JPH05192419A - 回転照射治療装置 - Google Patents

回転照射治療装置

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Publication number
JPH05192419A
JPH05192419A JP721192A JP721192A JPH05192419A JP H05192419 A JPH05192419 A JP H05192419A JP 721192 A JP721192 A JP 721192A JP 721192 A JP721192 A JP 721192A JP H05192419 A JPH05192419 A JP H05192419A
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JP
Japan
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irradiation
moving
capsule
irradiation chamber
rotary
Prior art date
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Withdrawn
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JP721192A
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English (en)
Inventor
Eijiro Toyoda
英二郎 豊田
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Sumitomo Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Heavy Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】作業が簡素で、患者を照射位置に確実にセット
することを可能にする。 【構成】照射室25を有する回転フレーム15が回転さ
せられ、照射室25には床32及び照射ベッド33から
成るベッド構造体35が収容され、前記ビーム調整装置
21の先端からの粒子線を患部に照射させる。そして、
あらかじめ設定された位置に連絡通路71が設けられ、
該連絡通路71と前記照射室25間に移動カプセル55
が移動自在に配設される。また、該移動カプセル55
は、移動手段によって前記照射室25の任意の位置と前
記連絡通路71間を移動させられる。照射室25が円周
方向のどの位置にあっても、前記移動カプセル55を移
動させるだけで、医師が患者と共に照射室25内に入
り、患者を正確な照射位置にセットすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、回転照射治療装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、放射線を患部に照射し、悪性しゅ
よう部の組織を破壊する治療法においては、人体の健全
部、特に重要臓器及び骨髄の組織に対する放射線による
被爆を避けるため、患部を中心として放射線源を回転さ
せながら又は治療に適した角度に固定して照射する方法
が採られている。
【0003】ところが、前記放射線としてX線などを使
用する場合は、放射線源は小さく、患部すなわち人体を
中心として放射線源を容易に回転させることができる
が、放射線としてプロトンなどの粒子線を使用する場合
には、放射線源が粒子加速器となる。この場合、該粒子
加速器は極めて大型なものであり、人体を中心として回
転させることは困難である。
【0004】そこで、粒子線を回転フレームの回転中心
軸方向に入射し偏向電磁石によって一旦外方向に曲げた
後、さらに回転中心軸上の患部方向に曲げて照射を行う
とともに、円筒状の照射室及び偏向装置を互いに回転中
心軸の反対側に設け、回転半径を小さくするようにした
回転照射治療装置が提供されている。図2は従来の回転
照射治療装置の概略図、図3は回転フレームの支持構造
を示す図、図4はベッド構造体の斜視図である。
【0005】図において、11は患者に照射する粒子線
を入射するための真空ダクトである。前記粒子線は、陽
子線及び重イオン線から成り、図の矢印A方向から入射
される。12は回転継手、13は前記真空ダクト11に
対して相対回転自在に配設される真空ダクトである。ま
た、15は回転照射治療装置の床16に対して回転自在
に配設された回転フレームであり、該回転フレーム15
と前記真空ダクト13は一体的に回転するようになって
いる。
【0006】前記真空ダクト13に入射された粒子線
は、第1、第2、第3偏向装置18〜20を経て、最終
的に入射方向に対して直角の方向(鉛直方向)に偏向さ
せられ、ビーム調整装置21に入射される。前記第1、
第2、第3偏向装置18〜20においては、荷電状態の
粒子は電磁石によって形成された磁場において偏向させ
られるようになっている。
【0007】前記ビーム調整装置21は、照射治療に適
するように粒子線の分布形状を整形したり、粒子のエネ
ルギを調整したり、また、それらの作業をモニターする
ための装置であり、拡散板、観測用ミラー、ビーム強度
調整用ウエッジ、ビーム遮蔽板等がそれぞれ所定間隔を
置いて配列される。そして、前記ビーム調整装置21の
先端は、円筒状の照射室25内に臨んでおり、ビーム調
整装置21を経た粒子線は患者の患部に照射される。
【0008】前記照射室25は、円筒壁28と、該円筒
壁28の一端側(図の左側)の内周に配設される垂直壁
29によって区画され、他端側には開口30が形成され
る。前記垂直壁29は下方に水平な床32が突出して形
成され、ほぼ中央には水平な照射ベッド33が突出して
支持されていて、前記垂直壁29、床32及び照射ベッ
ド33によってベッド構造体35が形成される。前記照
射ベッド33は垂直壁29に設けられたスライド装置3
4によって上下に移動させることができ、前記ビーム調
整装置21から照射された粒子線の照射位置に患者をセ
ットすることができるようになっている。
【0009】また、前記床32の下部には、円筒壁28
に対して前記ベッド構造体35を相対回転自在に支持す
るためのローラ37,38が配設されている。そして、
前記円筒壁28は、固定部材45によってリング44の
内側の所定位置に固定されていて、回転フレーム15が
回転するのに伴って円周方向に移動する。したがって、
前記照射室25内において床32及び照射ベッド33を
水平状態に維持するために、前記ローラ37,38が図
示しない駆動装置に接続され、前記回転フレーム15の
回転に伴いローラ37,38を回転させ、前記ベッド構
造体35を円筒壁28に対して回転させる。
【0010】ここで、前記回転フレーム15の回転中心
軸は回転照射治療装置の中心とほぼ一致させてあるの
で、回転照射治療装置の回転半径を最小にすることがで
きる。そして、前記回転フレーム15の外周を構成する
リング44は、回転照射治療装置の床16上に設置され
たローラ48,49によって支持されるとともに、回転
させられる。
【0011】前記照射ベッド33とビーム調整装置21
の軸線間の相対角度は治療条件によって定まるため、該
治療条件に合わせて回転フレーム15が回転させられ
る。図においては、粒子線が上方から垂直に照射させら
れるようになっている。患者の真下から照射する場合
は、前記回転フレーム15を180°回転させ、照射室
25が最上部になった位置で停止させる。この場合、前
記床32とビーム調整装置21の先端部にある真空ダク
ト27が干渉するのを避けるため、床32に切欠き51
が形成されている。
【0012】前記照射室25が最下部になる位置で、回
転照射治療装置に隣接する建物への連絡通路53と開口
30が一致するようになっている。治療に当たって、患
者と医師は連絡通路53から照射室25内に入る。そし
て、患者を照射ベッド33に乗せ、該照射ベッド33と
ビーム調整装置21の軸線間の相対角度が治療条件に合
うまで回転フレーム15を回転させ、その状態で患者を
照射位置に正確にセットする。次に、照射室25を最下
部まで移動させ、医師が連絡通路53から退出した後、
再び照射室25を元の設定位置まで移動し、照射を開始
するようになっている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来の回転照射治療装置においては、照射ベッド33とビ
ーム調整装置21の軸線間の相対角度が治療条件に合う
まで回転フレーム15を回転させ、患者を照射位置にセ
ットした後、照射室25を最下部まで移動させ、医師が
連絡通路53から退出した後、再び照射室25を元の設
定位置まで移動させなければならないので、照射を開始
するまでに時間がかかるだけでなく、作業が煩雑になっ
てしまう。
【0014】また、医師が退出した後、照射室25を元
の設定位置に戻した時に、患者が照射位置に確実にセッ
トされているか否かを直接確認することができない。す
なわち、照射室25を元の設定位置に戻した時に発生す
る機械的な再現誤差は数ミリのレベルであると考えられ
る。この場合、早期がんの治療における数ミリ角の領域
を対象とした照射を行う場合に適用することはできな
い。
【0015】さらに、実際の治療においては、固定具や
線量分布改善のための吸収体(ボーラスなどの補助具)
を患者とビーム調整装置21間の空間に取り付けるよう
になっているが、回転フレーム15を回転させて照射ベ
ッド33とビーム調整装置21を相対的に移動させた時
に、該ビーム調整装置21が補助具や患者と干渉するこ
とがある。
【0016】本発明は、前記従来の回転照射治療装置の
問題点を解決して、照射を開始するまでに時間がかから
ず、作業が簡素で、患者を照射位置に確実にセットする
ことが可能であり、ビーム調整装置が補助具や患者と干
渉することがない回転照射治療装置を提供することを目
的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】そのために、本発明の回
転照射治療装置においては、回転中心軸に沿って入射さ
れた粒子線を半径方向外方に偏向させた後、再び半径方
向内方に偏向させ、回転中心軸の近傍に配設されたビー
ム調整装置から患部に向けて照射するようになってい
る。
【0018】そして、外周にリングを有し、回転自在に
支持された回転フレームと、前記リングに近接させて照
射室が配設されるとともに、該照射室内に前記ビーム調
整装置の先端が臨ませられる。前記照射室には床及び照
射ベッドから成るベッド構造体が収容され、前記照射室
の円筒壁に対して相対回転自在に配設される。前記回転
フレームを回転させるための駆動装置が設けられ、該駆
動装置によって、前記照射室は回転フレームの円周上の
任意の位置に移動させられるようになっている。この
時、前記ベッド構造体は前記回転フレームの回転に伴っ
て回転し、床及び照射ベッドが水平状態に維持される。
【0019】そして、あらかじめ設定された位置に出入
口手段が設けられ、該出入口手段と前記照射室間に移動
カプセルが移動自在に配設される。また、該移動カプセ
ルは、移動手段によって前記照射室の任意の位置と前記
出入口手段間を移動させられる。前記出入口手段が、前
記回転フレームの回転中心軸の近傍に配設される場合、
前記移動手段は、前記回転フレームと一体的に回転する
ガイドフレームを有し、前記移動カプセルを、前記出入
口手段に対応する中心側位置と前記照射室に対応する円
周側位置間を往復させて移動するようになっている。
【0020】また、前記出入口手段が、前記回転フレー
ムの円周上のあらかじめ設定された位置に対応して設け
られる場合、前記移動手段は、前記移動カプセルを水平
方向の任意の位置に移動する機構及び前記移動カプセル
を垂直方向の任意の位置に移動する機構を有するように
なっている。さらに、前記移動カプセルが、前記照射室
の移動範囲に対応する長さだけ水平方向に延びる横長形
状を有する場合には、前記移動手段は、該移動カプセル
を垂直方向の任意の位置に移動する機構だけを有するも
のでよい。
【0021】
【作用】本発明によれば、前記のように回転中心軸に沿
って入射された粒子線を半径方向外方に偏向させた後、
再び半径方向内方に偏向させ、回転中心軸の近傍に配設
されたビーム調整装置から患部に向けて照射するように
なっている。そして、外周にリングを有するとともに、
該リングに近接させて照射室を有する回転フレームが回
転させられる。そして、前記照射室内に前記ビーム調整
装置の先端が臨ませられる。
【0022】前記照射室には床及び照射ベッドから成る
ベッド構造体が収容され、前記ビーム調整装置の先端か
らの粒子線を、照射ベッド上の患者の患部に照射させる
ことができる。また、前記回転フレームを回転させるた
めの駆動装置が設けられ、該駆動装置によって、前記照
射室は回転フレームの円周上の任意の位置に移動させら
れるようになっている。この時、前記ベッド構造体は、
前記照射室の円筒壁に対して相対回転自在に配設されて
いて、前記回転フレームの回転に伴って回転し、床及び
照射ベッドが水平状態に維持される。
【0023】そして、あらかじめ設定された位置に出入
口手段が設けられ、該出入口手段と前記照射室間に移動
カプセルが移動自在に配設される。また、該移動カプセ
ルは、移動手段によって前記照射室の任意の位置と前記
出入口手段間を移動させられる。回転照射治療装置を使
用する場合、出入口手段から医師と患者は移動カプセル
内に入り、該移動カプセルを移動させ、照射室と対向さ
せる。
【0024】続いて、医師は患者と共に照射室内に入
り、患者を照射ベッド上にセットし、補助具を含めすべ
ての治療条件を整え、患者を正確な照射位置にセットす
る。その後、医師は移動カプセル内に移り、該移動カプ
セルを移動させ、出入口手段から退出し、照射を開始す
る。前記出入口手段が、前記回転フレームの回転中心軸
の近傍に配設される場合、前記移動手段は、前記回転フ
レームと一体的に回転するガイドフレームを有し、前記
移動カプセルを、前記出入口手段に対応する中心側位置
と前記照射室に対応する円周側位置間を往復させて移動
するようになっている。
【0025】したがって、回転照射治療装置を使用する
場合、まず、前記移動カプセルは中心側位置に、前記回
転フレームは照射室が所定位置になるように回転させら
れる。この状態で出入口手段から医師と患者は移動カプ
セル内に入り、該移動カプセルを円周側位置に移動さ
せ、照射室と対向させる。続いて、医師は患者と共に照
射室内に入り、患者を照射ベッド上にセットし、補助具
を含めすべての治療条件を整え、患者を正確な照射位置
にセットする。その後、医師は移動カプセル内に移り、
該移動カプセルを中心側位置に移動させ、出入口手段か
ら退出し、照射を開始する。
【0026】また、前記出入口手段が、前記回転フレー
ムの円周上のあらかじめ設定された位置に対応して設け
られる場合、前記移動手段は、前記移動カプセルを水平
方向の任意の位置に移動する機構及び前記移動カプセル
を垂直方向の任意の位置に移動する機構を有するように
なっている。この場合、最も治療頻度の高い照射室の位
置に対応して出入口手段の位置を設定し、該出入口手段
と照射室間に移動カプセルを移動しておけば、移動カプ
セルは単なる通り抜けの通路となり、移動カプセルを移
動する必要がなくなる。したがって、医師や患者の照射
室に対する入退室が容易になる。
【0027】さらに、前記移動カプセルが、前記照射室
の移動範囲に対応する長さだけ水平方向に延びる横長形
状を有する場合には、前記移動手段は、該移動カプセル
を垂直方向の任意の位置に移動する機構だけを有するも
のでよい。したがって、移動カプセルを横方向に移動さ
せる必要がなくなる。
【0028】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
ながら詳細に説明する。図1は本発明の回転照射治療装
置の概略図、図5は移動カプセルの斜視図、図6は移動
カプセルの駆動機構の概略図、図7は移動カプセルの配
置図、図8は移動カプセルの他の配置図である。
【0029】図において、11は患者に照射する粒子線
を入射するための真空ダクトであり、回転照射治療装置
の回転中心軸に沿って配設される。前記粒子線は、陽子
線及び重イオン線から成り、図の矢印A方向から入射さ
れる。12は回転継手、13は前記真空ダクト11に対
して相対回転自在に配設される真空ダクトである。ま
た、15は回転照射治療装置の床16に対して回転自在
に配設された回転フレームであり、該回転フレーム15
と前記真空ダクト13は一体的に回転するようになって
いる。
【0030】前記真空ダクト11から真空ダクト13に
入射された粒子線は、回転中心軸から半径方向外方に偏
向させられた後、再び半径方向内方に偏向させられて回
転中心軸に向けられ、所定の照射位置において患者の患
部に照射される。すなわち、前記粒子線は、第1、第
2、第3偏向装置18〜20を経て、最終的に入射方向
に対して直角の方向(鉛直方向)に偏向させられ、ビー
ム調整装置21に入射される。前記第1、第2、第3偏
向装置18〜20においては、荷電状態の粒子は電磁石
によって形成された磁場において偏向させられるように
なっている。
【0031】前記ビーム調整装置21は、照射治療に適
するように粒子線の分布形状を整形したり、粒子のエネ
ルギを調整したり、また、それらの作業をモニターする
ための装置であり、拡散板、観測用ミラー、ビーム強度
調整用ウエッジ、ビーム遮蔽板等がそれぞれ所定間隔を
置いて配列される。そして、前記ビーム調整装置21の
先端は、円筒状の照射室25内に臨んでおり、ビーム調
整装置21を経た粒子線は患者の患部に照射される。
【0032】前記照射室25は、回転フレーム15のリ
ング44に近接させて配設されるとともに、円筒壁28
と、該円筒壁28の一端側(図の左側)の内周に配設さ
れる垂直壁29によって区画され、他端側には開口30
が形成される。前記垂直壁29は下方に水平な床32が
突出して形成され、ほぼ中央には水平な照射ベッド33
が突出して支持されていて、前記垂直壁29、床32及
び照射ベッド33によってベッド構造体35が形成され
る。前記照射ベッド33は垂直壁29に設けられたスラ
イド装置34(図4参照)によって上下に移動させるこ
とができ、前記ビーム調整装置21から照射された粒子
線の照射位置に患者をセットすることができるようにな
っている。
【0033】また、前記床32の下部には、円筒壁28
に対して前記ベッド構造体34を相対回転自在に支持す
るためのローラ37,38が配設されている。そして、
前記円筒壁28は、固定部材45によってリング44の
内側の所定位置に固定されていて、回転フレーム15が
回転するのに伴って円周方向に移動する。したがって、
前記照射室25内において床32及び照射ベッド33を
水平状態に維持するために、前記ローラ37,38が図
示しない駆動装置に接続され、前記回転フレーム15の
回転に伴いローラ37,38を回転させ、前記ベッド構
造体35を円筒壁28に対して回転させる。
【0034】ここで、前記回転フレーム15の回転中心
軸は回転照射治療装置の中心とほぼ一致させてあるの
で、回転照射治療装置の回転半径を最小にすることがで
きる。そして、前記回転フレーム15の外周を構成する
リング44は、回転照射治療装置の床16上に設置され
たローラ48,49(図3参照)によって支持されると
ともに、図示しない駆動装置によって回転させられる。
【0035】前記照射ベッド33とビーム調整装置21
の軸線間の相対角度は治療条件によって定まるため、該
治療条件に合わせて回転フレーム15が回転させられ、
該回転フレーム15の円周上の任意の位置において停止
させることができるようになっている。図においては、
前記ベッド構造体35は最下位置に置かれ、粒子線が上
方から垂直に照射させられるようになっている。患者の
真下から照射する場合は、前記回転フレーム15を18
0°回転させ、照射室25が最上部になった位置で停止
させる。この場合、床32とビーム調整装置21の先端
部にある真空ダクト27が干渉するのを避けるため、床
32に切欠き51(図4参照)が形成されている。
【0036】前記照射室25の、回転フレーム15への
取付位置に対応する円周側位置と回転フレーム15の中
心に対応する中心側位置間を、円筒状の移動カプセル5
5が往復動自在に配設される。該移動カプセル55は両
端が開口した円筒壁56から成り、移動カプセル55内
には床57が配設される。該床57は、円筒壁56に対
して相対回転自在にローラ58,59によって支持さ
れ、該ローラ58,59を回転させることによって前記
床57を水平状態に維持することができるようになって
いる。
【0037】前記移動カプセル55の外枠60は、リン
ク状のガイドフレーム61に案内され、駆動機構63に
よって前記ガイドフレーム61に沿って移動する。前記
駆動機構63は、一対のスプロケット65,66、該ス
プロケット65,66間に張設されるチェーン67、及
びスプロケット65,66のいずれか一方を回転させる
ための図示しない駆動モータから成り、前記チェーン6
7の所定位置に外枠60の突部68が連結されている。
したがって、前記スプロケット65,66を回転させて
チェーン67を移動させると、外枠60の突部68を介
して移動カプセル55がそれに伴って移動する。
【0038】前記ガイドフレーム61は、回転フレーム
15と一体的に固定される。したがって、前記移動カプ
セル55は照射室25がどの位置にあっても、回転フレ
ーム15の中心に対応する中心側位置と照射室25に連
通する円周側位置間を移動できるようになっている。そ
して、前記移動カプセル55の中心側位置には回転照射
治療装置への出入口手段、すなわち建物側との連絡通路
71が設けられている。
【0039】前記照射室25と移動カプセル55間には
仕切扉72が設けられ、回転フレーム15側に設けた図
示しない駆動装置で開閉することができるようになって
いる。また、前記連絡通路71と移動カプセル55間に
も仕切扉73が設けられ、図示しない駆動装置で開閉す
ることができるようになっている。回転照射治療装置を
使用する場合、まず前記移動カプセル55が中心側位置
に、前記回転フレーム15が照射室25を所定位置に置
くように回転させられる。この状態で仕切扉73を開
き、患者と医師は連絡通路71から移動カプセル55内
に入り、該移動カプセル55を円周側位置に移動させ、
照射室25と対向させる。
【0040】続いて、仕切扉72を開き、補助具を含め
すべての治療条件を整え、患者を正確な照射位置にセッ
トする。その後、医師は移動カプセル55内に移り仕切
扉72を閉める。そして、移動カプセル55を中心側位
置に移動させ、仕切扉73を開いて連絡通路71から退
出し、照射を開始する。照射終了後は、同様の手順で医
師が照射室25内に入り、患者を連れて再び退出するこ
とができる。
【0041】前記実施例においては、照射室25及び移
動カプセル55は密閉した構造になっているが、人の移
動に必要な床32,57などの最低限の要素のみで形成
することも可能である。次に、本発明の回転照射治療装
置の第2の実施例について説明する。図9は本発明の第
2の実施例を示す回転照射治療装置の概略図、図10は
本発明の第2の実施例を示す回転照射治療装置の側面図
である。
【0042】図において、25は照射室であり、該照射
室25は回転フレーム15が回転するのに伴い、一点鎖
線k(図10)で示す軌跡を描き移動する。75は移動
カプセルであり、該移動カプセル75は前記照射室25
の位置に対応して移動することができるようになってい
る。そのため、前記回転フレーム15に隣接して固定フ
レーム81が配設される。該固定フレーム81には、前
記移動カプセル75を水平方向に移動させるための水平
駆動機構82と、前記移動カプセル75を垂直方向に移
動させるための垂直駆動機構83が配設される。前記水
平駆動機構82は2個のスプロケット84,85、該ス
プロケット84,85間に張設されるチェーン86、及
びスプロケット84,85のいずれか一方を回転させる
ための図示しない駆動モータから成り、前記チェーン8
6の所定箇所に移動カプセル75が取り付けられる。し
たがって、スプロケット84,85を回転させてチェー
ン86を移動させると、前記移動カプセル75を水平方
向に移動させることができる。
【0043】前記構成の移動カプセル75及び水平駆動
機構82は、前記垂直駆動機構83によって垂直方向に
移動させることができる。すなわち、固定フレーム81
の上端には、スプロケット88が配設されていて、該ス
プロケット88にチェーン89が組み合わせられてい
て、該チェーン89の一端に前記水平駆動機構82が固
定され、他端に重錘90が固定されている。したがっ
て、前記スプロケット88を回転させることによって、
前記移動カプセル75を垂直方向に移動させることがで
きる。
【0044】この場合、建物側との連絡通路71が、前
記回転フレーム15の円周上のあらかじめ設定された位
置に対応して設けられる。すなわち、前述したように、
照射ベッド33とビーム調整装置21に軸線間の相対角
度は治療条件によって定まるが、前記ベッド構造体35
は、治療頻度の高い治療条件に対応する位置に配設され
ることが多くなる。したがって、前記連絡通路71は前
記ベッド構造体35が配設される位置(この場合、最下
部)に対向する位置に形成される。
【0045】そして、前記移動カプセル75を前記ベッ
ド構造体35及び連絡通路71に対向する位置に移動さ
せておくと、治療頻度の高い治療条件で照射する場合に
は、移動カプセル75は単なる通り抜けの通路となり、
移動させる必要がなくなる。したがって、医師や患者の
照射室25に対する入退室が容易になる。次に、本発明
の回転照射治療装置の第3の実施例について説明する。
【0046】図11は本発明の第3の実施例を示す回転
照射治療装置の側面図である。図において、移動カプセ
ル91は、前記照射室25の移動範囲に対応する長さL
だけ水平方向に延びる横長形状を有している。この場
合、移動カプセル91の両端に、移動カプセル91を垂
直方向に移動させるための垂直駆動機構83が配設され
る。すなわち、固定フレーム81の上端には、スプロケ
ット88が配設されていて、該スプロケット88にチェ
ーン89が組み合わせられていて、該チェーン89の一
端に前記移動カプセル91が固定され、他端に重錘90
が固定されている。したがって、前記スプロケット88
を回転させることによって、前記移動カプセル91を垂
直方向に移動させることができる。
【0047】したがって、移動カプセル91を横方向に
移動させる必要がなくなり、医師や患者の照射室25に
対する入退室が一層容易になる。なお、本発明は前記実
施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づい
て種々変形することが可能であり、これらを本発明の範
囲から排除するものではない。
【0048】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、外周にリングを有するとともに、該リングに近接
させて照射室を有する回転フレームが回転させられ、前
記照射室には床及び照射ベッドから成るベッド構造体が
収容され、前記ビーム調整装置の先端からの粒子線を、
照射ベッド上の患者の患部に照射させるようになってい
る。
【0049】そして、あらかじめ設定された位置に出入
口手段が設けられ、該出入口手段と前記照射室間に移動
カプセルが移動自在に配設される。また、該移動カプセ
ルは、移動手段によって前記照射室の任意の位置と前記
出入口手段間を移動させられる。したがって、回転照射
治療装置を使用する場合、照射室が円周方向のどの位置
にあっても、前記移動カプセルを移動させるだけで、医
師が患者と共に照射室内に入り、患者を正確な照射位置
にセットして退出し、照射を開始することができる。
【0050】前記出入口手段が、前記回転フレームの回
転中心軸の近傍に配設される場合、前記回転フレームと
一体的に回転するガイドフレームが設けられていて、前
記ガイドフレームの、回転フレームの回転中心軸に対応
する中心側位置と前記照射室に対応する円周側位置間
を、移動カプセルが往復動する。したがって、回転照射
治療装置を使用する場合、照射室が円周方向のどの位置
にあっても、前記移動カプセルを中心側位置と円周側位
置間で移動させるだけで、医師が患者と共に照射室内に
入り、患者を正確な照射位置にセットして退出し、照射
を開始することができる。
【0051】また、前記出入口手段が、前記回転フレー
ムの円周上のあらかじめ設定された位置に対応して設け
られる場合、最も治療頻度の高い照射室の位置に対応し
て出入口手段の位置を設定し、該出入口手段と照射室間
に移動カプセルを移動しておけば、移動カプセルは単な
る通り抜けの通路となり、移動カプセルを移動する必要
がなくなり、医師や患者の照射室に対する入退室が容易
になる。
【0052】さらに、前記移動カプセルが、前記照射室
の移動範囲に対応する長さだけ水平方向に延びる横長形
状を有する場合には、移動カプセルを横方向に移動させ
る必要がなくなり、移動カプセルを移動する時間が短く
なって、医師や患者の照射室に対する入退室が一層容易
になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の回転照射治療装置の概略図である。
【図2】従来の回転照射治療装置の概略図である。
【図3】回転フレームの支持構造を示す図である。
【図4】ベッド構造体の斜視図である。
【図5】移動カプセルの斜視図である。
【図6】移動カプセルの駆動機構の概略図である。
【図7】移動カプセルの配置図である。
【図8】移動カプセルの他の配置図である。
【図9】本発明の第2の実施例を示す回転照射治療装置
の概略図である。
【図10】本発明の第2の実施例を示す回転照射治療装
置の側面図である。
【図11】本発明の第3の実施例を示す回転照射治療装
置の側面図である。
【符号の説明】
15 回転フレーム 21 ビーム調整装置 25 照射室 28 円筒壁 32,57 床 33 照射ベッド 35 ベッド構造体 37,38 ローラ(支持手段) 44 リング 55,75,91 移動カプセル 61 ガイドフレーム 71 連絡通路(出入口手段) 82 水平駆動機構 83 垂直駆動機構

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転中心軸に沿って入射された粒子線を
    半径方向外方に偏向させた後、再び半径方向内方に偏向
    させ、回転中心軸の近傍に配設されたビーム調整装置か
    ら患部に向けて照射する回転照射治療装置において、 (a)外周にリングを有し、回転自在に支持された回転
    フレームと、 (b)前記リングに近接させて配設されるとともに、前
    記ビーム調整装置の先端を臨ませた照射室と、 (c)該照射室に収容され、床及び照射ベッドを有する
    とともに、前記照射室の円筒壁に対して相対回転自在に
    配設されたベッド構造体と、 (d)前記回転フレームを回転させ、前記照射室を回転
    フレームの円周上の任意の位置に移動させるための駆動
    装置と、 (e)前記回転フレームの回転に伴ってベッド構造体を
    回転させ、床及び照射ベッドを水平状態に維持する支持
    手段と、 (f)あらかじめ設定された位置に設けられた出入口手
    段と、 (g)該出入口手段と前記照射室間で移動自在に配設さ
    れる移動カプセルと、(h)前記照射室の任意の位置と
    前記出入口手段間で前記移動カプセルを移動するための
    移動手段を有することを特徴とする回転照射治療装置。
  2. 【請求項2】 (a)前記出入口手段は、前記回転フレ
    ームの回転中心軸の近傍に配設され、 (b)前記移動手段は、前記回転フレームと一体的に回
    転するガイドフレームを有し、前記移動カプセルを、前
    記出入口手段に対応する中心側位置と前記照射室に対応
    する円周側位置間を往復させて移動するものである請求
    項1記載の回転照射治療装置。
  3. 【請求項3】 (a)前記出入口手段は、前記回転フレ
    ームの円周上のあらかじめ設定された位置に対応して設
    けられ、 (b)前記移動手段は、前記移動カプセルを水平方向の
    任意の位置に移動する機構及び前記移動カプセルを垂直
    方向の任意の位置に移動する機構を有するものである請
    求項1記載の回転照射治療装置。
  4. 【請求項4】 (a)前記出入口手段は、前記回転フレ
    ームの円周上のあらかじめ設定された位置に対応して設
    けられ、 (b)前記移動カプセルは、前記照射室の移動範囲に対
    応する長さだけ水平方向に延びる横長形状を有し、 (c)前記移動手段は、該移動カプセルを垂直方向の任
    意の位置に移動する機構を有するものである請求項1記
    載の回転照射治療装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6953943B2 (en) 2002-02-28 2005-10-11 Hitachi, Ltd. Medical charged particle irradiation apparatus
KR101403662B1 (ko) * 2011-12-29 2014-06-09 한국원자력연구원 양성자 가속기와 치료실이 서로 다른 층에 배치된 양성자 치료기
JP2014110836A (ja) * 2012-12-05 2014-06-19 Toshiba Corp 回転照射治療室および回転照射治療装置

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US6992312B2 (en) 2002-02-28 2006-01-31 Hitachi, Ltd. Medical charged particle irradiation apparatus
KR101403662B1 (ko) * 2011-12-29 2014-06-09 한국원자력연구원 양성자 가속기와 치료실이 서로 다른 층에 배치된 양성자 치료기
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