JPH05182253A - 光情報記録媒体の製造方法 - Google Patents

光情報記録媒体の製造方法

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JPH05182253A
JPH05182253A JP36036191A JP36036191A JPH05182253A JP H05182253 A JPH05182253 A JP H05182253A JP 36036191 A JP36036191 A JP 36036191A JP 36036191 A JP36036191 A JP 36036191A JP H05182253 A JPH05182253 A JP H05182253A
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peripheral spacer
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JP36036191A
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Norihisa Takahashi
典久 高橋
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Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 製造の際の雰囲気の酸素濃度、接着剤塗布条
件において硬化反応に不利な状況にある、通気性を持つ
エアーサンドイッチ型光情報記録媒体の片面の硬化性を
高めることが可能な光情報記録媒体の製造方法を提供す
る。 【構成】 2枚のディスク状基板のうち少なくとも1枚
の片面に有機色素膜よりなる記録層を有する一対の基板
を、同心的に配置させた内周スペーサおよび外周スペー
サを介して記録層が内側になるように紫外線硬化型接着
剤で貼り合わせるとき、内周スペーサの片面に接着剤を
塗布しない部分を作り通気部となし、その通気部を通じ
て2枚のディスク状基板の間に形成される空間を外部と
連通させる。この貼り合わせの際、内周スペーサ側の接
着剤の単位当たりの付着量または半径方向の塗布位置を
通気部を形成する面ともう一方の面で変える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光情報記録媒体の製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】片面に
有機色素膜を記録層として設けた一対のディスク基板
を、記録層を内側にして、同心的に配置させた内周スペ
ーサおよび外周スペーサを介して貼り合わせ、両基板間
に空間を設けたエアーサンドイッチ型の光情報記録媒体
が知られている。このようなタイプの光情報記録媒体を
紫外線硬化型接着剤を用いて製造する場合、接着剤の硬
化が完全に行なわれないと接着剤に含まれる未反応の低
分子量成分が記録層を劣化させやすいという問題があ
る。
【0003】接着剤の硬化反応を妨害する因子として、
雰囲気中の酸素が挙げられる。そこで雰囲気中の酸素の
影響を防止するために、従来は図1に示すような方法が
採られていた。すなわち、図1の(A)に示すようにテ
ーブル1上に内周スペーサ2と外周スペーサ3を同心的
に配置し、これらの上面に適量の紫外線硬化型接着剤
(図示せず)を塗布してからディスク基板4をその上に
置き、石英板5を介してUVランプ6で接着剤を硬化さ
せるのであるが、その接着の際、窒素ガスを接着剤表面
に吹き付けることにより酸素パージを行ない、接着剤の
硬化が完全に行なわれるようにするものである。ところ
が、この方法は、もう一方の面の接着の際には構造的な
問題から適用することができず、硬化性の良い面と劣る
面ができてしまうという問題があった。そこで、両面と
も硬化性を高めるためには、もう一方の面の接着を図1
(B)に示すような方法で行なっていた。すなわち、テ
ーブル7上にスペーサを接着した基板8を載置し、パー
ジボックス9内にて窒素ガスを導入して酸素をパージし
た状態で、接着剤10をスペーサ上に塗布し、基板吸着
治具12で吸着されたもう一方のディスク基板11をそ
の上に重ねてからUVランプ13で接着剤10を硬化さ
せていた。しかしながら、基板の面によって異なった接
着方法を採ることは生産性の面で難点があった。
【0004】また、紫外線硬化型接着剤に溶解した色素
も硬化反応を妨害する。図2に色素の硬化状態に与える
影響を示す。図中実線は窒素ガスを吹き付けながらUV
露光した面における硬化状態のデータ、破線は窒素ガス
でパージした後重ねてUV露光した面における硬化状態
のデータである。このように大量の色素を溶解した接着
剤はその硬化反応性が大幅に低下してしまう。
【0005】一方、エアーサンドイッチ型光ディスクに
通気性を付与するため、内周スペーサの片面の一部に接
着剤を塗布しない部分を作り、その部分を通じて2枚の
ディスク基板の間に形成される空間を外部と連通する場
合、その面に塗布される接着剤の量と半径方向の塗布位
置はその通気孔を安定に作るため厳しい制約があり、そ
の面の接着剤塗布条件は必ずしも硬化性の良い条件を選
べないという問題があった。図3(A)は通気孔が形成
される側のスペーサの表面に塗布された接着剤(実線)
と、その上に基板が重ねられて押し広げられた接着剤
(破線)の様子を断面図及び平面図で示したものであ
る。この時、押し広げられた接着剤が図のように確実に
通気部を形成するためには、接着剤の単位面積当たりの
塗布量は少なく、かつ半径方向の塗布位置はスペーサの
幅方向の中央部にしなければならない。このため、同じ
装置、同じ条件で塗布されるもう一方の面の塗布状態は
図3(B)のようになり、硬化性の面から見て有利な図
3(C)のように塗布量を多くできない。従って、従
来、通気孔は前述の硬化性の良い面に形成してその単位
面積当たりの接着剤塗布量の少なさに起因する不都合を
補うようにしてきたが、製造装置としてはその反対面も
同じ条件で接着剤を塗布するためこの面は硬化性におい
て不利な条件となっていた。
【0006】更に、インジェクション成形によって作ら
れかつ記録領域が設けられたポリカーボネート基板にハ
ブを接着して光情報記録媒体を製造することが広く行な
われている。ハブをポリカーボネート基板に接着するに
は、従来、熱硬化型接着剤或いは紫外線硬化型接着剤に
よって同じ温度の基板とハブを接着していた。ところ
が、この方法でハブを取り付けたポリカーボネート基板
の複屈折は、接着剤の硬化収縮による歪、或いは熱歪に
よりハブ取付部に近いほど(+)方向に大きく変化す
る。一般にポリカーボネート製ディスク基板をインジェ
クション法で成形する時には、内周ゲートを持つ金型が
用いられる。このタイプの金型で成形した基板の複屈折
はポリカーボネートの流動パターンに従って、内周ゲー
ト側は(+)方向、外周側は(−)方向となりやすい。
このためハブの取付けによって基板の内周側複屈折がさ
らに(+)方向に変化すると媒体の信号特性が損なわれ
る、という問題があった。
【0007】上記のような問題は、エアーサンドイッチ
型光情報記録媒体を製造する際に、ポリカーボネート基
板と内周スペーサを接着するときにも同様に生じるもの
である。
【0008】本発明の目的は、製造の際の雰囲気の酸素
濃度、接着剤塗布条件おいて硬化反応に不利な状況にあ
る、通気性を持つエアーサンドイッチ型光情報記録媒体
の片面の硬化性を高めることが可能な光情報記録媒体の
製造方法を提供することにある。
【0009】本発明の別の目的は、接着剤でハブをポリ
カーボネート基板に接着することにより光情報記録媒体
を製造するにあたって、ハブの接着による基板の複屈折
増加を減少させる製造方法を提供することにある。
【0010】本発明のさらに別の目的は、一対のポリカ
ーボネート基板をスペーサを介して接着剤で接着するこ
とにより光情報記録媒体を製造するにあたって、スペー
サの接着による基板の複屈折増加を減少させる製造方法
を提供することにある。
【0011】
【発明が解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明によれば、2枚のディスク状基板のうち少な
くとも1枚の片面に有機色素膜よりなる記録層を有する
一対の基板を、同心的に配置させた内周スペーサおよび
外周スペーサを介して記録層が内側になるように紫外線
硬化型接着剤で貼り合わせることからなり、かつ、その
貼り合わせの際、内周スペーサの片面に接着剤を塗布し
ない部分を作り通気部となし、その通気部を通じて2枚
のディスク状基板の間に形成される空間を外部と連通さ
せる光情報記録媒体の製造方法において、内周スペーサ
側の接着剤の単位当たりの付着量または半径方向の塗布
位置を通気部を形成する面ともう一方の面で変えること
を特徴とする光情報記録媒体の製造方法が提供される。
【0012】また、本発明によれば、インジェクション
成形によって作られかつ記録領域が設けられたポリカー
ボネート基板の中心部にハブを接着剤で接着することか
らなる光情報記録媒体の製造方法において、ポリカーボ
ネート基板の温度をハブの温度より高く保った状態で接
着剤を硬化させることを特徴とする光情報記録媒体の製
造方法が提供される。
【0013】また、本発明によれば、インジェクション
成形によって作られかつ記録領域が設けられた一対のポ
リカーボネート基板を、同心的に配置させた内周スペー
サおよび外周スペーサを介して記録層が内側になるよう
に紫外線硬化型接着剤で貼り合わせることからなる光情
報記録媒体の製造方法において、内周スペーサの温度を
ポリカーボネート基板の温度より低く保った状態で接着
剤を硬化させることを特徴とする光情報記録媒体の製造
方法が提供される。
【0014】さらに、本発明によれば、インジェクショ
ン成形によって作られかつ記録領域が設けられた一対の
ポリカーボネート基板を、同心的に配置させた内周スペ
ーサおよび外周スペーサを介して記録層が内側になるよ
うに紫外線硬化型接着剤で貼り合わせることからなる光
情報記録媒体の製造方法において、基板の半径方向に温
度勾配をつけた状態で接着剤を硬化させることを特徴と
する光情報記録媒体の製造方法が提供される。
【0015】
【実施例】以下本発明を実施例により更に詳細に説明す
る。
【0016】実施例1 先ず請求項1の発明による実施例について述べるが、こ
の実施例では、通気孔を有するエアーサンドイッチ型光
情報記録媒体の製造に際して、内周スペーサ側の接着剤
の単位当たりの付着量を通気部を形成する面(第1面)
ともう一方の面(第2面)で変えるようにしたものであ
る。第2面における紫外線硬化型接着剤の付着量は第1
面の付着量の1.1〜3倍が好ましく、1.5〜2.0
倍がより好ましい。このような塗布に用いる装置例を図
4に示す。図中21は圧力ライン、22はミストフィル
ター、23A,23Bは減圧弁、24は電磁弁、25は
ミストフィルター、26は圧力計、27は接着剤加圧タ
ンク、28はディスペンサである。この装置は接着剤加
圧タンク27にかける圧力(接着剤の吐出量を決める)
を伝える圧力ライン21を途中で分岐させ、それぞれの
ラインの圧力を減圧弁23A,23Bでそれぞれ異なっ
た所定値に調整した後、塗布面を検知するセンサ(図示
せず)からの面検知信号によりパスを切り替える電磁弁
24の動作により、所望のパスを介して接着剤加圧タン
ク27に所要の圧力を加え、ディスペンサ28はその圧
力に応じた接着剤を気体圧力によりスペーサ面上に吐出
するものである。一例として、この装置により、第2面
における紫外線硬化型接着剤の付着量を第1面の付着量
の2倍にしたところ、溶解した記録面の色素濃度が相対
的に半分になり、その硬化性が大幅に改善できた。
【0017】実施例2 また、請求項1の発明によれば、通気孔を有するエアー
サンドイッチ型光情報記録媒体の製造に際して、図5に
示すように、接着剤を塗布する半径方向位置を第1面、
第2面で変えることによって硬化性を向上させることも
できる。図中P1 は第1面の塗布位置、P2 は第2面の
塗布位置である。このような塗布に用いる装置例を図6
に示す。図中31はディスペンサ、32はディスペンサ
ホルダー、33はスライド架台、34は第1のストッパ
ー、35は第2のストッパーである。第1のストッパー
34は、エアーシリンダー(図示せず)によってスライ
ド架台33上を移動するディスペンサホルダー32の移
動終点を決めるものであり、硬化に有利な第1面を接着
する場合には、この第1のストッパー34の働きによ
り、図5のP1 位置(スペーサの半径方向中央位置)に
接着剤がディスペンサ31より吐出される。一方、第2
のストッパー35は、センサ(図示せず)からの面検知
信号によって第1ストッパー34とディスペンサホルダ
ー32の間に出入りするものであり、硬化に不利な第2
面を接着する場合には、この第2のストッパー35によ
って、第2のストッパー35の幅の分だけ外周寄り(記
録面側)、すなわち図5のP2 位置に接着剤がディスペ
ンサ31より吐出される。吐出された接着剤は塗布位置
を中心にスペーサの内周方向と外周方向に半分ずつ広が
るため、第2面の外周へ向かう接着剤は記録面の色素と
接する距離が第1面より小さくなる。従って、接着剤中
に溶解する色素の濃度も他より低くなり、硬化性が大幅
に向上する。
【0018】請求項2に係る発明は、インジェクション
成形によって作られかつ記録領域が設けられたポリカー
ボネート基板の中心部にハブを接着剤で接着することに
より光情報記録媒体を製造する際に、ポリカーボネート
基板の温度をハブの温度より高く保った状態で接着剤を
硬化させるようにしたものである。その温度差は5℃以
上の時に顕著なる効果が見られる。以下比較例とともに
実施例を述べる。
【0019】比較例1 インジェクション成形後、100℃・6時間のアニール
を行なって熱歪を除去したポリカーボネート基板2枚
を、その記録面を内側にし内周、外周スペーサを介して
貼り合わせたディスクの両面に、ポリカーボネートに磁
性金属板をモールドしたハブを紫外線硬化型接着剤によ
って接着した。この時ディスクとハブは室温のものを使
用した。その結果を表1に示すが、基板内周側(半径位
置r=30mm)での複屈折がハブを接着したことによ
って(+)方向に10〜20nmと大きく変化した。
【0020】
【表1】
【0021】実施例3 比較例1と同じ処理を行なって作られたディスクの両面
に比較例1と同じモールドハブを紫外線硬化型接着剤に
よって接着した。この時、ディスクとハブの温度差を表
2のように変えて接着し、それぞれの接着前後の複屈折
変化量を測定した。その結果を表2に示す(10枚の基
板の平均;半径位置r=30mmでの値)。この結果よ
り、基板温度をハブ温度より高くした状態、又はハブ温
度を基板温度より低くした状態で接着を行なうとハブ接
着前後の基板の複屈折増加が減少したことが分かる。そ
の効果は両者の温度差に比例しており、特にその効果が
顕著に見られるのは、温度差が5℃以上ある場合であっ
た。
【0022】
【表2】
【0023】実際の製造装置においては、ライン速度の
ばらつき、装置温度の立上がり途中における環境温度の
変動などの影響を受けるため、基板とハブの温度関係を
一定に保つことは困難である。そのため、それらの温度
を迅速に測定し制御するための温度センサーとして、赤
外線放射温度計と接触式の温度計(熱電対)を用いてそ
の応答性、使いやすさ、副作用等を調べた。その結果、
ハブ取付治具上に、次に接着されるハブと基板がセット
された瞬間からそれぞれの温度計によってその温度を測
定すると赤外線放射温度計では0.1〜0.2秒で、ま
た熱電対では2.0〜5.0秒で指示温度が安定した。
さらに、熱電対ではセット、リセットに0.5秒が必要
な事、接触部の温度が測定による影響を受ける事、等の
問題があるが、放射温度計ではそれらの問題はなかっ
た。これらの点から製造装置の温度測定装置としては放
射温度計が優れており、生産性、副作用を考慮すると放
射温度計が好ましく採用できることが分かった。
【0024】また、ハブを供給するための治具において
ハブがストックされている空間全体に対しペルチェ素子
を用いて冷却した5℃の乾燥空気を1リットル/分の流
量で流し接着前のハブを冷却した。次に、このハブを紫
外線硬化型接着剤によって23℃の基板に接着した。そ
の結果、接着前後の内周(r=30mmの点)の複屈折
の変化量は0〜4nmであった。
【0025】請求項3に係る発明は、インジェクション
成形によって作られかつ記録領域が設けられた一対のポ
リカーボネート基板を、同心的に配置させた内周スペー
サおよび外周スペーサを介して記録層が内側になるよう
に紫外線硬化型接着剤で貼り合わせることにより光情報
記録媒体を製造する際に、内周スペーサの温度をポリカ
ーボネート基板の温度より低く保った状態で接着剤を硬
化させるようにしたものである。両者の温度差は5℃以
上であると効果が顕著となる。以下比較例とともに実施
例を述べる。
【0026】比較例2 インジェクション成形後、100℃・6時間のアニール
を行なって熱歪を除去したポリカーボネート基板2枚
を、その記録面を内側にし内周、外周スペーサを介して
紫外線硬化型接着剤によって接着した。この時、基板と
スペーサは室温とした。その結果を表3に示すが、基板
内周側(半径位置r=30mm)での複屈折がスペーサ
を接着したことによって(+)方向に8〜16nmと大
きく変化した。
【0027】
【表3】
【0028】実施例4 インジェクション成形後、100℃・6時間のアニール
を行なって熱歪を除去したポリカーボネート基板2枚
を、その記録面を内側にし内周、外周スペーサを介して
紫外線硬化型接着剤によって接着する際に、その内周ス
ペーサを、スペーサストッカーを通過する5〜7℃の乾
燥空気によって予め10℃以下に冷却した。以下、比較
例2と同様に、接着剤を塗布した室温の基板上に内周、
外周スペーサをセットし、さらに接着剤を塗布したもう
1枚の基板を重ね、その基板の両面から紫外線を照射し
て接着剤を硬化させた。この接着操作は、スペーサと基
板の温度差が保たれる時間内に行なう必要があるため、
2枚の基板への接着剤塗布と重ね合わせの位置決めは、
スペーサをストッカーより取り出すまでに行ない、重ね
合わせ終了から20秒以内に紫外線を照射して接着剤を
硬化させた。
【0029】このようにして作製したディスクの内周部
の複屈折量変化を表4に示すが、従来法(比較例2)の
1/2以下となった。
【0030】
【表4】
【0031】実施例5 インジェクション成形後、100℃・6時間のアニール
を行なって熱歪を除去したポリカーボネート基板2枚
を、その記録面を内側にし内周、外周スペーサを介して
紫外線硬化型接着剤によって接着する際に、その基板を
吸着支持する石英板を、あらかじめ温度制御された加熱
板上で室温より10℃高くなるよう接触加熱した。以
下、加熱された支持体上で接着剤を塗布された2枚の基
板の間に内周、外周スペーサをセットし、それらの2枚
の石英板を介して紫外線を照射して接着剤を硬化させ
た。この接着操作は、スペーサと基板の温度差が保たれ
る時間内に行なう必要があるため、重ね合せ終了から2
0秒以内に紫外線を照射して接着剤を硬化させた。この
方法では、石英板の熱容量が大きい事、また熱容量の小
さいスペーサは室温で良い事により、重ね合せまでの操
作時間の余裕度が大きく、製造工程としての安定性は実
施例4より高くなった。
【0032】このようにして作製したディスクの内周部
の複屈折量変化を表5に示すが、従来法(比較例2)の
1/2以下となった。
【0033】
【表5】
【0034】請求項4に係る発明は、インジェクション
成形によって作られかつ記録領域が設けられた一対のポ
リカーボネート基板を、同心的に配置させた内周スペー
サおよび外周スペーサを介して記録層が内側になるよう
に紫外線硬化型接着剤で貼り合わせることにより光情報
記録媒体を製造する際に、基板の半径方向に温度勾配を
つけた状態で接着剤を硬化させるようにしたものであ
る。温度勾配は0.1〜1.0℃/mmの場合に効果が
顕著となる。以下比較例とともに実施例を述べる。
【0035】比較例3 インジェクション成形後100℃・3時間のアニール処
理を行なって熱歪を除去したポリカーボネート基板2枚
を、図7に示す封止装置により、内周、外周スペーサを
介して紫外線硬化型接着剤によって接着し、エアーサン
ドイッチ構造のディスクとした。この時、石英板、基
板、スペーサの温度は室温とした。この基板の封止前後
の半径方向の複屈折量の変化は図8に示すように、内
周、外周部で特に大きく(+)方向に変化していた。そ
の変化量は内周部で10〜13nm、外周部で8〜10
nmであった。複屈折量の測定は自動複屈折測定装置A
DR200B(オーク社製)を用いて行なった。なお、
図7において41は石英板、42はポリカーボネート基
板、43は紫外線硬化型接着剤、44は外周スペーサ、
45は内周スペーサ、46は外周照射用紫外線ファイバ
ーケーブル、47は内周照射用紫外線ファイバーケーブ
ル、48は回転中心である。
【0036】実施例6 比較例3と同じ処理を行なって作られたディスク基板2
枚に対し、その内周側(中心より半径20mm)をドラ
イヤーの熱風により加熱した。この時ディスクの外側は
熱風より遮断するためマスキングした。加熱された基板
の半径方向の温度分布は半径25〜55mmの間で表6
のように経時変化した。
【0037】
【表6】
【0038】このため、加熱後1分以内に比較例3と同
様に接着剤塗布、スペーサセット、石英板セットを行な
い、1分30秒以内に紫外線照射を行なってディスクを
封止した。このディスクの半径位置がそれぞれ30、4
5、60mmである所の複屈折量を表6に示す。
【0039】
【表7】
【0040】この結果、内周部の複屈折増加量は比較例
3に比べ半分以下となり、好ましい変化であった。外周
部の複屈折の正方向への変化は同レベルに保たれ、ディ
スク全体として信号読出し特性の良い複屈折分布を持つ
エアーサンドイッチ型の光ディスクが得られた。
【0041】実施例7 図7の装置を以下のような機構のものとした。すなわ
ち、石英板41に図9に示すような基板吸着保持のため
の真空吸着孔(直径2mm)49を設けるとともに、さ
らに図10に示すように一方の基板を吸着し接着剤を塗
布した後、その支持体全体を反転して、もう一方の接着
剤塗布済基板とその上にロボットによってセットされた
内周、外周スペーサとの上に重ねることができる機構と
した。紫外線照射用のファイバーは各々の石英板41の
内周位置に1本ずつ、外周位置に2本ずつ計6本配置し
た。このファイバーからの紫外線照射強度は石英板41
を通過した点で500mW/cm2 、石英板41の回転
速度は20rpmとした。また、外部シーケンサにより
以下のフローに示す動作を行なうように設定した。 1.各石英板上に基板をセット(吸着保持)する。 2.各石英板を介してその内周部をUV露光する(3回
転)。 3.各基板内外周に紫外線硬化型接着剤を塗布する。 4.一方の基板上に内周、外周スペーサをセットする。 5.他方の基板(石英板にホールドされている)を反転
し、セットする。 6.上下石英板を同期回転させ、内周、外周部をUV露
光する(5回転)。
【0042】以上の動作を全体として60秒間で行なっ
た。この時、上下基板の内周部は上記ステップ2のUV
露光により、その外周部に比べ温度が高くなっており、
ステップ6の終了時に相当する60秒後の温度は外周よ
り5〜8℃高くなっていることが確認された。
【0043】上記装置によって連続的に封止された20
枚の基板の複屈折量を表8に示す。
【0044】
【表8】
【0045】実施例8 実施例7で用いた装置の各石英板内周部に対し、加熱の
ための近赤外線ランプ(200W)52を各1個ずつ図
11のように配置した。また、この光源の波長では、紫
外線硬化型接着剤の硬化が進まない事から、動作フロー
を前述のステップ2を省きステップ3の接着剤塗布時に
このランプ照射を行ない、実施例7と同等の温度差を基
板内外周につけた。このため全体のタクトは約10秒短
縮された。この装置によって連続的に封止された20枚
の基板の複屈折変化を表9に示す。
【0046】
【表9】
【0047】実施例9 実施例7で用いた装置によって、40分以上連続的に封
止作業を行なった場合、その石英板は温度は徐々に上昇
し室温より4〜6℃高い温度で安定する。このような状
態は封止作業を行なわず、単なる空運転(石英板回転+
内外周部のUV照射)でも短時間で作り出させる。この
ため長時間の連続運転を前提とする封止装置では、前述
の操作を立上がり時に行ない、石英板温度を上げ、そこ
に石英板の外周部だけを室温〜室温より低い温度にする
ための冷却装置を設けることによっても石英板の内外周
部温度差を作ることができ、当然、ここにセットされた
基板にもこの温度差が伝わる。
【0048】そこで、石英板の外周部に120℃方向か
ら3本の圧縮空気吐出ノズル53を図12のように配置
して、接着剤塗布中の一定時間そこからの冷却風で石英
外周部を室温〜室温より2℃低い温度に冷却した。この
装置に対し実施例8の動作フローのうちのランプ照射の
代わりに外周部冷却を行なって60枚のディスクを封止
した。この装置の立上がり時は約4秒間の空運転が必要
であったが、その後のタクトは実施例8より更に3秒短
縮された。この60枚の複屈折変化データを表10に示
す。
【0049】
【表10】
【0050】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、紫外線硬化型
接着剤で封止され、かつ、その内周側の片面に接着剤の
途切れ部を通じて外部と通気している、有機色素を記録
層とするエアーサンドイッチ型の光情報記録媒体を製造
する時、先に内周スペーサを接着する面(第1面)とも
う一方の面(第2面)の単位面積当たりの接着剤塗布量
もしくは半径方向の塗布位置を変えるようにしたので、
硬化性の劣る第2面の硬化性が大幅に改善される。
【0051】請求項2の発明によれば、インジェクショ
ン成形によって作られたポリカーボネート基板にハブを
接着する際、ポリカーボネート基板の温度をハブの温度
より高く保った状態で接着剤を硬化させるようにしたの
で、ハブの接着による基板の複屈折変化量を少なくする
ことが可能となる。
【0052】請求項3の発明によれば、インジェクショ
ン成形によって作られたポリカーボネート基板を内周、
外周スペーサを介して接着剤により接着する際、基板と
内周スペーサを互いに温度差がある状態のまま接着剤を
硬化させるようにしたので、基板に一定の応力が加わ
り、その残留応力によって基板の複屈折変化量を少なく
することが可能となる。
【0053】請求項4の発明によれば、インジェクショ
ン成形によって作られたポリカーボネート基板を内周、
外周スペーサを介し貼り合わせる際、基板の半径方向に
温度勾配をつけた状態で接着剤を硬化させるようにした
ので、封止後の基板の複屈折変化を制御することが可能
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の光情報記録媒体の製造方法の説明図であ
る。
【図2】接着剤に溶解した色素が接着剤の硬化状態に与
える影響を示す図である。
【図3】従来技術の問題点の説明図である。
【図4】実施例1の塗布に用いる装置例を示す図であ
る。
【図5】実施例2における第1面と第2面の塗布位置を
示す図である。
【図6】実施例2の塗布に用いる装置例を示す図であ
る。
【図7】封止装置の説明図である。
【図8】比較例3における複屈折量変化を示す図であ
る。
【図9】実施例7で用いる石英板の構造を示す断面図で
ある。
【図10】実施例7で使用した封止機構の説明図であ
る。
【図11】実施例8における近赤外線ランプの配置図で
ある。
【図12】実施例9における圧縮空気吐出ノズルの配置
図である。
【符号の説明】
21 圧力ライン 23A,23B 減圧
弁 24 電磁弁 27 接着剤加圧タン
ク 28 ディスペンサ 31 ディスペンサ 34 第1のストッパー 35 第2のストッパ
ー 41 石英板 42 基板 43 紫外線硬化型接着剤 44 外周スペーサ 45 内周スペーサ 46,47 紫外線フ
ァイバーケーブル 49 吸着孔 50 石英板ホールド
アーム 51 接着剤塗布ヘッド 52 近赤外線ランプ 53 圧縮空気吐出ノズル

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2枚のディスク状基板のうち少なくとも
    1枚の片面に有機色素膜よりなる記録層を有する一対の
    基板を、同心的に配置させた内周スペーサおよび外周ス
    ペーサを介して記録層が内側になるように紫外線硬化型
    接着剤で貼り合わせることからなり、かつ、その貼り合
    わせの際、内周スペーサの片面に接着剤を塗布しない部
    分を作り通気部となし、その通気部を通じて2枚のディ
    スク状基板の間に形成される空間を外部と連通させる光
    情報記録媒体の製造方法において、内周スペーサ側の接
    着剤の単位当たりの付着量または半径方向の塗布位置を
    通気部を形成する面ともう一方の面で変えることを特徴
    とする光情報記録媒体の製造方法。
  2. 【請求項2】 インジェクション成形によって作られか
    つ記録領域が設けられたポリカーボネート基板の中心部
    にハブを接着剤で接着することからなる光情報記録媒体
    の製造方法において、ポリカーボネート基板の温度をハ
    ブの温度より高く保った状態で接着剤を硬化させること
    を特徴とする光情報記録媒体の製造方法。
  3. 【請求項3】 インジェクション成形によって作られか
    つ記録領域が設けられた一対のポリカーボネート基板
    を、同心的に配置させた内周スペーサおよび外周スペー
    サを介して記録層が内側になるように紫外線硬化型接着
    剤で貼り合わせることからなる光情報記録媒体の製造方
    法において、内周スペーサの温度をポリカーボネート基
    板の温度より低く保った状態で接着剤を硬化させること
    を特徴とする光情報記録媒体の製造方法。
  4. 【請求項4】 インジェクション成形によって作られか
    つ記録領域が設けられた一対のポリカーボネート基板
    を、同心的に配置させた内周スペーサおよび外周スペー
    サを介して記録層が内側になるように紫外線硬化型接着
    剤で貼り合わせることからなる光情報記録媒体の製造方
    法において、基板の半径方向に温度勾配をつけた状態で
    接着剤を硬化させることを特徴とする光情報記録媒体の
    製造方法。
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