JPH05168963A - ローラ式粉砕装置およびその粉砕方法 - Google Patents

ローラ式粉砕装置およびその粉砕方法

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JPH05168963A
JPH05168963A JP33711391A JP33711391A JPH05168963A JP H05168963 A JPH05168963 A JP H05168963A JP 33711391 A JP33711391 A JP 33711391A JP 33711391 A JP33711391 A JP 33711391A JP H05168963 A JPH05168963 A JP H05168963A
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JP
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roller
crushing
ring
bracket
crushing ring
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Application number
JP33711391A
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English (en)
Inventor
Eiji Murakami
英治 村上
Hidekazu Nishida
英一 西田
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Mitsubishi Power Ltd
Original Assignee
Babcock Hitachi KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 粉砕時におけるローラの過大な振子運動を防
止し、振動および騒音を低減したローラ式粉砕装置およ
びその粉砕方法を提供する。 【構成】 ハウジング19内の水平面を回転する粉砕リ
ング1上に、回転方向に沿って所定間隔で複数個のロー
ラ2を設け、ローラごとにローラブラケット21でロー
ラを回転可能に支持し、ローラブラケットは接続部2
8、29を介して加圧フレーム23により下方に首振り
可能に加圧され、これによりローラが粉砕リング上に圧
接され、被粉砕物18を粉砕するローラ式粉砕装置にお
いて、接続部28と29をねじ状構造とし、ローラが粉
砕リングの外側に移動したときはローラを該リングの回
転方向に、内側に移動したときは該リングの回転方向と
は逆方向に移動させるようにしてローラが正常位置に戻
る力を発生するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はローラ式粉砕装置および
その粉砕方法に係り、特に粉砕時に発生する振動や騒音
を低減するのに好適なローラ式粉砕装置およびその粉砕
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】図8にローラ式粉砕装置の全体構造を示
す。ヨーク10は減速機11の出力軸上に回転可能なよ
うに取付けられており、このヨーク10上には環状の粉
砕リング1が固定されている。粉砕リング1上のくぼみ
部には、ローラブラケット3にローラ軸およびベアリン
グにより回転可能なように支持されたローラ2が等間隔
で3組設置されている。ローラブラケット3の上部およ
び加圧フレーム7下面にはピン4が入る溝が加工されて
おり、ローラブラケット3およびローラ2はピン4を介
して加圧フレーム7により粉砕リング1上に押付けら
れ、ローラ2が転倒しないようになっている。この加圧
フレーム7はピボットアーム12およびローディングロ
ッド13を介して加圧シリンダ17につながっている。
【0003】モータにより減速機11の入力軸を回転さ
せると、減速機11の出力軸に取付けられたヨーク10
およびヨーク10に固定された粉砕リング1が回転す
る。このとき、加圧シリンダ17はローディングロッド
13を引張っており、この引張り力はピボットアーム1
2を介して加圧フレーム7を下方向に押付け、加圧フレ
ーム7はピン4、ローラブラケット3を介してローラ2
を粉砕リング1に押付けている。被粉砕物(例えば、石
炭)は中央上部の供給管14から投下され、ローラ2と
粉砕リング1にはさまれ、圧壊作用により粉砕される。
粉砕された被粉砕物(例えば、微粉炭)は熱風に吹上げ
られ、分級機15を通り、所定の粒度のものは出口管1
6へ、それより粒度の大きいものは粉砕部へ落下し、再
び粉砕される構造となっている。
【0004】図9は従来のローラ式粉砕装置のローラの
取付け状態を示す平面図、図10はその側面図である。
ローラ2はローラ軸5およびベアリングによりローラブ
ラケット3に回転可能なように固定されている。ローラ
ブラケット3のアーム部上面および加圧フレーム7下面
にはピン4が入る溝が加工されており、ローラブラケッ
ト3およびローラ2はピン4を介して加圧フレーム7に
より粉砕リング1上に圧接されている。
【0005】粉砕時、被粉砕物18(例えば、石炭)は
ローラ2と粉砕リング1の間で圧壊されるため、このと
き発生する衝撃によりローラ2およびローラブラケット
3は常に振動している。図10に示すように従来のロー
ラ式粉砕装置では、この振動や衝撃はピン4を中心とし
てローラ2およびローラブラケット3が振り子運動する
ことにより吸収できるよう工夫されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記従来装置では、被
粉砕物圧壊時の激しい衝撃、ローラ2と被粉砕物18の
スリップなどにより、ローラ2およびローラブラケット
3の振り子運動が過度に大きくなり、しばしばローラ2
が粉砕リング1の外周を乗り越えようとし、このとき、
ローラ2、ローラブラケット3、粉砕リング1などに過
大な応力が発生したり、粉砕装置に非常に激しい振動、
騒音が発生するという問題点があった。
【0007】ローラ2が粉砕リング1を乗り越えようと
したとき、構造的には乗り越えることができないため、
ローラ2と粉砕リング1の間に大きな荷重が発生し、ロ
ーラ2、粉砕リング1およびローラブラケット3などに
過大な応力が生じ、これらの部品の寿命を縮めてしま
う。また、粉砕リング1を乗り越えようとしたローラ2
はその反動で元の位置に戻ろうとするが、このとき、粉
砕部および粉砕装置全体に激しい振動が発生し、装置全
体の寿命を縮めるととともに騒音の原因となる。
【0008】ローラ2の振り子運動を制限するためにス
トッパーを設けたり、振り子運動をなくすためにローラ
ブラケット3と加圧フレーム7の結合をピン結合ではな
く、固定結合とすることが考えられるが、これでは粉砕
時の振動や衝撃を吸収することができず、かえって粉砕
部に過大な応力や振動が発生してしまうことになる。ま
た、図10において粉砕リング1のくぼみ部とローラ2
の曲率をほぼ同じとすることにより、ローラ2の過大な
振り子運動を防止することが考えられるが、この場合、
ローラ2と粉砕リング1の間に被粉砕物18が入る隙間
がなくなるので、粉砕効率が大幅に低下してしまう。
【0009】本発明の目的は、上記従来技術の問題点を
解決し、粉砕時におけるローラの過大な振り子運動を防
止し、振動および騒音を低減したローラ式粉砕装置およ
びその粉砕方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本願の第1の発明は、ハウジング内の水平面内に回転自
在に支持された粉砕リングと、該粉砕リング上に回転方
向に沿って所定間隔にて配置された複数個の粉砕用ロー
ラを設け、被粉砕物を粉砕リングとこれに圧接されて回
転するローラとの間で粉砕するローラ式粉砕装置におい
て、各ローラごとに設けられ、各ローラを回転可能に支
持するローラブラケットが、ローラが粉砕リングの半径
方向に振り子運動でき、かつローラが粉砕リングの外側
方向に振り子運動した場合には、ローラが粉砕リングの
回転接線方向へ、ローラが粉砕リングの内側方向に振り
子運動した場合にはローラが粉砕リングの回転接線方向
とは逆方向に移動するように、ローラを粉砕リング上に
圧接させるための加圧フレームに接続されたことを特徴
とするローラ式粉砕装置に関する。
【0011】本願の第2の発明は、上記第1の発明にお
いて、ローラブラケットと加圧フレームの接触面をそれ
ぞれネジ状とし、ローラブラケットのネジ状部と加圧フ
レームのネジ状部をかみ合わせることにより、ローラが
粉砕リングの半径方向に振り子運動でき、かつローラが
粉砕リングの外側方向に振り子運動した場合には、ロー
ラが粉砕リングの回転接線方向へ、ローラが粉砕リング
の内側方向に振り子運動した場合にはローラが粉砕リン
グの回転接線方向とは逆方向に移動するように、ローラ
ブラケットが加圧フレームに接続されたことを特徴とす
るローラ式粉砕装置に関する。
【0012】本願の第3の発明は、ハウジング内の水平
面に沿って回転する粉砕リングと、粉砕リング上に回転
方向に沿って所定間隔で配置した複数個のローラと、各
ローラごとに設けられこれを回転可能に支持するローラ
ブラケットと、ローラブラケットをピンを介して首振り
可能に支持するとともに、ピンとローラブラケットを介
してローラを粉砕リング上に圧接する加圧フレームとを
備え、被粉砕物を粉砕リング上に供給して、該リングと
ローラの間で粉砕するローラ式粉砕装置の粉砕方法にお
いて、位置センサにより加圧フレームに対する各ローラ
の振り子運動の大きさと方向を検知し、これに基づき、
ローラが粉砕リングの外側方向に振り子運動したときは
このローラを粉砕リングの回転方向に、ローラが粉砕リ
ングの内側方向に振り子運動したときはこのローラを粉
砕リングの回転方向とは逆の方向に移動するようにした
ことを特徴とするローラ式粉砕装置の粉砕方法に関す
る。
【0013】
【作用】被粉砕物圧壊時の衝撃、ローラと被粉砕物のス
リップなどにより、ローラが粉砕リングの外側方向に振
り子運動し、これに伴い粉砕リングの回転接線方向に移
動した場合、ローラは被粉砕物から粉砕リングの内側方
向に振り子運動の大きさに比例した摩擦力を受ける。こ
の摩擦力は振り子運動したローラを元の位置に戻す復元
力となり、振り子運動したローラは速やかに元の位置に
戻ろうとする。また、ローラが粉砕リングの内側方向に
振り子運動し、これに伴い粉砕リングの回転接線方向と
は逆方向に移動した場合、ローラは被粉砕物から粉砕リ
ングの外側方向に振り子運動の大きさに比例した摩擦力
を受ける。この摩擦力は振り子運動したローラを元の位
置に戻す復元力となり、振り子運動したローラは速やか
に元の位置に戻ろうとする。そのため、ローラおよびロ
ーラブラケットに過度の振り子運動は発生せず、粉砕装
置に激しい振動、騒音が発生することはない。
【0014】
【実施例】
(i)全体の構成 図1は本発明になるローラ式粉砕装置の一実施例におけ
るローラの取付け状態を示す側面図、図2は図1の平面
図である。ローラブラケット21のアーム部上部には表
面をネジ状に加工した一対のブラケット固定ピン29
a、29bが固定され、このブラケット固定ピン29
a、29bはそれぞれ加圧フレーム23の下面に加工さ
れたネジ状のブラケット固定ガイド28a、28bとか
み合っており、ローラブラケット21は加圧フレーム2
3にブラケット固定ピン29a、29bを介して垂直方
向の並進運動を拘束され、ブラケット固定ピン29a、
29bとブラケット固定ガイド28a、28bの接触面
を中心として振り子運動し、かつブラケット固定ピン2
9a、29bおよびブラケット固定ガイド28a、28
bがネジ状であるため、振り子運動に伴って粉砕リング
1の回転接線に沿って移動できるように取付けられてい
る。ブラケット固定ピン29a、29bおよびブラケッ
ト固定ガイド28a、28bのネジ状の部分は、充分な
強度を持ち、ガタをなくすため角ネジまたは台形ネジと
なっており、そのピッチは非常に大きく取られている。
また、そのピッチの方向は、ローラブラケット21が粉
砕リング1の半径方向外側へ振り子運動した場合はロー
ラブラケット21が粉砕リング1の回転方向へ、ローラ
ブラケット21が粉砕リング1の内側方向へ振り子運動
した場合はローラブラケット21が粉砕リング1の回転
方向とは逆方向へ移動するようになっている。
【0015】タイヤ状のローラ2はローラ軸5によりロ
ーラブラケット21に回転可能なように固定されてお
り、このローラ2は粉砕リング1上のくぼみ部に設置さ
れ、加圧フレーム23によりブラケット固定ピン29
a、29b、ローラブラケット21、ローラ軸5を介し
て粉砕リング1上に圧接され、転倒しない構造となって
いる。したがって、ローラ2およびローラブラケット2
1はブラケット固定ピン29a、29bを中心として一
緒に振り子運動することになり、ローラ2が粉砕リング
1の半径方向外側へ振り子運動した場合、ローラ2は粉
砕リング1の回転方向へ、ローラ2が粉砕リング1の内
側方向へ振り子運動した場合、ローラ2は粉砕リング1
の回転方向とは逆方向へ移動することになる。 (ii)各構成部品の相互関係、作用 粉砕時には、粉砕リング1が図1に矢印で示した方向に
回転し、これに伴ってローラ2が粉砕リング1上で定置
回転している。被粉砕物18がローラ2と粉砕リング1
の間で圧壊されるときの衝撃や、ローラ2と被粉砕物1
8のスリップなどにより、ローラ2およびローラブラケ
ット21はブラケット固定ピン29a、29bとブラケ
ット固定ガイド28a、28bの接触面を中心として振
り子運動する。
【0016】図1に示す本実施例のローラ式粉砕装置に
おいて、ローラ2およびローラブラケット21が粉砕リ
ング1の外側方向に振り子運動した場合のローラ2の動
きを図3に示す。振り子運動前のローラ2の位置を実線
で、振り子運動後のローラ2の位置を一点鎖線で示して
ある。本実施例のローラ式粉砕装置では、ローラブラケ
ット21に固定されたネジ状のブラケット固定ピン29
a、29bが加圧フレーム23に加工されたネジ状のブ
ラケット固定ガイド28a、28bにかみ合う構造とな
っているため、図3に一点鎖線で示すように、ローラ2
の粉砕リング1の外側方向への振り子運動に伴って、ロ
ーラ2は粉砕リング1の回転接線方向へも移動すること
になる。図9、10に示す従来のローラ式粉砕装置で
は、円柱状のピン4a、4bによってローラブラケット
が加圧フレームに接続されているため、図5に示すよう
に、ローラ2が振り子運動し粉砕リング1の外側方向へ
移動しても、ローラ2は粉砕リング1の回転接線方向へ
は移動せず、粉砕リング1の外側方向へ平行移動するの
みである。
【0017】図3において、O点はローラ2が振り子運
動する前のローラ2と粉砕リング1上の被粉砕物18と
の接触点、P点はローラ2が粉砕リング1の外側方向へ
振り子運動した場合のローラ2と被粉砕物18との接触
点である。振り子運動によるローラ2の外側方向への移
動量をlとすると、P点の粉砕リング回転方向への移動
量dは次式により求められる。
【0018】
【数1】d=Pθ (1) ここで、θは振り子運動の角度、Pはブラケット固定ピ
ン29a、29bおよびブラケット固定ガイド28a、
28bのネジ状部分のピッチである。ローラ2の外側へ
の移動量lが大きいほど、すなわち振り子運動が大きい
ほど、ローラ2の粉砕リング1の回転接線方向への移動
量dが大きくなる。
【0019】ローラ2は粉砕リング1の回転に伴って定
置回転しているため、接触点O、Pは常に粉砕リング1
上の被粉砕物18から粉砕リング1の回転接線方向に摩
擦力F、F′を受けている。ローラ2が振り子運動して
いない(図3において実線の位置)場合、ローラ2と被
粉砕物18の接触点はO点であり、ローラ2は被粉砕物
18からO点における粉砕リング1の回転接線方向に摩
擦力Fを受ける。ローラ2を粉砕リング1上の被粉砕物
18に圧接している荷重をW、ローラ2と被粉砕物18
との摩擦係数をμとすると、この摩擦力Fは次式で表わ
される。
【0020】
【数2】F=μW (2) 一方、ローラ2が粉砕リング1の外側方向へ振り子運動
した(図3において一点鎖線の位置)場合、ローラ2と
被粉砕物18の接触点はP点であり、ローラ2は被粉砕
物18からP点における粉砕リング1の回転接線方向の
摩擦力F′を受ける。この摩擦力F′もO点の場合と同
様に、
【0021】
【数3】F′=μW (3) で表わされる。この摩擦力F′は、図3に示すように、
ローラ2を回転方向に転がそうとする成分FY ′とロー
ラ2を元の位置に戻そうとする成分FX ′に分解するこ
とができ、それぞれ次式で表わされる。
【0022】
【数4】 FX ′=F′sinβ=μWsinβ (4)
【0023】
【数5】 FY ′=F′cosβ=μWcosβ (5) ここで、βはF′の傾き角度であり、O点における粉砕
リング1の回転半径をrとすると次式により求めること
ができる。
【0024】
【数6】β=tan-1(d/(L+r)) (6) このFX ′は外側に振り子運動したローラ2およびロー
ラブラケット21を元の位置に戻す復元力となり、この
復元力により外側に振り子運動したローラ2およびロー
ラブラケット21は元の位置に戻ろうとするため、ロー
ラ2およびローラブラケット21に過大な振り子運動が
生じることはない。式(1)、(4)、(6)から明ら
かなように、ローラ2の外側への移動量Lが大きいほ
ど、すなわち振り子運動が大きいほど、ローラ2の粉砕
リング1の回転接線方向への移動量dが大きくなり、こ
れに伴って復元力FX ′も大きくなる。
【0025】図5に示した従来のローラ式粉砕装置で
は、ローラ2が振り子運動した(一点鎖線の位置)場合
でも、ローラ2は粉砕リング1の回転方向に移動しない
ため、ローラ2と被粉砕物18の接触点はO′点とな
り、このときにローラ2が被粉砕物18から受ける粉砕
リング1の回転接線方向の摩擦力は図5におけるF′で
あるため、FX ′=Oとなり復元力は発生しない。
【0026】図4にローラ2が粉砕リング1の内側方向
に振り子運動した場合のローラ2の動きを示す。ローラ
2が内側に振り子運動した場合も、図3の外側に振り子
運動した場合と全く同様にローラ2を元の位置に戻そう
とする復元力が発生する。図4において、ローラ2が内
側に振り子運動した(一点鎖線の位置)場合、ローラ2
と被粉砕物18の接触点はQ点となり、ローラ2は被粉
砕物18からQ点における粉砕リング1の回転接線方向
の摩擦力F′を受ける。この摩擦力F′は図4のよう
に、ローラ2を回転方向に転がそうとする成分FY ′と
ローラ2を元の位置に戻そうとする成分FX ′に分解す
ることができ、このFX ′は内側方向に振り子運動した
ローラ2およびローラブラケット21を元の位置に戻す
復元力となる。この復元力は図3のローラ2が外側方向
へ振り子運動した場合と全く同様に振り子運動が大きく
なるほど大きくなる。
【0027】以上のように、本実施例のローラ式粉砕装
置では、被粉砕物圧壊時の衝撃、ローラと被粉砕物のス
リップなどによりローラおよびローラブラケットに過度
の振り子運動が発生しようとした場合においても、振り
子運動の大きさに比例して、ローラが粉砕リングの回転
方向またはこれと逆方向に移動し、これに伴って復元力
が発生するため、ローラは速やかに元の位置に戻ろうと
する。すなわち、ローラは図3、4において常にd=
0、すなわちFX ′=0となるように自己平衡性をもっ
て粉砕リング上で回転する。そのため、ローラおよびロ
ーラブラケットに過度の振り子運動は発生せず、粉砕装
置の振動、騒音を顕著に低減することができる。
【0028】図6は本発明の他の実施例のローラの取付
け状態を示す側面図、図7はその平面図である。本実施
例は、ローラの粉砕リング接線方向への移動をアクチュ
エータで行うようにしたものである。加圧フレーム23
の下面には円柱状のピン22a、22bを収容し、かつ
このピン22a、22bが加圧フレーム23に沿ってス
ライドして移動できるようなピン溝24a、24bが加
工されている。また、ローラブラケット21のアーム部
上面にもピン22a、22bを固定するための溝が加工
されており、ローラブラケット21は、加圧フレーム2
3に沿ってスライドし、かつピン22a、22bを中心
として振り子運動できるように支持されている。ローラ
ブラケット21に回転可能なように固定されたローラ2
は粉砕リング1上のくぼみ部に設置され、加圧フレーム
23によりピン22a、22b、ローラブラケット2
1、ローラ軸5を介して粉砕リング1上に圧接されてい
る。
【0029】アクチュエータ26は、加圧フレーム23
の下面に取付けられ、ロッド27でローラブラケット2
1と接続されており、このアクチュエータ26によりロ
ーラブラケット21およびローラ2を加圧フレーム23
に沿ってスライドさせることができるようになってい
る。また、加圧フレーム23の下面には一対の例えば非
接触型の変位計25a、25bが取付けられており、ロ
ーラブラケット21のアーム部と加圧フレーム23との
距離をこの変位計25a、25bで測定することによ
り、ローラ2およびローラブラケット21の振り子運動
の方向および大きさを検知することができるようになっ
ている。ローラブラケット21のアーム部と加圧フレー
ム23との距離が短くなれば外側方向への振り子運動、
長くなれば内側方向への振り子運動となる。変位計25
a、25bは制御装置に接続されており、検知された振
り子運動の方向および大きさに応じてアクチュエータ2
6を制御し、ローラ2が粉砕リング1の外側方向へ振り
子運動した場合にはローラ2を粉砕リング1の回転接線
方向へ、ローラ2が粉砕リング1の内側方向へ振り子運
動した場合にはローラ2を粉砕リング1の回転接線方向
とは逆方向へ移動させる。本実施例のローラの動きは図
1の実施例と全く同じであり、その効果も全く同様であ
る。本実施例はローラの移動量を制御装置によって自由
に設定できる、すなわち、復元力の大きさを自由に設定
できるという特徴がある。
【0030】
【発明の効果】本発明によれば、被粉砕物圧壊時の衝
撃、ローラと被粉砕物のスリップなどにより、ローラお
よびローラブラケットに過度の振り子運動が発生しよう
とした場合においても、振り子運動の大きさに比例して
ローラを元の位置に戻そうとする復元力が発生するた
め、ローラおよびローラブラケットに過度の振り子運動
は発生せず、粉砕装置の振動、騒音を顕著に低減するこ
とが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の一実施例であるローラ式粉砕
装置のローラの取付け状態を示す側面図である。
【図2】図2は、図1の平面図である。
【図3】図3は、本発明の一実施例におけるローラおよ
びローラブラケットが粉砕リングの外側方向に振り子運
動した場合を示す説明図である。
【図4】図4は、ローラが粉砕リングの内側方向に振り
子運動した場合のローラの動きを示す説明図である。
【図5】図5は、従来のローラ式粉砕装置のローラの動
きを示す平面図である。
【図6】図6は、本発明のローラ式粉砕装置の他の実施
例のローラの取付け状態を示す側面図である。
【図7】図7は、図6の平面図である。
【図8】図8は、従来のローラ式粉砕装置の全体図であ
る。
【図9】図9は、従来のローラ式粉砕装置のローラの取
付け状態を示す平面図である。
【図10】図10は、従来のローラ式粉砕装置のローラ
の取付け状態を示す側面図である。
【符号の説明】
1…粉砕リング、2…ローラ、3、21…ローラブラケ
ット、4、22…ピン、7、23…加圧フレーム、12
…ピボットアーム、13…ローディングロッド、18…
被粉砕物、19…ハウジング、24a、24b…ピン
溝、25a、25b…変位計、26…アクチュエータ、
27…ロッド、28…ブラケット固定ガイド、29…ブ
ラケット固定ピン。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハウジング内の水平面内に回転自在に支
    持された粉砕リングと、該粉砕リング上に回転方向に沿
    って所定間隔にて配置された複数個の粉砕用ローラを設
    け、被粉砕物を粉砕リングとこれに圧接されて回転する
    ローラとの間で粉砕するローラ式粉砕装置において、各
    ローラごとに設けられ、各ローラを回転可能に支持する
    ローラブラケットが、ローラが粉砕リングの半径方向に
    振り子運動でき、かつローラが粉砕リングの外側方向に
    振り子運動した場合には、ローラが粉砕リングの回転接
    線方向へ、ローラが粉砕リングの内側方向に振り子運動
    した場合にはローラが粉砕リングの回転接線方向とは逆
    方向に移動するように、ローラを粉砕リング上に圧接さ
    せるための加圧フレームに接続されたことを特徴とする
    ローラ式粉砕装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、ローラブラケットと
    加圧フレームの接触面をそれぞれネジ状とし、ローラブ
    ラケットのネジ状部と加圧フレームのネジ状部をかみ合
    わせることにより、ローラが粉砕リングの半径方向に振
    り子運動でき、かつローラが粉砕リングの外側方向に振
    り子運動した場合には、ローラが粉砕リングの回転接線
    方向へ、ローラが粉砕リングの内側方向に振り子運動し
    た場合にはローラが粉砕リングの回転接線方向とは逆方
    向に移動するように、ローラブラケットが加圧フレーム
    に接続されたことを特徴とするローラ式粉砕装置。
  3. 【請求項3】 ハウジング内の水平面に沿って回転する
    粉砕リングと、粉砕リング上に回転方向に沿って所定間
    隔で配置した複数個のローラと、各ローラごとに設けら
    れこれを回転可能に支持するローラブラケットと、ロー
    ラブラケットをピンを介して首振り可能に支持するとと
    もに、ピンとローラブラケットを介してローラを粉砕リ
    ング上に圧接する加圧フレームとを備え、被粉砕物を粉
    砕リング上に供給して、該リングとローラの間で粉砕す
    るローラ式粉砕装置の粉砕方法において、位置センサに
    より加圧フレームに対する各ローラの振り子運動の大き
    さと方向を検知し、これに基づき、ローラが粉砕リング
    の外側方向に振り子運動したときはこのローラを粉砕リ
    ングの回転方向に、ローラが粉砕リングの内側方向に振
    り子運動したときはこのローラを粉砕リングの回転方向
    とは逆の方向に移動するようにしたことを特徴とするロ
    ーラ式粉砕装置の粉砕方法。
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