JPH05193171A - サーマルヘッド - Google Patents

サーマルヘッド

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JPH05193171A
JPH05193171A JP22217992A JP22217992A JPH05193171A JP H05193171 A JPH05193171 A JP H05193171A JP 22217992 A JP22217992 A JP 22217992A JP 22217992 A JP22217992 A JP 22217992A JP H05193171 A JPH05193171 A JP H05193171A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】従来よりも耐摩耗性および耐クラック性を向上
させた耐摩耗層を有するサーマルヘッドを提供する。 【構成】Si、Al、O、Nを主たる元素として構成さ
れる非晶質構造の耐摩耗層を有し、前記耐摩耗層を形成
する物質がSiAlxyzで表わされ、かつx=0.
1〜4.0、y=0.2〜6.0、z=1.2〜3.0
とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、各種の感熱記録あるい
は熱転写記録に使用されるサーマルヘッドに係り、特に
耐摩耗層の耐クラック性および耐摩耗性の向上に関す
る。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】サー
マルヘッドは、基板上に複数個の発熱体層を形成し、そ
の上に各発熱体層に対応する導電体層を形成し、さらに
その上に記録紙の接触摺動によって前記導電体層や発熱
体層が摩耗することを防止する耐摩耗層が形成される。
【0003】従来この耐摩耗層として一般的には酸化タ
ンタル(Ta25)あるいは炭化珪素(SiC)が用い
られて来た。しかしながら、Ta25は、ビッカース硬
度が600〜800kg/mm2と低いため、耐摩耗性に問
題があり、また比較的低温で部分的な再結晶化が起こ
り、応力に変化を生じてクラックが発生する場合がある
という欠点がある。また、Ta25は、窒化タンタル等
でなる発熱体を酸化する性質があるので、発熱体層と耐
摩耗層との間に、酸化防止膜として二酸化珪素(SiO
2)層等を形成する必要があり、製造工程の増加が避け
られないという欠点がある。一方、前記SiCは、感熱
記録紙のインクと化学的に反応し、膜べりを起こすとい
う欠点がある。
【0004】本発明は、上記した諸点に鑑み、従来より
も耐摩耗性および耐クラック性を向上させた耐摩耗層を
有するサーマルヘッドを提供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するため、Si、Al、O、Nを主たる元素として構
成される非晶質構造の耐摩耗層を有し、前記耐摩耗層を
形成する物質がSiAlxyzで表わされ、かつx=
0.1〜4.0、y=0.2〜6.0、z=1.2〜
3.0であることを特徴とする。
【0006】
【作用】前記Al、O、Nの量は、硬度と熱応答性に関
係のある熱伝導率に関連し、これらの値を前記範囲に設
定することにより、熱伝導率、硬度を適正に保持でき
る。また、AlあるいはAl23の量の調整により、熱
伝導率や熱膨張率を制御することができる。
【0007】
【実施例】図1は本発明によるサーマルヘッドの一実施
例であり、サーマルヘッドの一部の断面を示しており、
図中、1はアルミナ等でなる基板、2は保温と表面の平
滑化を計るために該基板1上に形成されたガラス層、3
は該ガラス層2上に例えば窒化タンタル(TaN)等の
窒化物、珪素、金属サーメット、あるいは金属により形
成される発熱体層、4は発熱体層3に通電し発熱させる
給電子となるアルミニューム(Al)等の金属膜でなる
電極、5は前記発熱体層3と電極4を保護する耐摩耗層
であり、本発明においては、該耐摩耗層5を、薄膜形成
技術により、Si、Al、O、Nを主たる元素として構
成される膜によって形成する。
【0008】本発明により形成される耐摩耗層5が従来
のTa25よりも耐摩耗性および耐クラック性に優れて
いることを確認するため、比較試験を行なった結果につ
いて述べる。供試試料は、耐摩耗層5をRFスパッタリ
ングにより形成したものであって、ターゲットをSiO
2+Al23+Si34(これは、各粉末を9:7:8
のモル比で混合し、固形に硬めたものである)とし、基
板温度350℃、アルゴン圧力を40mTorr、投入電力
を1.5kwとした。これにより、SiAlxyz
表わした場合、x=0.82、y=2.1、z=1.8
となる耐摩耗層を5μmの厚さに形成して供試試料とし
た。この本発明による前記試料は、ビッカース硬度が2
000kg/mm2以上であった。
【0009】耐摩耗試験は、球径12mmの鋼球の表面に
粒径5〜10μmのダイヤモンド粒を付着したスフェリ
カルドリルを、試料に対して150gの荷重(回転数8
00rpm)をかけながら接触させた際の膜厚の変化を調
べることにより行なった。図2に示すように、本発明に
よる試料の場合には、従来のTa25に比較して、摩耗
の進行が遅く、約8倍の高い耐摩耗性を示した。
【0010】また、耐クラック性の試験は、発熱体サイ
ズを0.1×0.2mm、パルス周期7msec、パルス幅4
msec、印加電力を1.2W/1発熱体とし、パルス数を増
加させていった場合の2000ドット当たりのクラック
の総長(μm)を調べることにより行なった。その結果
を図3に示す。図3から、例えばクラック発生量が10
0μmに達するまでのパルス数は、Ta25の場合に約
107個である一方、本発明による場合には3×107
でもほとんどクラックの発生は無く、本発明による場合
には耐クラック性が大幅に向上した。電子線回折による
両者の比較では、Ta25の場合はクラック部分に多結
晶の回折パターンが認められたが、本発明によるSiA
0.822.11.8では回折パターンが見られず、結晶化
は進行していなかった。
【0011】本発明において用いられるSiAlxy
zは、酸化珪素が代表的な非晶質であり、さらに、Al
を添加することにより結晶化を防止することができ、T
25の場合のような再結晶化を防止でき、耐クラック
性を向上させることができるのである。
【0012】なお本発明において用いられる耐摩耗層を
SiAlxyzで表わした場合、x=0.1〜4.
0、y=0.2〜6.0、z=1.2〜3.0であるこ
とが望ましい。なぜならば、x=0.1以下であれば、
熱応答性に関係のある熱伝導率が悪くなり、x=4.0
以上になると硬度が低下し、また、y、zは硬度に関連
し、これらの値がそれぞれy=0.2、z=1.2以下
になると硬度が低下し、また、それぞれy=6.0、z
=3.0以上になると熱伝導率が低下するからである。
また、AlあるいはAl23の量の調整により、熱伝導
率や熱膨張率を制御することができる。
【0013】
【発明の効果】本発明のサーマルヘッドは、耐摩耗層
を、Si、Al、O、Nを主たる元素とする非晶質構造
のもので構成したので、耐摩耗性および耐クラック性を
大幅に向上させることができ、かつ本発明の耐摩耗層を
構成する物質は、感熱紙のインクと反応することはな
い。従って本発明によれば、サーマルヘッドの長寿命化
が達成できる。また、Al、O、Nを前記範囲に設定す
ることにより、熱応答性を良好とし、かつ硬度を高く保
持できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるサーマルヘッドの一実施例を示す
部分断面図である。
【図2】本発明と従来例の耐摩耗層の耐摩耗試験の結果
を示す図である。
【図3】本発明と従来例の耐摩耗層の耐クラック試験の
結果を示す図である。
【符号の説明】
1 コイル部品 5 磁性体層 6 コイル導体層 7a〜7d 接続用導体層 9a〜9d 非磁性体層
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年8月28日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正内容】
【0012】なお本発明において用いられる耐摩耗層を
SiAlxyzで表わした場合、x=0.1〜4.
0、y=0.2〜6.0、z=1.2〜3.0であるこ
とが望ましい。なぜならば、x=0.1以下であれば、
熱応答性に関係のある熱伝導率が悪くなり、x=4.0
以上になると硬度が低下し、また、y、zは硬度に関連
し、これらの値がそれぞれy=0.2、z=1.2以下
になると硬度が低下し、また、それぞれy=6.0、z
=3.0以上になると熱伝導率が低下するからである。
また、AlあるいはAl23の量の調整により、熱伝導
率や熱膨張率を制御することができる。図4は上記組成
範囲を証明するために行った試験装置等を説明する図で
あり、図4(A)に示すように、電極(パッキングプレ
ート)10上にSi34、Al23及びSiO2のター
ゲット11を並べ、図4(B)に示すように、対向する
基板12にRFスパッタリングにより耐摩耗層を形成し
た。スパッタ条件としては、基板温度350℃、ガス圧
力40mTorr、投入電力を1.5kWとし、スパッタガス
としてアルゴンガスに若干の酸素と窒素を加えたものを
使用した。形成層の厚さはほぼ5ミクロンとした。そし
てこのように形成した耐摩耗層を、図4(C)に示すよ
うに、a方向、b方向にそれぞれ5分割して25の領域
に分け、それぞれについて評価試料組成、ビッカース硬
度、熱伝導率を測定した。表1〜表3はその結果を示
す。
【表1】評価試料組成一覧;SiAlxyzで表示し
た場合の組成をx/y/zで示す。
【表2】ビッカース硬度;単位(kg/mm2
【表3】熱伝導率;単位(×10-3cal/cm・sec・℃) 上記表2において、サーマルヘッドの耐摩耗層の用途に
使用するには、ビッカース硬度が1500以上であるこ
とが望ましいが、この条件を満足するのは、x=0.0
9〜4.0、y=0.2〜7.2、z=1.2〜3.6
の組成範囲である。また表3において、熱伝導率は7以
上であることが望ましいが、この条件を満足するのは、
x=0.1〜4.1、y=0.1〜6.0、z=0.9
〜3.0の組成範囲である。これら硬度、熱伝導率の両
者を満足する組成範囲は、x=0.1〜4.0、y=
0.2〜6.0、z=1.2〜3.0である。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図4
【補正方法】追加
【補正内容】
【図4】 (A)は試験に供した装置を示す斜視図、
(B)はその側面図、(C)は基板上の領域分割の説明
図である。
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図4
【補正方法】追加
【補正内容】
【図4】

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Si、Al、O、Nを主たる元素として構
    成される非晶質構造の耐摩耗層を有し、前記耐摩耗層を
    形成する物質がSiAlxyzで表わされ、かつx=
    0.1〜4.0、y=0.2〜6.0、z=1.2〜
    3.0であることを特徴とするサーマルヘッド。
JP22217992A 1992-07-29 1992-07-29 サーマルヘッド Expired - Fee Related JPH0673966B2 (ja)

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JPH05193171A true JPH05193171A (ja) 1993-08-03
JPH0673966B2 JPH0673966B2 (ja) 1994-09-21

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6091437A (en) * 1996-10-25 2000-07-18 Fuji Photo Film Co., Ltd. Thermal recording system including thermal head and thermal recording material
CN100402294C (zh) * 2002-12-30 2008-07-16 莱克斯马克国际公司 一种加热器芯片、加热器堆叠和打印头

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6091437A (en) * 1996-10-25 2000-07-18 Fuji Photo Film Co., Ltd. Thermal recording system including thermal head and thermal recording material
CN100402294C (zh) * 2002-12-30 2008-07-16 莱克斯马克国际公司 一种加热器芯片、加热器堆叠和打印头

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