JPH05168689A - 創傷被覆材 - Google Patents

創傷被覆材

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JPH05168689A
JPH05168689A JP3338820A JP33882091A JPH05168689A JP H05168689 A JPH05168689 A JP H05168689A JP 3338820 A JP3338820 A JP 3338820A JP 33882091 A JP33882091 A JP 33882091A JP H05168689 A JPH05168689 A JP H05168689A
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wound
layer
gel
wound dressing
control layer
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JP3338820A
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Norio Fujiwara
典雄 藤原
Takuya Yamamoto
卓也 山本
Susumu Nozawa
進 野沢
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Pola Chemical Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 水分透過調節層を、患者に苦痛を与えること
なく除去することが可能な創傷被覆材を提供する。 【構成】 表皮の移植が必要な重度の皮膚の創傷面に貼
付する創傷被覆材を、細胞侵入性材料からなる創傷接触
層と、水分透過調節層と、これらの中間に位置し、化学
的に脱架橋溶解が可能なゲル被膜層により構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は創傷被覆材に関し、詳し
くは、患者に使用した際に疼痛緩和に有効な創傷被覆材
を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】皮膚は表皮組織と真皮組織の2層からな
り、熱傷や擦過傷が真皮組織まで到達した場合、傷の面
積が大きいと真皮組織は再生しても表皮組織は再生せ
ず、傷跡として残る。これは、表皮組織と真皮組織の細
胞が異なるためである。
【0003】そこで、このような重度の創傷の場合に
は、傷跡を残さずきれいに直すために、患者本人の頭皮
や足の裏等から表皮組織を採取して移植する治療法が行
われている。この移植は真皮組織が充分に回復するのを
待ってから行われるが、一般的に、体液の損失を防ぎ回
復を早める為に、真皮組織が回復するまで創傷面に創傷
被覆材を適宜使用する。
【0004】このような創傷被覆材として、コラーゲン
処理したナイロンメッシュとシリコーン膜からなる複合
膜があげられる。これは、創傷への密着性がよく適度な
水分透過性を持つものであり、創傷面に貼付すると真皮
の回復を助けるが、表皮組織は再生されないので、創傷
被覆材を剥離除去して、その傷跡に患者から採取した表
皮組織を移植して、生着するのを待つ。
【0005】しかし、創傷被覆材を剥離除去するには通
常メス等あるいは手ではがさなければならないが、その
際の疼痛は大きく、特に真皮組織が回復して、創傷被覆
材に食い込み癒着をおこしたときには極めて大きな疼痛
を伴う。そのために、特に熱傷患者の約半数といわれる
5歳以下の小児は治療を受けることを嫌がることが多
い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】一方、剥離除去する必
要のないように、生体内で分解される素材を用いた創傷
被覆材、例えば真皮組織の主成分であるコラーゲンを不
織布状にしたものや、甲殻類の殻の成分であるキチンを
不織布状に加工したものが広く使用されている。
【0007】このような創傷被覆材は、皮膚に吸収、分
解されるので、剥離除去する必要はないが、再生した真
皮組織が乾燥状態に適合して疑似的に皮膚の外壁として
機能するようになってしまうため表皮組織を移植しても
生着することは希である。
【0008】植表皮組織の生着率を高めるためには、移
植予定部位を湿潤状態に保ったままでいることが必要で
あり、創傷被覆材の表面に水分透過量調節層を設け、患
部を乾燥させず湿潤状態に保つことができれば移植組織
の生着率は向上する。このような創傷被覆材の一例が、
特開平2−34171号公報に開示されている。
【0009】しかし、表皮移植の際には真皮組織と移植
表皮組織とが密着している必要があるので、移植のため
には水分透過調節層を剥離除去することが不可欠である
が、この水分透過調節層を剥離除去するのに患者に苦痛
を与えることが問題となっている。
【0010】本発明は、水分透過調節層を、患者に苦痛
を与えることなく除去することが可能な創傷被覆材を提
供することを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記課題を
解決するために鋭意研究を行った結果、創傷被覆材を、
特定の薬品により脱架橋溶解できるゲル被膜を介して生
分解製素材からなる層と水分透過調節層とを接着した多
層構造とすることにより、この薬品を脱架橋剤として作
用させたときに、回復中の組織を傷つけることなく水分
透過量調節層を創傷面から容易に剥離除去することがで
きることを見出し、本発明に至った。
【0012】すなわち本発明は、細胞侵入性材料からな
る創傷接触層と、水分透過調節層とを含む多層構造の創
傷被覆材であって、これらの層の間にゲル被膜層を有す
ることを特徴とする創傷被覆材、および細胞侵入性材料
からなる創傷接触層と、ゲル被膜層とを含む多層構造の
創傷被覆材であって、このゲル被膜層の全部又は一部が
水分透過調節層であることを特徴とする創傷被覆材であ
る。
【0013】以下本発明を詳細に説明する。本発明の創
傷被覆材は、上述したように創傷接触層と水分透過調節
層とゲル被膜層からなる。あるいは創傷接触層と、ゲル
被膜層の全部又は一部である水分透過調節層との多層構
造からなる。以下、各層に分けて説明する。 <1>創傷接触層 本発明の創傷被覆材に用いる創傷接触層は、創傷面に直
接接触し保護するための層であり、生分解性素材からな
るので、真皮組織の再生に伴い創傷面に吸収、分解され
る。この創傷接触層の素材は、細胞侵入性材料、すなわ
ち生体適合性があり生体内で分解される素材であれば使
用することができる。このような素材としては、コラー
ゲン、フィブロイン等のタンパク質や、ポリ−L−ロイ
シン等の合成ポリペプチドが適しているが、カルボキシ
メチルセルロース等の多糖類も用いることができる。
【0014】<2>水分透過調節層 水分透過調節層は、再生した真皮組織の上に表皮を移植
できるように、真皮組織を湿潤状態に保つための層であ
る。
【0015】建常皮膚は1g/m2/時の水分を水蒸気
として透過する。創傷面はこの20倍から30倍の水蒸
気が蒸発する。これを健常皮膚のレベルまで下げられる
ものが水分透過調節層として理想的である。しかし、こ
れよりも水分透過量を下げてしまうと、浸出液の貯溜を
まねきやすくなり、化膿する危険率が高くなるので好ま
しくない。また、水分透過調節層の上面は、乾燥しやす
いことが好ましい。雑菌等が繁殖しにくいようにするた
めである。
【0016】この水分調節層は、素材としてはポリビニ
ルアルコールやポリウレタン等の被膜性合成樹脂が挙げ
られ、これらの素材を層状に加工して作製することがで
きる。この素材には後述するゲル被膜層と強く接着する
ものを適宜選択して用いることが好ましい。例えば、ポ
リビニルアルコールの被膜は、アルギン酸プロピレング
リコールエステルからなるゲル被膜層と接着性がよい。
【0017】また、水分透過調節層の厚さを適宜選択す
ることにより、水分透過量を調節することもできる。 <3>ゲル被膜層 ゲル被膜層は、創傷接触層と水分調節層とを介するもの
であり、本発明の創傷被覆材を使用した際に、真皮組織
が再生した後に水分透過調節層を剥離除去するために、
化学的に溶解させる層である。
【0018】このゲル皮膜層には、皮膚に刺激を与えな
い物質で溶解することが可能なゲル素材を用いる。この
ような素材として、例えば、アルギン酸、κ−カラギー
ナン、ペクチン等の多価金属塩が挙げられる。
【0019】アルギン酸、κ−カラギーナン、ペクチン
等の水溶液は通常粘度のある液体であるが、特定の二価
以上の多価金属イオン、例えば、カルシウムイオン、ア
ルミニウムイオン、銅イオン等を接触させると不溶性の
被膜状ゲルになるという性質を持っている。これは、多
価金属イオンにより分子間が電気的に架橋構造を形成す
るためである。
【0020】前記皮膚に刺激を与えない物質とは、用い
るゲル被膜層の素材によっても異なるが、クエン酸ナト
リウムや、リン酸ナトリウム、EDTA等を例示でき
る。これらはゲル被膜層に結合している特定の多価金属
イオンと、より強力に結合する性質を持っている。この
ような物質を作用させると、分子間で架橋構造を支えて
いる多価金属イオンが奪い取られ、脱架橋されるため、
ゲルは再び溶解する。
【0021】例をあげると、アルギン酸ナトリウム水溶
液は、二価の金属イオンであるカルシウムイオンを適度
な濃度、例えば0.1M以上、より好ましくは0.4M
以上の水溶液で作用させるとその接触面から被膜状の不
溶性ゲルになり、クエン酸ナトリウムを適度な濃度、例
えば100mM以上、より好ましくは200mM以上の
水溶液で作用させるとゲルは再び溶解する。
【0022】κ−カラギーナンもアルギン酸ナトリウム
と同様のゲル化剤と脱架橋剤により、架橋化、脱架橋化
される。また、カリウムイオンでもゲル化が促進され
る。ペクチンもまた、アルギン酸ナトリウムと同様のゲ
ル化剤と脱架橋剤により、架橋化、脱架橋化されるが、
脱架橋剤に対する反応性がよくないために、完全に溶解
させるためには60℃程度に加熱することが好ましい。
【0023】これらのゲル化する物質と多価金属イオン
と薬品とを適宜組み合わせることにより患部に刺激を与
えないものを選択して使用することができる。上記の中
ではアルギン酸プロピレングリコールエステルをカルシ
ウムイオンでゲル化したゲル被膜を用い、クエン酸ナト
リウムを脱架橋剤として使用するのが特に好ましい。ク
エン酸ナトリウムは、赤血球沈降速度測定用(32.8
g/lクエン酸三ナトリウム二水塩水溶液)として市販
されているものを使用することができる。この程度の濃
度のクエン酸ナトリウムは刺激性が少ないので好まし
い。
【0024】また、アルギン酸プロピレングリコールエ
ステルは、適度な保湿性をもち、溶解性もよい。 <4>本発明の創傷被覆材の製造法 本発明の創傷被覆材は、上記創傷接触層を形成し、この
一方の表面にゲル被膜層、水分透過調節層を順次形成す
ることにより製造することができる。
【0025】例えば、創傷接触層としてアテロコラーゲ
ンのスポンジを作製し、この表面にアルギン酸ナトリウ
ム溶液を塗布し、塩化カルシウム溶液を作用させてゲル
皮膜を形成させ、これをゲル被膜層として、さらにこの
被膜の上にポリビニルアルコール溶液を塗布、乾燥させ
て水分透過調節層を形成させる方法を挙げることができ
る。
【0026】具体的には、5cm×10cm程度のアテ
ロコラーゲン・スポンジの上部に、アルギン酸ナトリウ
ムの4W/W%溶液を2g塗布して、その表面に4W/
W%の塩化カルシウム水溶液を一面に作用させてゲル被
膜を形成させ、この後、ポリビニルアルコール10W/
W%水溶液2gをゲル被膜の上に塗布し、60℃に加熱
乾燥して水分透過調節層を形成し、創傷接触層としてア
テロコラーゲン、水分透過調節層としてポリビニルアル
コール、その中間にアルギン酸カルシウムのゲル被膜を
有する創傷被覆剤を得ることができる。
【0027】また、上記のように被膜性合成樹脂を層状
に加工することなく、ゲル被膜層の上面に油剤を塗布処
理することにより、水分透過量調節層とすることもでき
る。例えば、アルギン酸のカルシウム塩をゲル被膜層と
して用いた場合、シリコーン油であるジメチルポリシロ
キサン等を油剤として用いることができる。この場合に
は、創傷接触層の上層にクエン酸ナトリウム等で剥離除
去可能でかつ水分透過調節層でもあるアルギン酸カルシ
ウム塩のゲル被膜を有する創傷被覆材が得られる。
【0028】創傷接触層の厚さは、0.1〜1mmが適
する。これよりも薄いと細胞の侵入が悪く、これよりも
厚いと浸出液の貯溜が顕著となる。水分透過調節層は、
健常皮膚の水分透過量と同等になる様、素材によって厚
さを調節して用いることができる。例えば、ポリビニル
アルコールでは10〜20μmの厚さが適している。
【0029】ゲル被膜層は、創傷接触層と水分透過調節
層を接着できる最低限の厚さであることが好ましい。厚
すぎると、溶解させるための脱架橋剤の効果が表れにく
くなる。アルギン酸を例にとると、5μm前後の厚さが
適する。尚、ゲル被膜層に湿潤剤を処理して水分透過調
節層とする場合は、この限りでない。
【0030】
【作用】創傷被覆材を、創傷接触層と水分透過調節層と
を不溶性ゲルで接着した構造とすることにより、この創
傷被覆材を創傷面に適用し、真皮組織が再生した後に、
水分透過調節層を容易に剥離除去することができ、その
傷跡に表皮組織を移植することが可能となる。
【0031】尚、本発明の創傷被覆材は、創傷接触層の
側を創傷面に接触するように貼付し、ガーゼ等で固定
し、真皮組織が再生した後にゲル被膜層を溶解させて水
分透過調節層を剥離除去し、その後に表皮を移植する。
【0032】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明する。
【0033】
【実施例1】 (製法)特開平2−34171公報に記載されている方
法に準じて、アテロコラーゲン・スポンジを作製した。
アテロコラーゲン(株式会社高研)1.0gをpH3.
0の希塩酸に溶解して0.3W/V%にした。この溶液
を4℃の恒温層に入れ撹拌しながら、リン酸緩衝液を加
え、終濃度が0.1W/V%アテロコラーゲン、30m
M リン酸2ナトリウム、100mM 塩化ナトリウムで
あるコラーゲン溶液を調製した。
【0034】ついで、37℃の恒温層に24時間浸漬し
て繊維化コラーゲン液を得た。さらにこれを遠心分離
(5000r.p.m.10分)により濃縮して、0.
3W/V%の繊維化アテロコラーゲンを得た。
【0035】一方、1.0%のアテロコラーゲン溶液
(pH3.0の希塩酸)を60℃の恒温層中で30分間
処理した後、室温下で2時間放置して変性アテロコラー
ゲンの溶液を得た。これと上記で調製した繊維化アテロ
コラーゲン溶液とを37℃で混合して1時間撹拌した。
この溶液を−30℃で急速凍結した後、凍結乾燥を行
い、5cm×10cm(厚さ100μm)のアテロコラ
ーゲンのスポンジを作製した。
【0036】このスポンジの上部に、アルギン酸ナトリ
ウム(日本薬局方相当品)の4W/W%溶液を2g塗布
して、その表面に4W/W%の塩化カルシウム水溶液を
一面に作用させてゲル被膜を形成させた。この後、ポリ
ビニルアルコール10W/W%水溶液2gをゲル被膜の
上に塗布して、60℃に加熱乾燥して被膜とした。
【0037】以上の操作により、創傷接触層としてアテ
ロコラーゲン、水分透過調節層としてポリビニルアルコ
ール、その中間にアルギン酸カルシウムのゲル被膜を有
する創傷被覆剤を得た。
【0038】
【実施例2】 (製法)上記で作製したアテロコラーゲンスポンジ表面
に、アルギン酸プロピレングリコールエステル(紀文フ
ードケミファ社製 ダックロイドNF 相当品)の4w/
w%水溶液2gを塗布し、その表面に4W/W%の塩化
カルシウムを一面に作用させてゲル被膜層を形成させ
た。この後、ゲル被膜層の表面にジメチルポリシロキサ
ン0.5gを塗布浸透させて、水分透過調節層とした。
【0039】
【使用例】以下、従来の創傷被覆剤としてのWoodr
oof社製バイオブレン(ナイロンとコラーゲンペプチ
ドからなる創傷接触層とシリコンラバーメンブレンから
なる水分透過調節層を有する創傷被覆材)と、本実施例
1、2の創傷被覆剤をウサギ背面の創傷に対して処置し
たときの評価を示す。 (評価方法)除毛したウサギの背面の片側を、デルマト
ームを用いて真皮まで皮膚を削り取ることにより、2c
m×2cmの大きさの創傷を作製した。この創傷面に各
創傷被覆材を貼付し、滅菌ガーゼで固定した。
【0040】2週間後に、水分透過調節層の剥離除去を
行い、同一のウサギの背面片側から採皮した表皮を移植
した。。比較例については、ウサギを麻酔後、メスとピ
ンセットを併用して剥離除去を行った。
【0041】実施例1については、赤血球沈降速度測定
用クエン酸ナトリウム水溶液を、創傷被覆材の縁から処
理して水分透過調節層のみを剥離除去した。実施例2に
ついては、同じく赤血球沈降速度測定用クエン酸ナトリ
ウム水溶液を用い、これを染み込ませた脱脂綿で拭き取
るようにして除去した。
【0042】このようにして水分透過調節層を除去した
創傷面に、同一のウサギの片側の背面よりケラトームを
用いて削り取った表皮組織を移植した。 (結果)上記処置を行った創傷面につき、下記の評価を
行った。
【0043】1. 1週間後の創傷面への創傷被覆材の
密着性 2. 2週間後の創傷面の肉芽形成 3. 水分透過調節層の剥離除去後の創傷面での出血 4. 表皮移植1週間後の表皮組織の生着 それぞれ、密着性のよいもの、肉芽を形成したもの、出
血を認められなかったもの、表皮が生着したウサギの数
を表1に示した。
【0044】
【表1】
【0045】この結果から明かなように、本発明の創傷
被覆材を創傷面に適用すると、従来の合成繊維性の創傷
被覆材に比べて、水分透過調節層を除去後に高い効率で
表皮組織が生着した。また、水分透過調節層は極めて容
易に除去され、出血は認められなかった。
【0046】
【発明の効果】本発明により、創傷被覆材の水分透過量
調節層を化学的に剥離除去することが可能となり、水分
透過調節層を剥離除去する際の患者の苦痛を軽減するこ
とのできる創傷被覆材を提供することが可能となった。
この水分透過調節層の剥離除去は、創傷接触層に組織が
侵入し癒着していても問題なく行うことができる。
【0047】さらに、本発明の創傷被覆材を用いると、
表皮組織の移植を高い効率で行うことができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 細胞侵入性材料からなる創傷接触層と、
    水分透過調節層とを含む多層構造の創傷被覆材であっ
    て、これらの層の間にゲル被膜層を有することを特徴と
    する創傷被覆材。
  2. 【請求項2】 細胞侵入性材料からなる創傷接触層と、
    ゲル被膜層とを含む多層構造の創傷被覆材であって、こ
    のゲル被膜層の全部又は一部が水分透過調節層であるこ
    とを特徴とする創傷被覆材。
  3. 【請求項3】 前記ゲル被膜層が、金属イオンにより架
    橋ゲル化したアルギン酸又はその誘導体の金属塩ゲル、
    カッパカラギ−ナン又はその誘導体の金属塩ゲル、ペク
    チン又はその誘導体の金属塩ゲルの少なくとも1種であ
    る請求項1又は2に記載の創傷被覆材。
  4. 【請求項4】 前記ゲル被膜層が、金属イオンにより架
    橋ゲル化したアルギン酸又はその誘導体の金属塩ゲル、
    カッパカラギ−ナン又はその誘導体の金属塩ゲル、ペク
    チン又はその誘導体の金属塩ゲルの少なくとも1種であ
    り、金属塩ゲルよりも強力に金属イオンと結合する脱架
    橋剤により脱架橋されて溶解するものであり、このゲル
    被膜層を溶解したときに、創傷接触層から水分透過調節
    層を剥離することができることを特徴とする請求項1〜
    3に記載の創傷被覆材。
JP3338820A 1991-12-20 1991-12-20 創傷被覆材 Pending JPH05168689A (ja)

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