JPH05194265A - 組織プラスミノーゲン活性化因子含有組成物 - Google Patents

組織プラスミノーゲン活性化因子含有組成物

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JPH05194265A
JPH05194265A JP4286908A JP28690892A JPH05194265A JP H05194265 A JPH05194265 A JP H05194265A JP 4286908 A JP4286908 A JP 4286908A JP 28690892 A JP28690892 A JP 28690892A JP H05194265 A JPH05194265 A JP H05194265A
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貢 小林
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治之 荒川
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勝実 斉藤
Katsutoshi Nakamura
勝利 中村
Seitaro Shimokawa
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 クエン酸またはその塩及びショ糖を含有する
ことを特徴とする組織プラスミノーゲン活性化因子もし
くは改変型組織プラスミノーゲン活性化因子含有組成
物。 【効果】 組織プラスミノーゲン活性化因子および改変
型組織プラスミノーゲン活性化因子が著しく安定化さ
れ,臨床上使用しうるこれらの製剤として有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,組織プラスミノーゲン
活性化因子(以下t−PAと略称する)または改変型組
織プラスミノーゲン活性化因子(以下改変型t−PAと
略称する)を含有する組成物に関する。更に詳しくは,
t−PAまたは改変型t−PAにクエン酸またはその塩
及びショ糖を添加してなることを特徴とする,溶解性及
び安定性の高められた組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】t−PAは,フィブリン親和性を有し,
フィブリンと結合したプラスミノーゲンを活性化し極め
て効率的に血栓を溶解するので,ストレプトキナーゼや
ウロキナーゼに代わる,出血傾向などの副作用の少い血
栓溶解剤として注目されている。更に近年このt−PA
の構造を遺伝子工学的手法を用いて改変した改変型t−
PAの研究も盛んに行われており,t−PAに比べin
vivoにおける血中半減期が延長されることにより
生物学的活性の高められた,優れた改変型分子が見い出
されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】t−PA及び改変型t
−PAはいずれも水に対して難溶な糖タンパク質であ
り,この性質が,水に溶解して投与する注射剤等として
の製剤化を極めて困難なものにしている。また糖タンパ
ク質は一般に熱に対して不安定であり,t−PA及び改
変型t−PAもまた例外ではない。このような物質を医
薬品として開発するためには安定化の技術が不可欠であ
る。t−PAおよび改変型t−PAの可溶化,安定化に
関しては種々の検討がなされている。例えば,特開昭6
2−164632では,アルギニウムイオン含有バッフ
ァーを含み,塩素イオン濃度が約0.3M以下であるt
−PA医薬組成物が開示されている。特開昭58−65
218ではアルブミンを含有するt−PAの安定化方法
が開示されている。
【0004】また,特表平4−503680では少なく
とも0.2Mのクエン酸,アスコルビン酸,2−オキソ
グルタル酸,フマール酸,トリス,EDTAの群から選
択される物質を含有することによるt−PA及び改変型
t−PAの可溶化方法が記載されている。しかし,これ
らの種々の組成物は,すべての改変型t−PAを可溶化
し,かつ安定化するのに適しているとはいえない。ま
た,改変型t−PAの中には,天然型t−PAの安定化
効果のある製剤処方でも,天然型t−PAほどは安定化
されないものがあり,これらを安定化しかつ可溶化する
製剤処方が望まれている。さらに,注射剤として用いる
ことが可能な浸透圧比であり,凍結乾燥品としても用い
ることができる処方が望まれている。本発明の目的は,
溶解性の低い糖タンパク質であるt−PA及び改変型t
−PA組成物を医薬品として使用しえる濃度の溶液と
し,かつこれらの物質の安定化された医薬品製剤を提供
することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは,t−PA
ならびに改変型t−PAについて,これらの物質を安定
に保つ中性pHの領域で溶解度を高める可溶化剤の検討
を行った。その結果,クエン酸塩がt−PA及び改変型
t−PAの溶解度を高める作用を有することが明らかと
なった。しかしながらこの溶液を凍結し,−80℃で保
存した後融解したところ,繊維状の不溶物が生じた。こ
の現象を凍結時塩の濃度が上昇することによる部分的な
変性によるものではないかと考え,凍結保護剤として糖
類を添加し凍結保存した。その結果,ショ糖,乳糖など
の糖類を添加した溶液では凍結融解を繰り返しても不溶
物を生じず,また力価の低下も見られなかった。
【0006】次にt−PAならびに改変型t−PAの凍
結乾燥品の安定化について,糖類,タンパク質を中心に
様々な物質を用い検討を行った。その結果,先に凍結保
護剤として効果を明らかにしたショ糖が凍結乾燥品とし
た場合にもこれらのt−PA類を著しく安定化すること
を見出した。さらに意外なことには,t−PAの安定化
剤として知られているアルブミンを添加すると可溶化効
果が下がるにもかかわらず,クエン酸塩による可溶化効
果は安定化剤であるショ糖の添加により高められている
ことが示され,この組合せの一層の有用性が明らかとな
り,こうして本発明を完成させるに至った。以下に,本
発明の組成物につき詳述する。
【0007】本発明に於てt−PAとは,ヒト由来の天
然型t−PAの他,遺伝子工学的手法により得られたt
−PAをも含む。また改変型t−PAは,t−PAを改
良しあるいはt−PAの有する生物学的活性などを高め
たものであって,本発明の安定化効果を達成するもので
あればいずれの改変型t−PAであってもよい。このよ
うな改変型t−PAとしては,本出願人の出願に係わる
特開平2−167076,特願平1−319438など
に示された改変型t−PAなどが挙げられるが,これら
に限定されるものではない。
【0008】すなわち,本発明の改変型t−PAには
t−PAのF領域及びG領域が欠落し,183位のGl
y,186位のSerがそれぞれSer及びThrに置
換された改変型t−PA,t−PAのF領域及びG領
域が欠落し,119位のSerがMetに置換された改
変型t−PA,t−PAのF領域及びG領域及びK2
領域が欠落し,119位のSerがMetに置換された
改変型t−PAや,t−PAの84位のCysがSe
rに置換された改変型t−PAなども包含される。本発
明は天然型に比べ安定性が低い改変型t−PAに特に適
している。
【0009】本発明の組成物は,t−PAまたは改変型
t−PA,クエン酸またはその塩及びショ糖を配合する
ことにより調整され,通常滅菌下これを水(注射用水)
に溶解してt−PAまたは改変型t−PAの液剤あるい
はこれをさらに凍結乾燥などの手段により乾燥して用時
溶解型製剤とする。ここに,t−PAまたは改変型t−
PAの濃度は少なくとも約0.1mg/ml以上であ
り,一方クエン酸またはその塩の濃度は0.05〜0.
4M,好ましくは0.05〜0.2M,凍結乾燥品とす
る場合は好ましくは0.05〜0.15M,ショ糖の濃
度は溶液の場合には5〜10%,凍結乾燥品とする場合
には約5%である。
【0010】本発明の組成物には,医薬製剤化において
通常使用される添加剤を随意配合することができる。ま
た,用時溶解型の製剤とするときは,溶解液に緩衝剤等
の添加剤を加えることも可能である。必要により添加さ
れる添加剤としては,塩化ナトリウム,塩化カリウム,
リン酸一水素ナトリウム,リン酸二水素ナトリウムなど
の無機塩類の電解質などで構成される等張化剤,ポリオ
キシエチレンソルビタンモノステアレートやポリオキシ
エチレンソルビタンモノパルミテートなどのポリオキシ
エチレンソルビタン脂肪酸エステル,ソルビタンモノス
テアレート,ソルビタンセスキオレートなどのソルビタ
ン脂肪酸エステル,ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油,
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン縮合物などの
界面活性化剤,セルロース,メチルセルロース,エチル
セルロース,ヒドロキシメチルセルロース,ヒドロキシ
エチルセルロース,ヒドロキシプロピルセルロース,ヒ
ドロキシメチルエチルセルロースなどの賦形剤などが挙
げられる。
【0011】これらの添加剤は適宜選択され,同種のも
のが2種以上含まれていてもよい。また,本発明組成物
を用時溶解型製剤とするときは溶解液の方に可溶化剤な
どを加えたり,溶解液を緩衝液とすることもできる。ま
た,本発明組成物の浸透圧比は,静脈注射剤として用い
ることが可能な範囲である。
【0012】
【実施例】次に,本発明の実施例をあげて本発明を具体
的に説明する。実施例及び実験例中,改変型t−PA
は,K1領域を欠失し,275位のArgをGluに変
えたt−PA(特開平2−167076)を用いた。
【0013】実施例1 改変型t−PAを1.0mg/mlの濃度で含む,10
%ショ糖及び0.01%ツィーン80含有0.1Mクエ
ン酸ナトリウム水溶液(塩酸でpH7.2に調整)を調
製した。溶液は澄明であり,凍結融解後も澄明性,力価
(Clot Lysis Assayにより測定)を保
っていた。
【0014】実施例2 改変型t−PAを1.0mg/mlの濃度で含む5%シ
ョ糖及び0.01%ツィーン80含有0.05,0.1
または0.2Mクエン酸ナトリウム水溶液(塩酸でpH
7.2に調整)を調製した。いずれも凍結融解後も澄明
性,力価(Clot Lysis Assayにより測
定)を保っていた。
【0015】実施例3 改変型t−PAを0.5mg/mlの濃度で含む,5%
ショ糖及び0.01%ツィーン80含有0.1Mクエン
酸ナトリウム水溶液(塩酸でpH7.2に調整)を調製
し,その液をガラス製バイアルに4mlずつ分注した
後,共和真空技術社製の凍結乾燥機を用いて用時溶解型
の凍結乾燥品を製造した。得られた凍結乾燥品を注射用
水で再溶解したところ,澄明な液となり,力価も保たれ
ていた。
【0016】実施例4 改変型t−PAを0.5mg/mlの濃度で含む,5%
ショ糖及び0.01%ツィーン80含有0.05Mクエ
ン酸ナトリウム水溶液(塩酸でpH7.2に調整)を調
製し,実施例3と同様に凍結乾燥品を製造した。得られ
た凍結乾燥品を注射用水で再溶解したところ,澄明な液
となり,力価も保たれていた。
【0017】実施例5 t−PAを0.5mg/mlの濃度で含む,10%ショ
糖及び0.01%ツィーン80含有0.1Mクエン酸ナ
トリウム水溶液(塩酸でpH7.2に調整)を調製し
た。溶液は澄明であり,凍結融解後も澄明性,力価(C
lot Lysis Assayにより測定)を保って
いた。
【0018】実施例6 t−PAを0.5mg/mlの濃度で含む,5%ショ糖
及び0.01%ツィーン80含有0.1Mクエン酸ナト
リウム水溶液(塩酸でpH7.2に調整)を調製した。
溶液は澄明であり,凍結融解後も澄明性,力価(Clo
t LysisAssay により測定)を保ってい
た。
【0019】
【発明の効果】t−PAまたは改変型t−PA含有組成
物において,可溶化及び安定化を達成するためにクエン
酸またはその塩及びショ糖を使用することにより前記の
問題を解決し,高い安定性を備えた組成物の作製が可能
であることを見出した。本発明による組成物は改変型t
−PAの臨床上使用しうる製剤として有用である。本発
明組成物による改変型t−PAの安定性の向上は以下の
試験法によって確認されたものである。
【0020】実験例1 改変型t−PA溶液に0.1Mクエン酸ナトリウム,
0.1Mコハク酸ナトリウム0.1M塩化マグネシウ
ム,0.1Mトリス,0.1Mクレアチニンまたは0.
1Mサルチル酸ナトリウムを添加,各種溶液について,
遠心分離,濾過を行い,上清を採取してタンパク質濃度
を測定した。その結果クエン酸ナトリウムの溶液中の改
変型t−PAの溶解度が他の塩溶液に比べて高いことが
明らかとなった(表1)。
【0021】
【表1】 各種溶液中の改変型t−PAの溶解度 添加剤 改変型t−PA溶解度 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 0.1Mクエン酸ナトリウム 1 mg/ml以上 0.1Mコハク酸ナトリウム 0.58mg/ml 0.1M塩化マグネシウム 0.50mg/ml 0.1Mトリス 0.20mg/ml 0.1Mクレアチニン 0.24mg/ml 0.1Mサリチル酸ナトリウム 測定不能
【0022】実験例2 改変型t−PAを1.0mg/mlの濃度で含む0.0
1%ツィーン80含有0.1Mクエン酸ナトリウム水溶
液(塩酸でpH7.2に調整)を調製し,また,これに
添加剤(5%ショ糖,5%乳糖または0.5MKCl)
を添加した4種の溶液を調製した。これらの溶液を凍結
し−80℃で保存後融解したところ,0.5MKClを
添加した溶液及び添加剤無添加の溶液では,繊維状の不
溶物が生じたが,ショ糖または乳糖を添加した溶液は澄
明に保たれていた(表2)。
【0023】
【表2】 改変型t−PAのクエン酸ナトリウム溶液における添加剤の効果 添加剤 繊維状不溶物の発生 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 5% ショ糖 − 5% 乳糖 − 0.5M KCl ++ 無添加 +
【0024】実験例3 t−PA及び改変型t−PAをとり調製した各種濃度の
クエン酸ナトリウムの溶液について,遠心分離,濾過を
行い上清を採取してタンパク質濃度を測定した。 各種溶液の組成 改変型t−PA クエン酸ナトリウム 0.05,0.1,0.2,0.3M 塩酸 pH to 7.2 Tween80 0.01%
【0025】その結果,クエン酸塩は0.05〜0.3
Mの範囲内でt−PA及び改変型t−PAの溶解度を高
める作用を有していることが判明した。
【0026】次いで改変型t−PAをとり調整した下記
処方の溶液について,遠心分離,濾過を行い上清を採取
してタンパク質濃度を測定した。 各種溶液の組成 改変型t−PA クエン酸ナトリウム 0,0.05,0.1,0.2,0.3M ショ糖 0,5,10% 塩酸 pH to 7.2 Tween80 0.01%
【0027】その結果,クエン酸塩は0.05〜0.3
Mの範囲内でt−PA及び改変型t−PAの溶解度を高
める作用を有していることが判明した。またショ糖はク
エン酸塩の改変型t−PAに対する可溶化効果を濃度依
存的に高める作用を有していることが判明した。但しシ
ョ糖単独では可溶化効果は示さなかった(図1)。
【0028】実験例4 実施例3及び下記比較例の凍結乾燥品について種々の温
度条件に放置し,安定性を調べた。
【0029】実施例3 改変型t−PA 0.5 mg/ml クエン酸ナトリウム 0.1 M ショ糖 5 % ツィーン80 0.01% 塩酸 pH to 7.2 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 4ml/Vial
【0030】比較例1 改変型t−PA 0.5 mg/ml クエン酸ナトリウム 0.1 M 乳糖 5 % ツィーン80 0.01 % 塩酸 pH to 7.2 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 4ml/Vial
【0031】比較例2 改変型t−PA 0.5 mg/ml クエン酸ナトリウム 0.1 M マルトース 5 % ツィーン80 0.01 % 塩酸 pH to 7.2 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 4ml/Vial
【0032】比較例3 改変型t−PA 0.5 mg/ml リン酸Na塩/2Na塩 0.1 M(pH 7.2) 塩化ナトリウム 0.9 % グリシン 1 % ツィーン80 0.01 % −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 4ml/Vial
【0033】
【表3】 改変型t−PA 製剤の安定性 1. 改変型t−PA ショ糖含有製剤(実施例3) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 放置条件 外観 溶状 力価残存率(%) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− Initial 白色 無色澄明の液 - −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 25°,3M 白色 無色澄明の液 100 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 40°,1M 白色 無色澄明の液 92 3M 白色 無色澄明の液 96 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 50°,1M 白色 無色澄明の液 95 3M 白色 無色澄明の液 92 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− (注:表中,Mは月を意味する。以下同様。)
【0034】 2. 改変型t−PA 乳糖含有製剤(比較例1) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 放置条件 外観 溶状 力価残存率(%) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− Initial 白色 無色澄明の液 − −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 25°,3M 白色 無色澄明の液 97 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 40°,1M 白色 無色澄明の液 95 3M 白色 無色澄明の液 76 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 50°,1M 白色 無色澄明の液 87 3M 白色 無色澄明の液 64 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【0035】 3. 改変型t−PA マルトース含有製剤(比較例2) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 放置条件 外観 溶状 力価残存率(%) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− Initial 白色 無色澄明の液 − −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 25°,3M 白色 無色澄明の液 90 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 40°,1M 白色 無色澄明の液 84 3M 白色 無色澄明の液 82 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 50°,1M 白色 無色澄明の液 76 3M 白色 無色澄明の液 72 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【0036】 4. 改変型t−PA グリシン含有製剤(比較例3) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 放置条件 外観 溶状 力価残存率(%) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− Initial 白色 無色澄明の液 - −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 40°,1M 白色 白濁した液 56 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 50°,1M 白色 白濁した液 35 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【0037】この実験例に示されるように,改変型t−
PAにショ糖を添加し凍結乾燥することにより安定性の
高い製剤を作製することが可能であった。その高い安定
性は,安定化剤として乳糖,マルトース,グリシンを用
いた比較例との比較より明らかである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1はクエン酸ナトリウム及びショ糖を添加し
た際の改変型t−PAの溶解度の変化を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 斉藤 勝実 静岡県焼津市三ヶ名368−2 山之内製薬 株式会社するが寮 (72)発明者 中村 勝利 静岡県焼津市三ヶ名368−2 山之内製薬 株式会社するが寮 (72)発明者 下川 誠太郎 静岡県焼津市三ヶ名368−2 山之内製薬 株式会社するが寮

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クエン酸またはその塩及びショ糖を含有
    することを特徴とする組織プラスミノーゲン活性化因子
    または改変型組織プラスミノーゲン活性化因子含有組成
    物。
  2. 【請求項2】 0.05〜0.2Mのクエン酸またはそ
    の塩及び5〜10%のショ糖を含有する組織プラスミノ
    ーゲン活性化因子または改変型組織プラスミノーゲン活
    性化因子含有組成物。
  3. 【請求項3】 0.05〜0.15Mのクエン酸または
    その塩及び5%のショ糖を含有する組織プラスミノーゲ
    ン活性化因子または改変型組織プラスミノーゲン活性化
    因子含有組成物の凍結乾燥品。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の組成物で,改変型組織プ
    ラスミノーゲン活性化因子がK1領域を欠失し,275
    位がGluである組織プラスミノーゲン活性化因子であ
    るもの。
  5. 【請求項5】 請求項2記載の組成物で,改変型組織プ
    ラスミノーゲン活性化因子がK1領域を欠失し,275
    位がGluである組織プラスミノーゲン活性化因子であ
    るもの。
  6. 【請求項6】 請求項3記載の凍結乾燥品で,改変型組
    織プラスミノーゲン活性化因子がK1領域を欠失し,2
    75位がGluである組織プラスミノーゲン活性化因子
    であるもの。
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