JPH0520281Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、電気掃除機に使用する集塵用のパツ
クフイルタに関する。

〔従来の技術〕

最近の電気掃除機においては、使い捨てという
簡便性と、廃棄のときに微細塵を出さずに衛生的
であるといつた利点から、その殆どが使捨ての集
塵用紙パツクを用いている。

すなわち、この種電気掃除機の一例を第５図を
参照して説明すると、電気掃除機本体１内には、
紙パツクフイルタ２を収納するパツクボツクス３
と、紙パツクフイルタ２を着脱自在に取付ける取
付板４と、ごみの吸引用モータ５とが内蔵されて
おり、該吸引用モータ５により集塵用吸込ホース
６から吸引されたゴミは、紙パツクフイルタ２内
に貯留されるように構成されている。

ここで、上記の紙パツクフイルタ２は、第６図
に示すように、長方形状の台紙７と、偏平状態に
折畳自在な紙袋８とから構成されており、台紙７
の中央には、集塵用吸込ホース６の基端部が挿入
される大きさの吸込口９が形成されている。

また、紙袋８の前面中央には、上記の吸込口９
と同一径の穴８ａが形成されていると共に、この
穴８ａと台紙７の吸込口９とを一致させて、吸込
口９の外周の一点鎖線で示す範囲に糊付けされて
いる。そして、第７図に示すように、電気掃除機
本体１内に装着した取付板４の中央には、その自
由端に向かつて前記吸込口９の直径より幅広な長
穴１０が形成されている。

そこで、前記取付板４に紙パツクフイルタ２を
取付けるには、取付板４の自由端から該取付板４
の両側部が台紙７と紙袋８との間を通るように挿
入して固定する。

そして、吸引用モータ５により集塵用吸込ホー
ス６で吸引された塵やだに等は、紙パツクフイル
タ２内に吸引され、空気のみが濾過されて後方に
排出されることにより、塵やだに等が紙パツクフ
イルタ２に貯留される。紙パツクフイルタ２がご
みで満杯に成つた時には、取付板４から取り出し
て捨てるのである。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかし、従来の紙パツクフイルタ２、特に台紙
７は電気掃除機を生産している各電機メーカによ
つて夫々異なる規格で製作されているために、そ
の吸込口９の大きさ及びその中心位置が夫々異な
つている。すなわち、例えばＡ社製のものでは吸
込口９の大きさは36mmであるのに対し、Ｂ社製の
ものでは50〜52mmに夫々設定されており、更にこ
の吸込口９の中心位置も、Ｂ社製のものはＡ社製
のものよりもやゝ上方にある。

また、台紙７の大きさ（平面積）も、Ｂ社製の
ものでは他のメーカより可成り大きく形成されて
いるとゝもに、台紙７には各メーカよつて台紙７
の逆入れ防止用凹部や、位置決め用のスリツト、
ピン穴、アラームセンサ用穴等が夫々異なつた位
置に形成されている。

以上のように、取付板４の構造や吸込口９の大
きさ及びその中心位置が夫々異なつているので、
各電機メーカ相互に互換性がなく、その特約店に
行かなくては手に入れることが出来ないといつた
諸問題点があつた。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は、上記のような従来の諸問題点を解決
するために成されたもので、各メーカの電気掃除
機に一種類の紙パツクフイルタで共用できるとゝ
もに、何れの機種に使用した場合でも吸引漏れを
無くして、塵やだになどを確実に紙パツクフイル
タ内に貯留できるものを提供することを目的とし
たものであり、その要旨は、電気掃除機の取付部
に着脱自在な長方形状の台紙と、該台紙に接着さ
れた袋とから構成され、台紙の中央には集塵用吸
込ホースが挿入される小径吸込口と、該小径吸込
口の外周に連設した切取り可能なリング部の切除
により形成される前記小径吸込口の中心と遍心し
た大径吸込口とを夫々形成するとゝもに、前記台
紙と紙袋との間に前記小径吸込口の径より小径で
且つ同心円上のシール用孔を有するシール材を嵌
着し、更に前記台紙には上縁から所定の幅をとつ
て切取り用のミシン目を形成したことを特徴とす
る電気掃除機の集塵用紙パツクにある。

〔実施例〕

以下、本考案を第１図乃至第４図に示す実施例
により詳細に説明する。なお、第１図は本考案に
係る電気掃除機用パツクフイルタの正面図で、第
２図は同フイルタの縦断面図、第３図は同フイル
タの要部の拡大断面図、第４図は同フイルタの横
断面図を示す。

図面において、１は集塵用の紙パツクフイルタ
で、長方形状の台紙２と、偏平状に折畳み自在で
雑菌およびかびの繁殖を抑える機能を有する抗菌
性の紙袋３とから構成されている。

４は台紙２の中央に形成した円形状の小径吸込
口で、集塵用吸込ホースの基端部が挿入される大
きさであり、各電機メーカの電気掃除機中、最小
の直径であるＡ社製の集塵用吸込ホースの直径36
mmに合わせて直径40mmに設定してある。

５は前記小径吸込口４の外周に形成した大径吸
込口で、Ａ社製以外の各電機メーカの集塵用吸込
ホースの直径50〜52mmにも適用できるようにする
ためのものであり、直径52mmの円周上に形成した
切込み５ａと接続部５ｂ及び放射状の切込み５ｃ
とから構成されたリング部５ｅを、前記切込みで
切取ることにより形成できるように構成されてい
る。そして、前記大径吸込口５の中心Ｂは前記小
径吸込口４の中心Ａより上方向に１mmずれてお
り、このセンターのずれにより、前記二社におけ
る電気掃除機本体の集塵用吸込ホースの位置に合
致させることが出来る。

６は前記台紙２の上縁２ａから所定の幅をとつ
て、該上縁２ａと平行に形成した切取り可能なミ
シン目で、このミシン目６により下部の台紙本体
２Ａと上部の切取部２Ｂとに区分されている。

７は台紙本体２Ａの下縁２ｂ中央部に形成した
逆入れ防止用凹部で、台紙２を逆方向に挿入する
のを防止するためのものであり、前記台紙本体２
Ａの右縁近傍には、小径吸込口４の直径線上に台
紙２の位置決め用穴８を、台紙本体２Ａの左縁に
は水平方向に台紙２の位置決め用スリツト９が
夫々形成されている。また、前記切取部２Ｂには
ミシン目６に接してアラームセンサ用穴１０が開
口されている。

１１は防虫、防菌処理を施した内袋で、この内
袋１１と、特殊繊維を配合した外袋１２とで前記
紙袋３を構成している。また外袋１２は高密度層
１２Ａと低密度層１２Ｂとの２層で形成されてお
り、前記内袋１１の１層とで３層構造をなしてい
て内袋１１で粗いゴミをとり、外袋１２で細かい
ゴミをキヤツチする。

１３は前記吸込口４より小径で且つ吸込口４の
中心Ａと同心円のシール用穴で、前記台紙２と紙
袋３との間に介在させたシール材１３ａに形成さ
れており、該シール用穴１３の周辺には、台紙２
のリング部５ｅに形成された前記放射状の切込み
５ｃと連続する位置に切込み１３ｂが形成されて
いる。

そこで、前述したように、電気掃除機の取付板
に紙パツクフイルタ２を取付けるのであるが、こ
れをＢ社製の取付板に装着する場合には、台紙本
体２Ａと切取部２Ｂとは連接状態のままで、小径
吸込口４の外周からリング部５ｅを切込み５ａ、
接続部５ｂ、放射状の切込み５ｃに沿つて切取つ
て大径吸込口５を形成し、直径52mmの吸込口とし
て台紙２を取付板に装着する。この場合、逆入れ
防止用凹部７によつて台紙２の逆挿入を防止して
いる。この場合において、大径吸込口５の下面に
はシール用穴１３を有するシール材１３ａがある
ため、このシール材１３ａが挿入した集塵用吸込
ホースの外周に密着する。従つて、台紙２の大径
吸込口５との隙間はこのシール材１３ａによつて
シールされ、ごみの逆流漏れが防止されるとゝも
に、位置決め用スリツト９が取付板の線状凸部に
嵌合し、アラームセンサ用穴１０を通過する光に
よつて紙袋３が満杯になつたことを警告する。

また、Ａ社製の取付板に紙パツクフイルタ２を
装着する場合には、ミシン目６により台紙本体２
Ａから切取部２Ｂを切り取るが、小径吸込口４の
ままで直径40mmの状態で取付板に台紙２を装着す
る。この際、位置決め用穴８は取付板から突出す
る突起に嵌合するとゝもに、集塵用吸込ホースと
台紙２の小径吸込口４との隙間は、シール用穴１
３の周縁部が密着して、ごみの逆流漏れを防止し
ている。

さらにまた、Ａ社及びＢ社以外の電気掃除機に
紙パツクフイルタ２を装着する場合には、ミシン
目６により台紙本体２Ａから切取部２Ｂを切り取
ると共に、大径吸込口５として使用する。

〔考案の効果〕

本考案に係る電気掃除機の集塵用紙パツクは、
上記のように、電気掃除機の取付部に着脱自在な
長方形状の台紙と、該台紙に接着された袋とから
構成され、台紙の中央には集塵用吸込ホースが挿
入される小径吸込口と、該小径吸込口の外周に連
設した切取り可能なリング部の切除により形成さ
れる前記小径吸込口の中心と遍心した大径吸込口
とを夫々形成するとゝもに、前記台紙と袋との間
に前記小径吸込口の径より小径で且つ同心円上の
シール用孔を有するシール材を装着し、更に前記
台紙には上縁から所定の幅をとつて切取り用のミ
シン目を形成した構成であるから、ミシン目によ
り台紙の平面積を変更し、また小径吸込口を除去
することにより吸込口の直径を大きくすることが
できるので、一種類のパツクフイルタにより各メ
ーカの電気掃除機に互換性を持たせることができ
るとゝもに、吸込口でのシール性が良好であるた
め、ごみやだに等の逆流漏れを確実に防止するこ
とが出来るといつた諸効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る電気掃除機のパツクフイ
ルタの斜視図、第２図は同フイルタの縦断面図、
第３図は同フイルタの要部の拡大断面図、第４図
は同フイルタの横断面図、第５図は紙パツクフイ
ルタを用いた電気掃除機の概略構成図、第６図は
従来の紙パツクフイルタの斜視図、第７図は同フ
イルタの装着状態を示す斜視図である。 １……紙パツクフイルタ、２……台紙、３……
紙袋、４……小径吸込口、５……大径吸込口、５
ａ……切込み、５ｅ……リング部、６……ミシン
目、７……逆入れ防止用凹部、８……位置決め用
の穴、９……位置決め用スリツト、１０……アラ
ームセンサ用穴、１３……シール穴、１３ａ……
シール材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 電気掃除機の取付部に着脱自在な長方形状の台
   紙と、該台紙に接着された袋とから構成され、台
   紙の中央には集塵用吸込ホースが挿入される小径
   吸込口と、該小径吸込口の外周に連設した切取り
   可能なリング部の切除により形成される前記小径
   吸込口の中心と偏心した大径吸込口とを夫々形成
   するとゝもに、前記台紙と紙袋との間に前記小径
   吸込口の径より小径で且つ同心円上のシール用孔
   を有するシール材を装着し、更に前記台紙には上
   縁から所定の幅をとつて切取り用のミシン目を形
   成したことを特徴とする電気掃除機の集塵用紙パ
   ツク。