JPH05199886A - カフエオイル−CoA3−O−メチルトランスフエラーゼ遺伝子 - Google Patents

カフエオイル−CoA3−O−メチルトランスフエラーゼ遺伝子

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JPH05199886A
JPH05199886A JP4129373A JP12937392A JPH05199886A JP H05199886 A JPH05199886 A JP H05199886A JP 4129373 A JP4129373 A JP 4129373A JP 12937392 A JP12937392 A JP 12937392A JP H05199886 A JPH05199886 A JP H05199886A
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クラウス・シユテンツエル
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 カフェオイル−CoA 3−O−メチルトラ
ンスフェラーゼ遺伝子。 【構成】 本発明は、植物から単離された新規カフェオ
イル−CoA 3−O−メチルトランスフェラーゼ遺伝
子(CCoAMT遺伝子)、そしてベクター類、宿主有
機体および植物を形質転換するためのそれらの使用、並
びに有害生物に対して増大した耐性を示す植物を再生す
るためのそれらの使用に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、植物から単離された新規カフェ
オイル−CoA 3−O−メチルトランスフェラーゼ遺
伝子(以後CCoAMT遺伝子と呼ぶ)、そしてベクタ
ー類、宿主有機体および植物を形質転換するためのそれ
らの使用、並びに有害生物に対して増大した耐性を示す
植物を再生するためのそれらの使用に関する。
【0002】以後CCoAMTと呼ぶ酵素カフェオイル
−CoA 3−O−メチルトランスフェラーゼは、トラ
ンス−4−クマロイル−CoAからトランス−フェルロ
イル−CoAを生じさせるところの、最近になってのみ
記述されるようになった生合成ルート(Matern, U.およ
びKneusel, R.E.、 1988、 Phytoparasitica 16:153-170;
Kneusel, R.E.、 Matern, U.およびNicolay, K.、 1989、
Arch. Biochem. Biophys. 269:455-462; そしてPakusc
h, A.-E.、 Kneusel, R.E.およびMatern, U.、 1989、 Arc
h. Biochem. Biophys. 271:488-494)におけるカフェオ
イル−CoAのメチル化を触媒する。
【0003】菌・カビの攻撃下で、植物は、桂皮酸の組
込みに続くそれらの架橋によってポリマー構造を生じる
か或はリグニンを蓄積することによって、非常に迅速に
それらの細胞壁を増強する。これらの条件下で、フェル
ロイル−CoAは、細胞壁多糖類のエステル化および木
化(コニフェリルアルコールへの還元)両方のための好
適なアシル供与体である。この細胞壁の変化速度および
その度合は、本質的に、植物の感染過程および寿命を決
定する、即ち「過度に敏感な反応」が、この細胞壁の特
に致命的および急激な変化に関連した植物の完全な耐
性、並びに直接影響を受けた細胞の死滅を特徴づける。
この過度に敏感な反応はまた、ウイルス感染に対する植
物の耐性反応でも観察される。最近になってのみ、フェ
ルロイル−CoAは、全ての場合においてフェルラ酸の
活性化によりインビボで生じるものではなく、クマロイ
ル−CoAの反応によっても生じることが見いだされ
た。この反応に参加する該カフェオイル−CoA−特異
的メチルトランスフェラーゼは、以前に知られている酵
素(Pakusch, A.-E.、 Matern, U.およびSchiltz, E.、 1
991、 Plant Physiol. 95:137-143)に対してほとんど相
同性を示さず、植物中分類学的に幅広く存在しており、
そして例えば菌・カビの攻撃によってそこに誘発され得
る。
【0004】作物植物の世界的収穫の大部分は、有害生
物によって一定して崩壊している(1967年には、可能な
収穫の損失は35%であった;Chemistry of Pesticide
s、 K.H. Buechel発行、 John Wiley & Sons、 New York、
1983、 6頁を参照)。従って、有害生物による作物植物
の攻撃を減少させるか防止できる全ての可能性を研究お
よび利用することに対する緊急な必要性が存在してい
る。
【0005】全くCCoAMTを生じないか或は不適当
なCCoAMTのみを生じる植物の遺伝性因子(ゲノ
ム)に組み込むことができ、そしてそれによって有害生
物に対するこれらの植物の増大した耐性をもたらすこと
ができるところの、以後CCoAMT遺伝子と呼ぶ新規
なカフェオイル−CoA 3−O−メチルトランスフェ
ラーゼ遺伝子をここに見い出した。
【0006】植物のゲノムに外来性もしくは追加的DN
Aとして組み込むことができ、それによって得られる形
質転換型植物の、有害生物に対する増大した耐性を達成
できるところの、新規な種類の耐性遺伝子を見いだすこ
とができたことは驚くべきことである。本発明の特別な
利点は、例えばキトアレキシン類の堆積が増大する場合
とは異なり、潜在的な毒性を示す代謝生成物の発生を目
的としたものではないことである。従って、いかなる毒
物貯蔵もない、何故ならば、この目的は、形質転換型植
物における、物理的防護壁として機能するか、或は「基
質」のアシル化による細胞壁多糖類に関する可能な病原
体誘発性酵素的溶解を防止するところの、主に不溶であ
り抗生物質的に不活性な化合物の迅速な合成であるから
である。溶菌性酵素、例えば最良で選択的活性を示すよ
うになることが可能なリゾチームもしくはまたキチナー
ゼなど、の遺伝子を用いた植物の形質転換とは異なり、
植物の細胞壁補強に関する増強した備えは、ウイルスを
含む病原体全ての形態に対して保護を与える。従って、
本発明は、ここに、幅広い用途を有する植物保護に関す
る新規な原理に従うものである。
【0007】CCoAMT遺伝子は、それをRNAに転
写しそして蛋白質に翻訳した後、CCoAMTの特性を
示す酵素の形成をもたらす核酸(DNA)のいずれかで
あると理解され、この核酸は、その天然環境から単離さ
れるか、或はベクター中に組み込まれるか、或は原核も
しくは真核DNA中に「外来性」DNAもしくは「追加
的」DNAとして含有させられる。CCoAMT遺伝子
はまた、それらの最初および/または最後に、これらの
遺伝子の機能を妨害しないか或は本質的に妨害しない追
加的DNA配列を含んでいるCCoAMT遺伝子である
と理解される。また「遺伝子単位」と呼ばれるこれらの
DNA配列が、例えば制限酵素を用いた切除によって生
じる、と言うのは、通常の制限酵素は、この遺伝子の正
確な開始および終止部分に在るいかなる開裂部位も利用
できないからである。これらのCCoAMT遺伝子もし
くは遺伝子単位はまた、それらの末端に、それらを操作
するに適当なDNA配列(例えば「リンカー」)を有す
ることができる。
【0008】このCCoAMT遺伝子(または遺伝子単
位)は、それらが植物のゲノム(「ゲノムの」形態に
は、CCoAMTをコード化しない配列および/または
調整作用(例えばイントロン)を示さない配列が含まれ
ている)中に含まれている形態か、或は逆転写酵素/ポ
リメラーゼの助けでmRNAにより得られるcDNA
(「コピー」DNA)(イントロンをもはや含んでいな
い)に相当する形態で、存在できる。これらのCCoA
MT遺伝子はまた、部分的もしくは完全な合成形態でも
存在できる。合成遺伝子はまた、天然遺伝子の部分を新
しく結合させることによって生じるものであると理解さ
れる。
【0009】本発明に従うCCoAMT遺伝子(または
遺伝子単位)中のDNAセグメントまたはDNAは、本
質的に同じ作用を示す他のDNAセグメントもしくはD
NAによって置き換えることができる。
【0010】これに関連して、「外来性」DNAは、特
定の原核もしくは真核ゲノム中には天然に存在していな
いが、ヒトが介在する結果としてのみこのゲノム中に取
り入れられるところの、DNA(特に遺伝子もしくは遺
伝子単位か、或はそれらの構成要素)であると理解され
る。「追加的」DNA(特に遺伝子もしくは遺伝子単位
か、或はそれらの構成要素)は、特別な原核もしくは真
核ゲノム中に天然に存在してはいるが、ヒトが介在する
ことによって追加的量でこのゲノム中に取り入れられた
DNAを意味することを意図している。この「外来性」
DNAもしくは「追加的」DNAの1種以上のコピー
が、問題となる場合の要求および特徴に応じて、組み込
まれ得る。本発明に従うCCoAMT遺伝子(または遺
伝子単位)の助けで植物もしくは植物細胞中に生じるC
CoAMTは、CCoAMTと同様に働きそして植物中
でそれらの有害生物に対する耐性を増大させる酵素のい
ずれかを意味している。
【0011】本発明に従う好適なCCoAMT遺伝子
は、それらが、プラスミドpL2−4に含まれているC
CoAMT−cDNA配列またはその構成要素に対して
か、或はSEQ ID NO:1に従うcDNA配列また
はその構成要素に対して、雑種形成しそしてCCoAM
Tをコード化することを特徴とする。
【0012】本発明に従う好適なCCoAMT遺伝子
は、パセリ(Petroselinum crispum)、人参(Daucus c
arota)、カーネーション(Dianthus caryophyllus)お
よび紅花(Carthamus tinctorius)、特に好適にはパセ
リ中に存在しているCCoAMT遺伝子であり、そして
これらから単離できる。
【0013】プラスミドpL2−4(これは以下に詳細
に記述する)上にcDNAの形態で存在している(遺伝
子単位として)CCoAMT遺伝子、および本質的に同
じ作用を示すDNA配列が、本発明に従うCCoAMT
遺伝子として特に好適である。
【0014】該プラスミド上に含まれているcDNAが
パセリから単離された。これは、370個のヌクレオチ
ド長から成る5’非翻訳リーダー配列および位置371
〜位置1093の完全な蛋白質コード化領域に続く、6
7個のヌクレオチドから成る3’非翻訳配列で構成され
ている。この全体フラグメントの両側に、EcoRIリンカ
ーを与え、そしてベクターpGEM 7(Promega Corp. Madi
son、 Wi.、 USA)中にクローン化した。位置1160〜
1258の3’非翻訳領域の残りの配列は、該プラスミ
ドpL2−4上には存在していない。このポリアデニル
化配列は、合成的に製造できるか、或は他のポリ−A配
列で置き換えることができる。この完全なcDNA配列
は、配列プロトコルSEQ ID No:1から分かる。
【0015】該5’非翻訳領域、該完全コード化領域、
および67個のヌクレオチドから成る該3’非翻訳領域
は、長さが約1170のフラグメントに関して、EcoRI
を用いた通常の様式で単離できる。
【0016】TRプロモーターもしくは35Sプロモー
ターと、該CCoAMT遺伝子、好適にはパセリから得
られる遺伝子、特にプラスミドpL2−4上のcDNA
に相当する遺伝子の、蛋白質コード化領域との、キメラ
的遺伝子融合も特に好適なものとして挙げられる。植物
中に存在しているCCoAMT遺伝子は幅広い範囲のD
NA配列相同性を有していることが見いだされた。従っ
て、この配列相同性を基準にして、本発明に従うCCo
AMT遺伝子は、分子生物学の公知方法を用いた通常の
様式で、プラスミドpL2−4上に含まれているcDN
Aもしくはその構成要素か或はSEQ ID No:1に
従う配列情報の補助による簡潔な様式により、植物から
単離できる。
【0017】本発明に従うCCoAMT遺伝子を単離す
ることが可能な植物は、実際上、全ての単子葉もしくは
双子葉植物、好適には双子葉植物であり、パセリ、人
参、紅花およびカーネーションが例としてそして好適な
ものとして挙げられる。
【0018】既に述べたように、プラスミドpL2−4
上に在るcDNAに相当するところの、CCoAMT遺
伝子もしくはそれらのコード化領域が、本発明に従い好
適である。この遺伝子もしくはこの遺伝子のコード化領
域は、cDNAの補助を用いた通常の様式で得られる。
【0019】大腸菌株のDS pL2−4は、該プラス
ミドpL2−4を有している。この株は、特許手続きの
ための微生物寄託の国際的認識に関するブタペスト条約
の条件に従うDeutsche Sammlung von Mikroorganismen
(DSM)[ドイツ国の微生物収集]、Mascheroder Weg 1b、
D-3300 Braunschweig、 Federal Republic of Germany
に寄託した(寄託日付:1991年5月28日)。寄託番号D
SM6536が与えられた。
【0020】本発明はまた、この菌株およびその変異体
にも関する。この宿主の中に存在しているプラスミドp
L2−4は、この株を増殖させた後、このプラスミドを
単離することによる通常の様式で、所望量が容易に得ら
れる。
【0021】機能的に完全な遺伝子、例えば本発明に従
うCCoAMT遺伝子は、調節作用を示す構成要素(特
にプロモーター)と、この蛋白質CCoAMTの遺伝情
報を指定する構造遺伝子とから成る。
【0022】これらの遺伝子の両方の部分が互いに独立
して使用できる。従って、この調節作用を示す成分と、
植物のゲノムに組み込んだ後発現するもう1つのDNA
配列(このCCoAMT遺伝子から派生する)とを融合
することも可能である。植物もしくは植物細胞中でそれ
らの作用を示すことができるいくつかの単離されたプロ
モーターのみが知られているため、同様に、本発明が関
係しているこのCCoAMT遺伝子のプロモーターは、
形質転換した植物もしくは植物細胞の発生における有益
な補助となる。
【0023】調節作用を示す「外来性」構成要素の後に
該CCoAMT構造遺伝子を含有させることも可能であ
る。これは、調節作用を示す特定な遺伝子構成要素(例
えばこの植物にとって内因性のもの)のみが特定の植物
中で充分な作用を示すことができる場合有利であり得
る。従って、これらのCCoAMT構造遺伝子は、独立
して使用できる価値ある単位であり、そして既に述べた
ように、本発明はまたこれらにも関するものである。本
発明に従うCCoAMT遺伝子は、通常の方法で、調節
作用を示す構成要素と構造遺伝子とに分離できる。天然
に存在している異なるCCoAMT遺伝子の構成要素を
組み合わせて新規な機能的「合成」遺伝子を生じさせる
ことも可能である。本発明に従うこの天然に存在する完
全なCCoAMT遺伝子(または遺伝子単位)が好適に
使用される。該プラスミドpL2−4に含まれているc
DNAに相当するCCoAMT構造遺伝子が、本発明に
従い好適である。
【0024】通常の方法を用いて、該CCoAMT遺伝
子(または遺伝子単位)か、或は1つもしくはいくつか
のコピーで(例えば縦列配列で)それらの構成要素を、
好適には一度、「外来性」もしくは「追加的」DNAと
して所望の原核(好適にはバクテリア)または真核(好
適には植物)DNAのいずれかの中に組み込むことも可
能である。従って、例えば該cDNAに相当する蛋白質
コード化DNAに調節配列を与えることができ、そして
それを植物中に組み込むことができる。本発明は、例え
ば植物もしくは植物細胞を形質転換するために使用で
き、そしてこの形質転換後の植物もしくは植物細胞中に
含まれているところの、この方法で「修飾した」組換え
型DNAに関する。
【0025】該CCoAMT遺伝子(または遺伝子単
位)および/またはそれらの構成要素および組換え型D
NAは、「外来性」または「追加的」DNAとして、ベ
クター(特にプラスミド、コスミドまたはファージ)
中、形質転換した微生物(好適にはバクテリア、特にグ
ラム陰性バクテリア、例えば大腸菌)中、および形質転
換した植物細胞および植物中か、或はそれらのDNA中
に、含有させることができる。本発明は、上記ベクター
類、形質転換した微生物(これらはまた上記ベクター類
を含んでいる)および形質転換した植物細胞および植
物、並びにそれらのDNA、に関するものである。
【0026】既に示したように、本発明に従い、これら
のCCoAMT遺伝子(または遺伝子単位)は、1つも
しくはいくつかのコピー(該ゲノムの、同一もしくは異
なる地点)で、天然の植物ゲノム中に組み込まれ、そし
て異なるCCoAMT遺伝子を互いに組み合わせること
も可能である。CCoAMTを合成する能力を既に有す
る植物の場合、本発明に従う1種以上のCCoAMT遺
伝子を組み込むことで、相当に改良された耐性をもたら
すことができる。CCoAMT遺伝子を全く有していな
い植物の場合、上記遺伝子を組み込むことにより、同様
に、有害生物に対する増大した耐性が達成される。適
宜、本発明に従い、構造遺伝子(これらは、特別な植物
から単離されたものでもよい調節DNA要素に続く)の
みを使用する。
【0027】本発明に従う形質転換した植物細胞および
植物の増大した耐性は、農業および林業、並びに鑑賞用
植物の栽培、医学用植物の栽培および植物育成にとって
重要である。例えば薬学的に有用な物質生産のための植
物細胞培養にとって、微生物有害生物、特に菌・カビに
よる攻撃に対して増大した耐性を示すところの、利用で
きる植物細胞が得られることも有利である。
【0028】従って、本発明はまた、 (a)本発明に従う1種以上のCCoAMT遺伝子(ま
たは遺伝子単位)および/またはこのCCoAMT遺伝
子の(または該遺伝子単位の)構成要素および/または
組換え型DNAを、植物細胞(プロトプラストを含む)
のゲノム中に挿入し、そして適宜 (b)該形質転換型植物細胞(プロトプラストを含む)
から完全な形質転換型植物を再生させ、そして適宜繁殖
させ、そして適宜 (c)この親世代もしくはそれから得られる更に一層の
世代の、得られる形質転換型植物から所望の植物部分
(種子を含む)を得る、 ことを特徴とする、有害生物に対して増大した耐性を示
す形質転換型植物細胞(プロトプラストを含む)および
植物(植物部分および種子を含む)の製造方法にも関す
る。
【0029】操作段階(a)、(b)および(c)は、
公知の操作および方法による通常の様式で実施できる。
【0030】本発明はまた、1種以上のCCoAMT遺
伝子(または遺伝子単位)および/または該CCoAM
T遺伝子(または該遺伝子単位)の構成要素を「外来
性」または「追加的」DNAとして含んでいる形質転換
した植物細胞(プロトプラストを含む)および植物(植
物部分および種子を含む)、並びに上記方法で得られる
形質転換した植物細胞および植物にも関する。
【0031】本発明はまた、(a)植物細胞(プロトプ
ラストを含む)および植物(植物部分および種子を含
む)を形質転換するための、本発明に従うCCoAMT
遺伝子(または遺伝子単位)および/またはそれらの構
成要素および/または組換え型DNAおよび/または本
発明に従う組換え型ベクターおよび/または本発明に従
う形質転換した有機体の使用、(b)繁殖材料の発生の
ため、そして新規植物およびその繁殖材料発生のため
の、本発明に従う形質転換した植物細胞(プロトプラス
トを含む)および植物(植物部分および種子を含む)の
使用、(c)有害生物駆除のための、本発明に従うCC
oAMT遺伝子(または遺伝子単位)および/またはそ
れらの構成要素および/または本発明に従う組換え型D
NAの使用、そして(d)植物からCCoAMT遺伝子
もしくはそれらの構成要素を単離するため、そして植物
中のCCoAMT遺伝子を測定するための、プラスミド
pL2−4上に含まれているcDNAもしくはその構成
要素、および配列プロトコルSEQ ID NO:1に従
う配列情報に相当するDNA配列の使用、にも関する。
【0032】該CCoAMT遺伝子もしくは遺伝子単位
か、或はそれらの構成要素を、「外来性」または「追加
的」DNAとして、植物もしくは植物細胞の遺伝材料中
に挿入するために利用できる数多くの異なる方法が存在
している。この遺伝子転移は、一般的に通常の公知方法
によって行うことができ、その結果、技術者は適切な特
定方法を困難さ無しに決定することができるであろう。
【0033】アグロバクテリウム・ツメファシエンス
(Agrobacterium tumefaciens)から得られるTiプラ
スミドは、外来性DNAを双子葉および単子葉植物のゲ
ノムに転移させるための、特に好ましくそして幅広く利
用できるベクターとして利用できる。CCoAMTをコ
ード化する遺伝材料を、調節DNA配列と一緒に適切な
TiプラスミドのT−DNA中に挿入した後(例えばZa
mbryski他、 1983)、これらの植物の感染、即ち植物部
分もしくは植物組織、例えば葉の盤、茎、胚軸、子葉、
分裂組織およびそれらから出る組織、例えば2番目の胚
およびカルスなどの感染によるか、或はプロトプラスト
とアグロバクテリウム・ツメファシエンスとの共培養に
よって転移させる。
【0034】代替方法は、多カチオンまたはカルシウム
塩およびポリエチレングリコールの存在下、植物のプロ
トプラスト中で、所望の遺伝子を含んでいる精製DNA
を培養することである(例えばHain他、 1985; Krens他、
1982; Paszkowski他、 1984)。
【0035】このDNAの取り込みもまた、更に、電場
(エレクトロポレーション)によって促進される(例え
ばFromm他、 1986)。
【0036】このDNAを有するところの、物理的に促
進された粒子を用いて、花粉を「発芽」させることによ
る、植物花粉を用いた公知の方法でDNAを導入するこ
ともできる(EP-A 0,270,356参照)。
【0037】これらの植物は、適切な栄養培地の補助で
公知の方法により再生する(例えばNagyおよびMaliga、
1976)。
【0038】本発明に従う方法の好適な具体例におい
て、該プラスミドpL2−4から得られるcDNAを発
現ベクター(例えばpRT101、 Toepfer他、 1988)中にク
ローン化する。次に、このキメラ的に構築した遺伝子
を、制限酵素Hind IIIを用いて単離した後、アグロバク
テリウム・ツメファシエンスに対する中間的ベクター
(例えばpCV001、 KonczおよびSchell 1986)中に転移さ
せる(KonczおよびSchell 1986)。
【0039】二者択一的に、このキメラ的に構築した遺
伝子を、プラスミドplGVneo 1103(Hain他 1985)のHin
d III位置中にクローン化し、そして特に好適な具体例
において、このプラスミドplGVneo 1103中のそのキメラ
的に構築した遺伝子を、通常の様式で、直接的遺伝子転
移により植物プロトプラストに転移させる(例えばHain
他 1985)。このプラスミドは環状であってもよいが、
好適にはここでは線状である。
【0040】このプラスミドをリポーター遺伝子と共に
使用する場合、次に、CCoAMTの発現に関して、カ
ナマイシン耐性を示すプロトプラストを検査する。
【0041】公知の方法、例えば再生用植物プロトプラ
ストもしくは細胞培養物とアグロバクテリウム・ツメフ
ァシエンスとを共培養(例えばMarton他 1979、 Hain他
1985)することによる葉盤状物の形質転換(例えばHors
ch他 1985)を行うか、或は直接的DNA移入によっ
て、形質転換型(形質転換した)植物もしくは植物細胞
を再生させる。得られる形質転換型植物を、例えばイン
ビトロでの硫酸カナマイシンの燐酸化によるレポーター
遺伝子の発現に関する選択によってか(Reiss他1984; S
chreier他 1985)、或はノパリンシンターゼの発現によ
って(Aerts他 1983に従う)検出するか、或はCCoA
MTを、ノーザンブロット分析およびウエスタンブロッ
ト分析によって検出する。このCCoAMTはまた、形
質転換した植物中、特定の抗体の補助を用いた公知の様
式で検出される。
【0042】この形質転換した植物細胞の培養、そして
完全な植物を与えるための再生は、特に適切な栄養培地
の補助を用いた一般的に通常の方法で行われる。
【0043】本発明に従うCCoAMT遺伝子を含んで
おり、そして本発明に関係したところの、形質転換型植
物細胞および形質転換型植物の両方共、有害生物、特に
植物病原性菌・カビ、に対してかなり高い耐性を示す。
【0044】本発明に関連したこの言葉「植物」は、完
全な植物およびまた植物の部分、例えば葉、種子、塊茎
および切片など、の両方を表している。「植物細胞」に
は、プロトプラスト、細胞系、および植物カルスなどが
含まれる。「繁殖材料」は、形質転換した植物および植
物細胞の繁殖で使用できる植物および植物細胞を表すも
のであり、従って、本発明はこの材料にも関する。
【0045】これに関連した言葉「本質的に同じ作用を
示すDNA配列」は、本発明はまた、CCoAMTがも
はや生じなくなるとか或は調節遺伝子構成要素がもはや
活性を示さなくなるようには該CCoAMT遺伝子およ
びそれらの構成要素の機能が損なわれていない修飾物に
も関する、ことを意味している。相当する修飾は、DN
A断片、個々のコドンおよび/または個々のヌクレオチ
ドの置換、付加および/または除去によって行われ得
る。
【0046】本発明に従って使用できる微生物の場合、
「変異体」は、本発明の履行に必須な特徴をまだ有して
おり、そして特にその特別なプラスミドを含んでいると
ころの、修飾した微生物を意味している。
【0047】本発明に従うCCoAMT遺伝子の組み込
み(形質転換)により、有害生物に対する耐性もしくは
増大した耐性を与え得る植物には、実際上全ての植物が
含まれる。勿論、作物植物、例えば森林植物、例えばエ
ゾマツ、モミ、アメリカマツ、マツ、カラマツ、ブナお
よびカシ、並びに食品および原料を供給する植物、例え
ば穀類(特にコムギ、ライムギ、オオムギ、カラスム
ギ、キビ、コメおよびトウモロコシ)、ジャガイモ、マ
メ科の植物(例えばマメ類、特にアルファルファおよび
ダイズ)、野菜類(特に種々のキャベツおよびトマ
ト)、果物(特にリンゴ、ナシ、サクランボ、ブドウ、
柑橘類、パイナップルおよびバナナ)、アブラヤシ、
茶、カカオおよびコーヒー低木、タバコ、シサル麻およ
び綿、そして薬用植物、例えばラウオルフィア(Rauwol
fia)およびジギタリスなどに、耐性を生じさせるため
の特別な必要性が存在している。ジャガイモ、トマトお
よびマメ科の植物が特に好適なものとして挙げられる。
本発明に従うCCoAMT遺伝子は、好適には、「外来
性」DNAとして植物のゲノム中に組み込まれる。
【0048】本発明に従うCCoAMT遺伝子の助け
で、それに対する耐性もしくは上昇した耐性が達成され
得る有害生物として、動物有害生物、例えば昆虫、ダニ
および線虫、並びに微生物有害生物、例えば植物病原性
菌・カビ、バクテリアおよびウイルスが挙げられる。微
生物有害生物、特に植物病原性菌・カビが特に選ばれ
る。
【0049】有害な昆虫には、特に下記の目の昆虫が含
まれる:直し目(Orthoptera)、ハサミムシ目(Dermap
tera)、シロアリ目(Isoptera)、アザミウマ目(Thys
anoptera)、半し目(Heteroptera)、同し目(Homopte
ra)、鱗し目(Lepidoptera)、しょうし目(Coleopter
a)、膜し目(Hymenoptera)および双し目(Dipter
a)。
【0050】有害なダニには、特に下記のものが含まれ
る:ホコリダニ(Tarsonemus spp.)、ミカンリンゴホ
コリダニ(Panonychus spp.)およびナミハダニ(Tetra
nychus spp.)。
【0051】有害な線虫には、特に下記のものが含まれ
る:プラチレンクス(Pratylenchus spp.)、ヘテロデ
ラ(Heterodera spp.)およびメロイドジン(Meloidogy
ne spp.)。
【0052】微生物有害生物には、特に下記の如き植物
病原性菌・カビが含まれる:プラスモジオフォロミセテ
ス(Plasmodiophoromycetes)、卵菌類(Oomycetes)、
キトリジオミセテス(Chytridiomycetes)、接合菌類
(Zygomycetes)、子のう菌類(Ascomycetes)、担子菌
類(Basidiomycetes)および不完全菌類(Deuteromycet
es)。
【0053】植物病原性バクテリアには、特にプソイド
モナス科(Pseudomonadaceae)、リゾビ科(Rhizobiace
ae)、腸内細菌科(Enterobacteriaceae)、コリネバク
テリウム科(Corynebacteriaceae)およびストレプトミ
セス科(Streptomycetaceae)が含まれる。
【0054】ウイルスの病気には、特にモザイク(mosa
ic)、発育不全(dwarfing)および黄枯れ(yellowin
g)ウイルス病が含まれる。
【0055】上に挙げた属名に入るウイルス、菌・カビ
およびバクテリア病の、いくつかの原因となる有機体の
例として、これに限定されるものではないが、次のもの
が挙げられる:オオムギ黄枯れ発育不全ウイルス(BY
DV)、ジャガイモウイルスY(PVY)、キュウリモ
ザイクウイルス(CMV)、スイカモザイクウイルス
(WMV)、トリステザ(Tristeza)ウイルス、タバコ
モザイクウイルス(TMV)、タバコたい壊ウイルス
(TNV)、ビートたい壊黄枯れ葉脈ウイルス(BNY
VV)、リゾマニア(rhizomania)ウイルス。
【0056】キサントモナス(Xanthomonas)種、例え
ばキサントモナス・カンペストリスpv.オリザエ(Xanth
omonas campestris pv. oryzae);プソイドモナス(Ps
eudomonas)種、例えばプソイドモナス・シリンガエpv.
ラクリマンス(Pseudomonas syringae pv. lachryman
s);エルウイニア(Erwinia)種、例えばエルウイニア・
アミロヴォラ(Erwinia amylovora);ピチウム(Pythi
um)種、例えば苗立ち枯れ病(Pythium ultimum);フ
イトフトラ(Phytophthora)種、例えば疫病(Phytopht
hora infestans);プソイドペロノスポラ(Pseudopero
nospora)種、例えばべと病(Pseudoperonospora humul
iまたはPseudoperonospora cubense);プラスモパラ
(Plasmopara)種、例えばべと病(Plasmopara viticol
a);ツユカビ(Peronospora)種、例えばべと病(Pero
nospora pisiまたはP. brassicae);エリシフエ(Erys
iphe)種、例えばうどんこ病(Erysiphe graminis);
スフアエロテカ(Sphaerotheca)種、例えばうどんこ病
(Sphaerotheca fuliginea);ポドスフエラ(Podospha
era)種、例えばうどんこ病(Podosphaera leucotrich
a);ベンチユリア(Venturia)種、例えば黒星病(Ven
turia inaequalis);ピレノホラ(Pyrenophora)種、
例えば網斑病(Pyrenophora teresまたはP. gramine
a);(分生胞子器型: Drechslera、同義: Helmintho
sporium)コクリオボルス(Cochliobolus)種、例えば
斑点病(Cochliobolus sativus);(分生胞子器型: D
rechslera、同義: Helminthosporium)ウロミセス(Ur
omyces)種、例えばさび病(Uromyces appendiculatu
s);プシニナ(Puccinia)種、例えば赤さび病(Pucci
nia recondita);ふすべ菌属(Tilletia)種、例えば
網なまぐさ黒穂病(Tilletia caries);黒穂病(Ustil
ago)種、例えば裸黒穂病(Ustilago nudaまたはUstila
go avenae);ペリキユラリア(Pellicularia)種、例
えば紋枯病(Pellicularia sasakii);ピリキユラリア
(Pyricularia)種、例えばいもち病(Pyricularia ory
zae);フーザリウム(Fusarium)種、例えばフーザリウ
ム・クルモルム(Fusarium culmorum);灰色かび属(B
otrytis)種、例えば灰色かび病(Botrytis cinere
a);セプトリア(Septoria)種、例えばふ枯病(Septo
ria nodorum);レプトスフエリア(Leptosphaeria)
種、例えばレプトスフエリア・ノドルム(Leptosphaeri
a nodorum);セルコスポラ(Cercospora)種、例えば
セルコスポラ・カネセンス(Cercospora canescens);
アルテルナリア(Alternaria)種、例えば黒斑病(Alte
rnaria brassicae)およびプソイドセルコスポレラ(Ps
eudocercosporella)種、例えばプソイドセルコスポレ
ラ・ヘルポトリコイデス(Pseudocercosporella herpot
richoides)。更にヘルミントスポリウム・カルボヌム
(Helminthosporium carbonum)も挙げられる。
【0057】以下に示す具体例を用いて本発明を更に詳
しく説明する。
【0058】1. パセリからの、CCoAMTに関す
る遺伝子の単離 パセリ(Petroselinum crispum)から得られる植物およ
び細胞培養物は、CCoAMTの生成をもたらすCCo
AMTのための遺伝子を含んでいる(この蛋白質の大き
さ27,000D;特異的抗血清と反応)。
【0059】例えば、下記のハンドブック中に詳細に記
述されている如き分子生物学に関する公知の操作および
方法を、該CCoAMT遺伝子の単離で用いた:Maniat
is,T.、 Fritsch, E.F.、 Sambrook, J.:「分子クローニ
ング:実験室マニュアル」」(Molecular Cloning:A La
boratory Manual);Cold Spring Harbor Laboratory、
第2版、 1989。
【0060】パセリの「遺伝子ライブラリー」を最初に
下記の如く確立する:富裕化した細胞核から得られるゲ
ノム状DNA(Bedbrook, J.、 Plant Molecular Biolog
y Newsletter 2、 24、 1981)を、制限酵素NdeIIで切断
することにより、約12,000個のヌクレオチド対か
ら成る平均長を有するDNAフラグメントを生じさせ
る。これらのフラグメントを、ラムダファージEMBL4のB
amHI部位にクローン化し(Frischauf他、 J. Mol. Biol.
170、 827-842、 1983)そしてこれらのファージを大腸
菌中で繁殖させる。このファージ量は全体として、サブ
フラグメントにクローン化したとき、パセリ全体のゲノ
ム状DNAを含んでおり、従ってCCoAMTのための
遺伝子も含んでいる。
【0061】CCoAMTのための遺伝子、それらのm
RNAおよびCCoAMTシンターゼcDNA各々は、
同じ核酸配列を有している、と言うのは、それらは互い
から派生し得るからである(遺伝子→mRNA→cDN
A)。このことは、CCoAMTのための遺伝子は、C
CoAMT−cDNA(SEQ ID NO:1を参照)
か、或はこの配列から誘導できる特異的オリゴヌクレオ
チド、に対して特異的に雑種形成させることによって同
定できる。これらの遺伝子を有するファージを雑種形成
によって同定し、そしてそれらを単離した後、増殖させ
る。このファージ中にクローン化したところの、パセリ
から得られるゲノム状DNAの地図を更に、種々の制限
酵素を用いた分析で決定し、そしてcDNA配列もしく
は合成オリゴヌクレオチドを用いた更に一層の雑種形成
実験によって、CCoAMT遺伝子の位置を決定する。
最後に、制限酵素を用いた消化により、これらの遺伝子
単位を該ファージから切り出し、相当して切り出したプ
ラスミドベクター中にクローン化した後、組換え型プラ
スミドとして増殖させる。
【0062】配列相同性のため、プラスミドpL2−4
上のcDNA中に含まれている配列に相当するDNA配
列は、本発明に従う他のCCoAMT遺伝子を単離する
ためのプローブとして使用できる。
【0063】2. タバコの形質転換 a)タバコシュートの培養およびタバコプロトプラスト
単離:ニコチアナ・タバクム(Nicotiana tabacum)(P
etit Havanna SR1)を、ホルモンが入っていないLS培
地上の無菌シュート培養物として繁殖させる(Linsmaie
rおよびSkoog 1965)。約6〜8週の間隔で、シュート
断片を新鮮なLS培地に転移させる。これらのシュート
培養物を、24〜26℃の培養室中、光(1000〜3
000ルックス)の中に12時間保つ。
【0064】葉のプロトプラストを単離する目的で、約
2gの葉(約3〜5cm長)を、新しい剃刀の刃で小さ
い片(0.5cmx1cm)に切断する。この葉材料
を、K3培地(NagyおよびMaliga 1976)、0.4Mの
スクロース、pH5.6、2%のZellulase R10(Serv
a)および0.5%のMacerozym R10(Serva)が入って
いる酵素溶液20mL中、室温で14〜16時間培養す
る。次に、0.30mmx0.1mmの鋼製ふるいを用
いて濾過することにより、細胞残渣からプロトプラスト
を分離する。この濾液を100xgで10分間遠心分離
する。この遠心分離中、無傷のプロトプラストが浮遊
し、そしてこの酵素溶液の上縁に帯として集積する。細
胞残渣のペレットおよび酵素溶液を、ガラス製毛細管で
吸い出す。新鮮なK3培地(浸透剤として0.4Mのス
クロース)を用いて、この前精製したプロトプラストの
量を10mLにした後、再び浮遊させる。この洗浄用培
地を吸い出した後、これらのプロトプラストを、培養も
しくは引き続くアグロバクテリウムによる感染(共培
養)のため、1〜2x105/mLに希釈する。このプ
ロトプラストの濃度を計数チャンバ中で測定する。
【0065】b)キメラ的CCoAMT遺伝子の構築、
およびアグロバクテリウム・ツムファシエンス中への転
pL2−4から得られるEcoRIフラグメント(約1.2
kb)を、ベクターpRT101のEcoRI位置にクローン化す
る(Toepfer他、 1988)。これが、このcDNAの5’
末端上にCaMVの35Sプロモーターと、その3’末端に
CaMVからのポリアデニル化配列を生じさせる。次に、こ
のキメラ的に構築した遺伝子を、HindIIIを用いた開裂
により、約1.9kbから成るフラグメントとして機能
的に単離する。次に、このHindIIIフラグメントを、通
常の方法により、中間的ベクター、例えばpCV001(Konc
zおよびSchell、 1986)中に転移させる。上に挙げたベ
クターの代わりに、相当する開裂部位を有する他の所望
の発現ベクターおよび中間的ベクターのいずれかが使用
でき、上記情報を基にして技術者は容易に適切な選択を
行い得るであろう。この得られる中間的ベクター(これ
は該CCoAMT遺伝子を含んでいる)を、機能的vir
領域を含んでいるアグロバクテリウム・ツムファシエン
スに転移させる(KonczおよびSchell 1986、van Haute
他 1983)。
【0066】c)アグロバクテリウム・ツムファシエン
スとの共培養による、再生用タバコプロトプラストの形
質転換 最小限の修飾を行い、下記のMarton他 1979の方法を用
いる。記述したようにしてプロトプラストを単離した
後、26℃で、暗所中2日間そして弱い光(500ルッ
クス)の下で1〜2日間、K3培地(0.4Mのスクロ
ース、0.1mg/LのNAA、0.2mgのキネチ
ン)中1〜2x105/mLの密度で培養する。これら
のプロトプラストの第一分裂が生じたら直ぐ、最小A
(Am)培地中、b)に従うアグロバクテリウム懸濁液
30μL(約109個のアグロバクテリウム/mLから
成る密度)を、再生用プロトプラスト3mLに加える。
この共培養の期間は、暗所中20℃で3〜4日間であ
る。その後、これらのタバコ細胞を12mLの遠心分離
管に入れ、海水(600mOsm/kg)で10mLに
希釈した後、60xgで10分間ペレット化する。この
洗浄操作を更に1〜2回繰り返して、大部分のアグロバ
クテリウムを除去する。この細胞懸濁液を、1mg/L
のNAA(ナフチル−1−酢酸)、0.2mg/Lのキ
ネチンおよび500mg/Lのセファロスポリン系抗生
物質セフォタキシムが入っているK3培地(0.3Mの
スクロース)中、5x104/mLの密度で培養する。
この細胞懸濁液を毎週新鮮なK3培地で希釈し、そして
この培地の浸透値を、1週当たり0.05Mのスクロー
ス(約60mOsm/kg)で徐々に低下させる。アガ
ロース「ビード型培養」(Shillito他 1983)中で共培
養した後、2〜3週で、カナマイシン(100mg/L
の硫酸カナマイシン(Sigma)、660mg/gの活性
km)を用いた選択を開始する。この選択開始後3〜4
週間で、遅れたコロニーの背景から、カナマイシン耐性
コロニーが区別できる。
【0067】d)DNAを用いたタバコプロトプラスト
の直接的形質転換。硝酸カルシウム−PEG形質転換 20μgのプラスミドpCV001::CCoAMT(図3を参
照)を含有しているDNA水溶液20μLと一緒に、ペ
トリ皿中、K3培地180μL中約106個のプロトプ
ラストを注意深く混合する。このプラスミドpCV001::C
CoAMTは、該プラスミドpCV001、pRT101およびpL
2−4(図1〜3参照)から公知の方法で得られる。次
に、200μLの融合用溶液(0.1Mの硝酸カルシウ
ム、0.45Mのマンニトール、25%のポリエチレン
グリコール(PEG6000)、pH9)を注意深く加
える。15分後、5mLの洗浄用溶液(0.275Mの
硝酸カルシウム、pH6)を加え、そして更に5分後、
該プロトプラストを遠心分離管中に移した後、60xg
でペレット化する。このペレットを少量のK3培地中に
取り上げた後、次のセクションに記述するように培養す
る。二者択一的に、これらのプロトプラストは、Hain他
1985が記述するようにして形質転換できる。
【0068】e)DNAと一緒に培養したプロトプラス
トの培養、およびカナマイシン耐性カルスの選択 以下記述するカナマイシン耐性コロニーの培養および選
択で、修飾した「ビード型培養」技術(Shillito他 198
3)を用いる。DNAを用いて該プロトプラストを処理
して1週後(dを参照)、5cmのペトリ皿中、3mL
のK3培地(0.3Mのスクロース+ホルモン類;1.
2%(Seaplaque)のLMTアガロース(低融点のアガ
ロース、Marine Colloids)と一緒に上記細胞懸濁液3
mLを混合する。この目的のため、上記アガロースを乾
燥状態でオートクレーブにかけ、そしてK3培地を添加
した後、これを少しの間電子レンジ中で沸騰させる。こ
のアガロースが固化した後、更に一層の培養および選択
のため、埋め込んだタバコのミクロカルスが入っている
10cmのペトリ皿中に、該アガロース盤(「ビー
ド」)を移し、そして各場合共、10mLのK3培地
(0.3Mのスクロース、1mg/LのNAA、0.2
mg/Lのキネチン)および100mg/Lの硫酸カナ
マイシン(Sigma)を加える。この液体培地を毎週交換
する。この操作中、この培地の浸透値は段階的に低下す
る。
【0069】1週当たり0.05Mのスクロース(約6
0mOsm)により、この置換した培地(K3+km)
を低下させる。
【0070】 DNA形質転換後の、カナマイシン耐性タバココロニー選択に関する時間表: 0.4M 0.3M 0.25M 0.20M 0.15M 0.10M (液状培地中のスクロース) AES K 1 2 3 4 5 6 (DNA 吸収後の週数) (K3培地 1mgのNAA、0.2mgのキネチン) A=DNA吸収 E=アガロース中の埋め込み S=カナマイシンを用いた選択(100mg/Lの硫酸
カナマイシン) K=カナマイシン耐性コロニーが背景から明確に区別で
きる。
【0071】e)カナマイシン耐性植物の再生 カナマイシン耐性コロニーの直径が約0.5cmに達し
たら直ぐ、それらの半分を再生用培地(LS培地、2%
のスクロース、0.5mg/Lのベンジルアミノプリン
BAP)上に撒き、そして24℃で、光(3000〜5
000ルックス)中12時間、培養室の中に置く。もう
1つの半分を、1mg/LのNAA、0.2mg/Lの
キネチン、0.1mg/LのBAPおよび100mg/
Lの硫酸カナマイシンが入っているLS培地上で、カル
ス培養物として繁殖させる。この再生したシュートの大
きさが約1cmになった時、それらを切り出し、そして
根だしのため、成長制御剤無しの1/2LS培地(1%
のスクロース、0.8%の寒天)上に撒く。これらのシ
ュートを、100mg/Lの硫酸カナマイシンが入って
いる1/2MS培地上で根だしさせた後、土壌中に移
す。
【0072】g)アグロバクテリウム・ツムファシエン
スによる葉盤状物の形質転換 葉盤状物を形質転換するため(Horsch他 1985)、無菌
のシュート培養物から、長さが約2〜3cmの葉を、直
径が1cmの盤状物に打ち抜いた後、Am培地(以下を
参照)中の適当なアグロバクテリウム(約109/m
L)(c参照)懸濁液と一緒に約5分間培養する。この
感染した葉片を、約24℃で3〜4日間、ホルモンが入
っていないMS培地(以下を参照)上に保存する。この
期間中、アグロバクテリウムはその葉片上で増殖する。
次に、これらの葉片をMS培地(0.5mg/mLのB
AP、0.1mg/mLのNAA)中で洗浄した後、5
00μg/mLのセフォタキシムおよび100μg/m
Lの硫酸カナマイシンが入っている同じ培地(0.8%
の寒天)上に置く。この培地は2週間後再び新しくすべ
きである。更に2〜3週間後に、形質転換したカナマイ
シン耐性シュートが現れる。
【0073】形質転換に関する生化学的検出方法 ネオマイシンホスホトランスフェラーゼ(NPT I
I)酵素試験:下記のように、Reiss他(1984)が記述
しそしてSchreier他 (1985)が修飾した如く、カナマ
イシンのインサイチュー燐酸化によって、植物組織中の
NPTII活性を検出する。ガラス粉末を添加した50
μLの抽出用緩衝液(10%のグリセロール、5%の2
−メルカプトエタノール、0.1%のSDS、0.02
5%のブロモフェノールブルー、62.5mMのトリ
ス、pH6.8)中、氷上で50mgの植物組織を均一
化した後、エッペンドルフ遠心分離中、4℃で10分間
遠心分離する。この上澄み液50μLを、未変性のポリ
アクリルアミドゲル(145x110x1.2mm;分
離用ゲル:10%のアクリルアミド、0.33%のビス
アクリルアミド、0.375MのトリスpH8.8、採
取用ゲル:5%のアクリルアミド、0.165%のビス
アクリルアミド、0.125MのトリスpH6.8)に
かけた後、4℃で一晩、60Vの電気泳動を行った。ブ
ロモフェノールブルーのマーカーがそのゲルから流れ出
た後直ぐ、このゲルを2回蒸留水で10分間洗浄し、そ
して一度反応用緩衝液(67mMのトリス−マレート、
pH7.1、42mMのMgCl2、400mMの塩化
アンモニウム)で30分間洗浄する。このゲルを、同じ
大きさのガラス製プレート上に置いた後、その基質であ
る硫酸カナマイシン(20μg/mL)と20〜200
μCiの32P ATP(Amersham)とが入っている反応
用緩衝液中1%濃度のアガロース40mLから成る層で
覆った。このサンドイッチ状にしたゲルを、室温で30
分間培養した後、1枚のホスホセルロース紙P81(Wh
atman)をそのアガロース上に置く。4層の3MM濾紙
(Whatman)と数枚の紙ハンカチーフを上に重ねる。こ
のP81紙上にインサイチューで燐酸化した放射性燐酸
カナマイシンの転移を、3〜4時間後停止させる。この
P81紙を、プロテイナーゼKと1%のドデシル硫酸ナ
トリウム(SDS)とから成る60℃溶液中で30分間
培養した後、250mLの10mM燐酸塩緩衝液pH
7.5中80℃で3〜4回洗浄し、乾燥し、そして−7
0℃で1〜12時間オートラジオグラフィーにかける
(コダック製XAR5フィルム)。
【0074】4. ソラヌム・ツベロスム(Solanum tu
berosum)(ジャガイモ)の形質転換 この形質転換を、EP-A-0,242,246、14-15頁中に記述し
たのと全く同様にして行い、即ち、このアグロバクテリ
ウムは、該CCoAMT遺伝子もしくはCCoAMT遺
伝子類を有するTiプラスミドを含んでいる。
【0075】上記実施例中の全てのパーセントに関する
データは、特に明記されていない限り、重量%に関す
る。
【0076】上記実施例に従って得られる植物細胞およ
び植物(タバコ)中に該CCoAMT遺伝子が存在して
いることを、サザンブロット分析によって確認した。こ
のCCoAMT遺伝子の発現をノーザンブロット分析に
より検出し、そしてCCoAMTを特異的抗体の助けで
検出した。
【0077】植物および植物細胞の形質転換で用いた培
地のいくつかを以下に記述する。
【0078】Am培地 3.5g の K2HPO4 1.5g の KH2PO4 0.5g の クエン酸Na3 0.1g の MgSO4×7H2O 1 g の (NH42SO4 2 g の グルコース 11にたいしてタバコの無菌シュート培養用培地 多量要素 MS塩濃度の1/2 少量要素 MS塩濃度の1/2 Fe−EDTA MurashigeおよびSkoog(MS) ミオ−イノシトール 100mg/l スクロース 10mg/l 寒天 8mg/l ビタミン類 パントテン酸Ca 1mg/l ビオチン 10mg/l ニコチン酸 1mg/l ピリドキシン 1mg/l チアミン 1mg/l オートクレーブかける前pH5.7K3培地 ニコチアナ・タバクム・ペチト(Nicotiana tabacum pe
tit)Havana SR1、ニコチアナ・タバクムWisconsin 38
およびニコチアナ・プルマギニホリア(Nicotiana plum
aginifolia)のプロトプラスト培養用(NagyおよびMali
ga、 1976) 多量要素 NH4NO3 250 mg/l KNO3 2500 mg/l CaCl2・2H2O 900 mg/l MgSO4・7H2O 250 mg/l NaH2PO4・1H2O 150 mg/l (NH42SO4 134 mg/l CaHPO4・1H2O 50 mg/l 少量要素 H3BO3 3 mg/l MnSO4・1H2O 10 mg/l ZnSO4・4H2O 2 mg/l KI 0.75 mg/l Na2MoO4・2H2O 0.25 mg/l CuSO4・5H2O 0.025mg/l CoCl2・6H2O 0.025mg/l Fe−EDTA Na2EDTA 37.2 mg/l FeSO4・7H2O 27.8 mg/l イノシトール 100 mg/l スクロース 137 g/l (=0.4M) キシロース 250 mg/l ビタミン類 ニコチン酸 1 mg/l ピリドキシン 1 mg/l チアミン 10 mg/l ホルモン類 NAA 1.0 mg/l キネチン 0.2 mg/l pH5.6 無菌フィルターLinsmaierおよびSkoog培地 (LinsmaierおよびSkoog 196
5) 再生用プロトプラストの培養用、およびタバコ腫瘍およ
びカルスの組織培養用。LinsmaierおよびSkoog(LS)
培地は、下記の修飾を行ったMurashigeおよびSkoog培地
(MurashigeおよびSkoog 1962)である: − 0.1mg/Lの代わりに0.4mg/Lの高濃度
で、チアミンを計量して入れる; − グリシン、ピリドキシンおよびニコチン酸を存在さ
せない。
【0079】 多量要素 NH4NO3 1650 mg/l KNO3 1900 mg/l CaCl2・2H2O 440 mg/l MgSO4・7H2O 370 mg/l KH2PO4 170 mg/l 少量要素 H3BO3 6.2 mg/l MnSO4・1H2O 22.3 mg/l ZnSO4・4H2O 8.6 mg/l KI 0.83 mg/l Na2MoO4・2H2O 0.25 mg/l CuSO4・5H2O 0.025mg/l CoCl2・6H2O 0.025mg/l Fe−EDTA Na2EDTA 37.2 mg/l FeSO4・7H2O 27.8 mg/l イノシトール 100 mg/l スクロース 30 g/l 寒天 8 g/l ビタミン類 チアミン 0.4 mg/l ホルモン類 NAA 1 mg/l キネチン 0.2 mg/l オートクレーブにかける前のpH5.7。
【0080】以下に示す文献が、植物および植物細胞の
形質転換に関して引用できる:Fraley R.T., Rogers S.
G., Horsch R.B., Sanders P.R., Flick J.S., AdamsS.
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erium linary)ベクターによって運ばれるキメラ遺伝子
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および交換組換え:アグロバクテリウム・ツメファシエ
ンスのTiプラスミドの、逆遺伝学に対する新規方策」
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DNAを導入するためのTiプラスミドベクター」EMBO
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4) 「粗細胞部中のネオマイシンホスホトランスフェラーゼ
の定性および定量分析用新規高感度方法」GENE 1081:21
1-217。 「光調節合成に特異的な核コード化配列の使用、および
植物クロロプラストへの外来性蛋白質の移送」以下に示
す公開特許出願も更に挙げられる: EP−A 116,718 EP−A−126,546 EP−A 159,418 EP−A−164,597 EP−A 120,515 EP−A−175,966 EP−A−120,516 WO 84/02913 EP−A−172,112 WO 84/02919 EP−A−140,556 WO 84/02920 EP−A−174,166 WO 83/01176 EP−A−122,791 以下に示す実施例を用いて、本発明に従い形質転換した
植物の増大した耐性を説明する。
【0087】形質転換した植物の増大した耐性の検出 実施例A 植物の病気に対する増大した耐性を試験する目的で、植
物に病原体を接種した後、攻撃の度合をパラメーターと
して用いる。ボトリチス・シネレア(Botrytiscinere
a)Pers.を試験病原体として用いる。
【0088】タバコ植物を予め組織培地中で成長させた
後、温室の中で、ポット(直径11cm)中の標準土壌
(Balster)に植え付けた後、実験を開始するまで、2
3℃で70〜80%の大気相対湿度の温室中で発育させ
る。これらの植物には、要求に応じて水および肥料を与
える。接種するため、植物の葉(温室に移した後3〜4
週)に、滴り落ちるまで病原体の胞子懸濁液を噴霧す
る。その後、これらの植物を、100%の大気相対湿度
および10〜20℃で培養する。4〜8日後、攻撃され
た葉の面積により、パーセントとして、これらの植物の
健康状態を測定する。
【0089】本発明に従うCCoAMT遺伝子が挿入さ
れている形質転換型タバコ植物は、非形質転換型植物の
それよりも有意に低い、ボトリチス・シネレアによる攻
撃を示している。
【0090】好適な雑種形成条件 上述したように、本発明に従う好適なCCoAMT遺伝
子は、それらが、プラスミドpL2−4に含まれている
CCoAMT−cDNA配列もしくはそれらの構成要素
か、或はSEQ ID NO:1に従うcDNA配列もし
くはそれらの構成要素に対して雑種形成しそしてCCo
AMTをコード化することを特徴としている。
【0091】好適な中間緊縮条件を用いる。中間緊縮条
件は、好適には、3〜4倍に濃縮されたSSC中58〜
65℃(特に好適には63℃)であることを意味してい
る。他の給源からCCoAMT遺伝子を単離するために
この方法を用いる場合、通常、関連した配列を有するc
DNAの集団が得られ、これらは、例えば大腸菌中で発
現し得る。この酵素活性を測定することができ(例えば
Pakusch他、 Arch. Biochem. Biophys. 271 (1989)、 48
8-494頁)、そして所望のcDNAが単離できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、EcoRVフラグメント上にCCoAM
T遺伝子の蛋白質コード化配列(SEQ ID NO:1
参照)を含んでいるプラスミドpL2−4の図を示して
いる。
【図2】 図2は、キメラCCoAMT遺伝子を含んで
いるプラスミドpRT101::CCoAMTの図を示してい
る。
【図3】 図3は、キメラCCoAMT遺伝子を含んで
いるプラスミドpCV001::CCoAMTの図を示してい
る。
【符号の説明】
1 :コード化領域の開始 2 :コード化領域の終止 CaMV :カリフラワーモザイクウイルス CbR :カルベニシリン耐性遺伝子 E :EcoRI開裂部位 H :HindIII開裂部位 KmR :植物に関するカナマイシン耐性遺伝子 P35S :CaMV35Sプロモーター pA35S :CaMVのポリアデニル化配列 RV :EcoRV S :SST1開裂部位 矢印方向 :プロモーターおよび遺伝子の方向 LB :アグロバクテリウム・ツメファシエンスの
T−DNAの左境界配列 RB :アグロバクテリウム・ツメファシエンスの
T−DNAの右境界配列 SEQ ID NO:1 配列の種類:相当する蛋白質と共にヌクレオチド 配列長:1258個の塩基対 ストランド形態:1本鎖 トポロジー:線状 分子の種類:cDNA 元の源 有機体:パセリ 直接実験源 細胞系の名称:パセリ細胞培養(ペトロセリヌム・クリ
スプム(Petroselinum crispum)) 特徴:1〜370BP 5’非翻訳領域 371〜1093BP 成熟ペプチド 1094〜1258BP 3’非翻訳領域 特性:パセリから得られるカフェオイル−CoA 3−
O−メチルトランスフェラーゼに関するcDNA
【化1】
【化2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A01H 7/00 8502−2B C12N 1/21 7236−4B 5/10 9/10 7823−4B 15/70 15/84 //(C12N 1/21 C12R 1:19) (C12N 5/10 C12R 1:91) (72)発明者 ハンス−イエルク・ライフ ドイツ連邦共和国デー5000ケルン41・ゴツ テスベーク165 (72)発明者 クラウス・シユテンツエル ドイツ連邦共和国デー4000デユツセルドル フ・ゼーゼネルシユトラーセ17 (72)発明者 ユルゲン・トムツイク ドイツ連邦共和国デー4018ランゲンフエル ト・ザウアーブルフシユトラーセ13アー

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カフェオイル−CoA 3−O−メチル
    トランスフェラーゼ遺伝子(CCoAMT遺伝子)。
  2. 【請求項2】 プラスミドpL2−4に含まれているC
    CoAMT−cDNA配列またはその構成要素に対して
    か、或はSEQ ID NO:1に従うcDNA配列また
    はその構成要素に対して、雑種形成しそしてCCoAM
    Tをコード化することを特徴とするCCoAMT遺伝
    子。
  3. 【請求項3】 双子葉植物から得られうる請求項1およ
    び2記載のCCoAMT遺伝子。
  4. 【請求項4】 パセリから得られうる請求項1〜3記載
    のCCoAMT遺伝子。
  5. 【請求項5】 プラスミドpL2−4に含まれているか
    或はSEQ ID NO:1に示されているcDNAに相
    当する蛋白質コード化領域を有するCCoAMT遺伝
    子、および本質的に同じ作用を示すDNA配列。
  6. 【請求項6】 プロモーターとしてTRプロモーターも
    しくは35Sプロモーターを含んでいる請求項1〜5記
    載のCCoAMT遺伝子。
  7. 【請求項7】 プラスミドpL2−4に含まれているか
    或はSEQ ID NO:1に示されているcDNAに相
    当する蛋白質コード化領域を有し、そして該TRプロモ
    ーターもしくは35Sプロモーターを有する、請求項1
    〜6記載のCCoAMT遺伝子。
  8. 【請求項8】 調節作用を有するところの、請求項1〜
    5記載CCoAMT遺伝子の構成要素。
  9. 【請求項9】 請求項1〜7に従う該CCoAMT遺伝
    子そしてプラスミドpL2−4に含まれているか或はS
    EQ ID NO:1に示されているcDNAに相当する
    該DNA配列の、構造遺伝子。
  10. 【請求項10】 「外来性」DNAとしてか或は「追加
    的」DNAとして、請求項1〜9に従う1種以上のCC
    oAMT遺伝子もしくはそれらの構成要素を含んでいる
    組換え型の原核もしくは真核DNA。
  11. 【請求項11】 植物細胞(プロトプラストを含む)ま
    たは植物(植物部分および種子を含む)中に含まれてい
    るところの、請求項10記載の組換え型DNA。
  12. 【請求項12】 請求項1〜9に従う1種以上のCCo
    AMT遺伝子もしくはそれらの構成要素および/または
    請求項10に従う組換え型DNAを含んでいるベクター
    類。
  13. 【請求項13】 ベクタープラスミドpL2−4。
  14. 【請求項14】 請求項1〜9に従う1種以上のCCo
    AMT遺伝子もしくはそれらの構成要素および/または
    請求項10に従う組換え型DNAか、或は請求項12お
    よび13に従うベクター類を含んでいる形質転換した微
    生物。
  15. 【請求項15】 大腸菌株の大腸菌DS pL2−4お
    よびその変異体。
  16. 【請求項16】 植物細胞(プロトプラストを含む)ま
    たは植物(植物部分および種子を含む)を形質転換する
    ための、請求項1〜15に従う該CCoAMT遺伝子お
    よび/またはそれらの構成要素および/または該組換え
    型DNAおよび/または該ベクター類および/または形
    質転換型微生物の使用。
  17. 【請求項17】 「外来性」か或は「追加的」DNAと
    して、請求項1〜10に従う1種以上のCCoAMT遺
    伝子および/またはそれらの構成要素を含んでいる形質
    転換した植物細胞(プロトプラストを含む)および植物
    (植物部分および種子を含む)。
  18. 【請求項18】(a)請求項1〜10に従う1種以上の
    CCoAMT遺伝子もしくはそれらの構成要素および/
    または組換え型DNAを、植物細胞(プロトプラストを
    含む)中に挿入し、そして適宜 (b)該形質転換型植物細胞(プロトプラストを含む)
    から完全な形質転換型植物を再生させ、そして適宜 (c)この親世代もしくはそれから得られる更に一層の
    世代の、得られる形質転換型植物から所望の植物部分
    (種子を含む)を得る、ことを特徴とする、有害生物に
    対して増大した耐性を示す形質転換した植物細胞(プロ
    トプラストを含む)および植物(植物部分および種子を
    含む)の製造方法。
  19. 【請求項19】 繁殖材料の発生、並びに請求の範囲1
    〜9に従う該CCoAMT遺伝子もしくはそれらの構成
    要素か或は請求項10に従う組換え型DNAを含む新規
    植物およびそれらの繁殖材料の発生、のための請求項1
    7に従う形質転換型植物細胞(プロトプラストを含む)
    および植物(植物部分および種子を含む)の使用。
  20. 【請求項20】 請求項17に従う形質転換型植物細胞
    および植物の繁殖によって得られる繁殖材料。
  21. 【請求項21】 植物からCCoAMT遺伝子を単離す
    るための、該プラスミドpL2−4に含まれているか或
    はSEQ ID NO:1に示されているcDNAに完
    全もしくは部分的に相当しているDNA配列の使用。
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