JPH0517603A - プリプレグ - Google Patents
プリプレグInfo
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- JPH0517603A JPH0517603A JP3304988A JP30498891A JPH0517603A JP H0517603 A JPH0517603 A JP H0517603A JP 3304988 A JP3304988 A JP 3304988A JP 30498891 A JP30498891 A JP 30498891A JP H0517603 A JPH0517603 A JP H0517603A
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- JP
- Japan
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- prepreg
- resin
- thermoplastic resin
- fibers
- fiber
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 特に航空機用構造材料として好適な熱的・機
械的性質と共に靱性を有するプリプレグの提供を目的と
する。 【構成】 弾性率200GPa以上の補強用繊維、弾性
率100GPa以下の繊維状熱可塑性樹脂、熱硬化性マ
トリックス樹脂を特定の割合で含むプリプレグから構成
される。
械的性質と共に靱性を有するプリプレグの提供を目的と
する。 【構成】 弾性率200GPa以上の補強用繊維、弾性
率100GPa以下の繊維状熱可塑性樹脂、熱硬化性マ
トリックス樹脂を特定の割合で含むプリプレグから構成
される。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は熱硬化性樹脂をマトリッ
クスとするプリプレグが本来有する優れた取扱性、熱的
性質、機械的性質を損なうことなく、得られる成形物に
優れた靱性を賦与出来る繊維強化複合材料用プリプレグ
に関する。
クスとするプリプレグが本来有する優れた取扱性、熱的
性質、機械的性質を損なうことなく、得られる成形物に
優れた靱性を賦与出来る繊維強化複合材料用プリプレグ
に関する。
【0002】
【従来の技術】炭素繊維等の高強度高弾性繊維を補強材
とする先進複合材料は、その比強度、比弾性に優れると
いう特徴を活かしてスポーツ用途を中心に広く用いられ
てきている。これら先進複合材料は、一般にプリプレグ
と呼ばれる中間基材の形態で提供、利用されるため、マ
トリックス樹脂としてはプリプレグを積層するのに必要
な適度の粘着性(タック)や柔軟性(ドレープ性)を賦
与するのが容易な熱硬化性樹脂が用いられている。
とする先進複合材料は、その比強度、比弾性に優れると
いう特徴を活かしてスポーツ用途を中心に広く用いられ
てきている。これら先進複合材料は、一般にプリプレグ
と呼ばれる中間基材の形態で提供、利用されるため、マ
トリックス樹脂としてはプリプレグを積層するのに必要
な適度の粘着性(タック)や柔軟性(ドレープ性)を賦
与するのが容易な熱硬化性樹脂が用いられている。
【0003】しかしながら、エポキシ樹脂に代表される
熱硬化樹脂は上記の特徴以外にも、耐熱性、耐溶剤性、
機械的特性に優れる等の種々の特徴を有する一方で靱性
に乏しいため耐衝撃性に劣るという欠点を有している。
特に先進複合材料を積層体として用いた場合には衝撃に
対する抵抗性は層間剥離強度によって支配されることが
多いため、靱性の低い熱硬化性樹脂をマトリックスとし
て用いた先進複合材料の耐衝撃性も低いという結果にな
り、そのために先進複合材料の用途、特に構造材料とし
ての用途はかなり制限されたものとなっていた。
熱硬化樹脂は上記の特徴以外にも、耐熱性、耐溶剤性、
機械的特性に優れる等の種々の特徴を有する一方で靱性
に乏しいため耐衝撃性に劣るという欠点を有している。
特に先進複合材料を積層体として用いた場合には衝撃に
対する抵抗性は層間剥離強度によって支配されることが
多いため、靱性の低い熱硬化性樹脂をマトリックスとし
て用いた先進複合材料の耐衝撃性も低いという結果にな
り、そのために先進複合材料の用途、特に構造材料とし
ての用途はかなり制限されたものとなっていた。
【0004】この熱硬化性マトリックス樹脂の欠点を改
良する方法としては、ゴム成分や熱可塑性樹脂を添加す
る方法が知られているが、十分な靱性改良効果をあげる
ためには多量に添加する必要があり、耐熱性、耐溶剤性
等の大幅な低下を招く結果となっていた。
良する方法としては、ゴム成分や熱可塑性樹脂を添加す
る方法が知られているが、十分な靱性改良効果をあげる
ためには多量に添加する必要があり、耐熱性、耐溶剤性
等の大幅な低下を招く結果となっていた。
【0005】また熱可塑性樹脂、特に耐熱性、耐溶剤性
に優れるいわゆるエンジニアリングプラスチックを添加
する方法が特開昭61−212543号公報、特開昭6
1−228016号公報、特開昭58−134111号
公報等に提案され、ゴム成分添加に比べ耐熱性、耐溶剤
性等の低下が抑えられることが報告されているが、十分
な靱性を得るためには多量な添加が必要であり、系全体
の粘度上昇に伴うプリプレグ製造時の工程通過性の低下
あるいはプリプレグのタックレベルの低下といった問題
は、この方法でも依然として大きく残されている。
に優れるいわゆるエンジニアリングプラスチックを添加
する方法が特開昭61−212543号公報、特開昭6
1−228016号公報、特開昭58−134111号
公報等に提案され、ゴム成分添加に比べ耐熱性、耐溶剤
性等の低下が抑えられることが報告されているが、十分
な靱性を得るためには多量な添加が必要であり、系全体
の粘度上昇に伴うプリプレグ製造時の工程通過性の低下
あるいはプリプレグのタックレベルの低下といった問題
は、この方法でも依然として大きく残されている。
【0006】また、これらの熱硬化性マトリックス樹脂
自体の靱性を改良しようとする試みは、積層体の層間剥
離強度を改善するという観点からはあまり効果的な方法
ではない。積層体の層間剥離強度を効果的に改善する目
的で熱可塑性樹脂の微粒子を層間に集中的に分布させる
方法が特開昭1−110537号公報に提案されている
が、プリプレグのタックレベルの大幅な低下が避けられ
ないばかりか、工程の複雑化、品質管理の複雑化等の問
題が新たに発生する。同様の目的で層間にチョップドフ
ァイバー、ミルドファイバー等を局在化させる試みも提
案されているが、同様の問題が避けられないばかりか、
その効果も必ずしも十分なものとはなっていない。
自体の靱性を改良しようとする試みは、積層体の層間剥
離強度を改善するという観点からはあまり効果的な方法
ではない。積層体の層間剥離強度を効果的に改善する目
的で熱可塑性樹脂の微粒子を層間に集中的に分布させる
方法が特開昭1−110537号公報に提案されている
が、プリプレグのタックレベルの大幅な低下が避けられ
ないばかりか、工程の複雑化、品質管理の複雑化等の問
題が新たに発生する。同様の目的で層間にチョップドフ
ァイバー、ミルドファイバー等を局在化させる試みも提
案されているが、同様の問題が避けられないばかりか、
その効果も必ずしも十分なものとはなっていない。
【0007】更に、インターリーフと呼ばれる一種の衝
撃吸収層を層間に挿入する方法もUSP347273
0、特開昭51−58484号公報、特開昭60−63
229号公報、特開昭60−231738号公報等に提
案されているが、いずれも層間が厚くなり繊維比率が低
下したり、耐熱性、取扱性が低下したりするために広く
実用化されるに至っていない。
撃吸収層を層間に挿入する方法もUSP347273
0、特開昭51−58484号公報、特開昭60−63
229号公報、特開昭60−231738号公報等に提
案されているが、いずれも層間が厚くなり繊維比率が低
下したり、耐熱性、取扱性が低下したりするために広く
実用化されるに至っていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は熱硬化性樹脂
をマトリックスとするプリプレグが本来有する優れた取
扱性、熱的性質、機械的性質を損なうことなく、得られ
る成形物に優れた靱性を賦与出来る繊維強化複合材料用
プリプレグを提供することにある。
をマトリックスとするプリプレグが本来有する優れた取
扱性、熱的性質、機械的性質を損なうことなく、得られ
る成形物に優れた靱性を賦与出来る繊維強化複合材料用
プリプレグを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、(A)
弾性率 200GPa以上の補強用繊維 (B)弾性率 100GPa以下の繊維状熱可塑性樹脂 (C)熱硬化性マトリックス樹脂 からなる繊維強化複合材料用プリプレグにおいて、
(B)の繊維状熱可塑性樹脂が、その外表面に局在化し
ていることを特徴とするプリプレグにある。すなわち、
補強用繊維と熱硬化性マトリックス樹脂とからなるベー
スプリプレグに対し、弾性率100GPa以下の熱可塑
性樹脂を繊維状に賦形した後プリプレグの外表面に局在
化するように配置することにより、ベースプリプレグが
本来有する優れた取扱性、熱的性質、機械的性質を損な
うことなく、成形物に優れた靱性を賦与できる繊維強化
複合材料用プリプレグにある。
弾性率 200GPa以上の補強用繊維 (B)弾性率 100GPa以下の繊維状熱可塑性樹脂 (C)熱硬化性マトリックス樹脂 からなる繊維強化複合材料用プリプレグにおいて、
(B)の繊維状熱可塑性樹脂が、その外表面に局在化し
ていることを特徴とするプリプレグにある。すなわち、
補強用繊維と熱硬化性マトリックス樹脂とからなるベー
スプリプレグに対し、弾性率100GPa以下の熱可塑
性樹脂を繊維状に賦形した後プリプレグの外表面に局在
化するように配置することにより、ベースプリプレグが
本来有する優れた取扱性、熱的性質、機械的性質を損な
うことなく、成形物に優れた靱性を賦与できる繊維強化
複合材料用プリプレグにある。
【0010】本発明における(A)の弾性率200GP
a以上の補強用繊維としては炭素繊維、黒鉛繊維、ボロ
ン繊維等通常の繊維強化複合材料に用いられる補強用繊
維がそのまま用いられるが、引張強度3500MPa以
上の炭素繊維、黒鉛繊維が好適に用いられる。なかでも
引張強度4500MPa以上、伸度1.7%以上の高強
度・高伸度の炭素繊維、黒鉛繊維が最も好適に用いられ
る。
a以上の補強用繊維としては炭素繊維、黒鉛繊維、ボロ
ン繊維等通常の繊維強化複合材料に用いられる補強用繊
維がそのまま用いられるが、引張強度3500MPa以
上の炭素繊維、黒鉛繊維が好適に用いられる。なかでも
引張強度4500MPa以上、伸度1.7%以上の高強
度・高伸度の炭素繊維、黒鉛繊維が最も好適に用いられ
る。
【0011】本発明における(B)の弾性率100GP
a以下の繊維状熱可塑性樹脂は本発明における最も重要
な構成要素である。なぜならば繊維状に賦形した熱可塑
性樹脂を用いることにより初めて、ベースプリプレグが
本来有する優れた取扱性、熱的性質、機械的性質を損な
うことなく、成形物に優れた靱性が賦与できる繊維強化
複合材料用プリプレグを提供するという本発明の目的が
達成可能になるからである。すなわち繊維状に賦形する
ことによりプリプレグの表面層に熱可塑性樹脂を効果的
に配置することが可能になるため、少量の熱可塑性樹脂
で十分な靱性の改良が達成でき、しかもプリプレグのタ
ックレベルのコントロールが容易であるため、従来技術
で問題であったタックレベルの低下という問題が起きな
い。更に、微粒子添加系等の従来技術に比べて、熱可塑
性樹脂成分の分布の制御も容易であるため、その分、品
質管理が容易であるというメリットも得られる。また、
従来のプリプレグ製造プロセスがそのまま利用できるの
で工程上の問題も起きない。これらの効果は従来の技術
では得られない効果であり、本発明の(B)の弾性率1
00GPa以下の繊維状熱可塑性樹脂を用いることによ
り初めて得られる効果である。
a以下の繊維状熱可塑性樹脂は本発明における最も重要
な構成要素である。なぜならば繊維状に賦形した熱可塑
性樹脂を用いることにより初めて、ベースプリプレグが
本来有する優れた取扱性、熱的性質、機械的性質を損な
うことなく、成形物に優れた靱性が賦与できる繊維強化
複合材料用プリプレグを提供するという本発明の目的が
達成可能になるからである。すなわち繊維状に賦形する
ことによりプリプレグの表面層に熱可塑性樹脂を効果的
に配置することが可能になるため、少量の熱可塑性樹脂
で十分な靱性の改良が達成でき、しかもプリプレグのタ
ックレベルのコントロールが容易であるため、従来技術
で問題であったタックレベルの低下という問題が起きな
い。更に、微粒子添加系等の従来技術に比べて、熱可塑
性樹脂成分の分布の制御も容易であるため、その分、品
質管理が容易であるというメリットも得られる。また、
従来のプリプレグ製造プロセスがそのまま利用できるの
で工程上の問題も起きない。これらの効果は従来の技術
では得られない効果であり、本発明の(B)の弾性率1
00GPa以下の繊維状熱可塑性樹脂を用いることによ
り初めて得られる効果である。
【0012】本発明における(B)の弾性率100GP
a以下の繊維状熱可塑性樹脂としてはポリエチレン、ポ
リプロピレン、ポリアミド、ポリエステルのほかポリア
セタール、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリス
ルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイ
ミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリフェニレン
オキシド、ポリフェニレンスルフィド、ポリベンズイミ
ダゾール、ポリアリールスルホンなどいわゆるエンジニ
アリングプラスチック、スーパーエンジニアリングプラ
スチックを繊維状に賦形したものが好適に用いられる
が、必ずしもそれらに限定されるものではない。しかし
ながら、ポリパラフェニレンベンズビスチアゾール等の
一部の液晶ポリマーを繊維状に賦形したもの、特殊な方
法で製造される超高弾性率のポリエチレン繊維、ケブラ
ー49に代表される一部のアラミド繊維は弾性率が10
0GPa以上あり、靱性向上効果が乏しいので使用され
ない。
a以下の繊維状熱可塑性樹脂としてはポリエチレン、ポ
リプロピレン、ポリアミド、ポリエステルのほかポリア
セタール、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリス
ルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイ
ミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリフェニレン
オキシド、ポリフェニレンスルフィド、ポリベンズイミ
ダゾール、ポリアリールスルホンなどいわゆるエンジニ
アリングプラスチック、スーパーエンジニアリングプラ
スチックを繊維状に賦形したものが好適に用いられる
が、必ずしもそれらに限定されるものではない。しかし
ながら、ポリパラフェニレンベンズビスチアゾール等の
一部の液晶ポリマーを繊維状に賦形したもの、特殊な方
法で製造される超高弾性率のポリエチレン繊維、ケブラ
ー49に代表される一部のアラミド繊維は弾性率が10
0GPa以上あり、靱性向上効果が乏しいので使用され
ない。
【0013】本発明における(B)の弾性率が100G
Pa以下の繊維状熱可塑性としては分子鎖中に(C)の
熱硬化性マトリックス樹脂と反応し得る反応基を有する
ものが特に好ましい。従って、(C)の熱硬化性マトリ
ックス樹脂がエポキシ樹脂の場合には、(B)の繊維状
熱可塑性樹脂としてはアミノ基、アミド基、フェノール
性水酸基等のエポキシ樹脂と反応しうる官能基を有する
ものが特に好ましい。
Pa以下の繊維状熱可塑性としては分子鎖中に(C)の
熱硬化性マトリックス樹脂と反応し得る反応基を有する
ものが特に好ましい。従って、(C)の熱硬化性マトリ
ックス樹脂がエポキシ樹脂の場合には、(B)の繊維状
熱可塑性樹脂としてはアミノ基、アミド基、フェノール
性水酸基等のエポキシ樹脂と反応しうる官能基を有する
ものが特に好ましい。
【0014】繊維状熱可塑性樹脂の形態としてはモノフ
ィラメントあるいはそれらを束にしたものが好ましいが
必ずしもそれらに限定されるものではない。繊維の直径
としては100μ以下が好ましく、50μ以下が特に好
ましい。マルチフィラメントとして用いる場合にはトー
タルのデニールで1000デニール以下が好ましく、5
00デニール以下が特に好ましい。
ィラメントあるいはそれらを束にしたものが好ましいが
必ずしもそれらに限定されるものではない。繊維の直径
としては100μ以下が好ましく、50μ以下が特に好
ましい。マルチフィラメントとして用いる場合にはトー
タルのデニールで1000デニール以下が好ましく、5
00デニール以下が特に好ましい。
【0015】また、素材、デニール等の異なる2種以上
の繊維状熱可塑性樹脂を組合わせて使用することも可能
である。組合わせの方法については特に制限がなく、2
種の繊維を引揃える方法やインターレース加工等で混合
糸として使用する方法を適宜採用すれば良い。更に、2
種以上の熱可塑性樹脂を同時に紡糸することにより得ら
れる芯/鞘構造、海島構造等の構造を有する複合糸もま
た使用できる。性質の異なる2種以上の繊維を複合糸、
混合糸として用いることは種々の特性のバランスを取る
上で有効な方法のひとつである。短繊維を紡績して得ら
れるいわゆる紡績糸も(B)の繊維状熱可塑性樹脂のひ
とつの好ましい形態のとして例示できる。
の繊維状熱可塑性樹脂を組合わせて使用することも可能
である。組合わせの方法については特に制限がなく、2
種の繊維を引揃える方法やインターレース加工等で混合
糸として使用する方法を適宜採用すれば良い。更に、2
種以上の熱可塑性樹脂を同時に紡糸することにより得ら
れる芯/鞘構造、海島構造等の構造を有する複合糸もま
た使用できる。性質の異なる2種以上の繊維を複合糸、
混合糸として用いることは種々の特性のバランスを取る
上で有効な方法のひとつである。短繊維を紡績して得ら
れるいわゆる紡績糸も(B)の繊維状熱可塑性樹脂のひ
とつの好ましい形態のとして例示できる。
【0016】(B)の繊維状熱可塑性樹脂の比率は
(C)の熱硬化性マトリックス樹脂100重量部に対し
40重量部以下であり、0.5〜20重量部が好まし
い。0.5重量部未満では十分な靱性改良効果は得られ
ないし、逆に40重量部を越えると靱性の改良効果が頭
打ちになるばかりでなく、プリプレグのタックレベルの
低下が起こるため好ましくない。
(C)の熱硬化性マトリックス樹脂100重量部に対し
40重量部以下であり、0.5〜20重量部が好まし
い。0.5重量部未満では十分な靱性改良効果は得られ
ないし、逆に40重量部を越えると靱性の改良効果が頭
打ちになるばかりでなく、プリプレグのタックレベルの
低下が起こるため好ましくない。
【0017】本発明における(B)の繊維状熱可塑性樹
脂はプリプレグ外表面付近に存在していることが重要で
ある。プリプレグの中心部に完全に埋没した状態では十
分な靱性改良効果は得られない。しかしながら、繊維状
熱可塑性樹脂がプリプレグ表面から完全に浮き出ている
状態はやはり好ましくなく、その大半が熱硬化性マトリ
ックス樹脂中に埋没していることが好ましい。また、繊
維状熱可塑性樹脂は等間隔で一方向に引揃えられた状態
で存在するのがより好ましいが必ずしもそれに限定され
るものではない。もちろん、2つ以上の方向に引揃え、
クロスさせて配置することも可能であり、高い効果が得
られるが、工程的には煩雑になる。引揃え方向には特に
制限がなく、補強用繊維に対してあらゆる角度で存在し
得るが補強用繊維と同じ方向に引揃えるのがプロセス上
は最も容易である。
脂はプリプレグ外表面付近に存在していることが重要で
ある。プリプレグの中心部に完全に埋没した状態では十
分な靱性改良効果は得られない。しかしながら、繊維状
熱可塑性樹脂がプリプレグ表面から完全に浮き出ている
状態はやはり好ましくなく、その大半が熱硬化性マトリ
ックス樹脂中に埋没していることが好ましい。また、繊
維状熱可塑性樹脂は等間隔で一方向に引揃えられた状態
で存在するのがより好ましいが必ずしもそれに限定され
るものではない。もちろん、2つ以上の方向に引揃え、
クロスさせて配置することも可能であり、高い効果が得
られるが、工程的には煩雑になる。引揃え方向には特に
制限がなく、補強用繊維に対してあらゆる角度で存在し
得るが補強用繊維と同じ方向に引揃えるのがプロセス上
は最も容易である。
【0018】本発明で用いられる(C)の熱硬化性マト
リックス樹脂としては、硬化して、少なくとも部分的に
三次元硬化物を形成する樹脂であれば使用可能である。
代表的な例としてはエポキシ樹脂、マレイミド樹脂、ポ
リイミド樹脂、シアン酸エステル末端を有する樹脂、ア
セチレン末端を有する樹脂、ビニル末端を有する樹脂、
アリル末端を有する樹脂、ナジック酸末端を有する樹脂
などが挙げられる。
リックス樹脂としては、硬化して、少なくとも部分的に
三次元硬化物を形成する樹脂であれば使用可能である。
代表的な例としてはエポキシ樹脂、マレイミド樹脂、ポ
リイミド樹脂、シアン酸エステル末端を有する樹脂、ア
セチレン末端を有する樹脂、ビニル末端を有する樹脂、
アリル末端を有する樹脂、ナジック酸末端を有する樹脂
などが挙げられる。
【0019】本発明の最も適した熱硬化性マトリックス
樹脂としてエポキシ樹脂が用いられる。特に、アミン
類、フェノール類を前駆体とするエポキシ樹脂が好まし
い。具体的には、テトラグリシジルジアミノジフェニル
メタン、トリグリシジル−p−アミノフェノール、トリ
グリシジル−m−アミノフェノール、トリグリシジルア
ミノクレゾールの各種異性体、ビスフェノールA型エポ
キシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェ
ノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポ
キシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等が挙
げられるが、これに限定されない。またこれらのエポキ
シ樹脂をブロム化したブロム化エポキシ樹脂を用いられ
る。これらのエポキシ樹脂は単独でも用いられるが、そ
の目的に応じて適宜、2種以上の混合物として用いられ
る。エポキシ樹脂は通常、硬化剤と組合わせて用いられ
るが、本発明において用いられる硬化剤にも特に制限は
なくアミノ基、酸無水物基等エポキシ樹脂と反応しうる
官能基を有するものを適宜用いることが可能であるがジ
アミノジフェニルスルホンの各種異性体に代表される芳
香族アミノ類およびジシアンジアミド、アミノ安息香酸
エステル類が適している。
樹脂としてエポキシ樹脂が用いられる。特に、アミン
類、フェノール類を前駆体とするエポキシ樹脂が好まし
い。具体的には、テトラグリシジルジアミノジフェニル
メタン、トリグリシジル−p−アミノフェノール、トリ
グリシジル−m−アミノフェノール、トリグリシジルア
ミノクレゾールの各種異性体、ビスフェノールA型エポ
キシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェ
ノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポ
キシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等が挙
げられるが、これに限定されない。またこれらのエポキ
シ樹脂をブロム化したブロム化エポキシ樹脂を用いられ
る。これらのエポキシ樹脂は単独でも用いられるが、そ
の目的に応じて適宜、2種以上の混合物として用いられ
る。エポキシ樹脂は通常、硬化剤と組合わせて用いられ
るが、本発明において用いられる硬化剤にも特に制限は
なくアミノ基、酸無水物基等エポキシ樹脂と反応しうる
官能基を有するものを適宜用いることが可能であるがジ
アミノジフェニルスルホンの各種異性体に代表される芳
香族アミノ類およびジシアンジアミド、アミノ安息香酸
エステル類が適している。
【0020】本発明における熱硬化性マトリックス樹脂
(C)として上記熱硬化性樹脂に熱可塑性樹脂あるいは
そのオリゴマーを添加したものを用いることもできる。
特にポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリスルホン、
ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン等
のいわゆるエンジニアリングプラスチックが耐熱性の点
から好ましく、熱硬化性樹脂と反応しうる官能基を分子
末端あるいは分子鎖中に有するものがさらに好ましい。
熱硬化性樹脂成分に対する熱可塑性樹脂成分の添加量は
30重量%以下が好ましく、15重量%以下がより好ま
しい。熱可塑性樹脂成分の添加量が30重量%以上にな
ると系の粘度が高くなりすぎてプリプレグ化時の含浸不
良の原因となるだけでなく、プリプレグのタック特性、
ドレープ特性が大幅に低下する原因ともなる。
(C)として上記熱硬化性樹脂に熱可塑性樹脂あるいは
そのオリゴマーを添加したものを用いることもできる。
特にポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリスルホン、
ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン等
のいわゆるエンジニアリングプラスチックが耐熱性の点
から好ましく、熱硬化性樹脂と反応しうる官能基を分子
末端あるいは分子鎖中に有するものがさらに好ましい。
熱硬化性樹脂成分に対する熱可塑性樹脂成分の添加量は
30重量%以下が好ましく、15重量%以下がより好ま
しい。熱可塑性樹脂成分の添加量が30重量%以上にな
ると系の粘度が高くなりすぎてプリプレグ化時の含浸不
良の原因となるだけでなく、プリプレグのタック特性、
ドレープ特性が大幅に低下する原因ともなる。
【0021】また熱硬化性樹脂に微粉末シリカなどの無
機微粒子やブタジエン/アクリロニトリル共重合体等の
エラストマー成分をプリプレグ特性、加工特性、機械的
特性、熱的特性等を犠牲にしない範囲で少量添加するこ
とも可能である。
機微粒子やブタジエン/アクリロニトリル共重合体等の
エラストマー成分をプリプレグ特性、加工特性、機械的
特性、熱的特性等を犠牲にしない範囲で少量添加するこ
とも可能である。
【0022】(A)の弾性率200GPa以上の補強用
繊維と(C)の熱硬化性マトリックス樹脂の比率はその
目的に応じて適宜設定することが可能であるが、重量比
で(A)/(C)=40/60〜85/15の範囲が適
当である。より好ましい範囲は(A)/(C)=60/
40〜75/25である。
繊維と(C)の熱硬化性マトリックス樹脂の比率はその
目的に応じて適宜設定することが可能であるが、重量比
で(A)/(C)=40/60〜85/15の範囲が適
当である。より好ましい範囲は(A)/(C)=60/
40〜75/25である。
【0023】(A)の弾性率200GPa以上の補強用
繊維と(C)の熱硬化性マトリックス樹脂ならびに
(B)の弾性率100GPa以下の繊維状熱可塑性樹脂
からこのようなプリプレグを製造する方法に関しては特
に制限はなく、目的とするプリプレグが得られる方法で
あればいかなる方法でもさしつかえない。例えば、以下
の方法が例示できるが必ずしもそれらに限定されること
はない。 (方法1) (A)の補強用繊維と(C)の熱硬化性マトリックス樹
脂とから得られるベースプリプレグ上に(B)の繊維状
熱可塑性樹脂を配列し、加熱含浸させる。 (方法2) (C)の熱硬化性マトリックス樹脂を塗布した離型紙上
に(A)の補強用繊維と(B)の繊維状熱可塑性樹脂と
を同時に供給し、含浸させる。 (方法3) (C)の熱硬化性マトリックス樹脂を塗布した離型紙上
に(B)の繊維状熱可塑性樹脂を配列固定した後、
(A)の補強用繊維を重ね合わせ含浸させる。
繊維と(C)の熱硬化性マトリックス樹脂ならびに
(B)の弾性率100GPa以下の繊維状熱可塑性樹脂
からこのようなプリプレグを製造する方法に関しては特
に制限はなく、目的とするプリプレグが得られる方法で
あればいかなる方法でもさしつかえない。例えば、以下
の方法が例示できるが必ずしもそれらに限定されること
はない。 (方法1) (A)の補強用繊維と(C)の熱硬化性マトリックス樹
脂とから得られるベースプリプレグ上に(B)の繊維状
熱可塑性樹脂を配列し、加熱含浸させる。 (方法2) (C)の熱硬化性マトリックス樹脂を塗布した離型紙上
に(A)の補強用繊維と(B)の繊維状熱可塑性樹脂と
を同時に供給し、含浸させる。 (方法3) (C)の熱硬化性マトリックス樹脂を塗布した離型紙上
に(B)の繊維状熱可塑性樹脂を配列固定した後、
(A)の補強用繊維を重ね合わせ含浸させる。
【0024】
【発明の効果】本発明のプリプレグは従来の熱硬化性樹
脂をマトリックスとするプリプレグと同等の優れた取扱
性を有するだけでなく、熱的性質、機械的性質を損なう
ことなく、得られる成形物に優れた靱性を賦与できるも
のである。特に衝撃を受けたときの層間剥離に対する抵
抗力が高いので航空機用構造材料等として好適に使用さ
れる。
脂をマトリックスとするプリプレグと同等の優れた取扱
性を有するだけでなく、熱的性質、機械的性質を損なう
ことなく、得られる成形物に優れた靱性を賦与できるも
のである。特に衝撃を受けたときの層間剥離に対する抵
抗力が高いので航空機用構造材料等として好適に使用さ
れる。
【0025】
【実施例】以下実施例により本発明を具体的に説明す
る。なお、実施例中の配合部数はすべて重量部であり、
用いたエポキシ樹脂は以下の通りである。 YH434L ;テトラグリシジルジアミン型エポキ
シ樹脂(東都化成社製) ELM−100 ;トリグリシジルジアミン型エポキシ
樹脂(住友化学社製) エピコート828;ビスフェノールA型エポキシ樹脂
(油化シェル社製) エピコート807;ビスフェノールF型エポキシ樹脂
(油化シェル社製)
る。なお、実施例中の配合部数はすべて重量部であり、
用いたエポキシ樹脂は以下の通りである。 YH434L ;テトラグリシジルジアミン型エポキ
シ樹脂(東都化成社製) ELM−100 ;トリグリシジルジアミン型エポキシ
樹脂(住友化学社製) エピコート828;ビスフェノールA型エポキシ樹脂
(油化シェル社製) エピコート807;ビスフェノールF型エポキシ樹脂
(油化シェル社製)
【0026】実施例1〜3
表1に示す樹脂組成物と高強度中弾性炭素繊維(三菱レ
イヨン製、MR60P、引張強度5600MPa,弾性
率310GPa,伸度1.9%)とから一方向プリプレ
グをホットメルト法で製造した。プリプレグのCF目付
は145g/m2、樹脂含有率は34重量%であった。
このプリプレグに見掛けの太さ約40μ(トータルデニ
ール 90d)の合糸されたナイロン12繊維(弾性率
約2GPa、フィラメント数 24fil)を片面当り
の繊維目付を3g/m2になるようにフィラメントワイ
ンディング法でプリプレグ両面にワインドし、本発明の
プリプレグを製造した。このプリプレグから所定の寸法
の小片を切り出し、積層後オートクレーブ成形で衝撃後
圧縮強度測定用の試験片を成形した。(硬化条件:18
0℃×2時間)この試験片を用いてSACMA(Sup
pliers of Advanced Compos
ite Materials Associatio
n)のRecommended Method SRM
2−88に準拠して270 lb−in衝撃後の圧縮強
度を測定し、表1に示す結果を得た。
イヨン製、MR60P、引張強度5600MPa,弾性
率310GPa,伸度1.9%)とから一方向プリプレ
グをホットメルト法で製造した。プリプレグのCF目付
は145g/m2、樹脂含有率は34重量%であった。
このプリプレグに見掛けの太さ約40μ(トータルデニ
ール 90d)の合糸されたナイロン12繊維(弾性率
約2GPa、フィラメント数 24fil)を片面当り
の繊維目付を3g/m2になるようにフィラメントワイ
ンディング法でプリプレグ両面にワインドし、本発明の
プリプレグを製造した。このプリプレグから所定の寸法
の小片を切り出し、積層後オートクレーブ成形で衝撃後
圧縮強度測定用の試験片を成形した。(硬化条件:18
0℃×2時間)この試験片を用いてSACMA(Sup
pliers of Advanced Compos
ite Materials Associatio
n)のRecommended Method SRM
2−88に準拠して270 lb−in衝撃後の圧縮強
度を測定し、表1に示す結果を得た。
【0027】
【表1】
【0028】比較例1〜3
プリプレグの樹脂含有率が36重量%になるような樹脂
フィルムを用いる他は実施例1と同様にして一方向プリ
プレグを製造した。このプリプレグを用いナイロン12
繊維を付着させることなしに実施例1と同様に評価し
た。結果を表1に併せて示した。
フィルムを用いる他は実施例1と同様にして一方向プリ
プレグを製造した。このプリプレグを用いナイロン12
繊維を付着させることなしに実施例1と同様に評価し
た。結果を表1に併せて示した。
【0029】実施例4〜6および比較例4〜6
実施例と同様にしてMR60Pと表2に示す樹脂組成物
とからCF目付190g/m2、樹脂含有率34重量%
のプリプレグを得た。このプリプレグの両面にナイロン
12のマルチフィラメント(81d、36fil)を3
mmピッチでワインドし、実施例1と同様に評価した。
結果を表2に示した。また、プリプレグの樹脂含有率が
36重量%になるような樹脂フィルムを用いて同様にし
てプリプレグを製造し、ナイロンを付着させることなし
に評価した。結果を表2に併せて示した。
とからCF目付190g/m2、樹脂含有率34重量%
のプリプレグを得た。このプリプレグの両面にナイロン
12のマルチフィラメント(81d、36fil)を3
mmピッチでワインドし、実施例1と同様に評価した。
結果を表2に示した。また、プリプレグの樹脂含有率が
36重量%になるような樹脂フィルムを用いて同様にし
てプリプレグを製造し、ナイロンを付着させることなし
に評価した。結果を表2に併せて示した。
【0030】
【表2】
【0031】実施例7〜10
用いるナイロン12のマルチフィラメントのピッチを表
3に示すように変える以外は実施例1と同様にしてプリ
プレグを製造し、衝撃後の圧縮強度を測定した。得られ
た結果は表3に示した。
3に示すように変える以外は実施例1と同様にしてプリ
プレグを製造し、衝撃後の圧縮強度を測定した。得られ
た結果は表3に示した。
【0032】
【表3】
【0033】実施例11〜15
用いるナイロン12のフィラメントのトータルデニー
ル、フィラメント数およびピッチを表4に変える以外は
実施例4と同様にしてプリプレグを製造し、衝撃後の圧
縮強度を測定した。得られる結果は表4に示した。
ル、フィラメント数およびピッチを表4に変える以外は
実施例4と同様にしてプリプレグを製造し、衝撃後の圧
縮強度を測定した。得られる結果は表4に示した。
【0034】
【表4】
【0035】実施例16
ナイロン12のマルチフィラメントの代わりに、ナイロ
ン612のモノフィラメント(トータルデニール 90
d、弾性率約2GPa)を用いる以外は実施例4と同様
にしてプリプレグを製造し、衝撃後の圧縮強度を測定し
た得られた衝撃後の圧縮強度は325MPaであった。
ン612のモノフィラメント(トータルデニール 90
d、弾性率約2GPa)を用いる以外は実施例4と同様
にしてプリプレグを製造し、衝撃後の圧縮強度を測定し
た得られた衝撃後の圧縮強度は325MPaであった。
【0036】実施例17
エピコート807、680g、ELM−100、477
g、テトラメチルビスフェノールA、426gを反応容
器に仕込120℃で8時間反応させて、これらの予備反
応物を得た。この予備反応物35部にエピコート80
7、25部とYH434L、40部とを配合し、全体が
均一になるまで十分に混合した。得られた樹脂組成物と
高強度中弾性炭素繊維、MR60Pとから一方向プリプ
レグをホットメルト法で製造した。プリプレグのCF目
付は190g/m2、樹脂含有率34重量%であった。
このプリプレグの両面にナイロン12のマルチフィラメ
ント(81d、36fil)を3mmピッチでワインド
し、実施例1と同様に衝撃後の圧縮強度を測定した。得
られた衝撃後の圧縮強度は364MPaであった。
g、テトラメチルビスフェノールA、426gを反応容
器に仕込120℃で8時間反応させて、これらの予備反
応物を得た。この予備反応物35部にエピコート80
7、25部とYH434L、40部とを配合し、全体が
均一になるまで十分に混合した。得られた樹脂組成物と
高強度中弾性炭素繊維、MR60Pとから一方向プリプ
レグをホットメルト法で製造した。プリプレグのCF目
付は190g/m2、樹脂含有率34重量%であった。
このプリプレグの両面にナイロン12のマルチフィラメ
ント(81d、36fil)を3mmピッチでワインド
し、実施例1と同様に衝撃後の圧縮強度を測定した。得
られた衝撃後の圧縮強度は364MPaであった。
【0037】比較例7
プリプレグの樹脂含有率が36重量%になるような樹脂
フィルムを用いる他は実施例17と同様にして一方向プ
リプレグを製造した。このプリプレグを用いナイロン1
2繊維を付着させることなしに実施例17と同様に衝撃
後の圧縮強度を測定した。得られた衝撃後の圧縮強度は
274MPaであった。
フィルムを用いる他は実施例17と同様にして一方向プ
リプレグを製造した。このプリプレグを用いナイロン1
2繊維を付着させることなしに実施例17と同様に衝撃
後の圧縮強度を測定した。得られた衝撃後の圧縮強度は
274MPaであった。
【0038】実施例18
ナイロン12のマルチフィラメントの代わりに、ナイロ
ン612ののマルチフィラメント(トータルデニール
90d、フィラメント数 18fil、弾性率約2GP
a)を用いる以外は実施例17と同様にしてプリプレグ
を製造し、衝撃後の圧縮強度を測定した。得られた衝撃
後の圧縮強度は334MPaであった。
ン612ののマルチフィラメント(トータルデニール
90d、フィラメント数 18fil、弾性率約2GP
a)を用いる以外は実施例17と同様にしてプリプレグ
を製造し、衝撃後の圧縮強度を測定した。得られた衝撃
後の圧縮強度は334MPaであった。
【0039】実施例19
ナイイロン12の代わりに、非晶性ナイロン(Dynamit
Nobel社製 Trogamid-T)のマルチフィラメント(ト
ータルデニール 90d、フィラメント数 18fi
l、弾性率約2GPa)を用いる以外は、実施例17と
同様にしてプリプレグを製造し、衝撃後の圧縮強度を測
定した。得られた衝撃後の圧縮強度は339MPaであ
った。
Nobel社製 Trogamid-T)のマルチフィラメント(ト
ータルデニール 90d、フィラメント数 18fi
l、弾性率約2GPa)を用いる以外は、実施例17と
同様にしてプリプレグを製造し、衝撃後の圧縮強度を測
定した。得られた衝撃後の圧縮強度は339MPaであ
った。
【0040】実施例20
ナイイロン12のマルチフィラメント(81d、18f
il)の代わりに、Trogamid-Tのマルチフィラメント
(90d、18fil)とナイロン12のマルチフィラ
メント(81d、36fil)とを合糸した混合糸を用
い、6mmピッチでワインドする以外は、実施例17と
同様にしてプリプレグを製造し、衝撃後の圧縮強度を測
定した。得られた衝撃後の圧縮強度は341MPaであ
った。
il)の代わりに、Trogamid-Tのマルチフィラメント
(90d、18fil)とナイロン12のマルチフィラ
メント(81d、36fil)とを合糸した混合糸を用
い、6mmピッチでワインドする以外は、実施例17と
同様にしてプリプレグを製造し、衝撃後の圧縮強度を測
定した。得られた衝撃後の圧縮強度は341MPaであ
った。
【0041】実施例21
ナイイロン12のマルチフィラメントの代わりに、芯部
分がTrogamid-Tで鞘部分がナイロン12からなる芯/鞘
構造の複合糸(90d,18fil、芯/鞘比=50/
50(重量比))を以外は、実施例17と同様にしてプ
リプレグを製造し、衝撃後の圧縮強度を測定した。得ら
れた衝撃後の圧縮強度は342MPaであった。
分がTrogamid-Tで鞘部分がナイロン12からなる芯/鞘
構造の複合糸(90d,18fil、芯/鞘比=50/
50(重量比))を以外は、実施例17と同様にしてプ
リプレグを製造し、衝撃後の圧縮強度を測定した。得ら
れた衝撃後の圧縮強度は342MPaであった。
【手続補正書】
【提出日】平成4年2月24日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】変更
【補正内容】
【0025】
【実施例】以下実施例により本発明を具体的に説明す
る。なお、実施例中の配合部数はすべて重量部であり、
用いたエポキシ樹脂は以下の通りである。 YH434L ;テトラグリシジルジアミン型エポキ
シ樹脂(東都化成社製) ELM−100 ;3官能性グリシジルジアミン型エポ
キシ樹脂(住友化学社製) エピコート828;ビスフェノールA型エポキシ樹脂
(油化シェル社製) エピコート807;ビスフェノールF型エポキシ樹脂
(油化シェル社製)
る。なお、実施例中の配合部数はすべて重量部であり、
用いたエポキシ樹脂は以下の通りである。 YH434L ;テトラグリシジルジアミン型エポキ
シ樹脂(東都化成社製) ELM−100 ;3官能性グリシジルジアミン型エポ
キシ樹脂(住友化学社製) エピコート828;ビスフェノールA型エポキシ樹脂
(油化シェル社製) エピコート807;ビスフェノールF型エポキシ樹脂
(油化シェル社製)
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0039
【補正方法】変更
【補正内容】
【0039】実施例19ナイロン
12の代わりに、非晶性ナイロン(Dynamit N
obel社製 Trogamid-T)のマルチフィラメント(トータ
ルデニール 90d、フィラメント数 18fil、弾
性率約2GPa)を用いる以外は、実施例17と同様に
してプリプレグを製造し、衝撃後の圧縮強度を測定し
た。得られた衝撃後の圧縮強度は339MPaであっ
た。
obel社製 Trogamid-T)のマルチフィラメント(トータ
ルデニール 90d、フィラメント数 18fil、弾
性率約2GPa)を用いる以外は、実施例17と同様に
してプリプレグを製造し、衝撃後の圧縮強度を測定し
た。得られた衝撃後の圧縮強度は339MPaであっ
た。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0040
【補正方法】変更
【補正内容】
【0040】実施例20ナイロン
12のマルチフィラメント(81d、18fi
l)の代わりに、Trogamid-Tのマルチフィラメント(9
0d、18fil)とナイロン12のマルチフィラメン
ト(81d、36fil)とを合糸した混合糸を用い、
6mmピッチでワインドする以外は、実施例17と同様
にしてプリプレグを製造し、衝撃後の圧縮強度を測定し
た。得られた衝撃後の圧縮強度は341MPaであっ
た。
l)の代わりに、Trogamid-Tのマルチフィラメント(9
0d、18fil)とナイロン12のマルチフィラメン
ト(81d、36fil)とを合糸した混合糸を用い、
6mmピッチでワインドする以外は、実施例17と同様
にしてプリプレグを製造し、衝撃後の圧縮強度を測定し
た。得られた衝撃後の圧縮強度は341MPaであっ
た。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0041
【補正方法】変更
【補正内容】
【0041】実施例21ナイロン
12のマルチフィラメントの代わりに、芯部分
がTrogamid-Tで鞘部分がナイロン12からなる芯/鞘構
造の複合糸(90d,18fil、芯/鞘比=50/5
0(重量比))を以外は、実施例17と同様にしてプリ
プレグを製造し、衝撃後の圧縮強度を測定した。得られ
た衝撃後の圧縮強度は342MPaであった。
がTrogamid-Tで鞘部分がナイロン12からなる芯/鞘構
造の複合糸(90d,18fil、芯/鞘比=50/5
0(重量比))を以外は、実施例17と同様にしてプリ
プレグを製造し、衝撃後の圧縮強度を測定した。得られ
た衝撃後の圧縮強度は342MPaであった。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所
C08L 63:00 8416−4J
(72)発明者 後藤 和也
愛知県名古屋市東区砂田橋四丁目1番60号
三菱レイヨン株式会社商品開発研究所内
(72)発明者 村田 多加志
愛知県名古屋市東区砂田橋四丁目1番60号
三菱レイヨン株式会社商品開発研究所内
(72)発明者 加藤 武
愛知県名古屋市東区砂田橋四丁目1番60号
三菱レイヨン株式会社商品開発研究所内
(72)発明者 多田 尚
愛知県名古屋市東区砂田橋四丁目1番60号
三菱レイヨン株式会社商品開発研究所内
Claims (9)
- 【請求項1】 (A)弾性率 200GPa以上の補強
用繊維 (B)弾性率 100GPa以下の繊維状熱可塑性樹脂 (C)熱硬化性マトリックス樹脂 からなる繊維強化複合材料用プリプレグにおいて、
(B)の繊維状熱可塑性樹脂が、その外表面に局在化し
ていることを特徴とするプリプレグ。 - 【請求項2】 (A),(B),(C)各成分の比率が
下記の範囲内にあることを特徴とする請求項1記載のプ
リプレグ。 (A)/(C)=40/60〜85/15(重量比) (B)/(C)=0.5/100〜40/100(重量
比) - 【請求項3】 (A),(B),(C)各成分の比率が
下記の範囲内にあることを特徴とする請求項1記載のプ
リプレグ。 (A)/(C)=60/40〜75/25(重量比) (B)/(C)=0.5/100〜20/100(重量
比) - 【請求項4】 (A)が引張強度3500MPa以上の
炭素繊維あるいは黒鉛繊維であることを特徴とする請求
項1記載のプリプレグ。 - 【請求項5】 (B)の繊維状熱可塑性樹脂がモノある
いはマルチフィラメントであることを特徴とする請求項
1記載のプリプレグ。 - 【請求項6】 (B)の繊維状熱可塑性樹脂が2種以上
の熱可塑性樹脂を複合紡糸した繊維状熱可塑性樹脂であ
ることを特徴とする請求項1記載のプリプレグ。 - 【請求項7】 (B)の繊維状熱可塑性樹脂が一方向に
一定間隔でその外表面局在化して配列されていることを
特徴とする請求項1記載のプリプレグ。 - 【請求項8】 (C)がエポキシ樹脂を主成分とする熱
硬化性マトリックス樹脂であることを特徴とする請求項
1記載のプリプレグ。 - 【請求項9】 (B)の繊維状熱可塑性樹脂がアミノ
基、アミド基、フェノール性水酸基等のエポキシ樹脂と
反応し得る官能基を有する熱可塑性樹脂の繊維状物であ
ることを特徴とする請求項8記載のプリプレグ。
Applications Claiming Priority (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2-331834 | 1990-11-29 | ||
JP33183490 | 1990-11-29 | ||
JP3-36102 | 1991-03-01 | ||
JP3610291 | 1991-03-01 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0517603A true JPH0517603A (ja) | 1993-01-26 |
Family
ID=26375140
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3304988A Pending JPH0517603A (ja) | 1990-11-29 | 1991-11-20 | プリプレグ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0517603A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004017411A (ja) * | 2002-06-14 | 2004-01-22 | Murata Mach Ltd | 組物の積層構造 |
-
1991
- 1991-11-20 JP JP3304988A patent/JPH0517603A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004017411A (ja) * | 2002-06-14 | 2004-01-22 | Murata Mach Ltd | 組物の積層構造 |
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