JPH0519497U - シヤツター - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】シャッターの種類に応じて予め揃えておくバラ
ンススプリングの種類を減少して在庫管理を容易にする
と共に、バランススプリングの長さが規格に合わない場
合でも特注品を使用しないで済むようにする。 【構成】 シャッターカーテンの巻取ホイール２を回転
可能に支持する巻取シャフト１に、シャッターカーテン
の重量を相殺するバランススプリング３が装着されたシ
ャッターにおいて、片端側を巻取シャフト１に固定し、
他端側を巻取ホイール２に固定する前記バランススプリ
ング３が、巻取シャフト１を軸として回転自在に設けら
れた連結具４を介して連結された複数のコイルスプリン
グ３Ａ，３Ｂで成る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、シャッターカーテンの巻取ホイールを回転可能に支持する巻取シャ フトに、シャッターカーテンの重量を相殺するバランススプリングが装着された シャッターに関する。

【０００２】

【従来の技術】

シャッターのバランススプリングは、コイルスプリングを巻取シャフトに外装 し、その片端を巻取シャフトに固定すると共に、他端を巻取ホイールに固定して 、シャッターカーテンを下ろした状態で、巻取ホイールを上がり勝手に付勢する ように成されている。

【０００３】 したがって、バランススプリングのバネ強さは、シャッターカーテンの自重， 内のりの幅や高さによって異なり、シャッターを設置する場合、シャッターの種 類，設置場所に応じてスプリングを選定しなければならない。 例えば、シャッカーカーテンの自重が重い場合には弾性定数の大きなものを選 定し、内のりの高さが高い場合にはシャッターカーテンの開閉により巻取ホイー ルの回転数も増えるので、これに応じて変位量の大きなスプリングを選定しなけ ればならない。 そして、従来は、予め多数の種類のスプリングを揃えて、その中から最適なも のを選ぶようにしている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、予め多数の種類のスプリングを揃えておくと、広い保管スペー スを必要とするだけでなく、在庫管理が面倒になるという問題がある。 また、既存の規格には合わない特殊なスプリングが必要な場合、特別注文によ りバネを製作しなければならないため納期がかかるという問題があった。 そこで、本考案は、予め揃えておくスプリングの種類をなるべく少なくして、 在庫管理を容易にすると共に、バランススプリングが規格に合わない場合でも特 注品を使用しないで済むようにすることを課題としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

この課題を解決するために、本考案は、シャッターカーテンの巻取ホイールを 回転可能に支持する巻取シャフトに、シャッターカーテンの重量を相殺するバラ ンススプリングが装着されたシャッターにおいて、片端側を前記巻取シャフトに 固定し、他端側を巻取ホイールに固定する前記バランススプリングが、巻取シャ フトを軸として回転自在に設けられた連結具を介して連結された複数のコイルス プリングで成ることを特徴とする。

【０００６】

【作用】

本考案によれば、片端側を前記巻取シャフトに固定し、他端側を巻取ホイール に固定するバランススプリングが、巻取シャフトを軸として回転自在に設けられ た連結具を介して連結された複数のコイルスプリングからなるので、例えば、コ イルスプリングをそのばね強さごとに、１００ｍｍ，２００ｍｍ，４００ｍｍと いうような単位長さに形成し、これらを組み合わせて連結することによって、そ のシャッターに応じたネ強さ及び変位量を有するバランススプリングを容易に形 成することができる。

【０００７】 例えば、内のり高さに応じた変位量から３００ｍｍの長さに巻かれたスプリン グが必要な場合は、１００ｍｍと２００ｍｍのスプリングを連結することにより 達成することができる。また、線径の異なるコイルスプリングと組み合わせるこ とによりシャッターカーテンの重量に応じたバネ強さバランススプリングを形成 することができる。

【０００８】 このように、組み合わせによって非常に多くの種類のバランススプリングを容 易に形成することができるので、予め揃えておくコイルバネの種類を大幅に減ら すことができ、在庫管理が容易になり、既製品にはない特殊なスプリングを必要 とする場合もコイルスプリングを組み合わせることによりこれに対処することが できる。

【０００９】

【実施例】

以下、本考案を図面に示す実施例に基づいて具体的に説明する。 図１は、本考案の一実施例を示す分解組立図である。 図中１は、シャッターカーテン（図示せず）の巻取ホイール２を回転可能に支 持する巻取シャフトであって、その両端が、シャッターケースに設けられた軸受 （図示せず）に固定され、当該巻取シャフト１にシャッターカーテンの重量を相 殺するバランススプリング３が設けられている。

【００１０】 バランススプリング３は、巻取シャフト１を軸として回転自在に設けられた連 結具４を介して連結された二つのコイルスプリング３Ａ，３Ｂで成る。 各コイルスプリング３Ａ，３Ｂは、シャッターカーテンの自重，内のりの幅や 高さに応じて所定のバネ強さが得られるように選定され、連結された状態でその 片端側が巻取シャフト１に固定され、他端側が巻取ホイール２に固定されている 。

【００１１】 各コイルスプリング３Ａ，３Ｂは、その片端に、前記巻取シャフト１又は巻取 ホイール２に引っ掛けるためのフック５が形成されると共に、他端に連結具４に 引っ掛けるためのフック６が形成されている。

【００１２】 連結具４は、巻取シャフト１に回動自在に装着される円筒部４ａと、コイルス プリング３Ａ及び３Ｂのフック６，６を引っ掛けるための切欠部４ｂ，４ｂが形 成されたフランジ４ｃが一体成形されている。 切欠部４ｂは、連結具４を巻取シャフト１にどちらの方向からから挿入しても 各フック６，６と引っ掛かるように、中心を通って直交する二軸に対して夫々対 称形に形成されている。

【００１３】 また、７は、巻取シャフト１にコイルスプリング３Ａのスプリングエンドを固 定する固定金具であって、前記連結具４と同様に、巻取シャフト１に装着する円 筒部７ａと、フック５を引っ掛ける切欠部７ｂが形成されたフランジ７ｃが一体 成形されて成り、前記円筒部７ａには巻取シャフト１に固定するためのビス孔７ ｄが穿設されている。

【００１４】 さらに、８は、巻取ホイール２にコイルスプリング３Ｂのスプリングエンドを 固定するためのフランジであって、フック５を引っ掛けるための切欠部８ａが形 成されている。 なお、各コイルスプリング３Ａ，３Ｂのフック５，６は対称形に形成されて、 スプリングの向きに拘らず、各フランジ７ｃ，４ｃ，８に引っ掛けることができ るように成されている。

【００１５】 以上が、本考案の一例構成であって、次にその作用について説明する。 まず、コイルスプリングを予め設計された基準長さ（例えば１００ｍｍ，２０ ０ｍｍ，４００ｍｍ）に形成しておき、シャッターの重量や内のり寸法に応じて 、所望のバネ強さや変位量が得られるようにコイルスプリング３Ａ，３Ｂを選定 する。

【００１６】 このとき、バランススプリング３として、例えば、３００ｍｍのスプリングが 必要な場合は１００ｍｍと２００ｍｍを連結し、６００ｍｍのスプリングが必要 な場合は２００ｍｍと４００ｍｍを連結すればよい。 そして、所望の長さのコイルスプリング３Ａ，３Ｂを選定し、巻取シャフト１ に、固定金具７，スプリング３Ａ，連結具４，スプリング３Ｂ，巻取ホイール２ を順次挿通する。

【００１７】 次いで、各スプリング３Ａ，３Ｂのフック６，６を連結具４のフランジ４ｃに 引っ掛けて両者を連結すると共に、スプリングエンド側のフック５，５を夫々固 定金具７のフランジ７ｃと巻取ホイール２のフランジ８に引っ掛ける。 そして、最後に固定金具７を巻取シャフト１にビス止めして固定すれば、バラ ンススプリング３の装着が完了する。

【００１８】 なお、固定金具５をビス止めする際に、巻取シャフト１に穿設されたビス孔１ ａの位置と、固定金具７のビス孔７ｄの位置がずれていても、各フランジ８，７ ｃ，４ｃに引っ掛けられたフック５，６の折返部分によりその回転方向にガタ（ 遊び）が生ずるので、そのガタを利用して位置をずらすことにより、スプリング ３Ａ，３Ｂの弾撥力に抗して固定金具７を無理に回転させることなく、簡単に位 置合わせをすることができる。

【００１９】 また、シャッターの重量や内のり寸法の異なるシャッターについては、その都 度、コイルスプリング３Ａ，３Ｂの組み合わせを変えることにより、所望のバネ 強さや変位量が得られるバランススプリング３を簡単に構成することができる。 このように、同一又は異なるコイルスプリングを複数組合わせてバランススプ リング３を形成することができるので、シャッターの種類に応じて多くの種類を 揃える必要がなく、予め揃えるスプリングの種類が大幅に減少される。 そして、最後に巻取シャフト１を、シャッターケース内に設けられた軸受（図 示せず）に固定して、巻取ホイール２にシャッターカーテン１を取り付けて設置 作業を終了する。 なお、本例では、二つのコイルスプリング３Ａ，３Ｂを連結する場合について 説明したが、連結するスプリングの数は任意である。

【００２０】 図２は他の実施例を示す分解組立図であって、本例においては、各コイルスプ リング３Ａ，３Ｂの両端部にはフックはなく、連結具４，巻取ホイール２及び固 定金具７には、コイルスプリング３Ａ，３Ｂに螺合されるネジ９，９が形成され ている。 このネジ９は、コイルスプリング３Ａ，３Ｂのピッチに応じたスパイラル状の 溝が形成されると共に、コイルスプリング３Ａ，３Ｂをねじ込む程きつく締まる ようにテーパ状に形成されている。

【００２１】 したがって、バランススプリング３を装着する際は、まず、コイルスプリング ３Ｂのスプリングエンドと巻取ホイール２のネジ９を螺合させ、次いでコイルス プリング３Ｂの連結端と連結具４のネジ９を螺合させ、さらに連結具４のネジ９ とコイルスプリング３Ａの連結端を螺合させ、最後にコイルスプリング３Ａのス プリングエンドと固定金具７のネジ９を螺合させた状態で、当該固定金具５を巻 取シャフト１にビス止めしたり、固定金具７を予め巻取シャフト１に固定して各 ネジ９にコイルスプリング３Ａ，３Ｂをわずかに螺合させた状態で、巻取シャフ ト１又は巻取ホイール２を回転させればよい。

【００２２】 この場合、巻取シャフト１に穿設されたビス孔１ａの位置と、固定金具７のビ ス孔７ｄの位置がずれていても、コイルスプリング３Ａ，３Ｂを捻じることなく 各ネジ９との締付量を調整することができるので、上記実施例と同様、スプリン グ３Ａ，３Ｂの弾撥力に抗して無理に固定金具７を回転させることなく、容易に 位置合わせすることができる。

【００２３】 図３は、さらに他の実施例を示す分解組立図であって、連結具４には、コイル スプリング３Ａ，３Ｂのフック６を引っ掛ける透孔１０が穿設されたブラケット １１が一体に形成されており、固定金具５及び巻取ホイール２には、スプリング エンド側のフック５，５を引っ掛ける透孔１２，１２が夫々穿設されている。

【００２４】 この場合も、連結具４に引っ掛けられるフック６の折返部分によりその回転方 向にガタ（遊び）が生ずるので、巻取シャフト１に穿設されたビス孔１ａの位置 と、固定金具７のビス孔７ｄの位置がずれていても、スプリング３Ａ，３Ｂの弾 撥力に抗して無理に固定金具７を回転させる必要がなく、簡単に位置合わせする ことができる。

【００２５】

【考案の効果】

以上述べたように、本考案によれば、複数のコイルスプリングを任意に組み合 わせて連結することにより、各シャッターに応じたバランススプリングを形成す ることができるので、予め揃えておくコイルスプリングの種類を大幅に減らして 在庫管理を容易にすることができると共に、既製品にはない特殊なスプリングを 必要とする場合であってもコイルスプリングの組み合わせにより特注品を使用し ないで済むので納期を短縮できるという非常に優れた効果を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案に係るシャッターの一例構成を示す分
解組立図。

【図２】 他の実施例を示す分解組立図。

【図３】 さらに他の実施例を示す分解組立図。

【符号の説明】

１・・・・・・・巻取シャフト ２・・・・・・・巻取ホイール ３・・・・・・・バランススプリング ３Ａ，３Ｂ・・・コイルスプリング ４・・・・・・・連結具 ７・・・・・・・固定金具

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 シャッターカーテンの巻取ホイール
   （２）を回転可能に支持する巻取シャフト（１）に、シ
   ャッターカーテンの重量を相殺するバランススプリング
   （３）が装着されたシャッターにおいて、片端側を前記
   巻取シャフト（１）に固定し、他端側を巻取ホイール
   （２）に固定する前記バランススプリング（３）が、巻
   取シャフト（１）を軸として回転自在に設けられた連結
   具（４）を介して連結された複数のコイルスプリング
   （３Ａ，３Ｂ）で成ることを特徴とするシャッター。