JPH0520249Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案は、ジユーサーやミキサー等に備えら
れた飲料容器のコツク構造に関するものである。

従来の技術及びその問題点 飲料容器にコツクを備えるジユーサーやミキサ
ー等は従来から多数あるが、これらに用いられて
いるコツクは構造が複雑で部品点数も多く、しか
も、一般には分解できないような構造となつてい
る。従つて、組立られた状態で洗浄を行うことと
なるため、洗浄性が極めて劣るという問題点があ
つた。

考案の目的 この考案は上記の問題点に鑑みてなされたもの
であり、構造が単純で容易に分解することがで
き、洗浄性の高い飲料容器用コツク構造を提供す
ることを目的とする。

問題点を解決するための手段 この考案は上記の目的を達成させるため、飲料
容器の下端部に設けられて前記飲料容器内の飲料
を下方に向けて流出させる流出管と、前記流出管
の外部側開口の外周に螺着される有底円筒状のキ
ヤツプとを備える飲料容器用コツク構造であつ
て、 前記キヤツプの底壁に、前記外部側開口の下端
面に密着して該開口を閉塞し得るシール部を設
け、 前記底壁の下面に、尖端が下方へ向けられると
ともに前記流出管の外部側開口の下方に位置する
円錐部を形成し、 この円錐部と底壁下面との境界部に沿うととも
に、前記外部側開口の内径より外周側に、前記外
部側開口の下端と前記シール部とが離反した際に
前記流出管内と外部とを連通させる注ぎ口を穿設
したことを特徴とする。

作 用 この考案に係る飲料容器用コツク構造は上記の
ような構成としたため、容器内の飲料を貯蔵して
おく際には、流出管の外部側開口に螺着されたキ
ヤツプを締め付ける方向へ回転させる。これによ
つてキヤツプ底壁のシール部が外部側開口の下端
面に密着してこれを閉塞する。飲料を注ぐ際に
は、キヤツプを緩める方向へ回転させる。これに
よつてシール部が外部側開口の下端面から離反
し、流出管内と外部とが注ぎ口を介して連通し、
この注ぎ口から飲料が流出し、この流出した飲料
がさらに円錐部の外面に沿いながら円錐部の尖端
部に集まつて下方へ流出する。

実施例 以下、この考案の実施例を図面に基づいて説明
する。

最初に、この考案の飲料容器用コツク構造が適
用されたジユーサーの構成を第３図に基づいて説
明する。

図示されるように、このジユーサーは、モータ
１０を内蔵するモータべース２０と、このモータ
べース２０上に載置された有底筒状の上部ケース
（飲料容器）３０と、この上部ケース２０内に回
転自在に支持された遠心分離カゴ４０と、上部ケ
ース２０の上方開口を覆う蓋体５０とから構成さ
れている。

モータべース２０は、上部ケーシング２１と下
部ケーシング２２とから構成され、下部ケーシン
グ２２にはモータ１０を固定するための支持板２
２ａが設けられている。

モータ１０の出力軸１１は、上部ケーシング２
１の上部開口２１ａを通して上部ケース３０内に
侵入しており、その先端部には遠心分離カゴ４０
が一体回転するよう支持されている。

一方、上部ケース３０には、上部ケーシング２
１の上部開口２１ａに連通して出力軸１１ａを貫
通させる円筒部３１が形成されている。また、周
壁３２の下端部にはケース内の飲料を下方へ向け
て外部へ流出させる流出管３３が一体に形成され
ており、その先端部にキヤツプ６０が螺着されて
いる。

蓋体５０には、上下に開口する筒状の投入口５
１と、遠心分離カゴ４０の上部周縁に近接する折
返し部５２とが形成されている。また、投入口５
１には、ピストン５３が上側から挿入されてい
る。

このような構成とされたジユーサーを使用する
際には、モータ１０の電源を入れて遠心分離カゴ
４０を出力軸１１と一体に回転させ、投入口５１
から材料を入れてピストン５３で下方に押圧す
る。材料は回転するカツター４１に押し付けられ
て細かく粉砕され、外周方向へ飛ばされる。飛ば
された材料は遠心力によつて圧縮されることによ
り、ジユース分のみが遠心分離カゴ４０の周壁に
形成された小孔４２，４２…を介して上部ケース
３０内へ流出し、ジユース分が絞り採られて軽く
なつたカスは遠心力によつて蓋体５０の折返し部
５２内へと飛ばされる。

次に、第１図、第２図および第４図に基づいて
上述した流出管３３とキヤツプ６０とから構成さ
れるコツク構造について詳述する。

流出管３３は、上部ケース３０から水平に延出
すると共に、外部側開口３３ａが下方へ開放する
ように中間部で直角に折曲されており、また、外
部側開口３３ａ側の外周にはネジ溝３３ｂが刻設
されている。

一方、キヤツプ６０は底壁６１と周壁６２とか
ら有底円筒状に形成されており、周壁６２の内面
には流出管３３のネジ溝３３ｂに螺合するネジ溝
６２ａ（第２図においては図示省略）が刻設され
ている。

また、底壁６１の上面６１ａは、キヤツプ６０
を締め付けた際に外部側開口３３ａの下端面３３
ｃに密着して開口を閉塞するシール部とされてい
る。なお、この例では上面６１ａをそのままシー
ル部としているが、この部位にゴムシート等のパ
ツキンを設けてもよいことは勿論である。

更に、キヤツプ６０には、キヤツプ６０を緩め
て下端面３３ｃと底壁６１の上面６１ａとが離反
した際に流出管３３内と外部とを連通させる複数
の注ぎ口６３，６３が穿設されている。

注ぎ口６３は、底壁６１と周壁６２とをそれぞ
れ部分的に切り欠いて形成されており、その内周
側は外部側開口３３ａの内径より外周側に位置
し、上側は底壁６１の上面６１ａより僅かに高
く、かつ、外周側は周壁６１を僅かに残す位置に
設定されている。

このような構成とすれば、上ケース３０内にジ
ユースが溜つていた場合であつても、キヤツプ６
０を締め付けて底壁６１の上面６１ａを外部側開
口３３ａの下端面３３ｃに当接させることによ
り、流出管３３からのジユースの流出を禁止する
ことができる。

キヤツプ６０の底壁６１の下面６１ｃには、尖
端が下方へ向けられるとともに、その尖端が開口
３３ａの下端面３３ｃより下方位置となる円錐部
６１ｂが形成されている。そして、円錐部６１ｂ
と下面６１ｃとの境界部に沿つて注ぎ口６３が設
けられた状態となつている。

上ケース３０内のジユースを外部へ流出させる
には、キヤツプ６０を螺合を緩める方向へ回転さ
せる。これによつて底壁６１の上面６１ａが外部
側開口３３ａの下端面３３ｃから離反し、流出管
３３の内部と外部とが注ぎ口６３を介して連通す
るため、ジユースはこの注ぎ口６３を通つて流出
する。

この流出したジユースは、さらに円錐部６１ｂ
の外面に沿つて流れて円錐部６１ｂの尖端部に集
まり、ここから下方へ流出することになる。従つ
て、例えば口の細いビン等へジユースを注ぐ場合
にもジユースが周囲へこぼれることがない。

なお、注ぎ口６３が複数箇所に設けられている
ため、これが単数の場合と比較するとそれぞれの
注ぎ口からの流出量は少なく、流出の勢いも弱
い。従つてジユースの飛び散りを抑制することが
でき、さらに、注ぎ口６３は周壁６２を残して形
成されているため、流出するジースは下方へ案内
するので、ジユースの側方への飛散を防止すると
もに、円錐部６１ｂの外面に沿つて強制的に流す
ことになり、口の細いビン等へジユースを確実に
注ぐことができることとなる。

洗浄を行う場合には、キヤツプ６０を回転させ
て流出管３３から分離させる。容易に分解するこ
とができるため、従来のように組立てた状態で洗
浄する必要がなく、細部に溜つたガス等も容易に
洗浄することができる。

第５図に示した例では、第４図の構成に加えて
キヤツプ６０の周壁６２に回動用のレバー６４を
取付けている。しかも、このレバーは、先端側が
キヤツプへの取付側より上方に位置するように取
付けられている。

このような構成とすれば、キヤツプ６０に直接
触れずにジユースを注ぐことができるため、手指
にジユースが付着することがなく、衛生的であ
る。加えて、キヤツプ６０を回動させる際の操作
性をも向上させる。なお、レバー６４は上向きに
取付けられているため、キヤツプ６０の螺合を緩
めた際にたとえネジ溝３３ｂ，６２ａを通つてジ
ユースがキヤツプ６０の上方に漏れたとしても、
ジユースがレバー６４を伝つて手指の側へ流れる
ことはない。

なお、上述した実施例では、この考案の飲料容
器用コツク構造をジユーサーに適用した例につい
てのみ述べたが、ミキサーのカツプや他の容器に
も適用できることは勿論である。

効 果 以上説明してきたように、この考案の飲料容器
用コツク構造によれば、構成部品点数が少ない上
にこれらの部品の分解を容易に行うことができる
ため、洗浄を容易に、しかも完全に行うことがで
きる。

また、キヤツプの底壁の下面に円錐部を形成し
たので、ジユースは円錐部の外面に沿いながら円
錐部の尖端に集まつて流出することになり、周囲
にこぼすことなく口の細いビン等へジユースを注
ぐことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案に係る飲料容器用コツク構造
の第１実施例を示す断面図、第２図は第１図に示
したキヤツプの破断斜視図、第３図は第１図のコ
ツク構造を適用したジユーサーの断面図、第４図
はキヤツプの断面図、第５図は他の実施例を示す
図である。 ３０……上部ケース（飲料容器）、３３……流
出管、３３ａ……外部側開口、６０……キヤツ
プ、６１……底壁、６１ａ……上面（シール部）、
６１ｂ……円錐部、６１ｃ……下面、６２……周
壁、６３……注ぎ口。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 飲料容器の下端部に設けられて前記飲料容器内
   の飲料を下方に向けて流出させる流出管と、前記
   流出管の外部側開口の外周に螺着される有底円筒
   状のキヤツプとを備える飲料容器用コツク構造で
   あつて、 前記キヤツプの底壁に、前記外部側開口の下端
   面に密着して該開口を閉塞し得るシール部を設
   け、 前記底壁の下面に、尖端が下方へ向けられると
   ともに前記流出管の外部側開口の下方に位置する
   円錐部を形成し、 この円錐部と底壁下面との境界部に沿うととも
   に、前記外部側開口の内径より外周側に、前記外
   部側開口の下端と前記シール部とが離反した際に
   前記流出管内と外部とを連通させる注ぎ口を穿設
   したことを特徴とする飲料容器用コツク構造。