング4の外端部
と上側シールリング13の外端部とが当るようになり、
この各外端部同志が割れや欠け易くなり、ランナ側の圧
力水を外部へ漏洩して軸封機能を損うおそれがある。
【0009】本発明は、上述した事情に鑑みてなされた
ものであって、回転軸(主軸)の軸振れや水圧による変
形によって、下側シールリングと上側シールリングとの
各シール面に僅かな傾きを生じても、下側シールリング
の外端部と上側シールリングの外端部とが衝突しないよ
うにし、この各外端部同士を常に円滑に当接して、ラン
ナ側の圧力水を外部へ漏洩しないように軸封機能を保持
して信頼性や安全性の向上を図るようにした軸封装置を
提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、回転軸にフラ
ンジを設け、このフランジに下側シールリングを水平に
設け、上記回転軸の外側にカバーを備えたハウジングを
上記フランジを囲むように設け、上記カバー及び上記回
転軸との間にシールケースを嵌装し、このシールケース
に上側シールリングを上記下側シールリングへ当接して
軸封するように設けられた軸封装置において、この上側
シールリングの平面シール部の外側に傾斜シール部を円
弧状の曲面で滑らかに連なるように形成したものであ
る。
【0011】
【作用】本発明は、上記回転軸を回転して、この回転軸
の軸振れや水圧による変形によって、下側シールリング
と上側シールリングとの各シール面に僅かな傾きを生じ
ても下側シールリングの外端部と上側シールリングの外
端部とが衝突しないようにし、この各外端部同士を常に
円滑に当接して、ランナ側の圧力水を外部へ漏洩しない
ように軸封機能を保持し信頼性や安全性の向上を図るよ
うにしたものである。
【0012】
【実施例】以下、本発明を図示のー実施例について説明
する。
【0013】なお、本発明は、上述した具体例と同一構
成部材には、同じ符号を付して説明する。
【0014】図1乃至図3において、符号1は、水車や
ポンプ水車等の水力機械における回転軸であって、この
回転軸1の一部には、フランジ2が設けられており、こ
のフランジ2の上面には、下側シールリング20が保持
部材21と各取付ボルト22によって固定されており、
この下側シールリング20のシール面20aは水平に形
成されている。又、上記回転軸1の外側の静止部材7に
は、ハウジング8が上記フランジ2を囲むように設けら
れており、上記ハウジング8の上部には、輪板状のカバ
ー9が取り外しできるように設けられている。さらに、
このカバー9及び上記回転軸1との間には、シールケー
ス10が各シール部材11を介して嵌装されており、上
記シールケース10の下部には、上側シールリング23
が保持部材24と各取付ボルト25によって固定されて
いる。さらに又、上記カバー9及び上記シールケース1
0との間には、コイルばね26が上側シールリング23
を下側シールリング20へ付勢しながら当接して軸封す
るように介装されている。
【0015】特に、図2に拡大して示されるように、上
記上側シールリング23の下部中程は扁平なシール面2
3aを形成しており、このシール面23aの両側に位置
する上側シールリング23の外側と内側には、各傾斜シ
ール部23b、23cが円弧状の曲面23d、23eで
滑らかに連なるように形成されている。
【0016】なお、図2に拡大して示されるように、上
記各傾斜シール部23b、23cは極僅かな傾斜角α、
βを形成しており、円弧状の曲面23d、23eは曲率
半径Rの大きさで滑らかに連なるように形成されてい
る。又、上記各傾斜シール部23b、23cの端部はイ
ッジにならないように丸味を付けている。さらに、上記
各傾斜角α、βは、図3に示されるように、上記ハウジ
ング8を含む上記静止部材7全体が運転中の水圧によっ
て外側へ変形する傾斜角γと図12に示されるように、
回転軸1の軸振れによって生じるフランジ2の傾斜角δ
との組合わせによって決められる。
【0017】即ち、これを数式で表すと、下記のように
なる。
【0018】各傾斜角α、βの範囲は、それぞれ (γ−δ)〜α(γ+δ) (−γ−δ)〜β(−γ+δ) となる。
【0019】なお、一般的には、上記静止部材7全体が
運転中の水圧によって外側へ変形する傾斜角γが支配的
であり、回転軸1の軸振れによって生じるフランジ2の
傾斜角δは非常に小さい値であるため無視される。
【0020】従って、上記各傾斜角α、βは、α=γ
β=−γ となる。
【0021】この場合、上記傾斜シール部23cは負
(−)の値となるため、上記傾斜シール部23bが有効
に作動すれば、上記傾斜シール部23cは不要になる。
よって、通常は上記傾斜シール部23bのみに設ければ
良いことになる。
【0022】但し、特殊なケースとして軸振れによる傾
斜角δが大きくなるときもあるため、上記傾斜シール部
23cは必要になる。
【0023】以下、本発明の作用について説明する。
【0024】従って、今、上記回転軸1を回転して、こ
の回転軸1の軸振れや水圧による変形によって、下側シ
ールリング20と上側シールリング23との各シール面
に僅かな傾きを生じても、図3に示されるように、上記
下側シールリング20の外端部と上側シールリング23
の外端部の上記傾斜シール部23bとが面接触して、こ
の各外端部同士を常に円滑に当接して、ランナ側の圧力
水を外部へ漏洩しないように軸封機能を保持し、信頼性
や安全性の向上を図っている。
【0025】次に、図4に示される本発明の他の実施例
は、上記下側シールリング20の幅Bを上側シールリン
グ23の幅bよりも大きく形成したものであって、これ
によって、上記回転軸1の軸振れによる軸直角方向のず
れを吸収することができると共に、上記上側シールリン
グ23が上記下側シールリング20のシール幅B内でシ
ールすることによってシール面積を有効に確保すること
ができるから、軸封効率を向上することができる。
【0026】又一方、図5乃至図8(A)(B)に示さ
れる本発明の他の実施例は、周辺機器の設置状態や組立
て調整及び保守点検の作業を円滑にするために、下側シ
ールリング27及び上側シールリング28を半径方向に
分割して各円弧シール部材27a、28aを形成し、図
7に示されるように、この各円弧シール部材27a、2
8aの端部に各削ぎ面27b、28bを僅かな削ぎ深さ
Δにして形成したものである。
【0027】なお、この各削ぎ面27b、28bの削ぎ
深さΔは上側シールリング28の厚さ対するする最大設
計誤差とする。この上側シールリング28の厚さには、
制作誤差があるため、各円弧シール部材27a、28a
の各接合面cで段差が生じても、静止部材7と回転軸1
の下側シールリング27及び上側シールリング28の摺
動面dで上記各接合面cの段差が削ぎ深さΔによって衝
突しないようにしている。
【0028】特に、図8(A)(B)に示されるよう
に、上記下側シールリング27は半径方向に6分割して
各円弧シール部材27aを形成したものであり、上側シ
ールリング28は半径方向に8分割して各円弧シール部
材28aを形成したものである。これによって、図5乃
至図8(A)(B)に示される本発明の他の実施例は、
分割数を変えることによって接合面cの位置が移動し、
下側シールリング27及び上側シールリング28の摺動
面dで当る箇所が低減される。
【0029】最後に、図9(A)(B)に示される本発
明の他の実施例は、等数分割にして不規則な長さの各円
弧シール部材27a、27b、27c、…28a、28
b、28c…に形成したものである。
【0030】従って、図9(A)(B)に示される本発
明の他の実施例は、図10に示されるように、上記各円
弧シール部材27aに対して円弧シール部材28aで跨
がるようになるから、下側シールリング27及び上側シ
ールリング28の摺動面dで当る箇所が低減される。
【0031】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、回転
軸にフランジを設け、このフランジに下側シールリング
を水平に設け、上記回転軸の外側にカバーを備えたハウ
ジングを上記フランジを囲むように設け、上記カバー及
び上記回転軸との間にシールケースを嵌装し、このシー
ルケースに上側シールリングを上記下側シールリングへ
当接して軸封するように設けられた軸封装置において、
この上側シールリングの平面シール部の外側に傾斜シー
ル部を円弧状の曲面で滑らかに連なるように形成してあ
るので、回転軸の軸振れや水圧による変形によって下側
シールリングと上側シールリングとの各シール面に僅か
な傾きを生じても下側シールリングの外端部と上側シー
ルリングの外端部とが当らないばかりでなく、各外端部
同士を常に円滑に当接してランナ側の圧力水を外部へ漏
洩しないように軸封機能を保持できると共に信頼性や安
全性の向上を図ることができる等の優れた効果を有す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の軸封装置の要部を示す断面図。
【図2】本発明の軸封装置の主要部を取出して示す断面
図。
【図3】本発明の作用を説明するための図。
【図4】本発明の他の実施例を示す図。
【図5】本発明の他の実施例を示す断面図。
【図6】同上斜視図。
【図7】本発明の他の実施例の主要部を取出して示す拡
大図。
【図8】本発明の他の実施例を示す図。
【図9】本発明の他の実施例を示す図。
【図10】本発明の他の実施例の作用を説明するための
図。
【図11】従来の軸封装置の要部を示す断面図。
【図12】従来の軸封装置の作用を説明するための図。
【図13】従来の軸封装置の作用を説明するための図。
【符号の説明】
1 回転軸 2 フランジ 8 ハウジング 9 カバー 10 シールケース 20 下側シールリング 23 上側シールリング 23a 平面シール部 23b 傾斜シール部 23d 曲面

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】回転軸に設けられたフランジと、このフラ
    ンジに水平に設けられた下側シールリングと、上記回転
    軸の外側に上記フランジを囲むように設けられたカバー
    を備えたハウジングと、上記カバー及び上記回転軸との
    間に嵌装されたシールケースと、このシールケースに上
    記下側シールリングへ当接して軸封するように設けられ
    た上側シールリングを備えた軸封装置において、この上
    側シールリングの平面シール部の外側に円弧状の曲面で
    滑らかに連なるように形成された傾斜シール部とを具備
    したことを特徴とする軸封装置。
  2. 【請求項2】下側シールリング及び上側シールリングを
    半径方向に分割して各円弧シール部材を形成し、この各
    円弧シール部材の各端部に僅かな削ぎ面を形成したこと
    を特徴とする請求項1記載の軸封装置。
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