JPH05187312A - 内燃機関用ピストン - Google Patents

内燃機関用ピストン

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JPH05187312A
JPH05187312A JP3247227A JP24722791A JPH05187312A JP H05187312 A JPH05187312 A JP H05187312A JP 3247227 A JP3247227 A JP 3247227A JP 24722791 A JP24722791 A JP 24722791A JP H05187312 A JPH05187312 A JP H05187312A
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oil
piston
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ring groove
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Masatoshi Fukamachi
昌俊 深町
Yoshiaki Hori
堀  良昭
Masatoshi Akagi
正俊 赤木
Tetsuya Nakanishi
哲也 中西
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 シリンダの軸線が鉛直線に対して傾斜した内
燃機関において、その軸線の下側のピストン外周面から
燃焼室へのオイルの流入を防止する。 【構成】 傾斜した軸線Lを有するシリンダ24に摺動
自在に嵌合するピストン27は横断面楕円形に形成さ
れ、その外周面に形成したオイルリング溝276 にはエ
キスパンダー96とオイルリング97が嵌合する。オイ
ルリング溝276 とピストン27の内周面を連通するオ
イル戻し穴277 の数は、前記軸線Lの上側で多く下側
で少なく形成される。したがって、重力の作用でピスト
ン27の内周面の下側にオイルが溜っても、そのオイル
が下側のオイル戻し穴277 を通ってピストン27の外
周面に逆流する量が減少するため、オイルリング97を
通って燃焼室側に流入するオイル量を減少させることが
可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内燃機関用ピストンに
関し、特に鉛直線に対して傾斜した軸線を有するシリン
ダに摺動自在に嵌合し、ヘッド部の外周面に凹設したオ
イルリング溝と、そのオイルリング溝と前記ヘッド部の
内周面を連通させる複数のオイル戻し孔とを備えた内燃
機関用ピストンに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に内燃機関用ピストンのヘッド部に
は、シリンダ内部のガスがクランク室に漏れることを防
止する複数本の圧縮リングに加えて、シリンダ内壁に付
着するオイルの油膜の厚さを制御する1本のオイルリン
グが装着される(例えば、実開平3−45450号公
報、特開昭56−2442号公報参照)。
【0003】オイルリングはピストンの外周面に凹設し
たオイルリング溝に嵌合するとともに、そのオイルリン
グ溝は複数のオイル戻し孔を介してピストンの内周面に
連通し、オイルリングがシリンダの内壁から掻き落とし
た余剰のオイルはオイル戻し孔からピストンの内部を通
ってクランク室に戻される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、シリンダと
ピストンの摺動面を潤滑するオイルは重力の作用で低い
側に流れ易く、特にシリンダの軸線が鉛直線に対して傾
斜した内燃機関にあっては、前記軸線より下側のピスト
ン内周面にオイルが溜り易くなる。このために、本来シ
リンダ内壁に付着したオイルをクランク室に戻す働きを
するオイル戻し孔から逆にオイルがシリンダ内壁に向け
て供給され、過剰となったオイルがオイルリングとシリ
ンダの隙間から燃焼室側に流入する結果、オイルの消費
量が増加する問題があった。
【0005】本発明は前述の事情に鑑みてなされたもの
で、シリンダの軸線が鉛直線に対して傾斜した内燃機関
において、その軸線の下側のピストン外周面から燃焼室
へのオイルの流入を防止することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明は、鉛直線に対して傾斜した軸線を有するシ
リンダに摺動自在に嵌合し、ヘッド部の外周面に凹設し
たオイルリング溝と、そのオイルリング溝と前記ヘッド
部の内周面を連通させる複数のオイル戻し孔とを備えた
内燃機関用ピストンにおいて、前記軸線の下側に位置す
るオイル戻し孔の断面積の総和を、上側に位置するオイ
ル戻し孔の断面積の総和よりも小さくしたことを第1の
特徴とする。
【0007】また本発明は、鉛直線に対して傾斜した軸
線を有するシリンダに摺動自在に嵌合し、ヘッド部の外
周面に凹設したオイルリング溝と、そのオイルリング溝
と前記ヘッド部の内周面を連通させる複数のオイル戻し
孔とを備えた内燃機関用ピストンにおいて、前記軸線の
下側に位置するオイル戻し孔に、前記ヘッド部の外周面
から内周面に向けて断面積が縮小する段部を形成したこ
とを第2の特徴とする。
【0008】
【実施例】以下、図面に基づいて本発明の実施例を説明
する。
【0009】図1〜図11は本発明の第1実施例を示す
もので、図1は自動二輪車の全体側面図、図2は内燃機
関の全体側面図、図3は図2の3−3線断面図のマッ
プ、図4は図3の4部拡大図、図5は図3の5部拡大
図、図6は図3の6部拡大図、図7は図3の7部拡大
図、図8は図2の要部拡大図、図9は図8の9−9線断
面図、図10は図8の10部拡大図、図11は潤滑系統
のブロック図である。
【0010】図1に示すように、自動二輪車Vは左右一
対のメインフレーム1を備え、そのメインフレーム1の
前端に結合されたヘッドパイプ2にはフロントフォーク
3が支持される。フロントフォーク3の下端には前輪W
fが軸支されるとともに、その上端には操向ハンドル4
が設けられる。メインフレーム1の後端にはピボット5
を介してリヤフォーク6が上下揺動自在に枢支され、そ
のリヤフォーク6の後端には後輪Wrが軸支される。
【0011】メインフレーム1の下部には、V型4気筒
の4サイクル内燃機関Eが吊り下げ支持され、この内燃
機関Eの駆動力がチェン7を介して前記後輪Wrに伝達
される。内燃機関Eの前部にはアッパーラジエータ8と
ロアラジエータ9が設けられる。またメインフレーム1
の上部には燃料タンク10が装着されるとともに、メイ
ンフレーム1の後端を左右に接続するクロスメンバー1
1から後方に延びるシートフレーム12上にはシート1
3が支持される。ヘッドパイプ2の前部から内燃機関E
の両側部にかけては前部カウリング14で覆われ、また
燃料タンク8の下部からシート11の後部にかけては後
部カウリング15で覆われる。
【0012】図2に示すように、内燃機関Eはシリンダ
ブロックおよびクランクケース上半部を構成するアッパ
ーケース21と、クランクケースの下半部およびミッシ
ョンケースを構成するロアケース22とを備え、両ケー
ス21,22はクランクシャフト23の軸線を通って前
下りに傾斜する割り面により上下に接合される。アッパ
ーケース21の前部にはフロント側の2個のシリンダス
リーブ24が嵌合するとともに、その後部にはリヤ側の
2個のシリンダスリーブ24が嵌合し、それらシリンダ
スリーブ24の上部にはシリンダヘッド25とヘッドカ
バー26が接合される。前記シリンダスリーブ24には
後述の楕円形状のピストン27が摺動自在に嵌合し、各
ピストン27はそれぞれ2本のコネクティングロッド2
8により前記クランクシャフト23に連接される。
【0013】前記シリンダヘッド25には吸気ポート2
9と排気ポート30が形成され、その吸気ポート29に
は内燃機関EのVバンク間に配設されたスロットルボデ
ィ31に接続される。ロアケース22の下面および前面
にはそれぞれオイルパン32およびオイルエレメント3
3が設けられ、またロアケース22の左側面にはウオー
タポンプ34、スピードメータ用の回転数検出器35、
および後述のクラッチのマスタシリンダ36が設けられ
る。尚、前記ウオータポンプ34と同軸上に図示せぬオ
イルポンプが設けられる。
【0014】メインフレーム1には上部ブラケット
1 、中央ブラケット2 、および下部ブラケット13
設けられ、上部ブラケット11 にはアッパーケース21
の中央部に形成したステー211 が、中央ブラケット1
2 にはロアケース22の後部に形成したステー22
1 が、下部ブラケット13 にはロアケース22の下部
が、それぞれボルト37,38,39で固定され、これ
により内燃機関Eはメインフレーム1に吊り下げ支持さ
れる。
【0015】次に、図3〜図7に基づいて内燃機関Eの
構造を説明する。
【0016】クランクシャフト23は、そのジャーナル
部がアッパーケース21とロアケース22の割り面に配
設した5個のジャーナルメタル41で支持されるととも
に、その4個のクランクピンにおいてそれぞれ2本のコ
ネクティングロッド28の大端部がコンロッドメタル4
2を介して連結される。クランクシャフト23の左端部
にはACジェネレータ43が装着され、その外側はカバ
ー44により覆われる。
【0017】ロアケース22に設けたボールベアリング
45と該ロアケース22の内部に支持した隔壁222
設けたボールベアリング46によりミッションのメイン
シャフト47が支持され、その後方にはロアケース22
に設けたボールベアリング48と前記隔壁222 に設け
たボールベアリング49によりカウンタシャフト50が
平行に支持される。メインシャフト47の右端には湿式
多板クラッチ51が設けられ、その外側はカバー52に
より覆われる。したがって、ロアケース22の右側面か
らカバー52、クラッチ51、および前記隔壁222
取り外せば、メインシャフト47およびカウンタシャフ
ト50を含むミッションを一括してロアケース22の右
側面開口部から着脱することができる。
【0018】クランクシャフト23の右端に固着したプ
ライマリドライブギヤ53はメインシャフト47に相対
回転自在に支持したプライマリドリブンギヤ54に噛合
し、このプライマリドリブンギヤ54には前記クラッチ
51のクラッチアウタ55がダンパー56を介して接続
される。メインシャフト47には前記クラッチアウタ5
5の内部に位置するように2個のクラッチインナ57,
58が固着され、その一方のクラッチインナ58にはエ
ンジンブレーキ作動時のショックを緩衝すべく一方向ク
ラッチ59が装着される。
【0019】クラッチアウタ56に摺動自在に支持した
複数の駆動側摩擦板60とクラッチインナ57,58に
摺動自在に支持した複数の従動側摩擦板61は軸方向に
重ね合わされ、その外端部にはプレッシャプレート62
が配設される。プレッシャプレート62の基端はメイン
シャフト47の内部に摺動自在に挿通されたプッシュロ
ッド63にボールベアリング64を介して接続され、ダ
イヤフラムスプリング65により図7の下方向、すなわ
ちクラッチ51が係合する方向に付勢される。したがっ
て、前記マスタシリンダ36でプッシュロッド63をダ
イヤフラムスプリング65の付勢力に抗して図6の上方
向に押圧すれば、プレッシャプレート62による前記駆
動側摩擦板60と従動側摩擦板61の面圧が消滅してク
ラッチ51の係合が解除される。
【0020】メインシャフト47とカウンタシャフト5
0間には1速〜6速のギヤ列G1 〜G6 が設けられ、図
示せぬシフトドラムで駆動される3個のシフトフォーク
66,67,68により所望の変速段が選択的に確立さ
れる。カウンタシャフト50の左端には後輪Wrを駆動
するチェン7が巻き掛けられる駆動スプロケット69が
設けられ、その外側には前記回転数検出器36が同軸に
接続される。
【0021】左右のシリンダスリーブ24に摺動自在に
嵌合するピストン27は、その長軸が左右方向に延びる
楕円形状を有し、そのピストン27の頂面とシリンダヘ
ッド25により画成される燃焼室70には、各2個のプ
ラグ71と各4個の吸気弁72および排気弁73が対向
する。吸気弁72および排気弁73にはバルブスプリン
グ74およびバルブリフター75が設けられ、吸気側カ
ムシャフト76に設けた吸気側カム77と排気側カムシ
ャフト78に設けた排気側カム79が、それぞれ対応す
るバルブリフター75に当接する。
【0022】吸気側カムシャフト76と排気側カムシャ
フト78の右端に設けた吸気側カムギヤ80と排気側カ
ムギヤ81は、それぞれ対応するアイドルギヤ82,8
3、および共通のアイドルギヤ84を介してクランクシ
ャフト23に設けたカム駆動ギヤ85に接続され、前記
両カムシャフト76,78はクランクシャフト23の2
分の1の速度で回転する。
【0023】次に、図8〜図10に基づいてピストン2
7の構造を詳述する。鉛直線に対して傾斜した軸線Lを
有してアッパーケース21に嵌合するシリンダスリーブ
24は上端にフランジ部241 を備え、そのフランジ部
241 を貫通するボルト91により、シリンダヘッド2
5およびガスケット92と共にアッパーケース21に結
合される。ピストン27は楕円形状の断面を備え、その
内部に形成したピストンボス271 に嵌合するピストン
ピン93により2本のコネクティングロッド28のスモ
ールエンドに接続される。
【0024】ピストン27は燃焼室70に対向する頂面
を有するヘッド部272 と、その下部に連設されたスカ
ート部273 から成る。前記ヘッド部272 の外周面に
は、その頂面側から第1圧縮リング溝274 、第2圧縮
リング溝275 、およびオイルリング溝276 が凹設さ
れ、第1圧縮リング溝274 には第1圧縮リング94
が、第2圧縮リング溝275 には第2圧縮リング95
が、オイルリング溝276 にはエキスパンダー96とオ
イルリング97が嵌合する。前記ヘッド部272 におけ
る第2圧縮リング溝275 より上側の部分(図10に太
線で示す範囲)には、耐磨耗性を向上させるべくニッケ
ルメッキが施される。
【0025】オイルリング溝276 に嵌合するエキスパ
ンダー96は波形に形成され、その内側に膨出する部分
がオイルリング溝276 の底部に当接するとともに、そ
の外側に膨出する部分がオイルリング97の内周に当接
し、これによりオイルリング97に外向きのテンション
が与えられる。オイルリング97とエキスパンダー96
の長径方向一端部にはそれぞれ割り溝971 ,961
形成され、それら割り溝971 ,961 の位置に対し
て、第2圧縮リング95と第1圧縮リング94の長径方
向一端部にそれぞれ形成された割り溝(図示せず)の位
置は、ガスおよびオイルのシール性を向上させるべく交
互に反対側になるように配設される。
【0026】ピストン27のヘッド部272 とスカート
部273 の境界部近傍には、ピストンの外周面に凹設し
たオイルリング溝276 とピストン27の内周面を相互
に連通させる複数のオイル戻し孔277 が穿設される。
図9から明らかなように、オイル戻し孔277 の数はピ
ストン27の上半部と下半部すなわちシリンダスリーブ
24の軸線Lの上下で異なっており、その上半部には1
5本のオイル戻し孔277 が、その下半部には9本のオ
イル戻し孔277 が設けられる。
【0027】図5および図8から明らかなように、クラ
ンクシャフト23のジャーナル部を囲繞するように形成
されたオイル溜り98は、図示せぬ油路を介して前記オ
イルポンプに接続され、そのオイル溜り98はアッパー
ケース21に形成した油路212 を介してオイルジェッ
トノズル99に連通する。また、前記オイル溜り98は
クランクシャフト23の内部に形成した油路231 〜2
5 を介して該クランクシャフト23のクランクピン外
周に連通し、そのクランクピンにはコンロッドメタル4
2を潤滑したオイルをクランクケース内部に噴出させる
ためのスリット236 が形成される。
【0028】次に、前述の構成を備えた本発明の実施例
の作用について説明する。
【0029】図11において、オイルパン32内部のオ
イルはオイルストレーナを通ってオイルポンプに汲み上
げられ、内燃機関Eの各部の潤滑に供される。またオイ
ルポンプに汲み上げられたオイルの一部はオイルクーラ
ーに供給されて冷却され、残りの一部はリリーフバルブ
を介してオイルパン32に戻される。
【0030】潤滑に供されるオイルは2系統に分岐し、
その一方はミッションオリフィスで調量・調圧された
後、メインシャフト47のミッションカラーに供給され
てミッションを潤滑するとともに、シフトフォークシャ
フトを通ってカウンタシャフト50のミッションカラー
に供給されてミッションを潤滑する。
【0031】2系統に分岐したオイルの他方は、オイル
エレメント33とメインギャラリーを通って更に3系統
に分岐する。すなわち、第1系統のオイルはシリンダス
リーブ24とシリンダヘッド25間に挟持されたガスケ
ット92のオリフィスを通過して調量・調圧された後、
カムシャフト76,78、ジャーナル、およびバルブリ
フター75を潤滑する。また第2系統のオイルはクラン
クシャフト23からオイルジェットノズル99を介して
噴出し、ピストン27を潤滑する。更に第3系統のオイ
ルはクランクシャフト23のジャーナル部からジャーナ
ルメタル41を潤滑するとともに、クランクピンを介し
てコンロッドメタル42を潤滑する。
【0032】さて、前記オイルジェットノズル99から
噴出したオイルは主としてシリンダスリーブ24とピス
トン27の摺動面を潤滑し、余剰のオイルはシリンダス
リーブ24の摺動面からオイルリング97により掻き落
とされ、オイル戻し孔277 からピストン27の内周面
を通ってクランク室に戻される。このとき、内燃機関E
の前側のバンクのように鉛直線に対して大きく傾斜した
軸線Lを有するシリンダスリーブ24に摺動自在に嵌合
するピストン27の下半部においては、重力の作用でピ
ストン27の内周面下側にオイルが溜り易く、しかもオ
イル戻し孔27 7 を通ってピストン27の外周面から内
周面にオイルが流れ難くなる。その結果、オイルが下側
のオイル戻し孔277 を逆流してピストン27の外周面
に供給されてしまい、そのオイルがオイルリング97を
乗り越えて燃焼室70に流入してオイル消費量が増加す
る傾向がある。しかしながら、本発明の如くピストン2
7の下半部のオイル戻し孔277 の数を上半部のオイル
戻し孔277 の数よりも少なくすれば、前記オイルの逆
流を防止してオイル消費量の増加を抑えることができ
る。
【0033】図12は本発明の第2実施例を示すもので
ある。この実施例のピストン27は軸線Lの上側と下側
でオイル戻し孔277 の数および配置は同一とされる
が、図示する下側のオイル戻し孔277 にのみピストン
27のヘッド部272 の外周面側から内周面側に向けて
断面積が縮小する段部278 が形成される。
【0034】而して、通常の状態ではオイルリング97
に掻き落とされたオイルはオイル戻し孔277 を容易に
通過してピストン27の内周面に排出されるが、重力の
作用でピストン27の内周面の下側に多量のオイルが溜
まった場合でも、そのオイルは段部278 の作用でオイ
ル戻し孔277 を逆方向に通過することが阻止される。
その結果、先の第1実施例と同様に下側のオイル戻し孔
277 からのオイルの逆流を阻止し、オイル消費量の増
加を防止することが可能となる。
【0035】以上、本発明の実施例を詳述したが、本発
明は前記実施例に限定されるものではなく、特許請求の
範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の小設
計変更を行うことが可能である。
【0036】例えば、第1実施例では軸線Lの下側のオ
イル戻し孔277 の数を上側のオイル戻し孔277 の数
より少なくしているが、そのオイル戻し孔277 の数を
上下同一にして下側のオイル戻し孔277 の直径を上側
のオイル戻し孔277 の直径より小さくしても良い。ま
た、本発明が適用されるピストン27は断面が楕円形状
のものに限定されず、断面が通常の円形のものであって
も良い。
【0037】
【発明の効果】以上のように本発明の第1の特徴によれ
ば、鉛直線に対して傾斜した軸線を有するシリンダに摺
動自在に嵌合するピストンに形成されたオイル戻し孔の
断面積の総和を、前記軸線の下側において小さく上側に
おいて大きくしたので、重力の作用でピストンのヘッド
部の内周面における前記軸線の下側部分にオイルが溜ま
っても、そのオイルがオイル戻し孔からシリンダの内面
に逆流する量を減少させることができる。その結果、オ
イルリングを乗り越えて燃焼室側に流入するオイルの量
が減少し、オイルの消費量削減が可能となる。
【0038】また本発明の第2の特徴によれば、鉛直線
に対して傾斜した軸線を有するシリンダに摺動自在に嵌
合するピストンに形成されたオイル戻し孔に、外側から
内側に向けて断面積が縮小する段部を形成したので、重
力の作用でピストンのヘッド部の内周面における前記軸
線の下側部分にオイルが溜まっても、そのオイルがオイ
ル戻し孔からシリンダの内面に逆流する量を減少させる
ことができる。その結果、オイルリングを乗り越えて燃
焼室側に流入するオイルの量が減少し、オイルの消費量
削減が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】自動二輪車の全体側面図
【図2】内燃機関の全体側面図
【図3】図2の3−3線断面図のマップ
【図4】図3の4部拡大図
【図5】図3の5部拡大図
【図6】図3の6部拡大図
【図7】図3の7部拡大図
【図8】図2の要部拡大図
【図9】図8の9−9線断面図
【図10】図8の10部拡大図
【図11】潤滑系統のブロック図
【図12】第2実施例の前記図8に対応する図
【符号の説明】
24・・・・シリンダスリーブ(シリンダ) 272 ・・・ヘッド部 276 ・・・オイルリング溝 277 ・・・オイル戻し孔 278 ・・・段部 L・・・・・軸線
フロントページの続き (72)発明者 中西 哲也 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉛直線に対して傾斜した軸線(L)を有
    するシリンダ(24)に摺動自在に嵌合し、ヘッド部
    (272 )の外周面に凹設したオイルリング溝(2
    6 )と、そのオイルリング溝(276 )と前記ヘッド
    部(272 )の内周面を連通させる複数のオイル戻し孔
    (277 )とを備えた内燃機関用ピストンにおいて、 前記軸線(L)の下側に位置するオイル戻し孔(2
    7 )の断面積の総和を、上側に位置するオイル戻し孔
    (277 )の断面積の総和よりも小さくしたことを特徴
    とする、内燃機関用ピストン。
  2. 【請求項2】 鉛直線に対して傾斜した軸線(L)を有
    するシリンダ(24)に摺動自在に嵌合し、ヘッド部
    (272 )の外周面に凹設したオイルリング溝(2
    6 )と、そのオイルリング溝(276 )と前記ヘッド
    部(272 )の内周面を連通させる複数のオイル戻し孔
    (277 )とを備えた内燃機関用ピストンにおいて、 前記軸線(L)の下側に位置するオイル戻し孔(2
    7 )に、前記ヘッド部(272 )の外周面から内周面
    に向けて断面積が縮小する段部(278 )を形成したこ
    とを特徴とする、内燃機関用ピストン。
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