JPH0518330Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は小型・中型の物品を多数格納する立体
倉庫、格納棚、あるいは配送センター等におい
て、小中の物品を種々の高さの棚又はコンベヤ・
シユート等の物品排出部から連続して下方に移動
させることができる物品搬出用スパイラルシユー
トに関する。

（従来の技術） 従来、立体倉庫、格納棚・配送センター等にお
いて、物品を上方から下方に搬出するためにはス
タツカークレーン、バケツトコンベヤ、垂直・傾
斜コンベヤ等のように搬送駆動源と搬送又は把持
するメカニズムを持つたものが広く使用されてい
る。又、スパイラルシユートを物品の搬出用とし
て使用したものとして、特公昭42−18787号公報
開示のスパイラルシユートがある。

（考案が解決しようとする問題点） これらの搬送装置では、特別に駆動源が必要な
上、物品を移動させるための可動部分、可動メカ
ニズムを必要とし複雑で高価となるばかりでな
く、その制御も高度なものが要求されるという問
題点があつた。又、特公昭42−18787号公報のス
パイラルシユートは、内周縁には垂直の落下防止
板が設けられている。そのため、物品が滑つて落
下防止板に当つて損傷するという問題点があつ
た。

（問題点を解決するための手段） 本考案は従来のかかる問題点を解決し、特別な
駆動源及び可動メカニズムを不要とし、きわめて
安価に製作でき、しかも狭い敷地占有面積で各段
の棚間口・各排出部から同時かつ連続的で円滑な
搬出を可能とし、しかも損傷少なく搬出できると
いうという実用的な物品搬出用スパイラルシユー
トを提供せんとするものである。

この考案の要旨は、立体倉庫の多段の棚の棚間
口又は多段に設けた物品移送用コンベヤあるいは
シユートの物品排出部に近接して、少なくとも一
部の外側面を開放した滑り面をスパイラル状に形
成するとともに、同スパイラル状滑り面を中心に
従つて低くなるように傾け且つその中心部を開口
し、棚間口又は物品排出部から投入される物品を
滑り面で受けて滑つて旋回させながら降下させそ
の下方から吐出することを特徴とする物品搬出用
スパイラルシユートにある。

（作用） この考案の物品搬出用スパイラルシユートは立
体倉庫等の搬出側棚間口、又は物品を搬送するコ
ンベヤの終端、配送センターの配送シユートの終
端あるいはそれらの中間の物品排出部に対置する
近接した位置に配置される。

このスパイラルシユートは建物床面に固定して
もよいし、台車等の移動部材、運搬機に搭載し移
動可能にしてもかまわない。

これらの棚間口、コンベヤ・シユートの終端に
ある物品はスパイラルの滑り面間の開放された外
側面の空間から投入され、物品は滑り面上に落下
し、その自重によつて滑り面を滑つて下方へ旋回
しながら落下し、下方の吐出口から排出されるも
のである。ここで旋回の軌跡はその回転による遠
心力と自重の中心方向への分力が平衡して、滑り
面の略中央に沿つて螺旋状に動く。従つて本考案
では、何ら特別の駆動源、搬出メカニズムを必要
としていず、極めて簡単な構造となつている。

しかも本考案では滑り面の中心部は開口してい
るため物品が中心部に寄つて旋回しても中心側が
開放されていて他の部材と接衝することがなく円
滑に滑つて旋回できる。更に中心部に寄ればその
開口から落下し、下方の滑り面によつて捕捉され
旋回降下を続行するものである。

（実施例） 以下、実施例を図面に基づいて説明する。

第１実施例（第１〜３図参照） 第１〜３図に示す第１実施例は、水平コンベヤ
１０を多段・多列に配置して棚を構成した立体倉
庫Ａにおいて、その棚間口（水平コンベヤ１０の
終端）に沿つて台車Ｂを走行させ、同台車に本考
案のスパイラルシユートＣを搭載し、右の棚間口
からバラ商品（包装されてない商品）を必要品
目、必要個数スパイラルシユートＣに投入し、そ
の下方から台車Ｂに並設されたコンベヤＤ上に商
品を吐出するようにした搬出装置に使用した例で
ある。

本実施例のスパイラルシユートＣは立体倉庫Ａ
の棚間口１に対向する側を開口２した側壁板３で
滑り面４を囲うとともに滑り面４を支持してい
る。又滑り面４はFRP製で一体成形されている。

図中５はスパイラルシユートＣの上部走行車
輪、６は立体倉庫Ａの上方に配設したレール、７
はスパイラルシユートＣの吐出口、８は台車Ｂの
車輪、９は立体倉庫Ａの床面に敷設したレール、
１１は水平コンベヤ１０の終端に設けた伸縮自在
の投入シユート、１２は同シユートの可動部分を
進退させるシリンダーである。

この実施例では、商品Ｇは水平コンベヤ１０上
に載置された状態で格納され、出庫命令がでると
水平コンベヤ１０が作動し、必要個数その終端か
ら側壁板３の開口２を介してスパイラルシユート
Ｃの滑り面４上に落とされ、滑り面４に沿つて旋
回しながら降下してその吐出口７から吐出され、
コンベヤＤ上に移載され搬出されるものである。
滑り面４はその外周のかなりの部分が側壁板３で
もつて囲まれているため物品Ｇが滑り面４から飛
び出すことがかなり防止できるものである。

又スパイラルシユートＣは台車Ｂに搭載されて
いるので多列・多段の棚から物品を搬出できる。

第２実施例（第４，５，６図参照） 第４，５，６図に示す第２実施例は、スパイラ
ルシユートＣは複数のポール２０によつて滑り面
４を支持し、しかも滑り面４はポール２０に取付
けられた螺旋状外周縁部材２１と内周縁部材２２
とその間に張架したシート材２３とからなつてい
る。

そして本実施例のスパイラルシユートＣは床面
に固定されスパイラルシユートＣの吐出口１２位
置に第１実施例同様のコンベヤＤが設けられてい
る。

この実施例では滑り面４は外周縁部材２１と、
内周縁部材２２とシート材２３とからなつていて
滑り面が安価に製作でき、しかも小型の格納棚又
は配送センター等の一定の物品排出部に固定され
る場合に使い易い実施例である。他は第１実施例
と同様である。

（考案の効果） 以上の様に本考案によれば、自重を使つて滑ら
せて落下させるシユートであるので特別な駆動
源、搬送機構は不要で安価に製作できるばかりで
なく、物品を連続的に搬出できる。又スパイラル
シユートの中心部は開口されているので物品が中
心部に寄つても他の部材に接衝することなく円滑
に滑つて降下できるものとなつている。しかもシ
ユートは螺旋状であるので占有空間を少なくでき
るという効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の第１実施例を示す一部切欠正
面図、第２図は同平面図、第３図は滑り面を示す
説明図、第４図は第２実施例を示す正面図、第５
図は同平面図、第６図は滑り面を示す部分拡大断
面図である。 Ａ……立体倉庫、Ｂ……台車、Ｃ……スパイラ
ルシユート、Ｄ……コンベヤ、１……棚間口、２
……開口、３……側壁板、４……滑り面、５……
上部走行車輪、６……レール、７……吐出口、８
……車輪、９……レール、１０……水平コンベ
ヤ、１１……投入シユート、１２……シリンダ
ー、２０……ポール、２２……外周縁部材、２２
……内周縁部材、２３……シート材。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １） 立体倉庫の多段の棚の棚間口又は多段に設
   けた物品移送用コンベヤあるいはシユートの物
   品排出部に近接して、少なくとも一部の外側面
   を開放した滑り面をスパイラル状に形成すると
   ともに、同スパイラル状滑り面を中心に従つて
   低くなるように傾け且つ滑り面内周縁をスパイ
   ラル中心から離れた位置で開放してスパイラル
   の中心部を開口状態とし、棚間口又は物品排出
   部から投入される物品を滑り面で受けて滑つて
   旋回させながら降下させその下方から吐出する
   ことを特徴とする物品搬出用スパイラルシユー
   ト。 ２） 滑り面が薄い硬質プラスチツクの一体成形
   により製作された実用新案登録請求の範囲第１
   項記載の物品搬出用スパイラルシユート。 ３） 滑り面が金属製の強度のある螺旋状外周縁
   部材と内周縁部材とその両者間に張架された可
   撓性シート材とから構成された実用新案登録請
   求の範囲第１項記載の物品搬出用スパイラルシ
   ユート。