JPH05173557A - 自動採譜装置 - Google Patents

自動採譜装置

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JPH05173557A
JPH05173557A JP3342768A JP34276891A JPH05173557A JP H05173557 A JPH05173557 A JP H05173557A JP 3342768 A JP3342768 A JP 3342768A JP 34276891 A JP34276891 A JP 34276891A JP H05173557 A JPH05173557 A JP H05173557A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 取り込んだ音楽信号を周波数分析し、その結
果より基本周波数を抽出したのち音符情報に変換し、こ
の音符情報から音楽の進行に合わせた和音(コード)を
構築することができる自動採譜装置。 【構成】 信号取り込み部21、FFT処理部22、基
本周波数候補抽出部23、音符情報変換部24で音楽を
音符情報として採譜し、この音符情報より和音候補抽出
部25で和音候補を抽出し、抽出された和音候補から調
の決定部26で曲の調を決定し、和音候補と曲の調から
コード構築部27でコードの構築を行い、出力部28か
らコードを出力するように構成された自動採譜装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、音楽信号を楽譜もしく
は楽譜に相当する符号に変換する自動採譜装置に係り、
さらに詳細には、採譜結果から音楽の進行に合わせた和
音(コード)を構築するための構成に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、複数の楽器によって演奏された音
楽の採譜は、音楽的知識を有する採譜者によって行なわ
れてきた。また、音楽の進行に合わせた和音(コード)
も同様に、採譜者が自らの音楽的知識を用いて、採譜し
た楽譜に書き込んでいた。
【0003】これに対して、本出願人は、複数の楽器に
よって演奏された音楽を、計算機によって自動的に採譜
する装置を既に提案している(特願平3−11432
号)。
【0004】更には、音楽の旋律を人が手作業で計算機
に入力し、入力した旋律にあった和音(コード)を構築
する研究は、これまでになされたことがある(情報処理
学会第32回全国大会講演論文集2137−2138ペ
ージ等)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
計算機によるコードの構築は、入力が旋律の単音である
ため、複数の楽器による音楽に対する自動採譜結果に
は、ただちに応用することはできなかった。これは、複
数の楽器によって同時に音が発生された場合、自動採譜
結果もそれに応じて、複数の音が含まれるからである。
また、上述の計算機によるコードの構築は、人が手作業
で旋律を入力する際に、ハ長調(もしくはイ短調)に移
調してから入力する必要があったが、実際の音楽は様々
な調で演奏されている。上記理由により、従来の技術を
単に結合させただけでは、自動採譜結果から、計算機に
よってコードを構築することは不可能であった。
【0006】本発明は、上述した問題点を解決するため
のものであり、複数の楽器によって演奏された音楽の自
動採譜結果から、計算機によって、音楽の進行に合わせ
た和音(コード)を構築することのできる自動採譜装置
を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明の自動採譜装置は、音楽信号を取り込みA/D
変換する信号取り込み部と、前記信号取り込み部で取り
込んだデータに対して、一定時間毎に周波数解析を行
い、一定時間内での周波数方向のパワー・スペクトルを
計算する周波数解析処理部と、前記周波数解析処理部に
より計算されたパワー・スペクトルより基本周波数の候
補を抽出する基本周波数候補抽出部と、前記基本周波数
候補抽出部の処理結果を、音高,音強,音長などの情報
を含む音符情報に変換する音符情報変換部と、前記音符
情報変換部から音符情報を受け取り、一定時間内に存在
する各音符を組合わせてなる全ての和音を抽出する和音
候補抽出部と、前記和音候補抽出部で抽出された和音の
候補の出現の仕方から、演奏された音楽の調を決定する
調決定部と、前記調決定部で決定された音楽の調に合わ
せて、前記和音候補抽出部で抽出された和音の候補を和
音進行のルールに従って結合し、音楽の進行に合わせた
和音(コード)を構築するコード構築部と、前記コード
構築部の処理結果を出力する出力部とを備えている。
【0008】
【作用】本発明の構成によれば、信号取り込み部は音楽
信号を取り込んでA/D変換し、計算機内で扱えるデジ
タル信号にする。
【0009】周波数解析処理部は、前記信号取り込み部
で取り込んだデータに対して、一定時間毎に周波数解析
を行うことにより、一定時間内における周波数方向のパ
ワー・スペクトルを計算する。
【0010】基本周波数候補抽出部は、前記パワー・ス
ペクトルより基本周波数の候補を抽出する。
【0011】音符情報変換部は、前記基本周波数候補抽
出部の処理結果を、音高,音強,音長などの情報を含む
音符情報に変換する。
【0012】和音候補抽出部は、前記音符情報変換部か
ら音符情報を受け取り、一定時間内に存在する各音符を
組合わせてなる全ての和音を抽出する。
【0013】調決定部は、前記和音候補抽出部で抽出さ
れた和音の候補の出現の仕方から、演奏された音楽の調
を決定する。
【0014】コード構築部は、前記調決定部で決定され
た音楽の調に合わせて、前記和音候補抽出部で抽出され
た和音の候補を和音進行のルールに従って結合し、音楽
の進行に合わせた和音(コード)を構築する。
【0015】出力部は、前記コード構築部の処理結果を
出力する。
【0016】
【実施例】以下、本発明を具体化した一実施例を図面を
参照して説明する。
【0017】図1は本発明による自動採譜装置のブロッ
ク図である。本装置は、音楽信号が入力されるオーディ
オ・アンプ1と、増幅された音楽信号を低域ろ波するロ
ーパス・フィルター2と、低域ろ波された音楽信号をデ
ジタル信号に変換するA/D変換装置3と、入出力イン
タフェースであるI/Oポート4と、装置の制御を行う
CPU5と、データを一時的に格納するRAM6と、コ
ード構築のためのプログラム等が格納されたROM7
と、コード構築結果を表示するディスプレイ8とから構
成されている。
【0018】そして、オーディオ・アンプ1はローパス
・フィルタ2に、ローパス・フィルタ2はA/D変換装
置3に、A/D変換装置3はI/Oポート4にそれぞれ
接続されている。また、I/Oポート4は、A/D変換
装置3の他にCPU5、ディスプレイ8にも接続されて
いる。更には、CPU5はI/Oポート4の他に、RA
M6、ROM7にも接続されている。
【0019】次に、上記図1に図2を加えて、本発明の
自動採譜装置により行われる自動採譜結果に基くコード
の構築のための機能構成を説明する。本装置は、機能構
成要素として、信号取り込み部21と、FFT(高速フ
ーリエ変換)処理部22と、基本周波数候補抽出部23
と、音符情報変換部24と、和音候補抽出部25と、調
決定部26と、コード構築部27と、出力部28とを備
えている。
【0020】これらの機能構成要素の各々が、図1のブ
ロック図のどの部分から構成されているかを説明する
と、信号取り込み部21は、オーディオ・アンプ1、ロ
ーパス・フィルター2、A/D変換装置3、I/Oポー
ト4、CPU5等により構成されている。
【0021】FFT処理部22と基本周波数候補抽出部
23と音符情報変換部24と和音候補抽出部25と調の
決定部26とコード構築部27とは、それぞれCPU
5、RAM6、ROM7等により構成されている。出力
部28は、CPU5、RAM6、ディスプレイ8等によ
り構成されている。
【0022】以下、これらの機能構成要素がどのように
作用するかを順に説明する。
【0023】信号取り込み部21では、入力された音楽
信号がオーディオ・アンプ1により増幅される。この増
幅された信号は、ローパス・フィルター2に入力され、
例えば、5.5kHz以下の周波数成分のみが通過し、
標本化時の折返し歪を抑えている。ローパス・フィルタ
2からの出力信号は、A/D変換装置3により12kH
z,16bitで標本化される。標本化されたデータ
は、I/Oポート4を介し、CPU5に取り込まれ、R
AM6に記憶される。
【0024】FFT処理部22では、CPU5はRAM
6より標本化されたデータを読み出し、このデータの2
5msec毎を1フレームとし、1フレーム毎に85.
3msecハミング窓を掛けた後、FFT分析により対
数パワー・スペクトルを算出する。次に、CPU5は、
算出された対数パワー・スペクトルから放物線内挿処理
によりピーク周波数を求める。
【0025】基本周波数候補抽出部23は、基本周波数
の抽出を行う。具体的には、CPU5は、以下の3つの
尺度からある分析区間内にある音が基本周波数か倍音か
を判定する。3つの尺度とは、第1としてその音の強
度、第2としてその音を基本周波数であるとした場合、
その音の倍音がピーク・スペクトルの中に含まれている
か(すなわち、基本周波数らしさ)、第3としてその音
が他の音の第n次倍音(2≦n≦8)であるとした場
合、基本周波数になる音の倍音がピーク・スペクトルの
中に含まれるか(すなわち、倍音らしさ)である。判定
は、第1の強度が分析区間内のピーク・スペクトルの強
度から計算したしきい値より上であり、第2の基本周波
数らしさがあるしきい値より大きく、第3の倍音らしさ
があるしきい値より小さい場合に、その音が基本周波数
であるとする。なお、基本周波数候補抽出の処理につい
ては、本出願人によってすでに出願されている(特願平
3−11432号)。
【0026】音符情報変換部24は、基本周波数候補抽
出部23で、基本周波数であると判断された音を、音高
・音強・音長等からなる音符情報に変換する。本実施例
では、音符情報は低音域と高音域に分かれて出力され
る。低音域には、基本周波数であると判断された最低音
のみが含まれているため、低音域の音符情報は常に単音
である。高音域にはその他の音がすべて含まれている。
【0027】図3は、本実施例における音符情報変換部
24の処理結果を、ある区間について示したものであ
る。図3(A)が低音域についての処理結果であり、
(B)が高音域についての処理結果である。本実施例に
おいては、音符データは、MIDI(Musical Instrume
nt Digital Interface)フォーマットで出力される。キ
ーナンバー31は音高を表わす値であり、本実施例で
は、中央ド(鍵盤番号C4)を60で表す。同様にC#
4は61、D4は62というように順次表す。ステップ
タイム32は、次の音が鳴るまでの時間間隔を表わす値
で、本実施例では、1拍が48となる。ゲートタイム3
3は、音長を表わす値であり、ベロシティー34は、音
強を表わす値である。小節線35は、小節の句切りを表
し、小節線35の右端の数字は小節番号を表す。
【0028】和音候補抽出部25は、音符情報変換部2
4からの出力結果である各音符データを組み合わせて作
ることの出来るすべての和音を和音候補として抽出す
る。以下、図4および図5のフローチャートに従って、
和音候補抽出部25の動作を説明する。
【0029】図4は、和音候補抽出部25の処理の流れ
を示すフローチャートである。まず、CPU5はしきい
値の設定等の初期設定を行い(S11)、和音候補抽出
の処理を行う区間を設定する(S12)。ここでは、1
/2小節がこの区間として設定される。次に、CPU5
は、S12で設定した区間内に存在する低音域の音符情
報を音種別にカウントし、RAM6に記憶する(S1
3)。尚、ここで音種とは、高さを考慮しない音の種類
を意味するものとする。すなわち、C、D、E、F、
G、A、B、C#(=Db:bはフラット記号の代
用)、D#(=Eb)、F#(=Gb)、G#(=A
b)、A#(=Bb)の12種類のことである。従っ
て、例えばある区間内に鍵盤番号C3の音と、鍵盤番号
C4の音が存在していた場合、両者とも音種はCなの
で、音種Cのカウントが2となる。同様に、CPU5
は、高音域の音符情報についても音種別にカウントし、
RAM6に記憶する(S14)。
【0030】低音域の音種があるしきい値よりも大きい
場合(S15;Y)、あるいは高音域の音種があるしき
い値よりも大きい場合(S16;Y)には、はじめに設
定した和音候補抽出の処理を行う区間が長すぎる可能性
があるため、CPU5は、現在設定されている和音候補
抽出の処理を行う区間を1/4小節に変更する。(S1
8)。この場合、低音域と高音域の両方について、再び
音種のカウントを行う(S19、S20)。なお、和音
候補抽出の処理を行う区間を1/4小節に変更した場合
には、残りの1/4小節については、自動的にこの区間
を和音候補抽出の処理を行う区間とする。その後、続い
てCPU5は、和音候補抽出の処理を行う(S17)。
S17での処理の内容は、図5を用いて改めて詳説す
る。すべての区間について処理を終了したとき(S2
1;Y)、和音候補抽出部25の処理が終了する。
【0031】図5は、図4のS17の和音候補抽出の処
理を詳説するフローチャートである。まず、CPU5
は、ベース音の音種を指定する(S31)。ベース音
は、C、C#、D、・・・と、順に指定される。いま、
指定されたベース音の音種が、図4のS13もしくは図
4のS19でカウントした低音域の音種に含まれている
場合(S32;Y)、CPU5は、和音の根音を指定す
る(S33)。和音の根音もベース音と同様に、C、C
#、D、・・・と、順に指定される。
【0032】ここで和音の構成について簡単に説明す
る。和音の基本である3和音は、ある音の3度上と5度
上の音を重ねて作られるが、この元の音を、和音の根音
という。
【0033】根音は、和音を代表する音だということが
できる。3度上の音は3音、5度上の音は5音とそれぞ
れ呼ばれる。12個の音種はどれも和音の根音になりう
る。
【0034】次に、CPU5は、S31で指定したベー
ス音と、S33で指定した和音の根音の関係を調べる。
ベース音と和音には、ある一定の規則が存在する。すな
わち、和音と全く無関係な音がベース音になることはな
い。本実施例では、ベース音は、和音の根音、5音等の
数音と一致していなければならないというルールを設け
ている。ベース音と和音の根音の関係が、このルールに
合致している場合(S34;Y)、CPU5は、図4の
S14もしくはS20でカウントした高音域の音種に、
S33で指定した音を根音とした和音を構成する音が含
まれているか否かのチェックに入る。
【0035】CPU5は、まず第1にメジャー和音のチ
ェックを行う。メジャー和音とは、根音の上に、長3
度、完全5度の音を重ねた和音である。高音域の音種
に、この和音を構成する3つの音が含まれている場合
(S35;Y)、この3つの音のカウントを合計し、こ
の和音のコストとする(S36)。さらに、CPU5
は、このメジャー和音を和音候補の一つとしてRAM6
に記憶する(S37)。続いて、CPU5は、この和音
にさらに音を重ねて、より複雑な和音が作れるか否かの
チェックを行う。本実施例では、重ねる音として、セブ
ンス(根音の短7度上の音)、メジャーセブンス(根音
の長7度上の音)、シックスス(根音の長6度上の
音)、アッドナインス(根音の9度上の音、すなわち、
根音の長2度上の音と音種は同じ)を処理の対象とす
る。これらの音が、高音域の音種に含まれている場合、
CPU5は、S37でRAM6に記憶した和音候補のフ
ラグの、対応する位置をONにする(S38)。
【0036】CPU5は、次にマイナー和音のチェック
を行う。マイナー和音とは、根音の上に短3度、完全5
度の音を重ねた和音である。高音域の音種に、この和音
を構成する3つの音が含まれている場合(S39;
Y)、CPU5は、メジャー和音の場合と同様にしてコ
ストの計算をし(S40)、和音候補の一つとしてRA
M6に記憶する(S41)。和音候補のフラグに関する
処理も、メジャー和音の場合と同様に行う(S42)。
【0037】CPU5は、最後に特殊和音のチェックを
行う。本実施例では、特殊和音として、サスフォース、
オーギュメント、ディミニッシュを処理の対象とする。
サスフォースとは、根音の上に、完全4度、完全5度の
音を重ねた和音である。オーギュメントとは、根音の上
に、長3度、増5度の音を重ねた和音である。ディミニ
ッシュとは、根音の上に、短3度、減5度、減7度の音
を重ねた和音である。高音域の音種に、これらの和音を
構成する3つあるいは4つの音が含まれている場合(S
43;Y)、CPU5は、メジャー和音およびマイナー
和音の場合と同様にして、各々の和音毎にコストの計算
をし(S44)、それぞれの和音に対応する位置のフラ
グをONにして、和音候補の一つとしてRAM6に記憶
する(S45)。
【0038】12個の音種を和音の根音として、すべて
の根音についてS34以下の処理が終了し(S46;
Y)、またこの処理を12個の音種をベース音として、
すべてのベース音について処理が終了したとき(S4
7;Y)、図4のS17の和音候補抽出の処理が終了す
る。
【0039】図6は、和音候補抽出部25により抽出さ
れた和音候補の例である。以下、図6に従って、和音候
補のフォーマットについて説明する。抽出された和音
を、コードネームで表したものが61に示されている。
アルファベット小文字bは、フラット記号の代用であ
る。@記号は、特殊な和音を示している。ベース音62
は、低音域の音符情報に当たる。本実施例では、前述し
たように、音符情報が低音域と高音域に分かれて出力さ
れる。和音の種類を示す数字63は、以下の意味を持
つ。0はメジャーコード、1はマイナーコード、2はそ
の他の特殊な和音であることを示している。フラグ64
は、セブンス等の和音に付加される音と、特殊な和音の
種類を示す。各フラグは、0の時オフで1の時オンであ
る。フラグの表す内容については、図6中に示す。各和
音候補のコスト65は、数字が大きいほどその和音であ
る可能性が高い。
【0040】図6の例1は、Bフラットの和音(”シ”
フラット、”レ”、”ファ”)で、ベース音がBフラッ
ト(”シ”フラット)、これはメジャーコードである。
セブンスのフラグがオンなので、Bフラットの第7音
(短7度上の音、すなわち”ラ”フラット)を含む和音
である可能性があり、この和音候補のコストは14とい
うことになる。同様に、図6の例2は、Cマイナーの和
音、ベース音はG、マイナーコードで分数コードのフラ
グがオン(すなわち、和音の根音とベース音が異な
る)、コストは9である。図6の例3は、Fの特殊和
音、ベース音はF,特殊和音の種類はフラグに示されて
おり、この場合はディミニッシュ、コストは6である。
【0041】図7は、和音候補抽出部25の出力結果を
図3と同じ区間について示したものである。小節番号は
71に示される。和音候補の抽出された時間の始めと終
わりを、ステップタイムで表わしたものが72である。
72で示した時間内で抽出された和音の候補は、73に
示される。各和音候補は、図6で示したフォーマットで
出力されている。
【0042】調決定部26は、和音候補抽出部25から
の出力結果である和音候補の、各和音の出現の様子か
ら、現在処理を行なっている曲の調を決定する。
【0043】曲の調は、以下のようにして決定される。
ある調の曲においては、その調の和音(例えば、ハ長調
ならCの和音、ニ短調ならDマイナーの和音)の出現す
る割合が最も高いと考えられる。そこで、和音候補抽出
部25からの出力結果である和音候補を、分数コードの
フラグがオンのものと特殊和音を除いて、曲全体につい
て各和音毎にコストの合計を計算する。コストの合計が
最も高かった和音が曲全体で最も出現頻度が高いという
ことになるので、この和音から曲の調を決定する。すな
わち、例えばBフラットの和音のコストの合計が最も高
かったとすると、その曲の調は変ロ長調ということにな
る。
【0044】コード構築部27は、和音候補抽出部25
からの出力結果である和音候補をコード進行のルールに
したがって結合させる。コード進行のルールを適用する
には、曲の調が必要なため、調決定部26によって決め
られた曲の調を利用する。以下、図8のフローチャート
に従って、コード構築部27の動作について説明する。
【0045】まず始めに、CPU5は、曲の開始点の検
出を行なう(S51)。これは曲の調の和音が初めて小
節の頭に出現したところを曲の開始点とする。一般的
に、曲はその曲の調の和音で始まり、その曲の調の和音
で終わる。
【0046】次に、CPU5は、S51で検出した曲の
開始点から4小節分の和音候補を取り出す(S52)。
コード構築の処理は、4小節分の和音候補を単位として
行なわれる。続いて、CPU5は、S52で取り出した
4小節分の和音候補を順につなげて、和音候補列を1個
作る(S53)。
【0047】先に、本実施例においては、和音候補は、
1/2小節または1/4小節について抽出されることを
説明した。この1/2小節または1/4小節について、
それぞれ複数個の和音候補が抽出されるので、この組合
せにより複数個の和音候補列ができる。例えば、いま処
理しようとしている4小節分の和音候補が、すべて1/
2小節から抽出されたものであるとすると、この4小節
は8個の区間に分かれることになる。この8個の区間
が、それぞれn1,n2,n3,・・n8個の和音候補
を持っていたとすると、この組合せでできる和音候補列
の総数は、n1×n2×・・・×n8となる。この全て
の和音候補列について、CPU5は、以下で述べる処理
を行なう。
【0048】S53で作成した和音候補列について、C
PU5は、隣合う和音同士のつながりをチェックする
(S54)。和音の進行には、一定のルールがある。本
実施例では、この和音進行のルールを、隣合う2つの和
音のつながりのマトリクスで表わしている。図9にこの
マトリクスを示す。2つの和音のうち、先の和音を91
に、後の和音を92に示す。和音は、コードネームでは
なく、曲の調を基準にして示している。すなわち、例え
ば、曲の調がハ長調だとすると、W1はコードネームで
はCを表し、W4はFを表す。別の例として、曲の調が
イ短調の場合には、W1はAマイナーを表し、W4はD
マイナーを表す。このように、曲の調を基準にして和音
を表すことにより、全ての調の曲にこのマトリクスを適
用することができる。マトリクス中の数字の1はその和
音進行(先の和音91から後の和音92への和音進行)
が可能であることを示し、0は不可能であることを示
す。
【0049】S54で、和音のつながりがOKであった
場合には(S55;Y)、和音候補列の最後まで処理が
終わっていなければ(S58;N)、次の隣合う和音同
士に処理を移す。逆に、和音のつながりがOKでなかっ
た場合には(S55;N)、借用和音を用いた和音進行
の可能性を調べる(S56)。借用和音とは、一時的に
他の調の和音が用いられることである。本実施例では、
代表的な借用和音の一つである副V和音(Vはローマ数
字5の代用)を用いた和音進行のチェックを行なう。こ
のチェックがOKであった場合(S57;Y)は、S5
8に処理を移す。逆に、OKでなかった場合は(S5
7;N)、いま処理している和音候補列は、和音進行上
不可能であると判断して、次の和音候補列を作成する
(S53に戻る)。
【0050】さて、このようにして和音候補列の最後ま
でチェックが終了した後(S58;Y)、CPU5は終
止のチェックを行なう(S59)。本実施例では、和音
候補列の最後の和音が、曲の調を基準にした表し方で、
W1、W5、W6になっている場合のみを許している。
このチェックがOKであった場合は(S60;Y)、い
ま処理を行った和音候補列のコストを計算する(S6
1)。コストは、和音候補列を構成する各和音候補のコ
ストを合計したものから、和音候補列中の分数コードの
カウントを引き、さらに、借用和音を用いた和音進行の
カウントを引くことによって計算される。逆に、終止の
チェックがOKでなかった場合は(S60;N)、S5
7;Nの場合と同様、S53に戻る。
【0051】以上の処理を、すべての和音候補列につい
て行なった後(S62;Y)、S61で計算したコスト
が最大の和音候補列を、その4小節分のコードとする
(S63)。このように4小節ずつコード構築の処理を
行ない、曲の最後まで処理が終了したとき(S64;
Y)、コード構築部27の処理が終了する。
【0052】出力部28は、コード構築部27の処理結
果を出力する。図10は、出力部28の出力結果を図
3、図7と同様の区間について示したものである。
【0053】なお、本実施例においては、和音候補から
和音候補列を構築するときに、隣合う和音同士のつなが
りが可能かどうかを示す2次元のマトリクスを用いた
が、このマトリクスを3次元にして、連続する3個の和
音のつながりを示すようにしてもよい。
【0054】また、マトリクスによる和音進行のチェッ
クに加えて、より複雑な和音(本実施例では、和音候補
のフラグとして示されているもの)を含む和音進行のチ
ェックを行ってもよい。
【0055】
【発明の効果】以上説明したことから明らかなように、
本発明の自動採譜装置によれば、複数の楽器によって演
奏された音楽の自動採譜結果から、音楽の進行に合わせ
た和音(コード)を容易に構築することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例のブロック図である。
【図2】前記実施例の機能構成を示す図である。
【図3】音符情報変換部の処理結果を示す図である。
【図4】和音候補抽出部の動作を説明するフローチャー
トである。
【図5】和音候補抽出の処理を詳説するためのフローチ
ャートである。
【図6】和音候補の例を示す図である。
【図7】和音候補抽出部の処理結果を示す図である。
【図8】コード構築部の動作を説明するフローチャート
である。
【図9】和音進行のルールを示すマトリクスである。
【図10】出力部からの出力結果を示す図である。
【符号の説明】
2 ローパス・フィルタ 3 A/D変換装置 5 CPU 6 RAM 7 ROM 8 ディスプレイ 21 信号取り込み部 22 FFT処理部 23 基本周波数候補抽出部 24 音符情報変換部 25 和音候補抽出部 26 調の決定部 27 コード構築部 28 出力部

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 音楽信号を楽譜もしくは楽譜に相当する
    符号に変換する自動採譜装置において、 音楽信号を取り込みA/D変換する信号取り込み部と、 前記信号取り込み部で取り込んだデータに対して、一定
    時間毎に周波数解析を行い、一定時間内での周波数方向
    のパワー・スペクトルを計算する周波数解析処理部と、 前記周波数解析処理部により計算されたパワー・スペク
    トルより基本周波数の候補を抽出する基本周波数候補抽
    出部と、 前記基本周波数候補抽出部の処理結果を、音高,音強,
    音長などの情報を含む音符情報に変換する音符情報変換
    部と、 前記音符情報変換部から音符情報を受け取り、一定時間
    内に存在する各音符を組合わせてなる全ての和音を抽出
    する和音候補抽出部と、 前記和音候補抽出部で抽出された和音の候補の出現の仕
    方から、演奏された音楽の調を決定する調決定部と、 前記調決定部で決定された音楽の調に合わせて、前記和
    音候補抽出部で抽出された和音の候補を和音進行のルー
    ルに従って結合し、音楽の進行に合わせた和音(コー
    ド)を構築するコード構築部と、 前記コード構築部の処理結果を出力する出力部とを備え
    たことを特徴とする自動採譜装置。
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