JPH05202899A - 非妨害ポンプ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 長い繊維のような汚染物質を含む液体を汲み
出すために使用するポンプであって、そのような物質に
よる流れの妨害がなく、流量調整可能なポンプを低コス
トで提供すること。 【構成】 このポンプインペラの円錐形ハブ（１）には
軸（６）の周りに回転可能な羽根（２）が多数取付けら
れていて、その回転軸（６）がこの羽根（２）の中心に
あり、羽根を回転したときの並進運動が最少になる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【技術分野】この発明は、ポンプハウジングの中で回転
するインペラを含む回転動力学型のポンプに関する。

【０００２】

【従来技術】この種のポンプは大まかに遠心ポンプと軸
流ポンプに分けることができる。遠心ポンプは、ハブと
多数の羽根を備える少くとも一つのカバーディスクから
成るインペラ、所謂オープンインペラを含む。所謂クロ
ーズインペラは中間羽根をもつ二つのカバーディスクを
備える。液体は、両方の場合とも軸方向にこのインペラ
の中心に吸い込まれ、このインペラをその外周から本質
的に接線方向に離れる。

【０００３】軸流ポンプは、羽根とハウジングの間にス
ロットをもつオープン型の一つで、液体が本質的に軸方
向にこのポンプを通る点で遠心ポンプとは異なる。この
インペラの後に得られる接線方向に向いた速度ベクトル
は、このインペラの下流のハウジングの中の案内羽根の
数で減少する。上記案内羽根は通常このハウジング構造
の支持要素としても作用する。

【０００４】廃水および長い繊維を含むある種の工業処
理水を汲み揚げるとき、ぼろ、繊維等がこのインペラの
羽根の前縁並びにこのポンプハウジングの中の案内羽根
にくっついてこの作業を妨害することがある。この集積
がこのポンプの効率を劇的に減じ得る。その結果、通常
流量が減少し動力要求が増加する。これらの物体を羽根
から離す一つの方法は、このインペラをある間隔で逆転
することであるが、これは勿論推奨できる解決ではな
い。この妨害の危険を減少する他の方法は、汚染物質を
インペラに吸い込まれる前に粉砕する切断手段をポンプ
に設けることでもよい。この種の装置は、スエーデン特
許第８２０５７７４−６号に示されている。しかし欠点
は、この切断手段がすぐ摩耗してこの妨害問題が一層悪
くなることさえあることである。

【０００５】前縁が流れ方向に後退した羽根を設計し、
それによってこれらの汚染物質がより容易に滑り落ちる
ようにすることも知られている。一つの例がヨーロッパ
特許公報第２３７９２１号に示されている。しかし、こ
のインペラはキャビテーション能力を低下する設計であ
る。

【０００６】今日市場のプロペラポンプは、回転軸の方
向に主として垂直な軸の周りに回転可能な羽根を備えた
球形のハブで設計されている。これらの羽根を制御する
ことが可能であることは、一つの同じポンプで広範囲の
流量をカバーすることを意味する。この球形は、このハ
ブの方向に同じスロットを保ちながら羽根を異なる角度
に回転でき、それによってこのスロットでの損失を最少
にすることも意味する。

【０００７】軸流ポンプを設計するとき、高比回転速度
を維持すること、即ち与えられた速度で最大流量を得る
べきことをしばしば望まれる。これは、入口面積、即ち
このハブとハウジングの壁との間の面積を最大にすべき
ことを意味する。キャビテーション問題のためにこのハ
ウジングの外径は制限されるので、このハブの直径を減
ずることだけが残されている。

【０００８】球形のハブは、この半径を縮めるときこの
ハブと羽根との間の接合部の可能な幾何学的長さも縮ま
るので、常に流れ技術の問題を意味する。もし、満足で
きる効率を得るべきなら、上記接合部長さはある値以下
であってはならず、これは二つの目標、即ちそれぞれ大
流量と高効率の間の妥協がなくてはならないことを意味
する。

【０００９】羽根が調整できなければならないポンプイ
ンペラに対しては、この羽根を調整するときに回転する
軸の周りに羽根全体を集め維持することが望まれる。そ
うすれば回転中の軸方向並進運動は最小で、全ての断面
形状（翼弦）に対して流量効率のよい角度変化が得られ
る。もし、比回転速度が比較的高い従来のプロペラポン
プに対して、この羽根を形成する断面形状に前縁が自浄
式になるように後退角を与えたら、この角度を保つ限り
このポンプの性能は殆んど変らないだろう。しかし、こ
のハブと羽根との間の接合線が短いことは、後縁も強い
後退角をもつであろうことを意味し、それでこれは最適
の回転軸がないことを意味する。それで、後退インペラ
は、角度を変えた後は非後退インペラより効率が悪いだ
ろう。これは、もし球形のハブを使うなら最適性能をも
つ回転可能な後退羽根を設計することは不可能であるこ
とを意味する。

【００１０】回転軸の周りに十分に集められそして同時
に後退角をもった羽根を得るために、翼弦長をこの羽根
の外周の方向に短かくし、それによって前縁の後退を制
限することが知られている。しかし、これはキャビテー
ション能力が低下することを意味する。

【００１１】ハブと羽根を一体に成形することによって
球形ハブを避けることができよう。しかし、これは柔軟
性が同じではなく、従って高価である。

【００１２】

【発明の目的】この発明の目的は、流量能力、柔軟性お
よび競合可能なコストに関する強い要求を満すプロペラ
ポンプを得ることであって、それは特許請求の範囲に記
載した装置によって達成される。

【００１３】

【実施例】以下にこの発明を添付の図面を参照して更に
詳しく説明する。図面で１および１′はインペラハブ、
２および２′はそれぞれ前縁３および３′並びに後縁４
および４′を有するインペラ羽根を表わす。５，５′は
このハブと羽根の間の接合部を表わし、６，６′はこの
羽根の回転軸の位置を表わす。

【００１４】図１に同じ入口面積を有するポンプ用の従
来のインペラ羽根（点線）とこの発明による羽根（実
線）の比較を示す。それぞれ３および３′で示す前縁は
殆んど同様に設計されているが、後縁４および４′は、
この発明による円錐形ハブによって可能である異った設
計になっている。

【００１５】この比較で分かるように、この発明によれ
ばこのように後縁が同じ程度には後退していないので、
羽根接合部方向にかなり広い羽根面積が得られる。これ
は、角度調整でこの羽根を回転する軸６がこの羽根の中
心位置を占め、それで角度を変えてもよい流れ状態を保
つことを意味する。他方、従来の羽根では、この回転軸
６′が中心にはなく、それは角度を変えるとすぐ能力が
低下することを意味する。

【００１６】この羽根とハブ１の間の接合面５が従来の
羽根の対応する面５′より長くかつ又回転軸６に対して
６′に対するよりもより垂直であるという事実がこの発
明による新規な羽根の能力をよりよくする。

【００１７】好ましい実施例による特定のポンプインペ
ラをここに説明する。あるポンプインペラの羽根の先端
は直径５７０ｍｍの円を描く。これらの羽根は円錐角２
０゜でハブに取付けられている。この羽根の外周に沿う
ＡからＢまでの長さは３００ｍｍで、この羽根とハブの
間の根元接合部５の長さは２５０ｍｍである。この羽根
の最大厚さは、この根元での４０ｍｍから先端での１０
ｍｍまで変動する。この羽根の回転軸６の方向はこのイ
ンペラ軸７に垂直である。この回転軸６はできるだけ中
央の位置を与えられていて、それはここでは、この軸と
外周での後縁、即ち点Ａとの間の距離はこの軸と前縁の
点Ｂの間の距離より１１％長いだけであるが、この軸と
根元での後縁との間の距離はこの軸と前縁の間の距離よ
り２０％短いことを意味する。この重心Ｃで、この軸と
二つの縁の間の距離は等しい。

【図面の簡単な説明】

【図１】既知の技術とこの発明によるインペラ羽根の比
較を軸方向と半径方向の断面で示す。

【図２】この発明によるインペラ羽根を軸方向と半径方
向の断面で示す。

【図３】この発明によるインペラを透視図で示す。

【符号の説明】

１ ハブ ２ 羽根 ３ 前縁 ４ 後縁 ６ 回転軸

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ハブ（１）とこのハブに取付けられ、流
   れ方向に後退した前縁（３）を有する多数の回転可能羽
   根（２）とを含むプロペラポンプインペラに於いて、こ
   のハブ（１）の断面がこの流れ方向に円錐状に増加する
   こと、およびこれらの羽根（２）はそれらの断面形状、
   つまり翼弦が一定であるかまたは外周方向に長さが増加
   するように設計され、これらの羽根の回転軸（６）が各
   断面の中心近くに配置されていて、それがこの羽根
   （２）をその軸（６）の周りに回転するときこれらの部
   品の並進運動が最少になるようにこの回転軸（６）と前
   縁（３）および後縁（４）との間のそれぞれの距離が最
   小になることを意味することを特徴とするインペラ。