JPH0516716A - 車両用シートのシートバツク支持装置 - Google Patents

車両用シートのシートバツク支持装置

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JPH0516716A
JPH0516716A JP17789191A JP17789191A JPH0516716A JP H0516716 A JPH0516716 A JP H0516716A JP 17789191 A JP17789191 A JP 17789191A JP 17789191 A JP17789191 A JP 17789191A JP H0516716 A JPH0516716 A JP H0516716A
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JP
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seat back
seat
shoulder anchor
webbing
emergency
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JP17789191A
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Hideo Omura
英夫 大村
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Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 緊急時の乗員拘束性能を向上する。 【構成】 緊急時において、シートバック4の上部に設
けたショルダアンカ5に連結したステー14,15と、
センタピラー6に設けた受け部材17,18とがロック
し、シートバック4の上部がセンタピラー6に連結さ
れ、シートバック4の前後方向への倒れを防止する。こ
れと同時に、ウエビング8がショルダアンカ5に係留
し、乗員12の上体が前倒れしようとする力をウエビン
グ8からショルダアンカ5,ステー14,15,受け部
材17,18と順次伝達されてセンタピラー6で受け止
める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両用シートのシート
バック支持装置であって、特に、緊急時の乗員拘束性能
を向上する構造に関する。
【0002】
【従来の技術】車両用シートとしては、着座姿勢を個々
人に合わせて楽に採れるように、シートクッションの前
後方向への移動量を調整できるようにしたり、あるいは
シートバックを任意の角度に調整できるようにしたもの
がある。
【0003】また、前席乗員を拘束するシートベルト装
置としては、基本的には、シートベルトリトラクタから
引き出されたウエビングの一部が、車体のルーフサイド
またはセンタピラー上部に回転可能に取り付けられてい
るショルダアンカに係留してあり、このウエビングに装
着されているタングを車体のシートクッション近傍のフ
ロアに取り付けられているバックルに係合することによ
り、乗員を緊急時に拘束するようになっている。
【0004】このように、ショルダアンカが車体のルー
フサイドまたはセンタピラに固定されているシートベル
ト装置においては、シートクッションの前後方向への移
動量やシートバックの倒れ角度を変えることにより、乗
員のヒップポイントや乗員の胸部上半身に対するショル
ダアンカの位置が変わり、ウエビングによる乗員拘束性
能が微妙に変わる。このようなことから、シートバック
の上部に、シートベルト装置のウエビングの一部を係留
するショルダアンカを設けることが考えられている。
【0005】ところで、従来のシートにおいて、シート
バックの緊急時の前後方向への倒れを防止する構造が、
例えば実開昭57−8133号公報、または実開昭58
−6640号公報に開示されている。
【0006】この前者(実開昭57−8133号公報)
は、図11に示すように、シートバックAを、図外の緊
急ロック機構が内蔵された伸縮可能な支持部材Bによ
り、車体の図外のフロアに連結してある。そして、緊急
時に、緊急ロック機構が支持部材Bの伸縮をロックする
ことにより、シートバックAの前後方向への倒れを防止
するようになっている。
【0007】また、後者(実開昭58−6640号公
報)は、図12に示すように、シートバックCにパイプ
状の芯材Dを上下方向に埋設し、この芯材Dに挿入され
たロープEの一端を車体のルーフFに設けられたブラケ
ットGに係留し、ロープEの他端を、図外の緊急ロック
機構を有するとともに図外のスプリングで常時一定方向
に回転するように付勢されているシャフトHに巻き付け
てある。そして、緊急時に緊急ロック機構によりシャフ
トHの回転をロックして、ロープEにより、シートバッ
クCの前後方向への倒れを防止するようになっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】前述したように、シー
トバックの上部にウエビングの一部を係留するショルダ
アンカを設けた場合には、車両の前面衝突のような緊急
時において、乗員を拘束するために、ウエビングに発生
した多大な荷重全部がシートバックの上部に作用するた
め、シートバックの構造を強固なものにする必要がある
ことから、シートの重量が重くなり、車体重量の軽量化
に逆行する。
【0009】そこで、シートバックの上部にウエビング
の一部を係留するショルダアンカを設けるに際して、前
述の図11に示した倒れ防止の構造をシートバックに適
用することも考えられるけれども、この場合には、支持
部材Bが、フロアとシートバックA間に斜めに配置さ
れ、乗降時に邪魔になる。また、緊急時において、シー
トバックAに作用する前向きの荷重により、支持部材B
が圧縮を受けるので、支持部材Bに座屈しないような剛
性が要求される。
【0010】一方、シートバックの上部にウエビングの
一部を係留するショルダアンカを設けるに際して、前述
の図12に示した倒れ防止構造をシートバックに適用す
ることも考えられるけれども、図13に仮想線で示すよ
うに、シートバックの倒れ角度を大きくし、ロープEが
ブラケットGからシートバックCの上部に亘って後方に
折れている場合には、緊急時において、シャフトHが緊
急ロック機構で回転しないようにロックされることによ
り、ロープEがシートバックCの前方への移動に対して
多く引き出されたままとなり、ロープEがシートバック
Cに作用する前向き荷重を受け止めることはできない。
また、シャフトHにロープEを巻き取るために付勢され
ている回転力を強くして、緊急ロック機構によりシャフ
トHの回転がロックされる前に、シートバックCが仮想
線から実線示のように前方へ移動する過程で、ロープE
が直線状となり、ロープEの引き出し量が最少となった
所で、緊急ロック機構をロックさせることもできるが、
このようにロープEの応答性を良くするには、上記シャ
フトHの回転力を極めて強くする必要がある。しかし、
このシャフトHの回転力を強くすると、通常時におい
て、ロープEの張力が高過ぎ、シートバックCの倒れ角
度調整に多大な力が必要となる。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、シートバック
の上部に、シートベルト装置のウエビングの一部を係留
するショルダアンカを設けるとともに、このシートバッ
クのショルダアンカ近傍を、緊急ロック機構が設けられ
た補強機構で、車体のシートバック延長線後方部分に連
結してある。
【0012】
【作用】緊急時において、緊急ロック機構が補強機構を
ロックし、シートバックが補強機構を介して車体に連結
され、シートバックの前後方向への倒れが防止される。
これと同時に、ウエビングからショルダアンカに係留
し、乗員の上体が前倒れしようとする力がウエビング8
からショルダアンカと補強機構とに順次伝達されて車体
で受け止められる。
【0013】
【実施例】
第1実施例 図1は、第1実施例を示した側面図である。車体のフロ
ア1上には、シートクッション2がスライド機構3を介
して車体前後方向へ移動調整可能に取り付けられてい
る。このシートクッション2には、シートバック4の下
部が図外のリクライニング機構を介して車体前後方向へ
倒れ角度調整可能に取り付けられている。このシートバ
ック4の上部には、ショルダアンカ5が内蔵してある。
また、シートバック4よりも車体前後方向の後方に位置
するセンタピラー6の下部には、シートベルト装置用と
しての図外の緊急ロック機構が内蔵されているシートベ
ルトリトラクタ7を回転自在に取り付けてある。このシ
ートベルトリトラクタ7から引き出されたウエビング8
は、センタピラー6の上部に回転自在に取り付けられた
中継アンカ9から前記ショルダアンカ5に引き通されて
いる。このショルダアンカ5に引き通されたウエビング
8の先端部は、図外のブラケットを介してフロア1に連
結してある。このウエビング8の先端部とショルダアン
カ5との間に位置する部分には、タング10がウエビン
グ8の長手方向に沿って移動可能に設けられている。そ
して、乗員12が尻部をシートクッション2に乗せ、シ
ートバック4に背中をもたれかけ、つまり、シートに着
座した乗員12が、ウエビング8をシートベルトリトラ
クタ7から引き出しつつ、タング10を自分の大腿の上
を例えば右側から左側に通して、フロア1に回転自在に
取り付けられているバックル11に嵌合することによ
り、ウエビング8がシートベルトリトラクタ7から中継
アンカ9,ショルダアンカ5,乗員12の右肩,乗員1
2の左腰,タング10,乗員12の大腿を経て図外のブ
ラケットに到達するように展張され、緊急時に、シート
ベルトリトラクタ7内の緊急ロック機構がウエビング8
のシートベルトリトラクタ7からの引き出しをロックし
て、乗員を拘束するようになっている。
【0014】一方、シートバック4のショルダアンカ5
近傍は、後述する緊急ロック機構20が設けられた補強
機構13により、車体のシートバック延長線後方部分に
連結してある。具体的には、補強機構13は、複数本の
ステー14,15を備えている。これらのステー14,
15の一端部は、シートバック4のショルダアンカ5近
傍に結合された1つの軸部材16に回動自在に連結して
ある。複数本のステー14,15の他端部には、筒状の
受け部材17,18が軸心方向に移動可能に個別に貫装
してある。これら受け部材17,18は、センタピラー
6の中継アンカ9よりも上部に、上下に離間配置して回
動自在に取り付けられている。
【0015】図2は、前記受け部17,18とステー1
4,15とに個別に設けられた緊急ロック機構20を示
している。この緊急ロック機構20は、ステー14,1
5の周面にステー14,15の軸方向に沿って並設され
た多数の爪21と、受け部17,18にピン22で回動
自在に取り付けられたアーム23と、このアーム23の
中間部に取り付けられた重り24と、通常時はアーム2
3の先端を爪21から上部後方に離れる方向に支持して
いるリターンスプリング25とを備え、車両の前面衝突
のような緊急時に、重り24に車両の減速による矢印X
で示す荷重が作用することにより、リターンスプリング
25の弾性力に抗してアーム23がピン22を中心とし
て、実線示から仮想線示のように前方に移動し、アーム
23の先端が爪21に引っ掛かり、ステー14,15
を、矢印Y方向(前方)に引き出せないように、ロック
するようになっている。
【0016】次に、第1実施例の作用を説明する。
【0017】通常時には、緊急ロック機構20のアーム
23がリターンスプリング25により図2に実線で示す
ように支持され、アーム23の先端が爪21から離れて
いる(緊急ロック機構20がアンロック)ので、図1に
示す状態からシートクッション2を、スライド機構3の
働きにより車体前後方向、例えば図3に示すように、前
方に移動調整したり、図1に示す状態からシートバック
4を、図外のリクライニング機構の働きにより、図4に
示すように倒れ角度調整したりしても、これらシートク
ッション2やシートバック4の移動に伴って、補強部材
13のステー14,15が受け部材17,18中を軸方
向に移動するとともに、受け部材17,18が回動し、
ステー14,15の軸部材16を頂点とする挟角が変わ
るだけである。
【0018】一方、図1や図2または図3に示す状態に
おいて、例えば車両が前面衝突したような緊急時には、
図2に矢印Xで示す前向きの荷重が緊急ロック機構20
の重り24に作用し、アーム23の先端が図2の仮想線
示のように爪21に引っ掛かる。つまり緊急ロック機構
20のロック動作により、ステー14,15の前方への
移動が規制され、ステー14,15が受け部材17,1
8に固定される。このステー14,15と受け部材1
7,18との固定により、シートバック4の上部のショ
ルダアンカ5近傍が車体のセンタピラー6上部、つま
り、車体のシートバック延長線上の後方部分に、一体的
に結合される。これと並行して、乗員12の上体に前向
きの荷重が働き、乗員12の上体が前倒れしようとし
て、ウエビング8に大きな張力が急激に発生し、シート
ベルトリトラクタ7に内蔵された図外の緊急ロック機構
がロック動作し、ウエビング8のシートベルトリトラク
タ7からの引き出しを規制する。このウエビング8の引
き出し規制により、ウエビング8の一部が、シートバッ
ク4の上部に設けられたショルダアンカ5に係留する。
すると、上記乗員12の上体が前倒れしようとする力
が、ショルダアンカ5を経由して、上記緊急ロック機構
20により車体のセンタピラー6に一体的に結合してい
るステー14,15に、引っ張り方向に作用する。この
ため、緊急ロック機構20を含む補強機構13が、軽量
小形な構造であっても、上記前倒れしようとする乗員1
2の上体を、補強機構13とショルダアンカ5とウエビ
ング8とで拘束することができる。
【0019】しかも、緊急時にウエビング8の一部を係
留するショルダアンカ5が、シートバック4の上部に設
けられていることから、シートクッション1の車体前後
方向の移動量や、シートバック4の倒れ角度が、図1や
図3または図4に示すように変更されても、乗員12の
ピップポイントや胸部上半身に対するウエビング8によ
る拘束力が変わることはなく、緊急時に乗員12の上体
を安定に拘束することができる。また、補強機構13の
ステー14,15が、乗員12の後方に位置しているた
め、当該乗員12の乗降性に支障を招くこともない。
【0020】第2実施例 図5および図6に示すように、この第2実施例では、緊
急時に、シートバック4の上部に内蔵されているショル
ダアンカ5に掛かる荷重を受け止める補強機構13Aが
1本のステー30とスライダ31とスライドレール32
とで構成されている。具体的には、ステー30の一端
が、シートバック4にヒンジ33で前後方向に回動自在
に取り付けられたショルダアンカ5の上部に、一体的に
結合してある。このステー30の他端には、スライダ3
1が軸心方向に移動可能に貫装してある。このスライダ
31は、車体のルーフサイド34のセンタピラー6上方
近傍に取り付けられたスライドレール32に車体前後方
向に移動自在に嵌合している。そして、上記ステー30
のスライダ31に対する角度は、ステー30を貫装する
ために、スライダ31に開けられた穴35の角度によ
り、一定に決められる。即ち、スライダ31がスライド
レール32のどの位置にあっても、また、ステー30が
スライダ31に対してどの位置にあっても、車体のルー
フサイド34に対するステー30の角度は一定になって
いる。
【0021】また、ステー30とスライダ32とには、
図示は省略するが、前記第1実施例の図2に示す爪2
1,ピン22,アーム23,重り24,リターンスプリ
ング26からなる緊急ロック機構20が設けられてい
る。
【0022】したがって、この第2実施例によれば、通
常時には、図2に示す緊急ロック機構20がアンロック
動作しているので、図5に示す状態からシートクッショ
ン2を、スライド機構3の働きにより車体前後方向、例
えば図7に示すように、前方に移動調整したり、図5に
示す状態からシートバック4を、図外のリクライニング
機構の働きにより、図8に示すように倒れ角度調整した
りしても、これらシートクッション2やシートバック4
の移動に伴って、ステー30がスライダ31中を軸方向
に移動するとともに、スライダ31がスライドレール3
2中を前後方向に移動するだけである。
【0023】そして、図5や図7または図8に示すよう
に、ウエビング8がシートベルトリトラクタ7から中継
アンカ9,ショルダアンカ5,乗員12の右肩,乗員1
2の左腰,タング10,乗員12の大腿を経て図外のブ
ラケットに到達するように展張されているシートベルト
装置の装着状態において、車両が前面衝突したような緊
急時には、上記図2に示す緊急ロック機構20がロック
動作し、ステー30がスライダ31に固定される。する
と、スライダ31の穴35の働きにより、ルーフサイド
34に対するステー30の角度が一定になっていること
から、スライダ31がスライドレール32に固定し、シ
ートバック4の上部のショルダアンカ5が車体のルーフ
サイド34、つまり車体のシートバック延長線上の後方
部位に一体的に結合される。これと並行するシートベル
トリトラクタ7中の緊急ロック機構のロック動作によ
り、ウエビング8の引き出しが規制され、このウエビン
グ8の一部がショルダアンカ5に係留すると、乗員12
の前倒れしようとする力がショルダアンカ5を経由して
ステー30に引っ張り方向に作用し、前記第1実施例と
同様に、前倒れしようとする乗員の上体を補強部材13
Aとショルダアンカ5とウエビング8とで拘束すること
ができる。しかも、図6に示すように、スライドレール
32をルーフサイド34に組み付けられる天井部材36
で覆うことにより、車室に露出する部品は1本のステー
30だけであり、乗員12の乗降性に支障を招くことな
く、見栄え性も向上するうえ、視界を遮る部材も少ない
ことから、快適性も良好になる。
【0024】第3実施例 図9および図10に示すように、この第3実施例では、
緊急時にシートバック4の上部に内蔵されているショル
ダアンカ5に掛かる荷重を受け止める補強機構13B
が、ワイヤ40,41と、ワイヤスルー42と、図外の
緊急ロック機構の内蔵されたワイヤリトラクタ44と、
ブラケット45,46とで構成されている。具体的に
は、ワイヤ40,41の一端が、図10に示すようにシ
ートクッション2の車幅方向内側下部のフロア1に取り
付けられたブラケット45,46に係留してある。これ
らワイヤ40,41の他端は、シートクッション2とシ
ートバック4との内部を斜めに通り、ショルダアンカ5
の車幅方向両側に開けられた図外の穴を個別に通り、車
体のセンタピラー6の中継アンカよりも上部に回転自在
に取り付けられたワイヤスルー42に引き通された後、
センタピラー6のワイヤスルー42と中継アンカ9との
間に取り付けられたワイヤリトラクタ44の図外のワイ
ヤ巻取軸に巻き付けられている。このワイヤリトラクタ
44のワイヤ巻取軸は、図外のスプリングにより、ワイ
ヤ40,41を常時巻き取る方向に付勢されている。ま
た、ワイヤリトラクタ44に内蔵された図外の緊急ロッ
ク機構は、ワイヤ40,41に急激な張力が作用する
と、前記ワイヤリトラクタ44のワイヤ巻取軸の回転を
ロックして、ワイヤ40,41のワイヤリトラクタ44
からの引き出しを規制するようになっている。
【0025】したがって、この第3実施例によれば、通
常時には、ワイヤリトラクタ44中の図外の緊急ロック
機構がアンロック動作しているので、シートクッション
2を、スライド機構3の働きにより車体前後方向に移動
調整したり、図外のリクライニング機構の働きにより倒
れ角度調整したりしても、これらシートクッション2や
シートバック4の移動に伴って、ワイヤ40,41が、
ワイヤリトラクタ44から引き出されたり、ワイヤリト
ラクタ44に巻き取られ、ワイヤリトラクタ44からワ
イヤスルー42,ショルダアンカ5の穴を通ってブラケ
ット45,46まで展張されている。
【0026】そして、図9に示すように、ウエビング8
がシートベルトリトラクタ7から中継アンカ9,ショル
ダアンカ5,乗員12の右肩,乗員12の左腰,タング
10,乗員12の大腿を経て図外のブラケットに到達す
るように展張されているシートベルト装置の装着状態に
おいて、車両が前面衝突したような緊急時には、前記ワ
イヤリトラクタ44中の緊急ロック機構がロック動作
し、ワイヤ40,41のワイヤリトラクタ44からの引
き出しが規制される。すると、この引き出しが規制され
たワイヤ40,41により、シートバック4の上部のシ
ョルダアンカ5が車体のセンタピラー6、つまり車体の
シートバック延長線上の後方部位に一体的に結合され
る。これと並行するシートベルトリトラクタ7中の緊急
ロック機構のロック動作により、ウエビング8の引き出
しが規制され、このウエビング8の一部がショルダアン
カ5に係留すると、乗員12の前倒れしようとする力が
ショルダアンカ5を経由してワイヤ40,41に引っ張
り方向に作用し、前記第1,2実施例と同様に、前倒れ
しようとする乗員の上体を補強部材13Bとショルダア
ンカ5とウエビング8とで拘束することができる。しか
も、図10に示すように、ワイヤリトラクタ44をセン
タピラー6に埋め込むことにより車室に露出する部品は
細いワイヤ40,41だけであり、乗員12の乗降性や
快適性が、より一層向上する。
【0027】また、この第3実施例においては、ワイヤ
40,41が、図9に実線で示すように、ショルダアン
カ5の所で前方に突出する山形に折れているか、また
は、図9に仮想線で示すように直線状になっていれば、
緊急時に乗員12が前倒れしようとする力がワイヤ4
0,41に引っ張り方向に作用するので、ワイヤスルー
42の車体への取り付け位置はセンタピラー6に限定さ
れるものではなく、乗員12がシートバック4を後方に
倒す可能性のある最大の角度においても、ワイヤ40,
41が少なくとも図9に仮想線で示す直線状となるよう
に、ワイヤスルー42を車体に取り付けてあれば、乗員
拘束性能は良好なものとなる。このようなことから、図
9に示すように、シートバック4のヒンジ部にシートバ
ック4の倒れ角度を検出する角度検出器47を設け、こ
の角度検出を制御装置48に出力し、この制御装置48
が検出角度とこの制御装置48に設定された設定角度と
を比較し、検出角度が設定角度よりも大きい場合には、
ワイヤ40,41が直線となる設定角度よりも、シート
バック4が後方に倒れているものと判断し、イグニショ
ン回路49をオフ動作するか、あるいは、シフトレバー
50を駐車レンジPから他のレンジR,N,D,1,2
に動かないようにロックすることにより、安全性を高め
ることもできる。
【0028】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、シートバ
ックの上部に、シートベルト装置のウエビングの一部を
係留するショルダアンカを設けてあるので、シートクッ
ションの車体前後方向への移動量やシートバックの倒れ
角度を変えた場合においても、乗員に対する上記ショル
ダアンカの位置が常に一定となるので、緊急時における
ウエビングによる乗員拘束性能が安定になる。しかも、
シートバックのショルダアンカ近傍を、緊急ロック機構
が設けられた補強機構で、車体のシートバック延長線後
方部分に連結したので、緊急時にウエビングからショル
ダアンカに作用する荷重を、補強機構に引っ張り方向で
作用させつつ、車体で負担することができる。さらに、
上記ショルダアンカの荷重を補強機構に引っ張り方向に
作用させることにより、補強機構を軽量,小形に構成す
ることができるので、シートの剛性アップや重量アップ
を招くことなく、車体の軽量化に支障を招くこともない
という利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す側面図。
【図2】第1実施例の緊急ロック機構を示す断面図。
【図3】第1実施例のシートクッションを前方に移動調
整した作用説明図。
【図4】第1実施例のシートバックの倒れ角度を大きく
した作用説明図。
【図5】本発明の第2実施例を示す側面図。
【図6】第2実施例の正面図。
【図7】第2実施例のシートクッションを前方に移動調
整した作用説明図。
【図8】第2実施例のシートバックの倒れ角度を大きく
した作用説明図。
【図9】本発明の第3実施例を示す概略構成図。
【図10】第3実施例の正面図。
【図11】従来のシートを示す後斜視図。
【図12】従来の異なる例を示す前斜視図。
【図13】図12に示す従来例の作用説明図。
【符号の説明】
2…シートクッション 4…シートバック 5…ショルダアンカ 7…シートベルトリトラクタ 8…ウエビング 13,13A,13B…補強機構 20…補強機構の緊急ロック機構

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 シートバックの上部に、シートベルト装
    置のウエビングの一部を係留するショルダアンカを設け
    るとともに、このシートバックのショルダアンカ近傍
    を、緊急ロック機構が設けられた補強機構で、車体のシ
    ートバック延長線後方部分に連結したことを特徴とする
    車両用シートのシートバック支持装置。
JP17789191A 1991-07-18 1991-07-18 車両用シートのシートバツク支持装置 Pending JPH0516716A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011501718A (ja) * 2007-10-20 2011-01-13 ベントレー モーターズ リミテッド シートテンショナ

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