JPH05178185A - トラクション制御方法 - Google Patents

トラクション制御方法

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JPH05178185A
JPH05178185A JP30639691A JP30639691A JPH05178185A JP H05178185 A JPH05178185 A JP H05178185A JP 30639691 A JP30639691 A JP 30639691A JP 30639691 A JP30639691 A JP 30639691A JP H05178185 A JPH05178185 A JP H05178185A
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wheel
control
brake booster
master cylinder
traction control
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JP30639691A
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Hiroshi Sakai
博史 酒井
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Tokico Ltd
Original Assignee
Tokico Ltd
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  • Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)
  • Control Of Driving Devices And Active Controlling Of Vehicle (AREA)
  • Regulating Braking Force (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 加速の状況に速やかに対応して、初期の段階
から有効にトラクション制御を行う。 【構成】 駆動輪がスリップ傾向にあると判断される前
にアクセルペダルが所定時間内に所定量踏み込まれたこ
とを検知したときに、マスタシリンダとホイールシリン
ダとの間を遮断した状態としてブレーキブースタを作動
させておき、スリップ傾向にあると判断されたときにマ
スタシリンダとホイールシリンダとの間を連通状態とす
る。 【効果】 ブレーキブースタを事前に作動させておくか
ら、スリップ傾向を検知したときには瞬時にブレーキ力
を作用させることができ、この場合に、車輪速データの
変化等によらないで、アクセルペダルの踏み込み程度に
よって制御しているから、スリップ傾向が生じる前の早
い時期にブレーキブースタを作動させておくことができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は車両の急加速時における
駆動輪の空転を抑制するトラクション制御方法に係り、
特に、ブレーキブースタの作動によってブレーキ力を作
用させるトラクション制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】トラクション制御は、車両の急加速によ
って駆動輪がスリップ傾向にあるときに、駆動輪にブレ
ーキ力を作用させることにより、路面との間のすべりを
最適状態にして車輪の加速性能及び車両の安定性の向上
を図るものである。従来のトラクション制御において
は、例えば特開昭59−145652号公報等に示され
るように、駆動輪及び従動輪の車輪速データにより駆動
輪がスリップ傾向にあることを検知したときに、ブレー
キブースタの作動圧室に大気を導入して該ブレーキブー
スタを作動させ、マスタシリンダを介してブレーキ液圧
をホイールシリンダに作用させることにより、ブレーキ
力を発生させるようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、駆動輪
のスリップ傾向を検知してからブレーキブースタの作動
圧室に大気を導入するまでの間、及びその大気導入から
ブレーキブースタが作動するまでの間、さらにはブレー
キブースタが作動してからホイールシリンダにブレーキ
液圧が作用するまでの間にそれぞれタイムラグが生じる
ため、ホイールシリンダにおけるブレーキ液圧の増圧ま
でに時間がかかり、検知直後においてはトラクション制
御が機能せず、その分スリップが増大するという問題が
ある。
【0004】この場合、車輪速データに二つのしきい値
を設定して、第1のしきい値を越えたときにブレーキブ
ースタを作動させてホイールシリンダの手前までブレー
キ液圧を作用させ、第2のしきい値を越えたときに該ブ
レーキ液圧をホイールシリンダに作用させるようにする
方法もあるが(本出願人の先願である特願平1−188
341号参照)、このような車輪速データを基にした制
御では急激な加速時には間に合わないような場合が生じ
ることがある。
【0005】本発明は、加速の状況に速やかに対応し
て、初期の段階から有効にトラクション制御を行うこと
を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明のトラクション制
御方法は、車輪の速度を検出する車輪速センサの検出結
果により加速時の駆動輪がスリップ傾向にあると判断さ
れた時に、ブレーキブースタの作動によって該駆動輪の
ホイールシリンダにブレーキ液圧を作用させ、このブレ
ーキ液圧をマスタシリンダとホイールシリンダとの間に
設けられた制御弁によって制御するトラクション制御方
法において、駆動輪がスリップ傾向にあると判断される
前にアクセルペダルが所定時間内に所定量踏み込まれた
ことを検知したときに、マスタシリンダとホイールシリ
ンダとの間を遮断した状態としてブレーキブースタを作
動させておき、スリップ傾向にあると判断されたときに
マスタシリンダとホイールシリンダとの間を連通状態と
することを特徴とする。
【0007】
【作用】本発明のトラクション制御方法においては、ア
クセルペダルの踏み込みの程度によってブレーキブース
タを作動させておくから、スリップ傾向を検知したとき
には瞬時にブレーキ力を作用させることができる。ま
た、この場合に、車輪速データの変化等にかかわらず、
アクセルペダルの踏み込みの程度によってブレーキブー
スタを作動させるようにしているから、該ブレーキブー
スタをスリップ傾向が生じる前の早い時期に作動させて
おくことができる。
【0008】
【実施例】以下、本発明のトラクション制御方法の一実
施例を図面に基づいて説明する。図1及び図2は本発明
のトラクション制御方法を適用した制御装置の例を示し
ている。この制御装置は、駆動輪1及び従動輪2の近傍
位置に、各車輪速度を検知する車輪速センサ3,4が設
けられるとともに、マスタシリンダ5を駆動するブレー
キブースタ6の作動圧室(後述の第一作動圧室)に、該
作動圧室に対してエンジンのインテークマニホールド等
の真空源と大気とを択一的に接続する切換弁7が連設さ
れ、一方、エンジン8の吸気側通路9内には、アクセル
ペダル10の操作によって作動されるメインスロットル
バルブ11と、ステップモータ12によって作動される
サブスロットルバルブ13とが設けられており、これら
切換弁7とステップモータ12、及び後述する制御弁等
とをコントローラ14によって制御して、いわゆるブレ
ーキ制御とエンジン出力制御とを併用し得るようになっ
ている。
【0009】前記ブレーキブースタ6は、図2の例では
タンデム型のブースタが使用され、その構成は本出願人
が先に特願平2−315195号により出願した「ブレ
ーキ倍力装置」の実施例として開示したものと同一であ
る。すなわち、ケーシング15の内部がセンタープレー
ト16によって2分割され、その分割されたそれぞれが
さらにパワーピストン17の第一ダイヤフラムプレート
部18と第二ダイヤフラムプレート部19とによって第
一定圧室20と第一作動圧室21及び第二定圧室22と
第二作動圧室23とに区画されており、前記パワーピス
トン17において両ダイヤフラムプレート部18,19
を固定しているバルブボディ24には、両定圧室20,
22を相互に連通状態とする定圧通路25と、両作動圧
室21,23を相互に連通状態とする作動圧通路26と
が設けられている。一方、バルブボディ24の内側に
は、出力軸27の回りを囲むパイプ28等によって第二
定圧室22とは区画された状態で負圧通路29が形成さ
れており、該負圧通路29はケーシング15の外部に引
き出されて、前記切換弁7を介して負圧源に接続され、
また、第二定圧室22も該負圧通路29とは別に負圧源
に接続されている。
【0010】また、前記バルブボディ24の後端部に
は、第一作動圧室21と大気との間を開閉する大気弁3
1と、負圧通路29と第一作動圧室21との間を開閉す
る真空弁32とが設けられて、ブレーキペダル33によ
ってオペレーティングロッド34を介して操作されるよ
うになっており、該オペレーティングロッド34の前進
により大気弁31が開いて第一作動圧室21に大気が導
入され、一方、オペレーティングロッド34の後退によ
って真空弁32が開いて第一作動圧室21が負圧通路2
9に接続されるようになっている。そして、オペレーテ
ィングロッド34の駆動力は、バルブボディ24に組み
込まれたバルブプランジャ35に伝わり、前記作動圧室
21への大気の導入により倍力作用が生じて出力軸27
に伝達される。なお、出力軸27とバルブボディ24と
の間には、出力軸27からの反力をバルブプランジャ3
5を介してオペレーティングロッド34へ伝えるリアク
ションディスク36が設けられている。また、符号37
はリターンスプリングを示す。
【0011】一方、前記切換弁7は、電磁弁によって構
成され、通常時(電源OFF時)は真空源と前記負圧通
路29とを接続状態とし、通電時(電源ON時)に大気
と負圧通路29とを接続状態とするようになっている。
また、該切換弁7と第一作動圧室21との間には、負圧
通路29から分岐して第一作動圧室21に接続されるバ
イパス38が設けられており、該バイパス38には切換
弁7から第一作動圧室21への流れのみ許容し反対方向
への流れを阻止するチェック弁39が設けられている。
【0012】すなわち、この切換弁7を電源ONにする
と、負圧通路29が大気によって満たされるが、真空弁
32は閉じているため、大気はバイパス38のチェック
弁39を経由して第一作動圧室21に導入され、作動圧
通路26を介して第二作動圧室23に導かれる。そし
て、両作動圧室21,23と定圧室20,22との圧力
バランスがくずれることにより、パワーピストン17が
前方へ移動して真空弁32を開くことになる。これによ
り、負圧通路29とバイパス38の両方を経由して大気
が作動圧室21,23に導入され、パワーピストン17
がさらに移動して出力軸27を駆動し、マスタシリンダ
5の液圧を高める。また、この状態で切換弁7を電源O
FFにして負圧通路29と真空源とを接続すると、真空
弁32は開いているため、両作動圧室21,23の大気
は負圧通路29を介して流出され、パワーピストン17
は後方へ戻されるものである。
【0013】そして、このように作動するブレーキブー
スタ6によって駆動されるマスタシリンダ5と各車輪
3,4のホイールシリンダ41,42との間に、両者を
連結する駆動輪液圧系43、従動輪液圧系44が設けら
れ、これら液圧系43,44の途中に、その流路を開閉
する駆動輪制御弁45、従動輪制御弁46が設けられて
いる。
【0014】また、これら制御弁45,46よりも下流
側には、各ホイールシリンダ41,42のブレーキ液を
逃がすための液圧逃がし系47,48がそれぞれ接続さ
れ、これら液圧逃がし系47,48はリザーバ49に接
続されて、該リザーバ49と各ホイールシリンダ41,
42との間の圧力解放弁50,51を開くことによりホ
イールシリンダ41,42のブレーキ液をリザーバ49
に逃がすようになっている。一方、リザーバ49と前記
駆動輪制御弁45の上流側との間を連絡するように液圧
戻し系52が接続され、該液圧戻し系52にはポンプ6
0が設けられている。なお、前記各制御弁45,46
は、通常時(電源OFF時)は開放状態で電源ON時に
閉塞状態となるノーマルオープン型の電磁弁であり、一
方、前記圧力解放弁50,51は通常時(電源OFF
時)は閉塞状態で電源ON時に開放状態となるノーマル
クローズド型の電磁弁である。
【0015】すなわち、各弁45,46,50,51が
電源OFFとなっている通常時は、マスタシリンダ5が
駆動されると、そのブレーキ液がホイールシリンダ4
1,42に供給されてブレーキ液圧を高め、一方、制御
弁45,46を電源ONとすれば、ホイールシリンダ4
1,42とマスタシリンダ5との間の液圧系43,44
が遮断されて、ブレーキ液圧はマスタシリンダ5の作動
にかかわらず一定に保持される。また、この制御弁4
5,46の電源ONの状態のときに圧力解放弁50,5
1を電源ONとすれば、ホイールシリンダ41,42内
のブレーキ液はリザーバ49に逃がされるため、ブレー
キ液圧が減少するものである。なお、ポンプ60はリザ
ーバ49に溜まったブレーキ液を液圧供給系43に戻す
際に駆動される。
【0016】そして、前記車輪速センサ3,4及びメイ
ンスロットルバルブ11の開度を検出するスロットルセ
ンサ61と、切換弁7、ステップモータ12、各制御弁
45,46、圧力解放弁50,51、及びポンプ60と
の間に、各車輪速センサ3,4及びスロットルセンサ6
1からの信号に基づきこれらを制御するための前記コン
トローラ14が設けられており、急ブレーキ時のアンチ
スキッド制御あるいは後述のようなトラクション制御が
なされるものである。
【0017】次に、このように構成した制御装置による
トラクション制御方法について図3ないし図9を参照し
ながら説明する。なお、図3ないし図7の各フローチャ
ートにおいてステップの番号をSpの記号の後に示す。
図3はアクセルペダル10が踏み込まれたことや、イグ
ニッションがONとなったこと等を条件としてなされる
トラクション制御のメインフローチャートを示す。 <ステップ1>すべてのフラグカウンタをクリアする初
期設定を行う。 <ステップ2>制御周期の時間管理を開始する。 <ステップ3>車輪速センサ3,4及びスロットルセン
サ61からの信号を入力する。 <ステップ4>車輪速センサ3,4からの信号に基づき
車輪速度、スリップ率を演算する。 <ステップ5>スロットルセンサ61からの出力信号に
基づき、後述のアクセルフラグ設定フローに従い、ブレ
ーキブースタ6を作動させるか否かの判断のためのアク
セルフラグACCFLGを設定する。 <ステップ6>ステップ4の演算結果に基づき右側駆動
輪制御フローに従い、そのブレーキ液圧の増減圧モード
を選択する。
【0018】<ステップ7>左側駆動輪制御フローに従
い、そのブレーキ液圧の増減圧モードを選択する。 <ステップ8>従動輪及びブレーキブースタの制御フロ
ーに従い、従動輪3の増減圧モードを選択する。 <ステップ9>サブスロットルバルブ13の開度を計算
する。 <ステップ10>切換弁7、各制御弁45,46、圧力
解放弁50,51、ステップモータ12を制御する。ま
た、後述のブレーキブースタフラグSRBFLGにした
がってブレーキブースタ6の作動を制御する。
【0019】なお、本実施例のトラクション制御では、
前記したようにブレーキ制御とエンジン出力制御とを併
用し得る構成となっており、スリップ率が比較的小さい
段階ではサブスロットルバルブ13の開度を調整してエ
ンジン出力制御のみを行い、スリップ率が大きくなった
場合に制御弁45,46等を開閉してブレーキ制御を併
用することが行われる。そして、そのブレーキ制御にお
けるモードとして、UP(増圧)モード、DOWN(減
圧)モード、HOLD(保持)モード、OFF(切)モ
ードがある。
【0020】各モードについて説明すると、図8に示す
ように、UP(増圧)モードは、圧力解放弁50(また
は51)、制御弁45(または46)ともに電源OFF
の状態、言い換えれば液圧系43(または44)の流路
が開いて液圧逃がし系47(または48)の流路が閉じ
ている状態のときに、ブレーキブースタ6の切換弁7を
電源ONとすることにより、前述したようにマスタシリ
ンダ5を駆動して、ホイールシリンダ41(または4
2)のブレーキ液圧を高める制御をいう。この場合、切
換弁7を間欠的に開閉して、後述のHOLD(保持)モ
ードとの組み合わせによりブレーキ液圧を階段状に増圧
するようにしてもよく、このような増圧方法も含むもの
とする。(各弁は駆動輪または従動輪に対して別々にモ
ードが選択され、以下、いずれか一方についてのみの制
御に限定されない場合以外は駆動輪についての符号の後
に()内に従動輪についての符号を付す)。
【0021】また、DOWN(減圧)モードは、圧力解
放弁50(51)、制御弁45(46)ともに電源ON
の状態、つまり液圧系43(44)の流路が閉じて液圧
逃がし系47(48)の流路が開いた状態であり、ホイ
ールシリンダ41(42)のブレーキ液を前記リザーバ
49に逃がす制御をいい、HOLD(保持)モードは、
圧力解放弁50(51)がOFFで制御弁45(46)
がONの状態、つまり液圧系43(44)、液圧逃がし
系47(48)ともに流路が閉じた状態であり、マスタ
シリンダ5とホイールシリンダ41(42)との間を遮
断してホイールシリンダ41(42)のブレーキ液圧を
一定に保持する制御をいう。OFF(切)モードは、圧
力解放弁50(51)、制御弁45(46)とも電源O
FFの状態である。ここでUPモードとOFFモードと
では同じ設定となるため、ブレーキブースタ6が作動時
にOFFモードとなっているとブレーキ力が作用してし
まうので、その場合はOFFモードをHOLDモード
(またはDOWNモード)として、制御弁45(46)
を閉じた状態としなければならない。また、従動輪4に
ついてはトラクション制御はなされないので、ブレーキ
ブースタ6の作動中はHOLDモード(またはDOWN
モード)とする。
【0022】次に、図4によって前記ステップ5のアク
セルフラグ設定フローを説明する。 <ステップ41>アクセルペダル10が所定時間内に所
定量以上踏み込まれたか否かを判断し、YESの場合は
ステップ42に、NOの場合はステップ44に進む。 <ステップ42>ステップ41においてYESと判断さ
れた場合はトラクション制御が作動する可能性が高いと
判断され、タイムカウンタtをt=1にセットする。 <ステップ43>アクセルフラグACCFLGをセット
し、タイムカウンタtを1増加する。 <ステップ44>トラクション制御開始予測によるブレ
ーキブースタONの状態は所定時間tONの間続くので、
この最中であるか否かを見るため、タイムカウンタtが
予め設定したtON以下であるか否かを判定する。そし
て、YESの場合はステップ45に、NOの場合はステ
ップ46に進む。 <ステップ45>タイムカウンタtが0であるか否かを
判定し、YESの場合はステップ46に、NOの場合は
ステップ43に進む。 <ステップ46>タイムカウンタtがtON以下であって
も、t=0であるならば、開始予測によるブレーキブー
スタ6は作動していないので、アクセルフラグACCF
LG及びタイムカウンタtをクリアする。また、ステッ
プ44でNOと判断された場合は、タイムカウンタtが
ONを越えている場合であるが、この場合はトラクショ
ン制御を必要としない場合か、あるいは、すでにいずれ
かの車輪についてトラクション制御が開始されている場
合であるので、同様にアクセルフラグACCFLG及び
タイムカウンタtをクリアする。一方、タイムカウンタ
tがtON以下で0でない場合であれば、開始予測による
ブレーキブースタはONの状態であり、tONをまだ経過
していないので、アクセルフラグACCFLGをセット
し、タイムカウンタtを1増加させる(ステップ4
3)。このような制御により、アクセルペダル10が予
め設定した所定時間内に所定量以上踏み込まれた場合に
は、時間tONの間ブレーキブースタ6をONにする。
【0023】次に、前記ステップ6の右側駆動輪制御フ
ローの具体的制御内容を図5を参照しながら説明する。 <ステップ11>右側駆動輪のトラクション制御フラグ
FRFLGが1か否か、すなわちトラクション制御作動
中か否かを判定し、NOの場合にはステップ12に、Y
ESの場合はステップ15に進む。 <ステップ12>トラクション制御を開始するか否かを
判定し、YESの場合はステップ13に、NOの場合は
ステップ17に進む。 <ステップ13>トラクション制御フラグFRFLGを
1とする。 <ステップ14>トラクション制御の開始時増圧モード
を選択する。 <ステップ15>トラクション制御が終了しているか否
かを判定し、YESの場合はステップ16に、NOの場
合はステップ20に進む。 <ステップ16>トラクション制御フラグFRFLGを
クリアする。
【0024】<ステップ17>ブレーキブースタフラグ
SRBFLGが1であるか否か、すなわちブレーキブー
スタ6が作動中か否かを判定し、YESの場合はステッ
プ18に、NOの場合はステップ19に進む。この判定
がYES、つまりブレーキブースタ6が作動中であると
いうことは、本フローの制御対象である右側駆動輪につ
いてはトラクション制御がなされていないが、前記した
アクセルフラグ設定フローによってアクセルフラグAC
CFLGがセットされブレーキブースタ6が作動してい
るか、あるいは、左側駆動輪に対して既にトラクション
制御中であることを示す。 <ステップ18>HOLDモードを選択する。すなわ
ち、この時点ではブレーキブースタ6が作動して、マス
タシリンダ5の液圧が高められているため、本ステップ
でOFFモードを選択すると、前述したようにブレーキ
力が作用してしまう。したがって、この場合はOFFモ
ードをHOLDモードとして、右側駆動輪のホイールシ
リンダとマスタシリンダ5との間を遮断し、マスタシリ
ンダ5の液圧が右側駆動輪に作用しないようにするもの
である。 <ステップ19>OFFモードを選択する。この場合
は、ブレーキブースタ6が作動していない状態である。 <ステップ20>作動時モードを選択する。このモード
は従来からの通常のトラクション制御のモードで、スリ
ップ状態に応じてブレーキ液圧の増減を選択しながら制
御するものである。
【0025】図6は図5におけるステップ14のトラク
ション開始時増圧モードの具体的内容を示すものであ
る。 <ステップ21>ブレーキブースタフラグSRBFLG
が1であるか否か、すなわちブレーキブースタ6が作動
中か否かを判定し、YESの場合はステップ22に、N
Oの場合はステップ23に進む。 <ステップ22>ブレーキブースタ6が作動してからの
時間COUNTが第1の設定時間T1 より小さいか否か
を判定し、YESの場合はステップ23に、NOの場合
はステップ24に進む。 <ステップ23>FU0 モードを選択する。 <ステップ24>前記COUNTが第2の設定時間T2
より小さいか否かを判定し、YESの場合はステップ2
5に、NOの場合はステップ26に進む。 <ステップ25>FU1 モードを選択する。 <ステップ26>前記COUNTが第3の設定時間T3
より小さいか否かを判定し、YESの場合はステップ2
7に、NOの場合はステップ28に進む。 <ステップ27>FU2 モードを選択する。 <ステップ28>FU3 モードを選択する。
【0026】つまり、この制御フローにより、ブレーキ
ブースタ6が非作動状態であるときまたは作動してから
の時間がT1 以下のときはFU0 モード、作動時間がT
1 を越えT2 以下のときはFU1 モード、T2 を越えT
3 以下のときはFU2 モード、T3 以上はFU3 モード
が選択される。そして、この各モードは、それぞれブレ
ーキ液圧の増圧を指示するもので、その増圧時間が異な
り、FU0 >FU1 >FU2 >FU3 の順に短くなって
いる。すなわち、トラクション制御開始時におけるブレ
ーキブースタ6の作動時間が長いほど、増圧時間は短く
なっているものである。この場合、増圧時間を変更する
方法としては、制御弁を開放している時間を変える、あ
るいは増圧モード全体の時間は同じとしてもその間に制
御弁の開閉を繰り返す(この場合は開放しているパルス
を若干長くする)等の方法がある。なお、前記ステップ
6の左側駆動輪制御は、図5及び図6のステップ11か
らステップ28までの右側駆動輪制御の内容と同じ内容
の制御を左側駆動輪に対して行うものである。
【0027】次に、図7にしたがって前記ステップ7の
従動輪、ブレーキブースタ制御フローを説明する。 <ステップ31>右前輪のトラクション制御フラグFR
FLG、左前輪のトラクション制御フラグFLFRGま
たはアクセルフラグACCFLGのいずれかが1である
か否か、すなわち、左右いずれか一方の駆動輪がトラク
ション制御作動中であるか否か、あるいはアクセルペダ
ルが所定時間内に所定量以上踏み込まれたか否かを判定
し、NOの場合はステップ32に、YESの場合はステ
ップ35に進む。 <ステップ32>この場合は、左右両輪ともトラクショ
ン制御がなされておらず、またアクセルペダル10の踏
み込み程度によるトラクション制御開始予測もなされて
いない状態であり、ブレーキブースタ6の作動を示すS
RBFLGをクリアする。 <ステップ33>ブレーキブースタ作動開始からの時間
COUNTをクリアする。 <ステップ34>従動輪に対してOFFモードを選択す
る。 <ステップ35>この場合は、左右いずれか一方の駆動
輪がトラクション制御作動中の状態、あるいはアクセル
ペダルが所定時間内に所定量踏み込まれた状態であり、
ブレーキブースタフラグSBRFLGをセットする。 <ステップ36>前記COUNTを1増やす。 <ステップ37>従動輪に対してHOLDモードを選択
する。つまり、この時点ではブレーキブースタ6が作動
して、マスタシリンダ5のブレーキ液圧が上昇している
ため、前記ステップ18と同様に、その液圧が従動輪に
作用しないようにホイールシリンダとマスタシリンダ5
との間の液圧系の流路を遮断するものである。
【0028】以上のような制御によって変化するメイン
スロットルバルブ11の開度、マスタシリンダ5のブレ
ーキ液圧、駆動輪におけるホイールシリンダのブレーキ
液圧及び車体速度等の作動線図の一例を図9に示す。こ
の図9の時間Aのときにアクセルペダル10が急に踏み
込まれ、ある設定された時間t1 内にスロットルバルブ
11の開度がある設定されたストロークθ0以上動いた
とすると、トラクション制御が作動する可能性が高いと
判断し、ブレーキブースタ6をONにする(時間B)。
そして、このブレーキブースタ6の作動によりマスタシ
リンダ5のブレーキ液圧が上昇するが、この場合はHO
LDモードに設定してマスタシリンダ5とホイールシリ
ンダとの間を遮断しておき、ブレーキ液圧がホイールシ
リンダに伝わらないようにする。次いで、時間Cの状態
で示すようにスリップ率Sがしきい値S1 を超えると、
UPモードとなり、マスタシリンダ5のブレーキ液圧が
ホイールシリンダに伝わる。この場合、すでにマスタシ
リンダ5の液圧が十分高められているので、ホイールシ
リンダの液圧の立ち上がりも早く、したがって速やかに
駆動輪のスリップ率を適正値まで低下させることができ
る。そして、このように、スリップ傾向が検知されなく
とも、アクセルペダル10の踏み込み程度によってブレ
ーキブースタ6を作動させるようにしているので、スリ
ップ傾向が検知されたときには瞬時にホイールシリンダ
にブレーキ液圧を作用させ得て、早期にトラクション制
御を行わせることができるものである。
【0029】また、本実施例では、図6に示すように、
トラクション制御開始時におけるブレーキブースタ6の
作動時間に応じて増圧モードの増圧時間を選択するよう
にしているので、ブレーキブースタ6が作動した直後、
あるいは既にマスタシリンダ5の液圧が高められた状態
のいずれの場合であっても、制御すべきホイールシリン
ダには、ブレーキ液圧の過不足を生じることなくほぼ一
定のブレーキ液圧を作用させ得て、適切なブレーキ制御
を行わせることができる。なお、前記実施例ではメイン
スロットルバルブ11の開度を検知してアクセルペダル
10の踏み込み程度を判定していたが、アクセルペダル
10自体にその踏み込み程度を検知するセンサを設ける
ようにしてもよい。また、トラクション制御の開始を駆
動輪と従動輪の車輪速データに応じて設定するものにつ
いて説明したが、四輪駆動車の場合には、駆動輪の車輪
速データのみによって、または車体速センサによって検
知される車体速データとの組み合わせ等によって判断し
てもよく、開始判断はいずれの方法でもよい。
【0030】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
のトラクション制御方法によれば、アクセルペダルが所
定時間内に所定量踏み込まれた場合にはブレーキブース
タを作動させて、スリップ傾向を検知する前にマスタシ
リンダの液圧を高めておくようにしているから、スリッ
プ傾向を検知したときには瞬時にブレーキ力を作用させ
ることができる。そして、この場合に、車輪速データの
変化等によらないで、アクセルペダルの踏み込み程度に
よって制御しているから、スリップ傾向が生じる前の早
い時期にブレーキブースタを作動させておくことがで
き、初期の段階から有効にトラクション制御を行うこと
ができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のトラクション制御方法が適用される制
御装置の例を示す配管系統図である。
【図2】図1におけるマスタシリンダを駆動するブレー
キブースタの例を示す縦断面図である。
【図3】本発明のトラクション制御方法の一実施例を示
すメインのフローチャートである。
【図4】図3のフローチャートにおけるステップ5の具
体的制御内容を示すフローチャートである。
【図5】図3のフローチャートにおけるステップ6の具
体的制御内容を示すフローチャートである。
【図6】図5のフローチャートにおけるステップ14の
具体的制御内容を示すフローチャートである。
【図7】図3のフローチャートにおけるステップ8の具
体的制御内容を示すフローチャートである。
【図8】ブレーキ液圧の制御モードと制御弁等との関係
を示す表である。
【図9】本発明の一実施例の制御方法を実施した場合の
スロットルバルブの開度、マスタシリンダ液圧、ホイー
ルシリンダ液圧、駆動輪等の速度の対応を時間の経過と
ともに示したグラフである。
【符号の説明】
1 駆動輪 2 従動輪 3,4 車輪速センサ 5 マスタシリンダ 6 ブレーキブースタ 7 切換弁 14 コントローラ 17 パワーピストン 20 第一定圧室 21 第一作動圧室 22 第二定圧室 23 第二作動圧室 25 定圧通路 26 作動圧通路 27 出力軸 29 負圧通路 31 大気弁 32 真空弁 34 オペレーティングロッド 38 バイパス 39 チェック弁 41,42 ホイールシリンダ 43,44 液圧系 45,46 制御弁 47,48 液圧逃がし系 49 リザーバ 50,51 圧力解放弁 52 液圧戻し系 61 スロットルセンサ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車輪の速度を検出する車輪速センサの検
    出結果により加速時の駆動輪がスリップ傾向にあると判
    断された時に、ブレーキブースタの作動によって該駆動
    輪のホイールシリンダにブレーキ液圧を作用させ、この
    ブレーキ液圧をマスタシリンダとホイールシリンダとの
    間に設けられた制御弁によって制御するトラクション制
    御方法において、駆動輪がスリップ傾向にあると判断さ
    れる前にアクセルペダルが所定時間内に所定量踏み込ま
    れたことを検知したときに、マスタシリンダとホイール
    シリンダとの間を遮断した状態としてブレーキブースタ
    を作動させておき、スリップ傾向にあると判断されたと
    きにマスタシリンダとホイールシリンダとの間を連通状
    態とすることを特徴とするトラクション制御方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006044554A (ja) * 2004-08-06 2006-02-16 Nissan Motor Co Ltd 車両用走行制御装置
JP4576922B2 (ja) * 2004-08-06 2010-11-10 日産自動車株式会社 車両用走行制御装置

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