JPH05172199A - 遊星トランスミッション組立体 - Google Patents

遊星トランスミッション組立体

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JPH05172199A
JPH05172199A JP3257570A JP25757091A JPH05172199A JP H05172199 A JPH05172199 A JP H05172199A JP 3257570 A JP3257570 A JP 3257570A JP 25757091 A JP25757091 A JP 25757091A JP H05172199 A JPH05172199 A JP H05172199A
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JP
Japan
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gear
planetary
carrier
pinion
sun
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Pending
Application number
JP3257570A
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English (en)
Inventor
Tyng Liu
ティン・リウ
John D Malloy
ジョン・ディー・マロイ
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Motors Liquidation Co
Original Assignee
Motors Liquidation Co
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Publication date
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H3/00Toothed gearings for conveying rotary motion with variable gear ratio or for reversing rotary motion
    • F16H3/44Toothed gearings for conveying rotary motion with variable gear ratio or for reversing rotary motion using gears having orbital motion
    • F16H3/62Gearings having three or more central gears
    • F16H3/66Gearings having three or more central gears composed of a number of gear trains without drive passing from one train to another
    • F16H3/663Gearings having three or more central gears composed of a number of gear trains without drive passing from one train to another with conveying rotary motion between axially spaced orbital gears, e.g. RAVIGNEAUX
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H2200/00Transmissions for multiple ratios
    • F16H2200/003Transmissions for multiple ratios characterised by the number of forward speeds
    • F16H2200/0047Transmissions for multiple ratios characterised by the number of forward speeds the gear ratios comprising five forward speeds
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H2200/00Transmissions for multiple ratios
    • F16H2200/20Transmissions using gears with orbital motion
    • F16H2200/2002Transmissions using gears with orbital motion characterised by the number of sets of orbital gears
    • F16H2200/2005Transmissions using gears with orbital motion characterised by the number of sets of orbital gears with one sets of orbital gears

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Structure Of Transmissions (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 6つのトルク伝達装置を使用して5段階の前
進ギヤ比と1つの後退ギヤ比とを出力する遊星トランス
ミッション組立体。 【構成】 各遊星ギヤセット34、46はサンギヤ3
2、44とリングギヤ56、50と、複数個のピニオン
48、52、54とを有し、ピニオンは共通のキャリヤ
40で支持される。6つのトルク伝達装置26のうち少
なくとも2つは入力手段14を遊星ギヤセットの所定の
素子に選択接続する入力クラッチ部材28、他の少なく
とも2つは遊星ギヤセットの所定の素子を選択固定する
反作用ブレーキ部材38とする。一方の遊星ギヤセット
のサンギヤ44は入力クラッチ部材の少なくとも1つに
接続、他方の遊星ギヤセットのサンギヤ32は入力クラ
ッチ部材の少なくとも1つ及び反作用ブレーキ部材の1
つに接続される。キャリヤは入力クラッチ部材の1つ及
び反作用ブレーキ部材の1つに接続され、一方の遊星ギ
ヤセットのリングギヤ50は出力シャフト18に接続さ
れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自動変速機即ちトランス
ミッションに関する。詳細には、本発明は、一対の複合
遊星ギヤセットが、入力クラッチ部材と反作用ブレーキ
部材とを有する複数個のトルク伝達(移送)装置の1個
又は数個を選択的に作動させることにより、5段階の前
進速比(ギヤ比)と1つの後進速比(ギヤ比)とを提供
するような遊星トランスミッション組立体に関する。特
に、本発明は、一対の遊星ギヤセットを有し、これらの
遊星ギヤセットが、相互に係合し複合遊星トランスミッ
ションの個々の遊星ギヤセット内の選択したサンギヤ及
びリングギヤにも係合する一連のピニオンにより相互接
続されるようになった複合遊星トランスミッション組立
体に関する。
【0002】本発明は車両に使用するのに特に適した5
速自動変速機(トランスミッション)に関する。すなわ
ち、このトランスミッションは5段階の前進速比即ちギ
ヤ比と1つの後退速比即ちギヤ比とを提供する。以後の
説明を簡単にするため、前進ギヤ比は車両を前方に運動
させるようなギヤ比として定義し、また、簡略化のた
め、遊星ギヤセットの構造は、前進ギヤ比において、出
力部材が入力部材と同じ方向に回転するようなものと仮
定する。逆に、後退ギヤ比は車両を後方に運動させ、こ
の場合、出力部材は入力部材とは反対の方向へ回転する
ものと仮定する。
【0003】
【従来の技術】周知のように、入力部材は、車両のエン
ジンからの駆動力即ち駆動トルクを周知のトルクコンバ
ータを介して受け取り、遊星トランスミッションを構成
する遊星ギヤセットへその駆動トルクを提供する(通
常、トランスミッション内のシャフトの形をした)接続
機構である。また、既知の出力部材は駆動車輪を回転さ
せるための差動装置へトランスミッションを接続する
(通常、シャフトの形をした)接続機構である。
【0004】「トルク伝達装置」は遊星ギヤセットの説
明において普通に使用する別用語である。2つの形式の
トルク伝達装置が一般的に知られている。すなわち入力
クラッチ部材及び反作用ブレーキ部材である。入力クラ
ッチ部材は、通常相対回転可能な2つの部材を一体とな
って回転させるように、これら2つの部材を相互接続す
るために選択的に使用される。反作用ブレーキ部材は回
転可能な状態で装着された部材の回転を阻止するために
選択的に使用される。反作用ブレーキ部材はトランスミ
ッションを収納したハウジングによって提供され、従っ
て、反作用ブレーキ部材は通常回転可能な部材をハウジ
ングに固定して、この部材が回転できないようにする。
【0005】既知の大半の自動変速機は、本発明のトラ
ンスミッションにて提供されるような5段階の前進速比
即ちギヤ比を得るのに2以上の遊星ギヤセットを必要と
していた。
【0006】典型的な遊星ギヤセットは、遊星ギヤセッ
トの中央に位置した小さなギヤで構成されるサンギヤ
と、遊星ギヤセットの外境界を画定し内向きの歯を有す
る最外側部材としてのリングギヤとを有する。複数個の
遊星ギヤ即ちピニオンが上述のサンギヤとリングギヤと
の間に位置していて、回転(自転)したり公転運動した
りするようになっている。各遊星ギヤセット内のピニオ
ンは通常キャリヤに支持され、ピニオンが公転運動した
ときに、この公転運動に応答してキャリヤが回転するよ
うになっている。代わりに、キャリヤはピニオンの所望
の運動を生じさせるように回転してもよい。サンギヤが
回転されれば、トランスミッションハウジングから提供
される反作用ブレーキ部材の如きトルク伝達装置によっ
て素子の1つが静止保持されなければ、遊星ギヤセット
内の太陽歯車以外のすべての素子が動ごかされる。反作
用ブレーキ部材が遊星ギヤセット内の素子の1つをハウ
ジングに固定させたとき、固定された素子は適所に強制
的に保持され、他のすべての素子はこの固定素子に関し
て相対運動する。遊星ギヤセットの素子を選択的に固定
すると共に、遊星ギヤセットの所望の素子へ入力シャフ
トを選択的に接続することにより、その遊星ギヤセット
から異なるギヤ比を提供するための典型的な手段が得ら
れる。すなわち、現在の条件を満たすように出力の速度
及び方向を適当に変更するために、回転させるべき又は
固定すべき異なる部材を選択する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、単一の遊星ギ
ヤセットで提供できる変更の数には制限がある。その結
果、複数の遊星ギヤセットを複合させ(組合せ)て一層
多数の速比即ちギヤ比を提供してきた。遊星ギヤセット
を組合せた場合、個々の遊星ギヤセットの部材間の選択
的な相互接続を生じさせると共に、遊星ギヤセットの1
以上の素子をトランスミッションハウジングに固定させ
るために、種々のトルク伝達装置を使用する。このよう
な構成(例えば、米国特許第4,802,385号明細
書に開示されたもの)は有効なものであるが、遊星ギヤ
セット及び所望数のギヤ比を提供するに必要なトルク伝
達装置を収納するのに必要なハウジングの長さを増大さ
せてしまう。
【0008】一対の遊星ギヤセットに対する所望の組合
せを提供するユニークな構成は米国特許第3,763,
719号明細書に開示されている。この構成において
は、一対の遊星ギヤセットはユニークなピニオン共同体
を使用することにより組合される。この米国特許明細書
に開示された構成では、5つのトルク伝達装置を選択的
に作動させることにより、4つの前進ギヤ比を提供す
る。しかし、この構成は5段階の前進ギヤ比を提供でき
ない。
【0009】それ故、本発明の目的は、2つの遊星ギヤ
セットを組合せることにより改良した5速トランスミッ
ションを提供することである。
【0010】本発明の別の目的は、従来の全体寸法より
小さな全体寸法のハウジング内へ容易に組み込むことの
できる上述の型式の5速トランスミッションを提供する
ことである。
【0011】本発明の更に別の目的は、共通のキャリヤ
に支持されたピニオンの相互作用により組合せされた一
対の遊星ギヤセットを使用し、ピニオンが互いに相互作
用すると共に2つの遊星ギヤセットのサンギヤ及びリン
グギヤとも相互作用するようになった上述の型式の5速
トランスミッションを提供することである。
【0012】本発明の他の目的は、複合遊星ギヤセット
が6つのトルク伝達装置を選択的に作動させることによ
り駆動せしめられる上述の型式の5速トランスミッショ
ンを提供することである。
【0013】本発明の更に他の目的は、6つのトルク伝
達装置が少なくとも2つの入力クラッチ部材と少なくと
も2つの反作用ブレーキ部材とを有する上述の型式の5
速トランスミッションを提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段並びに作用効果】本発明に
係る遊星トランスミッション組立体は5段階の前進ギヤ
比と1つの後退ギヤ比とを提供する遊星トランスミッシ
ョン組立体であって、トランスミッションハウジング
と;入力手段と;出力手段と;前記トランスミッション
ハウジング内に回転装着した一対の軸方向に離間したサ
ンギヤと;前記トランスミッションハウジング内に回転
装着した一対の軸方向に離間したリングギヤであって、
その一方が前記出力手段に固定されているリングギヤ
と;前記トランスミッションハウジング内に回転装着し
た1つのキャリヤと;該キャリヤとは独立に回転できる
ように、しかも同キャリヤの回転時に該キャリヤと共に
回転すなわち公転運動できるように、同キャリヤに支持
された複数個のピニオンと;少なくとも6つのクラッチ
やブレーキ等のトルク伝達装置(26)と;を備え、上
記ピニオンが少なくとも対としてのグループにされてお
り、該グループにされたピニオンが噛合しており、各サ
ンギヤに対して少なくとも1つのピニオンが係合してお
り、各リングギヤに対して少なくとも1つのピニオンが
係合している遊星トランスミッション組立体であり、上
記目的を達成するため、各リングギヤが対応する前記各
サンギヤと軸方向に整合しこれを包囲しており;前記サ
ンギヤの1つをこのサンギヤから軸方向に離間したリン
グギヤに直接噛合させる、少なくとも1つのピニオンを
含む手段(48、160、162)を備え;前記トルク
伝達装置が前記入力手段を前記サンギヤ及び前記キャリ
ヤの少なくとも1つに選択的に接続させる少なくとも2
つの入力クラッチ部材(28)を有し、また、少なくと
も前記キャリヤ及び1つの前記サンギヤを前記トランス
ミッションハウジングに選択的に固定させる少なくとも
2つの反作用ブレーキ部材(38)をも有することを特
徴とする。
【0015】本発明は、入力部材と出力部材との間で接
続され、サンギヤ及び遊星キャリヤに接続された少なく
とも2つの入力クラッチ部材とサンギヤ及び遊星キャリ
ヤに接続された少なくとも2つのブレーキ部材とを有す
る少なくとも6つのトルク伝達装置により制御される複
合遊星ギヤセットを備え、遊星ギヤセットが出力部材と
別のリングギヤと別のサンギヤとに連続的に接続された
リングギヤを有し、別のリングギヤ及び別のサンギヤの
各々がトルク伝達装置に接続される多段速度パワートラ
ンスミッションを提供できる。
【0016】本発明の原理を具体化した遊星トランスミ
ッション組立体は共通のトランスミッションハウジング
内に収納された一対の遊星ギヤセットを使用する。各遊
星ギヤセットはサンギヤとリングギヤとを有する。複数
個のピニオンが共通のキャリヤに支持されている。2つ
の遊星ギヤセットのサンギヤ及びリングギヤは、共通の
キャリヤから提供されるピニオンを作動させることによ
り、相互係合せしめられる。
【0017】6つのトルク伝達装置は遊星トランスミッ
ション組立体内で使用する。トルク伝達装置のうちの少
なくとも2つは2つの遊星ギヤセットの相対回転可能な
素子間の駆動接続を提供するために選択的に使用される
入力クラッチ部材の形をしており、トルク伝達装置のう
ちの少なくとも他の2つは、遊星ギヤセット内の選択し
た回転可能な素子をトランスミッションハウジングに固
定させることにより、これら選択した素子の回転を阻止
するために選択的に使用される反作用ブレーキ部材の形
をしている。
【0018】入力シャフトは入力クラッチ部材を介して
複合遊星ギヤセットの素子に選択的に接続できるように
なっている。特に、一方の遊星ギヤセット内のサンギヤ
は少なくとも入力シャフトに選択的に接続でき、他方の
遊星ギヤセット内のサンギヤは入力シャフトに選択的に
接続できるのみならず、反作用ブレーキ部材の1つを介
して固定され得るようにもなっている。また、キャリヤ
は入力シャフトに選択的に接続できるし、反作用ブレー
キ部材の1つを介して固定され得るようになっている。
一方の遊星ギヤセット内のリングギヤは出力シャフトに
接続される。
【0019】
【実施例】図1には、本発明を具体化したエピサイクリ
ック式トランスミッション組立体即ち遊星トランスミッ
ション組立体の一実施例を10にて示す。この遊星トラ
ンスミッション組立体10は、周知のように、トルクコ
ンバータ16を介して入力シャフト14に接続したエン
ジン12から入力を受ける。これまた周知のように、出
力シャフト18は遊星トランスミッション組立体10か
ら外方へ延び、差動機構20を介して、車輪24を取り
付けた車両の左駆動軸22A及び右駆動軸22Bに接続
する。
【0020】遊星トランスミッション組立体10の入力
シャフト14は入力クラッチ部材28の形をした複数個
のトルク移送装置26と共働する。
【0021】以下の詳細な説明において、特定な構成部
材、素子又は配列は1以上の位置で使用することができ
る。この型式の構成部材、素子又は配列を全体的に参照
する場合は、共通の参照番号を使用するが、特定の1つ
の構成部材、素子又は配列を個々に特定する場合は、こ
れらを全体的に参照するために使用する参照番号に添え
字を伏して示すことにする。従って、明細書及び図面全
体にわたって、例えば、複数個の入力クラッチ部材は参
照番号28にて全体的に特定するが、特定の個々の入力
クラッチ部材は、入力クラッチ部材28A、28B、2
8Cとして特定することにする。また、この添え字につ
いての約束は明細書全体にわたって利用する。
【0022】図1を参照すると、入力シャフト14は入
力クラッチ部材28Aを介してサンシャフト30に回転
(可能な状態で)接続している。サンシャフト30は入
力トルクを第1遊星ギヤセット34のサンギヤ32へ伝
達する。サンシャフト30はまた、トランスミッション
ハウジング36に固定され、このハウジング内において
は、反作用ブレーキ部材38Aの形をしたトルク伝達装
置(トルク移送装置)26が遊星トランスミッション組
立体10を包囲している。反作用ブレーキ部材38Aを
作動させたときには、サンギヤ32も反作用部材とな
る。
【0023】入力シャフト14は、この入力シャフト1
4をキャリヤシャフト42に選択的に接続する入力クラ
ッチ部材28Bにより、キャリヤ40を回転させること
ができる。同様に、入力シャフト14は、この入力シャ
フト14を第2サンギヤ47に接続する入力クラッチ部
材28Cにより、第2遊星ギヤセット46のサンギヤ4
4を回転させることができる。
【0024】以上の構成により、入力シャフト14から
の駆動トルクが、サンギヤ32又は44を介して又はキ
ャリヤ40を介して、遊星トランスミッション組立体1
0の遊星ギヤセット34、46へ導入されること明らか
である。
【0025】遊星ギヤセット34、46は、次のように
して、キャリヤ40からのピニオンにより、複合ギヤ構
造内に組み込まれる。すなわち、第1遊星ギヤセット3
4内のサンギヤ32を第2遊星ギヤセット46内のリン
グギヤ50に直接噛合した長いピニオン48に直接噛合
させる。長いピニオン48はまた2つの短いピニオン5
2、54に噛合している。短いピニオン52は第1遊星
ギヤセット34内のリングギヤ56に噛合し、短いピニ
オン54は第2遊星ギヤセット46内のサンギヤ44に
噛合する。長いピニオン48及び短いピニオン52、5
4はすべて、個別に回転できるようにキャリヤ40に装
着され、いずれかのピニオンが円周方向に公転したとき
には、キャリヤ40が回転する。第2遊星ギヤセット4
6内のリングギヤ50は出力シャフト18に直接接続す
る遊星トランスミッション組立体10内の単なる素子で
あること。従って、長いピニオン48は遊星トランスミ
ッション組立体10からの出力を生じさせるように回転
(自転)又は公転しなければならない(図1)。
【0026】図1に示す実施例においては、2つの付加
的な反作用ブレーキ部材を設ける。特に、第1遊星ギヤ
セット34内のリングギヤ56は反作用ブレーキ部材3
8Bによりトランスミッションハウジング36に選択的
に固定でき、キャリヤ40は反作用ブレーキ部材38C
によりトランスミッションハウジング36に固定でき
る。
【0027】図1の遊星トランスミッション組立体10
は、6個のトルク伝達装置26を選択的に作動又は係合
させることにより、即ち、3つの入力クラッチ部材28
A、28B、28C及び3つの反作用ブレーキ部材38
A、38B、38Cにより、所望の5段の前進ギヤ比
(速比)を提供するように制御される。また、図1に示
す実施例においては、通常の作動期間中にキャリヤ40
を反作用部材として確立するために使用する1方向トル
ク伝達機構58をも設ける。第1ギヤ比と第2ギヤ比と
の間でのシフト期間中、1方向トルク伝達機構58は円
滑なシフト及び正確なタイミングを提供する。その理由
は、このシフトを完成させるために1つのみの摩擦トル
ク伝達駆動インターチェンジを要するだけだからであ
る。これは円滑なトランスミッションの作動を提供する
ために利用される周知の手段である。所望の一連のギヤ
比を得るためのトルク伝達装置26の手順(シーケン
ス)の理解を容易にするため、手順テーブルを図2に示
す。これらのトルク伝達装置26(入力クラッチ部材2
8又は反作用ブレーキ部材38)のうち、各ギヤ比(1
速から5速までの前進ギヤ比及び後進ギヤ比)を得るた
めに作動させる必要のあるものをテーブル内で×にて示
す。従って、この実施例に対しては、各ギヤ比を得るた
めに作動させなければならないトルク伝達装置26を決
定するために、以下の詳細な説明のみならず図2のテー
ブルをも参照する。図2はまた、典型的な設置に対して
幾分でも理解を深めることができるように、各ギヤ比に
対するトルク比をも例示的に示す。しかし、遊星ギヤセ
ットにおけるギヤの歯数及び種々の素子の直径がこのよ
うなトランスミッションで得られる特定のトルク比に影
響を及ぼすことは言うまでもない。
【0028】1速のギヤ比即ち最高のギヤ比(最も低い
速度出力)は入力クラッチ部材28Cを係合させること
により確立される。これにより、第2遊星ギヤセット4
6内のサンギヤ44を駆動する第2サンシャフト47と
入力シャフト14との間の駆動接続を生じさせる。1方
向トルク伝達機構58はキャリヤ40の逆回転を阻止
し、それによって、キャリヤ40を反作用部材として確
立する。代わりに、エンジンブレーキが必要な場合に、
反作用ブレーキ部材38Cはキャリヤ40を反作用部材
として確立するように係合せしめられる。このように、
このギヤ比に対しては、サンギヤ44は遊星トランスミ
ッション組立体10の入力素子となる。
【0029】サンギヤ44が右回りに回転すると仮定す
れば、第2遊星ギヤセット46内の短いピニオン54は
左回りに回転し、それによって長いピニオン48を強制
的に右回りに回転させる。長いピニオン48が右回りに
回転すると、出力リングギヤ50がこの回転に続き、車
輪24と路面との間の抵抗に抗して自分自身が右回りに
回転する。その結果、車両は低速で(従って、出力シャ
フト18により供給され得る最大トルクで)前進運動を
行う。
【0030】2速の前進ギヤ比は、反作用ブレーキ部材
38Aを係合させて、サンギヤ32を反作用部材として
確立させると共にキャリヤ40を前方に回転させ、それ
によって1方向トルク伝達機構58を解除することによ
り、得られる。反作用ブレーキ部材38Cが係合した場
合、普通の制御機構により、反作用ブレーキ部材38
C、38Aの同時のインターチェンジが生じる。1方向
トルク伝達機構58の目的は、1速ギヤ比から2速ギヤ
比へのシフト期間中にそのシフトの移行を円滑に行える
ようなトルク負荷をトランスミッションに維持させる手
段を提供することである。1方向トルク伝達機構58は
キャリヤ40の逆回転を阻止することによりこの効果を
生じさせる。周知のように、電子シフト機構を含む種々
の異なる制御手段によりこの効果を提供できる。本発明
は作動の簡略化のために1方向ブレーキを利用するが、
同一又は実質上同様の効果を達成するための他の手段の
可能性を排除するものではない。
【0031】前述の作動手順の結果として、1速ギヤ比
においては、サンギヤ44は遊星トランスミッション組
立体10の入力素子を構成する。反作用ブレーキ部材3
8Aが作動すると、サンギヤ32をトランスミッション
ハウジング36に固定することによりこのサンギヤ32
の回転を阻止し、これにより、サンギヤ32は第遊星ギ
ヤセット34の反作用素子となる。1速ギヤ比において
は、入力クラッチ部材28Cを介して入力シャフト14
に接続したサンギヤ44は右回りに回転し続ける。サン
ギヤ44のこの右回り回転により、短いピニオン54が
左回りに駆動され、長いピニオン48を右回りに回転さ
せる。長いピニオン48のこの回転により、長いピニオ
ン48はサンギヤ32のまわりで公転運動する。その理
由は、このサンギヤ32が反作用ブレーキ部材38Aに
よりトランスミッションハウジング36に固定されてい
るため静止状態にあるからである。上述の公転運動及び
回転(自転)運動により、リングギヤ50は1速ギヤ比
より速い速度で右回りに回転し、この回転は出力シャフ
ト18により車輪24へ運ばれ、低トルクの適用で1速
ギヤ比より速い出力速度を発生させる。
【0032】3速の前進ギヤ比は反作用ブレーキ部材3
8Aの係合を解除し入力クラッチ部材28Bを係合させ
ることにより得られる。入力クラッチ部材28Bは係合
したままである。この構成では、サンギヤ44及びキャ
リヤ40は同じ速度で右回りに回転する。キャリヤ40
のこの回転により、長いピニオン48を右回りに公転運
動させ、これにより、リングギヤ40を右回りに回転さ
せ、入力トルクを出力シャフト18へ伝達する。サンギ
ヤ44及びキャリヤ40が同じ速度で回転するため、短
いピニオン52及び長いピニオン48は自軸のまわりで
回転せずに、円周方向に単に公転運動する。従って、リ
ングギヤ50はサンギヤ44及びキャリヤ40と同速で
同方向に回転し、入力シャフト14と同じトルクを供給
する同速で同方向の出力を発生させる。1.00のトル
ク比及び速度は直接駆動(ダイレクトドライブ)として
一般に知られており、本発明の3速前進ギヤを直接駆動
ギヤとする。
【0033】4速の前進ギヤ比は、入力クラッチ部材2
8Cの係合を解除し反作用ブレーキ部材38Aを係合さ
せたままの状態で、入力クラッチ部材28Bを係合状態
に維持することにより、得られる。この変更の結果、サ
ンギヤ32は反作用ブレーキ部材38Aにより静止保持
され、キャリヤ40は入力シャフト14と同じ速度で右
回りに回転する。これにより、静止のサンギヤ32に対
して作用する長いピニオン48は自軸のまわりで右回転
する。長いピニオン48と直接噛合しているリングギヤ
50は長いピニオン48の右回転に応答して右回りに回
転せしめられる。トランスミッションのすべての力伝達
素子が同じ方向に回転するため、サンギヤ32から長い
ピニオン48へ伝達され次いでリングギヤ50へ伝達さ
れる速度は、増大する。しかし、トルクは比例的に減少
する。従って、この4速ギヤ比においては、入力及び出
力部材の回転方向は前進ギヤ比を提供するように同じ方
向に維持されるが、出力速度は3速前進ギヤ比の速度以
上に増大せしめられる。3速前進ギヤ比が(入力速度と
出力速度とが等しい)直接駆動であるため、この4速ギ
ヤ比は(入力速度より出力速度の方が大きい)オーバー
ドライブ状態を提供する。この場合、トルク出力は入力
トルクに比例するが、入力トルクより小さい。5速前進
ギヤ比は、反作用ブレーキ部材38Aを解除し反作用ブ
レーキ部材38Bを係合させた状態で、入力クラッチ部
材28Bを係合状態に維持させることにより、得られ
る。入力クラッチ部材28Bの係合を維持させることに
より、キャリヤ40は入力部材を4速ギヤ比に維持す
る。反作用ブレーキ部材38Bが作動すると、リングギ
ヤ56は反作用部材となる。キャリヤ40が右回りに回
転すると、長いピニオン48が右回りに公転運動せしめ
られ、短いピニオン52が静止のリングギヤ56のまわ
りで転がる。それ故、短いピニオン52に噛合している
長いピニオン48は公転運動しながら右回りに回転せし
められる。従って、リングギヤ50は右回りに公転運動
し回転している長いピニオン48から入力を受ける。こ
の結果、リングギヤ50は迅速に右回転し、出力シャフ
ト18に対応する回転を与える。従って、5速ギヤ比は
同じ入力速度で4速ギヤ比よりも速い出力を提供する。
ただし、そのトルク比はそれに応じて小さくなる。この
5速ギヤ比は、実際には、第2のオーバードライブ状態
を提供する。
【0034】後退ギヤ比は、すべてのトルク伝達装置を
解除し、その後、反作用ブレーキ部材38Cと入力クラ
ッチ部材28Aとを同時に係合させることにより、得ら
れる。すべての入力クラッチ部材及び反作用部材を解除
すると、ニュートラル位置として知られる状態となり、
このニュートラル位置においては、エンジンは運転状態
にあるがトランスミッションからの出力を何等発生させ
ない。ニュートラル状態になると、後に詳述する2つの
トルク伝達装置の係合により後退ギヤ比が提供される。
【0035】特に、入力クラッチ部材28Aの係合によ
り、サンギヤ32は入力シャフト14と一緒に右回りに
回転する。反作用ブレーキ部材38Cが係合すると、キ
ャリヤ40が固定され、このキャリヤは反作用部材とな
る。従って、サンギヤ32に噛合している長いピニオン
48は左回りに回転せしめられる。長いピニオン48に
噛合しているリングギヤ50は長いピニオン48により
左回りに駆動せしめられる。この結果、入力シャフト1
4の右回転とは反対の出力シャフト18の左回転が生
じ、それによって後退ギヤ比を提供する。この後進ギヤ
比では、速度についての速比は小さいが、トルク比はこ
れに対応して大きい。
【0036】本発明の原理を具体化した遊星トランスミ
ッション組立体の別の実施例を図3に110にて示す。
周知のように、遊星トランスミッション組立体110は
遊星トランスミッション組立体110内の入力シャフト
114を介して入力を受ける。また、普通に知られてい
る通り、出力シャフト118は遊星トランスミッション
組立体110から外方へ延び、差動機構120を介して
車輪124を取り付けた車両の左駆動軸122A及び右
駆動軸122Bに接続する。
【0037】遊星トランスミッション組立体110の入
力シャフト114は入力クラッチ部材128の形をした
複数個のトルク移送装置126と共働する。
【0038】図3を参照すると、入力シャフト114は
入力クラッチ部材128Aを介してサンシャフト130
に回転(可能な状態で)接続している。サンシャフト1
30は、この実施例においては、第2遊星ギヤセット1
46に組み込んだサンギヤ132へ入力トルクを伝達す
る。サンシャフト130はまた、トランスミッションハ
ウジング136に固定され、このハウジング内において
は、反作用ブレーキ部材38Aの形をしたトルク伝達装
置126が遊星トランスミッション組立体110を包囲
している。反作用ブレーキ部材138Aを作動させたと
きにサンギヤ132を反作用部材にする反作用ブレーキ
部材138Aを使用する。
【0039】入力シャフト114は、この入力シャフト
114をキャリヤシャフト142に選択的に接続する入
力クラッチ部材128Bにより、キャリヤ140を回転
させることができる。同様に、入力シャフト114は、
この実施例では、第1遊星ギヤセット134のサンギヤ
144を回転させることができる。サンギヤ144に取
り付けたサンシャフト147が入力クラッチ部材128
Cにより入力シャフト114に選択的に接続されたとき
には、サンギヤ144が回転する。
【0040】以上の構成により、図1の実施例と同様、
入力シャフト114からの駆動トルクが、サンギヤ13
2又は144を介して又はキャリヤ140を介して、遊
星トランスミッション組立体110の遊星ギヤセット1
34、146へ導入される。
【0041】遊星ギヤセット134、146は、次のよ
うにして、キャリヤ140からのピニオンにより、組合
される。すなわち、第1の長いピニオン160を第2遊
星ギヤセット146内のサンギヤ132とリングギヤ1
50との間に配置し、これらに同時に噛合させる。同様
に、第2の長いピニオン162を第1遊星ギヤセット1
34内のサンギヤ144とリングギヤ156との間に配
置し、これらに同時に噛合させる。更に、長いピニオン
160、162を一緒に噛合させる。
【0042】2つの長いピニオン160、162は共に
回転可能な状態でキャリヤ140に装着され、長いピニ
オンが円周方向に公転運動したときには、キャリヤ14
0が回転し、逆に、キャリヤが回転したときには、長い
ピニオンが公転運動する。第2遊星ギヤセット146内
のリングギヤ150は出力シャフト118に直接接続す
る遊星トランスミッション組立体110内の単なる1素
子である。従って、長いピニオン160、162は図3
に示す遊星トランスミッション組立体110からの出力
を生じさせるように回転運動又は公転運動しなければな
らない。
【0043】図3に示す実施例においては、2つの付加
的な反作用ブレーキ部材を設ける。特に、第1遊星ギヤ
セット134内のリングギヤ156は反作用ブレーキ部
材138Bによりトランスミッションハウジング136
に選択的に固定でき、キャリヤ140は反作用ブレーキ
部材138Cによりトランスミッションハウジング13
6に固定できる。
【0044】図3の遊星トランスミッション組立体11
0は、6個のトルク伝達装置126を選択的に使用する
ことにより、即ち、3つの入力クラッチ部材128A、
128B、128Cを3つの反作用ブレーキ部材138
A、138B、138Cに対して種々に組合せることに
より、所望の5段の前進ギヤ比を提供するように制御さ
れる。
【0045】この実施例の構成は先の第1実施例の構成
と異なるが、機能及び作動手段はほぼ同じである。特
に、この実施例においては、1速のギヤ比は入力クラッ
チ部材128C及び反作用ブレーキ部材138Cを係合
させることにより得られる。入力シャフト114により
供給されるトルクはサンシャフト147によりサンギヤ
144へ伝達され、これにより、サンギヤは入力シャフ
ト114の右回転に応答して右回転する。反作用ブレー
キ部材138Cを作動させてキャリヤ140を固定すれ
ば、このキャリヤは反作用部材となり、それによって長
いピニオン160、162の公転運動を阻止する。しか
し、サンギヤ144の右回転に応答して長いピニオン1
62は左回りに回転し、ピニオン160を右回りに強制
回転させる。ピニオン160のこの回転がリングギヤ1
50の右回転を生じさせ、出力シャフト118へトルク
を提供し、これにより、出力シャフト118は入力シャ
フト114より遅い速度でこれと同方向に回転する。
【0046】2速の前進ギヤ比は、反作用ブレーキ部材
138Cの係合を解除すると共に反作用ブレーキ部材1
38Aを係合させた状態で、入力クラッチ部材128C
を係合維持させることにより、得られる。その結果、サ
ンギヤ144は遊星トランスミッション組立体110の
入力素子を構成したままとなり、サンギヤ144の右回
転により長いピニオン162が左回りに回転する。長い
ピニオン162のこの回転により、長いピニオン160
は右回りに強制回転せしめられ、この回転が生じると、
係合した反作用ブレーキ部材138Aによりサンギヤ1
32及びサンシャフト130が静止保持されているた
め、2つの長いピニオン160、162は公転運動す
る。長いピニオン160、162が上述の公転運動を行
うと、キャリヤ140が右回りに回転し、リングギヤ1
50に右回転を与える。出力リングギヤ150の回転
は、長いピニオン160の回転運動及び公転運動のた
め、1速ギヤ比の出力より僅かに速い。トルク出力は第
1実施例のトルク出力に比例するが、それより小さい。
【0047】遊星トランスミッション組立体110で3
速の前進ギヤ比を得るためには、入力クラッチ部材12
8Cを係合維持したまま、反作用ブレーキ部材138A
の係合を解除し、入力クラッチ部材128Bを係合させ
る。入力クラッチ部材128B、128Cの係合によ
り、キャリヤシャフト142及びサンシャフト147は
同じ速度で右回りに強制回転せしめられる。その理由
は、これらのシャフトが共に入力シャフト114に直接
接続されているからである。これにより、サンギヤ14
4及びキャリヤ140は同速度で同方向に回転する。周
知のように、遊星ギヤセットの2つの素子が同速度で回
転すると、他の素子もその速度で回転しなければならな
い。従って、リングギヤ150及び出力シャフト118
もその速度で回転する。これは、直接駆動比(ダイレク
トドライブ比)として知られているもので、入出力速
度、入出力トルク及びその回転方向は同じである。
【0048】4速の前進ギヤ比は、入力クラッチ部材1
28Cの係合を解除し反作用ブレーキ部材138Aを係
合させたままの状態で、入力クラッチ部材128Bを係
合状態に維持することにより、得られる。ここで、反作
用ブレーキ部材138Aを作動させると、サンギヤ13
2は固定されて回転できなくなる。入力クラッチ部材1
28Bを作動させると、キャリヤ140は入力シャフト
114の右回転に応答して右回りに回転する。キャリヤ
140のこの回転により、静止のサンギヤ132のまわ
りで長いピニオン160が右回りに転がり、キャリヤ1
40より速い回転速度でリングギヤ150を右回りに回
転させる。それ故、4速駆動ギヤ比はオーバードライブ
比を構成し、この場合、リングギヤ150の回転は入力
シャフト114の回転より速いが、トルク供給量は一層
少ない。
【0049】5速前進ギヤ比は、反作用ブレーキ部材1
38Aの係合を解除し反作用ブレーキ部材138Bを係
合させた状態で、入力クラッチ部材128Bを係合状態
に維持させることにより、得られる。このギヤ比は前述
の2つのギヤ比と同様、遊星トランスミッション組立体
110の入力素子としてキャリヤ140を利用する。5
速ギヤ比は反作用部材としてリングギヤ156を利用す
る。キャリヤ140は右回りの入力を提供し、固定され
たリングギヤ156内で長いピニオン162を左回りに
強制的に回転させる。長いピニオン162が左回りに回
転すると、長いピニオン160が右回りに回転し、それ
によってリングギヤ150を右回りに駆動する。この5
速ギヤ比は、第2のオーバードライブ状態を提供し、こ
の場合、リングギヤ150は入力シャフト114より更
に速い速度で回転するが、出力トルクは更に小さくな
る。
【0050】遊星トランスミッション組立体110にお
いては、すべての入力クラッチ部材及びすべての反作用
ブレーキ部材の係合を解除し、その後、反作用ブレーキ
部材138Cと共に入力クラッチ部材128Aを係合さ
せることにより、後退ギヤ比が得られる。入力クラッチ
部材128Aを係合させると、入力シャフト114の右
回り回転に応答して、サンシャフト130従ってサンギ
ヤ132が右回りに回転する。反作用ブレーキ部材13
8Cが作動すると、キャリヤ140を係止して回転でき
ないようにし、これにより、長いピニオン160、16
2の並進運動を阻止するが、自軸のまわりでこれらを強
制回転させる。従って、サンギヤ132の右回り回転は
長いピニオン160を左回りに強制的に回転させる。長
いピニオン160のこの左回転により、リングギヤ15
0は左回りに強制的に回転せしめられる。これにより、
リングギヤ150は入力シャフト114により供給され
るトルクより一層大きなトルクで入力シャフト114と
は反対の方向へ回転する(それ故、後退ギヤ比を提供す
る)。
【0051】本発明の原理を具体化した遊星トランスミ
ッション組立体の第2の別の実施例を図4に210にて
示す。周知のように、遊星トランスミッション組立体2
10は遊星トランスミッション組立体210内の入力シ
ャフト214を介して入力を受ける。また、普通に知ら
れている通り、出力シャフト218は遊星トランスミッ
ション組立体210から外方へ延び、差動機構220を
介して車輪224を取り付けた車両の左駆動軸222A
及び右駆動軸222Bに接続する。
【0052】遊星トランスミッション組立体210の入
力シャフト214は入力クラッチ部材228の形をした
複数個のトルク移送装置226と共働する。
【0053】図4を参照すると、入力シャフト214は
入力クラッチ部材228Aを介してサンシャフト230
に回転(可能な状態で)接続している。サンシャフト2
30は、この実施例においては、第2遊星ギヤセット2
46に組み込んだサンギヤ232へ入力トルクを伝達す
る。サンシャフト230はまた、トランスミッションハ
ウジング236に固定され、このハウジング内において
は、反作用ブレーキ部材238Aの形をしたトルク伝達
装置226が遊星トランスミッション組立体210を包
囲している。前述の諸実施例と同様、反作用ブレーキ部
材238Aを作動させたときにサンギヤ232を反作用
部材にするために反作用ブレーキ部材238Aを使用す
る。
【0054】入力シャフト214はまた、この入力シャ
フト214をキャリヤシャフト242に選択的に接続す
る入力クラッチ部材228Bにより、キャリヤ240を
回転させることができる。
【0055】以上の構成により、入力シャフト214か
らの駆動トルクが、サンギヤ232又はキャリヤ240
を介して、遊星トランスミッション組立体210の遊星
ギヤセット246へ導入される。
【0056】遊星ギヤセット234、246は、次のよ
うにして、キャリヤ240からのピニオンにより、組合
される。すなわち、第1の長いピニオン260を第2遊
星ギヤセット246内のサンギヤ232とリングギヤ2
50との間に配置し、これらに同時に噛合させる。同様
に、第2の長いピニオン262を第1遊星ギヤセット2
34内のサンギヤ244とリングギヤ256との間に配
置し、これらに同時に噛合させる。更に、長いピニオン
260、262を一緒に噛合させる。
【0057】2つの長いピニオン260、262は共に
回転可能な状態でキャリヤ240に装着され、長いピニ
オンが円周方向に並進運動したときには、キャリヤ24
0が回転し、逆に、キャリヤが回転したときには、長い
ピニオンが並進運動する。また、第2遊星ギヤセット2
46内のリングギヤ250は出力シャフト218に直接
接続する遊星トランスミッション組立体210内の単な
る1素子であることに留意されたい。従って、長いピニ
オン260、262は図4に示す遊星トランスミッショ
ン組立体210からの出力を生じさせるように回転運動
又は並進運動しなければならない。
【0058】図4に示す実施例においては、反作用ブレ
ーキ部材の形をした3つの付加的なトルク伝達装置を設
ける。特に、第1遊星ギヤセット234内のリングギヤ
256は反作用ブレーキ部材238Bによりトランスミ
ッションハウジング236に選択的に固定でき、キャリ
ヤ240は反作用ブレーキ部材238Cによりトランス
ミッションハウジング236に固定でき、サンギヤ24
4は反作用ブレーキ部材238Dによりトランスミッシ
ョンハウジング236に固定できる。
【0059】図4の遊星トランスミッション組立体21
0は、2つの入力クラッチ部材228A、228Bしか
有さないが、合計6個のトルク伝達装置(残りは、4つ
の反作用ブレーキ部材238A、238B、238C、
238D)を有する。これらのトルク伝達装置の種々の
組合せにより、後述する所望の5段の前進ギヤ比を提供
することができる。
【0060】この実施例の作動は先の2つの実施例の作
動と多くの点で同じであるが、特定な違いがある。図4
の実施例においては、1速の前進ギヤ比は入力クラッチ
部材228A及び反作用ブレーキ部材238Dを作動さ
せることにより得られる。先の諸実施例と同様に入力シ
ャフト214が右回りに回転していると仮定すれば、こ
の回転により、作動中の入力クラッチ部材228Bを介
してサンシャフト230を回転させ、サンギヤ232を
右回りに回転させる。サンギヤ232の右回り回転によ
り、噛合する長いピニオン260が左回りに強制回転せ
しめられる。反作用ブレーキ部材238Dを作動させて
サンギヤ244を固定すれば、長いピニオン262はサ
ンギヤ244のまわりで右まわりに並進運動する。長い
ピニオン260、262の組合せ回転及び並進運動によ
り、リングギヤ250を右回りに駆動し、これにより、
入力シャフト214より遅い速度及び大きなトルクでこ
れと同方向に出力シャフト218を回転させる。
【0061】2速の前進ギヤ比は、入力クラッチ部材2
28Aの係合を解除し入力クラッチ部材228Bを係合
させることにより、得られる。反作用ブレーキ部材23
8Dはサンギヤ244をトランスミッションハウジング
236に固定させた状態を維持し、入力クラッチ部材2
28Bが作動すると、入力シャフト214と一緒にキャ
リヤ240が右回りに回転する。キャリヤ240の右回
転により長いピニオン260、262が右回りに並進運
動する。サンギヤ244が固定されているため、長いピ
ニオン262の右回りの並進運動が、長いピニオン26
2をその右回り並進運動期間中さえ自軸のまわりで左回
転させる。長いピニオンのこの組合せの右回り並進運動
及び左回り回転運動により、1速前進ギヤ比により提供
される速度より速い速度で、しかもキャリヤ240及び
入力シャフト214の回転速度より遅い速度で、リング
ギヤ250が右回りに回転する。
【0062】3速の前進ギヤ比は、反作用ブレーキ部材
238Dの係合を解除し、入力クラッチ部材228Aを
係合させることにより、得られる。この結果、入力クラ
ッチ部材228A、228Bが共に係合し、サンギヤ2
32及びキャリヤ240を同じ方向に同じ速度で回転さ
せる。周知のように、遊星ギヤセットの2つの素子が同
速度で回転すると、他の素子もその速度で回転しなけれ
ばならない。従って、リングギヤ250及び出力シャフ
ト218も入力シャフト214と同じ方向へ同じ速度で
回転する。従って、3速前進ギヤ比は直接駆動比であ
る。
【0063】4速の前進ギヤ比は、入力クラッチ部材2
28Aの係合を解除し、反作用ブレーキ部材238Aを
係合させることにより、得られる。キャリヤ240が入
力素子を構成するように入力クラッチ部材228Bは作
動したままである。ここで、反作用ブレーキ部材238
Aを作動させると、サンギヤ232は固定される。その
結果、キャリヤ240は入力シャフト214の右回転に
応答して右回りに回転し、固定されたサンギヤ232の
まわりで長いピニオン260を右回り強制回転させる。
この作動態様においては、リングギヤ250は長いピニ
オン260の組合せの回転及び並進速度で、右回りに強
制回転せしめられる。このため、リングギヤ250は、
入力シャフト214と同じ回転方向にしかも入力シャフ
ト速度より速い速度で、出力シャフト218を回転させ
る。従って、4速前進ギヤ比は図4の実施例により提供
される第1のオーバードライブ比となる。
【0064】5速前進ギヤ比は、反作用ブレーキ部材2
38Aの係合を解除し反作用ブレーキ部材238Bを作
動させることにより、得られる。このギヤ比においても
キャリヤ240を入力部材として維持させるために、入
力クラッチ部材228Bは作動したままである。反作用
ブレーキ部材238Bはリングギヤ256を固定する。
それ故、入力シャフト214と一緒にキャリヤ240が
右回り回転すると、長いピニオン260、262の右回
りの並進運動が生じる。長いピニオン262が固定され
たリングギヤ256と噛合しているため、長いピニオン
262の並進運動がこのピニオンを左回りに回転させ
る。長いピニオン262のこの左回り回転により、これ
に噛合した長いピニオン260が右回りに回転する。長
いピニオン260の組合せ回転及び並進運動により、入
力シャフト214と同じ方向へのリングギヤ250の一
層速い回転を生じさせ、第2のオーバードライブ状態を
提供する。
【0065】後退ギヤ比は、先に作動させたトルク伝達
装置226をまず解除し、次いで、反作用ブレーキ部材
238Cと共に入力クラッチ部材228Aを係合させる
ことにより、得られる。入力クラッチ部材228Aを作
動させると、入力シャフト214と一緒にサンギヤ23
2が右回りに回転する。反作用ブレーキ部材238Cが
作動すると、キャリヤ240が固定され、これにより、
サンギヤ232の右回り回転が長いピニオン260を左
回りに回転させる。リングギヤ250が長いピニオン2
60により駆動されているので、リングギヤ250は左
回りに回転し、一層遅い速度ではあるが比較的大きなト
ルクでの出力シャフト218の逆回転を提供する。
【0066】本発明の原理を具体化した遊星トランスミ
ッション組立体の第3の別の実施例を図5に310にて
示す。周知のように、遊星トランスミッション組立体3
10は遊星トランスミッション組立体310内の入力シ
ャフト314を介して入力を受ける。また、普通に知ら
れている通り、出力シャフト318は遊星トランスミッ
ション組立体310から外方へ延び、差動機構320を
介して車輪324を取り付けた車両の左駆動軸322A
及び右駆動軸322Bに接続する。
【0067】遊星トランスミッション組立体310の入
力シャフト314は入力クラッチ部材328の形をした
複数個のトルク移送装置326と共働する。
【0068】図5を参照すると、入力シャフト314は
入力クラッチ部材328Aを介してサンシャフト330
に回転(可能な状態で)接続している。サンシャフト3
30は、この実施例においては、第2遊星ギヤセット3
46に組み込んだサンギヤ332へ入力トルクを伝達す
る。サンシャフト330はまた、トランスミッションハ
ウジング336に固定され、このハウジング内において
は、反作用ブレーキ部材338Aの形をしたトルク伝達
装置326が遊星トランスミッション組立体310を包
囲している。前述の諸実施例と同様、反作用ブレーキ部
材338Aを作動させたときにサンギヤ332を反作用
部材にするため反作用ブレーキ部材338Aを使用す
る。
【0069】入力シャフト314はまた、この入力シャ
フト314をキャリヤシャフト342に選択的に接続す
る入力クラッチ部材328Bにより、キャリヤ340を
回転させることができる。
【0070】以上の構成により、入力シャフト314か
らの駆動トルクが、サンギヤ332又はキャリヤ340
を介して、遊星トランスミッション組立体310の遊星
ギヤセット334及び(又は)346へ導入されるこ
と。遊星ギヤセット334、346は、次のようにし
て、共通キャリヤ340からのピニオンにより、組合さ
れる。すなわち、第1の長いピニオン360を第2遊星
ギヤセット346内のサンギヤ332とリングギヤ35
0との間に配置し、これらに同時に噛合させる。同様
に、第2の長いピニオン362を第1遊星ギヤセット3
34内のサンギヤ344とリングギヤ356との間に配
置し、これらに同時に噛合させる。更に、長いピニオン
360、362を一緒に噛合させる。
【0071】2つの長いピニオン360、362は共に
回転可能な状態でキャリヤ340に装着され、長いピニ
オンが円周方向に並進運動したときには、キャリヤ34
0が回転し、逆に、キャリヤが回転したときには、長い
ピニオンが並進運動する。また、第2遊星ギヤセット3
46内のリングギヤ350は出力シャフト318に直接
接続する遊星トランスミッション組立体310内の単な
る1素子であることに留意されたい。従って、長いピニ
オン360、362は図5に示す遊星トランスミッショ
ン組立体310からの出力を生じさせるように回転運動
又は並進運動しなければならない。
【0072】図5に示す実施例においては、1つの付加
的な反作用ブレーキ部材を設ける。特に、キャリヤ34
0は反作用ブレーキ部材338Bによりトランスミッシ
ョンハウジング336に選択的に固定できる。この実施
例はまた、2つの付加的な入力クラッチ部材328をも
有する。特に、入力クラッチ部材328Cはサンシャフ
ト347を介して入力シャフト314を第1遊星ギヤセ
ット334のサンギヤ344に選択的に接続し、入力ク
ラッチ部材328Dはリングギヤ356を入力シャフト
314に選択的に接続する。
【0073】図5の遊星トランスミッション組立体31
0は、2つの反作用ブレーキ部材338A、338Bし
か有さないが、合計6個のトルク伝達装置(残りは、4
つの入力クラッチ部材328A、328B、328C、
328D)を有する。これらのトルク伝達装置の種々の
組合せにより、後述する所望の5段の前進ギヤ比を提供
することができる。
【0074】図5の第3の別の実施例において1速の前
進ギヤ比を得るためには、入力クラッチ部材328C及
び反作用ブレーキ部材338Bを作動させる。入力クラ
ッチ部材328Cを作動させると、入力シャフト314
と一緒にサンギヤ344が右回りに回転する。サンギヤ
332のこの回転により、噛合する長いピニオン362
が左回りに回転せしめられる。しかし、キャリヤ340
が反作用ブレーキ部材338Bにより固定されているの
で、長いピニオン362の並進運動は阻止される。それ
故、長いピニオン362の左回りの回転が長いピニオン
360を右回りに回転させ、これにより、リングギヤ3
50を介して、入力シャフト314より遅い速度及び大
きなトルクで右回りに出力シャフト318を回転させ
る。
【0075】2速の前進ギヤ比は、反作用ブレーキ部材
338Bの係合を解除し反作用ブレーキ部材338Aを
係合させることにより、得られる。入力クラッチ部材3
28Cはサンギヤ344に駆動入力を提供し続けるが、
このときキャリヤ340は自由に回転する。反作用ブレ
ーキ部材338Aを作動させると、サンギヤ332が固
定される。入力シャフト314の右回り回転に応答して
サンギヤ344が右回りに回転すると、噛合した長いピ
ニオン362が左回りに回転し、長いピニオン360を
右回りに回転させる。サンギヤ332が固定されている
ため、長いピニオン360の右回り回転が長いピニオン
360の右回り並進運動を生じさせる。長いピニオン3
60のこの右回り回転により、リングギヤ350を右回
りに駆動し、出力シャフト318を右回りに回転させ
る。出力シャフト318は1速前進ギヤ比により提供さ
れる速度より僅かに速い速度で、しかも一層小さなトル
クで、入力シャフト314と同じ方向に回転する。
【0076】3速の前進ギヤ比は、反作用ブレーキ部材
338Aの係合を解除し、入力クラッチ部材328Bを
作動させることにより、得られる。先に作動していた入
力クラッチ部材328Cは作動し続けて、サンギヤ34
4に回転を与え、入力クラッチ部材328Bはキャリヤ
340に同じ回転速度を与える。その結果、サンギヤ3
44及びキャリヤ340が同じ方向に同じ速度で回転す
る。前述のように、遊星ギヤセットの2つの素子が同速
度で回転すると、他の素子もその速度で回転しなければ
ならない。従って、この3速前進ギヤ比の状態下では、
リングギヤ350はサンギヤ344及びキャリヤ340
と同じ速度で右回りに回転する。従って、出力シャフト
318は入力シャフト314と同じ方向に同じ速度で回
転し、それ故、3速前進ギヤ比は直接駆動比となる。
【0077】4速の前進ギヤ比は、入力クラッチ部材3
28Cの係合を解除し、反作用ブレーキ部材338Aを
係合させることにより、得られる。入力クラッチ部材3
28Bの係合を維持し、入力シャフト314の右回り回
転に応答して、キャリヤ340を右回りに回転させ続け
る。反作用ブレーキ部材338Aを作動させ、サンギヤ
332を固定する。このサンギヤ332の固定の結果、
キャリヤ340の回転が長いピニオン360を右回りに
強制回転させる。それ故、リングギヤ350は長いピニ
オン360の右回り回転及び並進速度の組合せの効果を
受ける。これにより、リングギヤ350は、入力シャフ
ト314の速度より速い速度で、出力シャフト318を
回転させる。この4速前進ギヤ比は図5の実施例により
提供される第1のオーバードライブ比となる。
【0078】この実施例における5速前進ギヤ比は、入
力クラッチ部材328Bの係合を解除し、入力クラッチ
部材328Dを係合させることにより、得られる。従っ
て、リングギヤ356は入力部材となる。反作用ブレー
キ部材338Aの作動を維持し、サンギヤ332を反作
用部材として作動させる。
【0079】サンギヤ332が固定されているので、キ
ャリヤ340が右回りに回転すると、長いピニオン36
0は固定のサンギヤ332のまわりで転がるように右回
りに回転する。長いピニオン360のこの右回りの回転
により、リングギヤ356と噛合している長いピニオン
362が左回りに回転する。それ故、長いピニオン36
0により長いピニオン362に必要な左回り回転を与え
るためには、キャリヤ340を一層速い速度で右回りに
回転させる必要がある。固定したサンギヤ332で長い
ピニオン360の反作用を生じさせるときにリングギヤ
356の駆動力から得られる長いピニオン360の回転
によるキャリヤ340の回転は、キャリヤ340を回転
させるに要する長いピニオン360の付加的な並進運動
と組合わされて、リングギヤ356に対する長いピニオ
ン362の回転を許容する。この結果として生じる長い
ピニオン360、362の回転は固定されたサンギヤ3
32により必要とされる。入力クラッチ部材328Dの
上述の作動は、反作用ブレーキ部材338Aの作動と組
合わさって、リングギヤ350に比較的高速の右回り回
転を生じさせ、遊星トランスミッション組立体310の
ための第2のオーバードライブ状態を提供する。
【0080】後退ギヤ比を得るためには、先に係合させ
たトルク伝達装置326の係合を解除し、入力クラッチ
部材328Aと反作用ブレーキ部材338Bとを同時に
係合させる。入力クラッチ部材328Aを作動させる
と、サンギヤ332が右回りに回転し、長いピニオン3
62を左回りに回転させる。反作用ブレーキ部材338
Bが作動するとキャリヤ340が固定され、これによ
り、長いピニオン362の並進運動を阻止し、リングギ
ヤ350の左回り回転を生じさせる。従って、出力シャ
フト318は入力シャフト314とは反対の方向へ比較
的大きなトルクで回転する。
【0081】上記諸実施例についての上述の説明から、
1つのリングギヤ50、150、250、350が常に
出力部材となり、1つのサンギヤ32、132、23
2、332及びキャリヤ40、140、240、340
がそれぞれ常に一対の選択的に係合可能なトルク伝達装
置(一方は入力クラッチ部材で、他方は反作用ブレーキ
部材)に接続されること明らかである。残りの遊星部
材、他方のサンギヤ及びリングギヤの各は常に、選択的
に係合可能なトルク伝達装置(入力クラッチ部材でも反
作用ブレーキ部材でもよい)にそれぞれ接続される。従
って、遊星トランスミッション組立体が特定の要求や組
み込み条件を満たせるような幅広い範囲の設計上の選択
が可能になる。
【0082】図1の実施例についてのみ1方向トルク伝
達機構の使用を説明したが、低速比でキャリヤを反作用
部材として制御するためのこのような機構を他の実施例
についても使用できる。それ故、遊星トランスミッショ
ン組立体においては、2個、3個又は4個のクラッチ及
び4個、3個又は2個のブレーキを組合せて使用し、合
計6個のトルク伝達装置を提供するとよい。これは、リ
ングギヤを出力部材として使用しサンギヤ、キャリヤを
入力/反作用部材として使用する複合構造体により少な
くとも5段階の前進速比と少なくとも1つの後退速比と
を提供するに当っての制御素子即ちトルク伝達装置の最
小数である。
【図面の簡単な説明】
【図1】1つの特定なピニオン構造により組合せた2つ
の遊星ギヤセットを有し、所望のギヤ比を得るために6
つの選択的に係合可能なトルク伝達装置をも組み込んだ
本発明の一実施例に係る遊星トランスミッション組立体
の概略構成図である。
【図2】図1に略示するトランスミッションから利用可
能な5段階の前進ギヤ比と1つの後退ギヤ比とを提供す
るために必要なトルク伝達装置の作動条件を示すテーブ
ルである。
【図3】本発明の第1の別の実施例に係る遊星トランス
ミッション組立体の概略構成図である。
【図4】本発明の第2の別の実施例に係る遊星トランス
ミッション組立体の概略構成図である。
【図5】本発明の第3の別の実施例に係る遊星トランス
ミッション組立体の概略構成図である。
【符号の説明】
10、110、210、310 遊星トランスミッショ
ン組立体 14、214、314 入力シャフト 16 トルクコンバータ 18、218、318 出力シャフト 26 トルク伝達装置 28、228、328 入力クラッチ部材 32、44、132、144、232、332、344
サンギヤ 34、46、134、146 遊星ギヤセット 36 トランスミッションハウジング 38、238、338 反作用ブレーキ部材 40 キャリヤ 48、52、54、160、162 ピニオン 50、56、150、156、256、356 リング
ギヤ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ジョン・ディー・マロイ アメリカ合衆国ミシガン州48098,トロイ, ダブリン・フェア 6877

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 5段階の前進ギヤ比と1つの後退ギヤ比
    とを提供する遊星トランスミッション組立体であって、
    トランスミッションハウジング(36)と;入力手段
    (14、16)と;出力手段(18)と;前記トランス
    ミッションハウジング内に回転装着した一対の軸方向に
    離間したサンギヤ(32、44)と;前記トランスミッ
    ションハウジング内に回転装着した一対の軸方向に離間
    したリングギヤ(50、56)であって、その一方(5
    0)が前記出力手段に固定されているリングギヤと;前
    記トランスミッションハウジング内に回転装着した1つ
    のキャリヤ(40)と;該キャリヤとは独立に回転でき
    るように、しかも同キャリヤの回転時に該キャリヤと共
    に回転すなわち公転運動できるように、同キャリヤに支
    持された複数個のピニオン(48、52、54)と;少
    なくとも6つのクラッチやブレーキ等のトルク伝達装置
    (26)と;を備え、上記ピニオンが少なくとも対とし
    てのグループにされており、該グループにされたピニオ
    ンが噛合しており、各サンギヤに対して少なくとも1つ
    のピニオンが係合しており、各リングギヤに対して少な
    くとも1つのピニオンが係合している遊星トランスミッ
    ション組立体において、 前記各リングギヤが対応する前記各サンギヤと軸方向に
    整合しこれを包囲しており;前記サンギヤの1つをこの
    サンギヤから軸方向に離間したリングギヤに直接噛合さ
    せる、少なくとも1つのピニオンを含む手段(48、1
    60、162)を備え;前記トルク伝達装置が前記入力
    手段を前記サンギヤ及び前記キャリヤの少なくとも1つ
    に選択的に接続させる少なくとも2つの入力クラッチ部
    材(28)を有し、また、少なくとも前記キャリヤ及び
    1つの前記サンギヤを前記トランスミッションハウジン
    グに選択的に固定させる少なくとも2つの反作用ブレー
    キ部材(38)をも有することを特徴とする遊星トラン
    スミッション組立体。
  2. 【請求項2】 前記6つのトルク伝達装置が3つの入力
    クラッチ部材(28)と3つの反作用ブレーキ部材(3
    8)とを有し;前記各サンギヤ(32、44)が前記入
    力クラッチ部材を介して前記入力手段(14)に選択的
    に接続できるようになっており;前記出力手段(18)
    に接続されていない方の前記リングギヤ(56)が前記
    反作用ブレーキ部材の1つを介して前記トランスミッシ
    ョンハウジング(36)に選択的に固定されることを特
    徴とする請求項1の遊星トランスミッション組立体。
  3. 【請求項3】 前記6つのトルク伝達装置が4つの入力
    クラッチ部材(328)と2つの反作用ブレーキ部材
    (338)とを有し;前記各サンギヤ(332、34
    4)が前記入力クラッチ部材を介して前記入力手段(3
    14)に選択的に接続できるようになっており;前記出
    力手段(318)に接続されていない方の前記リングギ
    ヤ(356)が前記入力クラッチ部材の1つを介して前
    記入力手段に選択的に固定されることを特徴とする請求
    項1の遊星トランスミッション組立体。
  4. 【請求項4】 前記6つのトルク伝達装置が2つの入力
    クラッチ部材(228)と4つの反作用ブレーキ部材
    (238)とを有し;前記サンギヤの1つ(232)が
    前記入力クラッチ部材を介して前記入力手段(214)
    に選択的に接続できるようになっており;前記出力手段
    (218)に接続されていない方の前記リングギヤ(2
    56)が前記反作用ブレーキ部材の1つを介して前記ト
    ランスミッションハウジングに選択的に固定されること
    を特徴とする請求項1の遊星トランスミッション組立
    体。
  5. 【請求項5】 前記各サンギヤ(32、44)及びこれ
    らを包囲する前記リングギヤ(56、50)が1つの遊
    星ギヤセット(34、46)を形成しており、前記ピニ
    オン(48、52、54)が各遊星ギヤセットのサンギ
    ヤとリングギヤとを相互接続しており;遊星トランスミ
    ッション組立体が2つの遊星ギヤセットを有することを
    特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の遊星ト
    ランスミッション組立体。
  6. 【請求項6】 少なくとも第1のピニオン(48)が一
    方の遊星ギヤセット(34)の前記サンギヤ(32)及
    び他方の遊星ギヤセット(36)の前記リングギヤ(5
    0)に係合し;少なくとも第2のピニオン(54)が前
    記第1のピニオン及び他方の前記サンギヤ(44)に係
    合し;少なくとも第3のピニオン(52)が前記第1の
    ピニオン及び他方の前記リングギヤ(56)に係合する
    ことを特徴とする請求項5の遊星トランスミッション組
    立体。
  7. 【請求項7】 少なくとも第1のピニオン(160)が
    一方の遊星ギヤセット(146)の前記サンギヤ(13
    2)及び前記リングギヤ(150)に係合し;少なくと
    も第2のピニオン(162)が他方の遊星ギヤセット
    (134)の前記サンギヤ(144)及び前記リングギ
    ヤ(156)に係合し;前記第1及び第2のピニオンが
    相互連結されていることを特徴とする請求項5の遊星ト
    ランスミッション組立体。
JP3257570A 1990-10-05 1991-10-04 遊星トランスミッション組立体 Pending JPH05172199A (ja)

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