JPH05170687A - ジフェニル炭化水素誘導体を有効成分として含む血栓溶解促進剤 - Google Patents

ジフェニル炭化水素誘導体を有効成分として含む血栓溶解促進剤

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JPH05170687A
JPH05170687A JP33838291A JP33838291A JPH05170687A JP H05170687 A JPH05170687 A JP H05170687A JP 33838291 A JP33838291 A JP 33838291A JP 33838291 A JP33838291 A JP 33838291A JP H05170687 A JPH05170687 A JP H05170687A
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bis
methylpentane
hydroxyphenyl
hydroxy
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JP33838291A
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Tatsuo Kaiho
龍夫 海宝
Akio Matsunaga
明夫 松永
Michihiko Miyamoto
充彦 宮本
Kunio Okumura
邦雄 奥村
Hideki Tanada
英樹 棚田
Katsuhiro Kosaka
勝弘 匂坂
Atsushi Tamatsukuri
淳 玉造
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】下記式(1) (式中R、Rは、独立に水素あるいは炭素数1〜1
0の直鎖状あるいは分岐鎖状アルキル基を示す。X
、X、Xは独立に水素あるいは低級アルキル
基、ニトロ基、アミノ基、アセトアミド基、ヒドロキシ
ル基、低級アルカノイル基、ヒドロキシメチル基、ハロ
ゲン原子、低級アルコキシ基、カルボキシル基、ベンゾ
イル基、アリール基を示す。但し、X、X、X
が同時に水素である場合を除く。)で表される化合
物を含有する血栓溶解促進剤。 【効果】この化合物は抗α2−PI作用に基づく優れた
血栓溶解作用を有しており、フィブリン凝血塊の形成を
伴う各種の疾病の予防または治療に有効である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はジフェニル炭化水素誘導
体、及びその医薬品の利用に関するものである。さらに
詳しくはプラスミンの失活に重要な役割を果たすα2−
プラスミンインヒビター(以下α2−PIと略す)の阻
害作用を有するジフェニル炭化水素誘導体を有効成分と
して含有する血栓溶解促進剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】世界的な平均寿命の延長に伴い、各種成
人病の原因治療の確立のための研究は急速に進展してい
る。生体内の血管、心臓等の一部に局所的な血液凝固を
生じる脳卒中、心筋梗塞もその主要な研究対象の1つで
ある。従来、抗凝固薬として用いられている代表的なも
のにヘパリンがある。これはアンチトロビンIIIに作用
して、トロンビンの作用を抑え血液凝固を抑えるとされ
ている。またデキストラン硫酸はヘパリンと同様にアン
チトロンビンIII活性を増強させるが、アンチプラスミ
ンの活性抑制が報告されている〔青木、デキストラン硫
酸の臨床、1979年、65ページ、医事出版社〕。そ
の他アスピリン、チクロピジン等の血小板凝集抑制剤も
抗血栓剤として用いられることが知られている。しかし
ながら、これらの薬物は主として血栓形成を抑制するも
のであって血栓の溶解には役立たない。
【0003】血栓の溶解には従来からウロキナーゼ(以
下UKと略す)、ストレプトキナーゼ(以下SKと略
す)が用いられている。これらは血液中のプラスミノー
ゲンを活性型のプラスミンに変えて血栓を溶解するもの
であり、血栓の形成初期に特に有効であるとされてい
る。最近ではヒトのプラスミノーゲンアクチべ−タ−
(以下tPAと略す)を用いる研究が盛んである。しか
し、これらの血栓溶解剤は蛋白製剤であるため経口投与
が困難であり、しかも血中半減期が極めて短い。
【0004】このような背景から経口投与が可能で、生
体内で安定に存在し、血栓の溶解作用のある薬剤の出現
が望まれていた。本発明以前に合成化合物で血栓溶解を
試みた例は多い。例えば、K.N.von Kaull
aらは安息香酸類を用いた例を〔Proc.Soc.E
xp.Biol.Med.106,530(196
1)〕、R.J.Gryglewskiらはフルフェナ
ム酸の血栓溶解作用を報告している〔Nature,2
14,626(1967)〕。しかしこれらの血栓溶解
作用を示唆する報告は、活性が不十分であるか作用機構
が明らかでないものが多い。またその多くはin vi
troの酵素化学的結果を報告するもので、動物を用い
た血栓モデルにおいて有効性を報告するものはほとんど
ない。
【0005】ところで、血栓溶解とは血栓中のフィブリ
ン塊がプラスミンによって分解されることである。プラ
スミンは血液中でプラスミノーゲンとして存在し、U
K、SK、tPAなどの種々のアクチベターにより活性
化されてプラスミンになる。生成したプラスミンはフィ
ブリン塊を分解するが、血中に存在する種々のインヒビ
タ−で不活性化される。プラスミンの失活に最も重要な
役割をはたしているのがα2−PIといわれている。α
2−PIは血液中にプラスミノーゲンの約1/3モル存
在する。従って外部からアクチベ−タ−を投与する線溶
療法の場合、大量のアクチベ−タ−を投与しなければフ
ィブリン塊分解に有効なプラスミンを生成させることは
できない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らはα2−P
Iによるプラスミンの不活性化を阻害すれば有効プラス
ミン量を増加させ、効率よくフィブリン分解が達成でき
るものと考えた。青木らの報告によると、α2−PI欠
損患者は線溶能亢進により出血傾向にあり、α2−PI
レベルは有意に高いとの報告がある〔内科、51巻、8
2ペ−ジ、1983年〕。これらの報告はα2−PIの
作用を抑制することにより線溶系を活性化できることを
暗示している。
【0007】従って本発明の目的はα2−PIによるプ
ラスミンの不活性化を有効に阻害できる血栓溶解促進剤
を提供することである。本発明の他の目的は合成化合物
を有効成分として含有する血栓溶解促進剤を提供するこ
とである。さらに本発明の他の目的は経口投与が可能
で、生体内で安定に存在し、血栓溶解能が優れた血栓溶
解促進剤を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記本発明の目的は一般
式(1)[化2]
【0009】
【化2】 (式中R1、R2は、独立に水素あるいは炭素数1〜10
の直鎖状あるいは分岐鎖状アルキル基を示す。X1
2、X3、X4は独立に水素あるいは低級アルキル基、
ニトロ基、アミノ基、アセトアミド基、ヒドロキシル
基、低級アルカノイル基、ヒドロキシメチル基、ハロゲ
ン原子、低級アルコキシ基、カルボキシル基、ベンゾイ
ル基、アリ−ル基を示す。但し、X1、X2、X3、X4
同時に水素である場合を除く。)で表されるジフェニル
炭化水素誘導体およびその治療上許容される塩を有効成
分として含有する血栓溶解促進剤によって達成される。
【0010】ジフェニル炭化水素誘導体は、プラスチッ
ク原料として既に多くの誘導体が合成され、その化学的
性質はよく知られている。しかし、これらの化合物の血
栓溶解作用については全く報告されていない。これらの
化合物が抗α2−PI活性を示し、凝固系に関与するこ
となく線溶系を活性化し、各種血栓症病態モデルにおい
ても有効である事実は本発明者等によって初めて見い出
されたものであり、新しい作用概念に基づく画期的な治
療法を提供するものである。
【0011】本発明における炭素数1〜10の直鎖状あ
るいは分岐鎖状アルキル基とは、メチル基、エチル基、
プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル
基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル
基、イソペンチル基、1−メチルブチル基、2−メチル
ブチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、イソヘキシル
基、1−メチルヘキシル基、3−メチルヘキシル基、5
−メチルヘキシル基、ヘプチル基、4、4−ジメチルペ
ンチル基、6−メチルペプチル基、7−メチルオクチル
基、オクチル基、8−メチルノニル基、デカニル基等を
示し、低級アルキル基とは、メチル基、エチル基、プロ
ピル基、ブチル基等を示し、低級アルカノイル基とは、
アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基またはイソブ
チリル基等を示し、ハロゲン原子とは、フッ素原子、塩
素原子、臭素原子、ヨウ素原子を示し、低級アルコキシ
基とは、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基等を示
す。
【0012】一般式(1)で表される化合物のうちR1
が炭素数1〜10の直鎖状アルキル基で、R2が炭素数
3〜10の分岐鎖状アルキル基であるジフェニル炭化水
素誘導体(但し、2、2−ビス(4−ヒドロキシ−3−
メチルフェニル)−4−メチルペンタン、2、2−ビス
[4−ヒドロキシ−3−(1−メチルエチル)フェニ
ル]−4−メチルペンタン、2、2−ビス[4−ヒドロ
キシ−3−(1、1−ジメチルエチル)フェニル]−4
−メチルペンタン、2、2−ビス(3、5−ジエチル−
4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、2、
2−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)−4
−メチルペンタン、2、2−ビス(4−ヒドロキシ−3
−メトキシフェニル)−4−メチルペンタン、2、2−
ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−3−メ
チルペンタン、2、2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メ
チルフェニル)−3、3−ジメチルブタンの場合を除
く)は新規化合物であり、本発明はこれらも含むもので
ある。ここで挙げている炭素数1〜10の直鎖状アルキ
ル基とは、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル
基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ノニル基、
デカニル基などを示し、炭素数3〜10の分岐鎖状アル
キル基とは、イソプロピル基、イソブチル基、sec−
ブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、1−
メチルブチル基、2−メチルブチル基、ネオペンチル
基、イソヘキシル基、1−メチルヘキシル基、3−メチ
ルヘキシル基、5−メチルヘキシル基、4、4−ジメチ
ルペンチル基、6−メチルヘプチル基、7−メチルオク
チル基、8−メチルノニル基などを示す。 さらに一般
式(1)で表される化合物のうちR1、R2が独立に炭素
数3〜10の分岐鎖状アルキルであるジフェニル炭化水
素誘導体(但し、3、3−ビス(3、4−ジヒドロキシ
フェニル)−2、4−ジメチルペンタンの場合を除く)
は新規化合物であり、本発明はこれらも含むものであ
る。ここで挙げている炭素数3〜10の分岐鎖状アルキ
ル基は前記と同じ意味である。
【0013】これらの化合物を具体的に例示すると以下
のようになる。ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェ
ニル)メタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メ
チルフェニル)プロパン、4−[1−(4−ヒドロキシ
フェニル)−1−メチルエチリデン]−3−メチルフェ
ノ−ル、4−[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−
メチルエチリデン]−2−メチルフェノ−ル、4−[1
−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチリデ
ン]−2,6−ジメチルフェノ−ル、4−[1−(4−
ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチリデン]−3−
(1−メチルエチル)フェノ−ル、4−[1−(4−ヒ
ドロキシフェニル)−1−メチルエチリデン]−2−ニ
トロフェノ−ル、4−[1−(4−ヒドロキシフェニ
ル)−1−メチルエチリデン]−2−アミノフェノ−
ル、4−[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチ
ルエチリデン]−ピロカテコ−ル、3−[1−(4−ヒ
ドロキシフェニル)−1−メチルエチリデン]−6−ヒ
ドロキシ安息香酸、3−[1−(4−ヒドロキシフェニ
ル)−1−メチルエチリデン]−6−ベンジルアルコ−
ル、2,2−ビス(3−カルボキシ−4−ヒドロキシフ
ェニル)プロパン、2,2−ビス(3−アセチルアミノ
−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス
(3−アセチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス[4−ヒドロキシ−3−(2−プロペニ
ル)フェニル]プロパン、2,2−ビス(3−ベンゾイ
ル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、4−[1−
(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチリデン]
−1,2,6−ベンゼントリオ−ル、2,2−ビス(4
−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)ブタン、2,2−
ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)ブ
タン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−ニトロフェ
ニル)ブタン、3,3−ビス(4−ヒドロキシ−3−メ
チルフェニル)ペンタン、3,3−ビス(4−ヒドロキ
シ−3−ニトロフェニル)ペンタン、3,3−ビス(3
−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、3,3
−ビス(3−アセチルアミノ−4−ヒドロキシフェニ
ル)ペンタン、2,2−ビス(3,4−ジヒドロキシフ
ェニル)ペンタン、4−[1−(4−ヒドロキシフェニ
ル)−1−メチルブチリデン]−ピロカテコ−ル、2,
2−ビス(3,5−ジエチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)−4−メチルペンタン、2,2−ビス(4−ヒドロ
キシ−3−メチルフェニル)−4−メチルペンタン、
2,2−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)
−4−メチルペンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ
−3−メトキシフェニル)−4−メチルペンタン、2,
2−ビス[3−(1−メチルエチル)−4−ヒドロキシ
フェニル]−4−メチルペンタン、2,2−ビス[3−
(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニ
ル]−4−メチルペンタン、4−[1−(4−ヒドロキ
シフェニル)−1,3−ジメチルブチリデン]−2−ニ
トロフェノ−ル、4−[1−(4−ヒドロキシフェニ
ル)−1,3−ジメチルブチリデン]−2−アミノフェ
ノ−ル、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−ニトロフ
ェニル)−4−メチルペンタン、2,2−ビス(3−ア
ミノ−4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタ
ン、2,2−ビス(3−アセチルアミノ−4−ヒドロキ
シフェニル)−4−メチルペンタン、2,2−ビス(3
−カルボキシ−4−ヒドロキシフェニル)−4−メチル
ペンタン、2,2−ビス(3,4−ジヒドロキシフェニ
ル)−4−メチルペンタン、4−[1−(4−ヒドロキ
シフェニル)−1,3−ジメチルブチリデン]−ピロカ
テコ−ル、2,2−ビス(3−ヒドロキシメチル−4−
ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、2,2−
ビス(3−アセチル−4−ヒドロキシフェニル)−4−
メチルペンタン、2,2−ビス(3−ベンゾイル−4−
ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、2,2−
ビス[4−ヒドロキシ−3−(2−プロペニル)フェニ
ル]−4−メチルペンタン、4−[1−(4−ヒドロキ
シフェニル)−1,3−ジメチルブチリデン]−3−メ
チルフェノ−ル、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−
ニトロフェニル)−3−メチルブタン、3−[1−(4
−ヒドロキシフェニル)−1,3−ジメチルブチリデ
ン]−6−ヒドロキシアセトフェノン、2,2−ビス
(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)ヘキサン2,
2−ビス(3−エチル−4−ヒドロキシフェニル)ヘキ
サン、3,3−ビス(4−ヒドロキシ−3−ニトロフェ
ニル)−5−メチルヘキサン、2,2−ビス(3−カル
ボキシ−4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルヘプタ
ン、4−[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1,3−
ジメチルブチリデン]−1,2,6−ベンゼントリオ−
ル、5,5−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシ
フェニル)ノナン、5,5−ビス(4−ヒドロキシ−3
−ニトロフェニル)ノナン、4−[1−(4−ヒドロキ
シフェニル)−1−ブチルペンチリデン]−1,2,5
−ベンゼントリオ−ル、5,5−ビス(4−ヒドロキシ
−3−メチルフェニル)デカン、5,5−ビス(4−ヒ
ドロキシ−3−メチルフェニル)トリデカン、3,3−
ビス(3,4−ジヒドロキシフェニル)−2,4−ジメ
チルペンタン、3,3−ビス(4−ヒドロキシ−3−ニ
トロフェニル)−2,5−ジメチルヘキサン、2,2−
ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−3,3
−ジメチルブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3
−メチルフェニル)−3−メチルペンタン、4,4−ビ
ス(3−アセチル−4−ヒドロキシフェニル)−2、6
−ジメチルヘプタン、4,4−ビス(4−ヒドロキシ−
3−ニトロフェニル)オクタン、5、5−ビス(3,5
−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−2,8−ジメ
チルノナン4,4−ビス(3−エチル−4−ヒドロキシ
フェニル)−2,2,7−トリメチルオクタン、6,6
−ビス(3−エチル−4−ヒドロキシフェニル)−2,
10−ジメチルウンデカン、7,7−ビス[3−(1,
1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]−
2,12−ジメチルトリデカン、7,7−ビス[4−ヒ
ドロキシ−3−(2−プロペニル)フェニル]−3,1
1−ジメチルトリデカン、7,7−ビス(3−ブロモ−
4−ヒドロキシフェニル)−5,9−ジメチルトリデカ
ン、6,6−ビス(4−ヒドロキシ−3−ニトロフェニ
ル)−2,2,11−トリメチルドデカン、6,6−ビ
ス(3−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)−2,2,
12−トリメチルトリデカン等などが挙げられる。
【0014】本発明における一般式(1)で表されるフ
ェノ−ル誘導体は以下に示す方法等によって合成可能で
ある。 a)ニトロ化,アミノ化 一般式(1)においてX1,X2,X3,X4が同時に水素
であるフェノ−ル誘導体を塩化メチレン、クロロホル
ム、1,2−ジクロロエタンなどの溶媒に溶かし、反応
溶液を10〜15℃に保ちながら25〜30%硝酸水を
滴下することにより容易にニトロ体を合成できる。この
反応において導入される置換基の数は反応時間によって
制御でき、モノニトロ体、ジニトロ体、トリニトロ体な
どの合成が可能である。得られたニトロ体を10%パラ
ジウム炭素存在下でメタノ−ル、エタノ−ルなどの溶媒
中で水素添加を行うことにより容易に相当するアミノ体
に導くことができる。
【0015】b)ヒドロキシル化 一般式(1)においてX1,X2,X3,X4が同時に水素
であるフェノ−ル誘導体を酢酸や塩酸に溶かし、メタ過
ヨウ素酸ナトリウムの塩酸水溶液を室温で短時間反応さ
せることにより、容易にヒドロキシル体を合成できる。
【0016】c)ハロゲン化 一般式(1)においてX1,X2,X3,X4が同時に水素
であるフェノ−ル誘導体を四塩化炭素中、次亜塩素酸t
−ブチルや酢酸中、臭素などのハロゲン化剤を1〜4モ
ル室温で反応させることにより、容易にクロル体、ブロ
ム体を合成することができる。
【0017】d)アシル化 一般式(1)においてX1,X2,X3,X4が同時に水素
であるフェノ−ル誘導体の水酸基をメチル基、エチル基
などのアルキル基で保護したのち、塩化メチレン、クロ
ロホルム、1,2−ジクロロエタンなどの溶媒中で塩化
アルミニウムの存在下、塩化アセチル、塩化ベンゾイル
などのアシル化剤を1〜4モル用い50〜70℃で反応
させることにより、容易に相当するアセチル体、ベンゾ
イル体を合成できる。
【0018】e)カルボキシル化、カルボキシメチル化 一般式(1)においてX1,X2,X3,X4が同時に水素
であるフェノ−ル誘導体の水酸基をメトキシメチル基で
保護し、エ−テルやテトラハイドロフランなどの溶媒
中、−40〜−50℃で2等量〜4等量のn−ブチルリ
チウムと反応させる。生成したリチウム塩を過剰のドラ
イアイスと反応させ、水酸基の保護基を脱保護すると容
易に相当するカルボキシル体を得ることができる。また
得られたカルボキシル体をテトラハイドロフラン中水素
化リチウムアルミニウムと反応させると容易に相当する
カルボキシメチル体へ導くことができる。
【0019】本発明の化合物は優れた血栓溶解作用を有
しており、閉塞性動脈硬化症、Buerger病、末梢
動脈硬化症、白ろう病等の慢性動脈硬化症、肺塞栓症、
狭心症、心筋梗塞、冠動脈閉塞症等の虚血性心疾患、T
IA(一過性脳虚血発作)、脳梗塞(血栓、塞栓)、脳
動脈硬化症などの脳血管障害等フィブリン凝血塊の形成
を伴う各種の疾病の予防または治療に有効である。U
K、SK、tPAが急性期の血栓溶解療法に用いられる
のに対し、本発明の化合物は経口投与可能で、生体内で
安定に存在するため慢性の血栓症の治療や心筋梗塞など
虚血性の心疾患の再発防止に使用できる。後述の実施例
に示す薬理学研究結果からわかるように、本発明の化合
物は単独でも血栓溶解剤としての効果を示すが、UK、
SK、tPAと併用してその作用を増強させる目的にも
使用できる。
【0020】本発明の化合物を血栓溶解剤として使用す
る場合その投与量、剤形は化合物の物性、投与対象の症
状等により当然異なるが、経口的に投与する場合成人一
日当り1〜1000mgを2〜4回に分割し錠剤、顆粒
剤、散剤、懸濁剤、カプセル剤等として使用できる。ま
た非経口的に投与する場合成人一日当り1〜500mg
を2〜4回に分割し、例えば注射剤、坐剤、輸液用等張
液として投与できる。製剤化は公知の方法に従って行え
ばよい。例えば錠剤とする場合は、賦形剤としてはトウ
モロコシデンプン、乳糖、燐酸カルシウム、ステアリン
酸マグネシウム等を、結合剤としてはヒドロキシルプロ
ピルセルロ−ス、カルボキシルメチルセルロ−ス、アラ
ビアゴム等を、崩壊剤としてはデンプン、寒天、炭酸カ
ルシウム等を、滑沢剤としてはステアリン酸マグネシウ
ム、タルク等を用いる。これらの錠剤には糖衣、ゼラチ
ン衣、その他必要により適宜コ−ティングすることは差
し支えない。また注射剤とする場合、綿実油、トウモロ
コシ油、ラッカセイ油、オリ−ブ油を用いた非水性溶
液、さらには本発明の化合物に水を加えて適切な界面活
性剤の存在下に懸濁液または乳濁液として使用すること
が可能である。製剤中における有効成分の含有量は特に
制限はないが、通常は固体製剤、液体製剤とも1〜90
%である。
【0021】
【実施例】以下に本発明を実施例で説明するが、本発明
はこれらの実施例に限定されるものではない。 製造例1 2,2−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)
−4−メチルペンタン2,2−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)−4−メチルペンタン2.2gを四塩化炭素1
0mlに溶解し、冷却下次亜塩素酸t−ブチル1.9m
lの四塩化炭素溶液2mlを滴下した。1時間後、溶媒
を減圧濃縮し濃縮残渣をシリカゲルカラムクロマトによ
り精製した。メタノ−ル/クロロホルム=1/50によ
り精製すると純粋な2,2−ビス(3−クロロ−4−ヒ
ドロキシフェニル)−4−メチルペンタン1.1gを黄
色油状物として得た。 IR ν cm-1(neat):3528、1607、
1499、1407、1337、1286、1185、
875 NMR δ ppm (CDCl3):0.74(d,
6H)、1.48(m,1H)、1.57(s,3
H)、1.95(d,2H)、5.44(s,2H)、
6.90(d,2H)、6.96(dd,2H)、7.
14(d,2H)
【0022】製造例2 2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)
−4−メチルペンタンo−クレゾ−ル21.6gおよび
メチルイソブチルケトン5.0gの混合液に濃塩酸8m
lを加え、塩酸ガスを飽和させ室温で7日間攪拌した。
反応液に水を加えフェノ−ルを共沸留去した後、ベンゼ
ンを加え水を共沸留去した。得られた濃縮残渣をシリカ
ゲルカラムクロマトにより精製した。クロロホルムによ
り溶出すると純粋な2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3
−メチルフェニル)−4−メチルペンタン3.8gを無
色固体として得た。 m.p.:126〜128℃ IR ν cm-1(KBr):3354、1611、1
508、1461、1412、1346、1295、1
253 NMR δ ppm (CDCl3):0.73(d,
6H)、1,47(m,1H)、1.57(s,3
H)、1.96(d,2H)、2.20(s,6H)、
4.61(s,2H)、6.61(d,2H)、6.8
7(dd,2H)、6.93(d,2H)
【0023】製造例3 4−[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエ
チリデン]−3−(1−メチルエチル)フェノ−ル イソプロペニルフェノ−ル2.9gおよびm−イソプロ
ピルフェノール8.9gをクロロホルム20mlに溶か
し、p−トルエンスルホン酸を触媒量加え、室温で48
時間攪拌した。溶媒を減圧濃縮し、濃縮残渣をシリカゲ
ルカラムクロマトにより精製した。酢酸エチル/n−ヘ
キサン=1/15にて溶出すると純粋な4−[1−(4
−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチリデン]−3
−(1−メチルエチル)フェノ−ル1.5gを無色固体
として得た。 m.p.:107〜109℃ IR ν cm-1(KBr):3369、1613、1
587、1565、1512、1430、1361、1
298 NMR δ ppm (CDCl3):1.22(d,
6H)、1.62(s,6H)、2.83(q,1
H)、4.48(s,1H)、5.10(s,1H)、
6.62(s,1H)、6.74(d,2H)、7.1
9(d,2H)、6.81(d,1H)、7.33
(d,1H)
【0024】実施例1 4−[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1,3−ジメ
チルブチリデン]−2−ニトロフェノ−ル 2、2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチル
ペンタン3.8gを1,2−ジクロロエタン76mlに
溶解し、反応温度を10〜15℃に保ちながら30%硝
酸水をゆっくりと滴下した。反応溶液の色が黄色から赤
褐色に変わり薄層クロマトで反応が進行しているのを確
認し、水を加えて反応を停止してクロロホルムで抽出を
行い、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧濃縮し、
残渣をシリカゲルカラムクロマトによって精製した。メ
タノール/クロロホルム=1/50の混合溶媒で溶出さ
せると純粋な4−[1−(4−ヒドロキシフェニル)−
1,3−ジメチルブチリデン]−2−ニトロフェノ−ル
2.6gを黄色油状物として得た。 IR νcm-1(neat):3398、1629、1
536、1513、1418、1181、1081、8
32 NMR δppm (CDCl3):0.75(d,6
H)、1.50(m,1H)、1.62(s,3H)
2.01(d,2H)、4.76(br,1H)、6.
74(d,2H)7.02(d,1H)、7.02(d
d,2H)、7.30(dd,1H)8.04(d,1
H)、10.53(s,1H)
【0025】実施例2 2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−ニトロフェニル)
−4−メチルペンタン 2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチル
ペンタン3.8gを1,2−ジクロロエタン40mlに
溶解し、反応温度を10〜15℃に保ちながら30%硝
酸水をゆっくりと滴下した。原料消失を確認した後、水
を加えて反応を停止してクロロホルムで抽出を行い、硫
酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧濃縮し、残渣をシ
リカゲルカラムクロマトによって精製した。クロロホル
ム/ヘキサン=4/1の混合溶媒で溶出させると純粋な
2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−ニトロフェニル)
−4−メチルペンタン4.5gを黄色油状物として得
た。 IR νcm-1(neat):3256、1629、1
583、1420、1323、899、837、765 NMR δppm (CDCl3):0.78(d,6
H)、1.50(m,1H)、1.67(s,3H)、
2.05(d,2H)、7.06(d,2H)、7.2
8(dd,2H)8.03(d,2H)、10.54
(s,2H)
【0026】実施例3 4−[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1,3−ジメ
チルブチリデン]−ピロカテコ−ル 4−[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1,3−ジメ
チルブチリデン]−2−アミノフェノ−ル1gの酢酸溶
液300mlをメタ過ヨウ素酸ナトリウム10gを溶解
させた0.1N塩酸水700mlに3.5分かけて滴下
した。反応溶液が無色から赤色に変化した後、クロロホ
ルム400mlを加えて抽出した。有機層を水で洗浄
し、ヨウ化カリウム3g、酢酸200mlを加えて2分
間攪拌した。この溶液を5%亜硫酸水素ナトリウム10
0mlで洗浄した。硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減
圧濃縮し、濃縮残渣をシリカカラムクロマトによって精
製した。メタノ−ル/クロロホルム=1/10の混合溶
媒で溶出すると純粋な4−[1−(4−ヒドロキシフェ
ニル)−1,3−ジメチルブチリデン]−ピロカテコ−
ル0.98gを黄色油状物として得た。 IR ν cm-1(neat):3359、1700、
1611、1512、1434、1110、1014、
938 NMR δ ppm (CDCl3):0.69(d,
6H)、1.45(m,1H)、1.47(s,3H)
1.87(d,2H)、6.45(dd,1H)、6.
48(d,1H)6.59(d,1H)、6.62
(d,2H)、6.94(d,2H)8.57(s,2
H)、9.09(s,1H)
【0027】実施例4 2,2−ビス(3,4−ジヒドロキシフェニル)−4−
メチルペンタン 2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)
−4−メチルペンタン1gの酢酸溶液300mlをメタ
過ヨウ素酸ナトリウム10gを溶解させた0.1N塩酸
水700mlに滴下した。反応溶液が無色から赤色に変
化した後、クロロホルム400mlを加え抽出した。有
機層を水で洗浄し、ヨウ化カリウム3g、酢酸200m
lを加え2分間攪拌した。この溶液を5%亜硫酸水素ナ
トリウム水溶液100mlで洗浄した。硫酸ナトリウム
で乾燥後、溶媒を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラム
クロマトによって精製した。クロロホルム/メタノ−ル
=10/1の混合溶媒で溶出させると純粋な2,2−ビ
ス(3,4−ジヒドロキシフェニル)−4−メチルペン
タン0.83gを緑色油状物として得た。 IR ν cm-1(neat):3254、1604、
1518、1434、1374、1282、1206、
1122 NMR δ ppm (DMSO−d6):0.69
(d,6H)、1.44(s,3H)、1.46(m,
1H)、1.83(d,2H)、6.45(m,4
H)、6.49(d,2H)、8.53(s,2H)、
8.59(s,2H)
【0028】実施例5 2,2−ビス(3−アセチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)−4−メチルペンタン 塩化アルミニウム17.6gを1,2−ジクロロエタン
70mlに懸濁し、塩化アセチル8.9mlを0℃でゆ
っくりと滴下した。この溶液中に2、2−ビス(4−メ
トキシフェニル)−4−メチルペンタン5.4gを0℃
で滴下し、70℃で1.5時間加熱攪拌した。反応溶液
を氷水にあけ塩化メチレンで抽出した後、有機層を硫酸
ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧濃縮し、残渣をシリ
カゲルカラムクロマトによって精製した。酢酸エチル/
ヘキサン=1/10の混合溶媒で溶出させると純粋な
2,2−ビス(3−アセチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)−4−メチルペンタン2.85gを黄色結晶として
得た。 m.p.:119〜121℃ IR ν cm-1(KBr):3336、1641、1
483、1426、1364、1327、1299、9
63 NMR δ ppm(CDCl3):0.80(d,6
H)、1.53(m,1H)、1.65(s,3H)
2.01(d,2H)、2.59(s,6H)、6.8
9(d,2H)7.26(dd,2H)、7.57
(d,2H)
【0029】実施例6 2,2−ビス(3−カルボキシ−4−ヒドロキシフェニ
ル)−4−メチルペンタン 2,2−ビス(4−メトキシメチルフェニル)−4−メ
チルペンタン2.0gをエ−テル20mlに溶解した。
この溶液を−40〜−50℃に冷却し、1.6M−n−
ブチルリチウムヘキサン溶液14mlを滴下し、反応温
度を室温にもどし2時間攪拌した。この反応溶液にドラ
イアイス(約10g)を加えて室温で1時間攪拌した。
水を加えて反応を停止した後、水層を塩酸酸性としてエ
−テルで抽出し、濃縮残渣をシリカゲルカラムクロマト
によって精製した。メタノール/クロロホルム=1/4
0の混合溶媒で溶出させると純粋な2,2−ビス(3−
カルボキシ−4−メトキシメチルフェニル)−4−メチ
ルペンタン1.2gを油状物として得た。得られた2,
2−ビス(3−カルボキシ−4−メトキシメチルフェニ
ル)−4−メチルペンタン1.2gをメタノ−ル30m
lに溶解し、3N塩酸水溶液12mlを加えて室温で一
晩攪拌した。反応液を減圧濃縮して得た残渣にベンゼン
を加えて結晶化させると純粋な2,2−ビス(3−カル
ボキシ−4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタ
ン0.74gを無色結晶として得た。 m.p.227〜228℃ IR ν cm-1(KBr):3447、1670、1
490、1446、1296、1213、 831、 NMR δ ppm(DMS0−d6):0.71
(d,6H)、1.44(m,1H)、1.56(s,
3H)1.97(d,2H)、6.85(d,2H)、
7.15(br,2H)7.25(d,2H)、7.6
3(d,2H)
【0030】実施例7 2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)
−4−メチルペンタンを有効成分とする錠剤 2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)
−4−メチルペンタン50g、乳糖38g、トウモロコ
シデンプン35gおよび結晶セルロース20gをよく混
合し、これをヒドロキシプロピルセルロ−ス5gを水に
溶解した液で練合造粒し50℃で4時間乾燥する。これ
にステアリン酸マグネシウム2gを加えてよく混合し、
打錠機を用い1錠あたり150mgの重量で打錠し錠剤
を得た。
【0031】実施例8 2,2−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)
−4−メチルペンタンを有効成分とするカプセル剤 2,2−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)
−4−メチルペンタン100g、乳糖70g、トウモロ
コシデンプン70g、結晶セルロ−ス40g、およびス
テアリン酸マグネシウム6gをよく混合する。これをカ
プセル充填機にて硬カプセルに300mg宛充填してカ
プセル剤を得た。
【0032】実施例9 2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)
−4−メチルペンタンを有効成分とする顆粒剤 2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)
−4−メチルペンタン100g、乳糖150g、トウモ
ロコシデンプン140gおよび結晶セルロ−ス80gを
とりよく混合し、これをヒドロキシルプロピルセルロー
ス20gを水400mlに溶解した液で練合造粒し50
℃で4時間乾燥する。これを12メッシュのスクリーン
で整粒した後、ステアリン酸マグネシウム8gを加えて
よく混合し顆粒剤とした。
【0033】実施例10 2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)
−4−メチルペンタンを有効成分とする坐剤 2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)
−4−メチルペンタン10gおよびウィテップゾルR
−35(ディナミル・ノーベル・ケミカルズ、西ドイツ
国)90gをとり、60℃に加熱溶解してよく混合す
る。これを鋳型に1個あたり1.5gまたは3gの重量
となるように流し込み冷却して坐剤とした。
【0034】実施例11 2,2−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)
−4−メチルペンタンを有効成分とする注射剤 2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)
−4−メチルペンタン0.5gをとり、綿実油5.0m
lアンプルに封入し、非水性注射剤とする。輸液用注射
剤としては、上述の溶液に界面活性剤としてHCO−6
0を1.0gを加えた溶液を調製し、使用時0.9%生
理食塩水200mlに懸濁して使用する。
【0035】実施例12 α2−PI活性阻害作用 プラスミン阻害因子測定法のフィブリン塊溶解時間法に
従って測定した〔風間睦美、臨床薬理、特27、215
(1976)〕。ヒト由来α2−PI(0.12mg/
ml)25μlに試験化合物溶液50μlを加え、数分
後に4カゼイン単位/mlのヒトプラスミンを25μl
加え、さらに全量が500μlになるようにヒトフィブ
リノ−ゲン溶液とトロンビン溶液を加えて凝固させ、フ
ィブリンクロットリシスタイムレコ−ダ−(Fibri
n Clot Lysis TimeRecorde
r:利康商事)により、測定温度37℃で、フィブリン
塊の溶解時間を測定した。α2−PI非共存下のサンプ
ルのプラスミン活性とα2−PI存在下のサンプルのプ
ラスミン活性の差をα2−PI活性とし、試験化合物が
このα2−PI活性を20%阻害する値(IC20)すな
わち失活したプラスミン活性の20%を回復させる試験
化合物の濃度を求めた。結果を表1[表1][表2]に
示す。 表1
【0036】
【化3】
【0037】
【表1】
【0038】
【表2】
【0039】
【発明の効果】以上の各実施例から明らかなように、本
発明の血栓溶解促進剤は極めて優れた薬理効果を有す
る。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 31/165 8413−4C 31/235 8413−4C 31/245 8413−4C C07C 39/27 9159−4H 43/23 C 8619−4H 49/83 A 6917−4H Z 6917−4H 65/105 8930−4H 215/74 7457−4H 233/25 7106−4H (72)発明者 奥村 邦雄 千葉県茂原市東郷1144番地 三井東圧化学 株式会社内 (72)発明者 棚田 英樹 千葉県茂原市東郷1144番地 三井東圧化学 株式会社内 (72)発明者 匂坂 勝弘 千葉県茂原市東郷1900番地の1 三井東圧 化学株式会社内 (72)発明者 玉造 淳 千葉県茂原市東郷1900番地の1 三井東圧 化学株式会社内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1)[化1] 【化1】 (式中R1、R2は、独立に水素あるいは炭素数1〜10
    の直鎖状あるいは分岐鎖状アルキル基を示す。X1
    2、X3、X4は独立に水素あるいは低級アルキル基、
    ニトロ基、アミノ基、アセトアミド基、ヒドロキシル
    基、低級アルカノイル基、ヒドロキシメチル基、ハロゲ
    ン原子、低級アルコキシ基、カルボキシル基、ベンゾイ
    ル基、アリ−ル基を示す。但し、X1、X2、X3、X4
    同時に水素である場合を除く。)で表されるジフェニル
    炭化水素誘導体およびその治療上許容される塩を有効成
    分として含有する血栓溶解促進剤。
  2. 【請求項2】 R1、R2は独立に水素あるいは炭素数1
    〜10の直鎖状アルキル基である請求項1記載の血栓溶
    解促進剤。
  3. 【請求項3】 R1が水素あるいは炭素数1〜10の直鎖
    状アルキルで、R2が炭素数3〜10の分岐鎖状アルキ
    ル基である請求項1記載の血栓溶解促進剤。
  4. 【請求項4】 R1、R2は独立に炭素数3〜10の分岐
    鎖状アルキル基である請求項1記載の血栓溶解促進剤。
  5. 【請求項5】 2、2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メ
    チルフェニル)−4−メチルペンタンを有効成分として
    含有する血栓溶解促進剤。
  6. 【請求項6】 4−[1−(4−ヒドロキシフェニル)
    −1,3−ジメチルブチリデン]−ピロカテコ−ルを有
    効成分として含有する血栓溶解促進剤。
  7. 【請求項7】 2、2−ビス(3,4−ジヒドロキシフ
    ェニル)−4−メチルペンタンを有効成分として含有す
    る血栓溶解促進剤。
  8. 【請求項8】 2,2−ビス(3−クロロ−4−ヒドロ
    キシフェニル)−4−メチルペンタンを有効成分として
    含有する血栓溶解促進剤。
  9. 【請求項9】 4−[1−(4−ヒドロキシフェニル)
    −1,3−ジメチルブチリデン]−2−ニトロフェノ−
    ルを有効成分として含有する血栓溶解促進剤。
  10. 【請求項10】一般式(1)において、R1が炭素数1
    〜10の直鎖状アルキ基で、R2が炭素数3〜10の分
    岐鎖状アルキル基であり、X1、X2、X3、X4は独立に
    水素あるいは低級アルキル基、ニトロ基、アミノ基、ア
    セトアミド基、ヒドロキシル基、低級アルカノイル基、
    ヒドロキシルメチル基、ハロゲン原子、低級アルコキシ
    基、カルボキシル基、ベンゾイル基、アリ−ル基(但
    し、X1、X2、X3、X4が同時に水素である場合を除
    く。)で表されるジフェニル炭化水素誘導体(但し、
    2、2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)
    −4−メチルペンタン、2、2−ビス[4−ヒドロキシ
    −3−(1−メチルエチル)フェニル]−4−メチルペ
    ンタン、2、2−ビス[4−ヒドロキシ−3−(1、1
    −ジメチルエチル)フェニル]−4−メチルペンタン、
    2、2−ビス(3、5−ジエチル−4−ヒドロキシフェ
    ニル)−4−メチルペンタン、2、2−ビス(3−クロ
    ロ−4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、
    2、2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニ
    ル)−4−メチルペンタン、2、2−ビス(4−ヒドロ
    キシ−3−メチルフェニル)−3−メチルペンタン、
    2、2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)
    −3、3−ジメチルブタンの場合を除く)。
  11. 【請求項11】 一般式(1)において、R1、R2が独
    立に炭素数3〜10の分岐鎖状アルキル基であるジフェ
    ニル炭化水素誘導体(但し、3、3−ビス(3、4−ジ
    ヒドロキシフェニル)−2、4−ジメチルペンタンの場
    合を除く)。
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