JPH0517437U

JPH0517437U - 空調機器用ル−バ−

Info

Publication number: JPH0517437U
Application number: JP070102U
Authority: JP
Inventors: 博上田
Original assignee: 伸和工業株式会社
Priority date: 1991-08-07
Filing date: 1991-08-07
Publication date: 1993-03-05

Abstract

(57)【要約】【目的】排風と同時に、室内の臭気、殺菌、防かび効
果を発揮させる。【構成】ル−バ−１を構成するプラスチック製等の板
材１ａの表面に、防臭剤、抗菌剤、防かび剤のうち一
種、二種、あるいは三種を混合した薬剤４を含有させた
パイル５を電着植毛する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、建物や車両等の内部の温度、湿度等の空気の状態を、外界の気候とは無関係に最適の状態に保つための空気調整機器用ル−バ−に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来のこの種のル−バ−は、プラスチック製等の板材を複数枚、一定の間隔を置いて対面配置させ、各板材の間を通気口に構成したものである。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、上記従来のル−バ−は、表面が平滑なプラスチック製の板材のみから構成されているため、冷風あるいは温風のみが通気口から排出されるに過ぎず、室内の温湿度の調整は行なわれるが、室内の空気を清浄、殺菌する等清潔、快適な住空間が得られるものではなかった。

【０００４】本考案は、上記従来の技術の有するこのような問題点に鑑みてなされたもので、その目的とするとこをは、室内の温湿度の調整のみならず、消臭、抗菌、防かび機能を発揮することによって、清潔、快適な住空間が得られるようにした空調機器用ル−バ−を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために、本考案の空調機器用ル−バ−は、ル−バ−を構成するプラスチック製等の板材の表面に、消臭剤、抗菌剤、防かび剤のうち、少なくとも一種類の薬剤を含有させたパイルを電着植毛したことを特徴とする。

【０００６】

【作用】

ル−バ−は、空調機器の正面下方に設けられた排風口に配設され、空調機器の稼動により、当該排風口から排出された冷風または温風が、ル−バ−を構成する板材間に形成された通気口から室内に排気される。このような排風が連続的に行なわれることで、室内の空気は、外界の気候（温度、湿度）とは無関係に最適な状態に調整される。

【０００７】本案ル−バ−は、その板材の表面に各種薬剤を含有させたパイルが電着してあるので、前記の排風時に室内へ薬剤が連続して散布される。

【０００８】而して、パイルに消臭剤を含有させた場合は、室内の悪臭成分の活性をうばい消臭効果を発揮し、抗菌剤、防かび剤をパイルに含有させた場合は、室内空気を除菌することによって、例えば、壁紙等に「シミ」が付くのを効果的に防止しえる。また、上記した三種類の混合薬剤をパイルに含有させた場合は、消臭性能に抗菌、防かび性もあわせて備えることにより、室内の空気が清浄、殺菌され、清潔、快適な生活空間が得られることになる。

【０００９】

【実施例】

以下、本考案の実施例について図面を参照して説明する。図１の（Ａ）は空調機器の全体斜視図を示し、（Ｂ）は空調機器の外筐と本案ル−バ−の関係を示す概略の側面図、第２図はパイルの拡大断面図を示す。図１（Ａ）に示したように、本案ル−バ−１は、空調機器２の外筐２ａの前面下方に設けられた排風口３に上下に風向きが調節できるように、上下回動自在に配設されている。

【００１０】また、図１（Ｂ）に示したように、本案ル−バ−１は、プラスチック製の帯状の板材１ａ、１ａ・・・を複数枚（図示例では２枚）、一定の間隔を置いて対面配置させ、各板材１ａ、１ａ・・・の間を上記排風口３に連なる通気口１ｂ・・・に構成したものである。矢印は排風方向を示すものである。ル−バ−１を構成する板材１ａ、１ａ・・・の素材は、後述するパイルを静電植毛可能なものであればプラスチックの外に、金属板等でも良い。

【００１１】而して、本案ル−バ−１は、図２に示したように、消臭剤、抗菌剤、防かび剤のうち、少なくとも一種類の薬剤４を含有させたパイル５・・・を、図１（Ｂ）に示したように、上記板材１ａ、１ａ・・・の表面に静電植毛したものである。

【００１２】上記パイル５は、ナイロン、アクリル、レ−ヨン、ポリエステル、ビニロン、その他上記板材１ａ、１ａ・・・に静電植毛可能なものであれば、とのようなものでもよい。

【００１３】上記薬剤４は、前記した三種類のうち、一種類以外に、二種あるいは三種の混合物の何れであってもよい。また、上記薬剤４は、パイル５の表面にスプレ−等にて塗布するか、パイル５を板材１ａ、１ａ・・・に電着植毛する際に使用するバインダ−（接着剤）に含浸する。

【００１４】上記パイル５に含有させる薬剤には、脱臭性を有するゼオライトに抗菌性金属イオンを付加したものや、塗料型セラミックコ−ティング剤がある。この塗料型セラミックコ−ティング剤は、ケイ酸塩、ジルコニウム塩、リン酸塩、レラン化合物、有機金属化合物、有機樹脂等の結合剤にゼオライト等の充填剤溶剤と添加剤等からなり、金属イオンを含有する塗膜の抗菌性及びゼオライトの脱臭性により抗菌脱臭効果を生じる。

【００１５】また、消臭剤としては、ダイムシュ−（大日精化工業株式会社の商品名）及びエポリオン（エポリオン株式会社の商品名）並びにデオメ−ル（株式会社サンセイの商品名）等がある。ダイムシュ−は、有機酸をベ−スとする複合物であり、臭気成分のみと化学反応してにおいを感じにくくする。特に、アンモニア、トリメチルアミン、硫化水素に対して効果がある。

【００１６】エポリオンには、アンモニア、トリメチルアミン等のアルカリ性臭用（成分：植物性有機酸合成物、ベタイン化合物、界面活性剤）と、硫化水素、硫化メチル、メチルメカプタン等の酸性臭用（成分：アミン化合物、ペタイン化合物、界面活性剤）と、脂肪酸酸化物臭の中性臭用（成分：アルデヒト類、ベタイン化合物、界面活性剤）がある。アルカリ性臭用は、生ゴミ臭、し尿臭の脱臭に効果があり、酸性臭用は、酢酸臭、スクラップミ−ト（油等の腐敗臭、油分解）の脱臭に効果があり、中性臭用は、トイレ臭、体臭、配水管、し尿臭、生ゴミ臭の脱臭に効果がある。

【００１７】デオメ−ルは、脱臭剤の成分がジアルキルアミノアリルスホン酸塩で硫化水素やアンモニア等の臭気成分を中和反応により除去するもので、その特徴は、多種の臭気成分と結合して臭気を除去することと、消臭した成分の再発防止効果により効果を持続し、また、人畜無害であり、二次公害の心配がない。

【００１８】前記した抗菌、殺菌剤としては、シリコン第４級アンモニウム塩、有機窒素化合物、ジフェニルエ−テル系化合物、ハロゲン化芳香族化合物等がある。これらの化学物質は、ブドウ状球菌、大腸菌等の殺菌類やイ−スト菌、かび類等と、接触して細胞を侵し、繁殖を妨げる作用を持つ。また、人体に対して無害である。前記した消臭剤、抗菌剤、防かび剤は、上記したもの以外に、公知のものを使用することができる。

【００１９】

【考案の効果】

本考案は、以上説明したように構成されているので、ル−バ−の通風口から排風される際、パイルに含有される薬剤が室内へ散布され、室内の消臭、殺菌、防かび効果を発揮するので、例えば、壁紙等にかびによって「シミ」が付くのを室内を除菌することによって防止できると共に、タバコの煙や臭い、体臭、その他の悪臭を消臭できることによって、清潔、快適な住空間を得られる効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】（Ａ）、（Ｂ）は本考案に係る空調機器用ル−
バ−の実施例を示した機器全体の斜視図と、一部を切欠
いた概略側面図である。

【図２】同実施例の表面に薬剤を含有させたパイルの一
部拡大断面図である。

【符号の説明】

１ル−バ− １ａ板材２空調機器４薬剤５パイル

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】ル−バ−を構成するプラスチック製等の
板材の表面に、消臭剤、抗菌剤、防かび剤のうち、少な
くとも一種類の薬剤を含有させたパイルを電着植毛した
ことを特徴とする空調機器用ル−バ−。