JPH0517781A - タールの改質方法 - Google Patents

タールの改質方法

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JPH0517781A
JPH0517781A JP3169699A JP16969991A JPH0517781A JP H0517781 A JPH0517781 A JP H0517781A JP 3169699 A JP3169699 A JP 3169699A JP 16969991 A JP16969991 A JP 16969991A JP H0517781 A JPH0517781 A JP H0517781A
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JP
Japan
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tar
light
pitch
reforming
component
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Withdrawn
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JP3169699A
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English (en)
Inventor
Koji Hanaoka
岡 浩 二 花
Katsutoshi Igawa
川 勝 利 井
Tetsuya Fujii
井 徹 也 藤
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JFE Steel Corp
Original Assignee
Kawasaki Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 石炭の低温乾留により生成するタールから効
率良く改質ピッチを製造することができる方法。 【構成】 石炭の低温乾留により生成するタールを改質
ピッチに改質する方法であって、前記タールを蒸留して
ピッチを含む重質分と、軽質タールおよび軽質ガスを含
む軽質分とに分離する第1工程と、該第1工程で得られ
た重質分を加熱しながら酸化性ガスをブローして重質分
を酸化改質して改質ピッチを得る第2工程とを有するタ
ールの改質方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、タールの改質方法に関
し、特に石炭の低温乾留により生成するタールから効率
良く改質ピッチを製造することができる方法に関する。
【0002】
【従来の技術】道路舗装材や電極用バインダー等に用い
られる改質ピッチは、一般に、石油系重質油や低温ター
ルを改質して、製造されている。この石油系重質油や低
温タールを改質する方法は、熱改質と酸化改質の2つの
方法に大別される。熱改質法は比較的高温(350〜4
50℃程度)で行われる方法であり、一方、空気等の酸
化性ガスを用いて行われる酸化改質法は、比較的低温
(200〜300℃程度)で行われる。この両法におい
て、触媒を用いて反応温度や反応時間を短縮する方法も
行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年、生産
設備からの排ガスによる環境汚染が大きな社会問題とな
っているおり、排ガスの発生量を低減できれば、排ガス
処理の負担を軽減できるため、工業上の大きな利点とな
る。そこで、改質効率を向上させて、使用する空気等の
酸化性ガスの量を少なくし、改質時間を短縮し、排ガス
中の軽質ガス分を少なくすることができれば、工業上有
利である。
【0004】しかしながら、従来の方法、例えば、図3
に工程図を示す酸化改質法においては、反応温度が低温
であることはプロセス的に有利であるが、反応時間が長
く、改質時に排出される排ガスに空気等が混入して、そ
の処理が困難となる、また軽質ガスの大部分が排ガスに
混入して利用できないため、エネルギーの浪費となると
いう問題があった。
【0005】そこで本発明の目的は、短い改質時間で効
率よくタールを改質することができ、軽質ガスを可能な
限り回収して排ガス処理の負担を軽減し、さらに高い改
質効率を達成することができるタールの改質方法を提供
することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は前記課題を解決
するために、石炭の低温乾留により生成するタールを改
質ピッチに改質する方法であって、前記タールを蒸留し
てピッチを含む重質分と、軽質タールおよび軽質ガスを
含む軽質分とに分離する第1工程と、該第1工程で得ら
れた重質分を加熱しながら空気等の酸化性ガスをブロー
して重質分を酸化改質して改質ピッチを得る第2工程と
を有するタールの改質方法を提供するものである。
【0007】前記タールの改質方法において、第1工程
で分離された軽質分中の軽質タールを第2工程で得られ
た改質ピッチに添加してもよい。
【0008】以下、本発明のタールの改質方法(以下、
「本発明の方法」という)について詳細に説明する。
【0009】本発明の方法によって改質されるタール
は、石炭の低温乾留により生成するタール(以下、「低
温タール」という)であり、ピッチを主成分とする重質
分と、軽質タールおよび軽質ガスを主成分とする軽質分
とを含むものである。
【0010】本発明の方法においては、図1に示すよう
に、まず、第1の工程において低温タールを蒸留器に供
給して蒸留し、重質分と軽質分とが分離される。軽質分
は、蒸留揮発分として蒸留器から取り出され、重質分は
蒸留残渣として蒸留器から取り出される。本発明の方法
においては、この第1の工程において、タールから軽質
分を分離するため、後段の工程における排ガス中に軽質
ガスを混入させることなく、有効に回収することがで
き、また回収した軽質ガスの利用が可能となるため、工
業上有効である。また、この蒸留によって改質され易い
ピッチのみが重質分中に濃縮されているので、第2の工
程における酸化改質の効率が向上し、改質時間が短縮さ
れるとともに、第2工程における排ガス量も低減される
ため、有利である。
【0011】用いられる蒸留器は、特に制限されず、例
えば、石油の精製に用いられる常圧蒸留装置等のこの種
の蒸留に用いられる常用の装置が挙げられる。
【0012】蒸留の温度は、後段の第2工程における排
ガス中への軽質ガスの留出を大幅に低減できる点で、第
2工程における改質温度以上の温度に設定され、通常、
改質温度より0〜100℃程度高い温度であり、好まし
くは改質温度より50〜100℃高い温度の範囲であ
る。
【0013】この第1の工程で蒸留残渣として蒸留器か
ら取り出された重質分は、第2の工程において加熱下に
酸化性ガスをブローされて酸化改質される。
【0014】加熱の温度は、通常、200〜300℃程
度、好ましくは250〜300℃程度である。
【0015】重質分にブローされる酸化性ガスとして
は、例えば、空気、水蒸気、酸素、過酸化水素等を用い
ることができる。また、この酸化性ガスの吹き込み量
は、酸化改質の対象である重質分のトルエン不溶分(T
I)含有量、平均分子量、分子量分布等の性状によって
適宜選択されるが、通常、重質分1kgに対して1Nl
/minの割合である。
【0016】また、本発明の方法においては、以上のよ
うにして重質分を酸化改質して得られる改質ピッチは、
そのまま製品とすることもできるし、さらに必要に応じ
て粘度やトルエン不溶分量(TI)を調整して製品とす
ることもできる。このとき、第1の工程において、分離
された軽質分の中から軽質タールを改質ピッチに添加し
て粘度、トルエン不溶分量等を調整してもよい。
【0017】以下、本発明の方法の工業的な実施態様の
工程図を示す図2にしたがって、説明する。図2に示す
工程において、石炭の低温乾留により生成されたタール
は、予熱炉1において200〜250℃程度に予熱され
た後、蒸留塔2に供給され、蒸留され重質分と軽質分と
に分離される。蒸留により分離された軽質ガスおよび軽
質タールを主成分とする軽質分と水は、蒸留塔2の塔頂
から揮発分として分離される。また、タールから分離さ
れたピッチを主成分とする重質分は塔底3から抜き出さ
れ、酸化改質槽4に導入される。酸化改質槽4に導入さ
れた重質分は、250〜300℃程度に加熱されるとと
もに、予熱炉5によって予熱された酸化性ガスをブロー
され、酸化改質処理され、改質ピッチが製造される。ま
た、この酸化改質によって生成する排ガスは、酸化改質
槽4から抜き出される。
【0018】以上のようにして得られる改質ピッチは、
そのままで製品として、あるいは必要に応じて、蒸留塔
2で分離された軽質分の成分である軽質タールが添加さ
れて、トルエン不溶分、粘度その他の製品として要求さ
れる所定の性状に調製されて製品となる。
【0019】
【実施例】以下、本発明の実施例および比較例に基い
て、本発明をさらに具体的に説明する。
【0020】(実施例1〜2)石炭の低温乾留で得られ
た下記性状のタール400gを、図1に示す構成の工程
に従って表1に示す条件下に酸化改質して改質ピッチを
製造した。酸化改質はフラスコを用いて行った。 比重 1.09 トルエン不溶分(TI) 0.49% キノリン不溶分(QI) 0.09% ナフタリン含有量 1.3% 注:ここで、通常、バインダーピッチに用いられる室炉
タールの性状を以下に示す。 比重 1.19 トルエン不溶分(TI) 6.5% キノリン不溶分(QI) 1.6% ナフタリン含有量 5.0% 低温タールはTI、QIおよびナフタレン含有量が低
く、重質化、芳香族化が進んでいないタールといえる。
【0021】得られた改質ピッチの歩留を求め、かつ得
られた改質ピッチ中のトルエン不溶分(TI)および改
質ピッチの粘度(100℃)(P)を測定し、また、分
離された軽質分の回収量および回収率を求めた。結果を
表1に示す。
【0022】(比較例1〜2)図3に示す構成の工程に
従って酸化改質を行った以外は、実施例1と同様にして
改質ピッチの製造を行い、改質ピッチの歩留を求め、か
つ得られた改質ピッチ中のトルエン不溶分(TI)およ
び改質ピッチの粘度(100℃)(P)を測定し、ま
た、分離された軽質分の回収量および回収率を求めた。
結果を表1に示す。
【0023】
【0024】表1に示す結果において、改質温度とブロ
ー空気量が等しい実施例1と比較例1、および実施例2
と比較例2とを、それぞれ比較してみると、本発明の実
施例方が、改質時間が大幅に短縮され、改質ピッチの歩
留も向上し、さらにTI量の比較からより重質化された
改質ピッチが得られたことが分かる。そのため、本発明
の方法によれば、効率良く改質を行うことができるた
め、従来法によるよりも、短い改質時間と少ないブロー
空気量で従来法と同程度に重質化された改質ピッチを得
ることができることが分かる。
【0025】また、表1に示す結果において、軽質分
(軽質タール+軽質ガス)の回収量および軽質分の回収
率を対比してみると、本発明の実施例の方が従来法の比
較例よりも軽質ガスの回収の点で有利であることが分か
る。さらに、回収軽質分の量は、実施例と比較例におい
て同じであるが、回収率の点では、本発明の実施例の方
が優れていることが分かる。
【0026】(実施例3)実施例1および2で得られた
改質ピッチ(100%)に、軽質タールをそれぞれ1
8.3%および24.0%添加した組成物についてTI
を測定すると、それぞれ14.2%、12.5%であ
り、従来法で得られたものと同等のものが得られること
が分かった。
【0027】
【発明の効果】本発明のタールの改質方法によれば、石
炭の低温乾留により生成するタールから効率良く改質ピ
ッチを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のタールの改質方法を説明する工程
図。
【図2】 本発明の方法による改質ピッチの製造工程
図。
【図3】 従来のタールの改質方法を説明する工程図。
【符号の説明】
1 予熱炉 2 蒸留塔 3 塔底 4 酸化改質槽 5 予熱炉

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 石炭の低温乾留により生成するタールを
    改質ピッチに改質する方法であって、前記タールを蒸留
    してピッチを含む重質分と、軽質タールおよび軽質ガス
    を含む軽質分とに分離する第1工程と、該第1工程で得
    られた重質分を加熱しながら酸化性ガスをブローして重
    質分を酸化改質して改質ピッチを得る第2工程とを有す
    るタールの改質方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のタールの改質方法にお
    いて、第1工程で分離された軽質分中の軽質タールを第
    2工程で得られた改質ピッチに添加することを特徴とす
    るタールの改質方法。
JP3169699A 1991-07-10 1991-07-10 タールの改質方法 Withdrawn JPH0517781A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103525444A (zh) * 2013-10-18 2014-01-22 河南开炭新材料有限公司 一种中温改质沥青提取装置及其提取工艺
CN104004534A (zh) * 2014-05-30 2014-08-27 济钢集团有限公司 一种荒煤气余热处理焦油渣系统
CN104004535A (zh) * 2014-05-30 2014-08-27 济钢集团有限公司 一种焦油渣处理设备

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CN103525444B (zh) * 2013-10-18 2015-02-25 河南开炭新材料有限公司 一种中温改质沥青提取装置及其提取工艺
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Effective date: 19981008