JPH0519736U - バルブステムシール - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 しめしろの減退による潤滑油の送り込み量の
増加を抑制して耐用期間の長期化を図った。。 【構成】 バルブステムとしゅう動する弾性材料製リッ
プを２重構造となし、取付け部を結合されたバルブガイ
ドから離れた位置にある第１のリップのバルブステムに
対するしめしろを、バルブガイドの近くに位置する第２
のリップのしめしろに比し、大きく設定された構造とな
す。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、内燃機関の吸気弁及び排気弁に使用されているバルブステムシール の構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】

内燃機関の吸気弁及び排気弁には、スライド部分へ適量の潤滑剤を送り込むた めに、一例を図３に示すようなバルブステムシールが使用されている。

【０００３】 同図のバルブステムシールは、往復運動をなすバルブステム１を支えているバ ルブガイド２の端部に装着された取付け部３、ゴム状弾性材料をもって略山型の 断面形状に成形され、取付け部３の端部に接着されたリップ４及びリップ４の外 周面の環状溝内に挿入されたガータースプリング５を有している。

【０００４】 上記のバルブステムシールにおいては、バルブステム１とリップ４のしゅう動 部を通過してバルブステム１とバルブガイド２のしゅう動部へ送られる潤滑油の 量が、バルブステム１に対するリップ４のしめしろ及びガータースプリング５の 弾力によるバルブステム１に対するリップ４の押圧力並びにリップ４の先端縁の 両側に形成された円錐面の傾斜角を適切に設定することによって、所望の値に調 整されている。

【０００５】

【考案が解決しようとする問題点】

上記した従来の技術によるバルブステムシールにおいては、バルブステム１の 往復作動の繰り返しに伴って、磨耗、リップ形状変化及びバルブステム１に対す るしめしろを低下させるために、運転時間の増加に連れて通過油量が増加し、エ ンジンオイルの消費量の増加及び白煙排出の不具合を発生させる。

【０００６】 本考案は、長期間にわたって、正常な潤滑油量供給機能を持続し得るバルブス テムシールの構造を提示することを目的とするものである。

【０００７】

【問題点を解決するための手段】

本考案は、上記した従来の技術によるバルブステムシールにおける問題点を考 慮して、バルブステムとしゅう動する弾性材料製リップを２重構造となし、取付 け部を結合されたバルブガイドから離れた位置にある第１のリップのバルブステ ムに対するしめしろを、バルブガイドの近くに位置する第２のリップのしめしろ に比し、大きく設定された構造となすものである。

【０００８】

【作用】

上記した構造を備えた本考案によるバルブステムシールにおいては、しめしろ を大きく設定された第１のリップが、自己のしめしろが減退するまでは、しめし ろを小さく設定された第２のリップとバルブステムの周面との間に隙間を形成さ せて適量の潤滑油をしゅう動部へ送り込み、運転時間の経過に伴ってバルブステ ムに対する第１のリップのしめしろが減退して通過油量を増加させた後には、第 ２のリップが、バルブステムの周面に接触してしゅう動部へ送られる潤滑油量を コントロールする。

【０００９】

【実施例】

図１の実施例においては、ゴム状弾性材料をもって２重構造に成形された第１ のリップ６及び第２のリップ７がバルブステム１を支えるバルブガイド２に装着 された取付け部３の端部に接着され、バルブガイド２から離れた位置にある第１ のリップ６のバルブステム１に対するしめしろが、バルブガイド２の近くに位置 する第２のリップ７のしめしろに比し、大きく設定されている。

【００１０】 上記の実施例において、第１のリップ６のしめしろが保持されている間は、図 上に実線をもって示すように、第２のリップ７とバルブステム１の周面の間に隙 間が形成され、潤滑油の供給量が第１のリップ６によって規制され、第１のリッ プ６のしめしろが減退して所定量よりも多くの潤滑油を通過させるようになった 後においては、図上に破線をもって示すように、第２のリップ７がバルブステム １の周面に接触して潤滑油の通過量を規制する。

【００１１】 上記した第１のリップ６のしめしろの減退に伴う潤滑油の通過量は、図２に示 すように変化する。 すなわち、図２の上図に示すように、第１のリップ６のしめしろが曲線Ａに沿 って変化し、続いて、第２のリップ７のしめしろが曲線Ｂに沿って変化し、第１ のリップ６のしめしろ及び第２のリップ７のしめしろの変化に伴い、潤滑油の送 り量が、図２の下図に示す曲線上の点−−−に沿って変化し、過大量の 潤滑油の送り込みが抑止される。

【００１２】

【考案の効果】

本考案によるバルブステムシールが、上記したように、バルブステムとしゅう 動する弾性材料製リップを２重構造に形成され、取付け部を結合されたバルブガ イドから離れた位置にある第１のリップのバルブステムに対するしめしろを、バ ルブガイドの近くに位置する第２のリップのしめしろに比し、大きく設定された 構造を備えていることにより、大きく設定された第１のリップのしめしろが減退 するまでは、第１のリップが、しめしろを小さく設定された第２のリップとバル ブステムの周面との間に隙間を保たせて適量の潤滑油をしゅう動部へ送り込み、 運転時間の経過に伴ってバルブステムに対する第１のリップのしめしろが減退し て通過油量を増加させた後には、第２のリップが、バルブステムの周面に接触し てしゅう動部へ供給される油量をコントロールするので、長期間の運転に伴うリ ップのしめしろの減退による潤滑油の供給量の増加が抑制され、耐用期間が著し く長期化する。

【００１３】

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例の断面図である。

【図２】図１の実施例における運転時間の経過に伴うリ
ップのしめしろ及び潤滑油送り量の変化の状況を示すグ
ラフである。

【図３】従来の技術によるバルブステムシールの一例の
断面図である。

【符号の説明】

１ バルブステム ２ バルブガイド ３ 取付け部 ４ リップ ５ ガータースプリング ６ 第１のリップ ７ 第２のリップ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ゴム状弾性材料をもって２重構造に成形
   され、バルブステム（１）を支えるバルブガイド（２）
   に装着された取付け部（３）の端部に接着されて前記バ
   ルブステム（１）の周面としゅう動する第１のリップ
   （６）及び第２のリップ（７）を有し、前記バルブガイ
   ド（２）から離れた位置にある前記第１のリップ（６）
   の前記バルブステム（１）に対するしめしろを、前記バ
   ルブガイド（２）の近くに位置する前記第２のリップ
   （７）のしめしろに比し、大きく設定されているバルブ
   ステムシール。