JPH05187245A - 圧力波過給機付ディーゼルエンジンの制御装置 - Google Patents

圧力波過給機付ディーゼルエンジンの制御装置

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JPH05187245A
JPH05187245A JP214492A JP214492A JPH05187245A JP H05187245 A JPH05187245 A JP H05187245A JP 214492 A JP214492 A JP 214492A JP 214492 A JP214492 A JP 214492A JP H05187245 A JPH05187245 A JP H05187245A
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pulley ratio
pressure wave
cell
rotor
intake
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Application number
JP214492A
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Inventor
Hirobumi Yamauchi
博文 山内
Yasuyuki Terasawa
保幸 寺沢
Masaaki Kashimoto
正章 樫本
Yasuhiro Yuzuriha
泰浩 楪
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Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
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Publication date
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B3/00Engines characterised by air compression and subsequent fuel addition
    • F02B3/06Engines characterised by air compression and subsequent fuel addition with compression ignition

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Abstract

(57)【要約】 【構成】 変速ベルト装置40により回転可能で、回転
軸27の方向に導通する多数のセル22を備えたロータ
21を有する圧力波過給機5を備えたディーゼルエンジ
ン1の制御装置50であって、スタータスィッチ51ま
たはエンジン冷却水温度センサ52からの信号に基づ
き、スタータ信号がオンの状態または冷間時かつ始動前
には、プーリ比が基本プーリ比より小さくなるように、
スタータ信号がオフになった後または始動後には、プー
リ比が基本プーリ比になるように、プーリ比制御信号を
出力するコントロールユニット50と、コントロールユ
ニット50からのプーリ比制御信号に基づき、油圧調整
バルブ87、88の開度を制御するプーリ比変更手段5
3を備えている。 【効果】 完爆までの時間を短くすることができ、ある
いは、冷間始動時における排気ガス中の窒素酸化物の量
を大幅に低減させることが可能になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、圧力波過給機付ディー
ゼルエンジンの排気装置に関するものであり、さらに詳
細には、完爆までの時間を大幅に低減することができ、
また、冷間始動時において、排気ガス中の窒素酸化物の
量を大幅に低減することのできる圧力波過給機付ディー
ゼルエンジンの制御装置に関するものである。
【0002】
【先行技術】排気の圧力波エネルギーを利用して、吸気
の過給をおこなう圧力波過給機を備えたディーゼルエン
ジンが知られている。この圧力波過給機は、ケース内
に、可変プーリにより回転可能に支持され、軸方向に導
通する多数のセルが形成されたロータを備えており、ケ
ースの一端部には、吸気の導入口および吐出口が形成さ
れるとともに、ケースの他端部には、排気の導入口およ
び吐出口が形成され、可変プーリによって、ロータが回
転されると、各セルが、順次、吸気の導入口、排気の導
入口、吸気の吐出口および排気の吐出口に連通し、ロー
タの回転に伴い、各セルの吸気の導入口から導入された
新気が、排気の導入口から導入された排気により生成さ
れ、音速で伝播する圧力波によって加圧されて、吸気の
吐出口から、吐出され、排気の圧力波エネルギーによる
吸気過給がおこなわれるように構成されている。
【0003】特開昭60−162019号公報は、かか
る圧力波過給機において、ディーゼルエンジンの運転状
態に応じて、ロータの回転を変化させて、ロータの回転
速度とディーゼルエンジンの回転速度の比(本明細書に
おいては、「プーリ比」という。)を変化させ、過給圧
を制御する圧力波過給機付ディーゼルエンジンの制御装
置を開示しているが、ディーゼルエンジンの負荷状態に
応じて、プーリ比を制御する必要性につき、教示するの
みで、具体的に、ディーゼルエンジンのいかなる運転状
態において、プーリ比をいかに制御するかについては、
何ら開示してはいない。
【0004】
【発明の解決しようとする課題】一般に、ディーゼルエ
ンジンおいては、スタータをオンしてから、最初の爆発
(本明細書においては、「完爆」という。)が生ずるま
での時間を短くして、速やかに、ディーゼルエンジンの
運転状態を定常化することが望ましいとされているが、
圧力波過給機を備えたディーゼルエンジンにおいては、
十分に、完爆までの時間を低減させることができないと
いう問題があった。
【0005】また、冷間始動時には、着火性を向上させ
るために、燃料を増量させるのが一般であるが、燃料を
増量させるのみでは、吸気温度は上昇してはいないため
に、吸気と燃料とが十分に混合した後に、混合気が着火
し、その結果、燃焼温度が高くなって、排気ガス中の窒
素酸化物の量が増大するという問題があった。
【0006】
【発明の目的】本発明の第1の目的は、完爆までの時間
を十分に低減させることができ、ディーゼルエンジンの
運転状態を速やかに定常化させることのできる圧力波過
給機付ディーゼルエンジンの制御装置を提供することに
ある。本発明の第2の目的は、冷間始動時において、排
気ガス中の窒素酸化物の量を増大させることなく、着火
性を向上させることのできる圧力波過給機付ディーゼル
エンジンの制御装置を提供することにある。
【0007】
【発明の構成】本発明の第1の目的は、本件第1発明に
よれば、スタータが作動状態にあるときは、オンで、作
動状態にないときは、オフのスタータ信号を出力するス
タータ作動状態検出手段と、スタータ作動状態検出手段
から入力されたスタータ信号がオンになってから、オフ
になるまでの間、プーリ比が小さくなるように、ロータ
の回転を制御するプーリ比制御手段とを備えることによ
って達成される。
【0008】本発明の第2の目的は、本件第2発明によ
れば、エンジン冷却水温度を検出するエンジン冷却水温
度検出手段と、エンジン冷却水温度検出手段から入力さ
れたエンジン冷却水温度検出信号に基づき、冷間始動時
にあるか否かを判定し、冷間始動時にあると判定したと
きは、プーリ比が小さくなるように、ロータの回転を制
御するプーリ比制御手段を備えることによって達成され
る。
【0009】本件第1発明の好ましい実施態様において
は、プーリ比制御手段が、スタータ信号がオフとなった
後は、プーリ比が大きくなるように、ロータの回転を制
御するように構成されている。本件第1発明の他の好ま
しい実施態様においては、プーリ制御手段が、入力され
たスタータ信号がオフになった後は、排気ガスの圧力に
より、ロータの回転を制御するように構成されている。
【0010】本件第1発明のさらに好ましい実施態様に
おいては、プーリ比制御手段が、ディーゼルエンジンの
運転状態にしたがってあらかじめ設定された基本プーリ
比マップを備え、スタータ作動状態検出手段から入力さ
れたスタータ信号がオンになってから、スタータ信号が
オフになるまでの間は、基本プーリ比に比して、プーリ
比が小さくなるように、プーリ比を補正し、スタータ信
号がオフになった後は、基本プーリ比に比して、プーリ
比が大きくなるように、プーリ比を補正して、ロータの
回転を制御するように構成されている。
【0011】本件第2発明の好ましい実施態様において
は、プーリ比制御手段が、エンジン冷却水温度検出手段
から入力されたエンジン冷却水温度検出信号に基づき、
始動したと判定したときは、プーリ比が大きくなるよう
にロータの回転を制御するように構成されている。本件
第2発明の他の好ましい実施態様においては、プーリ比
制御手段が、エンジン冷却水温度検出手段から入力され
たエンジン冷却水温度検出信号に基づき、始動したと判
定したときは、排気ガスの圧力により、ロータの回転を
制御するように構成されている。
【0012】本件第2発明のさらに好ましい実施態様に
おいては、プーリ比制御手段が、ディーゼルエンジンの
運転状態にしたがってあらかじめ設定された基本プーリ
比マップを備え、エンジン冷却水温度検出手段から入力
されたエンジン冷却水温度検出信号に基づき、冷間始動
時であると判定したときは、基本プーリ比に比して、プ
ーリ比が小さくなるように、プーリ比を補正し、エンジ
ン冷却水温度検出手段から入力されたエンジン冷却水温
度検出信号に基づき、始動したと判定したときは、基本
プーリ比に比して、プーリ比が大きくなるように、プー
リ比を補正し、ロータの回転を制御するように構成され
ている。
【0013】
【発明の作用】圧力波過給機付ディーゼルエンジンの制
御装置においては、セルの吸気通路側の開口部が吸気の
吐出口に連通している開口期間内の所定のタイミング
で、排気により生成された圧力波が、セルの吸気の吐出
口に達するように、プーリ比が制御されるように、あら
かじめ、運転状態にしたがって、プーリ比が設定されて
いることが、つねに、所定の過給がなされるために好ま
しいが、吸気温度の低い完爆前あるいは冷間始動時にお
いては、排気を利用して、吸気の温度を上昇させ、着火
性を向上させることができるように、プーリ比を制御す
ることが望ましい。本発明は、かかる知見に基づくもの
である。
【0014】すなわち、本件第1発明によれば、完爆前
は、プーリ比が小さくなるように制御されているため、
ロータのセルの吸気通路側の開口部が、吸気の導入口と
連通して、新気が、吸気通路から、セル内に導入されて
から、セルの排気通路側の開口部が、排気の導入口に開
口して、高温の排気が、排気通路から、セル内に導入さ
れ、セルの吸気通路側の開口部が、吸気の吐出口と連通
するまでの時間が長くなり、したがって、新気は、セル
内に深く浸入して、高温の排気と接触し、排気およびこ
れにより生成された圧力波により、セルの吸気通路側の
開口部から、吸気通路内に押し出されるまでの時間が長
くなるから、高温の排気から熱が伝達されて、新気の温
度は上昇し、吸気温度を高めることが可能になり、ま
た、排気により生成された圧力波が、セルの吸気通路側
の開口部に達したときに、開口部がまだその一部しか吸
気の吐出口と連通してはいないように、セルの吸気通路
側の開口部が吸気の吐出口に連通するタイミングを制御
することが可能になり、その結果、圧力波による過給作
用を低下させて、吸気の流速を低下させ、燃料室の壁面
からの熱損失を低減し得るから、完爆までの時間を、従
来に比して、大幅に短縮することが可能になる。
【0015】本件第2発明によれば、冷間始動時におい
ては、プーリ比が小さくなるように制御されているた
め、ロータのセルの吸気通路側の開口部が、吸気の導入
口と連通して、新気が、吸気通路から、セル内に導入さ
れてから、セルの排気通路側の開口部が、排気の導入口
に開口して、高温の排気が、排気通路から、セル内に導
入され、セルの吸気通路側の開口部が、吸気の吐出口と
連通するまでの時間が長くなり、したがって、新気は、
セル内に深く浸入して、高温の排気と接触し、排気およ
びこれにより生成された圧力波により、セルの吸気通路
側の開口部から、吸気通路内に押し出されるまでの時間
が長くなるから、高温の排気から熱が伝達されて、新気
の温度は上昇し、吸気温度を高めることが可能になり、
燃料を増量することなく、着火性を向上させることがで
き、また、排気により生成された圧力波が、セルの吸気
通路側の開口部に達したときは、開口部がまだその一部
しか吸気の吐出口と連通してはおらず、圧力波より伝播
速度の小さい排気が、吸気通路側の開口部に達したとき
にはじめて、セルの吸気通路側の開口部が十分に、吸気
の吐出口と連通しているように、セルの吸気通路側の開
口部が吸気の吐出口に連通するタイミングを制御するこ
とが可能になり、その結果、排気の導入口からセル内に
導入された排気の一部が、吸気通路内に供給されて、排
気還流作用が生ずるから、排気ガス中の窒素酸化物の量
を低減させることが可能になる。
【0016】また、本件第1発明の好ましい実施態様に
よれば、プーリ比制御手段が、スタータ信号がオフにな
り、完爆が完了した後は、プーリ比が大きくなるよう
に、ロータの回転を制御しているから、圧力波による過
給圧は高くなり、吸気の流速も大きくなって、燃料と吸
気との混合が促進され、その結果、完爆後、速やかに、
ディーゼルエンジンの運転状態を定常化することが可能
になる。
【0017】本件第1発明の他の好ましい実施態様によ
れば、プーリ比制御手段が、入力されたスタータ信号が
オフになった後は、排気ガスの圧力により、ロータの回
転を制御するように構成されているから、完爆が完了
し、ディーゼルエンジンの燃焼状態が定常化するととも
に、排気ガスの圧力が十分に上昇した状態において、排
気ガスの圧力によって、ロータを回転させることによ
り、簡易に、圧力波による過給作用を高めることが可能
になる。
【0018】本件第2発明の好ましい実施態様において
は、プーリ比制御手段が、エンジン冷却水温度検出手段
から入力されたエンジン冷却水温度検出信号に基づき、
始動したと判定したときは、プーリ比が大きくなるよう
に、ロータの回転を制御しているから、圧力波による過
給圧は高くなり、吸気の流速も大きくなって、燃料と吸
気との混合が促進され、その結果、始動後、速やかに、
ディーゼルエンジンの運転状態を定常化することが可能
になる。
【0019】本件第2発明の他の好ましい実施態様にお
いては、プーリ比制御手段が、エンジン冷却水温度検出
手段から入力されたエンジン冷却水温度検出信号に基づ
き、始動したと判定したときは、排気ガスの圧力によ
り、ロータの回転を制御するように構成されているか
ら、ディーゼルエンジンが始動し、ディーゼルエンジン
の燃焼状態が定常化するとともに、排気ガスの圧力が十
分に上昇した状態において、排気ガスの圧力によって、
ロータを回転させることにより、簡易に、圧力波による
過給作用を高めることが可能になる。
【0020】
【実施例】以下、添付図面に基づき、本発明の好ましい
実施例につき、詳細に説明を加える。図1は、本発明の
実施例に係る圧力波過給機を備えたディーゼルエンジン
の概略図である。
【0021】図1において、4気筒のディーゼルエンジ
ン1は、4つのシリンダ2を備えており、各シリンダ2
には、吸気通路3が開口するとともに、排気通路4が開
口している。吸気通路3と排気通路4との間には、圧力
波過給機5が設けられており、吸気通路3は、圧力波過
給機5の上流側の上流吸気通路6と下流側の下流吸気通
路7とに、また、排気通路4は、圧力波過給機5の上流
側の上流排気通路8と下流側の下流排気通路9とに、そ
れぞれ、分割されており、上流吸気通路6の上流部に
は、エアークリーナ10が、下流吸気通路7には、イン
タクーラ11が、また、上流排気通路8には、排気の圧
力変動を抑制する排気サージタンク12が、それぞれ、
設けられている。
【0022】図2は、圧力波過給機5の略斜視図であ
る。図2において、圧力波過給機5は、図示しない円形
の板部材により両端部が形成されたケース20と、ケー
ス20内に回転可能に支持されたロータ21を備えてお
り、ロータ21には、その内部を軸方向に貫通する多数
のセル22が形成され、また、図1に示されるように、
ケース20の一端部の板部材には、上流吸気通路6と連
通可能な吸気導入口23および下流吸気通路7と連通可
能な吸気吐出口24が形成され、また、他端部の板部材
には、上流排気通路8と連通可能な排気導入口25およ
び下流排気通路9と連通可能な排気吐出口26が形成さ
れている。図2において、27は、ロータ21の回転軸
である。
【0023】図1に示されるように、スターティングバ
ルブ30を備え、圧力波過給機5をバイパスして、上流
吸気通路6と下流吸気通路7とを連通する吸気バイパス
通路31が設けられており、排気圧力が低く、十分な過
給効果の得られない始動時には、スターティングバルブ
30が開かれて、圧力波過給機5をバイパスして、吸気
を、下流吸気通路7から上流吸気通路6を経て、シリン
ダ2に供給し得るようになっている。また、圧力波過給
機5をバイパスして、上流排気通路8と下流排気通路9
とを連通する排気バイパス通路32が設けられており、
排気バイパス通路32に設けられたウェストゲートバル
ブ33により、過給圧の制御が可能に構成されている。
さらに、ロータ21の回転軸27とディーゼルエンジン
1の出力軸13とを連結し、ロータ21の回転軸27お
よびディーゼルエンジン1の出力軸13の回転速度の比
を変更可能な変速ベルト装置40が設けられている。
【0024】図1において、50は、コントロールユニ
ットであり、コントロールユニット50には、スタータ
スィッチ51からのスタータ信号およびエンジン冷却水
温度センサ52の検出したエンジン冷却水温度検出信号
が、それぞれ、入力されており、コントロールユニット
50は、これらの検出信号に基づき、プーリ比制御信号
を生成して、プーリ比変更手段53に出力している。
【0025】図3は、変速ベルト装置40およびプーリ
比変更手段53の詳細を示す概略図である。図3におい
て、変速ベルト装置40は、ドライブプーリ61とドリ
ブンプーリ62を備えている。ドライブプーリ61は、
可変ピッチ構造をなし、ディーゼルエンジン1の出力軸
13に摺動不能に設けられたドライブフェース63とデ
ィーゼルエンジン1の出力軸13に摺動可能に設けられ
たムーバブルドライブフェース64を備え、また、ドリ
ブンプーリ62も同様に、可変ピッチ構造をなしてお
り、ロータ21の回転軸27に摺動不能に設けられたド
ライブフェース65とロータ21の回転軸27に摺動可
能に設けられたムーバブルドライブフェース66を備え
ている。図3に示されるように、ドライブプーリ61の
ピッチとドリブンプーリ62のピッチは、たがいに異な
るように設定されている。ムーバブルドライブフェース
64は、ドライブフェース63に対して、また、ムーバ
ブルドライブフェース66が、ドライブフェース65に
対して、それぞれ、相対的に回転しないように規制され
ている。ドライブプーリ61とドリブンプーリ62との
間には、ドライブベルト67が巻回されている。
【0026】ディーゼルエンジン1の出力軸13には、
板ばね68が固定されており、これに対向する位置に、
電磁石69が設けられている。ドライブフェース63の
ムーバブルドライブフェース64の反対側には、つば部
70が形成されており、電磁石69が通電されると、板
ばね68が、電磁石69に引きつけられて、曲がり、そ
の縁部が、ドライブフェース63のつば部70の内面に
連結されて、ドライブフェース63とムーバブルドライ
ブフェース64とが、ディーゼルエンジン1の出力軸1
3と一体化されるように構成されている。
【0027】同様に、ロータ21の回転軸27には、板
ばね71が固定されており、これに対向する位置に、電
磁石72が設けられている。ドライブフェース65のム
ーバブルドライブフェース66の反対側には、つば部7
3が形成されており、電磁石72が通電されると、板ば
ね71が電磁石72に引きつけられて、曲がり、その縁
部が、ドライブフェース65のつば部73の内面に連結
されて、ドライブフェース65とムーバブルドライブフ
ェース66とが、ロータ21の回転軸27と一体化する
ように構成されている。
【0028】電磁石69、72は、コントロールユニッ
ト50により、同時に、オンあるいはオフされ、電磁石
69、72がオンされたときは、ドライブフェース63
およびムーバブルドライブフェース64が、ディーゼル
エンジン1の出力軸13とともに、ドライブフェース6
5およびムーバブルドライブフェース66が、ロータ2
1の回転軸27とともに回転して、ディーゼルエンジン
1の出力軸13の回転が、変速ベルト装置40により、
すなわち、ドライブプーリ61、ドライブベルト67お
よびドリブンプーリ62を介して、ロータ21の回転軸
27に伝達されて、ロータ21の回転軸27が回転する
ようになっている。他方、電磁石69、72がオフされ
たときは、ドライブフェース63およびムーバブルドラ
イブフェース64は、ディーゼルエンジン1の出力軸1
3に連結されず、同様に、ドライブフェース65および
ムーバブルドライブフェース66も、ロータ21の回転
軸27に連結されないから、ディーゼルエンジン1の出
力軸13の回転は、ロータ21の回転軸27には伝達さ
れず、ロータ21の回転軸27は、排気圧のみによっ
て、回転する。
【0029】ドライブプーリ61及びドリブンプーリ6
2は、それぞれ、油圧室80、81を備えており、油圧
室80、81は、それぞれ、ディーゼルエンジン1の出
力軸13およびロータ21の回転軸27に、その内部を
貫通するように形成された油路82、83に連通してい
る。油路82、83は、それぞれ、油圧供給手段84に
連通している。図3において、85、86は、油圧伝達
リングであり、87、88は、油圧調整バルブである。
【0030】このように構成された変速ベルト装置40
においては、油圧調整バルブ87、88の開度を制御し
て、油圧室80、81に伝達される油圧を制御すること
により、ムーバブルドライブフェース64を、ディーゼ
ルエンジン1の出力軸13に沿って、摺動させて、ドラ
イブフェース63との距離を変化させるとともに、ムー
バブルドライブフェース66を、ロータ21の回転軸2
7に沿って、摺動させて、ドライブフェース65との距
離を変化させることにより、電磁石69、72がオンし
ているときに、プーリ比を所望のように、制御すること
ができる。
【0031】図4は、本発明の実施例に係る圧力波過給
機を備えたディーゼルエンジンの制御系および検出系の
ブロックダイアグラムである。図4に示されるように、
本実施例に係る圧力波過給機を備えたディーゼルエンジ
ンの検出系は、スタータスィッチ51およびエンジン冷
却水温度を検出するエンジン冷却水温度センサ52を備
え、また、本発明の実施例に係る圧力波過給機を備えた
ディーゼルエンジンの制御系は、コントロールユニット
50からなっており、コントロールユニット50には、
スタータスィッチ51からのスタータ信号およびエンジ
ン冷却水温度センサ52の検出したエンジン冷却水温度
検出信号が、それぞれ、入力されている。
【0032】コントロールユニット50は、音速で伝播
する圧力波の伝播速度V、セル22の長さ、ロータ21
の回転速度に基づき、運転状態に応じて、あらかじめ実
験的に決定された基本プーリ比制御マップを有するとと
もに、始動時および冷間始動時に、基本プーリ比制御マ
ップから読み出された基本プーリ比を補正するプーリ比
補正マップを有し、運転状態に応じて、プーリ比変更手
段53にプーリ比制御信号を出力するように構成されて
いる。本実施例においては、電磁石69、72はつねに
オン状態に保持され、ディーゼルエンジン1の出力軸1
3の回転が、変速ベルト装置40により、すなわち、ド
ライブプーリ61、ドライブベルト67およびドリブン
プーリ62を介して、ロータ21の回転軸27に伝達さ
れて、ロータ21の回転軸27が回転するようになって
いる。
【0033】ここに、基本プーリ比は、排気導入口25
からセル22内に導入された排気により生成された圧力
波が、セル22の吸気通路側の開口部に達したときに、
開口部が十分に吸気吐出口24と連通しており、圧力波
によって加圧された新気が、吸気吐出口24を経て、上
流吸気通路6内に吐出され、十分な過給がなされるよう
に設定されている。
【0034】プーリ比変更手段53は、コントロールユ
ニット50から入力されたプーリ比制御信号にしたがっ
て、油圧調整バルブ87、88の開度を制御するように
構成されている。図5は、本発明の実施例に係る圧力波
過給機を備えたディーゼルエンジン1の制御系によって
実行されるプーリ比制御の実施例を示すフローチャート
である。
【0035】図5において、まず、スタータスィッチ5
1からスタータ信号が、コントロールユニット50に入
力され、コントロールユニット50は、スタータ信号が
オンか否かを判定する。その結果、スタータ信号がオン
のときは、完爆前の状態にあると判定し得るから、コン
トロールユニット50は、基本プーリ比マップから、基
本プーリ比を読み出すとともに、プーリ比補正マップに
したがって、プーリ比が小さくなるように補正して、プ
ーリ比制御信号を生成し、プーリ比変更手段53に出力
する。
【0036】ここに、プーリ比制御信号は、ロータ22
のセルの吸気通路側の開口部が、吸気導入口23と連通
して、新気が、セル22内に導入されてから、セル22
の排気通路側の開口部が、排気導入口25に開口して、
高温の排気が、セル22内に導入され、セル22の吸気
通路側の開口部が、吸気吐出口24と連通するまでの時
間が、新気が、セル22内に深く浸入するのに十分な時
間となるとともに、新気が、高温の排気と接触し、排気
およびこれにより生成された圧力波により、セル22の
吸気通路側の開口部から、吸気吐出口24を経て、下流
吸気通路7内に押し出されるまでの時間が十分長くなっ
て、高温の排気から熱が伝達されて、新気の温度が上昇
し、吸気温度が所望のように高くなり、かつ、排気によ
り生成された圧力波が、吸気通路側の開口部に達したと
きに、開口部がまだその一部しか吸気吐出口24と連通
してはいないように、基本プーリ比を、プーリ補正マッ
プにより補正して、生成される。
【0037】プーリ比変更手段53は、コントロールユ
ニット50から入力されたプーリ比制御信号に基づき、
油圧調整バルブ87、88の開度を制御して、ムーバブ
ルドライブフェース64を、ディーゼルエンジン1の出
力軸13に沿って、摺動させて、ドライブフェース63
との距離を変化させるとともに、ムーバブルドライブフ
ェース66を、ロータ21の回転軸27に沿って、摺動
させて、ドライブフェース65との距離を変化させるこ
とにより、プーリ比が小さくなるように変更する。
【0038】その結果、ロータ22のセルの吸気通路側
の開口部が、吸気導入口23と連通して、新気がセル2
2内に導入されてから、セル22の排気通路側の開口部
が、排気導入口25に開口して、高温の排気が、セル2
2内に導入され、セル22の吸気通路側の開口部が、吸
気吐出口24と連通するまでに、新気が、セル22内に
深く浸入して、高温の排気と接触し、排気およびこれに
より生成された圧力波により、セル22の吸気通路側の
開口部から、吸気吐出口24を経て、下流吸気通路7内
に押し出されるまでの時間が十分長くなって、高温の排
気から熱が伝達されて、新気の温度が上昇し、吸気温度
が所望のように高められるとともに、排気により生成さ
れた圧力波が、吸気通路側の開口部に達したときに、開
口部がまだその一部しか吸気吐出口24と連通してはお
らず、したがって、圧力波による過給作用が低下して、
吸気の流速が低下する。
【0039】こうして、スタータスィッチ51から入力
されたスタータ信号がオンになるまで、すなわち、完爆
までは、コントロールユニット50は、プーリ比を、基
本プーリ比より小さくなるように補正して、プーリ比制
御信号を、プーリ比変更手段53に出力し、プーリ比変
更手段53は、このプーリ比制御信号にしたがって、上
述のように、油圧調整バルブ87、88の開度を制御す
る。
【0040】このように、完爆前においては、ロータ2
2のセルの吸気通路側の開口部が、吸気導入口23と連
通して、新気が、セル22内に導入されてから、セル2
2の排気通路側の開口部が、排気導入口25に開口し
て、高温の排気が、セル22内に導入され、セル22の
吸気通路側の開口部が、吸気吐出口24と連通するまで
に、新気が、セル22内に深く浸入して、高温の排気と
接触し、排気およびこれにより生成された圧力波によ
り、セル22の吸気通路側の開口部から、吸気吐出口2
4を経て、下流吸気通路7内に押し出されるまでの時間
が十分長くなって、高温の排気から熱が伝達されて、新
気の温度が上昇し、吸気温度が所望のように高められる
とともに、排気により生成された圧力波が、吸気通路側
の開口部に達したときに、開口部がまだその一部しか吸
気吐出口24と連通してはおらず、したがって、圧力波
による過給作用が低下して、吸気の流速が低下し、燃料
室の壁面からの熱損失を低減することができるから、完
爆までの時間を、従来に比して、大幅に短縮することが
可能になる。
【0041】そして、スタータスィッチ51から入力さ
れたスタータ信号がオフになった時は、完爆が完了した
と認められ、基本プーリ比にしたがって、圧力波過給を
実行することが、高出力を得る上で、望ましいから、コ
ントロールユニット50は、プーリ比補正マップによる
プーリ比の補正を停止し、基本プーリ比マップから読み
出された基本プーリ比にしたがって、プーリ比制御信号
を生成して、プーリ比変更手段53に出力する。
【0042】その結果、排気導入口25からセル22内
に導入された排気により生成された圧力波が、セル22
の吸気通路側の開口部に達したときに、開口部が十分に
吸気吐出口24と連通しており、圧力波によって加圧さ
れた新気が、吸気吐出口24を経て、上流吸気通路6内
に吐出され、十分な圧力波過給がなされ、所望の出力を
得ることが可能になる。
【0043】本実施例によれば、完爆前においては、プ
ーリ比が、基本プーリ比より小さくなるように制御さ
れ、その結果、ロータ22のセルの吸気通路側の開口部
が、吸気導入口23と連通して、新気が、セル22内に
導入されてから、セル22の排気通路側の開口部が、排
気導入口25に開口して、高温の排気が、セル22内に
導入され、セル22の吸気通路側の開口部が、吸気吐出
口24と連通するまでの時間が、新気が、セル22内に
深く浸入するのに十分な時間となるとともに、新気が、
高温の排気と接触し、排気およびこれにより生成された
圧力波により、セル22の吸気通路側の開口部から、吸
気吐出口24を経て、下流吸気通路7内に押し出される
までの時間が十分長くなって、高温の排気から熱が伝達
されて、新気の温度が上昇し、吸気温度が所望のように
高くなって、着火性が向上するとともに、排気により生
成された圧力波が、吸気通路側の開口部に達したとき
に、開口部がまだその一部しか吸気吐出口24と連通し
てはいないように、基本プーリ比が補正され、プーリ比
が制御されるから、完爆までの時間を、大幅に短縮する
ことが可能になり、また、完爆後は、プーリ比が基本プ
ーリとなるように制御されるから、十分な圧力波過給が
なされ、所望の出力を得ることが可能になる。
【0044】図6は、本発明の実施例に係る圧力波過給
機を備えたディーゼルエンジン1の制御系50によって
実行されるプーリ比制御の他の実施例を示すフローチャ
ートである。図6において、まず、エンジン冷却水温度
センサ52の検出したエンジン冷却水温度検出信号が、
コントロールユニット50に入力される。
【0045】コントロールユニット50は、入力された
エンジン冷却水温度検出信号に基づき、冷間時かつ始動
前か否かを判定する。その結果、冷間時かつ始動前であ
ると判定したときは、コントロールユニット50は、基
本プーリ比マップから、基本プーリ比を読み出すととも
に、プーリ比補正マップにしたがい、プーリ比が小さく
なるように補正して、プーリ比制御信号を生成し、プー
リ比変更手段53に出力する。
【0046】ここに、プーリ比制御信号は、ロータ22
のセルの吸気通路側の開口部が、吸気導入口23と連通
して、新気が、セル22内に導入されてから、セル22
の排気通路側の開口部が、排気導入口25に開口して、
高温の排気が、セル22内に導入され、セル22の吸気
通路側の開口部が、吸気吐出口24と連通するまでの時
間が、新気が、セル22内に深く浸入するのに十分な時
間となるとともに、新気が、高温の排気と接触し、排気
およびこれにより生成された圧力波により、セル22の
吸気通路側の開口部から、吸気吐出口24を経て、下流
吸気通路7内に押し出されるまでの時間が十分長くなっ
て、高温の排気から熱が伝達されて、新気の温度が上昇
し、吸気温度が所望のように高くなり、かつ、排気によ
り生成された圧力波が、吸気通路側の開口部に達したと
きに、開口部がまだその一部しか吸気吐出口24と連通
してはおらず、音速で伝播する圧力波より低い速度で伝
播する排気が、セル22の吸気通路側の開口部に達した
ときにはじめて、セル22の吸気通路側の開口部が十分
に、吸気吐出口24と連通しているように、基本プーリ
比を、プーリ補正マップにより補正して、生成される。
【0047】プーリ比変更手段53は、コントロールユ
ニット50から入力されたプーリ比制御信号に基づき、
油圧調整バルブ87、88の開度を制御して、ムーバブ
ルドライブフェース64を、ディーゼルエンジン1の出
力軸13に沿って、摺動させて、ドライブフェース63
との距離を変化させるとともに、ムーバブルドライブフ
ェース66を、ロータ21の回転軸27に沿って、摺動
させて、ドライブフェース65との距離を変化させるこ
とにより、プーリ比が小さくなるように変更する。
【0048】その結果、ロータ22のセルの吸気通路側
の開口部が、吸気導入口23と連通して、新気がセル2
2内に導入されてから、セル22の排気通路側の開口部
が、排気導入口25に開口して、高温の排気が、セル2
2内に導入され、セル22の吸気通路側の開口部が、吸
気吐出口24と連通するまでに、新気が、セル22内に
深く浸入して、高温の排気と接触し、排気およびこれに
より生成された圧力波により、セル22の吸気通路側の
開口部から、吸気吐出口24を経て、下流吸気通路7内
に押し出されるまでの時間が十分長くなって、高温の排
気から熱が伝達されて、新気の温度が上昇し、吸気温度
が所望のように高められるとともに、排気により生成さ
れた圧力波が、吸気通路側の開口部に達したときには、
開口部がまだその一部しか吸気吐出口24と連通しては
おらず、排気が、セル22の吸気通路側の開口部に達し
たときにはじめて、セル22の吸気通路側の開口部が十
分に、吸気吐出口24と連通し、排気の一部が、下流吸
気通路7内に供給され、排気還流作用が生ずる。
【0049】こうして、エンジン冷却水温度センサ52
から入力されたエンジン冷却水温度検出信号に基づき、
冷間時かつ始動前と判定されているかぎり、コントロー
ルユニット50は、プーリ比を、基本プーリ比より小さ
くなるように補正して、プーリ比制御信号を、プーリ比
変更手段53に出力し、プーリ比変更手段53は、この
プーリ比制御信号にしたがって、上述のように、油圧調
整バルブ87、88の開度を制御する。
【0050】このように、冷間時かつ始動前において
は、ロータ22のセルの吸気通路側の開口部が、吸気導
入口23と連通して、新気が、セル22内に導入されて
から、セル22の排気通路側の開口部が、排気導入口2
5に開口して、高温の排気が、セル22内に導入され、
セル22の吸気通路側の開口部が、吸気吐出口24と連
通するまでに、新気が、セル22内に深く浸入して、高
温の排気と接触し、排気およびこれにより生成された圧
力波により、セル22の吸気通路側の開口部から、吸気
吐出口24を経て、下流吸気通路7内に押し出されるま
での時間が十分長くなって、高温の排気から熱が伝達さ
れて、新気の温度が上昇し、吸気温度が所望のように高
められ、燃料を増量することなく、着火性を向上させる
ことが可能になるとともに、排気により生成された圧力
波が、吸気通路側の開口部に達したときには、開口部が
まだその一部しか吸気吐出口24と連通してはおらず、
圧力波よりは伝播速度の小さい排気が、セル22の吸気
通路側の開口部に達したときにはじめて、開口部が十分
に吸気吐出口24と連通するから、排気の一部が、下流
吸気通路7内に供給されて、排気還流作用が生じ、その
結果、排気ガス中の窒素酸化物の量が大幅に低減され
る。
【0051】そして、エンジン冷却水温度センサ52か
ら入力されたエンジン冷却水温度検出信号に基づき、始
動したと判定されたときは、基本プーリ比にしたがっ
て、圧力波過給を実行することが、高出力を得る上で、
望ましいから、コントロールユニット50は、プーリ比
補正マップによるプーリ比の補正を停止し、基本プーリ
比マップから読み出された基本プーリ比にしたがって、
プーリ比制御信号を生成して、プーリ比変更手段53に
出力する。
【0052】その結果、排気導入口25からセル22内
に導入された排気により生成された圧力波が、セル22
の吸気通路側の開口部に達したときに、開口部が十分に
吸気吐出口24と連通しており、圧力波によって加圧さ
れた新気が、吸気吐出口24を経て、上流吸気通路6内
に吐出され、十分な圧力波過給がなされ、所望の出力を
得ることが可能になる。
【0053】本実施例によれば、冷間時かつ始動前にお
いては、プーリ比が、基本プーリ比よりも小さくなるよ
うに制御され、その結果、ロータ22のセルの吸気通路
側の開口部が、吸気導入口23と連通して、新気が、セ
ル22内に導入されてから、セル22の排気通路側の開
口部が、排気導入口25に開口して、高温の排気が、セ
ル22内に導入され、セル22の吸気通路側の開口部
が、吸気吐出口24と連通するまでに、新気が、セル2
2内に深く浸入して、高温の排気と接触し、排気および
これにより生成された圧力波によって、セル22の吸気
通路側の開口部から、吸気吐出口24を経て、下流吸気
通路7内に押し出されるまでの時間が十分長くなって、
高温の排気から熱が伝達されて、新気の温度が上昇し、
吸気温度が所望のように高められ、燃料を増量すること
なく、着火性を向上させることが可能になるとともに、
排気により生成された圧力波が、吸気通路側の開口部に
達したときには、開口部がまだその一部しか吸気吐出口
24と連通してはおらず、圧力波よりは伝播速度の小さ
い排気が、セル22の吸気通路側の開口部に達したとき
にはじめて、開口部が十分に吸気吐出口24と連通する
から、排気の一部が、下流吸気通路7内に供給されて、
排気還流作用が生じ、その結果、排気ガス中の窒素酸化
物の量を大幅に低減することが可能となり、また、始動
後においては、プーリ比が基本プーリとなるように制御
されるから、十分な圧力波による過給がなされ、所望の
出力を得ることが可能になる。
【0054】図7は、本発明の他の実施例に係る圧力波
過給機を備えたディーゼルエンジン1の制御系50によ
って実行されるプーリ比制御の実施例を示すフローチャ
ートである。本実施例に係る圧力波過給機を備えたディ
ーゼルエンジン1の制御系50においては、コントロー
ルユニット50は、音速で伝播する圧力波の伝播速度
V、セル22の長さ、ロータ21の回転速度に基づき、
運転状態に応じて、あらかじめ実験的に決定されたプー
リ比制御マップを有しており、プーリ比制御マップにし
たがって、運転状態に応じ、電磁石69、72にオン信
号あるいはオフ信号を出力するとともに、プーリ比変更
手段53にプーリ比制御信号を出力するように構成され
ている。
【0055】また、プーリ比制御マップにより、完爆前
においては、電磁石69、72がオンされて、ディーゼ
ルエンジン1の出力軸13の回転が、変速ベルト装置4
0により、すなわち、ドライブプーリ61、ドライブベ
ルト67およびドリブンプーリ62を介して、ロータ2
1の回転軸27に伝達されて、ロータ21の回転軸27
が回転されるとともに、プーリ比は、排気導入口25か
らセル22内に導入された排気により生成された圧力波
が、セル22の吸気通路側の開口部に達したときに、開
口部が十分に吸気吐出口24と連通しており、圧力波に
よって加圧された新気が、吸気吐出口24を経て、上流
吸気通路6内に吐出され、十分な過給がなされるように
設定されており、他方、完爆後は、電磁石69、72が
オフされて、ディーゼルエンジン1の出力軸13の回転
が、ロータ21の回転軸27には伝達されず、ロータ2
1は、排気の圧力のみにより回転されるように制御され
ている。
【0056】図7において、まず、スタータスィッチ5
1からスタータ信号が、コントロールユニット50に入
力され、コントロールユニット50は、スタータ信号が
オンか否かを判定する。その結果、スタータ信号がオン
のときは、完爆前の状態にあると判定し得るから、コン
トロールユニット50は、電磁石69、72をオンし
て、ディーゼルエンジン1の出力軸13の回転を、変速
ベルト装置40により、すなわち、ドライブプーリ6
1、ドライブベルト67およびドリブンプーリ62を介
して、ロータ21の回転軸27に伝達して、ロータ21
の回転軸27が回転されるようにするとともに、ロータ
22のセルの吸気通路側の開口部が、吸気導入口23と
連通して、新気が、セル22内に導入されてから、セル
22の排気通路側の開口部が、排気導入口25に開口し
て、高温の排気が、セル22内に導入され、セル22の
吸気通路側の開口部が、吸気吐出口24と連通するまで
の時間が、新気が、セル22内に深く浸入するのに十分
な時間となるとともに、新気が、高温の排気と接触し、
排気およびこれにより生成された圧力波により、セル2
2の吸気通路側の開口部から、吸気吐出口24を経て、
下流吸気通路7内に押し出されるまでの時間が十分長く
なって、高温の排気から熱が伝達されて、新気の温度が
上昇し、吸気温度が所望のように高くなり、かつ、排気
により生成された圧力波が、吸気通路側の開口部に達し
たときに、開口部がまだその一部しか吸気吐出口24と
連通してはいないように、プーリ比を変更するためのプ
ーリ比制御信号を生成し、プーリ比変更手段53に出力
する。
【0057】プーリ比変更手段53は、コントロールユ
ニット50から入力されたプーリ比制御信号に基づき、
油圧調整バルブ87、88の開度を制御して、ムーバブ
ルドライブフェース64を、ディーゼルエンジン1の出
力軸13に沿って、摺動させて、ドライブフェース63
との距離を変化させるとともに、ムーバブルドライブフ
ェース66を、ロータ21の回転軸27に沿って、摺動
させて、ドライブフェース65との距離を変化させるこ
とにより、プーリ比が小さくなるように変更する。
【0058】その結果、ロータ22のセルの吸気通路側
の開口部が、吸気導入口23と連通して、新気がセル2
2内に導入されてから、セル22の排気通路側の開口部
が、排気導入口25に開口して、高温の排気が、セル2
2内に導入され、セル22の吸気通路側の開口部が、吸
気吐出口24と連通するまでに、新気が、セル22内に
深く浸入して、高温の排気と接触し、排気およびこれに
より生成された圧力波により、セル22の吸気通路側の
開口部から、吸気吐出口24を経て、下流吸気通路7内
に押し出されるまでの時間が十分長くなって、高温の排
気から熱が伝達されて、新気の温度が上昇し、吸気温度
が所望のように高められるとともに、排気により生成さ
れた圧力波が、吸気通路側の開口部に達したときに、開
口部がまだその一部しか吸気吐出口24と連通してはお
らず、したがって、圧力波による過給作用が低下して、
吸気の流速が低下する。
【0059】こうして、スタータスィッチ51から入力
されたスタータ信号がオンになるまで、すなわち、完爆
までは、コントロールユニット50は、電磁石69、7
2をオン状態に保持するとともに、上述のようにして生
成したプーリ比制御信号を、プーリ比変更手段53に出
力し、プーリ比変更手段53は、このプーリ比制御信号
に基づいて、上述のように、油圧調整バルブ87、88
の開度を制御する。
【0060】このように、完爆前においては、ロータ2
2のセルの吸気通路側の開口部が、吸気導入口23と連
通して、新気が、セル22内に導入されてから、セル2
2の排気通路側の開口部が、排気導入口25に開口し
て、高温の排気が、セル22内に導入され、セル22の
吸気通路側の開口部が、吸気吐出口24と連通するまで
に、新気が、セル22内に深く浸入して、高温の排気と
接触し、排気およびこれにより生成された圧力波によ
り、セル22の吸気通路側の開口部から、吸気吐出口2
4を経て、下流吸気通路7内に押し出されるまでの時間
が十分長くなって、高温の排気から熱が伝達されて、新
気の温度が上昇し、吸気温度が所望のように高められる
とともに、排気により生成された圧力波が、吸気通路側
の開口部に達したときに、開口部がまだその一部しか吸
気吐出口24と連通してはおらず、したがって、圧力波
による過給作用が低下して、吸気の流速が低下し、燃料
室の壁面からの熱損失を低減することができるから、完
爆までの時間を、従来に比して、大幅に短縮することが
可能になる。
【0061】そして、スタータスィッチ51から入力さ
れたスタータ信号がオフになった時は、完爆が完了した
と認められるから、プーリ比を小さくして、吸気温度を
低下させ、また、圧力波の過給作用を低下させる必要は
なく、かえって、圧力波の過給作用を高めることが、高
出力を得る上で、望ましい。また、完爆後は、排気の圧
力は十分に大きくなっており、ディーゼルエンジン1の
燃焼状態も定常状態にあるから、変速ベルト装置40に
よることなく、排気の圧力により、ロータ21の回転軸
27を回転させ、所望のように、圧力波による過給を実
行することが可能であり、また、つねに、変速ベルト装
置40によって、ディーゼルエンジン1の出力軸13の
回転を、ロータ21の回転軸27に伝達して、ロータ2
1の回転軸27を回転させることは、変速ベルト装置4
0の耐久性を損なうことになるので、コントロールユニ
ット50は、電磁石69、72をオフして、ドライブプ
ーリ61とディーゼルエンジン1の出力軸13との連結
およびドリブンプーリ62とロータ21の回転軸27と
の連結を断って、排気の圧力のみにより、ロータ21の
回転軸27を回転させるべく、電磁石69、72にオフ
信号を出力するとともに、油圧調整バルブ87、88の
開度が一定に保持されるように、プーリ比制御信号を生
成して、プーリ比変更手段53に出力する。
【0062】その結果、燃焼状態が定常状態になったデ
ィーゼルエンジン1から排気導入口25を経て、セル2
2内に導入された排気により生成された圧力波が、セル
22の吸気通路側の開口部に達したときに、開口部が十
分に吸気吐出口24と連通しており、圧力波によって加
圧された新気が、吸気吐出口24を経て、上流吸気通路
6内に吐出され、十分な圧力波過給がなされ、所望の出
力を得ることが可能になる。
【0063】本実施例によれば、完爆前においては、プ
ーリ比が、変速ベルト装置40により、小さくなるよう
に制御され、その結果、ロータ22のセルの吸気通路側
の開口部が、吸気導入口23と連通して、新気が、セル
22内に導入されてから、セル22の排気通路側の開口
部が、排気導入口25に開口して、高温の排気が、セル
22内に導入され、セル22の吸気通路側の開口部が、
吸気吐出口24と連通するまでの時間が、新気が、セル
22内に深く浸入するのに十分な時間となるとともに、
新気が、高温の排気と接触し、排気およびこれにより生
成された圧力波により、セル22の吸気通路側の開口部
から、吸気吐出口24を経て、下流吸気通路7内に押し
出されるまでの時間が十分長くなって、高温の排気から
熱が伝達されて、新気の温度が上昇し、吸気温度が所望
のように高くなって、着火性が向上するとともに、排気
により生成された圧力波が、吸気通路側の開口部に達し
たときに、開口部がまだその一部しか吸気吐出口24と
連通してはいないように、基本プーリ比が補正され、プ
ーリ比が制御されるから、完爆までの時間を、大幅に短
縮することが可能になり、また、完爆後は、変速ベルト
装置40により、ディーゼルエンジン1の回転がロータ
21の回転軸27に伝達されず、定常燃焼状態になり、
十分にその圧力が大きくなったディーゼルエンジン1か
らの排気により、ロータ21の回転軸27が回転される
から、十分な圧力波過給がなされ、所望の出力を得るこ
とが可能になるとともに、変速ベルト装置40の耐久性
を向上させることが可能になる。
【0064】図8は、本発明の他の実施例に係る圧力波
過給機を備えたディーゼルエンジン1の制御系50によ
って実行されるプーリ比制御の他の実施例を示すフロー
チャートである。図8において、まず、エンジン冷却水
温度センサ52の検出したエンジン冷却水温度検出信号
が、コントロールユニット50に入力される。
【0065】コントロールユニット50は、入力された
エンジン冷却水温度検出信号に基づき、冷間時かつ始動
前か否かを判定する。その結果、冷間時かつ始動前であ
ると判定したときは、コントロールユニット50は、ロ
ータ22のセルの吸気通路側の開口部が、吸気導入口2
3と連通して、新気が、セル22内に導入されてから、
セル22の排気通路側の開口部が、排気導入口25に開
口して、高温の排気が、セル22内に導入され、セル2
2の吸気通路側の開口部が、吸気吐出口24と連通する
までの時間が、新気が、セル22内に深く浸入するのに
十分な時間となるとともに、新気が、高温の排気と接触
し、排気およびこれにより生成された圧力波により、セ
ル22の吸気通路側の開口部から、吸気吐出口24を経
て、下流吸気通路7内に押し出されるまでの時間が十分
長くなって、高温の排気から熱が伝達されて、新気の温
度が上昇し、吸気温度が所望のように高くなり、かつ、
排気により生成された圧力波が、吸気通路側の開口部に
達したときに、開口部がまだその一部しか吸気吐出口2
4と連通してはおらず、音速で伝播する圧力波より低い
速度で伝播する排気が、セル22の吸気通路側の開口部
に達したときにはじめて、セル22の吸気通路側の開口
部が十分に、吸気吐出口24と連通しているように、プ
ーリ比制御信号を生成し、プーリ比変更手段53に出力
する。
【0066】プーリ比変更手段53は、コントロールユ
ニット50から入力されたプーリ比制御信号に基づき、
油圧調整バルブ87、88の開度を制御して、ムーバブ
ルドライブフェース64を、ディーゼルエンジン1の出
力軸13に沿って、摺動させて、ドライブフェース63
との距離を変化させるとともに、ムーバブルドライブフ
ェース66を、ロータ21の回転軸27に沿って、摺動
させて、ドライブフェース65との距離を変化させるこ
とにより、プーリ比が小さくなるように変更する。
【0067】その結果、ロータ22のセルの吸気通路側
の開口部が、吸気導入口23と連通して、新気がセル2
2内に導入されてから、セル22の排気通路側の開口部
が、排気導入口25に開口して、高温の排気が、セル2
2内に導入され、セル22の吸気通路側の開口部が、吸
気吐出口24と連通するまでに、新気が、セル22内に
深く浸入して、高温の排気と接触し、排気およびこれに
より生成された圧力波により、セル22の吸気通路側の
開口部から、吸気吐出口24を経て、下流吸気通路7内
に押し出されるまでの時間が十分長くなって、高温の排
気から熱が伝達されて、新気の温度が上昇し、吸気温度
が所望のように高められるとともに、排気により生成さ
れた圧力波が、吸気通路側の開口部に達したときには、
開口部がまだその一部しか吸気吐出口24と連通しては
おらず、排気が、セル22の吸気通路側の開口部に達し
たときにはじめて、セル22の吸気通路側の開口部が十
分に、吸気吐出口24と連通し、排気の一部が、下流吸
気通路7内に供給され、排気還流作用が生ずる。
【0068】こうして、エンジン冷却水温度センサ52
から入力されたエンジン冷却水温度検出信号に基づき、
冷間時かつ始動前と判定されているかぎり、コントロー
ルユニット50は、電磁石69、72をオン状態に保持
するとともに、上述のようにして生成したプーリ比制御
信号を、プーリ比変更手段53に出力し、プーリ比変更
手段53は、このプーリ比制御信号に基づいて、上述の
ように、油圧調整バルブ87、88の開度を制御する。
【0069】このように、冷間時かつ始動前において
は、ロータ22のセルの吸気通路側の開口部が、吸気導
入口23と連通して、新気が、セル22内に導入されて
から、セル22の排気通路側の開口部が、排気導入口2
5に開口して、高温の排気が、セル22内に導入され、
セル22の吸気通路側の開口部が、吸気吐出口24と連
通するまでに、新気が、セル22内に深く浸入して、高
温の排気と接触し、排気およびこれにより生成された圧
力波により、セル22の吸気通路側の開口部から、吸気
吐出口24を経て、下流吸気通路7内に押し出されるま
での時間が十分長くなって、高温の排気から熱が伝達さ
れて、新気の温度が上昇し、吸気温度が所望のように高
められ、燃料を増量することなく、着火性を向上させる
ことが可能になるとともに、排気により生成された圧力
波が、吸気通路側の開口部に達したときには、開口部が
まだその一部しか吸気吐出口24と連通してはおらず、
圧力波よりは伝播速度の小さい排気が、セル22の吸気
通路側の開口部に達したときにはじめて、開口部が十分
に吸気吐出口24と連通するから、排気の一部が、下流
吸気通路7内に供給されて、排気還流作用が生じ、その
結果、排気ガス中の窒素酸化物の量が大幅に低減され
る。
【0070】そして、エンジン冷却水温度センサ52か
ら入力されたエンジン冷却水温度検出信号に基づき、始
動したと判定されたときは、プーリ比を小さくして、新
気の温度を上昇させ、また、排気還流をおこなう必要は
なく、かえって、圧力波の過給作用を高めることが、高
出力を得る上で、望ましい。また、始動後は、排気の圧
力は十分に大きくなっており、ディーゼルエンジン1の
燃焼状態も定常状態にあるから、変速ベルト装置40に
よることなく、排気の圧力により、ロータ21の回転軸
27を回転させ、所望のように、圧力波による過給を実
行することが可能であり、また、つねに、変速ベルト装
置40によって、ディーゼルエンジン1の出力軸13の
回転を、ロータ21の回転軸27に伝達して、ロータ2
1の回転軸27を回転させることは、変速ベルト装置4
0の耐久性を損なうことになるので、コントロールユニ
ット50は、電磁石69、72をオフして、ドライブプ
ーリ61とディーゼルエンジン1の出力軸13との連結
およびドリブンプーリ62とロータ21の回転軸27と
の連結を断って、排気の圧力のみにより、ロータ21の
回転軸27を回転させるべく、電磁石69、72にオフ
信号を出力するとともに、油圧調整バルブ87、88の
開度が一定に保持されるように、プーリ比制御信号を生
成して、プーリ比変更手段53に出力する。
【0071】その結果、燃焼状態が定常状態になったデ
ィーゼルエンジン1から排気導入口25を経て、セル2
2内に導入された排気により生成された圧力波が、セル
22の吸気通路側の開口部に達したときに、開口部が十
分に吸気吐出口24と連通しており、圧力波によって加
圧された新気が、吸気吐出口24を経て、上流吸気通路
6内に吐出され、十分な圧力波過給がなされ、所望の出
力を得ることが可能になる。
【0072】本実施例によれば、冷間時かつ始動前にお
いては、プーリ比が、変速ベルト装置40により、小さ
くなるように制御され、その結果、ロータ22のセルの
吸気通路側の開口部が、吸気導入口23と連通して、新
気が、セル22内に導入されてから、セル22の排気通
路側の開口部が、排気導入口25に開口して、高温の排
気が、セル22内に導入され、セル22の吸気通路側の
開口部が、吸気吐出口24と連通するまでに、新気が、
セル22内に深く浸入して、高温の排気と接触し、排気
およびこれにより生成された圧力波によって、セル22
の吸気通路側の開口部から、吸気吐出口24を経て、下
流吸気通路7内に押し出されるまでの時間が十分長くな
って、高温の排気から熱が伝達されて、新気の温度が上
昇し、吸気温度が所望のように高められ、燃料を増量す
ることなく、着火性を向上させることが可能になるとと
もに、排気により生成された圧力波が、吸気通路側の開
口部に達したときには、開口部がまだその一部しか吸気
吐出口24と連通してはおらず、圧力波よりは伝播速度
の小さい排気が、セル22の吸気通路側の開口部に達し
たときにはじめて、開口部が十分に吸気吐出口24と連
通するから、排気の一部が、下流吸気通路7内に供給さ
れて、排気還流作用が生じ、その結果、排気ガス中の窒
素酸化物の量を大幅に低減することが可能となり、ま
た、始動後においては、変速ベルト装置40により、デ
ィーゼルエンジン1の回転がロータ21の回転軸27に
伝達されず、定常燃焼状態になり、十分にその圧力が大
きくなったディーゼルエンジン1からの排気により、ロ
ータ21の回転軸27が回転されるから、十分な圧力波
による過給がなされ、所望の出力を得ることが可能にな
るとともに、変速ベルト装置40の耐久性を向上させる
ことが可能になる。
【0073】本発明は、以上の実施例に限定されること
なく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で、種
々の変更が可能であり、それらも、本発明の範囲内に包
含されるものであることは言うまでもない。たとえば、
前記実施例における変速ベルト装置40は、その一例に
すぎず、同様の機能を果たし得るものであれば、いかな
る構造の変速ベルト装置を使用することもでき、たとえ
ば、前記実施例においては、変速ベルト装置40のドラ
イブプーリ61およびドリブンプーリ62は、それぞ
れ、ディーゼルエンジン1の出力軸13に摺動可能に設
けられたムーバブルドライブフェース64およびロータ
21の回転軸27に摺動可能に設けられたムーバブルド
ライブフェース66を備えるとともに、ムーバブルドラ
イブフェース64およびムーバブルドライブフェース6
6を移動させるための油圧調整バルブ87、88が設け
られているが、ドライブプーリ61あるいはドリブンプ
ーリ62の一方が、ムーバブルドライブフェースを備
え、これに対応する油圧調整バルブのみを設けるように
してもよい。また、変速ベルト装置に代えて、チエーン
により、ディーゼルエンジン1の出力軸13の回転を、
変速可能に、ロータ21の回転軸27に伝達する変速チ
エーン装置を用いてもよく、本発明においては、ベルト
を用いようと、チエーンを用いようと、ディーゼルエン
ジン1の出力軸13の回転を、ロータ21の回転軸27
に、変速可能に伝達し得るものであれば、いかなる変速
伝達装置も使用することができる。
【0074】さらに、ロータ21の回転軸27の回転
を、電気モータによって、制御するようにすることもで
きる。また、本発明において、手段とは、必ずしも物理
的手段を意味するものではなく、各手段の機能が、ソフ
トウエアにより実現される場合も、本発明はこれを包含
し、また、1つの手段の機能が2以上の物理的手段によ
り実現される場合も、2以上の手段の機能が1つの物理
的手段により実現される場合も、本発明は包含する。
【0075】
【発明の効果】本発明によれば、完爆までの時間を十分
に低減させることができ、ディーゼルエンジンの運転状
態を速やかに定常化させることのできる圧力波過給機付
ディーゼルエンジンの制御装置を提供するとともに、冷
間始動時において、排気ガス中の窒素酸化物の量を増大
させることなく、着火性を向上させることのできる圧力
波過給機付ディーゼルエンジンの制御装置を提供するこ
とが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の実施例に係る圧力波過給機を
備えたディーゼルエンジンの概略図である。
【図2】図2は、圧力波過給機の略斜視図である。
【図3】図3は、変速ベルト装置およびプーリ比変更手
段の詳細を示す概略図である。
【図4】図4は、本発明の実施例に係る圧力波過給機を
備えたディーゼルエンジンの制御系および検出系のブロ
ックダイアグラムである。
【図5】図5は、本発明の実施例に係る圧力波過給機を
備えたディーゼルエンジンの制御系によって実行される
プーリ比制御の実施例を示すフローチャートである。
【図6】図6は、本発明の実施例に係る圧力波過給機を
備えたディーゼルエンジンの制御系によって実行される
プーリ比制御の他の実施例を示すフローチャートであ
る。
【図7】図7は、本発明の他の実施例に係る圧力波過給
機を備えたディーゼルエンジンの制御系によって実行さ
れるプーリ比制御の実施例を示すフローチャートであ
る。
【図8】図8は、本発明の他の実施例に係る圧力波過給
機を備えたディーゼルエンジンの制御系によって実行さ
れるプーリ比制御の他の実施例を示すフローチャートで
ある。
【符号の説明】
1 ディーゼルエンジン 2 シリンダ 3 吸気通路 4 排気通路 5 圧力波過給機 6 上流吸気通路 7 下流吸気通路 8 上流排気通路 9 下流排気通路 10 エアークリーナ 11 インタクーラ 12 排気サージタンク 13 エンジンの出力軸 20 圧力波過給機のケース 21 圧力波過給機のロータ 22 ロータのセル 23 吸気導入口 24 吸気吐出口 25 排気導入口 26 排気吐出口 27 ロータの回転軸 30 スターティングバルブ 31 吸気バイパス通路 32 排気バイパス通路 33 ウェストゲートバルブ 40 変速ベルト装置 50 コントロールユニット 53 プーリ比変更手段 61 ドライブプーリ 62 ドリブンプーリ 63 ドライブフェース 64 ムーバブルドライブフェース 65 ドライブフェース 66 ムーバブルドライブフェース 67 ドライブベルト 68 板ばね 69 電磁石 70 つば部 71 板ばね 72 電磁石 73 つば部 80 油圧室 81 油圧室 82 油路 83 油路 84 油圧供給手段 85 油圧伝達リング 86 油圧伝達リング 87 油圧調整バルブ 88 油圧調整バルブ
フロントページの続き (72)発明者 楪 泰浩 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケース内に回転可能に支持され、軸方向
    に導通した多数のセルが形成されたロータを備えた圧力
    波過給機を備えたディーゼルエンジンの制御装置におい
    て、スタータが作動状態にあるときは、オンで、作動状
    態にないときは、オフのスタータ信号を出力するスター
    タ作動状態検出手段と、該スタータ作動状態検出手段か
    ら入力されたスタータ信号がオンになってから、オフに
    なるまでの間、プーリ比が小さくなるように、前記ロー
    タの回転を制御するプーリ比制御手段とを備えたことを
    特徴とする圧力波過給機付ディーゼルエンジンの制御装
    置。
  2. 【請求項2】 前記プーリ比制御手段が、入力されたス
    タータ信号がオフになった後は、プーリ比が大きくなる
    ように、前記ロータの回転を制御するように構成された
    ことを特徴とする請求項1に記載の圧力波過給機付ディ
    ーゼルエンジンの制御装置。
  3. 【請求項3】 前記プーリ制御手段が、入力されたスタ
    ータ信号がオフになった後は、排気ガスの圧力により、
    前記ロータの回転を制御するように構成されたことを特
    徴とする請求項1に記載の圧力波過給機付ディーゼルエ
    ンジンの制御装置。
  4. 【請求項4】 前記プーリ比制御手段が、ディーゼルエ
    ンジンの運転状態にしたがってあらかじめ設定された基
    本プーリ比マップを備え、前記スタータ作動状態検出手
    段から入力されたスタータ信号がオンになってから、ス
    タータ信号がオフになるまでの間は、基本プーリ比に比
    して、プーリ比が小さくなるように、プーリ比を補正
    し、スタータ信号がオフになった後は、基本プーリ比に
    比して、プーリ比が大きくなるように、プーリ比を補正
    して、前記ロータの回転を制御するように構成されたこ
    とを特徴とする請求項1に記載の圧力波過給機付ディー
    ゼルエンジンの制御装置。
  5. 【請求項5】 エンジン冷却水温度を検出するエンジン
    冷却水温度検出手段と、該エンジン冷却水温度検出手段
    から入力されたエンジン冷却水温度検出信号に基づき、
    冷間始動時にあるか否かを判定し、冷間始動時にあると
    判定したときは、プーリ比が小さくなるように、前記ロ
    ータの回転を制御するプーリ比制御手段を備えたことを
    特徴とする圧力波過給機付ディーゼルエンジンの制御装
    置。
  6. 【請求項6】 前記プーリ比制御手段が、前記エンジン
    冷却水温度検出手段から入力されたエンジン冷却水温度
    検出信号に基づき、始動したと判定したときは、プーリ
    比が大きくなるように、前記ロータの回転を制御するよ
    うに構成されたことを特徴とする請求項5に記載の圧力
    波過給機付ディーゼルエンジンの制御装置。
  7. 【請求項7】 前記プーリ比制御手段が、前記エンジン
    冷却水温度検出手段から入力されたエンジン冷却水温度
    検出信号に基づき、始動したと判定したときは、排気ガ
    スの圧力により、前記ロータの回転を制御するように構
    成されたことを特徴とする請求項5に記載の圧力波過給
    機付ディーゼルエンジンの制御装置。
  8. 【請求項8】 前記プーリ比制御手段が、ディーゼルエ
    ンジンの運転状態にしたがってあらかじめ設定された基
    本プーリ比マップを備え、前記エンジン冷却水温度検出
    手段から入力されたエンジン冷却水温度検出信号に基づ
    き、冷間始動時であると判定したときは、基本プーリ比
    に比して、プーリ比が小さくなるように、プーリ比を補
    正し、前記エンジン冷却水温度検出手段から入力された
    エンジン冷却水温度検出信号に基づき、始動したと判定
    したときは、基本プーリ比に比して、プーリ比が大きく
    なるように、プーリ比を補正して、前記ロータの回転を
    制御するように構成されたことを特徴とする請求項5に
    記載の圧力波過給機付ディーゼルエンジンの制御装置。
JP214492A 1992-01-09 1992-01-09 圧力波過給機付ディーゼルエンジンの制御装置 Pending JPH05187245A (ja)

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JP (1) JPH05187245A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015094300A (ja) * 2013-11-13 2015-05-18 日産自動車株式会社 過給機付き内燃機関の故障診断装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015094300A (ja) * 2013-11-13 2015-05-18 日産自動車株式会社 過給機付き内燃機関の故障診断装置

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