JPH05173464A - 電子写真複写機用クリーニングブレード - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ゴムブレードの摩擦を減少させ、かつ摩耗が
少なく、耐久性が高く、摺擦音の発生しない電子写真複
写機用クリーニングブレードを提供する。 【構成】 電子写真感光体表面を摺擦して清掃するクリ
ーニングブレードであって、そのクリーニングブレード
が、エラストマー基材中にシリコーンゴム粒子を分散し
て含有する材料で形成されていることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、電子写真複写機用クリ
ーニングブレードに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、電子写真複写機の感光体表面に残
留するトナーを除去する方法として、クリーニングブレ
ード方式が知られている。この方式は、クリーニングブ
レードをウレタンゴム等のゴム製材料で板状に形成し、
その先端部エッヂを、回転する感光体表面に所定の押圧
力で物理的に接触させ、感光体上の残留トナーを除去す
るものであり、構成が非常に簡単なために実用化されて
いる。この方式においては、特にクリーニングブレード
の材質として耐摩耗性が重要視されるため、ウレタンゴ
ムが汎用されているのが現状である。ところで、クリー
ニングブレード方式においては、感光体表面との摩擦作
用によってブレードの先端が、急速かつ不均一に摩耗
し、清掃効果が著しく低下するという問題がある。クリ
ーニングブレードの不均一な摩耗が進行すると、記録紙
上に鮮明な画像が得られず、一方では感光体表面を損傷
させることにもなる。前記のウレタンゴム製クリーニン
グブレードの使用によって、ある程度寿命を延長させる
ことはできるが、ウレタンゴム自身摩擦抵抗が大きく、
摺擦音（いわゆる鳴き）を生じることがあった。

【０００３】この問題を解決するため、従来より、例え
ば特開昭５９−６８７７０号、同６１−１４４６８４
号、同６１−２５５３７５号公報等に記載されているよ
うに、摺擦部にフッ素樹脂粉末を含有させて、摩擦を低
下させる方法が知られている。しかしながら、これらの
方法では、ウレタンゴムへのフッ素樹脂粉末の分散性が
良好でないため、必ずしも期待された効果が発揮できな
かった。また、フッ素樹脂粉末がブレードエッジ部から
欠落しやすいという欠点があり、欠落部分のクリーニン
グ性能が低下するという問題もあった。また、特開昭５
９−５２５９号公報に記載されているように、ブレード
表面にシリコーンオイル含有層を形成して、摩擦を低減
することも知られている。このクリーニングブレード
は、セレン感光体には問題なく使用できるものの、有機
感光層を有する感光体に使用した場合、シリコーンオイ
ルが有機感光層中に浸透して、感光特性を劣化させるこ
とがあり、好ましく使用できるものではなかった。一
方、クリーニングブレードをシリコーンゴムやフッ素ゴ
ムのような低摩擦エラストマーを用いて形成することも
提案されているが、これらの低摩擦エラストマーは、成
形性やゴム弾性などに難点があり、実用化されてはいな
かった。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の技術
における上記のような実情に鑑み、その問題点を解決す
ることを目的とするものである。すなわち、本発明の目
的は、クリーニングブレードの摩擦を減少させ、かつ摩
耗が少なく、耐久性が高く、摺擦音の発生しないクリー
ニングブレードを提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は、電子写真感光
体表面を摺擦して感光体表面を清掃するクリーニングブ
レードにおいて、該クリーニングブレードが、エラスト
マー基材中にシリコーンゴム粒子を分散して含有する材
料で形成されていることを特徴とする。

【０００６】本発明において、ブレードのエラストマー
基材としては、ブチルゴム、ブタジエンゴム、イソプレ
ンゴム、ウレタンゴム等が使用可能であるが、特に、ウ
レタンゴムが、耐摩耗性、耐久性に優れているので好ま
しい。

【０００７】本発明において、エラストマー基材中に分
散させるシリコーンゴムとしては、平均粒径５μｍ以下
のものが好ましく、それより大きすぎる場合には、感光
層表面が粗雑になって、画質が低下する。シリコーンゴ
ム微粒子の形状は、球状であるほど分散性がよく、潤滑
性もよいので好ましい。シリコーンゴムの配合量は、
０．５〜５重量％の範囲が好ましく、この範囲内にある
場合には、ウレタンゴムの強度と、シリコーンゴム分散
による低摩擦効果が得られる。シリコーンゴムが上記の
範囲よりも大きくなると、ウレタンゴムの強度および柔
軟性が低下し、また、クリーニングブレードのエッジが
凸凹になり、クリーニング不良が発生するようになる。
また、０．５重量％よりも少なくなると、クリーニング
ブレードの摺擦音（鳴き）が発生するようになり、添加
効果が充分発揮されない。

【０００８】本発明のクリーニングブレードを作製する
ためには、押出機や加圧機によって板状に加工する方法
のほか、エラストマー材料を遠心成形することにより板
材に加工する方法も採用することができる。遠心成形法
とは、中空ドラム内部に成形すべきゴム基材液を入れ、
ドラムを回転させながら加熱架橋させることにより、ド
ラム内壁面にゴム板を成形する方法である。遠心成形法
によれば、シリコーンゴムの比重は、ウレタンゴムの比
重よりも軽いので、ウレタンゴム中のシリコーンゴムの
分散濃度が、内側（すなわち、回転軸に近い表面側）ほ
ど高くなる。形成されるゴム板は、厚み０．５〜５ｍｍ
の範囲が好ましく、成形後に所定の寸法に切断して、ク
リーニングブレードとして用いられる。遠心成形法によ
り形成されたクリーニングブレードは、感光体表面に接
触させてクリーニングする際に、シリコーンゴムの濃度
が高い側を接触させるようにすればよい。したがって、
遠心成形法によれば、クリーニングブレード全体のシリ
コーンゴムの含有量を減少させたものを形成することが
できるという利点がある。

【０００９】

【作用】本発明のクリーニングブレードは、エラストマ
ー基材にシリコーンゴムが分散されているから、シリコ
ーンゴムの低摩耗性のため、ブレードの摩擦抵抗が減少
して、摺擦音が発生しなくなる。

【００１０】

【実施例】

実施例１ ポリエステルジオールと４．４′−ジフェニルメタンジ
イソシアナートからなるプレポリマー１００部に、シリ
コーンゴム粒子（商品名：トレフィルＥ５００、トーレ
シリコーン製）１．５部を混合し、３本ロールにより均
一に分散させた。この分散体に、硬化剤として１．４−
ブタンジオールとトリメチロールプロパンの混合物１０
部を添加し、ロール混合機により混合し、スクリュータ
イプ押出機によって押出し成形して、厚さ２ｍｍのシー
ト状クリーニングブレードを形成した。その後、１４０
℃で３０分間加熱し、更に、１００℃で２４時間硬化さ
せた。得られたシート状クリーニングブレードにおける
シリコーンゴムの添加量は、ウレタンゴムエラストマー
の全量に対して１．４％であった。このシート状クリー
ニングブレードを切断機によって、幅１５ｍｍ、長さ２
８７ｍｍに切断して、クリーニングブレードを得た。次
いで、このクリーニングブレードを、幅１１ｍｍを残し
て、長さ３２０ｍｍの金属支持部材に接着した。上記の
ようにして形成されたクリーニングブレード部材を、感
光体ドラムとの接触角２２０°で接触長さ１．５ｍｍに
なるようにドラムカートリッジに設定した。

【００１１】一方、厚さ１ｍｍ、外径４０ｍｍ、長さ３
１８ｍｍのアルミニウムパイプに、厚さ１μｍの８ナイ
ロンからなる下引き層を形成し、その上にＸ型無金属フ
タロシアニンを含む厚さ０．２５μｍの電荷発生層を形
成し、更にその上にポリカーボネートＺ型樹脂とジアミ
ン化合物を含む電荷輸送層を形成して、電子写真感光体
を作製した。この電子写真感光体をドラムカートリッジ
に設定した。図１はドラムカートリッジにおけるクリー
ニングブレードの状態を示すものである。図において、
１１は感光体、１２はブレード、１３は金属支持部材で
あり、ブレード１２は感光体１１に接触長さａが１．５
ｍｍになるように接触している。このドラムカートリッ
ジを、電子写真方式のプリンター（ＸＰ−１１、富士ゼ
ロックス（株）製）に装着した。プリント操作の開始時
と停止時に、ブレードのめくれ、なき、等の有無を調べ
たところ、何等問題は生じなかった。比較のために、シ
リコーンゴムを添加しなかった以外は同様にしてクリー
ニングンブレードを作製した。このクリーニングブレー
ドの場合には、摺擦音が大きく発生した。

【００１２】実施例２ ポリエステルポリオール（ニッポラン、日本ポリウレタ
ン社製）の固形分１００部に対して、シリコーンゴム粒
子（トレフィルＥ５００、トーレシリコーン製）１．０
部を分散させた。この粒子は平均粒径３μｍであり、均
一に分散されていた。これに、ジフェニルメタンジイソ
シアネート１４部を反応させてポリプレマーを得た。こ
れに硬化剤である１．４−ブタンジオール１２部を加え
て、図２に示す遠心成形機で成形した。図において、２
１は加熱ジャケット、２２は保温槽であり、加熱流体が
流路２３を流れるように構成されている。２４は内径５
００ｍｍ、長さ３２０ｍｍの中空ドラムであり、モータ
ー２５によって１０００ｒｐｍの速度で回転可能に軸支
されている。１００℃で１時間の遠心成形した後、形成
されたブレード材２６を中空ドラムからはずし、切断し
て板状に開き、更に１１０℃で１０時間加熱して硬化さ
せた。これにより厚さ２ｍｍの板材を作製した。次にこ
の板材を切断機により、幅１５ｍｍ、長さ２８７ｍｍに
切断し、実施例１と同様に金属支持部材に接着した。そ
の際、遠心成形時の内側部分が感光体に接触する側にな
るように接着した。シリコーンゴムの濃度を調べたとこ
ろ、全体では０．８重量％であり、遠心成形の内側では
約１．２重量％、外側では約０．２重量％であって、濃
度勾配が形成されていた。このクリーニングブレードを
用いたところ、実施例１と同様に良好なクリーニング性
が得られた。この実施例の場合は、ウレタンゴムより高
コストであるシリコーンゴムの添加量を減少させること
ができるため、経済的に有利であった。

【００１３】

【発明の効果】本発明のクリーニングブレードは、エラ
ストマー基材中にシリコーンゴムが分散されているの
で、摩擦抵抗が減少する。したがって、それを感光体表
面に接触した場合、滑らかに摺擦させることができ、残
留トナーのクリーニング性が向上すると共に、摺擦音の
発生等の障害もなくなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 クリーニングブレードと感光体表面との接触
状態を示す説明図である。

【図２】 クリーニングブレードを作製するための遠心
成形機の断面図である。

【符号の説明】

１１…感光体、１２…クリーニングブレード、１３…金
属支持部材、２１…加熱ジャケット、２２…保温槽、２
３…流路、２４…中空ドラム、２５…モーター、２６…
ブレード材。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 電子写真感光体表面を摺擦して清掃する
   クリーニングブレードにおいて、該クリーニングブレー
   ドが、エラストマー基材中にシリコーンゴム粒子を分散
   して含有する材料で形成されたことを特徴とするクリー
   ニングブレード。
2. 【請求項２】 シリコーンゴムが厚み方向に濃度勾配を
   有して分散されてなる請求項１記載のクリーニングブレ
   ード。