JPH0519360U - 鉄系または鉄系合金電気めつきのイオン補給に用いる溶解槽 - Google Patents

鉄系または鉄系合金電気めつきのイオン補給に用いる溶解槽

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JPH0519360U
JPH0519360U JP7524391U JP7524391U JPH0519360U JP H0519360 U JPH0519360 U JP H0519360U JP 7524391 U JP7524391 U JP 7524391U JP 7524391 U JP7524391 U JP 7524391U JP H0519360 U JPH0519360 U JP H0519360U
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JP
Japan
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iron
plating solution
container
tank
ions
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Application number
JP7524391U
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Inventor
泰光 古川
一夫 加藤
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JFE Steel Corp
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JFE Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 めっき液へイオンを補給する際に用いる溶解
槽に、還元効率の向上に寄与する構造を与える。 【構成】 部分球面状の底面1aを有する円筒状容器1の
内部に、攪拌翼4を配置するとともに、容器1の全高に
わたる邪魔板2を円周等分位置に少なくとも4枚は設置
し、さらに上記邪魔板2の円周等分位置に配した少なく
とも2枚に容器底面に沿って延びる底部邪魔板3を設け
ることによって、容器の全域にめっき液の乱流を発生さ
せる。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
この考案は、不溶性陽極を用いる鉄系または鉄系合金電気めっき処理において 、めっき液へイオンを補給する際に用いる溶解槽に関する。
【0002】 電気めっきは、めっきによって消費されたイオンの補給方法に従って、めっき される金属からなる溶解性の陽極を用いる方法と不溶性の陽極を用いる一方めっ きされたイオンは別途補給する方法とに大別される。前者の方法は通電により陽 極が消耗するため、しばしばめっきセル内の陽極を交換する必要があって不利な 点が多いことから、後者の不溶性陽極を用いる電気めっき処理が採用される傾向 にある。
【0003】 この不溶性陽極を用いる鉄系または鉄系合金電気めっきにおいては、めっき液 中のFe2+イオンが極めて不安定で、例えばめっき液中の残存酸素や陽極表面での 電極反応によりFe2+イオンは容易に酸化されてFe3+イオンとなる。このFe3+イオ ンは析出効率の低下などの弊害を招くため、めっき液中の濃度を極力低くするこ とが有利で、したがってFe3+イオンの還元はこの種の電気めっき処理に不可欠で ある。また不溶性陽極を用いる電気めっき処理における、めっき液へのイオン補 給には、めっき液に薬剤を添加する方法と固体金属をめっき液中に溶解する方法 とがある。しかし前者は薬剤の価格が高くコスト増を招くことから、主に後者の 方法が実施されている。
【0004】
【従来の技術】
特公昭63-11440号公報には、固体金属をめっき液中に溶解する方法として、鉄 材を固定した溶解槽内に鉄材との相対流速20cm/s以上でめっき液を流通させるこ とが開示されている。しかしながら溶解速度(還元効率)に限界があって、また 鉄材の出し入れが煩雑でかつそのための設備を必要とし溶解槽の容積効率が低く 、さらに鉄材の溶損に伴って溶出量が減少したり溶解量を流速で調整するため制 御が複雑になる等の不利がある。また特開昭63-7397 号公報には、棚上の金属に 溶液を振りまき、棚および外周フィルターを回転させることが記載されているが 、溶液と金属との接触面積が狭く溶解速度が遅い上、構造が複雑である。
【0005】 これらの技術に対して提案された特開平3−2400号公報に開示の溶解槽は、円 筒状容器内に配置した攪拌翼及び邪魔板によって乱流を発生することが可能で、 従ってこの溶解槽を用いることで高い還元効率が達成された。
【0006】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら特開平3−2400号公報に開示の溶解槽においては、底部における 液の流動は旋回流が主体となり、とくに中心に近づくと乱流は殆ど生じない。従 って鉄粉の懸濁状態を維持することができないので、鉄粉が底部中央に沈殿堆積 する。この傾向は槽底が円錐や球面であると顕著に現れ、還元効率の向上を阻害 していた。そこでこの考案は、上記溶解槽における問題を有利に改善する構造に ついて提案することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この考案は、立型円筒状溶解槽の内部に、溶解槽の軸と同心で回転する攪拌翼 を同軸上に配置するとともに、溶解槽の全高にわたって内周壁から半径方向内方 に延びる邪魔板を円周等分位置に少なくとも4枚は設置してなり、槽底の円周等 分位置に放射状に、少なくとも2枚の邪魔板を槽底の外周端から中心に向かって 延設したことを特徴とする鉄系または鉄系合金電気めっきのイオン補給に用いる 溶解槽である。
【0008】 以下この考案を図1に基づき具体的に説明する。 同図において、符号1は有底円筒状の容器で、その底面1aは部分球面状をなす 。また2は容器1の全高にわたって内周壁から半径方向内方に延びる邪魔板、3 は底面1aに沿って延びる底部邪魔板、4は容器1の軸上に配置した回転軸5に固 定した攪拌翼、6はめっき液7の導入管、8はめっき液7の排出管及び9は鉄粉 である。ここで邪魔板2は容器1の円周等分位置に少なくとも4枚設置し、さら にこれら邪魔板2のうちの円周等分位置の少なくとも2枚に底部邪魔板3を設置 してなる。なお攪拌翼4は容器1の軸を横切る向きに回転する平板の翼をそなえ るインペラーで、この例に限らず翼にひねりを与えることも可能である。
【0009】 イオン補給は、まず容器1内に鉄粉9を装入する一方、容器1内に導入管6か らめっき液7を導入し容器1内に満たし、次いで回転軸5を駆動させて攪拌翼4 を回転し、めっき液7を攪拌して鉄粉9を槽全体に懸濁させ、鉄粉9をめっき液 7と接触させてFeイオンをめっき液7へ溶解させて行う。そして攪拌翼4を回転 すると、同図に示すように、めっき液7に乱流が生じて還元効率は高くなる。そ の後このイオン補給済みのめっき液7は、導出管7を通ってめっき処理槽へ供給 される。
【0010】
【作用】
次にこの考案に従う溶解槽の構造に関し、特に邪魔板について詳しく説明する 。 考案者らは攪拌翼を用いてめっき液を攪拌してイオン源を溶解する手法につい て、種々の実験を行った。すなわち図2(a) 〜(c) に示すように、種々の構造の 容器内のめっき液7中に攪拌翼4を挿入し、攪拌翼4を高速回転して攪拌状態を 観察した。なお邪魔板2は、全ての容器で円周等分位置に4枚設置した。 同図(a) に示す底面が平面状の容器は全域で乱流を発生することができたが、 攪拌翼4と底との距離が大きくなると底部の隅に鉄粉が沈殿した。同図(b) に示 す底面が部分球面状の容器は底部中央に鉄粉が堆積した。そこで同図(c) に示す ように、4枚の邪魔板2のうち対向する2枚に底面に沿って延びる底部邪魔板3 を設置し同様の実験を行ったところ、鉄粉の堆積が生じなかった。さらに底部邪 魔板について検討した結果、底部で乱流を発生するには円周等分位置に2枚以上 は必要であること、容器中心まで延長させる必要はないこと、また邪魔板の枚数 をこえて設置しても効果はないことが判明した。
【0011】 ここでめっき液へのイオン補給においては、(1) イオン源の溶解反応を促進す ること、(2) Fe3+等のめっき処理に有害な多価イオンの還元反応を促進すること 、が必要である。これらの反応(1) 及び(2) が確実になされるためには、(a) イ オン源(鉄粉)表面の反応境膜を薄くすること、すなわち液相の拡散抵抗を減少 させること、(b) イオン源表面を研磨して反応を阻害する被膜を形成させないこ と、が有効である。
【0012】 上記(a) 及び(b) を達成するには、めっき液の攪拌を、攪拌翼の回転による旋 回流を邪魔板及び底部邪魔板によって剪断して発生させた乱流にて行う。 すると第1にこの乱流に巻き込まれた鉄粉はその粒子表面に剪断力が働き、境 膜の成長は抑制されて膜厚は薄くなるため、上記した反応(1) 及び(2) の速度が 上昇する。まためっき液は攪拌翼の回転による旋回流にて円周方向に移動するだ けでなく、邪魔板及び底部邪魔板によって上下方向及び容器底部に沿う方向にも 移動されて多数のうずが発生し、めっき液中のイオン源の自転を強制することに なり、めっき液とイオン源との相対運動量は増加され反応(1) および(2) をさら に促進することになる。第2に乱流による剪断力はイオン源の粒子間においても 作用し、粒子間の摩擦が促進されて上記の(b) を達成する。
【0013】 以上述べた乱流状態で、かつ鉄粉が沈殿堆積しない流速を槽内全域に最少限度 の攪拌動力でもって発生させるには、槽と邪魔板の形状・寸法を適正なものにす る必要がある。図1(a) に破線で示した様に、底部邪魔板3に衝突した旋回流が 半径方向に流れを変えて底部中心を通る流れとなることから、図2(b) に示す堆 積が生じなくなるわけである。ここにこの反動流を底面に沿って有効に行きわた らせるに当たり、底部邪魔板は、旋回流の流速が最大である外周端から放射状に 半径の1/2 程度までに延設するのがよい。さらにこの効果を高めるには邪魔板の 長さや高さを増やすよりも板数を3等分、4等分と増やす方が有効である。また 実施例では槽壁の邪魔板から延長しているが、他の位置に設けてもよい。
【0014】
【実施例】 図1に示した溶解槽A及び比較として図2(b) に示した溶解槽Bを用いてめっ き液へのイオン補給を行った。溶解槽の仕様諸元および処理条件は下記の通りで ある。
【0015】 記 (1) 溶解槽 外径:2800mm,高さ:3487mm,有効容積:15m3 邪魔板:幅280mm,高さ2960mm, 90°間隔4枚 底部邪魔板(溶解槽A):半径方向長さ280 mm, 高さ 140mm,180°間隔2枚 攪拌翼:旋回外径 1100 mmΦ, 4枚 攪拌出力: 37 kw 処理条件 めっき液:硫酸浴,50〜70℃, Fe2+イオン濃度40〜90g/l 鉄粉:30〜400 μm
【0016】 上記の条件に従ってイオン補給を行ったところ、溶解槽Bを用いた処理では常 時容器底部に200 kg程度の鉄粉が沈殿していたが、溶解槽Aを用いた処理では鉄 粉の沈殿は皆無で、還元効率において約20%の向上をはかることができた。
【0017】
【考案の効果】
この考案によれば、従来特に問題であった容器底部付近の流れの停滞を解消し てイオンの迅速かつ確実な補給を行うことのできる、構造の簡単な溶解槽を提供 でき、従ってめっき品質の安定及び生産性の向上を実現し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この考案に従う溶解槽を示す模式図である。
【図2】溶解槽におけるめっき液の流れを示す模式図で
ある。
【符号の説明】
1 容器 1a 底面 2 邪魔板 3 底部邪魔板 4 攪拌翼 5 回転軸 6 導入管 7 めっき液 8 導出管 9 鉄粉

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 立型円筒状溶解槽の内部に、溶解槽の軸
    と同心で回転する攪拌翼を同軸上に配置するとともに、
    溶解槽の全高にわたって内周壁から半径方向内方に延び
    る邪魔板を円周等分位置に少なくとも4枚は設置してな
    り、槽底の円周等分位置に放射状に、少なくとも2枚の
    邪魔板を槽底の外周端から中心に向かって延設したこと
    を特徴とする鉄系または鉄系合金電気めっきのイオン補
    給に用いる溶解槽。
JP7524391U 1991-08-27 1991-08-27 鉄系または鉄系合金電気めつきのイオン補給に用いる溶解槽 Pending JPH0519360U (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001303256A (ja) * 2000-04-25 2001-10-31 Noge Denki Kogyo:Kk 粉粒体メッキ品の製造方法および製造装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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