JPH05201752A - 光照射を用いた陽極接合法及び装置及び製造物 - Google Patents

光照射を用いた陽極接合法及び装置及び製造物

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JPH05201752A
JPH05201752A JP28393892A JP28393892A JPH05201752A JP H05201752 A JPH05201752 A JP H05201752A JP 28393892 A JP28393892 A JP 28393892A JP 28393892 A JP28393892 A JP 28393892A JP H05201752 A JPH05201752 A JP H05201752A
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light
amorphous insulator
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 陽極接合による接着を、ガラスの軟化点より
も低い温度で可能とする。 【構成】 レーザー用電源1の出力をコントローラ3で
調整して炭酸ガスレーザー発振器5で赤外線レーザー光
の平行光Lpを発振し、Zn−Seレンズ6で拡散光Lpと
して、Si基板S上に重ねたガラス板Gに照射する。直
流電源9から電流計11を通して針状電極13よりガラ
ス板Gに負電圧を印加し、ヒータ付プラテン7を介して
Si基板Sに正電圧を印加する。約2W/cm2 の赤外
光と約4μAの電流の流れる電圧を約200℃において
10分間印加すると、ガラス板GとSi基板Sが接着可
能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ガラスと導電体の間に
電圧を印加し、接合を行う光照射を用いた陽極接合法及
び装置及び製造物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ガラスと硅素(Si)との陽極接
合は、「George Wallis and Daniel I.Pomerantzらが、
Journal of Applied Physics,vol.40,no.10,september
1969:Received 2 January 1969」に記載しているよう
に、温度をガラスの転位点に近い約400℃に保持しな
がら、ガラスとSiとの間にSiを陽極として約300
Vの電圧を印加することにより行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらこの従来
例では、ガラスとSiの接着はガラスの転位点近くで行
うため、高温での接着後に室温まで降温する際に、熱膨
張係数の差により熱歪が生じて剥れる虞れがある。この
ため、ガラスとSiの熱膨張係数が室温から接着温度ま
での広い範囲にわたって等しくする必要がある。
【0004】また、高温加熱中でのガラスとSiとの接
合の場合に、接合が全面に渡って生ずる。このため、選
択的な接合、即ち同一平面基板上において接合を必要と
する個所のみを接合することはできなかった。
【0005】本発明の第1の目的は、上述の欠点を解消
し、非晶質絶縁体の転位点近くまで昇温することなく確
実で、場合によっては選択的な接着を可能とする陽極接
合法を提供することにある。
【0006】本発明の第2の目的は、上述の陽極接合法
を用いて接合を行う陽極接合装置を提供することにあ
る。
【0007】本発明の第3の目的は、上述の陽極接合法
により製造した製造物を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めの本発明に係る第1の光照射を用いた陽極接合法は、
導電体と非晶質絶縁体との陽極接合法であって、前記導
電体と前記非晶質絶縁体とを当接させる工程と、前記当
接させた導電体と非晶質絶縁体とに電圧を印加する工程
と、前記当接させた導電体と非晶質絶縁体の当接部に向
けて光束を照射する工程とから成り、前記電圧印加工程
と光束照射工程により前記導電体と前記非晶質絶縁体と
を前記非晶質絶縁体の転移点温度よりも低い温度で接合
することを特徴とする。
【0009】また、本発明に係る陽極接合装置は、導電
体と非晶質絶縁体との陽極接合を行う装置であって、当
接すべき前記導電体と前記非晶質絶縁体とを所定位置に
配置するための支持台と、前記当接させた導電体と非晶
質絶縁体とに電圧を印加する電圧印加回路と、前記当接
させた導電体と非晶質絶縁体の当接部に向けて光源から
光束を照射する照明光学系とを有し、前記電圧印加手段
による電圧印加と照明系による光束照射により前記導電
体と前記非晶質絶縁体とを前記非晶質絶縁体の転移点温
度よりも低い温度で接合することを特徴とする。
【0010】本発明に係る半導体チップは、導電体と該
導電体と接合した非晶質絶縁体とを有し、前記導電体と
非晶質絶縁体は、当接させた前記導電体と非晶質絶縁体
とに電圧を印加する工程と、前記当接させた導電体と非
晶質絶縁体の当接部に向けて照明光学系を介して光束を
照射する工程とを経て、該非晶質絶縁体の転移点温度よ
りも低い温度で接合して製造したことを特徴とする。
【0011】本発明に係るセンサは、導電体と該導電体
と接合した非晶質絶縁体とを有し、前記導電体と非晶質
絶縁体は、当接させた前記導電体と非晶質絶縁体とに電
圧を印加する工程と、前記当接させた導電体と非晶質絶
縁体の当接部に向けて照明光学系を介して光束を照射す
る工程とを経て、前記非晶質絶縁体の転移点温度よりも
低い温度で接合して製造したことを特徴とする。
【0012】
【作用】上述の構成を有する光照射を用いた陽極接合法
では、導電体と非晶質絶縁体間に電圧を印加しながら、
同時に非晶質絶縁体の網目構造を弛緩させ、かつ非晶質
絶縁体中の修飾イオンの拡散を促すような光を照射する
ことにより、比較的に低温度で非晶質絶縁体の網目構造
が弛緩すると共に修飾イオンが陰極側に拡散移動し、導
電体と非晶質絶縁体の間に大きな静電引力が生じて固相
接着が行われる。
【0013】また、光照射を用いた陽極接合装置は、陽
極接合法を用いて比較的に低温度で導電体と非晶質絶縁
体間の接合を行う。
【0014】半導体チップは、陽極接合法を用いて比較
的に低温度で製造される。センサは、陽極接合法を用い
て比較的に低温度で製造される。
【0015】
【実施例】本発明を図示の実施例に基づいて詳細に説明
する。先ず、光照射を用いた陽極接合法の原理について
詳細に説明する。陽極接合法によってガラス基板とSi
基板を接着する場合に、ガラスの網目構造の弱い結合個
所を切るか振動励起することによって網目構造を弛緩さ
せ、或いは修飾イオンの拡散のための活性化エネルギ以
上のエネルギを与えることにより、ガラス中の修飾イオ
ンの拡散を行う。この修飾イオンの拡散に指向性を持た
せるために、ガラス基板を陰極としSi基板を陽極とす
る電圧を印加し、電界を発生させる。これにより、修飾
イオンは陰極側に、酸素イオンは陽極側に引き寄せら
れ、ガラス側の接着界面近傍に空乏層が生じて、ガラス
基板とSi基板との間に大きな静電引力が発生する。こ
の静電引力によって両基板の隙間が原子オーダの距離と
なるため固相接着が可能となる。
【0016】ガラスの網目構造体はイオン結合から成っ
ていて、その結合距離は様々であるため、結合エネルギ
が小さくて比較的小さい外部エネルギで弛緩する個所も
ある。このため、場合によりヒータによる加熱と併用し
て赤外光の照射を行うことにより、従来のように温度を
ガラスの軟化点まで昇温せずに、比較的低い温度零囲気
で網目構造を弛緩させることが可能である。或いは、修
飾イオンを拡散させる場合に、ガラス中の修飾イオンの
拡散の活性化エネルギを外部から供給する必要があり、
その大きさは約15〜30kcal/molである。このエネル
ギは光エネルギに換算すると紫外光(波長0.2〜0.
45μm)に相当するため、照射する紫外光によって供
給することができる。また、紫外光を照射しガラスの網
目構造の弱い結合個所を切ることによって、網目構造を
弛緩させることもできる。この場合にもヒータで加熱す
ることにより、修飾イオンの拡散の活性化エネルギを或
る程度供給する必要がある場合もあるが、比較的に低温
度で接着が可能である。更に、これらを組合わせて赤外
光と同時に紫外光を照射することによって、加熱するこ
となく陽極接合が可能である。
【0017】これを更に詳しく説明すると、ガラス基板
とSi基板との陽極接合において、ヒータ等の加熱なし
の状態で、Si基板及びガラス基板にそれぞれ陽極及び
陰極とする電圧を印加しながら、同時に並行してガラス
側から、或いはSi基板側からガラスの網目構造を弛緩
させ、かつガラス中の修飾イオンの拡散を促すための光
を照射することによって修飾イオンを陰極側に、酸素イ
オンを陽極側にそれぞれ引き寄せることが可能である。
この修飾イオンの移動によってガラスの接合界面近傍に
急峻な電界勾配が生ずることから、ガラス基板とSi基
板との間の界面に大きな静電引力が生ずる。この静電引
力によって、ガラス基板とSi基板との間の隙間が次第
に狭く成り、原子オーダの距離になった時点で固相接合
を可能にする。
【0018】従って、このように電界によって修飾イオ
ンを拡散し易くするためには、弱い結合個所のイオン結
合を切ることによって、或いは結合イオンを振動励起さ
せることによって、ガラスの網目構造をできるだけ弛緩
させるか、或いは修飾イオンの拡散をより一層活性化す
るためのエネルギをより多く外部から与える必要があ
る。一般に、ガラス中の修飾イオンのの可動の容易さ、
或いはイオン伝導、つまりガラス導電率δは一般に次の
ように示される。 δ=k・exp(−ΔHdc /RT) ・・・(1) ここで、kは定数、Rはガス定数、Tは温度、ΔHdc は
電気伝導の活性化エネルギである。なお、ΔHdc =(イ
オン化のエネルギ)+(ガラス構造の隙間を押し広げる
ために要する歪のエネルギ)である。
【0019】従って、ガラス基板とSi基板との間の陽
極接合の場合に、ヒータ等による加熱なしの状態で、即
ち接合時の温度Tをできるだけ低い状態でガラス中の修
飾イオンの可動を容易にするためには、電気伝導の活性
化エネルギΔHdc の値を小さくしなければならない。
【0020】そこで、本方法においては、イオン化エネ
ルギ及びガラス構造を押し広げるために有するエネルギ
として、光エネルギを供給することによってガラスの電
気伝導の活性化エネルギΔHdc に相当する電圧を印加供
給する必要がある。従って、ガラス基板とSi基板の接
合面を互いに密着した状態で、電圧を印加供給すること
によってガラス基板の修飾イオンを陰極側に拡散移動さ
せ、この結果としてガラス基板とSi基板との間に接合
に寄与する静電引力が発生する。
【0021】一方、光の吸収は材質及び板厚に依存して
光の透過率が小さくなることから、ガラス基板及びSi
基板の板厚をできるだけ薄くすることが望ましい。
【0022】本方法では、光照射によってガラスの網目
構造の弱い結合個所を切断することによって、或いは構
造イオンを振動励起させることによって、網目構造をで
きるだけ弛緩させながら、同時にガラス基板とSi基板
との間に電界を印加する方法であることから、ガラス基
板とSi基板との間の接合は、より一層低い温度、即ち
ヒータ等のような加熱をしない場合においても可能とな
る。なお、Si基板の代りに他の導電体を用いた場合に
おいても、同様に接合が可能となることは云うまでもな
い。
【0023】図1は第1、第2の実施例の説明図を示
し、レーザー用電源1の出力を接続コード2を介して、
レーザー出力を加減するためのコントローラ3の入力に
接続し、コントローラ3の出力を接続コード4を介して
レーザー発振器5に入力する。レーザー発振器5の出力
光軸上には、レーザー発振器5の出力平行光Lpを拡散光
Ldにするためのレンズ6を配置し、接合を行うべきガラ
ス基板GとSi基板Sを、ガラス基板Gを上側にして加
熱用のヒータ付プラテン7の上に固定する。ヒータ付プ
ラテン7は接続コード8を介して接着用の直流電源9の
正極9aに接続し、直流電源9の負極9bを接続コード
10を介して電流計11の負極に、電流計11の正極を
接続コード12を介してタングステン等から成る針状電
極13に接続し、針状電極13の先端をガラス基板Gの
表面に接する。
【0024】第1の実施例では、レーザー発振器5には
波長10.6μmの炭酸ガスレーザー光を用い、レンズ
6はZn−Seから成る凸レンズを用いる。この構成に
おいて、レーザー用電源1をオンにし、コントローラ3
でその出力を調整した後にレーザー発振器5から赤外光
を出力する。出力された平行光Lpはレンズ6で拡散光Ld
とされ、ガラス基板GとSi基板Sの接触している面を
照射する。同時に直流電源9もオンにして、針状電極1
3に負電圧を、ヒータ付プラテン7に正電圧を印加す
る。これにより、ガラス基板Gに負電圧、Si基板Sに
正電圧が印加される。
【0025】このようにして、厚さ0.5mmで縦横共
に10mmの正方形のパイレックスガラス#7740
(パイレックスはコーニング社の商品名)から成るガラ
ス基板GとSi基板Sの両面に電圧を印加しながら、強
度が約2W/cm2 の赤外レーザー光を照射し、ヒータ
付プラテン7を約200℃に加熱した状態で約4μAの
電流が流れ、この電流を維持したまま電圧を10分間印
加したところ、ガラス基板GとSi基板Sの接合が可能
になった。しかし、レーザー光を照射しない場合には、
同じ電圧を印加しても接合はできなかった。
【0026】第2の実施例では、装置の配置は図1と同
様であるが、レーザー発振器5には波長が0.32〜
0.44μmのHe−Cdレーザー光を用い、レンズ6
にはKDPから成る凸レンズを用いる。レーザー用電源
1をオンにしてコントローラ3で調整し、レーザー発振
器5から出力された紫外光をレンズ6で拡散して照射
し、直流電源9からガラス基板Gに負電圧を、Si基板
Sに正電圧を印加する。第1の実施例と同じ、厚さ0.
5mmで10mm角のパイレックスガラス#7740の
ガラス基板GとSi基板Sに強度約2W/cm2 の紫外
レーザー光を照射し、ヒータ付プラテン7を約200℃
に加熱して、約4μAの電流が流れる電圧を約10分間
印加したところ、ガラス基板GとSi基板Sの接合が可
能になった。また、レーザー光を照射しない場合には同
じ電圧においては接合が不可能であった。なお、He−
Cdレーザー光の代りに水銀ランプ等の紫外光源を用い
ても同様の効果が得られる。
【0027】図2は第3の実施例を示し、炭酸ガスレー
ザー用電源21の出力を接続コード22を介して、レー
ザー出力の調整用のコントローラ23の入力に接続し、
コントローラ23の出力を接続コード24を介して炭酸
ガスレーザー発振器25に入力する。炭酸ガスレーザー
発振器25の出力光軸上には、平行光Lpを拡散光Ldに変
えるZn−Seレンズ26を配置し、その下方に接合を
行うべきガラス基板GとSi基板Sを配置する。一方、
He−Cdレーザー用電源27の出力を接続コード28
を介して、レーザー出力の調整用のコントローラ29の
入力に接続し、コントローラ29の出力を接続コード3
0を介してHe−Cdレーザー発振器31に入力する。
He−Cdレーザー発振器31の出力光軸上には平行光
Lpを拡散光Ldに変えるKDPレンズ32を配置し、その
下方にヒータを有しないプラテン33の上に固定したガ
ラス基板GとSi基板Sを配置する。ガラス基板GとS
i基板Sに対する電気的接続は先の実施例と同様にす
る。また、ガラス基板Gの上には一部に開口部を設けた
タングステン製のマスクMを設け、照射光が開口部のみ
を通過するようにする。
【0028】このような構成において、炭酸ガスレーザ
ー用電源21をオンにしてコントローラ23でレーザー
出力を調整した後に、炭酸ガスレーザー発振器25から
赤外光を出力し、Zn−Seレンズ26で拡散光Ldにし
てガラス基板Gに照射する。同時に、He−Cdレーザ
ー用電源27をオンにしてコントローラ29でレーザー
出力を調整した後に、He−Cdレーザー発振器31か
ら紫外光を出力し、KDPレンズ32で拡散光Ldに変え
てガラス基板Gに照射する。また、これらと同時に直流
電源9をオンにして、針状電極13を介してガラス基板
Gに負電圧を印加し、プラテン33を介してSi基板S
に正電圧を印加する。
【0029】このような要領で第1、第2の実施例と同
様に、厚さ0.5mmで10mm角の正方形のパイレッ
クスガラス#7740のガラス基板GとSi基板Sの両
端面に電圧を印加しながら、約2W/cm2 の赤外レー
ザー光と約2W/cm2 の紫外レーザー光を照射し、約
2μAの電流が流れる電圧を約10分間印加すると、マ
スクMの開口部の下のガラス基板GとSi基板Sの間の
接合が可能になった。このとき、マスクMに遮光されて
レーザー光が照射されなかった部分には接合が生じなか
った。
【0030】このように、ガラスの網目構造の弱い結合
個所を切断することによって網目構造を弛緩させ、かつ
ガラス中の修飾イオンの拡散を促す紫外線と、網目構造
イオンを励起して網目構造を弛緩させる赤外線とを照射
して、ガラスと導電体に電圧を印加することにより無加
熱での陽極接合が可能となる。この場合に、修飾イオン
としてNa、Ca、Sr、Ba、Li、K、Rb、C
s、Fe、Be、Mg、Ni、Zn、Co、Fe、Pb
イオンを用いたガラスにおいてもその効果は変らない。
【0031】なお、前述の第1、第2の実施例において
は、ガラス基板Gの全面にレーザー光を照射するものと
したが、第3の実施例に用いたマスクMと同等のものを
用いて照射部分を限定し、一部だけを接着することも可
能である。また、加熱温度は約200℃としているが、
熱膨張率の差を考慮してこれと異なる温度としても支障
はない。
【0032】同様に、第3の実施例においては無加熱と
したが、反応速度の向上等のために、熱膨張率の差によ
って接合が困難にならない程度まで加熱を行うものとし
てもよい。また、接合する部分を限定する方法としてマ
スクMをガラス基板G上に置く代りにレーザー光束を絞
って照射部分を限定するものとしてもよい。なお、何れ
の実施例においても、ガラス基板Gにはパイレックス#
7740ガラスを用いる代りに、例えばソーダシリケー
トガラスを用いることができ、この場合にもSi基板S
との接合は同様に可能である。
【0033】図3は第4の実施例の説明図であり、導電
性プラテン41上に感光性ガラス基板Gを載置し、更に
ガラス基板G上にこのガラス基板Gと接合するためのS
i基板Sを載置する。また、Si基板Sには針状電極4
2を接触する。針状電極42は接続コード43を介して
電源44に接続し、電源44の他極にはプラテン41の
電極45に接続コード46を介して接続する。そして、
LはSi基板Sとガラス基板Gとの間の接合界面となる
べき個所を含むガラス基板Gを照射するための炭酸ガス
レーザー光である。ここで、感光性ガラスGとはその性
質が光に晒されることにより、永久に又は可逆的に変化
するような類のガラスである。
【0034】このように、Si基板S及び感光性ガラス
Gのそれぞれの接合面同志を相対向するように互いに重
ね合わせた状態で、Si基板Sと感光性ガラス基板Gと
の間に電圧を印加するために電源44をオンにする。更
に、この電圧を印加している間に、レーザー光LをSi
基板Sの上方から照射し続ける。なお、本実施例におい
てはヒータ等の加熱を必要としない。
【0035】このような手法で、Si基板Sと感光性ガ
ラス基板Gとの間の接合を次の接合条件の下に行った。
なお、ガラス基板GにはPEG(HOYAの商品名)を
用いた。 Si基板Sの寸法:26mm×38mm×0.5mm
(厚さ) 感光性ガラス基板Gの寸法:30mm×42mm×1m
m(厚さ) 印加電圧:1.2kV レーザー光:炭酸ガスレーザー光(5W/cm2 ) 時間:1スポット当たり10分間 レーザー光の1スポット当たりの面積:1cm2
【0036】本接合の実験後に、接合したサンプルをデ
ィスクカッタで切断したが、接合界面での剥れはなく、
実用に供することが可能であることが実証された。
【0037】図4は第5の実施例を示し、中央部に溝4
7を形成したSi基板Sの上に接合すべき感光性ガラス
基板Gを載せ、ガラス基板G上の接合個所の直上の面上
の薄板とした個所にSi薄膜から成る薄膜電極48を成
膜する。なお、レーザー光LはSi基板Sと、ガラス基
板Gとの間の接合界面となるべき個所を含むガラス基板
Gを照射するためのエキシマレーザー光である。このエ
キシマレーザー光源には希ガスハライドレーザーである
KrFレーザーを用いている。
【0038】この構成において、図4に示すようにSi
基板Sと感光性ガラス基板Gを相対向し密着させた後
に、薄膜電極48とSi基板Sとの間に電源44から針
状電極42及びプラテン41を介して電圧を印加する。
電圧印加によって薄膜電極48の直下のガラス基板Gの
接合界面近傍、つまり図4においてガラス基板Gの両端
の薄くなった個所の接合界面近傍で電界が最大になる。
従って、電界が最も大きくなるこの個所でのみ、Si基
板Sとガラス基板Gとの間の接合がなされる。即ち、S
i基板Sとガラス基板Gとの間の部分選択接合が可能と
なる。
【0039】本実施例において、Si基板Sは(10
0)面を用い、Si基板Sの溝47はKOH溶液を用い
た電界異方性エッチングにより形成したものである。感
光性ガラス基板Gの両端の薄板化エッチングは、薄板化
するための個所のみ開口しているレーザー光を遮断する
ためのマスクを通してエキシマレーザー光Lを照射し、
その後に430℃×2hrで熱処理したものを10%フ
ッ化水素水の中で処理したものである。なお、薄板化エ
ッチングにおいてガラス基板Gの接合側の面はレジスト
膜塗布によりエッチングされない。この薄板化エッチン
グの後に、レジスト膜をアセトンで溶出した。そして、
洗浄後にガラス基板Gの両端薄板化個所のみに開口した
マスク用いて薄膜電極48を成膜した。
【0040】本実施例の接合条件は次の通りである。即
ち、 Si基板Sの寸法:26mm×38mm×0.5mm
(厚さ) 溝47の寸法:26mm×18mm×0.2mm(深
さ) 感光性ガラス基板Gの寸法:30mm×42mm×1m
m(厚さ) 両端の薄板化した個所の板厚寸法:0.4mm 印加電圧:500V レーザー光:エキシマレーザー光(1.5W/cm2 ) 時間:1スポット当たり10分間 レーザー光の1スポット当たりの面積:0.5cm2
【0041】本接合実験の後に、接合したサンプルをデ
ィスクカッタで切断したが、接合界面での剥れはなく、
実用に供することが可能であることが実証された。
【0042】図5は第6の実施例を示し、Si基板S上
に下面中央部に溝49を設けた感光性ガラス基板Gを載
置し、レーザー光Lを遮断した領域を接合しないように
するための選択接合用としての光遮断用マスクMでガラ
ス基板Gの一部を覆う。レーザー光LはSi基板Sとガ
ラス基板Gとの接合界面と成るべき個所を含むガラス基
板Gを照射するための炭酸ガスレーザー光である。
【0043】この構成において、Si基板Sと感光性ガ
ラス基板Gを相対向して、密着させた後に、ガラス基板
Gの溝49の直上に光遮断用マスクMを載せる。そし
て、ガラス基板Gの接合面の直上の他の面に針状電極4
2を電気的に接触させ、電源44によってガラス基板G
とSi基板Sとの間に電圧を印加する。この電圧印加に
より、電界はガラス基板Gの両端の薄板個所の接合界面
近傍で最大になる。マスクMによりレーザー光Lはこの
両端の薄板化個所にのみ入射し、電界が最も大きくな
り、かつレーザー光Lが照射されるこの個所のみで、S
i基板Sとガラス基板Gとの間の接合がなされる。即
ち、Si基板Sとガラス基板Gとの間の部分選択接合が
可能となる。
【0044】本実施例において、Si基板Sは(10
0)面を用い、感光性ガラス基板Gの溝49及び両端の
薄板化は、第5の実施例と同様の手法で行った。
【0045】本実施例の接合条件は次の通りである。 Si基板Sの寸法:26mm×38mm×0.5mm
(厚さ) 溝49の寸法:30mm×22mm×0.5mm(深
さ) 感光性ガラス基板Gの寸法:30mm×42mm×1m
m(厚さ) 両端の薄板化した個所の板厚寸法:0.4mm 印加電圧:500V レーザー光:炭酸ガスレーザー光(5W/cm2 ) 時間:1スポット当たり10分間 マスク:Al板を使用 レーザー光の1スポット当たりの面積:1cm2
【0046】本接合実験の後に、接合したサンプルをデ
ィスクカッタで切断したが接合界面での剥れはなく、実
用に供することが可能であることが実証された。
【0047】なお、炭酸ガスレーザー光の代りにYAG
レーザー光(4W/cm2 )を照射した場合において
も、炭酸ガスレーザー光と同様にSi基板Sと感光性ガ
ラス基板Gとの間の接合が可能であった。なお、マスク
Mを高分子レジスト膜、Al膜、Au膜、Pt膜を用い
た場合においても、上記と同様な接合強度が得られた。
【0048】一方、従来の陽極接合法を用いて、上記と
同様な材料間の接合、即ち感光性ガラス基板GとSi基
板Sとの接合を次のような条件で行ったところ、接合温
度から室温までの降温過程中に接合部で剥離を生じ、結
果として接合できなかった。 感光性ガラス基板G(PEGガラス:HOYA製)/S
i(100) 温度:350℃、印加電圧:500V 接合時間:10分
【0049】図6は第7の実施例を示し、導電性プラテ
ン41の上部中央には凹部50を設け、このプラテン4
1上に薄膜電極51を介して上部に溝52を設けた感光
性ガラス基板Gを載置し、更にその上にSi基板Sを載
せ、第5の実施例と同様に光遮断用マスクMを設ける。
また、LはSi基板Sとガラス基板Gとの接合界面とな
るべき個所を含むガラス基板Gを照射するための炭酸ガ
スレーザー光である。
【0050】この構成において、Si基板Sと感光性ガ
ラス基板Gを相対向し密着させた後に、Si基板Sの接
合面の直上に針状電極42を電気的に接触し、電源44
からガラス基板GとSi基板Sとの間に電圧を印加す
る。この電圧印加により、電界はガラス基板Gの両端の
薄板個所の接合界面近傍で最大になり、マスクMにより
光Lはこの両端の薄板個所にのみ入射する。そして、電
界の最も大きくなり光が照射されるこの個所のみで、S
i基板Sとガラス基板Gとの間の接合がなされ、Si基
板Sとガラス基板Gとの間の部分選択接合が可能とな
る。
【0051】本実施例において、Si基板Sは(10
0)面を用い、感光性ガラス基板Gの溝52及び両端の
薄板化は、第5の実施例と同様の手法で行った。
【0052】本実施例の接合条件は次の通りである。 Si基板Sの寸法:26mm×38mm×0.5mm
(厚さ) 両端の薄板化した個所の板厚寸法:0.3mm 感光性ガラス基板Gの寸法:30mm×42mm×1m
m(厚さ) 溝52の寸法:30mm×22mm×0.5mm(深
さ) 両端の薄板化した個所の板厚寸法:0.5mm 印加電圧:400V レーザー光:炭酸ガスレーザー(5W/cm2 ) 時間:1スポット当たり10分間 レーザー光の1スポット当たりの面積:1cm2
【0053】本接合実験の後に、接合したサンプルをデ
ィスクカッタで切断したが接合界面での剥れはなく、実
用に供することが可能であることが実証された。なお、
薄膜電極51をITO膜、カーボン膜、Al膜、Au
膜、或いはPt膜とした場合においても、同様に接合強
度は大きく、サンプルをディスクカッタで切断したが接
合界面での剥れはなかった。
【0054】このように、本発明に係る光照射を用いた
陽極接合法によると比較的低い温度での接合が可能なた
め、熱膨張係数が異なる感光性ガラス基板と導電体との
間の接合が容易である。更に、真空雰囲中でSi基板S
とガラス基板Gとの間の接合をする場合に、大気中に設
置してあるレーザー発振器で発生したレーザー光を、レ
ンズ或いはミラーを通して真空雰囲中に誘導し、接合個
所に照射することによって、ヒータ等の加熱なしに接合
を可能にする。またこの接合法の場合に、レーザー光を
遮光するマスクを使用することによって、マスクの開口
の形状をした接合部分を持つようなSi基板Sとガラス
基板Gとの間の部分選択接合も可能である。
【0055】図7、図8、図9は第8の実施例を示し、
中央を空胴とした導電性プラテン61上に、下面にIT
O膜から成る導電膜62を成膜したガラス基板Gを載置
し、更にその上に接合すべきSi基板Sを載せる。プラ
テン61に針状電極63を接触させ、Si基板Sに針状
電極64を接触させ、両電極63、64を接続コード6
5、66を介して直流電源67に接続する。
【0056】この構成において、Si基板Sの側からレ
ーザー光Lを照射し、同時にSi基板Sとガラス基板G
との間に電源67によって電圧印加を約10分間行った
ところ、図8に示すようにレーザー光Lの照射領域に相
当するSi基板Sとガラス基板Gとの間での接着領域P
を観察できた。
【0057】なお、本実施例の場合に、用いたガラス基
板G及びレーザー光は次の通りである。 ガラス基板G:パイレックスガラス0.5mm厚 Si基板Sの厚さ:0.5mm レーザー光:炭酸ガスレーザー光 6W/cm2
【0058】このように赤外光を含むレーザー光を照射
する場合には、赤外光の透過率の高いSi基板Sから入
射すると効果的である。
【0059】一方、図7において、被接着面積がレーザ
ー光の光束面積より大きい場合に、レーザー光Lを走査
することによって、被接着面積の全面に渡っての接着を
可能にする。更に、Si基板Sの代りに、ガラス或いは
セラミックス等の絶縁体の表面にSi膜を成膜した基板
のSi膜面と、ガラス基板Gとの接着もまた可能であ
る。即ち、この場合にSi膜面を陽性に、ガラス基板G
の導電膜62を陰性にそれぞれ電気的に接続した後に、
針状電極63、64間に電界を印加しながらガラス基板
Gの側からレーザー光Lを平行光束として被接着面に照
射する。
【0060】図9は装置の構成図である。レーザー光L
はレンズ68、69、ガラス板70上にレーザー光Lを
反射するメタル膜から成るマスクパターン71を設けた
マスクM、レンズ72、73を介してSi基板Sに照射
する。
【0061】この構成において、レーザー光Lをレンズ
68によって拡大し、レンズ69で平行光にし、その後
にガラス板70にパターン71を設けたマスクMを通過
したレーザー光Lがレンズ72によって縮小され、更に
レンズ73によって平行光となり、Si基板Sとガラス
基板Gとの間の接着するべき個所を照射しながら、同時
にSi基板Sとガラス基板Gとの間に直流電源67によ
って電圧印加を行う。
【0062】上述の光学系を用いることによって、マス
クパターン71を通過したレーザー光LをSi基板Sと
ガラス基板Gとの間を接着するべき局所個所に導くこと
を可能にする。なお、図9に示した光学系の場合に、S
i基板S、ガラス基板G面に投影されるパターンはマス
クMの反転パターンであるが、勿論、この光学系にレン
ズを追加することによって、マスクMの正転パターンと
することも可能である。
【0063】本実施例において、深さ1000オングス
トロームの複数の凹型溝部を形成したSi基板Sと平板
状ガラス基板Gとの間の接着を、この溝部に光が照射さ
れないパターン71を有する所定のマスクMを用いて光
照射陽極接合を行ったところ、凹型溝を除く平面でのみ
接着が可能であった。図10は真空装置を用いた構成図
である。架台81の上部はベルジャ82により覆った真
空槽83となっており、真空槽83の底板84上にXY
方向に移動自在のゴニオメータ85を設ける。ゴニオメ
ータ85上には導電性のプラテン86を介して、Si基
板Sと表面にITO薄膜から成る導電膜87を成膜した
ガラス基板Gを載置する。ガラス基板Gの導電膜87に
針状電極88を接触し、一方でプラテン86に設けた電
極89との間に接続コード90を介して直流電源91を
接続する。また、底板84上にはモータ92によって回
転する回転軸93を設け、回転軸93の回転によって上
下動する支持板94によりガラス基板Gを支持する。
【0064】架台81の下部には真空排気用ポンプ9
5、レーザー発振器96を設け、レーザー発振器96か
らのレーザー光Lは図9に示す光学系、底板84の下面
に設けた真空封止用レーザー通過窓97を介して、Si
基板Sを照射する。更に、ガラス基板Gの上方の真空槽
83内にはレーザー光Lを受光するための受光器98を
設け、受光器98はアーム99により底板84に固定す
る。受光器98の出力は接続コード100を介して架台
81に取り付けたテレビモニタ101に接続する。
【0065】本装置における接合原理は図9の装置の場
合と同様である。プラテン86上にSi基板Sを載せ、
支持板94によりガラス基板Gを支持する。切換えによ
って可視光モードにした受光器98及びテレビモニタ1
01を通して操作者がSi基板Sとガラス基板Gとの間
の位置決めを真空外からの遠隔操作でゴニオメータ85
を駆動しながら行った後に、モータ92を駆動すること
によって支持板94を下方に移動し、ガラス基板GをS
i基板Sに軽く接触させる。
【0066】その後に、レンズ68、69、72、73
から成る光学系を通過したレーザー光LをSi基板S及
びガラス基板Gに照射しながら、同時に直流電源91に
よってSi基板Sとガラス基板Gとの間に電圧を印加す
る。そして、接着中にレーザー光モードに切換えた受光
器98からの情報もテレビモニタ101において観察し
ながら、Si基板Sとガラス基板Gとの間の接合個所を
検知することが可能となる。
【0067】なお、マスクMを前後左右に移動する機構
を設けることによって、マスクパターン71に類似の接
合個所を有するSi基板Sとガラス基板Gとの間の接合
を可能にすることができる。即ち、ステップアンドリピ
ート法によって、Si基板S、ガラス基板G間に同じ形
状の複数の接合部を形成できる。
【0068】図11は第9の実施例による光照射陽極接
合法を用いて作成する光センサチップの説明図である。
Si基板S上の一部に導電層111を設け、これらの上
に別個にガラス基板Gを載置し、これらのガラス基板G
をSi薄膜から成る導電膜112をそれぞれ成膜し、2
つの導電膜112間をレーザー光Lの照射によって電子
を放出し、Si基板Sと絶縁した光電膜113で互いに
接続している。導電膜112、光電膜113から成る上
蓋用ガラス114で覆う。導電層111と導電膜112
間に、直流電源115、電流計116を接続コード11
7を介して接続する。なお、電流計116は光電膜11
3によって放出した電子が陽極側である導電層111に
飛翔した際に生ずる電流を検知し、上蓋用ガラス114
は導電膜112を介してガラス基板Gに接着することに
よって真空室118を形成するためのものである。
【0069】この光センサチップはSi基板Sとガラス
基板Gとの間、及びガラス基板Gと上蓋用ガラス114
上の導電膜112との間を、前述までの実施例の何れか
に相当する光照射陽極接合方法によって接合されてい
る。
【0070】なお、この光センサチップは図12に示す
ようなマトリックス構成を採っており、図11は図12
における位置(a3、b2) の部分のみの断面図である。ま
た、電流計116はその付属の回路と共に、図12の縦
と横の各導電層111、導電膜112の組合わせ(am、
bn)ごとに設ける。
【0071】この構成において、レーザー光Lが光電膜
113を照射した際に、発生した電子は陽極である導電
層111に向かって飛翔する。このとき、電流は陽極か
ら陰極に向かって流れる。即ち、レーザー光Lが光電膜
113を照射するか否かによって、電流が流れるか或い
は流れないの何れかとなる。従って、各電流計116に
よって、その電流計116に対応するチップ上の各位置
でのレーザー光照射の有無が検出される。レーザー光L
の代りに可視光を照射した場合においても、光電膜11
3をマルチアルカリ光電面に変えることによって、同様
に電流が流れるように形成できる。
【0072】このような光を電気信号に変換可能な微小
な真空室118から成る素子作成の場合に、低温加工が
可能で、熱膨張等の影響を受けないので本光照射陽極接
合法は有用であり、生成されたチップは内部応力の少な
い良好なものになる。なお、本実施例に用いたガラスは
パイレックスガラスであるが、感光性ガラスを使用すれ
ば、真空室118を加工する場合により容易である。
【0073】図13は第10の実施例による光照射陽極
接合を用いて作成する光メモリチップの説明図である。
Si基板S上に不純物ドーピングによって導電層111
を形成し、その上に上部に凹部119を設けたパイレッ
クスガラスから成るガラス基板Gを載せ、ガラス基板G
の凹部119内にITO膜から成る導電膜120を成膜
し、導電層111と導電膜120の間に電圧を印加す
る。
【0074】この光メモリチップはSi基板Sとガラス
基板Gとの間を前述までの何れかに相当する光照射接合
方法によって接合する。また、このメモリチップも図1
4に示すようなマトリックス構成を採っており、図13
は図14における位置(a2、b3)の部分のみの断面図で
ある。また、電流計116はその付属の回路と共に、図
14の縦と横の各導電層111、導電膜120の組合わ
せ(am、bn)毎に設けられている。
【0075】この構成において、レーザー光が凹部11
9を照射した際に、ガラス基板Gの陽イオンから成る不
純物イオンは、陰極である導電膜120に向かって移動
し易くなる。即ち、イオン電流が陽極から陰極へ向かっ
て瞬時に流れる。次に、一旦レーザー光Lを遮断し、再
度レーザー光Lを同様に凹部119に照射した場合に、
今度はイオン電流は流れない。そこで、上述のようにレ
ーザー光Lが凹部119に照射したとき、再びイオン電
流が流れるようにするためには、つまりリフレッシュす
る場合には、レーザー光Lを照射しながら電源115の
極性を変える。メモリとして動作する微細素子を作製す
る場合に、熱膨張等の影響を受けない本発明の光照射陽
極接合法は有用であり、生成されたチップは内部応力の
少ない良好なものになる。
【0076】各マトリックス点に光が照射したか否かを
調べる手法、即ち情報読み出しは次のようにして行う。 (1) 各マトリックス点に光を照射しながら、各マトリッ
クス点に電圧を印加する。 a. このとき、イオン電流が流れたマトリックス点は、
予め光が照射していないことを意味し、メモリされてい
ないことになる。 b. 反対に、イオン電流が殆ど流れないマトリックス点
は、予め光が照射していることを意味し、メモリされて
いることになる。 (2) 従って、マトリックスを構成している電極間に、即
ち、Δm−ln(M×Nのマトリックスの場合;m=1
〜M、n=1〜N)の間に、電圧を或る1つの順序で印
加して、各マトリックス点の導通を調べてゆくことによ
って、全マトリックス点に渡ってメモリの読み出しを行
うことができる。 (3) なお、読み出し後に、更にメモリを保存しておく場
合には、次の操作を行う。即ち、メモリされていないマ
トリックスのみ、読み出し後に光照射を継続したまま、
直ちにマトリックスを構成している電極間の極性を逆に
する。この操作により、マトリックス点のイオンを元の
位置に戻すことができる。
【0077】図15は第11の実施例による光照射陽極
接合法を用いて作製する圧力センサの説明図である。下
部にメンブレン121を作成したSi基板S上に下部に
気密室122を設けたパイレックスガラスから成るガラ
ス基板Gを載せ、気密室122内のSi基板S上に、S
i酸化膜から成る絶縁膜123、メタルから成り非磁性
体であると共に導電性を有する導電膜124を形成す
る。ガラス基板Gの上部には段差部125を設けると共
に、深溝部126を設けこの中の棒状の例えばパーマロ
イから成る軟磁性体127を挿入し、高分子接着剤12
8により固定する。軟磁性体127に磁化用の一次コイ
ル129、ピックアップ用の二次コイル130を巻回
し、一次コイル129は交番電流を外部から入力する入
力端子131、二次コイル130は出力端子132と接
続する。ここでは、Si基板Sとガラス基板Gの接合に
前述の何れかの実施例に相当する光照射接合方法を用い
る。
【0078】この構成において、メンブレン121に外
部から圧力が作用した場合に、メンブレン121は弓状
に内側か或いは外側方向に反り返る。即ち、気圧が気密
室122より高い場合に内側へ反り、逆に低い場合は外
側に反る。このとき、導電膜124は軟磁性体127に
接近したり遠去かったりするので、導電膜124の表面
近傍に渦電流の変化が生ずる。この渦電流の変化により
磁束密度に変化を生じ、結果として二次コイル130に
生ずる起電力は変化する。起電力変化量とメンブレン1
21に作用する外からの圧力を予め較正しておくことに
よって、外からの圧力を検知することが可能となる。更
に、予め既知の圧力下で気密室122を製作した場合
に、気密室122の圧力を基準とした被測定圧力の定量
測定が可能となる。
【0079】ただし、測定温度が変化した環境下におい
ては、その分を較正してこのような圧力センサを作製す
るために、熱膨張等の影響を受けない本発明に係る光照
射陽極接合法は有用である。完成したセンサは内部応力
の発生を抑えることができ、より高精度な圧力センシン
グが可能となる。
【0080】なお、上述の各実施例において、Si基板
Sを他の材質として、例えばAl、Ta、Ti、Ni、
Ge、GaAs、Cr合金等の導電体に置き換えること
が可能であり、またガラス基板Gは他の非晶質絶縁体に
置き換えることができる。これらの場合に、接合面に光
を到達させるために少なくとも片方の材質を透過するよ
うな光をその材質側から照射するか、少なくとも片方を
光を透過できる薄さにして、その材質側から照射すれば
よい。
【0081】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係る光照射
を用いた陽極接合法は、ガラスと導電体の接着すべき部
分に光を照射して接合可能な温度を下げることにより、
熱膨張係数が異なる場合の接着が比較的に容易であり、
またガラス又は導電体に素子を形成してある場合に、高
温により素子特性へ悪影響を及ぼすことがない。更に、
照射個所を遮光マスク等で限定することにより、必要な
部分だけ接着することができる。
【0082】また、本発明に係る光照射を用いた陽極接
合装置は、陽極接合法を用いて比較的低温で接合を行う
ことができる。
【0083】本発明に係る陽極接合法による半導体チッ
プは、陽極接合法を用いて部分接合により製造すること
ができる。
【0084】本発明に係る陽極接合法によるセンサは、
陽極接合法を用いて部分接合により製造することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1、第2の実施例の接合法の説明図である。
【図2】第3の実施例の接合法の説明図である。
【図3】第4に実施例における接合法の説明図である。
【図4】第5の実施例における部分接合法の説明図であ
る。
【図5】第6の実施例における部分接合法の説明図であ
る。
【図6】第7の実施例における部分接合法の説明図であ
る。
【図7】第8の実施例の部分接合法の説明図である。
【図8】接合部の説明図である。
【図9】光学系を用いた構成図である。
【図10】真空装置を用いた構成図である。
【図11】第9の実施例による光センサチップの接合法
の説明図である。
【図12】光センサチップの電気接続マトリックスの説
明図である。
【図13】第10の実施例による光メモリチップの接合
法の説明図である。
【図14】光メモリチップの電気接続マトリックス説明
図である。
【図15】第11の実施例による圧力センサの接合法の
説明図である。
【符号の説明】
S Si基板 G ガラス基板 L レーザー光 M マスク 7、33、41、61、86 プラテン 9、44、67、91、115 電源 48、51 薄膜電極 62、87、112、120、124 導電膜 111 導電層 113 光電極

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電体と非晶質絶縁体との陽極接合法で
    あって、前記導電体と前記非晶質絶縁体とを当接させる
    工程と、前記当接させた導電体と非晶質絶縁体とに電圧
    を印加する工程と、前記当接させた導電体と非晶質絶縁
    体の当接部に向けて光束を照射する工程とから成り、前
    記電圧印加工程と光束照射工程により前記導電体と前記
    非晶質絶縁体とを前記非晶質絶縁体の転移点温度よりも
    低い温度で接合することを特徴とする光照射を用いた陽
    極接合法。
  2. 【請求項2】 導電体と非晶質絶縁体との陽極接合を行
    う装置であって、当接すべき前記導電体と前記非晶質絶
    縁体とを所定位置に配置するための支持台と、前記当接
    させた導電体と非晶質絶縁体とに電圧を印加する電圧印
    加回路と、前記当接させた導電体と非晶質絶縁体の当接
    部に向けて光源から光束を照射する照明光学系とを有
    し、前記電圧印加手段による電圧印加と照明系による光
    束照射により前記導電体と前記非晶質絶縁体とを前記非
    晶質絶縁体の転移点温度よりも低い温度で接合すること
    を特徴とする光照射を用いた陽極接合装置。
  3. 【請求項3】 導電体と該導電体と接合した非晶質絶縁
    体とを有し、前記導電体と非晶質絶縁体は、当接させた
    前記導電体と非晶質絶縁体とに電圧を印加する工程と、
    前記当接させた導電体と非晶質絶縁体の当接部に向けて
    照明光学系を介して光束を照射する工程とを経て、該非
    晶質絶縁体の転移点温度よりも低い温度で接合して製造
    したことを特徴とする半導体チップ。
  4. 【請求項4】 導電体と該導電体と接合した非晶質絶縁
    体とを有し、前記導電体と非晶質絶縁体は、当接させた
    前記導電体と非晶質絶縁体とに電圧を印加する工程と、
    前記当接させた導電体と非晶質絶縁体の当接部に向けて
    照明光学系を介して光束を照射する工程とを経て、前記
    非晶質絶縁体の転移点温度よりも低い温度で接合して製
    造したことを特徴とするセンサ。
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