JPH05172833A - 速度測定センサー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】簡単にかつ低コストで製造の自動化が可能な回
転速度測定センサーを提供する。 【構成】内部に回転軸１３がジャーナル軸受されている
センサー本体１１と、この本体１１内に設置した支持板
１６に組み込まれた電子回路と、電気を供給するととも
に前記電子回路からの信号を遠隔送信し、密閉プラグ１
９を貫通する導電体とを備え、その密閉プラグ１９が導
電体の通路においてシール手段が設けられるカラー２５
およびベース２４を備えている速度測定センサー１０に
おいて、上記シール手段は、カラー２５およびベース２
４の外周に形成された凹欠部２８によって構成され、前
記凹欠部２８は、密閉プラグ１９、センサー本体１１の
壁部および支持板１６とにより、熱硬化性樹脂で充満さ
れたハウジングを構成している。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、回転速度測定センサ
ー、例えば自動車のギアボックス（変速装置）に使用す
る回転速度測定センサーに関する。

【０００２】

【従来の技術】かかるセンサーはそのセンサーの固定手
段を備えたセンサー本体を持ち、その本体内部には上記
センサー本体から突出した一端が速度を測定しようとす
る部材に固定されている回転軸がジャーナル軸受けされ
ている。センサー本体内部には支持板が設けられてい
る。この支持板の一方の面には回転検出部材が設置さ
れ、他方の面には測定信号を発生し送信するための電子
回路が設けられている。

【０００３】上記回転検出部材は、例えば等角度で相対
向した状態で配置された永久磁石群に臨む位置に配置さ
れ、回転軸に適当な手段で嵌められている。

【０００４】この種のセンサーは自動車のエンジンケー
シング中に取りつけられると、あらゆる種類の機械的作
用を受ける。したがって、上記センサー本体内に配置さ
れたセンサーのすべての構成要素を完全に保護すること
が必要になる。すなわち、外部環境からセンサー本体内
部の完全な密閉がされなければならない。

【０００５】また上記電子回路には電気が供給され、導
線を介して測定信号を遠隔送信しなければならない。

【０００６】上記密閉問題に関する従来の解決方法は、
上記センサー本体の一端に次の密閉プラグを適当な手段
により固定することである。このプラグには、導線と同
数の円筒状の通路が形成されており、これらの通路は例
えばグロメット（grommet)によってシールされている。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来法にはいくつかの欠点がある。実際、従来のセンサー
を製造するには、プラグをセンサー本体に固定する前
に、導線を円筒状の通路に挿通させた後、それらにグロ
メットを装着させる必要がある。これら一連の操作は、
実際上自動化が不可能なため、多くの時間とコストのか
かるものである。さらに、導線の手動による取扱いは必
ず金属疲労を惹起し、そのためセンサーの誤動作という
大きな危険を伴うものである。

【０００８】その結果、上記センサーの製造はコストの
増大をもたらし、自動車分野のような大規模製造には適
合しないものであった。

【０００９】本発明は上記欠点を克服する測定センサー
を提供することを目的とする。

【００１０】

【課題を解決するための手段】上記課題は、内部に回転
軸１３がジャーナル軸受されているセンサー本体１１
と、この本体１１内に設置した支持板１６に組み込まれ
た電子回路と、電気を供給するとともに前記電子回路か
らの信号を遠隔送信し、密閉プラグ１９を貫通する導電
体１８とを備え、その密閉プラグ１９が導電体１８の通
路においてシール手段が設けられるカラー２５およびベ
ース２４を備えている速度測定センサー１０において、
上記シール手段は、カラー２５およびベース２４の外周
に形成された凹欠部２８によって構成され、前記凹欠部
２８は、密閉プラグ１９、センサー本体１１の壁部およ
び支持板１６とにより、熱硬化性樹脂で充満されたハウ
ジングを構成していることで解決できる。

【００１１】また、その場合において、凹欠部２８は、
カラー２５とベース２４の外周に、円弧３１、３２およ
び直線状側部３３、３４とによって繋がる中央部３０、
３０’を有し、前記円弧３１、３２はセンサー本体１１
とともに密閉プラグ１９を貫通する導電体１８の通路を
形成していることでより好適に解決できる。

【００１２】さらに、以上の場合、凹欠部２８が、内部
窪み３６を有するベース２４のレベル位置において、凹
欠部２８の中央部３０’が内部窪み３６とともに壁部３
７を形成するように鐘口部３５を有し、さらに、前記壁
部３７がベース２４から突出し、これによってセンサー
本体１１内に配置した支持板１６を保持する手段を構成
していることでより好適に解決できる。

【００１３】

【作用】本発明では、従来のように、各導線ごとにシー
ルする煩雑さを解消し、密閉プラグ、センサー本体の
壁、支持板１６と一体に凹欠部２８を形成しているか
ら、センサーの製造時には、支持板１６に予め導線を結
合した状態で本体内に導入し、その後上記凹欠部２８に
熱硬化性樹脂の注入・硬化により、導線等のシール性を
簡単に確保できる。これにより、センサー製造の自動化
も容易となる。

【００１４】

【実施例】次に図面に基づいて実施例を説明する。図１
は本発明に係る速度センサー１０を示している。速度セ
ンサー１０は絶縁材料を型に入れて通常の円筒状に成形
されたセンサー本体１１を有する。このセンサー本体１
１はその一端においてねじやまのついた開口部を有し、
これによりセンサー１０を例えば自動車のギアボックス
に固定するための手段を形成している。

【００１５】センサー本体１１の内部には、回転軸１３
がジャーナル軸受けされているが、この回転軸１３もプ
ラスチック材料から成型されたもので、その先端１４は
センサー本体１１に対し突出しており、回転速度を測定
しようとする部材に固定されている。したがって上記先
端１４はこのように測定センサーのための被測定情報の
供給源となるものである。

【００１６】永久磁石（複数）１５は回転軸１３に固定
され、回転軸心に関し等角度となり、かつＮ極とＳ極と
が交互になるように配置されている。

【００１７】支持板１６はセンサー本体１１の内部に配
置され、その下面の上記磁石１５に臨む位置に検出装置
１７が固定されている。

【００１８】この検出装置１７から送信される信号は、
支持板１６に構成部品を取付けた電子回路によって処理
される。

【００１９】但しこの電子回路の具体的内容について
は、本発明の一部ではないため、説明を省略する。

【００２０】電子回路および信号の遠隔送信用の電気の
供給には、図１中の記号１８で示すような導線が用いら
れる。

【００２１】センサー１０は密閉プラグ１９を有してい
る。この密閉プラグ１９はセンサー本体１１内に配置さ
れているすべての部品の機能を保護するためのシール性
を確保するためにある。

【００２２】金属面２０、２１は回転軸１３の回転案内
部材として機能するもので、金属面２０はセンサー本体
１１の中央部に配置され、金属面２１は密閉プラグ１９
の中央部に配置される。

【００２３】以下、本発明に係る密閉プラグ１９を図２
〜図５により詳細に説明する。

【００２４】この密閉プラグ１９は通常の管状とされ、
中央部にスリーブ２２を有している。スリーブ２２には
ねじ山が形成され、上部には先端片２３を有する。

【００２５】上記スリーブ２２はその下部においてカラ
ー２５に結合されている。カラー２５の外径はセンサー
本体１１の外径と一致する。このカラー２５の下方はベ
ース２４となり、ベース２４の外径はセンサー本体１１
の内径と一致する。その結果、肩部２９は図２に示した
ように、密閉プラグ１９をセンサー本体１１上に設ける
ための当接面を形成するものである。

【００２６】先端片２３はその中央部に開口２６を有し
ている。この開口２６はその下端部において載頭円錐部
分を介してより大径の開口２７に結合している。

【００２７】図１に示したように、開口２７は金属面２
１を受け止め、開口２６は回転軸１３の上端のハウジン
グとしての役目を有する。

【００２８】本発明においては、密閉プラグ１９はカラ
ー２５とベース２４の外周部に、横断面が高さによって
変わる凹欠部２８を有する。

【００２９】カラー２５の高さでは、凹欠部２８は図４
で示される横断面を有している。すなわち、中央部の同
心円状部分３０が円３１、３２の円弧およびそれに続く
直線状両側部３３、３４とを介してカラー２５の外周と
繋がっている。

【００３０】ベース２４の高さでの横断面では、凹欠部
２８は傾斜面３５（図３参照）に連なる鐘口部を有し、
図５のような横断面をもつ。図５に示された主たる構成
要素は図４におけるものと同じである。中央部３０’は
もはや同心円状ではないがわずかな膨らみをもち、ベー
ス２４の内部窪み３６とともに壁３７を形成している。

【００３１】特に図２と図３に示したように、上記壁３
７は以下に示す理由から、ベース２４の下面３８を越え
て延在するように形成されている。

【００３２】この種のセンサー１０においては、上記密
閉プラグ１９は、導線１８は別としてセンサー本体１１
の内部の構成部品を外部から完全に密閉するものでなけ
ればならない。ただし、この導線１８自体も完全にシー
ルされている必要がある。

【００３３】次に、上記センサー１０の製造方法につい
て説明する。

【００３４】まず永久磁石１５の固定された回転軸１３
がセンサー本体１１内へ導入される。次いで、検出部材
１７と導線１８の取り付けられた支持板１６がそのセン
サー本体内に設置される。その後密閉プラグ１９をその
支持面２９を当接させてセンサー本体１１上に設置され
る。

【００３５】密閉プラグ１９の凹欠部２８には導線１８
の通路が形成され、この導線１８は円弧３１と円弧３２
によって形成された窪み３６の中に収容される。同時に
壁３７の下端部は支持板１６に当接させ、支持板１６を
センサー本体内に固定する。

【００３６】支持板１６をさらに強固に固定するために
は、センサー本体１１の内面に図示しない顎部を回転軸
心から等角度の位置に配置（平面的に見て）するのが好
ましい。

【００３７】センサー本体１１内部から外部への導線１
８の通路は、特別な作業を要せずして形成できる。

【００３８】適正に配置された密閉プラグ１９により、
凹欠部２８はセンサー本体１１とともにハウジングを形
成し、その上面のみがセンサー本体１１の外方に延在し
ている。

【００３９】所期のシール効果を得るには、連続した二
操作による特に簡単な方法がある。

【００４０】まず最初に、密閉プラグ１９がセンサー本
体１１に接着剤あるいはベース２４の外周に沿った線に
適用する超音波接合によって固定されかつシールされ
る。

【００４１】第２の操作は熱硬化性樹脂を凹欠部２８に
より形成されたハウジングの中に流し込むことである。

【００４２】かくして導線１８の通路に沿って、導線に
手を触れずにしかもグロメットのような特殊部材を必要
とせずに完全にシールすることができる。

【００４３】上記のすべての操作は導線について特別な
作業を必要としないから、完全で適正な自動化が可能と
なる点は特に考慮されるべきである。

【００４４】上記実施例では、閉塞線１９の開口２６は
外方に向かって開口しているから、回転軸１３の保護を
完全にするためには、上記スリーブ２２に螺合する簡単
なキャップ（図示しない）を付けている。

【００４５】勿論、本発明は上記実施例に限定されるも
のではなく、当業者が容易に製造しうる変形例をも含む
ものである。

【００４６】上記のセンサーは特に回転速度を測定する
のに用いられることを意図したものであるが、本発明は
他の測定用のセンサーに応用できる。

【００４７】

【発明の効果】以上の通り、本発明によれば、簡単にか
つ低コストで製造の自動化が可能な回転速度測定センサ
ーを提供できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る測定センサーの縦断面図である。

【図２】本発明における密閉プラグの底面図である。

【図３】図２のIII −III 線断面図である。

【図４】図３のIV−IV線断面図である。

【図５】図３のＶ−Ｖ線断面図である。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】内部に回転軸（１３）がジャーナル軸受さ
   れているセンサー本体（１１）と、この本体（１１）内
   に設置した支持板（１６）に組み込まれた電子回路と、
   電気を供給するとともに前記電子回路からの信号を遠隔
   送信し、密閉プラグ（１９）を貫通する導電体（１８）
   とを備え、その密閉プラグ（１９）が導電体（１８）の
   通路においてシール手段が設けられるカラー（２５）お
   よびベース（２４）を備えている速度測定センサー（１
   ０）において、 上記シール手段は、カラー（２５）およびベース（２
   ４）の外周に形成された凹欠部（２８）によって構成さ
   れ、前記凹欠部（２８）は、密閉プラグ（１９）、セン
   サー本体（１１）の壁部および支持板（１６）とによ
   り、熱硬化性樹脂で充満されたハウジングを構成してい
   ることを特徴とする速度測定センサー。
2. 【請求項２】凹欠部（２８）は、カラー（２５）とベー
   ス（２４）の外周に、円弧（３１）、（３２）および直
   線状側部（３３）、（３４）とによって繋がる中央部
   （３０）、（３０’）を有し、前記円弧（３１）、（３
   ２）はセンサー本体（１１）とともに密閉プラグ（１
   ９）を貫通する導電体（１８）の通路を形成している請
   求項１記載の速度測定センサー。
3. 【請求項３】凹欠部（２８）が、内部窪み（３６）を有
   するベース（２４）のレベル位置において、凹欠部（２
   ８）の中央部（３０’）が内部窪み（３６）とともに壁
   部（３７）を形成するように鐘口部（３５）を有し、さ
   らに、前記壁部（３７）がベース（２４）から突出し、
   これによってセンサー本体（１１）内に配置した支持板
   （１６）を保持する手段を構成している請求項１または
   請求項２記載の速度測定センサー。