JPH0518957A - 分析素子 - Google Patents

分析素子

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JPH0518957A
JPH0518957A JP16850391A JP16850391A JPH0518957A JP H0518957 A JPH0518957 A JP H0518957A JP 16850391 A JP16850391 A JP 16850391A JP 16850391 A JP16850391 A JP 16850391A JP H0518957 A JPH0518957 A JP H0518957A
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JP
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layer
resin
reagent
transition temperature
fiber
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JP16850391A
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English (en)
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Toshio Tsuji
稔夫 辻
Seiji Hidaka
誠司 日高
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Konica Minolta Inc
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 裁断等の外力が加わっても亀裂や膜剥がれと
いった損傷の発生度が著しく少なく、生産性が高く、か
つ、耐久性に富み、同時再現性に優れた分析素子を提供
することにある。 【構成】 支持体上に少なくとも一つの試薬を含む試薬
層が設けられ、その上方に展開層が設けられてなる分析
素子であって、前記展開層は、短繊維、ガラス転移温度
が30℃以上の樹脂、及びガラス転移温度が30℃未満
の樹脂を含有してなる分析素子。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液体試料中の特定成分
を分析する為の分析素子、特に液体を試料として用いる
臨床検査に有用な多孔性展開層を設けた多層分析素子に
関するものである。
【0002】
【発明の背景】従来、乾式タイプの分析素子の一形態と
して、液体不浸透性で透明な支持体の上に、呈色反応試
薬及び親水性ポリマー(バインダ樹脂)を含む吸水性の
試薬層と多孔性展開層とを設けた一体型の多層分析素子
が提案されている。この分析素子における多孔性展開層
は、点着された水性液体試料(例えば、全血、血漿、血
清、リンパ液、唾液、髄液、膣液、尿、酒類、排水等)
を水性液体試料中に含有されている成分を実質的に偏在
させることなく、横方向に拡げ、単位面積当たり一定の
割合で試薬層に拡散させる作用(メータリング作用)を
する層である。
【0003】尚、このような作用をする多孔性展開層に
ついては、米国特許第3992158号明細書、特開昭
49−53888号公報、特開昭55−164356号
公報、特開昭57−66359号公報、特開昭57−1
25847号公報、特開昭57−197466号公報等
に記載が有る。ところで、米国特許第3992158号
明細書や特開昭49−53888号公報等に記載されて
いる透明支持体上に分析試薬を含有した試薬層及び等方
的に多孔性の非繊維質多孔性媒体からなる展開層を積層
した分析素子は、米国特許第3050373号明細書、
米国特許第3061523号明細書に記載されている試
薬紙タイプに比較すると、測定精度において優れている
ものの、これらの展開層は、脆弱である為破損の度合が
大きく、取り扱いに注意が要求され、取扱性が劣る欠点
がある。
【0004】特開昭57−197466号公報に記載さ
れている繊維分散液を塗布することにより構成される繊
維質多孔性媒体からなる展開層は、展開層への試薬含有
が容易であること、展開面積のコントロールが可能であ
ること、展開層自身が反射層としての機能を有している
こと、液体試料が血清のような高濃度のタンパク質を含
む場合でも点着された液体試料の展延作用がタンパク質
量によって影響を受けないこと、一体型分析素子の製造
が容易であるといった数多くの優れた点を有しており、
又、前記特開昭49−53888号公報に記載されてい
るものに比べると展開層の強度も改善されているもの
の、曲げると亀裂が生じたり、小片に裁断したりすると
裁断くずが発生し、さらには膜剥がれも生じる等の問題
点が有る。
【0005】
【発明の開示】本発明の目的は、裁断等の外力が加わっ
ても亀裂や膜剥がれといった損傷の発生度が著しく少な
く、生産性が高く、かつ、耐久性に富み、同時再現性に
優れた分析素子を提供することにある。この本発明の目
的は、支持体上に少なくとも一つの試薬を含む試薬層が
設けられ、その上方に展開層が設けられてなる分析素子
であって、前記展開層は、繊維、ガラス転移温度が30
℃以上の樹脂、及びガラス転移温度が30℃未満の樹脂
を含有してなることを特徴とする分析素子によって達成
される。
【0006】尚、繊維は、50メッシュの篩を通過し、
325メッシュの篩を通過しない繊維であることが好ま
しい。又、支持体上に少なくとも一つの試薬を含む試薬
層が設けられ、その上方に展開層が設けられてなる分析
素子であって、前記展開層は、短繊維、ガラス転移温度
が30℃以上の樹脂、及びガラス転移温度が30℃未満
の樹脂を含有してなることを特徴とする分析素子によっ
て達成される。
【0007】尚、短繊維は、325メッシュの篩を通過
し、長手方向の長さの平均値は1〜200μmで、長手
方向の長さ/短手方向の長さの平均値が1.1〜10の
短繊維であることが好ましい。又、支持体上に少なくと
も一つの試薬を含む試薬層が設けられ、その上方に展開
層が設けられてなる分析素子であって、前記展開層は、
非繊維、ガラス転移温度が30℃以上の樹脂、及びガラ
ス転移温度が30℃未満の樹脂を含有してなることを特
徴とする分析素子によって達成される。
【0008】尚、非繊維は、結晶セルロースであること
が好ましい。そして、上記のように構成させた本発明の
分析素子は、ガラス転移温度が30℃以上の樹脂とガラ
ス転移温度が30℃未満の樹脂とを併用したことによる
相乗作用によって、例えば特開昭57−197466号
公報に記載されている繊維を用いて製造された繊維質多
孔性展開層を塗設した素子において問題となる展開層の
亀裂や膜剥がれといった損傷の発生度が著しく少なく、
生産性が高く、かつ、耐久性に富み、同時再現性に優れ
たものになる。又、展開層への試薬含有が容易で、か
つ、展開面積のコントロールが可能である。
【0009】以下、本発明の分析素子について更に詳細
に説明する。本発明の分析素子に係る支持体としては、
液体不浸透性で、かつ、光透過性であればその種類を問
わないが、例えば酢酸セルロース、ポリエチレンテレフ
タレート、ポリカーボネート、ポリスチレンのような種
々の重合体材料が用いられる。支持体の厚さは任意であ
るが、好ましくは約50〜250μmである。支持体の
観察側の一側面は、その目的に応じて任意に加工するこ
とが可能である。
【0010】支持体上に試薬層を設ける場合、直接試薬
層を設けることもできるが、場合によっては、光透過性
の下塗層を設け、試薬層と支持体との間の接着性を高め
るようにしても良い。試薬層は、分析すべき検体成分と
定量反応を行わせる試薬類を含有せしめ、定量反応を行
なわしめる為に設けられる。そして、この試薬層は親水
性コロイド物質等をバインダとし、支持体上に塗布する
ことによって設ける為、濾紙の如き担体に試薬を含浸さ
せる従来の場合とは異なり、均一に試薬類を含有させる
ことが可能であり、かつ、試薬の含有量を自由にコント
ロールできるという利点を有している。このような親水
性コロイド物質としては、天然または合成の高分子物質
が好ましく、更に望ましくはゼラチン、変性ゼラチン等
のゼラチン誘導体、ポリビニルアルコール、ポリビニル
ピロリドンなどが好ましい。この中でも、ゼラチン等の
ゼラチン誘導体が特に好ましい。これらの親水性コロイ
ド物質は、約150〜500%の膨潤度を有するものが
好ましい。又、その膜厚は所望に応じて選択することが
可能であり、少なくとも約5μm以上であることが好ま
しい。
【0011】上記のようにして構成される試薬層に含有
される試薬は、試料中の分析すべき検体成分及びこの成
分を分析する為に選択した分析反応によって決まること
は言うまでもない。尚、選ばれた分析反応が二種以上の
試薬から構成されている場合、この試薬を同一試薬層内
に一緒に混合して含有させても良く、あるいは二種以上
の試薬を別層にして含有させても良い。又、試料中の二
種以上の検体成分を同一の試薬層内で分析反応を行うこ
とも可能である。この際、二種以上の分析反応は相互に
妨害しないように、かつ、生成した反応生成物を測定す
る際に互いに影響を及ぼさないよう分析反応を選択する
ことが望ましい。
【0012】本発明においては、支持体上に設けられた
試薬層の上方において一層または複数層の展開層が設け
られる。この展開層は、次の目的の為に設けられる。 (1)一定容量の流体試料を単位面積当たり一定容量
で、かつ、均一に試薬層内に拡散させる。 (2)必要に応じて流体試料中の分析反応を阻害する物
質または要因を除去する機能をもたせても良い。 (3)分光光度分析を行う際には、支持体を透過する測
定光を反射するバックグラウンド作用を行う機能を兼ね
備えさせても良い。
【0013】従って、本発明に係る展開層は、一層で上
記三つの機能を全て発揮できるようにしても良く、ある
いは各々の機能を適宜分離し、各機能毎に別の層を構成
するようにしても良い。さらには、三つの機能のうち、
二つの機能を発揮する層と、残りの他の機能を発揮する
層を組み合わせるようにしても良い。本発明に係る展開
層の膜厚は、目的に応じて任意に選ぶことができるが、
好ましくは約20〜600μm、さらに好ましくは50
〜400μmのものである。展開層の空隙率は、好まし
くは25〜90%、さらに好ましくは40〜80%のも
のである。展開層の平均ポアサイズは、好ましくは1〜
200μm、さらに好ましくは3〜150μm、さらに
一層好ましくは5〜100μmのものである。
【0014】本発明で用いられる繊維とは、形状が繊維
状であるものを言い、例えば特開昭57−197466
号公報で開示されている繊維、天然セルロース、及びそ
の誘導体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド
等の合成繊維が挙げられる。尚、この繊維はJIS標準
篩50メッシュを通過し、JIS標準篩325メッシュ
を通過できなかったもの、より望ましくはJIS標準篩
100メッシュを通過し、JIS標準篩320メッシュ
を通過できなかったもの、一層望ましくはJIS標準篩
200メッシュを通過し、JIS標準篩300メッシュ
を通過できなかったものが好ましい。特に、上記のよう
な大きさの天然セルロースが好ましい。
【0015】本発明で用いられる短繊維とは、JIS標
準篩325メッシュを通過できるもので、形状は球状の
ものではなく、長径と短径とがある針状の形をしてお
り、例えば特開昭49−53888号公報で開示されて
いる非繊維質多孔性媒体を形成させる為の素材とは異な
り、又、特開昭57−125847号公報で開示されて
いるような繊維とも異なる。そして、このような短繊維
を用いて構成した展開層は、例えば特開昭49−538
88号公報で開示されている非繊維質多孔性展開層と特
開昭57−125847号公報で開示されているような
繊維質多孔性展開層の各々の特長を併せ持ち、かつ、各
々の欠点が解決されたものとなる。
【0016】短繊維は、325メッシュの篩を通過し、
長手方向の長さの平均値は1〜200μmで、長手方向
の長さ/短手方向の長さの平均値が1.1〜10の短繊
維を用いることが好ましいが、長手方向の長さの平均値
は1〜150μm、より望ましくは5〜150μm、さ
らに望ましくは5〜100μm、もっと望ましくは10
〜100μmで、長手方向の長さ/短手方向の長さの平
均値が1.1〜5、より望ましくは1.2〜3のもので
あることが一層好ましい。
【0017】このような短繊維は、例えば天然セルロー
ス、及びその誘導体、ポリエチレン、ポリプロピレン、
ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン等の合成繊維
の粉砕品を325メッシュ以上の篩で処理することによ
り得られる。又、例えば旭化成社製のアビセル等の結晶
セルロース、樹脂粉砕品も使用でき、繊維粉砕品を篩い
分けしたものに限定されるものではない。尚、天然セル
ロースからのものが特に好ましい。
【0018】本発明で用いられる非繊維とは、形状が繊
維状でないものを言い、例えば特開昭49−53888
号公報で開示されている非繊維質多孔性媒体を形成させ
る為の素材、例えば二酸化チタン、硫酸バリウム、珪そ
う土のような無機顔料、天然あるいは合成ポリマーより
誘導された微結晶コロイド生成物、例えばFMC社製の
アビセルの如きの微結晶セルロース、例えばガラスビー
ズや樹脂ビーズのような不活性な粒子、特に好ましくは
微結晶セルロースが挙げられる。
【0019】本発明で用いられるガラス転移温度が30
℃以上の樹脂としてはスチレン系の樹脂、塩化ビニル系
の樹脂、芳香族ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂など
が有り、例えば特開昭55−90859号公報第12ペ
ージ右上欄第11行目〜右下欄第12行目記載の樹脂、
特開昭57−197466号公報第5ページ右上欄下か
ら第3行目〜第7ページ左上欄下から第4行目記載の樹
脂等が挙げられる。好ましいものは、ガラス転移温度が
30℃〜200℃、より望ましくは30℃〜120℃の
ものである。例えば、ポリスチレン(Tg=100
℃)、スチレン−グリシジルメタアクリレート共重合体
(90/10、Tg=90℃)、ビニルトルエン−p−
t−ブチルスチレン−メタクリル酸共重合体(61/3
7/2、Tg=100℃)、スチレン−2−ヒドロキシ
ルエチルメタクリレート−メタクリル酸共重合体(88
/10/2、Tg=99℃)、メチルメタクリレート−
ブチルアクリレート共重合体(70/30、Tg=70
℃)、スチレン−アクリロニトリル共重合体(70/3
0、Tg=109℃)、スチレン−塩化ビニルベンジル
−メタクリル酸共重合体(78/20/2、Tg=10
3℃)、スチレン−ブチルアクリレート−メタクリル酸
共重合体(88/10/2、Tg=84℃)等が有る。
特に、スチレン−グリシジルメタアクリレート共重合体
(90/10、Tg=90℃)が好ましい。尚、これら
の樹脂は、特開昭55−90859号公報や特開昭57
−197466号公報に記載の方法により合成できる。
【0020】本発明で用いられるガラス転移温度が30
℃未満の樹脂としてはポリウレタンエラストマー、ブタ
ジエン系ポリマー、ポリイソプレン等が有り、例えば特
開昭55−90859号公報第14ページ右上欄第10
行目〜第15ページ左上欄第20行目記載の樹脂等が挙
げられる。好ましいものは、ガラス転移温度が−100
℃〜30℃、より望ましいものは−100℃〜0℃のも
のである。例えば、米国グッドリッチ社のポリウレタン
樹脂ESTANE5703/5703P(MW1200
00、Tg=−35℃のポリエステル系ポリウレタ
ン)、5701F1/5701P(MW140000、
Tg=−25℃のポリエステル系ポリウレタン)、57
07F1(MW130000、Tg=−17℃のポリエ
ステル系ポリウレタン)、5710F1(MW1200
00、Tg=−32℃のポリエステル系ポリウレタ
ン)、5708F1(MW110000、Tg=−51
℃のポリエステル系ポリウレタン)、5740X874
(MW126000、Tg=−5℃のポリカーボネート
系ポリウレタン)、5714F1(MW140000、
Tg=−50℃のポリエーテル系ポリウレタン)等が有
る。
【0021】上記ガラス転移温度が30℃以上の樹脂と
ガラス転移温度が30℃未満の樹脂との割合は、前者/
後者(重量比)が5/100〜100/5、望ましくは
100/100〜100/10、さらに望ましくは10
0/75〜100/10が好ましい。そして、これらの
樹脂は広範に選択された量を用いることが可能である
が、繊維、短繊維あるいは非繊維で形成される間隙容積
の実質的部分が0.05〜50重量%、より好ましくは
0.05〜30重量%の程度となるように用いることが
できる。
【0022】本発明の展開層は、種々の方法を用いて製
造することができる。例えば、繊維、短繊維あるいは非
繊維を溶解しない液体キャリヤーに分散し、次いで上記
樹脂バインダを加えて繊維、短繊維あるいは非繊維分散
液を調整した後、塗布乾燥することにより展開層を形成
することができる。展開層を形成する為に有用な分散液
は十分な時間安定である必要がある。このような安定な
分散液を製造する為には、多くの方法を単独又は組み合
わせて用いることが可能である。例えば、有用な方法の
一つとして、界面活性剤を液体キャリヤーへ添加し、繊
維、短繊維あるいは非繊維の分散液中における分散及び
安定化を促進することができる。
【0023】使用可能な代表的な界面活性剤の例として
は、カチオン若しくはアニオン性界面活性剤、トライト
ンX−100(ロームアンドハース社製、オクチルフェ
ノキシポリエトキシエタノール)、サーファクタント1
0G(オリーン社製、ノニルフェノキシポリグリシドー
ル)等の非イオン性界面活性剤がある。これらの界面活
性剤は広範に選択された量を用いることが可能である
が、繊維、短繊維あるいは非繊維に対して0.005〜
30重量%、より望ましくは0.05〜20重量%用い
ることが好ましい。
【0024】又、別の方法として、上記分散液の超音波
処理、物理的混合、物理的攪拌処理、pH調整が有り、
これらを前記の方法に組み合わせることが有効である。
繊維、短繊維あるいは非繊維分散液の液体キャリヤー
は、水性液体とすることができる。尚、繊維、短繊維あ
るいは非繊維がキャリヤーに不溶性である種々の有機液
体のような他の液体キャリヤーも使用可能である。水以
外の代表的な液体キャリヤーには、水混和性有機溶媒、
水と水混和性有機溶媒の水性混和物及び適当な水不混和
性有機溶媒がある。水混和性有機溶媒には、低級アルコ
ール(アルキル基の炭素数が1〜4個のアルコール)、
アセトン及びテトラヒドロフランがある。水不混和性溶
媒には、酢酸エチルの如き低級アルキルエステル、ハロ
ゲン化炭化水素(例えば、クロロホルム、塩化メチル及
び四塩化炭素等)の如きハロゲン化有機溶媒、芳香族炭
化水素(例えばベンゼン、トルエン及びキシレン等)及
び脂肪族炭化水素(例えばヘキサン、デカリン等)の如
き溶媒がある。
【0025】本発明の分析素子は各種の機能層、試薬層
及び部材を有しても良く、例えば米国特許第39921
58号明細書記載の試薬層、濾過層、反射層、下塗層、
米国特許第4042335号明細書記載の放射線ブロッ
キング層、米国特許第4066403号明細書記載のバ
リヤー層、米国特許第4144306号明細書記載のレ
ジストレーション層、米国特許第4166093号明細
書記載のマイグレーション阻止層、米国特許第4127
499号明細書記載のシンチレーション層、特開昭55
−90859号公報記載のスカベンジャー層及び米国特
許第4110079号明細書記載の破壊性ポッド状部材
を任意に組み合わせて分析素子を構成することが可能で
ある。
【0026】本発明の展開層を有する分析素子は、一対
の加圧ローラーの間を通過させる方法によるカレンダー
リング処理を行うことによって、展開層表面の平滑さを
増し、光学的反射において好ましい効果を得ることが可
能である。本発明の分析素子は、例えば浸漬塗布法、エ
アーナイフ法、カーテン塗布法又は米国特許第2681
294号明細書に記載の如きホッパーを用いる押出塗布
法など各種の塗布法で塗布することが可能であり、所望
により二層又はそれ以上の層を米国特許第276179
1号明細書及び英国特許第837095号明細書に記載
の方法で同時に塗布することも出来る。
【0027】本発明の分析素子は、展開層側から流体試
料を供給し、透明支持体側から観察することにより目的
を達成できる。本発明の分析素子に適用される流体試料
の量は、任意に定めることができるが、好ましくは約5
〜50μlであり、より好ましくは約5〜20μlであ
る。通常約10μlの流体試料を適用するのが好まし
い。
【0028】本発明の分析素子に用いられる分析反応
は、その目的により任意に定めることができるが、例え
ば全血、血漿、血清、リンパ液、唾液、髄液、膣液、尿
などの生物学的流体試料中の成分の分析に用いられる。
これらは分析試薬を適宜選択することで、例えばグルコ
ース、尿素窒素、アンモニア、尿酸、コレステロール、
トリグリセリド、クレアチン、クレアチニン、ビリルビ
ン等の成分並びに他の多くの分析に使用し得るように容
易に構成することが可能である。
【0029】本発明の分析素子は臨床化学の分野に用い
られるのみならず、他の化学分析の分野においても適用
可能であり、又、一定膜面積内に一定の流体を保持でき
る機能を用いて他の機能層と組み合わせることも可能で
ある。本発明の分析素子を用いて検出可能な変化として
分析結果を得たのち、種々の検出可能な変化に対応して
反射スペクトロフォトメトリー、透過スペクトロフォト
メトリー、発光スペクトロフォトメトリー若しくは蛍光
スペクトロフォトメトリー又はシンチレーション測定等
により測定される。このようにして得られた測定値は、
予め作成しておいた検量線に当てはめることで、未知被
検物質の量を決定することができる。
【0030】以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的
に説明する。
【0031】
【実施例】
〔実施例1〕膜厚180μmの透明な下引済ポリエチレ
ンテレフタレート支持体上に下記組成の試薬層を設け
た。 〔試薬層〕 ゼラチン 14.0 g/m2 1,7−ジヒドロキシナフタレン 0.84g/m2 4−アミノアンチビリン・塩酸塩 0.81g/m2 ジメドン 0.19g/m2 リン酸カリウム緩衝剤(pH6.1) 2.82g/m2 トリイソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウム 0.22g/m2 1,2−ビス(ビニルスルホニル)エタン 0.10g/m2 ペルオキシダーゼ 67000U/m2 一方、繊維素材(F1)として、東洋濾紙社製の濾紙粉
末の40メッシュの篩を通過し、100メッシュの篩を
通過しなかったものを用いた。又、短繊維素材(F2)
として、東洋濾紙社製の濾紙粉末を350メッシュ以上
の篩で分級したものを用いた。又、非繊維素材(F3)
として、結晶セルロース「アビセル」(旭化成工業社製
pH101)を用いた。
【0032】ガラス転移温度Tgが30℃以上の樹脂バ
インダとしてスチレン−グリシジルメタアクリレート
(90/10、Tg=90℃)(B1)を用いた。又、
ガラス転移温度Tgが30℃未満の樹脂バインダとして
グッドリッチ社のポリウレタン樹脂ESTANE571
0F1(MW120000、Tg=−32℃のポリエス
テル系ポリウレタン)(B2)及び同5714F1(M
W140000、Tg=−50℃のポリエーテル系ポリ
ウレタン)(B3)を用いた。
【0033】そして、上記のF1,F2,F3及びB
1,B2,B3を用い、表1に示す分散液を作成した。 表 1 多孔性構造 バインダ樹脂 液体 界面 成形素材 Tg30℃以上 Tg30℃未満 キャリヤー 活性剤 分散液1 F1 B1 B2 MEK トライトンX 100g 20g 5g 308g 100 10g 分散液2 F1 B1 B3 同上 同上 100g 20g 5g 分散液3 F2 B1 B2 同上 同上 100g 10g 5g 分散液4 F2 B1 B3 同上 同上 100g 10g 5g 分散液5 F3 B1 B2 同上 同上 100g 10g 5g 分散液6 F3 B1 B3 同上 同上 100g 10g 5g 分散液7 F1 B1 − キシレン 同上 100g 25g 308g 分散液8 F2 B1 − 同上 同上 100g 15g 分散液9 F3 B1 − 同上 同上 100g 15g 分散液10 F1 − B2 MEK 同上 100g 15g 308g 分散液11 F2 − B2 同上 同上 100g 15g 分散液12 F3 − B2 同上 同上 100g 15g 上記試薬層の上に、液体試料を10μl点着した場合
に、展開面積が0.7〜0.8cm2 となるように分散
液1〜12を塗布、乾燥し、本発明の分析素子1〜6
(分散液1〜6を塗布して作成した分析素子)と比較例
の分析素子1〜6(分散液7〜12を塗布して作成した
分析素子)を得た。
【0034】これら本発明の分析素子1〜6と比較例の
分析素子1〜6に各種グルコース濃度のヒト血清を10
μl点着し、37℃で7分間インキュベーションした
後、546nmのフィルターを用いて反射濃度を測定
し、この反射濃度とユニットグルコースE(中外製薬社
製)で検定したヒト血清グルコース濃度から予め検量線
を作成した。
【0035】さらに、ヒト血清の中から正常値(85m
g/dl)及び異常値(275mg/dl)のものを各
々18回点着し、上記と同じ操作をし、予め作成した検
量線に当てはめ、グルコース濃度を算出し、変動係数C
V(%)を求めた。本発明の分析素子1〜6と比較例の
分析素子1〜6の塗布サンプルを1cm×7cmの短冊
状に裁断し、指で折り曲げた時の亀裂の発生の程度を目
視により評価した。又、小片に裁断して素子化する際の
膜ハガレの発生頻度、膜ハガレの程度より膜付性を評価
した。又、17kg/mの巻取張力を掛けて巻き取り、
23℃で20%RHの条件下に1週間放置し、ブロッキ
ングの程度を評価した。
【0036】これらの結果を表2に示す。 表 2 試料 正常値 異常値 膜付性 亀裂度 ブロッキ X(mg/dl) CV(%) X(mg/dl) CV(%) ング 発明分析素子1 85 2.11 275 2.02 ◎ ◎ ○ 発明分析素子2 〃 2.01 〃 1.99 ◎ ◎ ○ 発明分析素子3 〃 1.68 〃 1.58 ◎ ◎ ○ 発明分析素子4 〃 1.78 〃 1.45 ◎ ◎ ○ 発明分析素子5 〃 1.21 〃 1.08 ◎ ◎ ○ 発明分析素子6 〃 1.11 〃 1.05 ◎ ◎ ○ 比較分析素子1 〃 3.11 〃 2.98 × × 注 比較分析素子2 〃 2.00 〃 1.89 △ △ ○ 比較分析素子3 〃 3.22 〃 3.43 △ △ ○ 比較分析素子4 〃 2.98 〃 2.67 ◎ ◎ × 比較分析素子5 〃 2.01 〃 1.89 ◎ ◎ × 比較分析素子6 〃 1.99 〃 1.59 ◎ ◎ × 注 膜剥がれが発生し、巻き取れず。 本発明の分析素子1〜6は、比較例の分析素子1〜3よ
り展開層の接着強度が大きく、かつ、亀裂が発生しにく
く(耐クラッキング性が良好)、又、比較例の分析素子
1及び比較例の分析素子4〜6よりブロッキング性に優
れていることが判る。又、同時再現性のデータからメー
タリング機能にも優れていることが判る。
【0037】すなわち、展開層の樹脂バインダとして、
ガラス転移温度が30℃以上の樹脂とガラス転移温度が
30℃未満の樹脂の両方を併用してなる分析素子は、展
開層の接着強度が大きく、かつ、亀裂が発生しにくく
(耐クラッキング性が良好)、さらにはブロッキング性
に優れ、メータリング機能にも優れている。 〔実施例2〕表3に示す組成の分散液を作成した。
【0038】 表 3 多孔性構造 バインダ樹脂 液体 界面 成形素材 Tg30℃以上 Tg30℃未満 キャリヤー 活性剤 分散液13 F1 B1 B2 MEK トライトンX 100g 4g 1g 308g 100 10g 分散液14 F1 B1 B2 同上 同上 100g 8g 2g 分散液15 F1 B1 B2 同上 同上 100g 13g 2g 分散液16 F1 B1 B2 同上 同上 100g 16g 4g 分散液17 F1 B1 B2 同上 同上 100g 20g 5g 分散液18 F1 B1 B2 同上 同上 100g 25g 5g 分散液19 F1 B1 − キシレン 同上 100g 5g 308g 分散液20 F1 B1 − 同上 同上 100g 10g 分散液21 F1 B1 − 同上 同上 100g 15g 分散液22 F1 B1 − 同上 同上 100g 20g 分散液23 F1 B1 − 同上 同上 100g 25g 分散液24 F1 B1 − 同上 同上 100g 30g 上記分散液13〜24を用い、実施例1と同様にしてグ
ルコース分析素子(本発明の分析素子7〜12(分散液
13〜18使用)及び比較例の分析素子7〜12(分散
液19〜24使用))を作成した。
【0039】これらの分析素子について、実施例1と同
様に膜亀裂の発生の程度、膜付性を評価した。又、硬度
Hの鉛筆を用い、展開層表面を引っ掻き、膜強度を評価
した。これらの結果を表4に示す。 表 4 膜付性 亀裂度 膜強度 本発明の分析素子7 ◎ ○ △ 本発明の分析素子8 ◎ ○ ○ 本発明の分析素子9 ○ ○ ◎ 本発明の分析素子10 ○ ○ ◎ 本発明の分析素子11 ○ ○ ◎ 本発明の分析素子12 ○ ○ ◎ 比較例の分析素子7 × × × 比較例の分析素子8 × × × 比較例の分析素子9 △ × △ 比較例の分析素子10 △ × △ 比較例の分析素子11 × × ○ 比較例の分析素子12 × × ◎ 表4より、Tg30℃以上のバインダ樹脂と30℃未満
のバインダ樹脂とが用いられると、展開層の接着強度が
大きく、かつ、亀裂が発生しにくい(耐クラッキング性
が良好)ことが判る。従って、バインダ樹脂は少量でも
済み、それ故空隙率の高い多孔性展開層の成形が可能と
なり、かつ、試薬層と展開層との間に接着層を設けなく
ても済むようにもなり、又、厚みの薄い分析素子とする
ことが可能となり、さらには巻取が可能な為に製造面で
も有利である。
【0040】これに対して、Tg30℃以上のバインダ
樹脂単独では、バインダ樹脂の結合力が不十分な為、多
量のバインダ樹脂が必要となり、多量のバインダ樹脂を
用いると展開層の空隙がバインダ樹脂で埋められてしま
い、メータリング機能が低下してしまうという問題点か
発生する。又、空隙が埋まってしまうので、最適な展開
面積を得る為の展開層の膜厚がかなり必要となってしま
い、素子全体の膜厚が大きな値になってしまい、製造面
でも不利であり、又、膜付性も低下する。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に少なくとも一つの試薬を含む
    試薬層が設けられ、その上方に展開層が設けられてなる
    分析素子であって、前記展開層は、繊維、ガラス転移温
    度が30℃以上の樹脂、及びガラス転移温度が30℃未
    満の樹脂を含有してなることを特徴とする分析素子。
  2. 【請求項2】 50メッシュの篩を通過し、325メッ
    シュの篩を通過しない繊維を用いることを特徴とする請
    求項1の分析素子。
  3. 【請求項3】 支持体上に少なくとも一つの試薬を含む
    試薬層が設けられ、その上方に展開層が設けられてなる
    分析素子であって、前記展開層は、短繊維、ガラス転移
    温度が30℃以上の樹脂、及びガラス転移温度が30℃
    未満の樹脂を含有してなることを特徴とする分析素子。
  4. 【請求項4】 325メッシュの篩を通過し、長手方向
    の長さの平均値は1〜200μmで、長手方向の長さ/
    短手方向の長さの平均値が1.1〜10の短繊維を用い
    ることを特徴とする請求項3の分析素子。
  5. 【請求項5】 支持体上に少なくとも一つの試薬を含む
    試薬層が設けられ、その上方に展開層が設けられてなる
    分析素子であって、前記展開層は、非繊維、ガラス転移
    温度が30℃以上の樹脂、及びガラス転移温度が30℃
    未満の樹脂を含有してなることを特徴とする分析素子。
  6. 【請求項6】 結晶セルロースを用いることを特徴とす
    る請求項5の分析素子。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8231174B2 (en) 2005-06-06 2012-07-31 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Seat structure and seat contraction method

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