JPH05168783A - 緩環流式気泡電気洗濯機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 緩やかな環流によって被洗濯物相互の絡みつ
き塊状を無くして、高速回転するインペラの周端より放
射される微粒気泡に洗剤との相乗効果を充分発揮させ洗
濯機能を充分満足させる。 【構成】 茸状中空腔インペラ３は、周辺にピンホール
群４を有し、段付中空頚軸５に嵌挿・固定される。軸５
は洗濯槽８を貫通して軸受６によってフレーム１９に固
着される。また軸５に嵌挿、摺接する段付中空軸９は、
段付部分に座金１０，１１及びナット１２によって、フ
レーム１９に螺装固定される。軸９の下部先端にはエル
ボ１３を介して洗濯槽の最高水位１５を超える高さまで
パイプ１４が連結配管され、インペラ３内の中空腔部は
ピンホール群４とは別に大気圧となる条件を具備する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は家庭用電気洗濯機に関す
るものである。

【０００２】

【従来の技術】現在使用されている家庭用電気洗濯機
は，放射状の突起物を有するインペラを正・逆回転して
発生する環流及び反転・攪拌の繰り辺しによつて被洗濯
物との抵抗力と被洗濯物相互の「擦り合い」による摩擦
力と，洗剤の分解酵素との相乗効果を期待し，また，一
部に従来の洗濯機のもつプロセスに加えて気泡の併用し
た電気洗濯機の出現をみるに至つた。

【０００３】

【本発明が解決しようとする問題点】放射状突起物を有
するインペラの正・逆回転による環流・反転攪拌の繰り
辺しは被洗濯物とに抵抗力の発生を促し，洗剤の分解酵
素の効用との相乗効果を期待するものであるが，この繰
り辺しによつて被洗濯物相互の「擦り合い」が「揉み合
い」になり「絡みつき」へと進行し，ついに塊状を呈す
るに至り，洗濯上最も必要な抵抗力は，この塊状の外周
とに発生する。従つて洗剤の分解酵素の効用は一時的な
ものに限定されて効果を著しく低下させている。更にこ
の「絡みつき」はすすぎ水洗い時においても発生し，こ
れを解くための時間ロスと，解く際に被洗濯物を破損さ
せてしまう失敗を等しく経験させられているのである。
また，従来の洗濯機のプロセスに気泡併用の効果は，空
気圧入機構を設け，インペラ支承軸の中心より一粒子単
位の気泡を放射するため被洗濯物全体に気泡附着，纒装
ができずに局部的に限られ，必ずしも「汚れ」に対し適
確に気泡の特性を発揮するものではなく，且つ，被洗濯
物相互の「絡みつき」による塊状となつては何らの効果
も期待できず，加えて該気泡の粒子が大きいため浮上速
度が速く，更に．環流反転攪拌による流速は一層気泡特
性の減衰を助長し，期待するほどの効力を上げえない現
状にある。本発明は以上の問題点を解決すべくなされた
ものである。

【０００４】

【問題を解決するための手段】茸状中空腔インペラ（以
下各項を通してインペラと称す）３ の周端，即ち，最
も周速の速い範囲に通孔されたピンホール群４ を有す
る該インペラ３ を超高速回転させるため，駆動力側の
長径駆動プーリー１ に相対する短径従動プーリー２
はインペラ３ と一体をなす段付中空頚軸（以下各項を
通して頚軸と称す）５ に嵌挿，固定され，且つ，頚軸
５ は洗濯槽８ を貫通して段付部分で軸受６ が支承
し，軸受ケース７ によつてフレーム１９ へ固着され
る。また頚軸５ に嵌挿，摺接する段付中空軸（以下各
項を通して軸と称す）９は段付部分に座金１０ を嵌
入，固定してフレーム１９ を挾持すべく座金１１ 及
びナット１２ によつて螺装，固定する。軸９ の下部
先端にはエルボ１３ を介して洗濯槽の最高水位１５
を超える高さまでパイプ１４ が配管されて，インペラ
３ 内の中空腔部はピンホール群４ とは別に大気圧と
なる条件を具備する。本発明は以上の機構，構成よりな
る緩環流式気泡電気洗濯機。

【０００５】

【作用】洗濯槽内へ注水されるとインペラ３ の周端に
通孔されたピンホール群４ より浸水，軸９ を経て連
通するパイプ１４ 内の水位も同時上昇し，槽内の水位
と同レベルになる。駆動力によつて一方向回転する長径
駆動プーリー１ に相対して超高速回転する短径従動プ
ーリー２ を嵌挿する頚軸５ 及びインペラ３ が超高
速回転すると遠心力と大気圧によつて中空腔内の水はピ
ンホール群４ より吐水されると同時にパイプ１４ 内
の水位も下降し，暫時経過後両者内部が無水状態となる
と空気の放出が開始され，これが水圧によつて超微粒気
泡化して放射，インペラ３ の回転中物理的に放射が継
続され，槽内全体へ拡散され，高密度の気泡群の発生を
もたらす。また，インペラ３ の外表面は無突起の滑性
状をなしているため，これが超高速回転するにおいて水
との関係は抵抗力が生ぜず，中立のスリップ状態を呈す
るが，周端のピンホール群４ より放射する気泡群によ
つてわずかに抵抗力が生じて一方向へ緩やかな環流が発
生する

【０００６】

【実施例】以下は本発明の実施例について説明する。 （イ） 駆動力によつて駆動される長径駆動プーリー１
に相対し，一方向超高速回転の条件を具備した短径従
動プーリー２ はインペラ３ と一体をなす頚軸５ に
嵌挿，固定される。 （ロ） インペラ３ の周端，即ち，周速の最も高速と
なる範囲に通孔したピンホール群４ 配孔する。 （ハ） 頚軸５ は洗濯槽８ を貫通，段付部分を軸受
６ で支承し軸受ケース７ によつてフレーム１９ に
固着される。頚軸５の中空に嵌挿，摺接する軸９は段付
部分に嵌め込んだ座金１０とフレーム１９ を挾持，固
定するべく座金１１ 及びナット１２ で螺装される。 （ニ） 軸９ の下部先端にエルボ１３ を介して，洗
濯槽の最高水位１５ を超える高さまでパイプ１４ を
連結配管し，ピンホール群４ とは別にインペラ３ の
中空腔内とパイプ１４ による大気圧となる条件を具備
する。 （ホ） 洗濯槽よりの漏水を防止するため要部に０リン
グ１６，１７及びメカニカルシール１８ を嵌装する。 （ヘ） インペラ３ の外表面に半球状の突起物を点在
させ，環流にある程度の流速をもたらすこともありう
る。

【０００７】

【発明の効果】一方向へ超高速回転するインペラの周端
より物理的に放射される超微粒気泡は，緩やかな環流に
乗つて静漂する下層部分の被洗濯物全体に表面張力によ
り附着，纒装して浮力が生じて中・上層へと浮上して被
洗濯物の入れ替りが繰り返され，この間超微粒気泡の表
面張力の特性によつて「汚れ」に対しても附着し洗剤の
分解酵素との相互効力による分解・分離・浮上を促進
し，該気泡群と洗剤との相乗効果が充分発揮され，高能
率，高効率の洗濯が期待できるものである。更に，緩や
かな環流によつて一方向へ静漂する被洗濯物は「擦れ合
い」「揉み合い」「絡みつき」がなくなり，これを解く
手間も省け，且つ，破損させて不快感を味うこともな
く，洗濯を快適な家事として仕上げることができ，すす
ぎ水洗いも同様のプロセスで行われるため洗濯能率，効
率ともに充分満足できる電気洗濯機を提供するものであ
る。

【図面の簡単な説明】

【 図 １ 】 本発明の請求項１の断面図。但し，
本発明に直接無関係の電動機，給排水，脱水，各機構及
びフレーム，洗濯槽を含む洗濯機全体図の図示は省略
す。

【 図 ２ 】 インペラ外表面に半球状の突起物を
点在させた部分断面図。

【符号の説明】

１ 長径駆動プーリー ２ 短径従動プーリー ３ 茸状中空腔インペラ ４ ピンホール群 ５
段付中空頚軸 ６ 軸受 ７ 軸受ケース ８ 洗濯槽 ９ 段
付中空軸 １０ 座金 １１ 座金 １２ ナット １３
エルボ １４ パイプ １５ 最高水位 １６ ０リング １７ ０リング
１８ メカニカルシール １９ フレーム ２
０ 半球状突起物

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】家庭用電気洗濯機において，一方向へ超高
   速回転する茸状中空腔インペラの周端，即ち，最高周速
   の範囲部分に通孔されたピンホール群を有し，洗濯水の
   最高水位を超える高さと該インペラと一体をなす中空頚
   軸に嵌挿，摺接する中空軸とをパイプで連結配管して該
   インペラの中空腔はピンホール群とは別に大気圧となる
   条件を具備する。該インペラが超高速回転すると遠心力
   と大気圧の作用でピンホールより内部の水を吐水，連通
   するパイプ内の水位を下降し，暫時経過後両者内部が無
   水状態になると同時に空気の放出が開始され，これが水
   圧によつて超微粒気泡化して該インペラが回転中，洗濯
   槽内全体へ物理的に放射し続けるとともに，該インペラ
   の外表面が無突起の滑性状をなすため水との関係は，無
   抵抗の中立スリップ状態を呈するが，気泡の放射による
   抵抗力が生じて一方向へ緩やかな環流が発生することを
   特徴とする緩環流式気泡電気洗濯機。