JPH05185883A - 車両用警告表示装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 全体警告手段で、車両の異常箇所が同時期に
複数個発生したことを警告表示する。 【構成】 半ドア警告センサ８により自動車の異常箇所
が１個だけ検出された場合に、半ドア警告灯１９を点灯
し、マスターウォーニング表示部４を点灯して警告表示
する自動車用警告表示装置１において、油圧警告センサ
６によりエンジンオイルの油圧状態の異常とウォッシャ
ー液警告センサ９によりウォッシャー液の不足状態との
複数個の異常箇所が同時期に検出された場合に、油圧警
告灯１７とウォッシャー液警告灯２０とを同時に点灯す
るとともに、マスターウォーニング表示部４を所定の点
滅周期で点滅させて、マスターウォーニング表示部４で
自動車の異常箇所が同時期に複数個発生したことを警告
表示するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、車両の異常箇所が同時
期に複数個発生したことを警告可能な全体警告表示灯を
備えた車両用警告表示装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来より、ヘッド・アップ・ディスプレ
イ（ＨＵＤ）と呼ばれるメータ表示部を装着した車両に
は、運転席前方視界へスピード表示等を投影しているの
で、車両走行中に従来のメータ部を見る必要性が少なく
なり、車両の異常箇所を個別に警告表示する個別警告表
示灯に気付き難くなるため、ＨＵＤの表示内に全体警告
表示（マスターウォーニング）を入れた技術を採用して
いるものがある。また、メータ表示部より離れた場所に
個別警告表示灯を設けた車両は、車両走行中に前方視界
から個別警告表示灯を見る際の視線移動が大きくなり安
全運転に支障があるため、メータ表示部内にマスターウ
ォーニングを入れた技術を採用しているものもある。上
述のような技術を採用した車両を運転する場合には、マ
スターウォーニングの点灯により車両に異常箇所が検出
されたことを確認した上で、車両の異常箇所の内容を他
の場所に設けられた個別警告表示灯で確認するようにし
ている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところが、従来の技術
においては、異常箇所が検出されたことを警告する方法
がマスターウォーニングの常灯のみであった。したがっ
て、例えば、マスターウォーニングが点灯した際に個別
警告表示灯（ウォッシャ液不足警告灯）で異常箇所の内
容を確認したところウォッシャ液の不足であった場合に
運転者はそのまま車両を走行させる。その後にエンジン
内を潤滑するエンジンオイルの油圧に異常があるときに
個別警告表示灯（油圧警告表示灯）が新たに点灯して
も、マスターウォーニングの表示状態は変化しないの
で、運転者は油圧の異常に気付かず車両の走行を続けて
しまう。この結果、従来の技術においては、車両の異常
箇所が同時期に複数個発生した場合に運転者が緊急を要
する警告表示に気付かずに車両走行を続けてしまい、車
両故障等に到る可能性があった。本発明は、車両の異常
箇所が同時期に複数個発生したことを警告表示する車両
用警告表示装置の提供を目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明は、車両の異常箇
所を個別に検出する複数の検出手段と、これらの検出手
段のうち１つ以上の検出手段で前記車両の異常箇所を１
つ以上検出している際に、前記車両の異常箇所を個別に
警告表示する個別警告手段と、前記複数の検出手段のう
ち１つ以上の検出手段で前記車両の異常箇所を１つ以上
検出している際に、前記車両の異常箇所の個数に応じて
異なる表示状態で警告表示する１つの全体警告手段とを
備えた技術手段を採用した。

【０００５】

【作用】全体警告手段は、複数の検出手段のうち１つ以
上の検出手段で車両の異常箇所を１つ以上検出している
ときに車両の異常箇所の個数に応じて異なる表示状態で
警告表示するようにしている。このため、全体警告手段
の表示状態が変化したら他の異常が発生したと判断でき
るので、異常箇所の内容を個別警告手段で確認すること
によって、運転者が緊急を要する警告表示に気付かずに
車両走行を続けてしまうことがなくなる。

【０００６】

【実施例】本発明の車両用警告表示装置を図１ないし図
６に示す実施例に基づいて説明する。図１ないし図５は
本発明の第１実施例を適用したものを示し、図１は自動
車用警告表示装置を示したブロック図である。自動車用
警告表示装置１は、車両異常検出部２、詳細ウォーニン
グ表示部３、マスターウォーニング表示部４および警告
制御装置５を備えている。

【０００７】車両異常検出部２は、本発明の複数の検出
手段であって、自動車の異常箇所を個別に検出するもの
である。この実施例の車両異常検出部２は、エンジン内
部を潤滑するオイルの油圧状態の異常を検出する油圧警
告センサ６、バッテリーの充電状態の異常を検出する充
電警告センサ７、ドアが確実に閉められていないことを
検出する半ドア警告センサ８を備えている。また、車両
異常検出部２は、ウォッシャー液の不足状態を検出する
ウォッシャー液警告センサ９、燃料残量が異常に低下し
たことを検出する燃料残量警告センサ１０、エンジン冷
却水の温度の異常高温を検出する水温警告センサ１１、
ブレーキ液の不足状態を検出するブレーキ警告センサ１
２を備えている。さらに、車両異常検出部２は、排気系
に取り付けられた触媒装置の温度の異常高温を検出する
排気温警告センサ１３、エンジン電子制御装置の異常を
検出するエンジン警告センサ１４、ヘッドランプ、テー
ルランプおよびストップランプ等の電球切れや配線の異
常を検出する断線警告センサ１５等を備えている。

【０００８】詳細ウォーニング表示部３は、本発明の個
別警告手段であって、車室内の前面に設けられた、車速
計、エンジン回転計、燃料残量計および水温計等を表示
するメータ表示部１６の近傍に配され、自動車の異常箇
所を個別に警告表示するものである。この実施例の詳細
ウォーニング表示部３には、エンジンオイルの油圧に異
常があるときに点灯する油圧警告灯（ＯＩＬ）１７、エ
ンジン回転中にバッテリーの充電状態に異常があるとき
に点灯する充電警告灯（ＣＨＡＲＧＥ）１８、ドアが確
実に閉められていないときに点灯する半ドア警告灯（Ｄ
ＯＯＲ）１９が配されている。

【０００９】また、詳細ウォーニング表示部３には、ウ
ォッシャー液が少なくなったときに点灯するウォッシャ
ー液警告灯（ＷＡＳＨ）２０、燃料タンク内の燃料残量
が異常に低下したとき点灯する燃料残量警告灯（ＦＵＥ
Ｌ）２１、エンジン冷却水の温度が異常高温となったと
きに点灯する水温警告灯（水温）２２、ブレーキ液が不
足しているとき、あるいはパーキングブレーキをかけた
ときに点灯するブレーキ警告灯（ＢＲＡＫＥ）２３が配
されている。さらに、詳細ウォーニング表示部３には、
触媒装置の温度が異常に高くなると点灯する排気温警告
灯（排気温）２４、エンジン電子制御装置に異常がある
と点灯するエンジン警告灯（ＣＨＥＣＫ）２５、ヘッド
ランプ、テールランプおよびストップランプ等の電球切
れや配線の異常を検出すると点灯する断線警告灯（ＬＩ
ＧＨＴＳ）２６が配されている。

【００１０】マスターウォーニング表示部４は、本発明
の全体警告手段であって、図２ないし図４に示したよう
に、運転席前方視界へスピード表示等を投影するヘッド
・アップ・ディスプレイ（ＨＵＤ）とされたメータ表示
部２７に入れられ、詳細ウォーニング表示部３のうちい
ずれか１つが点灯したことを運転者に警告表示するもの
で、自動車の異常箇所の個数に応じて点滅周期が変わ
る。警告制御装置５は、エンジン回転中に車両異常検出
部２から入力した信号に基づいて、詳細ウォーニング表
示部３の点灯および消灯を制御するとともに、マスター
ウォーニング表示部４の点灯、消灯および点滅周期を制
御する。

【００１１】この自動車用警告表示装置１の作動を図１
ないし図５に基づいて簡単に説明する。ここで、図５は
警告制御装置５の制御の一例を示したフロチャートであ
る。運転者がキースイッチを投入すると、警告制御装置
５において車両異常検出部２より自動車の異常箇所を検
出しているか否かの判断が行われる（ステップＳ１）。
このステップＳ１において判断結果がＮｏの場合、すな
わち、車両異常検出部２より自動車の異常箇所を検出し
ていない場合には、詳細ウォーニング表示部３が全て消
灯され（ステップＳ２）、マスターウォーニング表示部
４が消灯される（ステップＳ３）。この後にステップＳ
１の制御が再び行われる。

【００１２】また、ステップＳ１において判断結果がＹ
ｅｓの場合、すなわち、車両異常検出部２より自動車の
異常箇所を検出している場合には、自動車の異常箇所が
２個以上か否かの判断が行われる（ステップＳ４）。す
なわち、警告制御装置５において車両異常検出部２より
自動車の異常を知らせる信号の入力数の判断が行われ
る。このステップＳ４において判断結果がＮｏの場合、
すなわち、警告制御装置５で車両異常検出部２より自動
車の異常を知らせる信号の入力数が１個だけの場合に
は、自動車の異常箇所に相当する詳細ウォーニング表示
部３が点灯され（ステップＳ５）、マスターウォーニン
グ表示部４が点灯される（ステップＳ６）。この後にス
テップＳ１の制御が再び行われる。

【００１３】例えば半ドア警告センサ８により自動車の
ドアが確実に閉められていないことが検出されている場
合には、メータ表示部１６の近傍に配された半ドア警告
灯１９が点灯され、且つメータ表示部２７のマスターウ
ォーニング表示部４が点灯される。このため、運転者
は、メータ表示部２７を見ているだけで自動車に１個だ
け異常箇所があることを確認することができ、その異常
内容に関して詳細ウォーニング表示部３の点灯箇所を見
ることによって自動車のドアが確実に閉められていない
ことを確認することができる。

【００１４】また、ステップＳ４において判断結果がＹ
ｅｓの場合、すなわち、警告制御装置５で車両異常検出
部２より自動車の異常を知らせる信号の入力数が増加し
た場合、あるいは自動車の異常を知らせる信号が同時期
に複数個入力した場合には、自動車の異常箇所の個数を
算出し（ステップＳ７）、自動車の異常箇所の個数に応
じた点滅周期を決定する（ステップＳ８）。そして、自
動車の異常箇所に相当する詳細ウォーニング表示部３が
全て点灯され（ステップＳ９）、マスターウォーニング
表示部４が決定された点滅周期で点滅する（ステップＳ
１０）。この後にステップＳ１の制御が再び行われる。

【００１５】例えば、始めにウォッシャー液警告センサ
９によりウォッシャー液の不足状態が検出されて、ウォ
ッシャー液警告灯２０が点灯しているときに、油圧警告
センサ６によりエンジンオイルの油圧状態に異常が検出
された場合には、メータ表示部１６の近傍に配されたウ
ォッシャー液警告灯２０と同様に油圧警告灯１７も点灯
される。そして、メータ表示部２７のマスターウォーニ
ング表示部４が自動車の異常箇所が２個存在するため、
所定の点滅周期で点滅する。このため、運転者は、メー
タ表示部２７を見ているだけで自動車の異常箇所が２個
発生していることを確認することができ、その異常内容
に関して詳細ウォーニング表示部３の点灯箇所を見るこ
とによってウォッシャー液が不足していることと、エン
ジンオイルの油圧状態に異常があることとの両方を確認
することができる。

【００１６】以上のように、この実施例の自動車用警告
表示装置１は、マスターウォーニング表示部４を見てい
るだけで同時期に発生している自動車の異常箇所の個数
を判断できるので、このとき異常箇所の内容を詳細ウォ
ーニング表示部３の点灯箇所を見ることによってその異
常箇所の詳細な内容を確認することができる。よって、
運転者が緊急を要する警告表示に気付かずに車両走行を
続けてしまうことがなくなり、エンジントラブル等の車
両故障に到ることを確実に防止できる。

【００１７】図６は本発明の第２実施例を適用した自動
車用警告表示装置を示した図である。この実施例では、
メータ表示部１６より離れた場所に詳細ウォーニング表
示部３を設け、さらにメータ表示部１６内にマスターウ
ォーニング表示部４を設けている。

【００１８】

【発明の効果】本発明は、車両の異常箇所が同時期に複
数個発生したことを警告することができるので、運転者
が緊急を要する警告表示に気付かずに車両走行を続けて
しまうことがなくなり、車両故障等に到ることを防止で
きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１実施例を適用したブロック図であ
る。

【図２】本発明の第１実施例を適用した概略図である。

【図３】本発明の第１実施例を適用した概略図である。

【図４】本発明の第１実施例を適用した概略図である。

【図５】本発明の第１実施例を適用したフローチャート
である。

【図６】本発明の第２実施例を適用した概略図である。

【符号の説明】

１ 自動車用警告表示装置 ２ 車両異常検出部（複数の検出部） ３ 詳細ウォーニング表示部（個別警告手段） ４ マスターウォーニング表示部（全体警告手段）

フロントページの続き (51)Int.Cl.⁵ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｇ０８Ｂ 23/00 Ｂ 9177−5Ｇ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 （ａ）車両の異常箇所を個別に検出する
   複数の検出手段と、 （ｂ）これらの検出手段のうち１つ以上の検出手段で前
   記車両の異常箇所を１つ以上検出している際に、前記車
   両の異常箇所を個別に警告表示する個別警告手段と、 （ｃ）前記複数の検出手段のうち１つ以上の検出手段で
   前記車両の異常箇所を１つ以上検出している際に、前記
   車両の異常箇所の個数に応じて異なる表示状態で警告表
   示する１つの全体警告手段とを備えた車両用警告表示装
   置。