JPH05172095A - 扇風機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 使用者の体感に適した風量制御を行う。 【構成】 リモコン操作部11のキー操作により快適モー
ドの運転が指示されると、リモコン処理部10は焦電型赤
外センサ12が検出した使用者の手のひらから輻射される
熱放射エネルギーと温度センサ17が測定したチョッパ15
の温度とに基づいて使用者の皮膚温を産出し、皮膚温を
扇風機本体に伝送してその風量が制御される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、使用者の皮膚温に基づ
いて風量を制御する扇風機に関する。

【０００２】

【従来の技術】最近、製品には心地よさ，快適性が求め
られるが、これらの心地よさ，快適性を追求する従来の
扇風機としては、室温及び湿度を測定して不快指数を求
め、風量を制御したりオフタイマ時間を制御するものが
知られている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、人間の心地よ
さ，快適感は複雑な複合感覚であるので、温湿度快適感
の指標として考え出された不快指数は、温度，湿度に基
づいた単純計算で求めるために体感にそぐわず普及しな
かった。

【０００４】また、人間は人体の中核部の体温を常に一
定に維持する調節機能を有するが、外核部である皮膚温
は環境温度の変化に伴って大きく変化し、なかでも四肢
部の皮膚温の変化幅が大きい。人間の皮膚温は快適感を
喚起する温冷感との相関関係が深い生理的指標の一つで
あって、例えば室温，輻射熱などの影響により皮膚温が
高いとき、人間は暑くて不快感を感じていると考えられ
る。しかし、従来の扇風機では使用者の皮膚温を検出す
る手段が設けられていなかった。

【０００５】本発明はこのような問題点を解決するため
になされたものであって、使用者の皮膚温を測定するこ
とにより使用者の体感に適した風量の制御が可能である
扇風機の提供を目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明に係る第１の扇風
機は、使用者の皮膚温を測定する手段と、測定した皮膚
温に基づいて風量を制御する手段とを備えたことを特徴
とする。

【０００７】また、本発明に係る第２の扇風機は、使用
者の皮膚温を測定する手段と、周囲環境の気温を測定す
る手段と、該周囲環境の湿度を測定する手段と、測定し
た皮膚温，気温及び湿度の組み合わせに基づいて風量を
制御する手段とを備えたことを特徴とする。

【０００８】

【作用】本発明に係る第１の扇風機は、使用者の皮膚温
を測定し、その皮膚温が高いときは風量を増し、また皮
膚温がそれほど高くないときは風量を抑制して使用者の
温冷感に適した快適な風量に制御する。

【０００９】本発明に係る第２の扇風機は、使用者の皮
膚温，周囲環境の気温及びその湿度を測定し、これら皮
膚温，気温及び湿度の組み合わせに基づき、例えば皮膚
温，気温が高すぎずも低すぎずもない場合、湿度が低い
場合より高い場合の風量を増すことによって使用者の体
感に適した快適な風量に制御し、また、現環境と異なる
温度環境の影響を受けた皮膚温による風量制御の過不足
を補正する。

【００１０】

【実施例】以下、本発明をその実施例を示す図に基づい
て説明する。図１は本発明に係る扇風機の第１の実施例
構成を示すブロック図である。図中1aはマイクロコンピ
ュータからなる本体処理部であって、本体操作部２に備
えられた各種操作キー又は後述する赤外リモートコント
ローラ（以下、赤外リモコンと省略する）からの信号を
受光する赤外リモコン信号受光部３から供給される制御
情報に基づいて扇風機本体の動作を制御する。

【００１１】本体処理部1aに供給された制御情報に基づ
いて、ファンモータ駆動部６はファンモータ７を駆動
し、また首振モータ駆動部８は首振モータ９を駆動し、
さらに表示部５は扇風機本体の動作状態を表示する。

【００１２】図２は赤外リモコンの平面図であって、表
面側のリモコン操作部11に入／切キー24，後述する快適
モードに設定する快適キー25，風量を設定する風量キー
26，オフ時刻を設定するタイマキー27，首振動作を行わ
せる首振キー28を備え、裏面側に、焦電型赤外センサ，
チョッパ及び温度センサからなる皮膚温センサ29を備え
る。

【００１３】また、図３は赤外リモコンの構成を示すブ
ロック図である。図中10はマイクロコンピュータからな
るリモコン処理部であって、リモコン処理部10は、リモ
コン操作部11の入／切キー，快適キー，風量キー，タイ
マキー，首振キーから入力された動作制御情報及び皮膚
温センサ29の検出データから演算した皮膚温を赤外発光
LED 駆動部19に出力し、赤外発光LED 駆動部19はリモコ
ンキャリア発生部20が発生した搬送波を動作制御情報又
は皮膚温に応じて変調して赤外発光LED 21を駆動してこ
れらを扇風機本体に伝送する。

【００１４】皮膚温センサ29では、快適キー25のキー入
力によって、焦電型赤外センサ12が赤外リモコン22を手
にした使用者の手のひらから輻射される熱放射エネルギ
ーと、キー入力に同期してチョッパ駆動部16により駆動
されるチョッパ15から輻射される熱放射エネルギーとの
差、即ち皮膚温とチョッパ温との差を検出し、検出値の
所要成分がフィルタ増幅部13により増幅され、ピークホ
ールド部14を介してそのA/D 入力端子からリモコン処理
部10に入力される。

【００１５】また、温度センサ17はチョッパ15の温度を
測定し、その温度は増幅回路18を介してそのA/D 入力端
子からリモコン処理部10に入力される。リモコン処理部
10は焦電型赤外センサ12からの信号と温度センサ17から
の信号とを加算して皮膚温を得る。

【００１６】以上のような構成の本発明に係る扇風機の
動作について、図４乃至図７に示すフローチャートに基
づいて説明する。図４及び図５は赤外リモコンの動作手
順、また図６及び図７は赤外リモコンの操作に対する扇
風機本体の動作手順を示すものである。

【００１７】リモコン処理部10は、リモコン操作部11の
入／切キー24が押されたか否か（Ｓ１）、快適キー25が
押されたか否か（Ｓ３）、風量キー26が押されたか否か
（Ｓ４）、タイマキー27が押されたか否か（Ｓ６）、ま
た首振リモコンコードが押されたか否か（Ｓ７）を検出
し、入／切キー24が押された場合は入／切リモコンコー
ド（Ｓ２）、風量キー26が押された場合は風量リモコン
コード（Ｓ５）、タイマキー27が押された場合はタイマ
リモコンコード（Ｓ７）、首振キー28が押された場合は
首振リモコンコード（Ｓ９）をそれぞれ扇風機本体へ出
力する。

【００１８】快適キー25が押された場合はチョッパ15を
駆動し（Ｓ11）、焦電型赤外センサ12が検出した皮膚温
とチョッパ温との差を取り込み（Ｓ12）、温度センサ17
が検出したチョッパ15の温度を取り込んで（Ｓ13）、こ
れらを加算して皮膚温を求め（Ｓ14）、快適リモコンコ
ード及び皮膚温リモコンコードを扇風機本体へ出力する
（Ｓ15，Ｓ16）。

【００１９】扇風機本体側では、赤外リモコン22からリ
モコン信号が伝送されたか否かを検出し（Ｓ31）、リモ
コン信号が伝送された場合は入／切リモコンコードが伝
送されたか否か（Ｓ32）、快適リモコンコードが伝送さ
れたか否か（Ｓ34）、風量リモコンコードが伝送された
か否か（Ｓ35）、タイマリモコンコードが伝送されたか
否か（Ｓ37）、首振リモコンコードが伝送されたか否か
（Ｓ39）を検出し、入／切リモコンコードが伝送された
場合は電源の入切処理を行い（Ｓ33）、風量リモコンコ
ードが伝送された場合は風量切換処理を行い（Ｓ36）、
タイマリモコンコードが伝送された場合はタイマ時間設
定処理を行い（Ｓ38）、首振リモコンコードが伝送され
た場合は首振動作入切処理を行う（Ｓ40）。

【００２０】快適リモコンコードが伝送された場合は皮
膚温リモコンコードを受信し（Ｓ41）、例えばファジー
推論を応用して、皮膚温がやや高いか、高いか又は非常
に高いかを判定し（Ｓ41・Ｓ42・Ｓ43）、やや高い場合
は弱ノッチ（Ｓ43）、高い場合は中ノッチ（Ｓ45）、ま
た非常に高い場合は強ノッチ（Ｓ47）の快適モードで扇
風機本体を運転する。また、皮膚温がこれら以外の比較
的低い場合は弱ノッチで運転する（Ｓ48）。

【００２１】図８は本発明に係る扇風機の第２の実施例
構成を示すブロック図である。第１の実施例と同一部分
には同一符号を付してその説明を省略する。また、赤外
リモコン22は第１の実施例と同様の構成であるのでその
説明を省略する。第１の実施例では使用者の皮膚温のみ
で風量を制御する構成としたが、皮膚温のみの制御で
は、例えば使用者が異なる温度環境から現環境に来たば
かりでその皮膚温に旧い温度環境の影響が残っている場
合、皮膚温のみに基づいた風量制御では制御に過不足が
生じる可能性がある。

【００２２】また、皮膚温が同じであっても体感は湿度
によって異なるので、第２の実施例では皮膚温、室温及
び湿度の３入力の組み合わせに基づきファジー推論を応
用して風量を制御する。従って、室内の湿度を検出する
ために湿度センサ４を扇風機本体に設け、また赤外リモ
コン22の皮膚温センサ29において温度センサ17が検出す
るチョッパ15の温度を室温とする。

【００２３】図９は入力した湿度，皮膚温及び室温のそ
れぞれのメンバーシップ関数のグラフ、図10は出力する
風量のメンバーシップ関数のグラフである。また、図11
は本発明に係る扇風機の第２の実施例におけるファジー
ルールの一部を示す一覧表である。

【００２４】皮膚温を「高くも低くもない・やや高い・
高い・非常に高い」の４要素、室温を「高くも低くもな
い・やや高い・高い・非常に高い」の４要素、湿度を
「低い・高くも低くもない・高い」の３要素で表現し、
これら３入力の組み合わせに応じて、風量を「非常に弱
い・弱い・やや弱い・中・やや強い・強」の６段階に制
御する。

【００２５】図12は赤外リモコン22の動作手順を示すフ
ローチャートであって、第１の実施例におけるステップ
３の実行の結果、快適キーが押された場合はチョッパ15
を駆動し（Ｓ21）、焦電型赤外センサ12が検出した皮膚
温とチョッパ温との差を取り込み（Ｓ22）、温度センサ
17が検出したチョッパ15の温度を取り込んで（Ｓ23）、
これらを加算して皮膚温を求め（Ｓ24）、快適リモコン
コード及び皮膚温リモコンコードを扇風機本体へ出力す
る（Ｓ25，Ｓ26）。さらに、室温として、ステップ23で
取り込んだチョッパ15の温度のリモコンコードを扇風機
本体へ出力する（Ｓ27）。なお、他の実行手順は第１の
実施例と同様であるのでその説明を省略する。

【００２６】図13は赤外リモコンに対する扇風機本体の
動作手順を示すフローチャートであって、第１の実施例
におけるステップ34の実行の結果、快適リモコンコード
が伝送された場合、皮膚温リモコンコード及び室温リモ
コンコードを受信し（Ｓ51・Ｓ52）、湿度センサ４が検
出した室内の湿度を取り込み（Ｓ53）、図11に示すファ
ジールールに則り、これら皮膚温，室温及び湿度の組み
合わせに応じた快適風量を決定し（Ｓ54）、この快適風
量で扇風機本体を運転する（Ｓ55）。なお、他の実行手
順は第１の実施例と同様であるのでその説明を省略す
る。

【００２７】

【発明の効果】以上のように、本発明に係る扇風機は、
人間の体感を左右する皮膚温を風量制御に用いるので、
という優れた効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る扇風機の第１の実施例における扇
風機本体の構成を示すブロック図である。

【図２】本発明に係る扇風機の第１の実施例における赤
外リモコンの外観平面図である。

【図３】本発明に係る扇風機の第１の実施例における赤
外リモコンの構成を示すブロック図である。

【図４】本発明に係る扇風機の第１の実施例における赤
外リモコンの動作を説明するフローチャートである。

【図５】本発明に係る扇風機の第１の実施例における赤
外リモコンの動作を説明するフローチャートである。

【図６】本発明に係る扇風機の第１の実施例における赤
外リモコンに対する扇風機本体の動作を説明するフロー
チャートである。

【図７】本発明に係る扇風機の第１の実施例における赤
外リモコンに対する扇風機本体の動作を説明するフロー
チャートである。

【図８】本発明に係る扇風機の第２の実施例における扇
風機本体の構成を示すブロック図である。

【図９】本発明に係る扇風機の第２の実施例におけるフ
ァジー制御の３種類の入力のメンバーシップ関数を示す
グラフである。

【図１０】本発明に係る扇風機の第２の実施例における
ファジー制御の出力のメンバーシップ関数を示すグラフ
である。

【図１１】本発明に係る扇風機の第２の実施例における
ファジールールの一覧表である。

【図１２】本発明に係る扇風機の第１の実施例における
赤外リモコンの動作を説明するフローチャートである。

【図１３】本発明に係る扇風機の第１の実施例における
赤外リモコンに対する扇風機本体の動作を説明するフロ
ーチャートである。

【符号の説明】

1a，1b 本体処理部 ３ 赤外リモコン信号受光部 ６ ファンモータ駆動部 ７ ファンモータ 10 リモコン処理部 11 リモコン操作部 12 焦電型赤外センサ 13 フィルタ増幅部 14 ピークホールド部 15 チョッパ 16 チョッパ駆動部 17 温度センサ 18 増幅回路 19 赤外発光LED 駆動部 20 リモコンキャリア発生部 21 赤外発光LED 22 赤外リモコン 25 快適キー

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 使用者の皮膚温を測定する手段と、測定
   した皮膚温に基づいて風量を制御する手段とを備えたこ
   とを特徴とする扇風機。
2. 【請求項２】 使用者の皮膚温を測定する手段と、周囲
   環境の気温を測定する手段と、該周囲環境の湿度を測定
   する手段と、測定した皮膚温，気温及び湿度の組み合わ
   せに基づいて風量を制御する手段とを備えたことを特徴
   とする扇風機。