JPH051911A - 試料固定装置 - Google Patents
試料固定装置Info
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- JPH051911A JPH051911A JP3180487A JP18048791A JPH051911A JP H051911 A JPH051911 A JP H051911A JP 3180487 A JP3180487 A JP 3180487A JP 18048791 A JP18048791 A JP 18048791A JP H051911 A JPH051911 A JP H051911A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 被観察試料を変化、破壊させることなくスキ
ャニングプローブ顕微鏡直下に固定することが可能な試
料固定装置を得る。 【構成】 壁面の少なくとも一部がメンブレンによって
構成された第1チャンバーの外部で第2チャンバーが前
記メンブレンを気密に覆い、第1,第2チャンバーに圧
力差を持たせることによって第1チャンバー内に置かれ
た被観察試料の表面一部を前記メンブレンに設けられた
アパーチャ押圧固定する圧力調整手段を備える。
ャニングプローブ顕微鏡直下に固定することが可能な試
料固定装置を得る。 【構成】 壁面の少なくとも一部がメンブレンによって
構成された第1チャンバーの外部で第2チャンバーが前
記メンブレンを気密に覆い、第1,第2チャンバーに圧
力差を持たせることによって第1チャンバー内に置かれ
た被観察試料の表面一部を前記メンブレンに設けられた
アパーチャ押圧固定する圧力調整手段を備える。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は例えば、被観察試料に対
して探針(以下、プローブと記す)を走査させることで
試料を観察するスキャニングプローブ顕微鏡(以下、S
XMと記す)で生体膜、有機膜、細胞膜等の試料を観察
する際に用いる試料固定装置に関するものである。ま
た、試料として以上のような膜に限定されるものではな
い。
して探針(以下、プローブと記す)を走査させることで
試料を観察するスキャニングプローブ顕微鏡(以下、S
XMと記す)で生体膜、有機膜、細胞膜等の試料を観察
する際に用いる試料固定装置に関するものである。ま
た、試料として以上のような膜に限定されるものではな
い。
【0002】
【従来の技術】現在、SXMの一種である原子間力顕微
鏡(以下、AFMと記す)や走査型トンネル顕微鏡(以
下STMと記す)等を用いて種々の膜の観察が行われて
いる。
鏡(以下、AFMと記す)や走査型トンネル顕微鏡(以
下STMと記す)等を用いて種々の膜の観察が行われて
いる。
【0003】図4に、AFMによる試料観察の際の従来
の試料固定状態を示す。グラファイト,マイカ,金等の
結晶により形成された基板61上に被観察試料60が張
付けられた状態で固定されている。試料60は周囲を液
体63で覆われており、この液体63はOリング62と
ガラス板65により密閉されている。試料として細胞膜
を観察する場合、細胞膜の一部を破壊、切除分離して基
板61上に固定し、プローブ64で試料60の膜表面を
走査して観察していた。
の試料固定状態を示す。グラファイト,マイカ,金等の
結晶により形成された基板61上に被観察試料60が張
付けられた状態で固定されている。試料60は周囲を液
体63で覆われており、この液体63はOリング62と
ガラス板65により密閉されている。試料として細胞膜
を観察する場合、細胞膜の一部を破壊、切除分離して基
板61上に固定し、プローブ64で試料60の膜表面を
走査して観察していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】一般に、生体膜をなる
べく生体内に近い状態に保つためには、生体内に適合化
された液体中または液上に浮遊させることが常識であ
り、またこのような液上に浮遊させた状態で観察するこ
とは、種々の高分子膜の場合にもあてはまるものであ
る。
べく生体内に近い状態に保つためには、生体内に適合化
された液体中または液上に浮遊させることが常識であ
り、またこのような液上に浮遊させた状態で観察するこ
とは、種々の高分子膜の場合にもあてはまるものであ
る。
【0005】従来のAFMやSTM等のSXMによる膜
観察では、観察の際にプローブによって試料に力が加わ
る。このため、試料膜を液上に浮遊させたような条件で
観察を行うと前記プローブの力によって試料が移動して
しまい走査は困難で観察できない。従って、従来は前述
したように結晶基板上に試料の膜を張付けるという固定
方法が用いられていた。
観察では、観察の際にプローブによって試料に力が加わ
る。このため、試料膜を液上に浮遊させたような条件で
観察を行うと前記プローブの力によって試料が移動して
しまい走査は困難で観察できない。従って、従来は前述
したように結晶基板上に試料の膜を張付けるという固定
方法が用いられていた。
【0006】しかしながらこのような従来の固定方法で
は、膜そのものの変化や破壊はすでに観察前の結晶基板
上に固定されるまでの間に生じるだけでなく、観察中に
おいても、例え試料膜表面側のみ液に浸すことができた
としても避けることはできない。従って、本来の試料膜
の状態とは異なる情報しかは得ることはできないという
問題がある。
は、膜そのものの変化や破壊はすでに観察前の結晶基板
上に固定されるまでの間に生じるだけでなく、観察中に
おいても、例え試料膜表面側のみ液に浸すことができた
としても避けることはできない。従って、本来の試料膜
の状態とは異なる情報しかは得ることはできないという
問題がある。
【0007】また、例えば細胞膜の観察において細胞膜
としての活動情報を得たい場合も、従来法では細胞膜が
その一部を破壊分離して生体内と掛け離れた条件下で試
料として提供されるため、決して生きた生体膜としての
状態を観察することは不可能である。本発明は、上記問
題点を解消し、被観察試料の変化、破壊等を避け得るよ
うな試料固定装置を得ることを目的とする。
としての活動情報を得たい場合も、従来法では細胞膜が
その一部を破壊分離して生体内と掛け離れた条件下で試
料として提供されるため、決して生きた生体膜としての
状態を観察することは不可能である。本発明は、上記問
題点を解消し、被観察試料の変化、破壊等を避け得るよ
うな試料固定装置を得ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明に係る試料固定装置では、壁
面の一部が開口部を有するメンブレンによって構成され
た第1チャンバーと、該第1チャンバーの外部で前記メ
ンブレン上を気密に覆う第2チャンバーと、前記第1チ
ャンバー内に置かれた試料が、その表面の一部を前記第
2チャンバー内に露呈するよう前記メンブレンの開口部
に押圧固定されるように前記第1チャンバー内と前記第
2チャンバー内とに圧力差をもたせる圧力調整手段と、
前記第2チャンバー内に配置された試料を走査するため
の探針に対する前記メンブレンの開口部の位置を相対変
位させる位置調整手段とを備えている。
め、請求項1に記載の発明に係る試料固定装置では、壁
面の一部が開口部を有するメンブレンによって構成され
た第1チャンバーと、該第1チャンバーの外部で前記メ
ンブレン上を気密に覆う第2チャンバーと、前記第1チ
ャンバー内に置かれた試料が、その表面の一部を前記第
2チャンバー内に露呈するよう前記メンブレンの開口部
に押圧固定されるように前記第1チャンバー内と前記第
2チャンバー内とに圧力差をもたせる圧力調整手段と、
前記第2チャンバー内に配置された試料を走査するため
の探針に対する前記メンブレンの開口部の位置を相対変
位させる位置調整手段とを備えている。
【0009】また請求項2に記載の発明に係る試料固定
装置では、前記請求項1に記載の試料固定装置におい
て、前記第1チャンバーと第2チャンバーとに各々流体
を満たすための流体供給装置を備え、前記圧力調整手段
によって前記流体供給装置から供給される流体の圧力を
調整するものである。
装置では、前記請求項1に記載の試料固定装置におい
て、前記第1チャンバーと第2チャンバーとに各々流体
を満たすための流体供給装置を備え、前記圧力調整手段
によって前記流体供給装置から供給される流体の圧力を
調整するものである。
【0010】また請求項3に記載の発明に係る試料固定
装置では、前記請求項1に記載の試料固定装置におい
て、前記位置調整手段が第1チャンバーと第2チャンバ
ーとを相対変位させるものとして構成されている。
装置では、前記請求項1に記載の試料固定装置におい
て、前記位置調整手段が第1チャンバーと第2チャンバ
ーとを相対変位させるものとして構成されている。
【0011】
【作用】本発明の試料固定装置では、第1チャンバーと
第2チャンバーとでメンブレンによって仕切られた一対
の密閉室を形成し、第1チャンバー内には被観察試料が
置かれ第2チャンバー内にはスキャニングプローブ顕微
鏡のプローブが配置される。両チャンバー内は例えば試
料に対する所望の条件に合うように調整された流体で満
たされる。
第2チャンバーとでメンブレンによって仕切られた一対
の密閉室を形成し、第1チャンバー内には被観察試料が
置かれ第2チャンバー内にはスキャニングプローブ顕微
鏡のプローブが配置される。両チャンバー内は例えば試
料に対する所望の条件に合うように調整された流体で満
たされる。
【0012】さらに圧力調整手段により第1、第2チャ
ンバー内に圧力差を生じさせることによって、第1チャ
ンバー内の被観察試料が第1、第2チャンバーの境界に
設けられた開口(アパーチャ)部に押圧固定される。従
って、試料は破壊されることなく所望の流体内で固定さ
れたままアパーチャ部から第2チャンバー内に露呈した
試料表面部のプローブによる走査観察が可能となる。
ンバー内に圧力差を生じさせることによって、第1チャ
ンバー内の被観察試料が第1、第2チャンバーの境界に
設けられた開口(アパーチャ)部に押圧固定される。従
って、試料は破壊されることなく所望の流体内で固定さ
れたままアパーチャ部から第2チャンバー内に露呈した
試料表面部のプローブによる走査観察が可能となる。
【0013】この場合、両チャンバー内が流体で満たさ
れているため、前記圧力調整手段による圧力差によって
試料は容易にアパーチャに引き寄せられ、試料の位置が
確定すると共にプローブの視野範囲に入れる走査が簡単
になる。
れているため、前記圧力調整手段による圧力差によって
試料は容易にアパーチャに引き寄せられ、試料の位置が
確定すると共にプローブの視野範囲に入れる走査が簡単
になる。
【0014】本発明の試料固定装置では、例えば両チャ
ンバー内の流体の成分を変えて試料の化学的および生化
学的変化を誘発させ、またチャンバー内の圧力差を変化
させることで試料に機械的変化を与えることができ、そ
のような変化をプローブによって観察することも可能で
ある。
ンバー内の流体の成分を変えて試料の化学的および生化
学的変化を誘発させ、またチャンバー内の圧力差を変化
させることで試料に機械的変化を与えることができ、そ
のような変化をプローブによって観察することも可能で
ある。
【0015】
【実施例】以下に図1〜3を用いて本発明の一実施例を
説明する。図1は本発明の一実施例に係る試料固定装置
を用いてAFMによる膜の観察を行う場合の説明図であ
る。第1チャンバー4は、シリコン等の基板2a上に張
設されたメンブレン2を備え、その下部に第1チャンバ
ー本体16によって密閉された状態で形成されている。
説明する。図1は本発明の一実施例に係る試料固定装置
を用いてAFMによる膜の観察を行う場合の説明図であ
る。第1チャンバー4は、シリコン等の基板2a上に張
設されたメンブレン2を備え、その下部に第1チャンバ
ー本体16によって密閉された状態で形成されている。
【0016】第2チャンバー5は、メンブレン2上にパ
ッキン3を介して第2チャンバー本体17によって密閉
状に形成され、上面にレーザ透過用の密閉窓9を有して
いる。メンブレン2には、窓9に対して略直下の位置に
アパーチャ1が設けられ、このアパーチャ1から第1チ
ャンバー4内の試料膜15の一部が第2チャンバー5内
に露呈できるようになっている。
ッキン3を介して第2チャンバー本体17によって密閉
状に形成され、上面にレーザ透過用の密閉窓9を有して
いる。メンブレン2には、窓9に対して略直下の位置に
アパーチャ1が設けられ、このアパーチャ1から第1チ
ャンバー4内の試料膜15の一部が第2チャンバー5内
に露呈できるようになっている。
【0017】第1チャンバー4内と第2チャンバー5内
には流体が満たされ、両チャンバーの内圧に圧力調整装
置6で圧力差を生じさせる(例えば、第2チャンバー5
の内圧を第1チャンバー4の内圧より低くする)ことに
よって試料15の一部がアパーチャ部1に押圧固定され
るようになっている。
には流体が満たされ、両チャンバーの内圧に圧力調整装
置6で圧力差を生じさせる(例えば、第2チャンバー5
の内圧を第1チャンバー4の内圧より低くする)ことに
よって試料15の一部がアパーチャ部1に押圧固定され
るようになっている。
【0018】第2チャンバー5内にはAFMプローブ1
2がアパーチャ部1に露呈した試料表面を走査可能なよ
うに配置され、この場合、このプローブ12はAFMカ
ンチレバー11とそれを保持するレバーホルダー10と
を備えている。
2がアパーチャ部1に露呈した試料表面を走査可能なよ
うに配置され、この場合、このプローブ12はAFMカ
ンチレバー11とそれを保持するレバーホルダー10と
を備えている。
【0019】第1チャンバー4と第2チャンバー5はパ
ッキン3を介して位置調整装置8により相対変位可能に
なっている。これはプローブ12による走査時に、第1
チャンバー4を任意の方向に粗動および微動させてプロ
ーブ12と試料との間の位置調整を行う。このときパッ
キン3は第1チャンバー4の可動範囲にわたってチャン
バー内からの流体もれを防止する。
ッキン3を介して位置調整装置8により相対変位可能に
なっている。これはプローブ12による走査時に、第1
チャンバー4を任意の方向に粗動および微動させてプロ
ーブ12と試料との間の位置調整を行う。このときパッ
キン3は第1チャンバー4の可動範囲にわたってチャン
バー内からの流体もれを防止する。
【0020】実際の観察においては、試料表面に沿って
プローブを走査させ、カンチレバー11上下の変動を検
出することによって試料表面の力の2次元的情報を、ま
たはレバー曲がりを一定にするよう試料位置を制御しな
がら走査することによって表面の微視的形状を得る。
プローブを走査させ、カンチレバー11上下の変動を検
出することによって試料表面の力の2次元的情報を、ま
たはレバー曲がりを一定にするよう試料位置を制御しな
がら走査することによって表面の微視的形状を得る。
【0021】カンチレバー11の曲がりを検出する方法
としてレーザ13等を用いるが、このためのレーザ光1
3は第2チャンバー5の上部に設けられた使用レーザ波
長の透過可能な窓9を介して供給される。この窓9は光
学顕微鏡を用いて大体のプローブと試料15の位置合せ
ができるよう可視光に対しても透過可能な部材であるこ
とが望ましい。
としてレーザ13等を用いるが、このためのレーザ光1
3は第2チャンバー5の上部に設けられた使用レーザ波
長の透過可能な窓9を介して供給される。この窓9は光
学顕微鏡を用いて大体のプローブと試料15の位置合せ
ができるよう可視光に対しても透過可能な部材であるこ
とが望ましい。
【0022】なお、アパーチャ1はシリコン等の基板2
a上に厚さ1μm程度のメンブレン2を張設した後、エ
ッチング等の方法で形成したものであるが、その大きさ
は自由振動を極めて小さく押えることができるように予
め選定することが望ましい。なお、AFM等のプローブ
の場合はアパーチャの径は100μm以下とすることが
望ましい。
a上に厚さ1μm程度のメンブレン2を張設した後、エ
ッチング等の方法で形成したものであるが、その大きさ
は自由振動を極めて小さく押えることができるように予
め選定することが望ましい。なお、AFM等のプローブ
の場合はアパーチャの径は100μm以下とすることが
望ましい。
【0023】また、圧力調整装置6と、さらに流体供給
装置を備えることによって第1および第2チャンバー内
の気体または液体を任意に交換、または圧力を変化さ
せ、それによる試料の化学的、生化学的、または機械的
変化を観察することが可能である。
装置を備えることによって第1および第2チャンバー内
の気体または液体を任意に交換、または圧力を変化さ
せ、それによる試料の化学的、生化学的、または機械的
変化を観察することが可能である。
【0024】図2は、本発明の一実施例に係る試料固定
装置をSTMによる膜観察に用いた場合の説明図であ
る。これは、試料31の表面とSTMプローブ30の先
端との間に局在して流れるトンネル電流を検出すること
によって試料の極微細形状を観察するものである。な
お、プローブ30部にワックスを塗布する等の手段を用
いれば、液中での試料表面の走査も可能である。
装置をSTMによる膜観察に用いた場合の説明図であ
る。これは、試料31の表面とSTMプローブ30の先
端との間に局在して流れるトンネル電流を検出すること
によって試料の極微細形状を観察するものである。な
お、プローブ30部にワックスを塗布する等の手段を用
いれば、液中での試料表面の走査も可能である。
【0025】図2において、第1チャンバー24は、シ
リコン基板22a上に張設されたメンブレン22を備
え、その下部を第1チャンバー本体26によって密閉さ
れて形成さえている。第2チャンバー25は、メンブレ
ン22上にパッキン23を介して設けられた第2チャン
バー本体27によって密閉された状態で形成されてい
る。メンブレン22には、第1チャンバー24内の試料
31の一部が第2チャンバー25内に露呈できるようア
パーチャ21が設けられている。
リコン基板22a上に張設されたメンブレン22を備
え、その下部を第1チャンバー本体26によって密閉さ
れて形成さえている。第2チャンバー25は、メンブレ
ン22上にパッキン23を介して設けられた第2チャン
バー本体27によって密閉された状態で形成されてい
る。メンブレン22には、第1チャンバー24内の試料
31の一部が第2チャンバー25内に露呈できるようア
パーチャ21が設けられている。
【0026】第1,第2チャンバー内には流体供給装置
37によって流体が満たされ、圧力調整装置36によっ
て流体供給装置37の出口部分における流体圧力が調整
されるよう、例えば差圧伝達器およびサーボ弁等によっ
て構成(共に図示せず)されている。そして両チャンバ
ーの内圧に圧力差を生じさせることによって試料31の
一部がアパーチャ31に押圧圧固定される。
37によって流体が満たされ、圧力調整装置36によっ
て流体供給装置37の出口部分における流体圧力が調整
されるよう、例えば差圧伝達器およびサーボ弁等によっ
て構成(共に図示せず)されている。そして両チャンバ
ーの内圧に圧力差を生じさせることによって試料31の
一部がアパーチャ31に押圧圧固定される。
【0027】第1チャンバー25上部には、STMプロ
ーブ30の略直下にアパーチャ21が位置するようST
M走査装置29が設置されている。試料膜31の押圧固
定状態を維持しつつ位置調整装置28によって第1、第
2チャンバーを相対変位させることによって、アパーチ
ャ31部から露呈している試料31表面がプローブ30
で走査される。
ーブ30の略直下にアパーチャ21が位置するようST
M走査装置29が設置されている。試料膜31の押圧固
定状態を維持しつつ位置調整装置28によって第1、第
2チャンバーを相対変位させることによって、アパーチ
ャ31部から露呈している試料31表面がプローブ30
で走査される。
【0028】本発明における試料固定装置を用いれば、
以上の実施例に説明したような膜の固定だけでなく細胞
そのものを過大な変形又は破壊なしに固定し、その表面
を観察することも可能である。図3は第1チャンバー内
に試料室45を設けて細胞そのものを確実に固定できる
ようにした試料固定装置を用いてAFMによる細胞膜の
観察を行なう場合を示すものである。
以上の実施例に説明したような膜の固定だけでなく細胞
そのものを過大な変形又は破壊なしに固定し、その表面
を観察することも可能である。図3は第1チャンバー内
に試料室45を設けて細胞そのものを確実に固定できる
ようにした試料固定装置を用いてAFMによる細胞膜の
観察を行なう場合を示すものである。
【0029】図3において、第1チャンバー44は、シ
リコン基板42a上に張設されAFMプローブ52の略
直下位置にアパーチャ41が設けられたメンブレン42
を備え、その下部を第1チャンバー本体57によって密
閉状態で形成されている。また、第1チャンバー44内
には隔壁穴47aを有する隔壁47が設置され、チャン
バー本体56とメンブレン42とで試料室45が形成さ
れている。
リコン基板42a上に張設されAFMプローブ52の略
直下位置にアパーチャ41が設けられたメンブレン42
を備え、その下部を第1チャンバー本体57によって密
閉状態で形成されている。また、第1チャンバー44内
には隔壁穴47aを有する隔壁47が設置され、チャン
バー本体56とメンブレン42とで試料室45が形成さ
れている。
【0030】第2チャンバー46はメンブレン42上に
パッキン43を介して設けられた第2チャンバー本体5
7によって密閉された状態で形成されている。第1チャ
ンバー44、試料室45、第2チャンバー46内には各
々流体供給装置49によって流体が満たされ、圧力調整
装置48によってその流体圧が調整されるが、第1チャ
ンバー44・試料室45と第2チャンバー46との内圧
に圧力差を生じさせることによって試料室45内の試料
51がアパーチャ41に押圧固定される。
パッキン43を介して設けられた第2チャンバー本体5
7によって密閉された状態で形成されている。第1チャ
ンバー44、試料室45、第2チャンバー46内には各
々流体供給装置49によって流体が満たされ、圧力調整
装置48によってその流体圧が調整されるが、第1チャ
ンバー44・試料室45と第2チャンバー46との内圧
に圧力差を生じさせることによって試料室45内の試料
51がアパーチャ41に押圧固定される。
【0031】さらに、隔壁移動装置58によって隔壁4
7は上下方向に移動可能であり、メンブレン42と隔壁
47との間隔が調整できるようになっている。そこで、
隔壁移動装置58により隔壁47を試料方向に移動さ
せ、試料51を上下から挟む状態にすれば試料51の固
定が確実になる。
7は上下方向に移動可能であり、メンブレン42と隔壁
47との間隔が調整できるようになっている。そこで、
隔壁移動装置58により隔壁47を試料方向に移動さ
せ、試料51を上下から挟む状態にすれば試料51の固
定が確実になる。
【0032】このように試料51の押圧固定状態を維持
しながら試料室45と第2チャンバー46を位置調整装
置50によって相対変位させることによって、アパーチ
ャ41から第2チャンバー内に露呈している試料51の
表面がプローブ52で走査される。なお、試料室45を
形成する隔壁47をメンブレン42と同様なメンブレン
で形成すれば、その上下メンブレン間でよりソフトな固
定が可能となる。
しながら試料室45と第2チャンバー46を位置調整装
置50によって相対変位させることによって、アパーチ
ャ41から第2チャンバー内に露呈している試料51の
表面がプローブ52で走査される。なお、試料室45を
形成する隔壁47をメンブレン42と同様なメンブレン
で形成すれば、その上下メンブレン間でよりソフトな固
定が可能となる。
【0033】例えば、試料が入れられるチャンバー(本
実施例における第1チャンバー)が大型化した場合に
は、試料が圧力差によってアパーチャに固定されるまで
にかかる時間が増大し、これを防ぐためにはチャンバー
内の試料数を増やす等の手段をとらなければならないと
いう問題がある。
実施例における第1チャンバー)が大型化した場合に
は、試料が圧力差によってアパーチャに固定されるまで
にかかる時間が増大し、これを防ぐためにはチャンバー
内の試料数を増やす等の手段をとらなければならないと
いう問題がある。
【0034】しかしながら本実施例では、試料室45を
設けその内部に試料を入れることによって第1チャンバ
ー44に対する試料の密度を上げることができるため、
試料数を増やすことなく、試料が固定されるまでにかか
る時間の増大を防ぐことが可能となる。
設けその内部に試料を入れることによって第1チャンバ
ー44に対する試料の密度を上げることができるため、
試料数を増やすことなく、試料が固定されるまでにかか
る時間の増大を防ぐことが可能となる。
【0035】なお、圧力差によらないで試料を上下から
エンブレン等の2枚の薄膜で挟むことによって固定する
方法も考えられるが、この場合、試料がアパーチャ部に
固定されるとは限らない。また、複数の試料が前記薄膜
間に含まれている時、アパーチャ部以外で複数の試料が
固まって固定されてしまうと、該アパーチャ部において
試料が十分露出せずプローブで走査できない恐れがあ
り、精度上および走査上非常に困難な点が多い。このよ
うに、試料の固定には、本実施例に示した圧力差による
アパーチャ部ヘの押圧固定が有効であることは明らかで
ある。
エンブレン等の2枚の薄膜で挟むことによって固定する
方法も考えられるが、この場合、試料がアパーチャ部に
固定されるとは限らない。また、複数の試料が前記薄膜
間に含まれている時、アパーチャ部以外で複数の試料が
固まって固定されてしまうと、該アパーチャ部において
試料が十分露出せずプローブで走査できない恐れがあ
り、精度上および走査上非常に困難な点が多い。このよ
うに、試料の固定には、本実施例に示した圧力差による
アパーチャ部ヘの押圧固定が有効であることは明らかで
ある。
【0036】
【発明の効果】本発明は以上説明したとおり、圧力差に
よって被観察試料をアパーチャ部に押圧固定するもので
あり、そのアパーチャ部より露呈した試料表面をSXM
のプローブによって走査観察することができる。したが
って試料に変化、破壊が生じることを回避することがで
き、試料の本来の状態を観察することが可能となる。
よって被観察試料をアパーチャ部に押圧固定するもので
あり、そのアパーチャ部より露呈した試料表面をSXM
のプローブによって走査観察することができる。したが
って試料に変化、破壊が生じることを回避することがで
き、試料の本来の状態を観察することが可能となる。
【0037】また、本装置の構造から、チャンバー内に
任意の流体を満たすことができるため、試料をより生体
内に近い状態で観察することが可能となるだけでなく、
例えば通常運動していて高分解能観察が不可能であった
細胞等の観察も生きたままの状態で可能となる。
任意の流体を満たすことができるため、試料をより生体
内に近い状態で観察することが可能となるだけでなく、
例えば通常運動していて高分解能観察が不可能であった
細胞等の観察も生きたままの状態で可能となる。
【0038】さらに、両チャンバー内の液,気体の成分
を変えて試料の化学的および生化学的変化を誘発し観察
することもでき、またチャンバー内の圧力差を変化させ
ることで試料に機械的変化を与えその変化を観察するこ
とも可能である。このように本発明を用いることによっ
て、これまで得ることが不可能であった種々の膜の様々
な状態における情報を入手することが可能となる。
を変えて試料の化学的および生化学的変化を誘発し観察
することもでき、またチャンバー内の圧力差を変化させ
ることで試料に機械的変化を与えその変化を観察するこ
とも可能である。このように本発明を用いることによっ
て、これまで得ることが不可能であった種々の膜の様々
な状態における情報を入手することが可能となる。
【図1】本発明の一実施例に係る試料固定装置を説明す
る概略断面図である。
る概略断面図である。
【図2】本発明の一実施例に係る試料固定装置を説明す
る概略断面図である。
る概略断面図である。
【図3】本発明の一実施例に係る試料固定装置を説明す
る概略断面図である。
る概略断面図である。
【図4】従来のSXMによる試料観察時の試料固定状態
を示す概略図である。
を示す概略図である。
1,21,41:アパーチャ
2,22,42:メンブレン
3,23,43:パッキン
4,24,44:第1チャンバー
5,25,46:第2チャンバー
6,26,48:圧力調整装置
27,49:流体供給装置
8,28,50:位置調整装置
9:窓
10:レバーホルダー
11:AFMカンチレバー
12:AFMプローブ
13:レーザ光
14:ポジションセンサ
29:STM走査装置
30:STMプローブ
45:試料室
47:隔壁
47a:穴
15,31,51:試料
16,36,56:第1チャンバー本体
17,37,57:第2チャンバー本体
58:隔壁移動
Claims (3)
- 【請求項1】 壁面の一部が開口部を有するメンブレン
によって構成された第1チャンバーと、該第1チャンバ
ーの外部で前記メンブレン上を気密に覆う第2チャンバ
ーと、前記第1チャンバー内に置かれた試料が、その表
面の一部を前記メンブレンの開口部より前記第2チャン
バー内に露呈するよう開口部に押圧固定されるように前
記第1チャンバー内と前記第2チャンバー内とに圧力差
をもたせる圧力調整手段と、前記第2チャンバー内に配
置された試料を走査するための探針に対する前記メンブ
レンの開口部の位置を相対変位させる位置調整手段とを
備えたことを特徴とする試料固定装置。 - 【請求項2】 前記第1チャンバーと第2チャンバーと
に流体を満たすための流体供給装置を備え、前記圧力調
整手段によって前記流体供給装置から供給される流体の
圧力を調整することを特徴とする前記請求項1に記載の
試料固定装置。 - 【請求項3】 前記位置調整手段が第1チャンバーと第
2チャンバーとを相対変位させるものであることを特徴
とする前記請求項1に記載の試料固定装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3180487A JPH051911A (ja) | 1991-06-26 | 1991-06-26 | 試料固定装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3180487A JPH051911A (ja) | 1991-06-26 | 1991-06-26 | 試料固定装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH051911A true JPH051911A (ja) | 1993-01-08 |
Family
ID=16084092
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3180487A Pending JPH051911A (ja) | 1991-06-26 | 1991-06-26 | 試料固定装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH051911A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007205964A (ja) * | 2006-02-03 | 2007-08-16 | Seiko Instruments Inc | 特定物質観察装置及び特定物質観察方法 |
JP2010054214A (ja) * | 2008-08-26 | 2010-03-11 | Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> | 生体分子機能解析用基板、生体分子機能解析用試料体および生体分子機能解析方法 |
JP2017044664A (ja) * | 2015-08-28 | 2017-03-02 | 国立大学法人金沢大学 | 液中原子間力顕微鏡 |
JP2021071427A (ja) * | 2019-11-01 | 2021-05-06 | 国立大学法人金沢大学 | 走査型プローブ顕微鏡及びそれを用いた細胞表面の観察方法 |
-
1991
- 1991-06-26 JP JP3180487A patent/JPH051911A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007205964A (ja) * | 2006-02-03 | 2007-08-16 | Seiko Instruments Inc | 特定物質観察装置及び特定物質観察方法 |
JP2010054214A (ja) * | 2008-08-26 | 2010-03-11 | Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> | 生体分子機能解析用基板、生体分子機能解析用試料体および生体分子機能解析方法 |
JP2017044664A (ja) * | 2015-08-28 | 2017-03-02 | 国立大学法人金沢大学 | 液中原子間力顕微鏡 |
JP2021071427A (ja) * | 2019-11-01 | 2021-05-06 | 国立大学法人金沢大学 | 走査型プローブ顕微鏡及びそれを用いた細胞表面の観察方法 |
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