JPH0518936Y2

JPH0518936Y2 -

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Publication number: JPH0518936Y2
Application number: JP1986069606U
Authority: JP
Priority date: 1986-05-09
Filing date: 1986-05-09
Publication date: 1993-05-19
Anticipated expiration: 2001-05-09
Also published as: DE3771386D1; EP0244935A1; DE244935T1; CA1265928A; US4753036A; EP0244935B1; JPS62181151U

Description

【考案の詳細な説明】産業上の利用分野この考案は、一般家庭や事務所あるいはパブリ
ツクスペース等の植栽による室内の緑化、特に水
耕栽培した観葉植物等で室内のグリーンインテリ
アを形成するための室内用の多目的水耕栽培プラ
ンターに関する。

従来の技術従来、室内の緑化は、観葉植物等を植えた鉢
型プランター（ポツト）を適所に置くことが一
般的に行なわれている。

従来、土壌による栽培の代りに、一種の水耕
栽培でインドアプラントを育てる、所謂ハイド
ロカルチヤーにより栽培した観葉植物で室内の
グリーンインテリアを形成することも行なわれ
ている。但し、この場合でも食卓やカーペツト
の上にポツトを置くやり方が一般的に行なわれ
ているにすぎない。

次に、実開昭59−83335号公報記載の多目的
プランターは、特にビルの屋上とか住宅のテラ
ス等の屋外人口地盤の緑化を図る組立式の構成
とされている。しかも、大きな樹木を生育させ
て様々な植栽デザインを実施可能としていると
共にベンチや物置き台、花壇などと複合化した
グリーンインテリアを形成することができる多
目的用として構成されている。

本考案が解決しようとする問題点（）上記の鉢型プランターによる室内の緑
化は、植樹の環境として根域が鉢の大きさに限
定されてしまう。根域を大きくしようとすれ
ば、当然に重量が何倍にも大きくなるので、軽
量化が必要な室内用としては適さない。根域が
限定されると、樹木の生長もその限度に抑制さ
れてしまい、大きく豊かな緑の室内空間の創出
は困難である。

更に、従来の鉢型プランターは、それ自体が
独立した構成であるため、室内の家具、調度な
どとの意匠的調和によるインテリア設計の多様
性、多目的性は、とうてい得られなかつた。

この点は、上記の水耕栽培による室内の緑
化方式についても全く同様の問題点となつてい
る。

（）上記の多目的プランターの場合は、樹
木が大きく育ち、緑量を多く確保できる。ま
た、べンチや物置き台としての多目的利用が可
能である。その上、様々な植栽デザインを実施
することも可能である。施工後のデザイン変更
も可能である。

しかし、基本的には土によりインドアプラン
トを育てる構成のものであるから、室内用とし
ては適さない。というのも、室内で土により植
物を栽培する場合は、水の管理が極めて難かし
い。根腐れを起すほど水をやり過ぎてもいけな
いし、勿論不足してもいけない。ところが、プ
ランターの土壌表面には長い間に必ず塩基分が
浮上して薄層を形成し、これが植物を枯らす原
因となる。そこで、室内の植栽には前記の塩基
分を洗い流す程多量の水をたつぷりと与え、し
かも余剰水はその都度排除して根腐れの防止を
図らねばならない。しかし、室内では美感上プ
ランターの余剰水を排除する排水管等の設置は
とうてい容認されないのが普通である。また、
この多目的プランターの場合は、配置パターン
にバリエーシヨンがあるといつても、植栽用の
植桝を中心にして延びるデザインが基調をな
し、さほどの自由度がない。さらに、この多目
的プランターの場合は、一旦設置すると室内の
定着物となるに等しい構成のものである。しか
も土があるので解体撤去することも容易でな
い。また、植栽を移設するには周知の如く数ケ
月前からのいわゆる根廻しが必要であり、専門
家でなければとうてい取り扱えないという問題
点があつた。

従つて、本考案の目的は室内条件に適応する
ようなバリエーシヨンに富んだ配置パターンが
可能であり、かつ室内家具や調度と調和し又は
機能的に複合化するインテリア設計が可能に構
成した室内用の多目的水耕栽培プランターを提
供することである。

問題を解決するための手段上記従来技術の問題を解決するための手段とし
て、この考案に係る室内用の多目的水耕栽培プラ
ンターは、第１図〜第１２図に実施例を示したと
おり、上面を植栽用の開口部２とし側面部に植物Ａの
根茎部ａを自由に伸長させる大きさの連通孔３が
設けられた水密容器構造のプランター１を、前記
連通孔３同士を突き合わせて水密的に接続するこ
とによつて多数個のプランター１が所望のパター
ンで一連に配置されている。前記の各プランター
１…内には多孔質の粒状充填材４と水が所要量収
容されている。前記した全部又は一部のプランタ
ー１に所望の植物Ａが植栽されていることを特徴
とする。

作用水耕栽培プランターによる場合には、土を使用
せず、塩基分の浮上の心配が全く無いので、あふ
れる程水をやり、そして余剰水を排除する手入れ
の必要がない。虫や匂いがつかないので室内の植
栽用として適する。

個々のプランター１…は連通孔３で一連に連通
されているので、１個のプランターに給水すれば
全部のプランターに水が行き渡る。しかも、多孔
質の粒状充填材４…を入れているので、給水レベ
ルはかなり低くても所謂毛細管現象で個々の充填
材４が水を含み、水が減るにしたがつて含んでい
た水をはき出して順次補給する働きがある。よつ
て、給水間隔は２〜４週間ぐらいで十分であり、
ほとんど手間がかからない。

発泡質で小塊状の粒状充填材４は、土と違つて
給水すると水を含み、その含み水をはき出すと空
気を含むことになる。よつて、植物Ａの根茎部ａ
を程良く空気にさらすことになり根腐れの心配の
ない好環境を作る。

植物Ａは、その成育にしたがつて根茎部ａが一
連のプランター１…の中へ連通孔３…を通じて順
次伸長できるので大きく育てることができ、豊か
な緑量を確保できる。大きく成長しない植物の場
合は、個々のプランター１に草花を植栽して花壇
のようにも使用できる自在性がある。

各プランター１は、いわば独立の水容器であ
り、一方、水耕栽培植物Ａはその移設に際して根
廻しの必要が全くない。多孔質の粒状充填材４
は、土と違つて周辺を汚すことなく簡単確実に取
り扱える。よつて、自由に切離して移設する自由
度があり、インテリア設計のバリエーシヨンや変
更に親しむ。

各プランター１を、上面を開口され外観を家
具、調度の意匠で形成された外箱５の中に収納せ
しめ、又はテーブル形状の外周フレーム７を被せ
該外周フレーム７の上面枠部に腰掛け用の座板８
を設置することによつて、室内の応接セツト等の
家具や調度の意匠と調和させて一般家庭向き、又
は事務所やロビー、パブリツクスペース向きに応
用自在で、多目的に使えるし、インテリアのバリ
エーシヨンを豊かにできる。

実施例次に、図示した本考案の実施例を説明する。

第１図と第２図は、室内に応接セツトの家具調
度を兼ねて設置した多目的水耕栽培プランターの
実施例を示している。図中Ａが植栽された水耕栽
培植物である。第１図は、各プランター１の外周
に、同プランター１の平面形状と略同形の上面枠
部から下向きに同プランター１の高さよりも少し
長い複数の脚をもつテーブル形状の外周フレーム
７を被せてあり、植物Ａが植栽されていないプラ
ンター１の外周に被せた外周フレーム７の上面枠
部には腰掛け用の座板８が設置され、これが応接
セツトの座部として利用可能に構成されている。
第２図の場合、各プランター１は上面を開口され
外観を家具、調度の意匠で形成された化粧箱の外
箱５の中に収納せしめ、植物Ａが植栽されないプ
ランター１を収納した外箱５の上面に腰掛け用の
座板を兼ねた閉じ蓋６が配置され、これが応接セ
ツトの座部として利用可能に構成されている。

単体としてのプランター１の形状、構造は、そ
の一例を第３図〜第５図に示した。即ち、上面を
植栽用の開口部２とされ、側面部に栽培植物Ａの
根茎部ａをその生長と共に自由に伸長させる大き
さの連通孔３を設けられた略立方体又は直方体形
状の水密容器構造に形成されている。材質は、強
度、剛性が大で水や肥料等に対する耐食性に優
れ、かつ軽量な繊維強化プラスチツク（FRP）
製とされている。しかし、場合によつては通常の
合成樹脂製あるいはアルミニウム等の軽量金属製
として実施することもできる。プランター１の大
きさは、たて×よこ×高さが略400×350×300位、
平均肉厚は2.4mm位で、連通孔３の口径はφ200ぐ
らいとされている。

なお、プランター１の平面形状のバリエーシヨ
ンとしては、コーナー部にはＬ形に屈曲されたコ
ーナープランターを使用し、直線部分には長さを
２倍、３倍の大きさとしたものを使用することも
できる。プランター１の平面形状は、三角形とか
六角形その他の多角形、又は円形、楕円形等とし
て実施することもできる。

連通孔３は、第４図のようにプランター１の相
対峙する側壁部に対称的に一対設けるのが基本的
であるが、第６図のように配置パターンのエンド
用として一側面にのみ設けたもの、あるいは４側
面の全部に設ける場合、又は一側面を除いて他の
３側面部に設けて実施することも可能である。こ
うした種々な形状、構造のプランター１を用意す
ることにより後述する配置パターンの自由度を高
め、施工の容易性を確保することができる。

上記構成のプランター１は、第４図に示したよ
うに、隣り合うもの同士を連通孔３同士突き合わ
せて水密的に接続することによつて多数個のプラ
ンター１が所望のパターンで一連に配置され、も
つて室内用のグリーンインテリアを形づくる多目
的水耕栽培プランターとして組立てられる。連通
孔３，３同士のもつとも簡単な水密的接続法とし
ては、第４図に示したとおり、連通孔３を形成す
る筒体３ａの先端部に外向きに屈曲したフランジ
３ｂを形成し、このフランジ３ｂ，３ｂ間に防水
パツキン１０を挟持させ、その外周を防水ゴム帯
１１で水密的に密封し、これがバンド１２で緊締
されている。このような水密的接続法で所要数の
プランター１を連結することにより、例えば第７
図Ａ〜Ｄに示したような多様な配置パターンで室
内用の多目的水耕栽培プランターを組立てること
ができる。なお、この配置パターンにおけるエン
ド部分のプランター１における非連結用の連通孔
３は、第４図の左側に示したように着脱自在な側
蓋１３で閉鎖する。

上記のようにして所望のパターンで一連で配置
された各プランター１…の中には、多孔質の粒状
充填材４がプランター１の高さの50％〜80％ぐら
いのレベルに収容されている。水は最高レベルで
プランター１の底から５cmぐらいまで供給され
る。前記粒状充填材４を利用して水耕栽培用の植
物Ａが植栽され（第８図）、他の植物Ａが植栽さ
れないプランター１…の上面開口は蓋で覆われ、
外観を家具、調度の意匠で形成されている。

前記多孔質の粒状充填材（ハイドロボール）４
としては、例えば1200℃位の高熱で焼成発泡させ
た人口の軽石と呼ばれる発泡煉石などが好適であ
る。

水は、プランター１内に水位計１４（第８図）
を設置しておいて、必要なだけ与える。一連の各
プランター１…は、連通孔３…によつて連通され
ているので、１箇所のプランターに給水すると全
部のプランターに水が行き渡るので水供給作業が
簡単である。給水の必要性は、植物Ａによる吸収
と蒸発とにより完全に乾燥して水位計１４が零を
指して後１週間ぐらい放置した上で再び給水する
程度で十分である。かくすると、多孔質の粒状充
填材４に含まれていた水が一旦は全部はき出され
て多孔部に空気を含むところとなり、植物Ａの根
茎部ａに対しては充分な空気と水を理想的なバラ
ンスで供給することになる。

栽培される植物Ａとしては、ほとんどの観葉植
物が水耕栽培に適する。また、花ものも水耕栽培
が可能である。具体的には銀杏、欅等の落葉樹、
楠、樫等の常緑樹、あるいは竹、ツツジ、サツ
キ、ツゲなどの栽培が可能である。その他、サト
イモ科のセローム、デイフエンバキア、ヤシ科の
テーブルヤシ、アレカヤシ、クワ科のゴム、ベン
ジヤミナ、ユリ科のドラセナ、オリズルラン、ジ
ユクサ科のトラデイスカンチヤ、セブリナ、ウラ
ボシ科のアジアンタム、ツデー、花ものとしては
セントポーリア、シクラメン、デンドロビユーム
等が適している。

植栽部分以外のプランター１には、その上面部
を開放して草花を植え花壇のように構成すること
もよい。あるいは透明なアクリル板９等で蓋をし
て中身を透視できる応接セツトの座部に形成する
こともよい（第４図、第６図）。

その他の実施態様各プランター１…の連通孔３同士の接続は、次
のようにも行なわれる。

（その１）第９図に示したように、各プランタ
ー１，１の連通孔３を形成する筒体３ａのフラ
ンジ３ｂ，３ｂ間に防水パツキン１０を挟持さ
せた上で、同フランジ３ｂ，３ｂ部分をボルト
１５、ナツト１６で締結する。

（その２）第１０図に示したように、フランジ
３ｂ，３ｂ間に防水パツキン１０を挟持させた
上で、プランター１，１の側壁部同士を長ボル
ト１７とナツト１８とで締結する。

（その３）第１１図Ａ，Ｂに示したように、中
央部Ｂ点をクランプできる円筒体をなしその両
端外周に逆ねじを形成したカプラー１９を隣接
するプランター１，１の連通孔３，３に通し、
両端のねじ部にナツト２０，２０をねじ込み、
それぞれワツシヤ２１を介してパツキン２２を
圧着せしめる。

（その４）第１２図に示したように、一端に抜
止めフランジ２３ａを有し、他端外周に逆ねじ
部を設けた中空円筒形状の一対の管継手２３を
防水パツキン２４を挟んでそれぞれの連通孔３
に通し、この管継手２３，２３同士を突き合わ
せた上でカプラー２５で一連に接続せしめる。

本考案が奏する効果この考案に係る室内用の多目的水耕栽培プラン
ターは、土を使用しないで植物Ａを水耕栽培する
ので、虫や匂いがつかないし、数週間に１回ぐら
い給水すれば良く手間がかからないので、誰でも
容易に取り扱えるし、室内用として適し、室内の
緑化に寄与する。

しかも、すこぶる軽量で、床の補強とか防水処
理を要さず簡単にしかも大規模なグリーンインテ
リアとして実施できる利点がある。

特に、根域を限定することなく根茎部ａを自由
に伸長させられるので、植物Ａを大きく育て豊富
な緑量の室内空間を創出できる。

また、この多目的プランターは、連結の配置パ
ターンに広範なバリエーシヨンがあり、自由なグ
リーンインテリアの設計施工により、室内空間に
応じた大型緑化を図ることができる。

さらに、応接セツトその他の家具、調度と調和
させ又は機能複合化させてベンチ、椅子、物置台
その他に多目的に利用することが可能であり、イ
ンテリア設計の多様性、多目的性に寄与する。

【図面の簡単な説明】

第１図と第２図は本考案の室内用の多目的水耕
栽培プランターの実施例を示した斜視図、第３図
〜第５図はプランター単体を示した平面図と−
、−矢視断面図、第６図は異なる構造のプ
ランター単体を示した断面図、第７図Ａ〜Ｄはプ
ランターの種々な配置パターンの説明図、第８図
はプランターに植物が植栽された状態を示した断
面図、第９図〜第１２図はプランター接続手段の
異なる実施態様を示した断面図である。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

上面を植栽用の開口部２とされ側面部に植物Ａ
の根茎部ａを自由に伸長させる大きさの連通孔３
が設けられた水密容器構造のプランター１を、前
記連通孔３同士を突き合わせて水密的に接続する
ことによつて多数個のプランター１が所望のパタ
ーンで一連に配置されており、前記の各プランタ
ー１…内には多孔質の粒状充填材４と水が所要量
収容されており、前記した全部又は一部のプラン
ター１に所望の植物Ａが植栽されていることを特
徴とする、室内用の多目的水耕栽培プランター。