JPH05184685A - 特に体内導管を局部的に支持又は補強するためのリング又は円筒 - Google Patents

特に体内導管を局部的に支持又は補強するためのリング又は円筒

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JPH05184685A
JPH05184685A JP4175616A JP17561692A JPH05184685A JP H05184685 A JPH05184685 A JP H05184685A JP 4175616 A JP4175616 A JP 4175616A JP 17561692 A JP17561692 A JP 17561692A JP H05184685 A JPH05184685 A JP H05184685A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 有害な温度上昇がなく、最終形状が厳密に調
整され得、体内導管に容易に順応するリング又は円筒を
提供する。 【構成】 体内導管、特に血管を局部的に支持又は補強
するための、拡張可能なリング (２,10,20,34)又は円筒
(66,80) （所謂「栓塞子」）である。この栓塞子は、カ
テーテル又はドッタ状の装置によってその栓塞子が導管
内の所望位置に運ばれる時に硬化する硬化性材料で満た
されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、望ましい位置に挿入さ
れた後にその拡張した形状を保持することが可能な拡張
可能な本体を有する、特に体内導管を局部的に支持又は
補強するための拡張可能なリング又は円筒に係わる。
【０００２】
【従来の技術】円筒形の形状を有し且つ一般的に「栓塞
子(stent) 」と呼ばれるそうした装置は、EP-A-0 428 4
79号から公知である。この特許文献は、約75℃の温度に
加熱される時に弾性的に変形させられることが可能であ
るような特性を有するプラスチックで作られた中空の本
体を使用することを提案する。この本体は、所望場所に
送り込まれる加熱可能なドッタバルーン(dotter balloo
n)の周囲に置かれ、その後でそのドッタバルーンが加熱
されて膨張させられ、その結果としてその本体のプラス
チック材料が軟化し、そのバルーンと共に拡張する。そ
の後で加熱が終了されその本体が冷えると、その本体が
その形状を保持すると期待されている。
【０００３】この公知装置は幾つかの欠点を有する。第
１の欠点は、その中空本体は固体状態では剛性であり、
その結果としてその本体がその中を通過しなければなら
ない体内導管に損傷を与える現実的な危険性があり、そ
の処置が患者に対して重大な被害をもたらす可能性があ
るということである。第２の欠点は、その中空本体がそ
れから作られることが可能な材料源が非常に限定されて
いるということである。そうした材料は加熱される時に
は軟化して冷却後には再び固くならなければならず、他
方はそれと同時に、体内に残存するが故に身体内環境に
適合したものでなければならない。当然の別の重大な欠
点は、その本体が、患者の体温よりも著しく高い温度に
加熱されなければならぬという点である。更に、使用さ
れるような剛性材料の性質自体が、その本体が拡張させ
られることが可能な度合いを限定する。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、これらの欠
点を取り除くことを目的とする。
【０００５】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、前記本
体が中空であり、且つ位置決めの後に硬化し従ってその
望ましい拡張した形状が保持されることを確実なものに
することが可能な硬化性プラスチック材料を前記本体が
含むことによって、本発明の目的が実現される。
【０００６】本発明による方策によって、栓塞子本体内
の硬化性材料の硬化の前にはその栓塞子本体が非常に柔
らかく且つ曲げやすいということが実現され、その結果
として、その栓塞子の挿入は公知の「ドッタ(dotter)」
治療に比べてあまり難しくはないだろうし、有害な温度
上昇もないだろう。最終形状が厳密に調整されることが
可能であり、その本体がその中に挿入される体内導管に
容易に順応する。従って本発明による装置は、公知装置
よりも遥に広範囲の用途に使用されることが可能であ
る。
【０００７】この中空の本体は、壊されることが可能な
少なくとも１つの仕切り壁によって互いに隔てられた、
少なくとも２つの隔室に分けられていることが好まし
く、これらの隔室の各々が第１の物質と第２の物質で別
々に満たされ、これらの物質の混合が、その生じさせら
れた混合物の硬化を結果的にもたらす反応を引き起こ
す。
【０００８】前記仕切り壁が、その本体要素の直径が拡
大される時にはその隔室間に通路が開けられるような形
状を有することが好ましい。
【０００９】その硬化材料が、その成分を混合してから
所定の一定時間後に硬化が始まる種類の硬化材料である
時には、所望位置に到達するために必要な時間が患者の
身体のスキャナ精密検査に基づいて前もって確かな推定
によって決定されることが可能であるが故に、前記仕切
り壁が、その治療が開始される以前に患者の身体の外部
で破壊されることが可能である。
【００１０】例えば未膨張のドッタ装置の周囲にその本
体が螺旋状に巻き付けられているが故に、その形状が、
そのドッタ装置が体内導管の中に挿入されている間は、
未膨張のドッタ状の装置の周囲にその本体を保持するこ
とを可能にするということが好ましい。その本体は、ド
ッタ状の装置が膨張させられる時には切れ得る糸によっ
て、そのドッタ状の装置に固定させられていることが可
能である。
【００１１】最後にその硬化性材料は、例えばUV光のよ
うな適切な波長の放射の作用を受けて硬化が開始又は促
進される種類の材料であってよい。この放射は、外部の
光源から光伝導ファイバを介して、その硬化性材料に伝
送されることが可能である。
【００１２】
【実施例】本発明は添付図面を参照して説明される。
【００１３】図１で照合番号２は、本発明による拡張可
能な支持リングを示す。この支持リング２は、仕切り壁
6a〜6pによって幾つかの隔室8a〜8pに区分された閉じた
管状要素４を有する。これらの隔室の各々は、互いに異
なる２つの化学物質のどちらか一方で満たされ、この２
つの化学物質は、混合時にその結果として得られる混合
物の硬化を引き起こす反応を受ける。十字(+) の印が付
けられた隔室は第１の物質で満たされ、他方の点 (。)
の印が付けられた隔室は第２の物質で満たされる。例え
ばその第１の物質が、適切なアミン硬化剤と組み合わさ
れた例えばShell 社のEPIKOTE(R)のようなエポキシ樹脂
である、エポキシ樹脂硬化系を使用することが可能であ
る。これらの物質の間で生じる反応は、既に体温におい
て、その結果として得られる混合物の硬化を数分以内に
完了させる。従ってその取り付けが迅速に行われること
が可能であり、患者が受ける不快さが可能な限り軽微で
ある。別の適切な組合せは、第１の物質としての不飽和
ポリエステルと、第２の物質としての過酸化ベンゾイル
触媒である。第１の物質としてのジイソシアン酸塩化合
物と第２の物質としての水又は含水溶媒も使用可能であ
る。焼きせっこうの成分部分（石灰と水）の使用も考え
られる。他の適切な組合せに関しては、VanNostrand Re
inhold Company Inc.によって1982年に出版されたGeorg
e Lubin著「Handbook of Composites」を参照された
い。
【００１４】図２に斜視図の形で示されるそうしたリン
グの直径が適切な方法で内側から拡大される時には、こ
のことは図３に示される状態を生じさせる。この状態で
は個々の仕切り壁6a〜6pの全てが完全に壊され終わって
おり、従って隔室8a〜8p内に含まれる物質が互いに混合
され、その結果としてそれに続いて生じる硬化反応が、
得られた形状を恒久的に保持する非変形な固体リングを
もたらす。
【００１５】図４は本発明による第２の実施例の縦断面
図である。この実施例は、図５では斜視図で示され、図
６では拡張された状態で示されている。リング10は、中
心軸線11に平行に延びる円形仕切り壁12によって２つの
同中心の外側と内側の隔室14、16に区分され、隔室14は
第１の物質で満たされ、隔室16は第２の物質で満たされ
ている。図６は、リング10の拡張時に仕切り壁12が壊さ
れ、その２つの物質がリングの周囲全体にわたって迅速
に互いに混合した状態を示している。
【００１６】図７は、中心軸線22に対して直角に一周し
て延びる仕切り壁24によってリング20が２つの隔室26、
28に区分されている実施例を横断面図で示す。その全体
は、上記で説明された状態に一致する仕方で働く。
【００１７】図８は、本発明によるリングが使用される
ことが可能な方法を示す。この図は、局部狭窄部32を有
する血管30を長手断面で示す。リング34が適切な器具に
よってこの箇所に取り付けられ、例えば所謂「ドッタ」
治療の場合に使用されるタイプのような膨張可能なバル
ーン38が、リング34の中空空間36の中に挿入される。図
９に例示されるようにこのバルーン38が膨張させられ、
その結果としてリング34が拡張し、このようにして狭窄
部32を広げ除く。そのリング内の仕切り壁が壊されてか
ら数分以内に、そのリングの隔室内に存在する各々の物
質の間の化学反応が完了し、リング34は図10に示される
形状を恒久的に形成し終えている。次にバルーン38が引
き抜かれ、血管32の狭窄部が永久的に治療されたことに
なる。
【００１８】図11は、スリーブの形状の型の拡張可能な
要素40を示す。この要素は外壁42と、内壁44と、端部壁
46及び48と、全てのものを２つの外と内の隔室52、54に
区分する仕切り壁50とを有する。血管又は器官が、そう
した拡張可能な要素を用いて、より長い距離にわたって
支持されることが可能である。
【００１９】図12a は、体内導管60、特に血管が、体液
の流れに著しく影響する幾つかの狭窄部64を箇所62a か
ら箇所62b にわたり有する状態を示す。身体のスキャナ
精密検査によって、箇所62a と箇所62b との間の距離が
測定され、その後で、前記距離を含むような長さを有す
る本発明による装置が選択される。更にその体内導管の
自由直径d も測定される。その栓塞子が所定の位置に送
り込まれてドッタバルーンが膨張させられる時に、その
成分の硬化後に非狭窄部分と栓塞子との間に滑らかな移
行が得られるようにその栓塞子が体内導管内に押し広が
るように、その栓塞子の直径が選択される。
【００２０】図12b は、ドッタ装置66と、そのドッタ装
置の周りに位置し且つ外科用縫合糸68によってドッタ装
置に固着させられた本発明による栓塞子66を示す。栓塞
子66は、仕切り壁72によって隔てられた２つの隔室70a
、70b に区分されている。この仕切り壁は、ドッタ状
の装置が体内導管内に挿入される前に壊されることが可
能であり、又はドッタ装置66が膨張させられた時に壊れ
る種類のものであることが可能である。このドッタ状装
置の拡張は、図12c に示される状態を結果的に生じさせ
る。栓塞子66は、非狭窄部分の壁と栓塞子66の内径との
間に滑らかな移行が得られるような度合いに、導管60の
壁に押し付けられている。
【００２１】栓塞子66内の成分材料の硬化の後には、そ
のドッタ装置が引き出され、栓塞子66が図12d に示され
るように体内導管60内に残留する。
【００２２】最後に図13は、１つの隔室82だけしか持た
ない本発明による栓塞子80の使用を示す。この隔室82
は、適切な波長の放射（特にUV光）で照射された時にそ
の硬化が始まる材料の混合物で満たされている。上記で
説明されたように、この栓塞子は外科用縫合糸68でドッ
タ状装置66に固着させられる。ドッタ状装置66と共に、
その一方の端部に小さなレンズ86を有する光伝導グラス
ファイバ84が体内に挿入される。その全体が望ましい位
置に到達すると、ファイバの他方の端部88が、概略的に
示された集束系92を介して、適切な光源90から供給され
る紫外線で照射される。このようにして、多量のUVエネ
ルギがその望ましい位置に伝送されることが可能であ
り、その結果としてその硬化性材料の迅速な硬化を生じ
させる。
【００２３】本発明の範囲内で多数の変形例が可能であ
ることは明らかである。例えば、各々の隔室を２つより
も多くの異なった物質で満たすことが考えられ、他方、
形状と大きさと断面形状に関する数多くの変形例も可能
である。
【００２４】当然のことながら、上記医療用途以外の応
用も可能である。
【図面の簡単な説明】
【図１】拡張していない状態における本発明の第１の実
施例の縦断面図である。
【図２】第１の実施例の斜視図である。
【図３】拡張した状態における第１の実施例の縦断面図
である。
【図４】拡張していない状態における本発明の第２の実
施例の縦断面図である。
【図５】第２の実施例の斜視図である。
【図６】拡張した状態における第２の実施例の縦断面図
である。
【図７】本発明による第３の実施例の横断面図である。
【図８】拡張前の状態における本発明による拡張可能な
リングを収容した血管の一部分の縦断面図である。
【図９】拡張されたリングを伴い且つ膨張可能なバルー
ンが依然として存在する、図３による縦断面図である。
【図１０】最終的な血管形状の縦断面図である。
【図１１】本発明によるスリーブ形の装置の略図であ
る。
【図１２ａ】長い狭窄部を有する血管の治療の、第１の
段階を示す縦断面図である。
【図１２ｂ】長い狭窄部を有する血管の治療の、第２の
段階を示す縦断面図である。
【図１２ｃ】長い狭窄部を有する血管の治療の、第３の
段階を示す縦断面図である。
【図１２ｄ】長い狭窄部を有する血管の治療の、第４の
段階を示す縦断面図である。
【図１３】本発明による別の実施例を示す説明図であ
る。
【符号の説明】
２、10、20、34 拡張可能な支持リング ４ 管状要素 6a〜6p、12、24、50、72 仕切り壁 8a〜8p、14、16、26、28、52、54、70a 、70b 、82 隔
室 11、22 中心軸線 30 血管 32、64 局部狭窄部 36 中空空間 38 膨張可能なバルーン 40 スリーブ型形状の要素 60 体内導管 66、80 栓塞子 68 外科用縫合糸 84 光伝導グラスファイバ 86 レンズ 90 光源 92 集束系

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 所望位置に位置決めされた後にその望ま
    しい形状を保持することが可能な本体を有する、特に体
    内導管を局部的に支持又は補強するためのリング又は円
    筒であって、前記本体が中空であり、且つ位置決めの後
    に硬化することが可能な硬化性材料を含み、それによっ
    て前記望ましい形状が維持されることを確実なものにす
    るリング又は円筒。
  2. 【請求項２】 前記中空の本体が、壊されることが可能
    な少なくとも１つの仕切り壁によって互いから分離され
    た少なくとも２つの隔室に区分されており、前記隔室の
    各々が第１の物質と第２の物質によって別々に満たさ
    れ、前記物質の混合が、その生じさせられた混合物の硬
    化を結果的に引き起こす反応をもたらす請求項１に記載
    のリング又は円筒。
  3. 【請求項３】 前記仕切り壁が、そのリング又は円筒要
    素の直径が拡大させられる時に前記隔室の間に流路が開
    けられることを特徴とする請求項２に記載のリング又は
    円筒。
  4. 【請求項４】 前記仕切り壁が前記リング又は円筒の中
    心軸線に対して直角に位置する請求項３に記載のリング
    又は円筒。
  5. 【請求項５】 前記隔室の間に連絡が生じさせられる時
    に実質的にその円周全体にわたって前記反応が同時に始
    まるように、その円周に沿って分布させられ且つ第１の
    物質と第２の物質で交互に満たされた複数の隔室を有す
    る請求項１に記載のリング又は円筒。
  6. 【請求項６】 前記硬化性材料が、その成分の混合から
    予決の一定時間後に硬化が始まる種類の材料である請求
    項２に記載のリング又は円筒。
  7. 【請求項７】 前記中空本体が所望場所に位置決めされ
    終わった時に前記中空本体内に前記硬化性材料を送り込
    むための手段を有する請求項１に記載のリング又は円
    筒。
  8. 【請求項８】 未膨張のドッタ状の装置を体内導管の中
    に挿入する間、前記未膨張のドッタ状の装置の周りに前
    記リング又は円筒を保持することを可能にする形状を有
    する請求項１に記載のリング又は円筒。
  9. 【請求項９】 前記中空本体が、前記未膨張のドッタ状
    の装置の周りに螺旋状に巻き付けられている請求項６に
    記載のリング又は円筒。
  10. 【請求項１０】 前記ドッタ状の装置が膨張させられる
    時に切れる糸によって、前記中空本体が前記ドッタ状の
    装置に固着させられている請求項６に記載のリング又は
    円筒。
  11. 【請求項１１】 前記硬化性材料が、適切な波長の放射
    の作用によってその硬化が開始又は促進される種類の材
    料である請求項１に記載のリング又は円筒。
  12. 【請求項１２】 前記放射がUV光である請求項11に記載
    のリング又は円筒。
  13. 【請求項１３】 外部の光源から前記放射を前記硬化性
    材料に伝送するための光伝導ファイバを有する請求項11
    に記載のリング又は円筒。
JP4175616A 1991-07-03 1992-07-02 局部的支持又は補強器具 Expired - Lifetime JP2568349B2 (ja)

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NL9101159 1991-07-03

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EP (1) EP0521573B1 (ja)
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CA (1) CA2072336C (ja)
DE (1) DE69202308T2 (ja)
DK (1) DK0521573T3 (ja)
ES (1) ES2072086T3 (ja)
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