JPH05164587A - 流体の流量測定装置及び粘性測定装置 - Google Patents

流体の流量測定装置及び粘性測定装置

Info

Publication number
JPH05164587A
JPH05164587A JP91351419A JP35141991A JPH05164587A JP H05164587 A JPH05164587 A JP H05164587A JP 91351419 A JP91351419 A JP 91351419A JP 35141991 A JP35141991 A JP 35141991A JP H05164587 A JPH05164587 A JP H05164587A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fluid
temperature
sensor
flow rate
viscosity
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP91351419A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuichi Aoki
和一 青木
Yasuhiko Shiiki
靖彦 椎木
Yukihiro Saeki
幸弘 佐伯
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Snow Brand Milk Products Co Ltd
Original Assignee
Snow Brand Milk Products Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Snow Brand Milk Products Co Ltd filed Critical Snow Brand Milk Products Co Ltd
Priority to JP91351419A priority Critical patent/JPH05164587A/ja
Publication of JPH05164587A publication Critical patent/JPH05164587A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Measuring Volume Flow (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 流体管路において、流体の流量や粘性を計測
する装置であって、流体供給の制御基礎値として利用す
る。 【構成】 流体管路に2本以上配置される測温センサー
または発熱作用を有する測温センサーによって、管路に
導入された異種流体を検出し、その移動時間から流体流
量を計測するとともに、流体の粘性を前記発熱作用を有
する測温センサー温度と流体温度から計測する装置であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は測温作用を有するセンサ
ー及び/または、発熱作用を有するとともに測温作用を
有するセンサーを複数使用して流体管路における流体の
流量と粘性を一つの計測装置で測定するもので、各種産
業における流体の供給制御の基礎値として利用するため
の流体の流量測定装置及び粘性測定装置に関する。特に
流速や温度によって粘性の変化しやすい非ニュートン流
体においては、これを定量供給することが困難であり、
流量測定を行うとともに流量制御に粘性を基礎値とする
場合のための簡単な粘性測定の実現が望まれている。
【0002】
【従来の技術】従来流体の状態変化を測定する方法とし
て、本出願人が出願した特開昭60−152943号及
び特開昭62−185146号があげられる。また流体
の流速測定技術として特開昭63−317725号、特
開昭62−233721号、特開平2−287120号
があげられる。特開昭60−152943号は、金属細
線と流体の温度差を一定に保つよう電流を調節して、そ
の時の電流値から金属細線の表面における流体の熱伝達
率を算出して、その熱伝達率の変化か流体の状態変化を
計測する方法である。特開昭62−185146号は、
流体と熱的に接触する感知素子の温度、液体の温度、感
知素子と流体の温度差を計測して、その変化から流体の
状態変化を判定する方法である。特開昭63−3177
25号は、流体管路に流体と異なる温度を有する感知素
子を配置し、その素子の温度と流体の温度を計測して流
体流量を測定する方法である。特開昭62−23372
1号は、流体管路に気体を注入して流路内壁に全接する
気泡を形成させ、その気泡の移動速度を検出して、流体
の流速を導く方法である。特開平2−287120号
は、流体管路に整流部を設け、この下流にて色素注入を
行い、この色素の移動を光センサーで検出するととも
に、流体の温度と圧力を検出して流体流量を算出する装
置である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】流体流量を計測する手
段として定容量式のものが最も正確であるが、例えば、
食品産業における生クリームの流量を測定するような場
合は、ホイップ化を避けるためにギア式の定容量式流量
計は使用できない。また、飲食品などにおいても果肉を
混入するものなどは果肉の破壊が問題となるためライン
定量は実施できない。そして、固形物を混入する汚泥の
流量を計測するような場合も一般の流量計測装置では計
測が困難である。このような流体流量の計測において
は、定容量式以外で考慮する必要があるが、差圧式や渦
式でも正確な流量を得ることが困難である。また、定容
量式では流体の流量を測定する場合は流体の粘性変化を
考慮しなくて良いが、本発明のように異種流体の移動を
検知して流体の流量を求める場合は、流体の粘性変化に
よって生ずる流動の変化を加味した流量補正が必要であ
る。例えば、アイスクリーム製造ライン内においてオー
バーランの制御をしながら冷却制御も行なっており、ア
イスクリームのライン内における粘性変化や流量は製品
品質、歩留におおきく影響する。同じく、生クリームの
ホイッピング装置においても生クリームの流量と組成変
化による粘性変化と空気の量は、ホイップクリームの固
さに直接影響し、品質を左右する。従って、ラインにお
いて流体の流量と粘性を同時に計測可能であることは重
要な技術であるが、従来は粘性流体の流量を流体の破壊
や変化なく測定する方法がなかった。また粘性の変化に
よる流量の把握も別個の流量計、粘度計に頼っていた。
特に組成変化による粘性変化は計測が困難で、作業者の
経験にたよるところがおおきかった。ここで、特開昭6
0−152943号の発明は熱伝達率の変化から流体の
状態変化を計測するもので特に粘性変化を計測するもの
であるが、この計測において粘性率を実質値として知る
必要はなく、変化の始点や終点を時機的に把握する計測
方法である。したがって、粘性を求めるものでない。特
開昭62−185146号の発明は流体の温度と発熱素
子の温度の温度差を計測して流体の状態を計測するもの
で、粘性や速度、組成など計測する方法にとどまる。特
開昭63−317725号の発明は加熱や冷却によって
流体と異なる温度を有する感知素子の温度と、流体の温
度を計測し、流体流量を得ているが、粘性による流体へ
の影響は考慮されていない。特開昭62−233721
号の発明は流体管路に気泡を形成させてその移動速度か
ら流体流量を計測するものであるが、管路における気泡
の注入は管径によって管路全部を閉塞的に混入させえる
ものではない。特に管径が大きくなると気体は管内上部
において平状に変形して移動することとなるため該発明
では管径に限界がある。特開平2−287120号の発
明は色素を混入させてその移動を検出し流体流量を導く
ものだが、特開昭62−233721号の発明と同じく
管径の問題があるとともに、色素が流体と混合されるこ
とによる境界の判定のあいまいさの問題、及び流体が透
明であることを必然としていることによる流体の種類に
制限があること、また流体内に固形物が混入する場合は
整流部でつまるため採用できないなどの制約がある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は発熱作用と測温
作用を有するセンサーを利用して流体や管径に制限され
ることなく流体の流量を計測するとともに、流体の粘性
をも計測可能とし、一つの計測装置で多角的利用を可能
とすることを目的としている。かかる目的を達成すべ
く、流体の流路を形成する管路に測温作用を有するセン
サーを配置し、この測温センサーより上流に位置すると
ころに流体温度と異なる温度の異種流体を導入する導入
管を接続し、前記測温センサーに異種流体が接触したと
きの温度変化を該センサーで計測することから流体の流
量を得る流体の流量測定装置を発明した。また、発熱作
用を有しかつ測温作用を有するセンサーを、流体の流路
を形成する管路に配置し、これらセンサーよりも上流に
位置するところに異種流体を導入する導入管を接続し、
前記センサーが発熱作用をしているときに異種流体が接
触して生ずる定常状態温度の変化を計測することによっ
て流体の流量を得る流体の流量測定装置を発明した。そ
して、以上のような測定装置において、流体の管路に、
流体内に導入される異種流体がセンサーと接触するよう
に流路を形成させる手段を設け、異種流体を気体とし
た。更に、測温作用を有するセンサーと発熱兼測温作用
を有するセンサーのどちらか一方の種類のもの、もしく
は両者を混在させて管内に複数本配置させ、それらが計
測する温度変化の時間差から流体の流量を得るように構
成した。そして、センサーにより流体の温度とセンサー
の発熱温度の温度差を計測し、この温度差と流体の粘性
の相関関係から流体の粘性をも測定するように構成し
た。なお、本発明では発熱作用と測温作用を有する特殊
なセンサーを利用するが、この測温素子の機能と発熱機
能を有するセンサーに関しては、例えば特開昭64−4
4838号のようなセンサーが実例としてあげられる。
このようなセンサーを用いた流体の状態測定において、
発熱作用による素子温度が上昇過程にある非定常状態
と、流体に組成変化などの状態の変化がないかぎり一定
温度に安定する定常状態という現象が見られる。センサ
ー温度が定常状態になってから流体の組成変化や粘性変
化がおきると、定常状態温度が変化することから、流体
の状態変化を計測するセンサーとして利用しているが、
流体自体が交換された場合の検出や異種流体の境界面の
計測にも利用可能である。従って、流体内に気体が混入
する場合の気体の存在も検出可能である。このようなセ
ンサーを使用する場合において、粘性変化を数値として
ではなく変化状態の計測として用いる場合においてその
指標値を得る点では、指標値が変化の状態を表すため問
題が生じない。
【0005】
【作用】管路内を流動する流体中に、測温素子を複数本
配置し、該測温素子の上流において流体の温度と異なる
温度の異種流体を管内に導入し、異種流体が流体ととも
に移動して各測温素子と接触するとき各測温素子が温度
変化を生じる時間差を計測することによって流体の流速
を計測し、流量を算出する。または管路内を流動する流
体中に、発熱作用と測温作用を有するセンサーを複数個
配置して各々を発熱させながら定常状態を維持している
とき、このセンサーの上流から注入される異種流体が前
記センサーと接触し通過すると、定常状態の温度に変化
が現れる。この温度変化を例えば2本のセンサー間で計
測すればその温度変化の検出時間の差は異種流体がセン
サーを通過した時間を表し、この時間と2本のセンサー
間の距離から異種流体の移動速度が算出でき、かつ流量
が算出出来る。従って異種流体が管内流体とともに移動
するならば該異種流体の移動速度は管内流体の移動速度
と関係がある移動を示し、流体の流速が解る。また、セ
ンサーは発熱作用をし、定常状態を形成することから、
流量の組成変化等による粘性変化にともなう定常状態温
度の変化を検出することが可能であり、この定常状態温
度と流体温度の温度差と、粘性の相関関係を予め得てお
くことにより、粘性を知ることができる。なお、この定
常状態温度はつまり発熱センサー温度である。本発明の
方法において管を平行にして異種流体を流体内に混入さ
せると、管壁の流体の静止膜現象により異種流体が管壁
上部で停滞することがあり、この場合管に傾斜をもたせ
るなどの配慮が必要であるが、管に傾斜をもたせた場合
には異種流体の浮力によって流体の流速に浮力が加わっ
た速度で移動するため正確な流量が得られないという問
題に直面する。この場合は装置自体の設計において傾斜
角を一定に設定し、流量と異種流体の浮力による異種流
体の移動の間に特定の相関が得られるのでこれを利用し
て補正される。この補正は粘性の変化による補正と加味
されておこなわれて差し支えない。なお、管を傾斜させ
る度合については異種流体の種類によって異なるもので
あり、例えば気体と油性液ではその傾斜許容範囲が異な
るため特定できるものではなく適宜実験による設定が必
要である。しかし、流体の上流より下流が高く、かつセ
ンサーと異種流体が接触する条件さえ確立できれば設定
不可能な傾斜角度は存在しない。また、流速を計測する
にあたって測温素子による温度変化を利用する場合は、
導入される異種流体が管内流動流体の温度と異なる必要
があるが、その温度差に特段の限界はない。なお、測温
素子の測定精度の関係から現在の技術では±3℃以上の
温度差が必要である。さらに測温素子と発熱作用を有し
かつ自らの温度計測が可能なセンサーを併用すること、
各機能素子を1本づつ計2本以上配置することなども本
発明の技術範囲にある。流体流路である管路に挿入する
異種流体としては油、水銀、エチレングリコール、アル
コール、アンモニア、空気、不活性ガス、蒸気など液
体、気体どちらでもかまわなく、管内を流れる流体の特
性に応じて選定するのがよい。なおセンサー等は管上部
に配置限定されるものではないが、上部に配置する方法
が管理状好ましく、従って浮力によって管上部を移動す
る気体を異種流体として利用するほうが好ましいことと
考察される。
【0006】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。図1は実
施例にかかる測定装置の一例を示す縦断面図であり、図
2は図1に示すA−A線の断面矢視図である。3は流体
の流路を形成する流体管路であり、この流体管路3の上
面に一定距離Xをおいてセンサー1とセンサー2が配設
してある。センサー2はセンサー1よりも下流側にあ
る。これらセンサー1、2は何れも発熱機能を有すると
共に自らの温度を計測可能な機能を有するセンサーであ
り、例えば本出願人が先に特開昭64−44838号で
開示した金属細線を用いた通電加熱法によるセンサーな
どが利用できる。なお、通電加熱法によるセンサーは金
属細線に通電する電流値によって発熱量が異なるが、か
かる発熱量は液体温度に変化のないかぎりは変化しない
ことから流体の流速の変化や状態の変化を把握できるも
のである。センサー1とセンサー2には一定の電流を通
電する定電流電源4、5が接続され、センサー1とセン
サー2における発熱量の変化はデーターコントローラ6
に入力されるようになっている。そして、このデーター
コントローラ6からCPU7に信号が入り、CPU7か
ら出力された信号によって流量コントローラ8、粘性コ
ントローラ9、異種流体注入制御装置10が適宜稼働さ
れる。また、流体管路3においてセンサー1よりも上流
側に異種流体注入管路11が接続してあり、この異種流
体注入管路11の途中に設けられた開閉弁12が上記異
種流体注入制御装置10によって制御されるように構成
してある。
【0007】以上のような測定装置において、流体管路
3に例えば液体を流し、異種流体として例えば空気を選
択して異種流体注入管路11から液体管路3に空気を注
入できるように構成する。そして、先ず開閉弁12を閉
じて異種流体注入管路11から空気を注入しない状態で
流体管路3に液体を流す。この状態でセンサー1とセン
サー2に電流を通電して発熱させると、発熱開始から一
定時間経過後において、センサー表面における熱伝達現
象が安定してセンサー1とセンサー2の発熱体温度が一
定温度となり、熱伝達現象は定常状態となる。しかし
て、異種流体注入制御装置10から指令を発して開閉弁
12を開き、異種流体注入管路11から空気を注入す
る。こうして、流体管路3において液体に混じりながら
空気が一緒に流れる状態にする。流れてきた空気がセン
サー1、2に接触するとその組成の違いからセンサー表
面における熱伝達現象に変化が起き上記定常状態温度が
変化する。即ち、空気がセンサー1、2と接触すると、
気体は液体より密度が小さく熱伝達率が小さいためセン
サー1、2の温度が高くなる。これは空気における定常
状態に推移するためである。しかして、以上のような測
定を行うと、実際には空気は泡状となって流れ、センサ
ー1、2と接触するのは一瞬であるためセンサーに生じ
る温度変化は図3に示すように鋭い凸状になり、すぐも
との、液体による定常状態温度にもどる。従って、セン
サー1にこのような温度上昇の現象が起きてからセンサ
ー2に同じ現象が起きるまでの時間差Tを計測すれば、
時間差Tは空気泡がセンサー1、2間を移動した時間に
なる。センサー間距離Xは決っていることから、空気泡
が液体の流動力によって移動するかぎり空気泡の移動時
間Tは流体のセンサー間移動時間を代表する。従って、
流体流速Vは例えば 流速V = 距離X / 時間T (m/s) となり、ゆえに流量Qは 流量Q = 流速V × 管内径断面積A (m3 /
s) であらわされることになる。なお、センサー1,2を測
温作用のみを有するセンサーとする場合は、流体の温度
を大きく差のある温度の異種流体を混入させるよう構成
し、センサーで異種流体の接触による温度変化を計測す
ることで達成される。
【0008】次に、以上のような測定装置によって流体
の粘度を計測する場合は、センサー1の電流は測温素子
として機能させ、流体の温度を計測する。これは、例え
ばセンサー1の金属細線に液体に温度変化の影響を与え
ない程度の微弱電流を通電せしめ、その金属細線の抵抗
値から流体の温度を計測することができる。また、セン
サー2は発熱機能を維持させ定常状態の温度を計測す
る。流体に粘性変化があると、熱伝達現象に変化が起
き、定常状態温度が変化したことがセンサー2で計測で
きるように構成する。そして、これらセンサー1、2に
よって液体の温度θ1と発熱素子であるセンサー2の温
度θ2を計測し、予め求めておいた発熱素子温度と流体
温度の差θ2−θ1と液体の粘性の相関関係を調べてお
けば、その相関関係から即座に流体の粘性が計測される
ようになる。
【0009】なお、上述したような流速を計測するため
の空気泡の接触による熱伝達現象の変化と、このように
粘性変化による熱伝達現象の変化には大きな差があるの
で、両者を混同することはない。特に、液体の流速測定
のために異種流体として気体を使用する場合は、定常状
態温度が明らかに区別できるため混同は生じない。ま
た、以上のように2本のセンサー1、2を用いて粘性と
相関をとる発熱素子温度と液体の温度の差をとる意味
は、粘性変化が流体の温度変化によるものなのか、組成
の変化によるものなのかを区別するためである。なお、
上記温度差と粘性の相関関係は流体の温度変化に関係な
く計測可能な方法である。これは従来技術の本出願人先
行出願でもあきらかである。
【0010】以上のようにして測定した流量及び粘性に
基づいて流量コントローラ8や粘性コントローラ9へデ
ーターをフィードバックし、流体管内3を流れている流
体の粘性、流量を制御することができるようになる。な
お、これらは管内へ異種流体を挿入する制御装置10へ
の出力とともに、CPU7で管理される。
【0011】図4から図12までは流体管路3において
異種流体注入管路11より注入された異種流体がセンサ
ー1、2と確実に接触するように加えられる補足的な手
段を示している。図4、5は管を水平に設けた仕切り板
15によって流体管路3を上下に仕切った例を示してい
る。図6、7はセンサー1、2の両側を挟むようにして
2枚の案内板16を液体管路3の上面に垂設した例を示
している。図8、9はセンサー1、2の周りを取り囲む
ようにして角筒状のケース17を設けて、上記仕切り板
15と案内板16を兼ねるように構成した例である。図
10、11は以上のものと異なり、異種流体注入管路1
1の出口を流体管路3の中心部に配設した円筒状のケー
ス18に接続するように構成した例を示している。ま
た、図12はそのような円筒状のケース18の代わり
に、下方が開放した形状のケース19を設けた例を示し
ている。しかして、このように仕切り板などを設けるこ
とにより、異種流体注入管路11より注入された異種流
体がセンサー1、2と確実に接触させることができるよ
うになる。なお、これら仕切り板等の形状や大きさは流
体管路3を流れる流体の種類や流体の状態、例えば流体
内に破壊できない固体が混入する場合などの流体の条件
によって自在に選定しえるものであり、かつ流体管路3
が傾斜する場合やその距離についても都度設定されるも
のである。さらには、これらセンサー1、2よりも上流
において流体の整流装置や異物除去のためのスクリー
ン、分岐装置などを設けることは状況に応じて対処され
る。なお、本発明においては、異種流体注入管路11よ
り流体管路3に注入される異種流体は大量な注入量を必
要とするものではなく、異種流体とセンサー1、2との
接触状況さえよければ極少量に制限できるものである。
また、以上の図4乃至図12で説明した例は異種流体の
比重が流体より小さく浮力により流体管路3の上部を移
動するという前提のもとに描かれているが、反対に異種
流体の比重が大きい場合などはセンサー1、2を流体管
路3の下部に設け、仕切り板なども図中の上下部に配置
できることはいうまでもない。何れにしても、仕切り板
などの位置や形状はセンサー1、2が配置される位置や
異種流体の種類によって状況に応じて設定すべきであ
る。
【0012】次に、以上の測定装置により本出願人が行
った実験の結果を示す。 (実験例1)図13のように水を充填した流体槽20か
ら設けた流体管路3の途中にポンプ21、電磁流量計2
2を介して測定部23を形成して水の流量を計測した。
管径20mmの円管からなる測定部23において90c
mの間隔で、発熱作用を有しかつ自らの温度を計測でき
るセンサー1、2を2本配置した。また、異種流体注入
管路11による異種流体の挿入部よりも上流に電磁流量
計22を設け、該値より流量コントローラ8を介してポ
ンプ21の回転数を制御し、水の流量が既知流量となる
よう構成した。異種流体として空気を用い、10cc注
入した。発熱作用を有し、かつ測温作用を有するセンサ
ーを配置し、流量を25cm3/sに設定して計測した
結果、各センサー1、2の定常温度に図14に示すよう
な変化が計測された。なお、図中点線がセンサー1の温
度変化を示し、実線がセンサー2の温度変化を示す。こ
の図14で各センサー1、2の定常状態の変化起点の時
間差ΔTを計測したところ、時間差ΔTは3.92秒で
あった。なお、このように温度の変化起点を用いて時間
計測をする理由は、空気が管内において変形するため起
点以外の点の温度推移に計測ズレが生じるためである。
この値をもとに流速Vを算出すると 流速V = 距離X / 時間ΔT(m/s) より V = 90 / 3.92 = 22.95 (cm
/s) となる。ここで、本実験のように流体が液体で異種流体
が空気である場合は浮力によって空気が液体より早く移
動するため、このようにセンサー1、2で測定される流
速は電磁流量計で設定した流量値より算出された流速値
7.96m/sよりも大きな値となるのが一般である。
そこで、両者の関係を図15のように表し、このグラフ
を用いてセンサー1、2で測定される流速Vを補正する
ようにする。図中、縦軸はセンサー1、2による流速
V、横軸は電磁流量計による流速Vtを示し、*印は電
磁流量計で流量を種々の値に変えながら各流量値におけ
るセンサー1、2の流速Vと電磁流量計の流速Vtを比
較してプロットしたものである。直線25は、それらの
プロットした点に基づいて最小自乗法によって求めた較
正直線である。なお、両者の関係を式で表せば V = 12.06 + 1.44Vt となる。しかして、上述のようにセンサー1、2による
流速Vが22.95(cm/s)のとき、上記関係式よ
り流速は7.9cm/sとなる。そして、次式 流量Q = 流速Vt × 管内径断面積A (m3/
s) より、流量Qは 7.9×2×2×3.14/4 = 24.8 (cm
3/s) と算出された。
【0013】(実験例2)図13に示した測定装置にお
いて、測温作用のみのセンサーを用いた例で流体管路3
に温度42℃の水を流し、異種流体注入管路11より温
度約20℃の空気を導入して同様の測定を行ったとこ
ろ、図16に示すような結果を得た。図中、縦軸はセン
サー1、2の温度変化を示し、横軸は経過時間を示して
いる。本実験例では流体温度が高く挿入空気温度が低い
ため、センサー1、2によって温度降下という変化が検
出されている。図17は、本実験例においてセンサー
1、2で測定される流速Vと電磁流量計で設定した流量
値より算出された流速Vtの関係を比較したグラフであ
り、両者の関係を式で表せば V = 12.82 + 1.31Vt となる。なお、このように、本実験例における関係式が
実験例1のものと異なるのは水と空気の温度差から生ず
る浮力の違いなどが考えられる。しかして、本実験例に
おいても設定流量25cm3/sにおいて時間差ΔTは
3.92秒が得られ、図17に基づいて流速を補正して
流量Qを算出したところ、流量Qは24.8cm3/s
となり、本装置の実現性が高いことが証明された。な
お、以上のように図15、図17において示した関係
は、流体が異なれば異なるので、相関関係については予
め検討して求めておくことが必要になる。また、多くの
流体が通過するラインではそれぞれの補正値を演算装置
に記憶させ流体に応じて使用するのがよい。この場合の
流体の種類の判別方法はその流体の粘性を計測すること
で判別可能である。
【0014】(実験例3)図13に示した測定装置にお
いて、流体管路3に0.3%のアルギン酸ソーダ液を流
して測定したところ、図18に示す結果を得た。設定流
量25cm3/sにおいて時間差ΔTはやはり、3.9
2秒となった。また、本実験例において発熱作用かつ測
温作用を有するセンサー1、2で測定される流速Vと電
磁流量計で設定した流量値より算出された流速Vtの関
係を比較したところ図19に示すグラフを得た。両者の
関係を式で表すと V = 12.82 + 1.31Vt となった。そして、この図19に基づいて流速を補正し
て流量Qを算出したところ、流量Qは24.8cm3/
sとなり、実験例1、2と同じ結果を得た。これはアル
ギン酸ソーダ液が0.3%で35cP程度の粘性を持つ
ものの、流量にはほとんど影響していないことを示して
いる。従って水の場合と同じ流量となった。
【0015】(実験例4)図13に示した測定装置にお
いて、発熱作用かつ測温作用を有するセンサーを用いて
流体管路3に流すアルギン酸ソーダの濃度を変化させ、
粘度を変えて粘度の測定を行った。その結果、センサー
1で計測される流体温度θ1とセンサー2の発熱温度θ
2との温度差ΔTと、流速Vとの関係は図20のように
なった。図中、縦軸はセンサー2の発熱温度θ2と流体
温度θの温度差ΔTを示し、横軸は流速Vを示す。しか
して、0.6%のアルギン酸ソーダの場合は△、0.3
%のアルギン酸ソーダの場合は●、水(0%のアルギン
酸ソーダ)の場合は○でプロットした点で示される結果
となり、温度差ΔTと流速の関係は、各粘性の流体にお
いて、それぞれ直線関係を示すことがわかった。従っ
て、粘性が流速に影響するほど大きいような場合であっ
ても、その粘度における流速を電磁流量計の流速と相関
をとっておけば測定可能であることとなる。また、この
図20より、同じ流速で粘性を変えた場合はセンサー2
と流体の温度差ΔTが異なることが示され、一つのライ
ンにおいて温度差ΔTの変化を計測することで粘性変化
を検出でき、流体が変化したことを計測できることが示
された。つまり、同じ流体で同じ速度でラインを移動し
ているときに粘性が変化すると、温度差ΔTが変化する
ことによって粘度変化を推定できるのである。図20の
例で言えば、流速が5cm/sのときに、0.3%アル
ギン酸ソーダの温度とセンサー温度の差が28.95℃
となっていたのが、29.3℃に変化したということは
アルギン酸ソーダの濃度が0.6%に変化したことを示
す。なお、流体の粘度が流速に影響する状態になったと
きは、その粘度における測定流速値と電磁流量計の流速
値の補正相関を予め得ておくことが必要となる。しかし
て、以上の実験例において測定部23を直管を構成した
ものを示したが、このようにセンサー1、2を配置する
管は直管でなければならないということはなく、異種流
体がセンサーと接触し、かつその流速と流体の実流速の
間に相関を得られるものならば曲管でもかまわない。
【0016】
【発明の効果】以上、何れにしても本発明によれば以下
の効果を奏する。 1、流体の流速を計測するために流体管路に異種流体を
注入する上で、その管路において異種流体が管内流体を
遮断するがごとく大量に注入する必要がなく、管径に制
限がない。このため既存の管路に簡単に測定装置を配置
できる。 2、流体の流量を計測するとともに、その粘性を計測す
ることが一つの装置で可能であり、経済的であるととも
に計測装置の設置容量を小さくできる。さらに流量と粘
性が計測できることは、粘性変化による流量の補正制御
や、粘性表示の補正などが即座に可能であり、ライン管
理に有用である。 3、流体の流動に対して管路に装置的な制限を加える必
要がなく流体内に固形物が混入する場合も流動を阻害す
るなどの問題を生じることなく計測が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる測定装置の一例を示す縦断面図
【図2】図1A−A線断面矢視図
【図3】センサーに生じる温度変化を示すグラフ
【図4】仕切り板を設けた測定装置を示す縦断面図
【図5】図4B−B線断面矢視図
【図6】2枚の案内板を垂設した測定装置を示す縦断面
【図7】図6C−C線断面矢視図
【図8】角筒状のケースを設けた測定装置を示す縦断面
【図9】図8D−D線断面矢視図
【図10】異種流体注入管路の出口を流体管路の中心部
に配設した測定装置を示す縦断面
【図11】図10E−E線断面矢視図
【図12】下方が開放した形状のケースを設けた例を示
す流体管路縦断面図
【図13】測定装置の説明図
【図14】実験例1のセンサー温度の変化を示すグラフ
【図15】実験例1の流速Vと流速Vtの関係を示すグ
ラフ
【図16】実験例2のセンサー温度の変化を示すグラフ
【図17】実験例2の流速Vと流速Vtの関係を示すグ
ラフ
【図18】実験例3のセンサー温度の変化を示すグラフ
【図19】実験例3の流速Vと流速Vtの関係を示すグ
ラフ
【図20】実験例4の結果を示すグラフ
【符号の説明】
1、2 センサー 3 流体管路 11 異種流体注入管路

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流体の流路を形成する管路に測温作用を
    有するセンサーを配置し、この測温センサーより上流に
    位置するところに流体温度と異なる温度の異種流体を導
    入する導入管を接続し、前記測温センサーに異種流体が
    接触したときの温度変化を該センサーで計測することか
    ら流体の流量を得る流体の流量測定装置。
  2. 【請求項2】 発熱作用を有しかつ測温作用を有するセ
    ンサーを、流体の流路を形成する管路に配置し、これら
    センサーよりも上流に位置するところに異種流体を導入
    する導入管を接続し、前記センサーが発熱作用をしてい
    るときに異種流体が接触して生ずる定常状態温度の変化
    を計測することによって流体の流量を得る流体の流量測
    定装置。
  3. 【請求項3】 流体の管路に、流体内に導入される異種
    流体がセンサーと接触するように流路を形成させる手段
    を設けた請求項1または2に記載の流体の流量測定装
    置。
  4. 【請求項4】 異種流体が気体である請求項1乃至3に
    記載の流体の流量測定装置。
  5. 【請求項5】 測温作用を有するセンサーと発熱兼測温
    作用を有するセンサーのどちらか一方の種類のもの、も
    しくは両者を混在させて管内に複数本配置させ、それら
    が計測する温度変化の時間差から流体の流量を得る請求
    1乃至4に記載の流体の流量測定装置。
  6. 【請求項6】 センサーにより流体の温度とセンサーの
    発熱温度の温度差を計測し、この温度差と流体の粘性の
    相関関係から流体の粘性をも測定する粘性測定装置であ
    る請求項2乃至5に記載の流体の流量測定装置。
JP91351419A 1991-12-12 1991-12-12 流体の流量測定装置及び粘性測定装置 Withdrawn JPH05164587A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP91351419A JPH05164587A (ja) 1991-12-12 1991-12-12 流体の流量測定装置及び粘性測定装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP91351419A JPH05164587A (ja) 1991-12-12 1991-12-12 流体の流量測定装置及び粘性測定装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH05164587A true JPH05164587A (ja) 1993-06-29

Family

ID=18417159

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP91351419A Withdrawn JPH05164587A (ja) 1991-12-12 1991-12-12 流体の流量測定装置及び粘性測定装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH05164587A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009156653A (ja) * 2007-12-26 2009-07-16 Nikkiso Co Ltd 界面検出装置
CN102890041A (zh) * 2012-10-23 2013-01-23 林志华 一种食用油脂品质检测方法及系统

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009156653A (ja) * 2007-12-26 2009-07-16 Nikkiso Co Ltd 界面検出装置
CN102890041A (zh) * 2012-10-23 2013-01-23 林志华 一种食用油脂品质检测方法及系统

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Fukano et al. Characteristics of gas-liquid two-phase flow in a capillary tube
US5272912A (en) Apparatus and method for measuring viscosities of liquids
EP2192391A1 (en) Apparatus and a method of measuring the flow of a fluid
KR900008353A (ko) 유량측정 방법 및 이 방법에 사용하는 유량계 및 이 유량계를 사용하는 액체용 유랑제어장치
US20150316401A1 (en) Thermal, flow measuring apparatus and method for determining and/or monitoring flow of a medium
JPS6352015A (ja) 質量流量測定装置
US20140136125A1 (en) System and method for multi-phase fluid measurement
CN109387254A (zh) 热式流量计
RU2286544C2 (ru) Измерительный преобразователь вихревого течения
WO2007145036A1 (ja) 容積流量を切り替えポイントに用いるマルチ渦流量計
CN109932283B (zh) 高剪切速率下非牛顿流体表观黏度测量装置及测量方法
US20130219986A1 (en) Method and apparatus for calibrating a flow meter
JPH05164587A (ja) 流体の流量測定装置及び粘性測定装置
US20070251330A1 (en) Flowmeter
JP2920679B2 (ja) 液体流量計
Semenov et al. Liquid and gas optical flowmeter model development
CN115586208A (zh) 环形温度传感器阵列测量油水两相流相含率的装置和方法
JP4293941B2 (ja) 流量測定方法および装置
JP7450536B2 (ja) シールの漏出流の量を測定する方法
JPH11304561A (ja) 流量測定装置
JP2010101738A (ja) 流動状態判別方法
US20220260469A1 (en) True vapor pressure and flashing detection apparatus and related method
RU2152593C1 (ru) Способ измерения расхода потока
Nakoryakov et al. Experimental study of the Taylor bubbles shear stress in an upward flow in a vertical tube
Abed et al. Experimental Analysis of Two-Phase Flow Through Cylinderical Obstruction in Vertical Pipe

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 19990311