JP2006081535A - 植物栽培用容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】 一般家庭の他に特殊空間における社会的ニーズを解決することができる植物栽培用容器を得る。
【解決手段】 植物栽培のためにコンテナ12の容器部20内に給水された水が排水管40によって排水溝41に排出される。ここで、排水管40は、一端が容器部20内に挿入され、他端が下部スペース13に導かれて配置されており、容器部20内に配置された排水管40の取水口40Aは、濾過部26の範囲で高さが調節可能である。このため、取水口40Aの高さを調節することで、容器部20内の水位を調整することができ、栄養過多となった排水を濾過して排水することで、藻やこけなどの発生を防止することができ、排水溝41の目詰まり等を防止することができる。また、植物栽培用容器10は、下部に開口部21Aが形成され、荷重が軽減される他、排水溝41や建物等へのメンテナンスが移動せずとも容易にできる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、一般園芸から室内及びベランダやバルコニー、屋上緑化部等の特殊空間における環境に適用できる植物栽培用容器に関する。
植物栽培用容器として、例えば、プランターがある。このようなプランターには、水はけを良くするために、底部に排水孔が形成されている(例えば、特許文献1参照)。この従来のプランターでは、給水量が多い場合には排水されてしまうため、プランター内の水量調整が難しく、栄養分を含んだ排水による環境汚染も問題となる。
また、露地栽培でなく、ベランダやバルコニー、屋上等の建物内での植物栽培場所である特殊空間へプランターを設置して植物を栽培する場合は、プランターの設置の仕方や設置場所によってはベランダ等の排水口を塞ぐ原因になる。また、プランターの荷重が大きい場合には移動が容易でないため、清掃等、メンテナンスも難しい。さらに、いたる所に複数の鉢を置くことは、消防法上の問題になり、また、高層階に設置する場合には、風の影響による落下事故等に繋がり、社会的問題となっている。
このように、ベランダやバルコニー、屋上におけるガーデニングや緑化部においては、従来の手法では解決できない、特殊空間における新しい問題点が多く発生している。
特開平8−163932号公報
本発明は、上記事実を考慮して、一般家庭の他に特殊空間における社会的ニーズを解決することができる植物栽培用容器を提供することを課題とする。
すなわち、植物栽培用容器に用土を入れて栽培することによる荷重増を軽減しながら、メンテナンスがしやすい植物栽培用容器を提供することを課題とする。
また、植物栽培用容器内で栄養過多となった水を排水することによる、排水溝、排水口の閉塞や目詰まり、藻やこけ等の発生を防止し、一般住宅、集合住宅(高層マンションを含む)、各種施設等の環境問題を軽減する植物栽培用容器を提供することを課題とする。
請求項1に記載する本発明の植物栽培用容器は、内部スペースの上部に植物栽培のために給水される容器部を備えた容器本体と、取水口を備えた一端が前記容器部内に挿入され、前記取水口の高さが調節可能であって、他端が前記容器本体の下部スペースに導かれて前記容器部内の水を排出させる排水管と、前記容器本体に設けられ、前記下部スペースを開放可能な開口部と、を有することを特徴とする。
請求項1に記載する本発明の植物栽培用容器によれば、容器本体は、内部スペースの上部に植物栽培のために給水される容器部を備えており、排水管は、取水口を備えた一端が容器部内に挿入され、取水口の高さが調節可能であり、他端が容器本体の下部スペースに導かれて容器部内の水を直接、排水口や排水溝に排出させる。このため、容器部内の水量調整を容易にすることもできる。その結果として、排水溝の目詰まり等を防止することができる。また、容器本体には、下部スペースを開放可能な開口部が設けられているため、容器部の下方のメンテナンスが容易になると共に、下部スペースには植物栽培を目的として用土を入れることはないので、荷重増を軽減することができ、また、容器を移動させることもなく、構造物部分へのメンテナンスも容易となる。
請求項2に記載する本発明の植物栽培用容器は、請求項1記載の構成において、前記容器部内の下部に濾過部を設け、前記濾過部の範囲で前記取水口の高さが調節され、濾過後の排水が前記取水口から排出されることを特徴とする。
請求項2に記載する本発明の植物栽培用容器によれば、濾過部の範囲で取水口の高さが調節され、濾過後の排水が取水口から取水されて排出される。このため、排水管の劣化や排水溝、排水口等への藻やこけの発生等を防止することが可能となり、栄養分を含んだ排水による目詰まりを抑えることができると共に、環境汚染も防止することが可能となる。
請求項3に記載する本発明の植物栽培用容器は、請求項1又は請求項2に記載の構成において、前記容器本体の底板が、前記容器本体の中段位置に配置され、前記排水管の一端側が前記底板を貫通して前記容器本体に接続され、前記排水管の他端側が前記容器本体の下方で排水溝又は排水口へ直接排水する連結部とされることを特徴とする。
請求項3に記載する本発明の植物栽培用容器によれば、容器本体の底板が、容器本体の中段位置に配置され、排水管の一端側が底板を貫通して容器本体に接続され、排水管の他端側が容器本体の下方で排水溝又は排水口へ直接排水する連結部とされるので、排水管の一部を底板の下方に収納できると共に、底板の下方で取水口の高さ位置を調節することができ、さらに、排水溝又は排水口への排水が容易となる。
請求項4に記載する本発明の植物栽培用容器は、請求項2又は請求項3に記載の構成において、前記開口部により開放された前記下部スペースに設置され、前記排水管の前記他端が挿入される貯水槽と、前記貯水槽内に一端部が配置されると共に、前記排水管内を挿通し、前記濾過部の上方に他端部が配置される吸水長尺体と、を有することを特徴とする。
請求項4に記載する本発明の植物栽培用容器によれば、吸水長尺体は、貯水槽内に一端部が配置されると共に、排水管内を挿通して、濾過部の上方に他端部が配置されるので、簡易な底面灌水ができる。すなわち、下部スペースに貯水槽を設置してこの貯水槽に排水管を延ばすと共に、排水管の内部を通って両端部がそれぞれ貯水槽と容器部内の濾過部の上方とに配置される吸水長尺体(水上げ用の布状又はひも状の吸水体等)を設けた場合には、毛管現象(毛細管現象)によって底面灌水をすることができ、長期又は短期の不在時に適用できる他、常設すれば給水作業の省力化を図ることができる。このように、開口部により開放された下部スペースを利用することで、景観的にも優れた簡易底面灌水システムを組み入れることを可能とした。ここで、貯水槽が開口部により開放された下部スペースに設置されることで、貯水槽内の水量確認を直視することが容易となる。
請求項1から請求項4に記載する本発明の植物栽培用容器によれば、容器部の下方に下部スペースが設けられるため、用土を入れた場合にも、全体の荷重増を軽減することが容易となる。
また、植物栽培用容器を移動しにくい場所に設置した場合であっても、開口部が形成されているため、植物栽培用容器の裏側へ落下した物を拾ったり、容器部の下方(例えば、排水溝等)のメンテナンスをしたりすることが容易にできる。
ここで、植物栽培用容器の脚部を伸縮自在とした場合には、設置場所に段差等があっても植物栽培用容器を水平に安定した状態で設置することができる。
また、植物栽培用容器を組み立て式や折り畳み可能とした場合には、運搬や収納が容易になり、設置現場での作業の軽減化、また、短時間による組み立てにより施工の短縮化を図ることも可能である。
さらに、植物栽培用容器に複数の基本形状(基本パターン)を用意し、これらを組み合せる場合には、ファニチャー的な使用形態も可能となる。ここで、基本形状は、開口部が形成された形状であるが、開口部が形成されない形状と組み合わせてのファニチャー的要素使用も可能である。
さらにまた、植物栽培用容器は、ベランダ、バルコニー、屋上等に設置した場合、下部スペースの高さ分だけ容器部が高い位置に配設されることになるので、目線が従来の下方中心から上方へ移って景観が得られやすい。また、これらベランダ等の特殊空間の環境下においては、柱やフェンス等の後付けが困難な場合が多いが、植物栽培用容器に柱等を取り付けたり、差し込んだりした場合には、支柱を立てたり、ラティスフェンスやトレリスなどの取り付けも可能になる。
なお、植物栽培用容器の素材にプラスチック等を使うと、型代等、多数のロットの作成を余儀なくされ、廃棄までの環境問題もあることから、植物栽培用容器には、自然素材の使用が望まれる。植物栽培用容器の素材に木材を使う場合には、灌水や天候等により腐りやすいが、景観上、デザイン上に優れ、バラエティーに富んだ多様なニーズに応えられるという利点を多く含んでいる。ここで、容器部とその内貼りの防水シート等の間に雨や水が入ると、水分が(容器部を形成する)木に吸収されて腐りやすくなるが、防水層の表面に凹凸や溝等を形成した場合には、常に容器と防水層との間に空気の出入りが保てるので、乾燥しやすく、木は腐りにくくなる。
また、この植物栽培用容器は、そのまま室内環境下でも利用することが可能である。
以上説明したように、本発明の植物栽培用容器によれば、一般住宅での使用もさることながら、ベランダ、バルコニー、屋上等の特殊な環境条件に用いる際に優れた効果を有する。特に、従来は、小さな鉢やプランターを多数並べて植栽を楽しんおり、給水時に流出する流出土、肥料投入による栄養過多な排水が、こけ等の発生を招き、排水溝や排水口に流れ込んで、排水溝等を詰まらせており、排水溝等の上に鉢やプランターを置く場合も同様の事態を発生していたが、本発明の植物栽培用容器によれば、このような事態を回避することができる。
また、テラスに鉢を置いたり、プランター等を吊ることも、思わぬ風の影響によって落下事故の原因となっており、鉢等がベランダ等の避難路を塞ぐ等の問題もあったが、本発明の植物栽培用容器は、固定及び移動が容易であるため、このような問題を解消することもできる。
さらに、従来のプランターでは、用土が入るとプランターそのものが重くなるので、移動して掃除することが困難になり、これに起因して目詰まり、漏水、建物のクラック発生、消防法上及び安全上の問題の発生、ひいては、景観上の問題へ発展することもあり、これらを解決することが現状における社会的要求となっているが、本発明の植物栽培用容器によれば、これらの社会的要求を解決し、それぞれが楽しみながら安心してガーデニング等に従事できることを可能とする優れた効果を有する。
本発明における植物栽培用容器の第1の実施形態を図面に基づき説明する。
図1に示されるように、植物栽培用容器10は、容器本体としてのコンテナ12を備える。コンテナ12の素材としては、廃棄までの環境問題やコストを考慮して、本実施形態では、自然素材である木製板等を使用しているが、プラスチック等の素材も適用可能である。コンテナ12は、図2に示されるように、4枚の側壁14A、14B、14C、14D(以下、「14A〜14D」と略す。)が直角に交わっており、側壁14A、14Bの下部が設置面に接して荷重を支持している。また、図1及び図2に示されるように、各側壁14A〜14Dの頂部には、枠状の上板部材17が嵌め込まれており、側壁14A〜14Dの肉厚方向両側に張り出して庇状となっている。
図1に示されるように、コンテナ12の高さ方向で中間部となる中段位置には、側壁14A〜14D(図2参照)の内向き面にそれぞれ支持部材16が接着剤等で固定されている。支持部材16は、コンテナ12の高さ方向に直角な方向に延びる角柱状とされ、支持部材16の上面には、底板18の別板が嵌め込まれている。底板18と側壁14A〜14Dとが形成する上段の容器部20は、上部が開口した箱状とされている。なお、容器部20の内側は、コンテナ12の内部スペースの上部として植物栽培のために給水される領域となる。また、容器部20の下方は、コンテナ12の下部スペース13を含む底下部21とされており、図2に示されるように、底下部21には、下部スペース13を開放可能な開口部21Aが形成され、この開口部21Aを開閉可能な扉部46が設けられており、景観上の観点から扉部46によって下部スペース13の排水ホース37(詳細後述)等を隠すことも可能であり、下部スペース13は、ガーデニング用品等の収納スペースにもなり得る。また、扉部46の内側の下部スペース13にスノコ(図示省略)を敷設すれば、ガーデニング用品等を床面に直置きすることなく収納することもできる。
図1に示されるように、容器部20の内側下部には、防水シート22(又は、防水素材でも可)が、内貼り、或いは嵌め込まれている。この防水シート22は、縁部付近が立上り部とされ、容器部20の内側側面における下部をも覆っている。防水シート22は、樹脂材を皿状に成形してもよく、平板状樹脂材を折り畳んで皿状にしてもよい。容器部20の内側側面には、角筒状で防水性の内張り部材24が配置され、内張り部材24の下部が防水シート22内側に載置されている。なお、内張り部材24の下部は、防水シート22に接着されていてもよい。内張り部材24の外形寸法は、側壁14A〜14Dの内側寸法とほぼ等しいか、僅かに小さい程度とされる。内張り部材24の外向き面には、上下左右方向に対して凹凸部が形成されている。
なお、容器部20内の防水シート22は、折り曲げて箱状(深皿状)としてもよい。箱状(深皿状)とした場合には、防水シート22と容器部20との通気性を保つために、防水シート22における容器部20との接触面を凹凸状にするのが良く、凹凸面のない防水シート22を適用する場合は、緩衝材を防水シート22と容器部20との間に介在させるか、又は、プラスチック等の素材により成形された凹凸状部材(又は波状部材)を防水シート22と容器部20との間に介在させるのが良い。
上板部材17があるために、内張り部材24と側壁14A〜14Dとの間には、雨等の水が浸入しにくいが、仮に、内張り部材24と側壁14A〜14Dとの間に水が入った場合にも、この内張り部材24の凹凸部での空気の出入りによって速く乾燥し、木製板からなる側壁14A〜14Dが腐りにくい。
容器部20の内側下部には、濾過部26が設けられる。濾過部26には、濾布等の布状(又はネット状)の袋に入れられた濾過材28が配置される。濾過材28は、いくつかの集合でもよいし、1枚のマット状でもよい。濾過材28は、透水性があって、塩基置換及び吸着能力が高い素材(例えば、硅藻土、炭、又はヤシガラ炭等)を板状、粒状、固形状又は繊維状にしたものが適用される。濾過部26の上方は、盛土部30が充填され、培養土や腐葉土等の用土32が収容される。この盛土部30に植物33(図5参照)が植えられることになる。
コンテナ12の底板18は、図3(C)に示されるように1枚の板状とされて貫通孔36が形成され、この貫通孔36には、図1に示されるように、容器部20内の水を排出させる排水管40が挿通されている。排水管40は、排水ホース37、管部材38、及び、保持部材39により構成される。排水ホース37は、上部が貫通孔36のほぼ高さ位置付近に配置されて硬質素材からなる円筒状とされ、中間部から下部にかけては、コンテナ12の下部スペース13に導かれて排水溝41(又は排水口)へ延びている。なお、排水ホース37の中間部から下部にかけては、蛇腹状であっても蛇腹状でなくてもよく、材質も種々のものが適用できる。
図4に示されるように、排水ホース37の上部には、防水シート22の貫通部22Aを挿通する管部材38が取り付けられており、この管部材38の外周部には、ねじが切られている。管部材38の外周には、保持部材39が配置され、保持部材39は、防水シート22の上面に保持される第1ナット39Aと、防水シート22の下面に接して配置される第2ナット39Bとを備える。また、第2ナット39Bは、下方に延びる筒状部39Cを備える。管部材38は、この保持部材39と螺合されるようになっている。これによって、図1に示されるように、排水管40の一端側が底板18を貫通してコンテナ12に接続される。ここで、図4に示される保持部材39の筒状部39Cを把持して回転させると、管部材38が上下に移動する構成となっている。
図1に示されるように、排水管40は、容器部20内に配置される一端部が取水口40Aとされている。この取水口40Aには、フィルター40Bが取り付けられている。フィルター40Bの上部には、さらに若干の距離をおいてカバーが取り付けられ、用土32が取水口40A内へ入らないようにすることができる。排水管40は、取水口40Aにおける底板18からの高さが濾過部26の範囲で調節されるように固定される。排水管40の他端部(下部スペース13に導かれた側の先端部)は、排水用口部40Cとされ、コンテナ12の下方で排水溝41(又は排水口)へ直接排水する連結部とされる。
なお、取水口40Aは、本実施形態のように、排水管40における最上部に配置するのが好ましい。このようにすれば、水の自重によって排水が容易となる。また、排水管40は、好ましくは、本実施形態のように、コンテナ12の底板18(容器部20の底部)を貫通するか、又は、コンテナ12(容器部20)の側壁14A〜14Dを貫通するのがよい。
図2に示されるように、容器部20の下方の下部スペース13は、排水ホース37の中間部等が収容可能とされ、前面の側壁14Cの延長部分には、開閉可能な扉部46が設けられている。本実施形態では、扉部46は、手前下方へ向けて開く構成になっている。
コンテナ12は、設置場所を変えることが少ないものであるので、設置状態で容易に清掃やメンテナンス等ができることが好ましいが、本実施形態では、扉部46を開いた状態で、容器部20の下方(排水溝部分や設置されるベランダ等を含む)の清掃やメンテナンス等が容易にできる。また、容器部20の下方の空間を如雨露や肥料等の収納部として活用してもよい。なお、コンテナ12の下部(容器部20の下方)は、ほとんど部材が取り付けられない空間とされているため、コンテナ12の大きさを有しながらもコンテナ12の荷重は軽減されている。
以上説明したコンテナ12は、パーツ組立て式であり、図3(A)、(B)に示されるような板材80、81を組み合せて側壁14A〜14D(図2参照)とし、これに図3(C)に示されるような底板18を嵌め込んで形成する。(図2に示される上板部材17は、本実施形態では、側壁14A〜14Dを形成した後、最後に嵌め込むが、図3(A)、(B)に示される板材80、81に初めから取り付けておいてもよい。)ここで、図3(A)に示される板材80は、横幅が長く、左右両側に雌部材となる差込受口金具80Aが取り付けられ、図3(B)示される板材81は、横幅が短く、左右両側に雄部材となる差込金具81Aが取り付けられており、差込金具81Aが差込受口金具80Aに差し込まれて側壁14A〜14D(図2参照)が組み立てられる。なお、横幅の長い板材80が前後の側壁14C、14Dとなり、横幅の短い板材81が左右の側壁14A、14Bとなる。
以上によれば、ねじを全く使わずに嵌め込むだけで、植物栽培用容器10を組み立てることができる。このため、組み立てを楽に速くすることができるので、設置時間を短縮でき、集合住宅など個数の多い条件での施工時間の短縮にもなる。
次に、第1の実施形態の作用について、図1を参照しながら説明する。
植物栽培のために容器部20内に給水された水が排水管40によって排出される。この排水管40の取水口40Aは、濾過部26の範囲で高さが調節される。このため、容器部20内の水位を調整することが可能となり、容器部20内の水量調整を容易にすることができ、簡易の底面灌水の役割を果たすことも可能である。また、濾過材28を密に設置して盛土部30内の水が取水口40Aへ直接入らないようにすれば、排水管40は、濾過部26によって濾過された水を取水口40Aから取水して排出するので、排水管40の劣化や排水溝41(又は排水口)への栄養分の流出を防ぐことができ、目詰まりを抑えることができる。
ここで、コンテナ12の底板18が、コンテナ12の中段位置に配置され、排水管40の一端側が底板18を貫通してコンテナ12に接続され、排水管40の他端側がコンテナ12の下方で排水溝41(又は排水口)へ直接排水する連結部とされるので、排水ホース37の一部を底板18の下方に収納できると共に、底板18の下方で取水口40Aの高さ位置を調節することができ、さらに、排水溝41(又は排水口)への排水が容易となる。
また、コンテナ12には、下部スペース13を開放可能な開口部21Aが形成されているため、容器部20の下方のメンテナンスが容易になると共に、下部スペース13には植物栽培を目的として用土を入れることはないので、荷重増を軽減することができる。
次に、第2の実施形態について、図5〜図7を参照しながら説明する。なお、第1の実施形態と同一部材については、同一符号を付して説明を省略する。
図5及び図6に示されるように、左右の側壁14A、14Bの下部は、脚部材15を介して設置面に接して荷重を支持している。図6に示されるように、左右の側壁14A、14Bは、略下半分が側面視にて下方側が開口したコ字状とされている。また、脚部材15は、左右の側壁14A、14Bの下部に螺合して取り付けられており、設置場所の条件によっては、傾斜面、高低差を解消するために、上下方向に伸縮して高さ調整可能な機能を備える。
底下部21には、下部スペース13を開放可能な開口部21Aが形成され、この開口部21Aを開閉可能な扉部46が設けられている。本実施形態では、扉部46は、手前上方へ向けて開く構成になっている。なお、左右の側壁14A、14Bの下部開口部分にも扉部46を設けてもよいし、1枚の板状であってもよい。(植物栽培用容器10を建物の角に設置した場合、左右の側壁14A、14Bの下部には、開口部分が形成されて扉部46が設けられることが好ましい。)
なお、底下部21において背面の側壁14Dの延長部分に扉部のない開放された状態の場合には、背面側を壁に着けての設置も可能となる。
以上説明したコンテナ12は、図7に示されるように、角部48が蝶番50で接続されている。ここで、蝶番50は、角部48の稜線方向に沿って延びている。これにより、コンテナ12は、運搬又は収納等のために、折り畳み可能とされている。
なお、上記第1、第2の実施形態では、1本の排水管40をコンテナ12に接続して容器部20内の水を排水している場合について具体的に説明したが、排水管40のコンテナ12への接続本数は、1本に限定されず、複数本(例えば、2本〜4本くらい)であってもよい。
次に、第3の実施形態について、図8を参照しながら説明する。第3の実施形態は、コンテナ12がスクリューネジ52を用いて組み立てられる。なお、他の構成については、第1、第2の実施形態とほぼ同様の構成であるので、同一符号を付して説明を省略する。
図8に示されるように、コンテナ12は、角部48がスクリューネジ52で接続されている。ここで、コンテナ12の側壁14A〜14Dの端部には、スクリューネジ52に対応するネジ溝(図示省略)が形成され、スクリューネジ52が螺合するようになっており、端部で接する側壁(14A〜14D)同士をスクリューネジ52が連結する。組み立てられたコンテナ12において、スクリューネジ52の軸心は、角部48の稜線方向に直角な方向であり、かつ、スクリューネジ52の頭部52A側に配置される側壁(図4では、14C)の壁面に対して直角な方向とされる。コンテナ12の運搬又は収納等の際には、スクリューネジ52を外すことでコンテナ12の分解を可能とした。
次に、第4の実施形態に係る植物栽培用容器について、図9を参照しながら説明する。なお、第1〜第3の実施形態と同一部材については、同一符号を付して説明を省略する。
図9に示されるように、排水管40は、複数本設けられており、それぞれ取水口40Aが容器部20内に配置され、排水用口部40C側が下部スペース13に延びている。開口部21Aにより開放された下部スペース13には、貯水槽74が設置される。貯水槽74には、排水管40の排水用口部40C側が挿入されて、排水管40と貯水槽74とが連結されている。
貯水槽74内には、水上げ材となる布状又はひも状の吸水長尺体としての吸水紐68の一端部68Aが配置されている。吸水紐68は、貯水槽74の底面74Aに沿って這うように延びると共に、排水管40内を挿通し、さらに濾過部26の上方に他端部68Bが配置される。濾過部26の上方においても、吸水紐68は、這うように延びている。これにより、毛管現象(毛細管現象)を利用して底面灌水をすることができる。
ここで、このような底面灌水を利用する場合、下部スペース13の貯水槽74の容量によっては、用土底面全体に水分を行き渡らせるために、複数箇所からの水上げ部位(吸水部位)が必要となり、濾過部26の上方へ配置した吸水紐68をまんべんなく行き渡らせる必要がある。
以上は、貯水槽74の水を利用した底面灌水法で、貯水槽74の容量は、目的により変えることも可能である。水の容量が大きくなるため、取水口40Aを備えた排水管40の数は、複数箇所にし、用土全面にほぼ均等に灌水ができるように、吸水紐68もまんべんなく広げる。
また、貯水槽74の水量は、扉部46(図2参照)を開いて開口部21Aから直接確認することができる。貯水槽74は、下部スペース13に収納されるので、景観上も問題がない。
さらに、この貯水槽74を用いた簡易灌水システムは、動力を必要としない。なお、設置条件下で(電気や水道等の)動力等が得られるのであれば、自動灌水装置の取り付けも容易にできる。
次に、第5の実施形態に係る植物栽培用容器について、図10を参照しながら説明する。なお、第1〜第4の実施形態と同一部材については、同一符号を付して説明を省略する。
図10に示されるように、側壁14A、14Bの下部には、延長コンテナ58が組み付けられている。延長コンテナ58の上段位置には、棚板64が取り付けられている。棚板64の上方(開口部21Aにより開放された下部スペース13の一部)には、防水性の防水トレー66が設置されている。この防水トレー66には、排水管40の排水用口部40C側が挿入されて配置される。また、防水トレー66内には、吸水長尺体としての吸水紐68の一端部68Aが配置されると共に、排水管40内を挿通し、濾過部26の上方に他端部68Bが配置される。吸水紐68は、毛管現象(毛細管現象)によって吸水可能な素材(例えば、フェルト等の繊維系素材)で構成される。
防水トレー66の側面上部には、ホース67の一方端部側の口部67Aが取り付けられ、このホース67の他方端部側の口部67Bは、排水溝41に配置されている。これにより、防水トレー66内の水量が一定量を超えると、超過分の水は、排水溝41へ排水されるので、防水トレー66内の水量を一定量以内に保つことができる。
本実施形態によれば、開口部21Aによって下部スペース13が開放可能とされ、防水トレー66内の水位、水量を直視することができるので、水量確認が容易となる。また、吸水紐68を用いて簡易な底面灌水が可能になる。
なお、本実施形態では、一般的なベランダやバルコニーの高さを考慮して、図10に示される植物栽培用容器10の高さを700mm前後くらいとし、容器部20の高さを350mm〜400mm、底下部21の高さを350mm〜400mmとしている。容器部20の高さを350mm〜400mmとすることで、植物栽培用容器10の全体重量を抑えることができので、ベランダやバルコニーに植物栽培用容器10を設置した場合であっても、植物栽培用容器10を移動しなくても掃除や(排水溝や排水口の)メンテナンスをすることが容易となる。ただし、植物栽培用容器10、容器部20、及び底下部21の各高さは、任意に設定することができ。例えば、ベランダ等の壁の高さによって変わるが、植物栽培用容器10の高さを400mmや700mmとした場合には、ファニチャー的な要素が強くなる。
なお、濾過部26には、吸水可能な吸水体34の一方の端部34Aが必要に応じて配置される。この吸水体34は、毛管現象(毛細管現象)によって吸水可能な素材(例えば、フェルト等の繊維系素材)で構成され、湾曲しながら上方へ延びて他方の端部34Bが盛土部30に配置される。吸水体34の中間部は、管状の被覆部材35によって被覆されている。この被覆部材35により吸水体34の中間部から濾過部26に水が染み出すのを防いでいる。なお、吸水体34は、被覆部材35によって被覆されなくてもよい。
次に、第5の実施形態の作用について説明する。
防水トレー66には、排水管40の排水用口部40Cから水が排出される。容器部20内の盛土部30が乾燥している場合、防水トレー66内の水は、吸水紐68の一端部68Aに吸水され、毛管現象(毛細管現象)によって吸水紐68の上方に伝わり、吸水紐68の他端部68Bから容器部20内の盛土部30に染み出す。これにより、排水された水を有効に循環させて容器部20内への簡易灌水の役割を果たすことが可能となる。
また、濾過部26で吸水体34が配置された位置に水分があって、濾過部26の上方となる盛土部30で図10中の吸水体34が配置された位置に水分がほとんどない場合、吸水体34の一方の端部34Aから吸水された濾過部26の水が、毛管現象(毛細管現象)によって被覆部材35内の吸水体34に伝わり、他方の端部34Bへ供給され、吸水体34の他方の端部34Bから濾過部26の上方(盛土部30)に染み出す。なお、このような底面灌水機構は、この実施形態においては、必須構成要件ではなく、必要に応じて取り付けることとする。
なお、第5の実施形態では、吸水紐68の他端部68Bを盛土部30に配置しているが、濾過部26の上部及び盛土部30に配置してもよい。
また、容器部20の下方に貯水タンクを設置すると共に、排水管40の排水用口部40Cを貯水タンク内に配置し、貯水タンク内に貯水された水を数本の吸水紐68(吸水体)の束を介して盛土部30や濾過部26に給水してもよい。
また、植物栽培用容器10は、複数組み合せてファニチャー的に使用することもできる。植物栽培用容器10(高さ700mm)の間にテーブルを配置したり、植物栽培用容器10(高さ700mm又は400mm)の間に板を橋渡しして椅子としてもよい。このように、椅子、ベンチ、鉢置き台等のファニチャー的要素も加えられる。また、植物栽培用容器10の高さが高いものと低いものとを適宜組み合わせることもできる。各植物栽培用容器10の構成は、個々の設置環境により、第1〜第5の実施形態を適宜組み合せることができる。また、複数の植物栽培用容器10にそれぞれ支柱を立てることで、ラチスフェンスやトレリス等の取り付けも可能となる。
図11及び図12には、ファニチャー的要素が示されている。
図11に示されるように、植物栽培用容器10の側壁14Bの上部には、被係合部とされる鍵状凹部90が設置面に平行な方向に複数配置されている。植物栽培用容器10の側壁14Bに取り付ける取付板92には、取付側部に複数の係合凸部92Aが設けられ、この係合凸部92Aは、鍵状凹部90に対応する係合部とされ、頭部が略球状とされている。これらの鍵状凹部90や係合凸部92Aは、金具で形成されている。係合凸部92Aを鍵状凹部90に係合させることで、取付板92を所定位置に取り付けることができる。なお、取付用の金具の形状は、係合可能なものであれば、他の形状のものも適用できる。
また、図12には、金具を用いない例が示されている。図12に示されるように、植物栽培用容器10の側壁14Bの上部には、設置面に平行な方向に延びる横支柱板94が取り付けられている。側壁14Bの頂部には、横支柱板94と平行な上板部材17が取り付けられ、この上板部材17と横支柱板94との間に溝状凹部95が形成されている。取付板92は、この溝状凹部95に嵌め込まれることで、側壁14Bに取り付けられる。
以上の組み立て方法では、ねじを全く使わずに嵌め込むだけで、植物栽培用容器10に取付板92を取り付けることができる。このため、組み立てを楽に速くすることができるので、設置時間を短縮できる。
ファニチャー取付板92は、個々の必要条件でどの位置にも取り付けが可能であるため、使用目的に合わせてどの面でも対応できる機能を有する。
なお、上記第1〜第5の実施形態では、コンテナ12及び防水シート22への排水管40の接続構造について、図4に示される構造の場合を例に挙げて具体的に説明したが、接続構造は、図4に示される構造に限定されない。図13には、他の接続構造が示されている。
図13(A)に示されるように、第1ナット39Aと防水シート22との間にリング状のパッキン47を配置すると共に、第1、第2ナット39A、39Bにより防水シート22及びパッキン47を挟んだ状態で、防水シート22及びパッキン47の貫通部に排水管40(排水ホース37又は管部材38)を通して嵌め込んで接続し、手動により上げ下げすることで、高低を調整してもよい。
また、図13(B)に示されるように、貫通孔36の周縁下方に底板18からテーパ円筒状に突き出す雄ネジ部42を形成すると共に、排水管40(排水ホース37又は管部材38)の上部が貫通孔36に挿通された状態で雄ネジ部42にナット44を螺合させることで、排水管40が締め付けられる構造としてもよい。(この場合、図4の保持部材39は、排水管40の構成要素とならない。)これによって、排水管40の一端側は、底板18を貫通してコンテナ12(図1参照)に固定接続される。雄ネジ部42には、必要に応じて軸方向にスリットが形成されて、ナット44の締付時に半径方向へ容易に縮径可能とされる。
排水管40は、防水シート22の貫通部22Aを挿通し、図1に示される取水口40Aにおける底板18からの高さが濾過部26の範囲で調節されるように固定される。このためには、図13(B)に示されるように、雄ネジ部42やナット44へ当って排水管40の容器部20(図1参照)内への挿入量を制限するストッパ45を排水管40の一部に設けるのが好ましい。
なお、上記第1〜第5の実施形態では、上板部材17を側壁14A〜14Dの頂部に嵌め込んでいるが、上板部材17を接着剤等で側壁14A〜14Dの頂部に接着する構成としてもよい。また、上板部材17のないコンテナ12を植物栽培用容器10に適用することもできる。
また、上記第1〜第5の実施形態では、図3(C)に示されるように、1枚板とされた底板18に複数の貫通孔36が形成されている場合を例に挙げて具体的に説明したが、底板18の形状は、これに限定されない。例えば、図14に示されるように、一対の横桟木118に複数の縦桟木218を渡したものを底板18として適用することもできる。この場合には、横桟木118と縦桟木218とにより囲まれた矩形の挿通部136に排水管40を通すことが可能となる。
次に、第6の実施形態について、図15を参照しながら説明する。なお、第1〜第5の実施形態と同一部材については、同一符号を付して説明を省略する。第6の実施形態は、防水シート22へ排水管を構成する排水ホース37を接続するために、ホース接続継手としてのタケノコニップル96を適用する形態である。
図15に示されるように、防水シート22の貫通部22Aには、略円筒状のタケノコニップル96が挿入されている。タケノコニップル96の軸心方向の一方側(図15の下部側)は、外周が段付きのタケノコ状に形成されたタケノコ部96Aとなっており、このタケノコ部96Aの外周に排水ホース37を装着できるようになっている。(図15では、排水ホース37を矢印S方向に押し込んでタケノコ部96Aに装着することになる。)タケノコニップル96の軸心方向の他方側(図15の上部側)は、ねじ部96Bとなっており、外周にねじ溝が形成され、防水シート22の貫通部22Aに挿通されている。タケノコニップル96の軸心方向の略中央部には、径方向外側に延びるリング上のツバ部96Cが形成されており、ツバ部96Cの外周端部は、タケノコニップル96の軸心方向に平行でねじ部96B側(図15の上方向)に立ち上がっている。
ねじ部96Bの外周には、防水シート22を挟んでリング状のゴム製パッキン97A、97Bが配置される。防水シート22の下面側のパッキン97Bは、ツバ部96Cと防水シート22との間に配置される。防水シート22の上面側に配置されたパッキン97Aの上方には、ねじ部96Bの外周に嵌め込まれたリング状の座金98、及び、延長ソケット99が配置される。延長ソケット99は、略円筒状であり、下部内周面99Aには、ねじ部96Bと螺合可能なねじ溝が形成されている。延長ソケット99がねじ部96Bに螺合することで、座金98及び上側パッキン97Aが延長ソケット99と防水シート22との間に挟まれるようになっている。防水シート22の上下にパッキン97A、97Bが配置されることで、水漏れが防止される。
延長ソケット99をねじ部96Bに螺合させることで、排水ホース37に繋がる接続先端部分と防水シート22との距離Lを十分に確保することができる。なお、排水ホース37に繋がる接続先端部分と防水シート22との距離Lが比較的短くてもよい場合には、延長ソケット99の代わりに固定ナット(図示省略)をねじ部96Bに螺合させてもよい。
次に、第7の実施形態について、図16を参照しながら説明する。なお、第1〜第6の実施形態と同一部材については、同一符号を付して説明を省略する。
図16に示されるように、容器部20内には、波状にエンボス加工された内張り部材24が配置される。この内張り部材24の内側には、箱状の防水ケース100が配置されており、この防水ケース100は、底板18上に載置される。底板18は、支持横木116によって荷重を支持される。支持横木116は、長手方向に延びる一対の側壁(図示省略、図2の14C、14Dに相当)の内向き面に、ダボとネジと接着剤とにより固定されている。なお、本実施形態では、支持横木116上に底板18が配置されるが、底板18の代わりにスノコを配置してもよい。
防水ケース100内の盛土部30の用土32には、専用土が用いられる。専用土は、人工軽量土やボストンファーム(商品名)等のセラミックス土壌等をベースにしており、透水性、通気性、排水性、保肥力に富み、炭素を含むことにより発根が促進され、ピートモスを配合することで、生育にも優れたものとなっている。また、植物の根から出る老廃物(有機酸や二酸化炭素等)を吸着して分解するゼオライト化された成分も含むため、土の新鮮さが保たれ、長期間(5年程度)にわたって土の入れ替えが不要となる。
従来の一般的な培養土は、植物からの老廃物を処理することまでを考慮したものは市販されておらず、各々が単独で扱われてきたが、集合住宅や商業施設等、土の入れ替えによって不要となった土を処分する場所も少なく環境や景観上の問題として指摘されている点についても、上記専用土は、解決するものである。このような専用土は、一般的なガーデニングにも活用でき、特にベランダや屋上、アトリウム等の室内という特殊空間でのガーデニングにおいて、各々の環境と条件とに適応できる特徴がある。
盛土部30の下方は、透水性シート102を介して濾過部兼底面潅水部27とされている。濾過部兼底面潅水部27は、透水性があって塩基置換及び吸着能力が高い素材(例えば、炭(ヤシガラ炭)等)を含み、第1の実施形態等における濾過部26(図1等参照)と同様に、盛土部30を透過した排出前の水を濾過する。また、濾過部兼底面潅水部27に毛細管現象発生用としての多孔質材料等が含まれることで、保水された水を吸い上げて盛土部30へ潅水させるようになっている。濾過部兼底面潅水部27に適用される炭(ヤシガラ炭)は、肥料分を吸着し、上記専用土の保肥力等の特性とも相俟って有害物質を吸着するので、従来の施工法や除去法に比べて肥料分や有害物質の流出を強力に抑えることができる。また、炭(ヤシガラ炭)等に吸水性の人工土壌(例えば、アクアソイル等)を混合し、炭と人工土壌との配合を調節することで、底面保水層(防水ケース100から後述する延長ソケット99の先端部までの保水層)からの吸水保有量を調節することができ、コンテナ12の容器部20内に植える植物の生理、生態の特徴やコンテナ12の設置条件等に細かく対応させることもできる。
コンテナ12の底板18に形成された貫通孔36には、タケノコニップル96が挿通されており、防水ケース100の底部100Aを貫通している。タケノコニップル96の下部には、排水ホース37が装着されており、排水ホース37の先端部は、貯水可能な貯水部104内に延びている。図16に示されるように、排水ホース37からの排水は、貯水部104に貯水されるようになっている。このため、本実施形態の植物栽培用容器10は、容器部20からの排水が必要な環境でも適用でき、室内での使用も可能となる。なお、直接排水溝41(図1等参照)に排水可能な場所に、植物栽培用容器10が設置される場合には、排水ホース37から直接排水溝41(図1等参照)に排水してもよい。
タケノコニップル96の上部には、延長ソケット99が螺合されており、タケノコニップル96と延長ソケット99とが一体化されている。容器部20内への給水によって、延長ソケット99の先端部の位置に比べて高い位置に溜まった水は、用土32を介して植物33(図5参照)に吸収される他、延長ソケット99からタケノコニップル96及び排水ホース37を介して徐々に排出されるようになっている。これにより、防水ケース100の底部100Aから延長ソケット99の先端部までの寸法(高さ)を変えることで、容器部20(防水ケース100)内の水量(底面潅水に必要な水量)を調節することができる。
延長ソケット99の周囲は、プラスチック線を絡ませて形成した空気取入れ部兼保水部106とされている。空気取入れ部兼保水部106において、延長ソケット99の先端部よりも上方は、空気層を形成する。この空気層は、濾過部兼底面潅水部27のヤシガラ炭等の濾過材の活性化を促す。
延長ソケット99の先端部よりも下方に溜まる水は、濾過部兼底面潅水部27を媒介として吸い上げられて上方の盛土部30に伝わり、これにより底面潅水を実現している。コンテナ12の容器部20内への底面潅水量の調節は、空気取入れ部兼保水部106の大きさ及び配置数を変えて空気取入れ部兼保水部106の保水量を変えることによって実現できる他、濾過部兼底面潅水部27におけるヤシガラ炭とアクアソイルとの混合比率を変えてもよい。これらにより、植物栽培用容器10の設置環境や設置条件に対応させた底面潅水量の調節が従来に比べて容易にできる。空気取入れ部兼保水部106と濾過部兼底面潅水部27との境界は、ネット108で覆われており、濾過部兼底面潅水部27の粒子が空気取入れ部兼保水部106内に入らないようになっている。
なお、上記実施形態のコンテナ12の組立てにノックダウン金具等を用いることで、組立てが容易になる。
第1の実施形態に係る植物栽培用容器を示す断面図である。(図2の1−1線断面に相当する。) 第1の実施形態に係る植物栽培用容器を示す斜視図である。 第1の実施形態に係る植物栽培用容器の各部材を示す図である。図3(A)は、差込受口金具の取り付けられた板材を示す正面図である。図3(B)は、差込金具の取り付けられた板材を示す正面図である。図3(C)は、底板を示す平面図である。 排水管が上下する機構を示す構成図である。 第2の実施形態に係る植物栽培用容器を示す断面図である。(図6の5−5線断面に相当する。) 第2の実施形態に係る植物栽培用容器を示す斜視図である。 第2の実施形態に係る植物栽培用容器におけるコンテナの角部を示した斜視図である。(上板部材が外された状態を示す。) 第3の実施形態に係る植物栽培用容器におけるコンテナの角部を示した斜視図である。(上板部材が外された状態を示す。) 第4の実施形態に係る植物栽培用容器を示す断面図である。 第5の実施形態に係る植物栽培用容器を示す断面図である。 金具を係合させて側壁に取付板を取り付ける状態を示す斜視図である。 側壁の溝状凹部に取付板を嵌め込む状態を示す斜視図である。 コンテナ及び防水シートへの排水管の接続構造を示す図である。図13(A)は、パッキンを用いた場合の断面図である。図13(B)は、底板に雄ネジ部を形成した場合の断面図である。 他の底板の例を示す平面図である。 第6の実施形態における排水ホースを防水シートへ接続するための接続構造を示す断面図である。 第7の実施形態に係る植物栽培用容器を示す断面図である。
符号の説明
10 植物栽培用容器
12 コンテナ(容器本体)
13 下部スペース
18 底板
20 容器部
21A 開口部
26 濾過部
27 濾過部兼底面潅水部(濾過部)
37 排水ホース(排水管)
40 排水管
40A 取水口
41 排水溝
58 延長コンテナ(容器本体)
68 吸水紐(吸水長尺体)
74 貯水槽

Claims (4)

  1. 内部スペースの上部に植物栽培のために給水される容器部を備えた容器本体と、
    取水口を備えた一端が前記容器部内に挿入され、前記取水口の高さが調節可能であって、他端が前記容器本体の下部スペースに導かれて前記容器部内の水を排出させる排水管と、
    前記容器本体に設けられ、前記下部スペースを開放可能な開口部と、
    を有することを特徴とする植物栽培用容器。
  2. 前記容器部内の下部に濾過部を設け、前記濾過部の範囲で前記取水口の高さが調節され、濾過後の排水が前記取水口から排出されることを特徴とする請求項1記載の植物栽培用容器。
  3. 前記容器本体の底板が、前記容器本体の中段位置に配置され、前記排水管の一端側が前記底板を貫通して前記容器本体に接続され、前記排水管の他端側が前記容器本体の下方で排水溝又は排水口へ直接排水する連結部とされることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の植物栽培用容器。
  4. 前記開口部により開放された前記下部スペースに設置され、前記排水管の前記他端が挿入される貯水槽と、
    前記貯水槽内に一端部が配置されると共に、前記排水管内を挿通し、前記濾過部の上方に他端部が配置される吸水長尺体と、
    を有することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の植物栽培用容器。
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