JPH0519287A - 空間光変調素子 - Google Patents

空間光変調素子

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JPH0519287A
JPH0519287A JP17543291A JP17543291A JPH0519287A JP H0519287 A JPH0519287 A JP H0519287A JP 17543291 A JP17543291 A JP 17543291A JP 17543291 A JP17543291 A JP 17543291A JP H0519287 A JPH0519287 A JP H0519287A
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crystal layer
ferroelectric liquid
spatial light
light modulator
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JP17543291A
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Inventor
Junko Asayama
純子 朝山
Akio Takimoto
昭雄 滝本
Koji Akiyama
浩二 秋山
Michihiro Miyauchi
美智博 宮内
Yasunori Kuratomi
靖規 蔵富
Koji Nomura
幸治 野村
Kuni Ogawa
久仁 小川
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 強誘電性液晶層の成膜面積が前記光導電層の
成膜面積より大きく形成したり、又は強誘電性液晶層の
中のビーズ直径がビーズ混合樹脂の中のビーズ直径より
小さく形成することにより、良好なコントラスト比と均
一な分布を有する空間光変調素子を実現すると共に、こ
の素子を神経ネットワーク回路に用いて、学習の収束が
迅速で且つ文字認識率の高いシステムを構築する。 【構成】 ガラス基板1、2上に、透明電極3、4、光
導電層5、マトリクス状反射電極7、高分子膜8、9を
形成し、まず一方のガラス基板1の上に、約2.6μm
直径の樹脂製ビーズを混合した樹脂10を印刷して、も
う一方のガラス基板2の上には約1.0μm直径の樹脂
製ビーズ11を混合した溶液をスプレーして、ガラス基
板同志を貼り合わせて強誘電性液晶層6を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、パターン認識、連想記
憶、並列演算処理等を行なう神経ネットワーク回路にお
いて、光演算装置やディスプレイ装置として用いられる
空間光変調素子に関し、特に光変調層である強誘電性液
晶層の層厚の均一化を実現する空間光変調素子に関す
る。
【0002】
【従来の技術】パターン認識、連想記憶、並列演算処理
等を行なう光ニューロシステムの一例として、入力情報
を与える画像から出た光を、シナプス荷重に相当する光
学マスクパターンを通して光閾値素子に入射し、閾値処
理された出力を読み取るという構成がある。このシステ
ムに学習機能を与える場合には、光学マスクには電界の
印加や光の入射によって光の透過量を制御できる書換え
可能な空間光変調素子が用いられ、学習機能を持たない
場合には固定マスクパターンが使用される。
【0003】そして、ニューロコンピューティングの重
要な演算処理には、多数の入力に対する和算処理やその
結果に対する閾値処理があり、このような演算機能を行
う空間光変調素子は、ニューラルネットワークを構成す
る素子として重要である。
【0004】従来、和算及び閾値処理機能を有する空間
光変調素子又はこれを用いた光ニューロコンピュータと
して、(1) 複数の光導電層を直列に配列したものを液晶
層と電気的に接続した光閾値素子、(2) 複数の直列に配
列した光導電層と電界効果型トランジスタと液晶層を電
気的に接続した光閾値素子、(3) これらの光閾値素子を
用いて構成したニューラルネットワーク、が提案されて
いる(特願昭63−298701号、特願平1−788
20号、特願平1−186393号)。
【0005】また、(4) 光和算機能を実現するとき各シ
ナプス結合に相当する光導電層を並列に結合する構成と
して、液晶層と組み合わせた光和算及び光閾値演算を高
速に行なうことを可能とした空間光変調素子、が本発明
者らによって提案されている(特願平3−1145号、
特願平3−1146号)。この構成では、閾値処理及び
和算処理を高速に行うための液晶層として、強誘電性液
晶を採用している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述した(4) の空間光
変調素子は、多数のニューロンに相当する受光部、光変
調部が平面状に積層されるが、これらは全面に渡って均
一な光演算機能が実現することが必要である。特に、光
変調部である強誘電液晶層の層厚は、コントラスト比
(出力光の最大値/出力光の最小値)が最大となり且つ
閾値が全面に渡って一定値とするため、例えば層厚が1
μmの場合に層厚誤差分布を約3%以下に抑える必要が
ある。そこで、上記(4)の空間光変調素子においては、
一対のガラス基板間に、形状寸法が均一な球状の樹脂を
分散させることにより、液晶の層厚の均一化を図ってい
る。
【0007】しかしながら、このような素子及び製造方
法においては、一対のガラス基板間に液晶を注入する
際、液晶の層厚が注入工程の前後で変化し易く、全面に
渡って均一な素子特性が得られにくいという課題があっ
た。
【0008】そこで、本発明は、上述の課題を解決する
ため、強誘電性液晶層の成膜面積や強誘電性液晶層中の
ビーズ径を制御することにより、強誘電性液晶層の層厚
の均一化を図ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明の空間光変調素子は、一対の透明基板の間に
光導電層と強誘電性液晶層を有する空間光変調素子であ
って、前記強誘電性液晶層の成膜面積が前記光導電層の
成膜面積より大きいことを特徴とする。
【0010】また、本発明の空間光変調素子は、一対の
透明基板の間に光導電層と強誘電性液晶層を有し、前記
強誘電性液晶層の中にビーズが分散され、且つ前記透明
基板がビーズ混合樹脂により接合される空間光変調素子
であって、前記強誘電性液晶層の中のビーズ直径が前記
ビーズ混合樹脂の中のビーズ直径より小さいことを特徴
とする。
【0011】前記構成において、強誘電性液晶層の中の
ビーズ直径が0.5μmから2.5μmの範囲であっ
て、ビーズ混合樹脂の中のビーズ直径が1.0μmから
7.5μmの範囲であることが好ましい。
【0012】
【作用】以下、本発明の空間光変調素子の構造を示した
図1を参照しながら、作用を説明する。
【0013】ガラス基板上に成膜される光導電層の占め
る面積を強誘電性液晶層の占める面積よりも小さくする
と、図1bの断面図が示すように光導電層は台地状に基
板面に形成される。強誘電性液晶層6の厚みは、光導電
層の面上に分散されたビーズ11の直径によって決定さ
れる。光導電層上にビーズを分散させ、基板1及び2を
貼り合わせ、真空下で放置しながら、接着用の樹脂10
を硬化させるか、又は大気圧より高い圧力下で樹脂10
を固めて、セル厚さの精度を確保しながら組み立てる。
最後に、通常の大気圧状態に戻すが、このとき前者の組
み立て方法であれば、セル内に空気が流れ込んで内部の
厚さが増して膨れ上がる形状となる。一方、後者の組み
立て方法であれば、高圧状態から大気圧への復帰工程に
おいて樹脂10の縦方向への膨脹変形に伴って空気が流
れ込み内部の厚さが増加する。いずれの組み立て方法を
用いても、この工程で強誘電性液晶層の内部が膨れて、
空間光変調素子の中央部の厚さが増加することになる。
その後、液晶注入工程の際には、素子全体を減圧下に置
く工程が続く。
【0014】従って、光導電層5の成膜面積が強誘電性
液晶層6の成膜面積と同一又はそれ以上である空間光変
調素子は、光導電層5の上に直接に樹脂が形成される構
造で、且つビーズ11の直径と樹脂10中に混合された
ビーズ直径が同一となるため、基板1、2を組み立てる
際に、内部膨らみが大きくなる。一方、光導電層5の成
膜面積が強誘電性液晶層6の成膜面積より小さい空間光
変調素子は、光導電層5の上に直接に樹脂が形成され
ず、且つ樹脂10中に混合されたビーズ直径がビーズ1
1の直径より大きくなるため、基板1、2の組み立て時
に、内部の層厚変位が少なく且つ画像入出力面全体に渡
って層厚分布も小さくなる。
【0015】また、予め基板周辺の樹脂10の中に、光
導電層厚と、所望の液晶層厚の合計以上の大きさのビー
ズ径を有する樹脂を混合させることで更に層厚の精度、
分布を向上させることができる。
【0016】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照しながら
説明する。 (実施例1)図1aは本発明の空間光変調素子の一実施
例の平面図であり、図1bはそのA−A´断面図であ
る。この空間光変調素子を以下の手順で作成することが
できる。2枚のガラス基板1、2上に、0.05μm〜
0.5μm厚のITO等の透明電極材料をスパッタ法を
用いて成膜し、各基板上に透明導電性電極3、4を形成
する。次に、光導電層5として、p/i/nダイオード
構成のa−Si:H膜を2μm厚程度になるように、プ
ラズマCVD法を用いて積層して、成膜形状が四角形状
の25mm×25mmの寸法になるように形成する。
【0017】なお、光導電層5に使用できる材料は、暗
時では高抵抗の誘電体として動作し、光照射時には光導
電性により低抵抗層となるものであり、例えば、Cd
S、CdTe、CdSe、ZnS、ZnSe、GaA
s、GaN、GaP、GaAlAs、InP等の化合物
半導体、Se、SeTe、AsSe等の非晶質半導体、
Si、Ge、Si1-x x 、Si1-x Gex 、Ge1-x
x (0<X<1)等の多結晶又は非晶質の半導体、又
は(1)フタロシアニン顔料(以下「Pc」と略す)、
例えば無金属Pc、XPc(X=Cu、Ni、Co、T
iO、Mg、Si(OH)2 等)、AlClPcCl、
TiOClPcCl、InClPcCl、InClP
c、InBrPcBr等、(2)モノアゾ色素、ジスア
ゾ色素等のアゾ系色素、(3)ペニレン酸無水化物、ペ
ニレン酸イミド等のペニレン系顔料、(4)インジゴイ
ド染料、(5)キナクリドン顔料、(6)アントラキノ
ン類、ピレンキノン類等の多環キノン類、(7)シアニ
ン色素、(8)キサンテン染料、(9)PVK/TNF
等の電荷移動錯体、(10)ビリリウム塩染料とポリカ
ーボネイト樹脂から形成される共晶錯体、(11)アズ
レニウム塩化合物等の有機半導体、等がある。また、非
晶質であるa−Si、a−Ge、a−Si1-x x 、a
−Si1-x Gex 、a−Ge1-x x を光導電層105
に使用する場合は、水素又はハロゲン元素を含めること
も好ましく、また、誘電率を小さくする目的及び抵抗率
を増加する目的で、酸素又は窒素を含めることも好まし
い。抵抗率を制御するたるに、p型不純物であるB、A
l、Ga等の元素を添加するか、又はn型不純物である
P、As、Sb等の元素を添加することも好ましい。
【0018】このように不純物を添加した非晶質材料を
積層して、p/n型、p/i型、i/n型、p/i/n
型等のダイオード接合を形成し、光導電層5内に空乏層
を形成することにより、誘電率及び暗抵抗又は動作電圧
極性を制御することが可能である。また、非晶質材料だ
けでなく、上記の材料を2種類以上積層してヘテロ接合
を形成することによって、光導電層5内に空乏層を形成
してもよい。
【0019】次に、光導電層5の面上に、2.5mm角
のアルミニウム電極パターンが6×6マトリクス(=3
6画素)に配置された反射電極7が、抵抗加熱法を用い
て形成する。なお、電極パターンはn×mマトリクス
(n、mは自然数)の配置でも構わない。
【0020】そして、高分子膜8、9は、強誘電性液晶
分子の配向が素子の厚さ方向と平行になるように、約2
00オングストローム厚で成膜し、配向処理を施す。な
お、高分子膜8、9の厚さは、1000オングストロー
ム以下が好ましく、特に200オングストローム以下が
好ましい。
【0021】光導電層5を積層した方のガラス基板1の
上に、約2.6μm直径の樹脂製ビーズを混合したUV
硬化樹脂等の樹脂10を、開口部17を除いて光導電層
5全体を包囲するように印刷する。もう一方のガラス基
板2の透明導電性電極4の上には、イソプロピルアルコ
ールに約1.0μm直径の樹脂製等のビーズ11を混合
した溶液をスプレーして、ビーズ11を全体に付着させ
る。
【0022】次に、これらの一対のガラス基板1、2を
貼り合わせて、真空袋に入れ真空引きして密閉した後、
内部を真空状態を保ちながら紫外線を照射し樹脂10を
硬化させる。そして、真空状態で強誘電性液晶を80℃
で加熱しながら、窒素ガス導入による加圧と毛管現象を
利用して、ビーズ11の周囲に液晶が均一に充填される
ように、樹脂10の開口部から注入した。次に、液晶分
子が均一配向となるために、この素子を恒温槽に入れて
液晶相転移温度以上の例えば約90℃まで加熱し、1分
間当り約0.2℃の割合で室温まで徐冷した後、樹脂1
0の開口部を樹脂で密閉した。なお、液晶層6の液晶材
料は、強誘電性液晶であるカイラルスメクティックC液
晶を用いるのが好ましい。また、出力光のコントラスト
比を高くするためには、透過型空間光変調の場合、強誘
電性液晶層の厚みは約2μmに形成するのが好ましく、
反射型空間光変調の場合、その厚みは約1μmに形成す
ることが好ましい。このようにして、本発明の空間光変
調素子を得ることができた。
【0023】次に、空間光変調素子の評価について説明
する。なお、比較のために、光導電層5の成膜形状が、
強誘電性液晶層6の成膜形状と同一である30mm×3
0mmの寸法のものも作成した。評価用光学系は、被変
調光が偏光子を介して空間光変調素子の強誘電性液晶層
に入射して変調され、反射した変調光は検光子を通って
出力光として検出する光学系で、偏光子の偏光方向と検
光子の偏光方向がお互いに直交するように配置して、空
間光変調素子の特性評価を行った。透明導電性電極3、
4の間に交流電圧を印加した状態で、白色光の入力光1
5を光導電層5へ入射して光変調特性を測定した。
【0024】その結果、入力光15に対する出力光の強
度比は、偏光子及び検光子の損失分を除外して考える
と、70%〜85%と非常に大きく、しかも入力光15
の強度が約2μW/cm2 以上あれば、出力光の変調が
観測され、入射光15に対する感度が極めて高い光変調
特性を確認することができた。
【0025】図2は、印加交流電圧が一定の場合に、入
力光15の強度を増加したときの出力光強度の変化を示
す入出力特性のグラフである。実線は、光導電層5の成
膜面積が強誘電性液晶層6の成膜面積より小さい場合
で、破線は、光導電層5の成膜面積と強誘電性液晶層6
の成膜面積が同一の場合である。図2からは、光導電層
5の成膜面積が強誘電性液晶層6の成膜面積より小さい
空間光変調素子は、コントラスト比(出力光の最大値/
出力光の最小値)が200以上となり極めて大きいこと
が理解される。
【0026】また、6×6マトリクスの36画素の出力
光強度の分布は標準偏差5%以内となって、全面に渡っ
て均一な光入出力特性を有することを確認した。なお、
空間光変調素子を連続駆動をしてもこの閾値特性は変化
なく、また駆動を止めた後のメモリー状態も安定で少な
くとも1ケ月以上保持することを確認した。
【0027】一方、光導電層5の成膜面積と強誘電性液
晶層6の成膜面積が同一である空間光変調素子は、コン
トラスト比が2.5と極めて悪い。この原因として、図
1において光導電層5の成膜面積が強誘電性液晶層6の
成膜面積と同一又はそれより大きい場合、樹脂10が光
導電層の上に印刷され、且つ樹脂10中に混合されたビ
ーズ直径と液晶層6の中のビーズ直径が同一のものを使
用することになるため、一対のガラス基板1、2を貼り
合わて接合すると、ガラス基板1、2の中央部が膨らん
で、液晶層6の厚みが全体で不均一になり、6×6マト
リクスの36画素の出力光強度の分布が大きくなったた
めと考えられる。
【0028】(実施例2)本実施例においては、実施例
1と同様な構成であって、樹脂10に混合するビーズA
の直径が各々2.5μm、3.0μmのものと、イソプ
ロピルアルコールに混合するビーズBの直径が各々1.
0μm、1.5μmのものとを組み合わせて空間光変調
素子を作成した。こうして得られた計4種類の空間光変
調素子を評価し、各素子のコントラスト比と各画素間の
バラツキを標準偏差として(表1)に示す。表1から
は、ビーズAとビーズBのビーズ径の差が1.0μm近
いほどコントラスト比が良好な閾値特性を示すことが理
解される。
【0029】
【表1】
【0030】次に、本発明の空間光変調素子を用いた神
経ネットワーク回路の実施例について説明する。 (実施例3)図3は、実施例1で示した空間光変調素子
を、光和算及び光閾値演算機能を担う素子として用いた
神経ネットワーク回路の概略斜視図である。入力画像パ
ターン33は、アルファベット3文字(O、P、T)又
は文字の一部を欠いた不完全文字とした。直径3mm、
焦点距離20mmのレンズを2次元に6×6の=36個
配列したマルチレンズアレイ34によって、光学マスク
35上に入力画像パターン33を展開する。光学マスク
35は、予め3文字を直交学習法によって学習させたシ
ナプス結合強度を透過率に対応するように、透明フィル
ム上に銀塩写真として16階調で構成した。
【0031】各ニューロンに相当する各アルミニウム反
射電極7は、6×6=36個のシナプス結合に相当する
光入力がある。従って、空間光変調素子36への光入力
は、展開画像と光学マスクの透過率の積となる。光導電
層5では光入力の和に相当する光キヤリアが発生し、電
気抵抗が下がる。これによって強誘電液晶層6にかかる
電界が増加し、ある閾値以上の電界によって、メモリー
状態が反転し、オン状態に移行する。なお、光スイッチ
ングに必要な照射光強度は図2に示すように約20μW
/cm2 以上である。
【0032】以上のような神経ネットワーク回路を用い
て、文字認識の評価を行った。実施例1で説明したコン
トラスト比が2.5の空間光変調素子を用いたところ、
(O、P)の完全文字パターン入力に対しては完全な出
力が得られず文字認識が不可能であったのに対して、実
施例1で説明したコントラスト比が200の空間光変調
素子を用いた場合は、(O、P、T)の完全文字パター
ン入力に対して、完全文字想起が確認された。更に、ハ
ミング距離2までの不完全文字パターン入力に対して
も、文字認識率が100%であることを確認した。
【0033】(実施例4)図4は、実施例3に示した神
経ネットワーク回路のシステムにおいて、固定シナプス
結合を表わした光学マスク35の代わりに、学習能力を
有するトランジスター駆動の液晶表示素子44で構成し
た神経ネットワーク回路の概略斜視図である。
【0034】入力画像は、6×6=36個のLED2次
元アレイ42である。実施例3に示したマルチレンズア
レイ43及び実施例1に示した光演算機能を有する空間
光変調素子45を配置する。液晶表示素子44は36×
36のシナプス結合を表わす様に1シナプス当り400
μm×400μmの画素で構成した。文字認識の学習
は、出力画像パターン49をCCDカメラ47でとり、
完全パターンの入力画像との差をコンピュータ50上で
計算し、液晶表示素子44の透過率を調整することによ
り行う。
【0035】以上のような神経ネットワーク回路を用い
て、実施例3と同様にアルファベット3文字の不完全文
字パターンの入力に対しての文字認識の評価を行った。
なお、文字認識の学習はマスク透過率書換えが10%以
下になるまで繰り返すことにより行う。
【0036】実施例2で示したコントラスト比が55の
空間光変調素子を用いたところ、アルファベット3文字
の完全文字パターンの入力に対しても学習終了までに2
5回のマスク透過率書換えが必要であった。また、ハミ
ング距離1の不完全文字パターン入力に対しては文字認
識率が100%であったが、ハミング距離2の不完全文
字パターン入力に対しては文字認識率が33%まで低下
した。
【0037】一方、実施例1で説明したコントラスト比
が200の空間光変調素子を用いた場合は、学習終了ま
でにマスク透過率書換えが5回で完了した。次に、ハミ
ング距離3の不完全文字パターン入力に対しても、文字
認識率が100%であることを確認した。
【0038】
【発明の効果】以上詳説したように、本発明の空間光変
調素子によれば、光導電層の成膜面積が強誘電性液晶層
の成膜面積より小さく形成することにより、強誘電性液
晶層の内部が膨れることが解消され、液晶層厚の精度、
分布が向上して、空間光変調素子のコントラスト比が良
くなると共に閾値が全面に渡って一定値に均一化するこ
とができる。
【0039】また、強誘電性液晶層の中のビーズ直径が
ビーズ混合樹脂の中のビーズ直径より小さくすることに
より、素子の組み立て工程の中の減圧工程や加圧工程の
際に、液晶層の層厚分布が小さくなり、画像入出力面全
体に渡って均一なコントラスト比及び閾値を有する空間
光変調素子を得ることができる。
【0040】従って、本発明の空間光変調素子を用いた
神経ネットワーク回路は、文字認識の学習の収束速度に
優れ、文字認識率の高いシステムを構築することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1aは本発明の空間光変調素子の一実施例の
平面図であり、図1bはその断面図である。
【図2】印加交流電圧が一定の場合の空間光変調素子の
入出力特性のグラフである。
【図3】本発明の空間光変調素子を用いた神経ネットワ
ーク回路の一実施例の概略斜視図である。
【図4】本発明の空間光変調素子を用いた神経ネットワ
ーク回路の他の実施例の概略斜視図である。
【符号の説明】
1 ガラス基板 2 ガラス基板 3 透明導電性電極 4 透明導電性電極 5 光導電層 6 強誘電性液晶層 7 反射電極 8 高分子膜 9 高分子膜 10 樹脂 11 ビーズ 15 入力光 17 開口部 32 原稿面 33 入力画像パターン 34、43 マルチレンズアレイ 35 光学マスク 36、45 空間光変調素子 37、46 偏光ビームスプリッタ 38 出力画像パターン 39、48 光源 40、49 スクリーン 42 LED2次元アレイ 44 液晶表示素子 47 CCDカメラ 50 コンピュータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮内 美智博 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 蔵富 靖規 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 野村 幸治 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 小川 久仁 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対の透明基板の間に光導電層と強誘電
    性液晶層を有する空間光変調素子において、前記強誘電
    性液晶層の成膜面積が前記光導電層の成膜面積より大き
    いことを特徴とする空間光変調素子。
  2. 【請求項2】 一対の透明基板の間に光導電層と強誘電
    性液晶層を有し、前記強誘電性液晶層の中にビーズが分
    散され、且つ前記透明基板がビーズ混合樹脂により接合
    される空間光変調素子において、前記強誘電性液晶層の
    中のビーズ直径が前記ビーズ混合樹脂の中のビーズ直径
    より小さいことを特徴とする空間光変調素子。
  3. 【請求項3】 強誘電性液晶層の中のビーズ直径が0.
    5μmから2.5μmの範囲であって、ビーズ混合樹脂
    の中のビーズ直径が1.0μmから7.5μmの範囲で
    ある請求項2に記載の空間光変調素子。
JP17543291A 1991-07-16 1991-07-16 空間光変調素子 Pending JPH0519287A (ja)

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