JPH05201001A - インクジェットプリントヘッド - Google Patents

インクジェットプリントヘッド

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Publication number
JPH05201001A
JPH05201001A JP27656292A JP27656292A JPH05201001A JP H05201001 A JPH05201001 A JP H05201001A JP 27656292 A JP27656292 A JP 27656292A JP 27656292 A JP27656292 A JP 27656292A JP H05201001 A JPH05201001 A JP H05201001A
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JP
Japan
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ink
electric field
nozzle
reservoir
electrode
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP27656292A
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English (en)
Inventor
W Gandoracchi Robert
ダブリュー.ガンドラッチ ロバート
Eric G Rawson
ジー.ローソン エリック
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Xerox Corp
Original Assignee
Xerox Corp
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 インク液滴噴射後に空気がインク溝路12内
へ取り込まれるのを抑制し、インクジェットプリントヘ
ッドの効率を向上させる。 【構成】 流体制御電極28に電界をかけて発熱体20
上流側のインク溝路12内の電気粘性インク16の粘度
を増大させた後、電流パルスによって発熱体20を作動
させる。インクが瞬間的に気化して形成されるインクの
膨脹ガス泡32によって、インクはノズル14から膨出
される。電流パルスの後、ガス泡は消滅し始め、その方
向へ溝路内のインクが移動し始める。このとき、流体制
御電極28の電界を外し、出力制御電極26に電界をか
けることによって、溝路12内のインクの粘度を増大さ
せ、溝路内に空気が引き込まれるのを防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はインクジェット印刷に係
り、更に詳細には、プリントヘッドの各種部分において
インクの流れを正確な時間に選択的に妨げるために、電
気粘性のインクが使用され、且つインクの流路と交差す
る電界が形成されるインクジェットプリントヘッドに係
るものである。
【0002】
【従来の技術】一般的にいって、ドロップオンデマンド
式インクジェット印刷システムは、2つの型式に分ける
ことができる。ノズルから液滴を放出する圧力パルスを
発生するために圧電トランスデューサを使用する形式
と、液滴を放出するガス泡(vapor bubble)をインク溝
路内に生成するために熱エネルギーを使用する形式であ
る。本発明は、これら両形式の印刷システムに等しく適
用することができるが、本発明の説明を平易化するため
に、本明細書及び図面は、一般的に、熱インクジェット
印刷又は泡インクジェット印刷と称される後者の形式に
関するものとする。
【0003】しかしながら、熱インクジェットプリント
ヘッドでは、泡が消滅し、ノズルのインクが消滅してい
く泡の方向へ収縮し始めるにつれて、溝路内へ空気が引
込まれたり取込まれたりする傾向があるという周知の問
題がある。インク溝路内の気泡は、プリントヘッドの不
調原因となる。取込まれた空気をインク溝路から除去す
るためには、加圧されたインクによって溝路を満たさな
ければならない。このプロセスは、印刷サイクルを中断
させる原因になると共に、時間を浪費するものである。
【0004】圧電インクジェットプリントヘッドでも同
一の問題が起こる。圧電インクジェットプリントヘッド
では、圧電素子が作動されるとインクリザーバ又は溝路
の容積の減少によって圧力又は力が生じるので、インク
の液滴がノズルから放出される。この圧電素子の作動が
停止されると、負の圧力によってノズルのインクが圧電
素子へ向かって移動させられる。このとき、熱インクジ
ェットプリントヘッドにみられるのと同様に、同様の結
果を伴って、溝路内へ空気が引込まれたり取込まれたり
する。
【0005】また、両形式のプリントヘッドでは、プリ
ントヘッドの液滴射出頻度が、各液滴が射出された後に
溝内のインク中の流体力学的な力を弱めるように十分に
遅いことが必要とされる。
【0006】米国特許第 4,774,530号、及び再発行特許
第32,572号に示されるように様々な熱インクジェット装
置は技術的に公知のものである。電気粘性インク及び/
又は電極を用いるその他の装置には、米国特許第 4,01
4,693号(クラーク)が含まれる。この特許で開示され
ている印刷方法は、記録面に電気粘性流体の供給をもた
らすステップと、記録面付近の画像構成部分に電界を選
択的にかけて、電界がかけられる画像領域では電気粘性
インクの粘度を高めてその正常な流体特性を抑制し、電
界が全くかけられない画像領域では電気粘性インクの正
常な流体特性を可能にするステップと、表面と流体間の
距離を周期的に変えて、流体の表面への付着を変化させ
るためにそれらの間の接触を中断させるステップと、を
含む。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、電気
粘性インクと、空気の取込みを防止するために希望する
時間に特定の位置で電気粘性インクの粘度を増大させる
ための手段と、を使用する改良型インクジェットプリン
トヘッドを提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明の上記及
び他の特徴と利点は、ここに開示される本発明の実施例
によって達成することができる。本発明の実施例には、
インクリザーバと、直線配置された液滴噴射ノズルと、
ノズルとインクリザーバを連通させるための複数の平行
なインク溝路と、インクリザーバへの電気粘性インクの
供給部と、デジタル化データで表わされた電気信号に応
答してノズルから電気粘性インクの液滴を噴射させるた
めにその一部がノズルに近接する溝路内に配置されたイ
ンク噴射手段と、電気信号によってインク噴射手段をア
ドレスするアドレッシング手段と、ノズルの上流にある
各インク溝路と交差する一時的電界を選択的に発生する
ための手段と、を有することによって、インク供給溝路
内のインク粘度が、電界の影響を受ける間一時的に高め
られることからインクの流体的逆移動が抑制されるイン
クジェットプリントヘッドが含まれる。
【0009】好ましい実施例では、プリントヘッドは上
側基板と下側基板を有する。上側基板の一方の表面に
は、インクリザーバとして使用するための凹部と1組の
平行な溝とが含まれ、各溝は、インク液滴噴射ノズルと
して使用するために開放された一端部を有し、その他端
部はリザーバと連通している。平行な出力制御及び流体
制御電極は、溝と垂直方向に、溝の中及び溝同士の間の
上側基板表面上にパターン形成される。また、下側基板
の一方の表面上には、発熱体の配列と、アドレッシング
電極と、それぞれ平行の出力及び流体制御電極が形成さ
れており、これらの電極は互いに電気的に絶縁されてい
る。上側及び下側基板は、互いに位置合わせされ、対に
され、接合されて、プリントヘッドが形成される。これ
らの基板の間にはパターン化厚膜絶縁層が挟まれる。各
発熱体を露出させるために、絶縁層の中には通路が設け
られる。各発熱体は溝のそれぞれに配置され、厚膜層通
路によって形成されるピット内に配置される。また、流
体及び出力制御電極は、それぞれ発熱体の上流側及び下
流側で、全ての溝を横切って対面的に対にされる。そし
て、流体及び出力制御電極と交差する電界を正確にかけ
ることによって、空気の取込みが抑制され、液滴噴射が
促進され、液滴噴射によって発生する流体力学滴振動が
より急速に減衰される。
【0010】
【実施例】図1及び図2を参照すると、インクジェット
プリントヘッド10A 及び10B の略断面図において本発明
の一般的な概念が示されている。プリントヘッドはそれ
ぞれ複数のインク溝路12を備え、各々のインク溝路は、
その一端部にインク液滴噴射ノズル14を有し、その他端
部はインクの供給部(図示されていない)へ接続されて
いる。図1に於いては、各インク溝路は、管30によって
インク供給部へ接続されている。プリントヘッド10A 及
び10B の各インク供給部は、インクがチャネルを通り、
要求に従ってノズルから出て紙面18等の基体上へ流れる
ように、各溝路へ電気粘性インク16を供給する。図1の
プリントヘッド10A の各溝路は、圧電素子21で覆われた
小型の開放リザーバ19を有している。このリザーバは、
点線で示すように、圧電素子が作動されてリザーバ19中
のインク体積が力学的に減少されることによって、イン
クを噴射する。図2では、泡発生発熱体20は、溝路内で
のインクガス泡32の発生によって生じる変形によってイ
ンク16を噴射する。図1の圧電素子はそれぞれアドレッ
シング電極22へ取付けられ、図2の発熱体はそれぞれア
ドレッシング電極22a へ接続され、集合的に共通アース
24へ取り付けられる。プリントヘッド10A 及び10B で
は、一対の出力制御電極26が、空気の取込みを防止する
ためにノズル14の僅かに上流側に配置される。後でより
詳細に説明するように、図2のプリントヘッド10B で
は、一対の流体制御電極28が、供給部への逆流を妨げる
ことによってインクの噴射を下流側へ促進させるため
に、発熱体20より僅かに上流側に配置されている。ま
た、両電極対26は、液滴の噴射によって発生する流体力
学的な振動をより迅速に弱めるように機能する。電極対
26は、対応する上側電極26a 及び下側電極26b を有して
いる。また、電極対28は、対応する上側電極28a 及び下
側電極28b を有している。出力制御電極対26の端部は、
電源(図示されていない)への接続用の接触端子 27aと
27b へ接続され、図2のプリントヘッド10B の流体供給
制御電極対の端部は、電源への接続用の接触端子29aと2
9b へ接続されている。流体制御電極28は図1に示され
るプリントヘッド10A では使用されていないが、有益と
考えられるならば、点線が示すように、いつでも加える
ことができることに注意すべきである。
【0011】図2に関して、電圧信号が下側電極 26b及
び28b へアドレスされる場合には、上側電極 26a及び28
a は、製造の単純化をはかるために相互に接続されて共
通アースを形成することができることにも注意すべきで
ある。下側電極 26b及び28bは発熱体20の両側に配置さ
れる。好ましい実施例では、電極対26及び28は上側電極
でアドレスされており、下側の出力制御電極 26bは、発
熱体の共通アース24を共用することができる。
【0012】作動中、ピット19a の底部分で発熱体20が
作動される直前に、図2の流体制御電極28を横切って電
界が発生され、発熱体の上流側のインク溝路12内の電気
粘性インク16の粘度が増大されて、その方向へ流れるイ
ンクの流れが妨げられる。電流パルスによって発熱体が
作動されると、その部分に接するインクが瞬間的に気化
してインクの膨張ガス泡32が形成される。ガス泡32が成
長し始めるとインクがノズル14から膨出される。電流パ
ルスの後、ガス泡は消滅し始め、溝路内のインクが消滅
していくガス泡32の方向へ移動し始める。この時点で、
流体制御電極28と交差する電界は外され、溝路内に空気
が引込まれるのを防ぐために、出力制御電極26を横切る
電界を生じて溝路12内のインクの粘度を増大させる。ノ
ズルとガス泡の間の溝路内のインクが消滅していくガス
泡の方向へ移動し始めると、それによってノズルのイン
クの体積が収縮されて,膨張したインクを液滴36として
分離する。ガス泡が成長している間にノズルからのイン
クが加速されることによって、記録媒体18へ向かって実
質的に直線方向に、液滴36に運動量と速度が与えられ
る。従って、出力制御電極26が発生する電界の範囲外に
あるインクの粘度は消滅していく気泡の方向へインクを
移動させるように十分低く、電界の範囲内にあるインク
の粘度は空気が溝路内に取込まれるのを防止するように
高められる。図1の圧電素子を用いる場合の出力制御電
極の起動と作用は、発熱体の場合と実質的に同様であ
る。図1における制御電極対26は、圧電素子の作動停止
後所定時間で、液滴36がノズル14から噴射されるときに
起動され、電気粘性インクの粘度を高めて空気の取込み
を抑制する。
【0013】図3から図7を参照して模範的実施例をこ
こに詳細に説明するにあたって、熱インクジェットプリ
ントヘッド10を例として示す。プリントヘッド10、及び
その製造方法の詳細な説明については、ここに参照とし
て組入れられる米国特許第 4,774,530号、及び再発行特
許第32,572号を参照されたい。プリントヘッドは、電気
粘性インク16(図5)と、本発明に従ってインクの粘度
を変化させるために正確に配置された電界発生電極26
及び28と、を使用する。或る流体の見掛け粘度は、こ
れらの材料へ電界をかけることによって著しく変えられ
ることが広く知られている。一般的に云えば、このよう
な形式の流体には、米国特許第 4,014,693号で論議され
ここに参照として組入れられるように、液体キャリア中
にマイクロメートルの大きさの固体粒子を有する懸濁液
が含まれる。この粒子上に吸収層として一定量比の水分
を持つことが望ましく、その他多様な材料が望ましい添
加剤として知られている。熱インクジェットのインクは
通常水性なので、電気粘性効果を生むのに必要な材料が
そこへ便宜的に添加される。インク中の水分の純度及び
その比率は、インクの導電率に影響を与える。この導電
率は、その電気的緩和の時定数τ、又は所望の持続時間
のあいだ電界を維持するのに必要な電流値を決定する。
体積抵抗率ρの薄膜の緩和時定数は、以下の式によって
与えられる。 τ=ρε0 K 上式に於いて、Kは誘電率、ρの単位はΩメートル、そ
してεo は自由空間の誘電率で9×10-12 に等しい。
1インチ当り400 スポット(spi) で毎秒10インチの速度
で印刷する時、出力制御電極対26及び流体供給制御電極
対28のそれぞれから最大持続時間の瞬間電界を発生する
ために、約1/4000秒のパルス持続時間が必要とされる。
好ましい実施例では、逆流又は空気の取込みを妨げるた
めに、パルスの持続時間は、全体のサイクル時間1/4000
の約1/4 又はそれ以下とされる。電極パッシベーション
層53及び78と厚膜層60のために、高電流の低インピーダ
ンス電源でさえ、電界65の維持に使用することができな
い。本発明を含む熱インクジェットプリントヘッドによ
って得られる高い効率の結果として、使用されるインク
が108 Ω-cm オーダーの抵抗率を有する限り、例え相
転移又はガス泡膨張比が水性インクの値より大幅に小さ
いとしても、非水性インクを使用することが可能であ
る。電界が存在しないところでの電気粘性インクの所望
の粘度は、典型的に、1.4 から2.5 ポイズの範囲にあ
り、電界が存在するところの電気粘性インクの粘度は、
典型的に、10乃至100 ポイズの範囲にある。電界の強度
は電極プレート間の距離によって決まる。従って、典型
的に望ましいプーレート間距離は50乃至150 マイクロメ
ートルの間であり、且つ望ましい電界は典型的にマイク
ロメートル当り0.5 から1.0 ボルトの間であるので、か
かる電界を生じさせるのに典型的に必要な電圧は、25乃
至150 ボルトの間である。勿論、このような範囲は全て
相関的なものであり、望ましいプレート間距離とインク
の粘度を適合させるように変えることができる。
【0014】図3及び図4を参照すると、液滴噴射ノズ
ル14の配列と、インク溝路12の配列と、発熱体20の配列
と、流体制御電極対28と、出力制御電極対26と、を示し
てプリントヘッド10が描写されている。図3はプリント
ヘッド10の部分等角図であり、図4は、図3の拡大分解
図である。また、図5は図3の線5−5に沿った断面図
であり、この図を参照すると、後述する電気絶縁性の下
側基板42は、発熱体20と、アドレッシング電極22と、下
側流体制御電極28b と、下側出力制御電極26bと、二酸
化ケイ素又は窒化ケイ素の下地層70の表面44上にパター
ン形成された下側端子 27b(アドレッシング電極の共通
アース24と共通である)及び29b と、を有している。一
方、上側シリコン基板46はインク溝路12を形成する並列
な溝を有しており、上側流体制御電極28a 及び上側出力
制御電極26a は、その表面上にパターン形成されてい
る。上側端子27a 及び29a は、上側シリコン基板46の側
面47上にパターン形成される。この上側基板上にノズル
14を形成するように、インク溝路が一方向に伸びて、上
側基板の前面の縁48を貫通している。溝の他端部は、内
側凹部54からインク溝を分断する傾斜壁50で終結してい
る。下側基板は (100)シリコンウェハ(図示されていな
い)の一部であり、ここに参照として組入れられる米国
再発行特許第32,572号(ホーキンス他)及び米国特許第
4,774,530号(ホーキンス)に開示されているように、
厚膜高分子層60を付着及びパターン形成した後のダイシ
ング作業の結果多数の下側基板が得られ、ウェハ(図示
されていない)を含む上側基板を整合させて結合する。
複数の流体制御及び出力制御電極26a及び28a は、三角
形の断面領域を有する複数組の細長い平行な溝を形成す
るようにウェハをパターン形成して方位依存型エッチン
グを行った後、且つウェハの表面及び溝が二酸化ケイ素
又は窒化ケイ素等の下地層52(図5)によって被覆され
た後に、複数の上側基板を含むウェハの表面にそれぞれ
パターン形成される。流体制御及び出力制御電極28a 及
び26a が形成された後、この電極と下地層52の露出面
は、露出した流体制御及び出力制御電極をインクから保
護するイオンバリアを提供するために、パッシベーショ
ン膜53(図5)で被覆される。流体制御及び出力制御電
極26a 及び28a はアルミニウムであるのが一般的であ
り、その厚さは、アドレッシング電極22とほぼ同じ、即
ち、約0.5 乃至3μmである。出力制御電極26a はノズ
ル14と発熱体20の間に設置され、その幅はそれらの間の
距離によって決まるが、一般的には約40乃至60μmとさ
れる。上側基板を含むウェハが発熱体を有するウェハへ
整合されて結合されると、流体制御電極28a は発熱体と
リザーバ54の間に設置され、発熱体から約40乃至60μm
上流に離れた位置に設置される。下側基板42上にそれぞ
れ設けられた流体制御及び出力制御電極26b 及び28b
は、上側基板46上にある電極26a 及び 28aのとそれぞれ
平行に位置合わせされているので、電極対が作動される
とインク溝路と交差する電界が生じる。出力制御及び流
体制御電極の端子27a 及び 29aは、それぞれ下側基板42
上の中間端子35及び37と、結線55及び72を経由して娘板
(daughter board)64へ接続される。電極26a 及び28a
を娘板へ結合させるために、米国特許第 4,612,554号
(ポレシュク)に開示されたフレキシブルボード等の他
の手段を使用することもでき、或いは米国特許第 5,01
6,023号(チヤン他)に開示された金属接点等の手段に
よって、下側基板へ接続することもできる。
【0015】溝を備えた上側基板46の表面は下側基板42
と位置合わせされて結合されるので、複数の発熱体20の
それぞれは溝と下側基板が形作る各溝路12に配置され、
流体制御及び出力制御電極はその対応の上側電極と対に
される。毛管作用で充填されたインク溝路12用のインク
供給マニホルド又はリザーバとして使用される内側凹部
54は、インク充填孔として使用するための開口56を有す
る。インクは僅かな負の圧力の下、充填孔56を通ってリ
ザーバ54に入り、毛管作用で厚膜絶縁層60に形成されて
いる細長い凹部58を通って流れることによって溝路12を
満たす。各ノズルにあるインクはメニスカスを形成し、
その表面張力によって、インクがそこから流れ出すこと
が防止される。後で述べるように、層60は厚膜パッシベ
ーション層であり、上側基板と下側基板の間に挟まれて
いる。この層は、発熱体を露出させるためにエッチング
され、これによって、発熱体はピット19内に格納され
る。またこの層は、リザーバ54とインク溝路12の間にイ
ンクが流れるようにするために、細長い凹部58を形成す
るようにエッチングされる。更に、厚膜絶縁層は、下側
基板上に電極端子を露出させるためにエッチングされ
る。
【0016】図5は、図3に示すプリントヘッドの1つ
の溝路を通過する線5−5に沿った断面図であり、電極
対26及び28の詳細な位置を示すと共に、インクが、矢印
68が示すようにリザーバ54から溝12の端部壁50を廻っ
て、更に流体制御及び出力制御電極対によって選択的に
発生された電界65を通ってどのようにして流れるかを示
している。米国特許第 4,638,337号(トーピー他)及び
米国特許第 4,774,530号(ホーキンス)に開示されてい
るように、複数組のガス泡発生発熱体20とそのアドレッ
シング電極22は、片面が磨かれたシリコンウェハ(100)
の片面上にパターン形成される。多数組のアドレッシン
グ電極22と、発熱体20として機能する複数組の抵抗材料
と、複数の共通帰線24(下側出力制御電極 26bとしても
機能する)と、をパターン形成する前に、下側ウェハの
磨き面44は二酸化ケイ素等の下地層70で被覆される。抵
抗材料は化学蒸着法(CVD) で蒸着することのできる被ド
ープ多結晶シリコンでもよいし、ホウ化ジルコニウム
(ZrB2)等、他の公知の抵抗材料であってもよい。共通
帰線及びアドレッシング電極は、典型的には、下地層及
び発熱体の縁部上に蒸着されたアルミニウム導線であ
る。結合させた共通帰線24及び下側出力制御電極端子27
b と、流体制御電極端子29b と、アドレッシング電極端
子62と、中間端子35及び37とは、上側基板46がプリント
ヘッドを作るために取り付けられた後で、娘板64の電極
に対して結線72用のクリアランスを可能にするように、
所定位置に配置される。共通帰線24及びアドレッシング
電極22は、0.5 乃至3マイクロメートル、好ましくは1.
5 マイクロメートルの厚さに蒸着される。
【0017】かくして、アドレッシング電極22は、端子
62において下側基板上で終結し、下側出力制御及び流体
制御電極26b (共通帰線24と結合している)及び28b
は、それぞれ、端子27b 及び29b において下側基板42上
で終結する。また、上側出力制御及び流体制御電極26a
及び28a は、端子27a 及び29a において上側基板46上で
終結し、結線55を介して中間端子35及び37へ連結され
る。上側基板46は、上述した電極端子の全てが露出さ
れ、娘板64上の電極に結線するのに利用できるように下
側に比べて小さくし、その上にプリントヘッド10を恒久
的に取り付ける。
【0018】好ましい実施例では、ポリシリコン発熱体
20が使用され、高温蒸気中でポリシリコンから二酸化ケ
イ素の熱酸化物層72が成長される。熱酸化物層は、導電
性インクから発熱体を保護して絶縁するために、典型的
に0.5 乃至1マイクロメートルの厚さに成長させる。ア
ドレッシング電極22及び共通帰線24を取付けるために、
ポリシリコン発熱体の縁部で熱酸化物を除去し、次にパ
ターン形成して蒸着する。ホウ化ジルコニウのような抵
抗材料が発熱体として使用される場合、その上の保護層
として、他の適切な公知の絶縁材料を使用することもで
きる。電極の不動態化のために、2マイクロメートルの
厚さのリンドープされたCVD二酸化ケイ素膜76(図
5)が複数組の発熱体及びアドレッシング電極を含めた
ウェハ表面全体に蒸着される。パッシベーション層76
は、該層の頂部に蒸着された下側流体制御電極28b から
アドレッシング電極22を絶縁する(また、共通帰線から
分離する場合には、下側出力制御電極を分離する)。そ
の他のパッシベーション層材料としては、例えば、ポリ
イミド、プラズマ窒化物、及び上述のリンドープ二酸化
ケイ素、又はその混合物等を使用することができる。有
効なイオン・バリア層は、その厚さが1000オングストロ
ーム乃至10マイクロメートル、好ましくは1マイクロメ
ートルであるときに達成される。もう1つのパッシベー
ション層78は、流体制御電極28b 上に蒸着され、パッシ
ベーション膜又は層76及び78は、発熱体及び後で娘板の
電極と結線するための電極端子がエッチングされる。こ
のパッシベーション層のエッチングは、ウエットエッチ
ング法又はドライのいずれかによって行なわれる。次に
蒸着される厚膜層60内の細長い凹部58が、流体制御電極
を露出させていない場合、第2パッシベーション膜78は
任意に省かれてもよい。
【0019】次いで、例えば、リストン(登録商標)、
バクレル(登録商標)、ポロバイマー52(登録商標)、
又はポリイミドのような厚膜形式の絶縁層60が、10乃至
100マイクロメートルの厚さ、好ましくは25乃至50マイ
クロメートルの厚さを有してパッシベーション層78又は
76上に形成される。この絶縁層60は、各発熱体上(ピッ
ト19を形成する)と、マニホルドリザーバ54からインク
溝路12へのインク通路を提供する細長い凹部58を作るた
めに閉鎖溝路の端部の間の領域上と、各電極端子27b 、
29b 、35、37、及び62上とにおいて、かかる部分の層60
のエッチング及び除去を可能にするようにフォトリソグ
ラフィーによって処理される。かくして、パッシベーシ
ョン層76及び78は、厚膜層60内の細長い凹部58中のイン
クに対する露出からアドレッシング電極22を保護するも
のである。
【0020】発熱体と、電極と、パターン形成された厚
膜層60とを有するウェハは、複数組のエッチングされた
インク溝路と、リザーバと、上側流体制御及び出力制御
電極を有するウェハと位置合わせされて結合される。複
数のプリントヘッドがダイシング作業によって製造され
る際、結合ウェハは個々のプリントヘッドへ同時に切断
される。切断物の一つはノズル面48を形成し、インク溝
路又は溝12の一端を解放させてノズル14を形成する。
【0021】図6及び図7は、本発明のもう1つの実施
例を示す。この実施例では、もう1つの厚膜層80がシリ
コン・ウェハ(図示されていない)上に蒸着され、パタ
ーン形成及びエッチングされて、シリコンの方位依存型
エッチングによって形成される三角溝路の代わりに矩形
のインク溝路が形成される。この実施例では、溝路内に
より均一な電界を与えるために、出力制御及び流体制御
電極対26及び28を平行な平板電極としてパターン形成す
ることができる。図6は、図3のプリントヘッドに類似
した(インク溝路がどのように組立てられるかという点
のみが異なる)熱インクジェットプリントヘッド10C の
等角図を示す拡大部分図である。上側シリコン基板46a
は、方位依存型エッチングが行われたリザーバ54と、図
3と同一の導入口56とを備えている。エッチングされた
複数のリザーバは、シリコンウェハ(図示されていな
い)を貫通エッチングして形成する。複数の平行な出力
制御電極26a 及び流体制御電極28a は、リザーバに対し
てより大きい開口を有するウェハの一面上に形成され、
次いで厚膜層80が電極を有するウェハの表面上に蒸着さ
れ、インク溝路として用いるための正方形又は矩形の断
面領域を持つ複数組の平行な端部閉鎖溝を形成するべく
パターン形成される。インク溝路を含むウェハは、図
3、図4、及び図5に関して上述したものと同一の、発
熱体を有するウェハと一対にされる。複数の個々のプリ
ントヘッド10C は、ノズル面又は縁部48aの形成、及び
ノズル14a を形成するために溝路12a の端部に開口を同
時に形成することを含むダイシング作業によって得られ
るものである。この実施例では、インク溝路12は厚膜層
80に直接パターン形成されるので、凹部を厚膜層60にエ
ッチングして作る必要は全くない。両実施例とも、本発
明の一般的概念の作用に於いて上述した通りの役割を果
たすものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を含む圧電駆動によるインクジェットプ
リントヘッドの略断面図である。
【図2】本発明を含む熱インクジェットプリントヘッド
の略断面図である。
【図3】本発明の実施例に従って、液滴噴射ノズルと、
ノズル内の第1及び第2電極対の配置を示す熱インクジ
ェットプリントヘッドの等角図を示す拡大略部分図であ
る。
【図4】図3のプリントヘッドの分解図を示す拡大部分
図であり、パッシベーション層及び下地層は明瞭化の目
的から省略される。
【図5】図3の線5−5に沿った、図3のプリントヘッ
ドの断面図である。
【図6】図3に示すプリントヘッドの別の実施例の等角
図を示す拡大略部分図である。
【図7】図6の線7−7に沿った、図6のプリントヘッ
ドの断面図である。
【符号の説明】
10A、10B インクジェットプリントヘッド 12 インク溝路 14 インク液滴噴射ノズル 16 電気粘性インク 19 リザーバ 20 発熱体 21 圧電素子 22 アドレッシング電極 26 出力制御電極 28 流体制御電極

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ドロップオンデマンド式のインクジェッ
    トプリントヘッドであって、 電気粘性インクを貯蔵するための補充可能なリザーバ
    と、 直線配置された液滴噴射ノズルと、 電気粘性インクが前記リザーバから前記ノズルへ流れる
    ことができるように、前記リザーバと前記ノズルとを連
    通させるための複数の平行なインク溝路と、 前記リザーバへ電気粘性インクを供給するための供給手
    段と、 与えられた電気信号に応答して、前記ノズルから電気粘
    性インクの液滴を噴射させるためのインク噴射手段と、 前記インク噴射手段へデジタル化データで表わされた電
    気信号を与えるための手段と、 前記ノズルの上流で前記インク溝路のそれぞれと交差す
    る少なくとも1つの一時的電界を選択的に発生させて、
    インク溝路内のインクの粘度が前記電界の影響を受けて
    いる間一時的に高められることによって、インクの流体
    移動を抑制させるための手段と、 を備えたインクジェットプリントヘッド。
JP27656292A 1991-09-30 1992-09-21 インクジェットプリントヘッド Withdrawn JPH05201001A (ja)

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US76744691A 1991-09-30 1991-09-30
US767446 2004-01-29

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JP27656292A Withdrawn JPH05201001A (ja) 1991-09-30 1992-09-21 インクジェットプリントヘッド

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JP (1) JPH05201001A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002321358A (ja) * 2001-04-24 2002-11-05 Sii Printek Inc インクジェットヘッド及びコンタクト電極の形成方法
US10583660B2 (en) 2014-12-02 2020-03-10 Hewlett-Packard Development Company, L.P. Printhead device including shipping fluid

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002321358A (ja) * 2001-04-24 2002-11-05 Sii Printek Inc インクジェットヘッド及びコンタクト電極の形成方法
US10583660B2 (en) 2014-12-02 2020-03-10 Hewlett-Packard Development Company, L.P. Printhead device including shipping fluid

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